JP2008195785A - 非水系組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のものよりも、より高粘度であり、より凝集物がなく状態が安定した非水系組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】水系ポリマーを製造時の絶対圧力において水以上の沸点を有した少なくとも一種の有機溶媒と脱水装置にて混合した後、脱水温度を25℃以上有機溶媒の沸点未満とし、容器内の絶対圧力を0mmHg以上760mmHg以下、混合物に含まれる水分の脱水速度を混合物の質量の0.5質量%/hr以上50質量%/hr以下とすることで含水分を除去する非水系組成物の製造方法である。
【選択図】図1
【解決手段】水系ポリマーを製造時の絶対圧力において水以上の沸点を有した少なくとも一種の有機溶媒と脱水装置にて混合した後、脱水温度を25℃以上有機溶媒の沸点未満とし、容器内の絶対圧力を0mmHg以上760mmHg以下、混合物に含まれる水分の脱水速度を混合物の質量の0.5質量%/hr以上50質量%/hr以下とすることで含水分を除去する非水系組成物の製造方法である。
【選択図】図1
Description
本発明は、水系ポリマーから製造される非水系組成物の製造方法に関する。
従来、ラテックス(水系ポリマーディスパージョン)あるいは非水系ポリマーディスパージョンは、接着剤、粘着剤、シーリング材、塗料などとして広く用いられている。非水系ポリマーディスパージョンは、水があると不適当な特殊な用途、例えば、水を嫌う用途、速乾性を要する用途、または水を蒸発させるための加熱ができない用途などに用いられる。
従来、非水系ポリマーディスパージョンの製造は容易ではなかった。そこで、ラテックスの水と非水系分散媒を置換することにより、非水系ポリマーディスパージョンを製造する方法が開示された(特許文献1)。
しかしながら、従来の方法によれば、低粘度の非水系ポリマーディスパージョンは製造可能であったが、10,000mPa・s以上の高粘度になると凝集物が発生し状態が不安定となり、製造が困難であった。
本発明の課題は、従来のものよりも、より高粘度であり、より凝集物がなく状態が安定した非水系組成物(ポリマーディスパージョン)の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、水系ポリマーと有機溶媒との混合物を、脱水温度、脱水時の絶対圧力、脱水速度、撹拌翼の単位容積あたりに加えられる撹拌動力(Pv値)を所定の範囲として攪拌することにより、従来よりも高粘度で凝集物がなく安定した状態の非水系組成物が得られることを見出した。すなわち、本発明によれば、以下の非水系組成物の製造方法が提供される。
[1] 水系ポリマーを製造時の絶対圧力において水以上の沸点を有した少なくとも一種の有機溶媒と攪拌翼を備えた容器内にて混合し、前記水系ポリマーと前記有機溶媒との混合物を、脱水温度を25℃以上前記有機溶媒の沸点未満、前記容器内の絶対圧力を0mmHg以上760mmHg以下、前記混合物に含まれる水分の脱水速度を前記混合物の質量の0.5質量%/hr以上50質量%/hr以下として含水分を除去して非水系組成物とする非水系組成物の製造方法。
[2] 前記容器内にある気体を1分間に気相部体積の5%以上置換して含水分を除去する前記[1]に記載の非水系組成物の製造方法。
[3] 前記撹拌翼の下記(1)式により定められる単位容積あたりに加えられる撹拌動力(Pv値)を200以上20,000以下とする前記[1]または[2]に記載の非水系組成物の製造方法。
Pv値=P/((π/4)D2H)・・・(1)
(式中、P:撹拌所要動力(W)、D:容器径(m)、H:液深(m)を示す。)
Pv値=P/((π/4)D2H)・・・(1)
(式中、P:撹拌所要動力(W)、D:容器径(m)、H:液深(m)を示す。)
[4] 前記非水系組成物の含水分を0.5質量%未満とする前記[1]〜[3]のいずれか1に記載の非水系組成物の製造方法。
[5] 前記非水系組成物の25℃における粘度が500mPa・s以上900,000mPa・s以下である前記[1]〜[4]のいずれかに記載の非水系組成物の製造方法。
[6] 前記水系ポリマーは、天然ゴムラテックス、改質天然ゴムラテックス、合成樹脂エマルジョン、及び合成ゴムラテックスからなる群より選択される少なくとも1種を含む前記[1]〜[5]のいずれかに記載の非水系組成物の製造方法。
[7] 水以上の沸点を有した前記有機溶媒に加え、水と共沸可能な有機溶媒も前記水系ポリマーと混合する前記[1]〜[6]のいずれかに記載の非水系組成物の製造方法。
本発明の非水系組成物の製造方法では、従来よりも高粘度品を製造することも可能であるとともに、凝集物がなく高分子粒子が有機溶媒中に均一に分散したものを得ることができる。また製造時、水以上の沸点を有した有機溶媒を用いることから分散媒となる有機溶媒が除去されず、仕込み通りの有機溶媒量が非水系組成物に残り、所望の組成のものを得ることもできる。さらに、例えば、500mPa・s以上900,000mPa・s以下の広範囲の粘度のものを得ることもできる。つまり本発明の非水系組成物の製造方法によれば、従来では製造が困難であった10,000mPa・s以上900,000mPa・s以下の高粘度のものでも得ることができる。また従来の方法よりも、より水分を効率よく除去し、水分を限界まで、言い換えると、0.5質量%未満まで除去することもできる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
図1に本発明の非水系組成物の製造方法が適用される脱水置換装置1を示す。脱水置換装置1は、有機溶媒及び水系ポリマーを入れる容器2、容器2を昇温するための温度調節手段としてのジャケット3、気体を排出するための脱気装置4を備える。また、容器2内に、有機溶媒及び水系ポリマーを攪拌するための攪拌翼5を備える。さらに、加熱空気、加熱窒素を導入するための気体導入手段として、気体導入用の専用ライン6を備える。
容器2としては、図1に示す二重底釜(ジャケット型)の他、直火加熱蒸発器、直接加熱蒸発器、水蒸気加熱多管式蒸発器等を用いることができる。容器2の材質は、例えば、SUSやフッ素加工したものがよい。また、減圧するため耐圧容器がよい。そして、容器2は、上蓋2aを備えて、内部を密封状態とすることができる。さらに、上蓋2aには、挿入孔が設けられて、脱気装置4及び気体導入用の専用ライン6が備えられている。このように構成することにより、容器2内の気圧を所定の値に保つことができる。また、必要に応じて気体導入用の専用ライン6より窒素ガス等を導入することにより、有機溶媒及び水系ポリマーが空気に曝されることを防ぐことも可能である。
撹拌翼5としては、図1に示すアンカー翼の他、エッジドタービン翼、プロペラ翼、タービン翼、パドル翼、リボン翼、マックスブレンド翼等を用いることができる。攪拌翼5には、吐出作用と剪団作用とがあり、混合する水系ポリマー及び有機溶媒によって、どの攪拌翼を使用するかを適宜選択するとよい。有機溶媒と水系ポリマーとの混合物の常に新しい面が、撹拌によって気相に触れるように、有機溶媒と水系ポリマーとの混合物の粘度によって最適な撹拌翼5を選ぶとよい。
本発明の非水系組成物の製造法が適用される水系ポリマーは、ポリマー粒子が水を主として含む液体に分散されているラテックス、エマルジョン等であればよい。水系ポリマーは、使用する有機溶媒によって完全には溶かされないものがよい。水系ポリマーとしては、例えば、天然ゴムラテックス、改質天然ゴムラテックス、合成樹脂エマルジョン(ポリアクリル酸エステル系エマルジョン、ポリ酢酸ビニル系エマルジョン、酢酸ビニル−エチレン共重合体系エマルジョン、ポリ塩化ビニル系エマルジョン等)、合成ゴムラテックス(スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、メチルメタクリレート−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ポリウレタンゴム、チオコールゴム、アクリルゴム等のラテックス)、その他(ポリビニルアルコール、セルロース)が挙げられる。
また、本発明の非水系組成物の製造法が適用される有機溶媒としては、水と置換可能なものであればよいが、例えば、n−オクタン、イソオクタン、ノナン、デカン、デカリン、ピネン、クロロドデカンなどのハロゲン置換可脂肪族炭化水素類;スチレン、クロロベンゼン、クロロトルエン、エチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン、クメンなどの置換可芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、イソペンタノール、ヘキサノール、オクチルアルコール、ベンジルアルコール、第三ブチルカテコール、グリセリンなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、エチルプロピルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、ジイソプロピルケトン、ジアセトン、イソホロンなどのケトン類;メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジn−アミルエーテル、ジイソアミルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、メチルブチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルイソブチルエーテル、エチルn−アミルエーテル、エチルイソアミルエーテル、テトラヒドロフラン、ビス(2−シアノエチル)エーテル、フェニルエチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル類;γ−ブチロラクトン、δ−ブチロラクトンなどのラクトン類;β−ラクタムなどのラクタム類;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロペンタンなどの環状脂肪族類;ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ブチルベンゼン、イソブチルベンゼン、n−アミルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどの脂肪族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミドなどの鎖状・環状のアミド類;ジメチルスルホキシドなどの含硫黄化合物類;メチレンシアノヒドリン、エチレンシアノヒドリン、アジボニトリル、3,3’−チオジプロピオニトリル、アセトニトリル、アクリロニトリルなどのニトリル基含有化合物類;ピリジンピロールなどの含窒素複素環系化合物;セロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのセロソルブアセテート類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールなどのグリコール類;ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルブチルエーテルなどのジエチレングリコール類;モノメチルアニリン、ジメチルアニリン、ピペリジン、ジエチルアミンなどのアミン類;フラン、フルフラールなどの含酸素複素環化合物;プロピレンオキサイドなどのエポキシ化合物類;ギ酸メチル、ギ酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、安息香酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−プロピル、酢酸ブチル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、モルフォリンアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、2−エチル,2−ブチル−プロパンジオールジアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、エチレンオキサイド変性フェノールアクリレート、エチレンオキサイド変性クレゾールアクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、エチレンオキサイド変性2−エチルヘキシルアクリレート、イソボニルアクリレート、ジプロピレングリコールアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジメタクリレートなどのエステル類等が挙げられる。また25℃未満では固体状であっても製造時の温度条件下において液状であるものも有機溶媒として使用することができる。これらの中で、製造時の絶対圧力において水の沸点以上を有する物は少なくとも一種以上必要であり非水系組成物における分散媒の役割を果たす。一方、製造時の絶対圧力において水の沸点以下のものは、水を効率よく蒸発させるための共沸成分として添加してもよい。なお有機溶媒は、水系ポリマーに含まれる高分子粒子を完全には溶かさないものがよい。
さらに、本発明の非水系組成物の製造において、製造工程中の任意の段階において必要に応じて各種の添加剤を配合することができる。例えば、フェノール系、有機ホスファイト系、チオエーテル系などの酸化防止剤;光安定剤;紫外線重合開始剤;熱重合開始剤;熱重合禁止剤;紫外線吸収剤;アミド系、有機金属塩系、エステル系などの滑剤;含臭素有機系、リン酸およびリン酸エステル系、三酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、赤リンなどの難燃剤;有機顔料;シリカ、タルクなどの無機顔料;染料;金属イオン系などの無機、有機抗菌剤;安定剤;老化防止剤;粘度調整剤;レベリング剤;防腐剤;消泡剤;重合禁止剤;熱重合安定剤、粘着付与剤;分散剤;可塑剤;乾燥制御剤などを添加することができる。
次に、本発明の非水系組成物の製造法について説明する。なお、本明細書において、非水系組成物とは、含水分が5質量%以下のものをいい、本発明の製造方法によれば、含水分を5質量%以下にすることが可能であるが、さらに0.5質量%未満にすることも可能である。まず、水系ポリマー100質量部(固形分換算)に対し、25質量部以上1,900質量部以下の有機溶媒を容器2に予め入れ、有機溶媒を沸点未満の所定の温度に昇温しつつ、水系ポリマーを徐々に添加する。攪拌は、上述の攪拌翼5を用いる。撹拌翼5の単位容積あたりに加えられる撹拌動力(Pv値)を200以上20,000以下、脱水温度を25℃以上有機溶媒の沸点未満とすることにより、混合物に含まれる水分の脱水速度を混合物の質量の0.5質量%/hr以上50質量%/hr以下として水系ポリマーの水分を除去して有機溶媒と置換することができる。なお、水系ポリマーと有機溶媒の添加順序は上述した順の逆でもよく、最初に水系ポリマーを入れてから有機溶媒を入れてもよい。さらに、有機溶媒は分配して添加してもよく、含水分を所定量以下にした後に残りの有機溶媒を添加してもよい。
また、上記工程において、水系ポリマーの脱水を効率よく行うために、脱気装置4により容器2内の絶対圧力を0mmHg以上760mmHg以下とすることにより、容器2内にある気体を1分間に気相部体積の5%以上置換することができる。5%未満では製造時間がかかり工業生産的に非効率である。
また、撹拌翼の単位容積あたりに加えられる撹拌動力(Pv値)が、200未満では撹拌効率に劣り、製造時間がかかり工業生産的に非効率な上、製造される非水系組成物の状態が安定でなくなる。一方、20,000を超えると非水系組成物の状態が安定しない。
また、水系ポリマーから脱水する場合の脱水温度(すなわち、容器2に導入された有機溶媒と水系ポリマーの混合物の温度)が25℃未満では製造時間がかかり工業生産的に非効率な上、製造される非水系組成物の状態が安定でなくなる。一方、有機溶媒の沸点以上では有機溶媒も蒸発してしまい、状態が安定でなくなる。さらに、混合物に含まれる水分の脱水速度が、混合物の質量の0.5質量%/hr未満では製造時間がかかり工業生産的に非効率な上、状態が安定でない。一方、50質量%/hrを超えると状態が安定でない。
なお、上記工程において、図1に示すように気体導入用の専用ライン6により、さらに加熱空気、加熱窒素を挿入してもよいし、バブリングを行ってもよい。このようにすることにより、脱水速度を調整し、効率よく水系ポリマーの脱水を行うことができる。
上記工程により製造される非水系組成物の含水分が0.5質量%以上では水を嫌う用途に適さないが、以上のような製造方法により、含水分が0.5質量%未満にすることも可能である。言うまでもないが、用途により、含水分が0.5質量%以上でもよい場合は、含水分が0.5質量%以上であるように製造することも可能である。そして、25℃における粘度が500mPa・s以上900,000mPa・s以下である広範囲の非水系組成物を製造することができる。言うまでもないが、粘度が500mPa・s以下のものを製造することも可能である。
上記方法により、例えば、MMA(メチルメタクリレート)で改質した天然ゴムラテックスを容器2内に予め入れられたアクリルモノマーに入れて、30〜90℃、望ましくは40〜60℃にてアンカー型の攪拌翼5によって、20〜200rpm、望ましくは60〜150rpmにて攪拌することにより、天然ゴムラテックス中の水をアクリルモノマーに置換することができる。なお、水系ポリマー(改質天然ゴム)/有機溶媒(アクリルモノマー)の比率は、100/25〜100/1,900、望ましくは、100/50〜100/500である。
以上のような本発明の非水系組成物の製造方法によれば、従来のものよりも、より高粘度であり、より凝集物がなく状態が安定した非水系組成物(ポリマーディスパージョン)を製造することができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
図1に示した脱水置換装置1にて、水系ポリマーと有機溶媒を混合して、所定の温度に加熱しながら攪拌翼で攪拌しつつ脱水を行い、非水系組成物を製造した。以下、実施例1〜14、比較例1〜5について個別に説明する。
(実施例1)
水系ポリマーに改質天然ゴムラテックスを用い、改質天然ゴムラテックス100質量部(固形分換算)に対し、表1に示す割合で有機溶媒を混合し、表1に示す製造条件で非水系組成物を得た。すなわち、二重底釜に、ポリエチレングリコールジアクリレートを150質量部とする有機溶媒を入れ、改質天然ゴムラテックス100質量部を加えて、アンカー翼のPv値を500にて回転させつつ、脱水温度を50℃、容器内の絶対圧力を500mmHg、容器内にある気体を1分間に気相部体積の20%置換、脱水速度を3質量%/hrとして、非水系組成物を製造した。
水系ポリマーに改質天然ゴムラテックスを用い、改質天然ゴムラテックス100質量部(固形分換算)に対し、表1に示す割合で有機溶媒を混合し、表1に示す製造条件で非水系組成物を得た。すなわち、二重底釜に、ポリエチレングリコールジアクリレートを150質量部とする有機溶媒を入れ、改質天然ゴムラテックス100質量部を加えて、アンカー翼のPv値を500にて回転させつつ、脱水温度を50℃、容器内の絶対圧力を500mmHg、容器内にある気体を1分間に気相部体積の20%置換、脱水速度を3質量%/hrとして、非水系組成物を製造した。
(実施例2〜14)
実施例2〜14についても、実施例1と同様に表1の条件にて、水系ポリマー、有機溶媒から非水系組成物を製造した。なお実施例2は、共沸成分としてアセトンを添加した。
実施例2〜14についても、実施例1と同様に表1の条件にて、水系ポリマー、有機溶媒から非水系組成物を製造した。なお実施例2は、共沸成分としてアセトンを添加した。
(比較例1〜5)
比較例1は、有機溶媒をアセトンとし、製造中の脱水温度を80℃としたこと以外は実施例1と同様に非水系組成物を製造した。比較例2は、製造中の脱水温度を10℃、脱水速度を0.1質量%/hrとしたこと以外は実施例1と同様にして非水系組成物を製造した。比較例3は、製造中の撹拌翼のPv値を20、容器内にある気体を1分間に気相部体積の1%置換、脱水速度を0.1質量%/hrとしたこと以外は実施例1と同様にして非水系組成物を製造した。比較例4は、撹拌翼をタービン翼とし、製造中の撹拌翼のPv値を50,000、容器内にある気体を1分間に気相部体積の50%置換、脱水速度を60質量%/hrとしたこと以外は実施例1と同様にして非水系組成物を製造した。比較例5は、容器内にある気体を1分間に気相部体積の1%置換、脱水速度を0.4質量%/hrとしたこと以外は実施例1と同様に非水系組成物を製造した。得られた非水系組成物(実施例1〜14、比較例1〜5)について、状態安定性の確認、含水分、粘度を測定した。
比較例1は、有機溶媒をアセトンとし、製造中の脱水温度を80℃としたこと以外は実施例1と同様に非水系組成物を製造した。比較例2は、製造中の脱水温度を10℃、脱水速度を0.1質量%/hrとしたこと以外は実施例1と同様にして非水系組成物を製造した。比較例3は、製造中の撹拌翼のPv値を20、容器内にある気体を1分間に気相部体積の1%置換、脱水速度を0.1質量%/hrとしたこと以外は実施例1と同様にして非水系組成物を製造した。比較例4は、撹拌翼をタービン翼とし、製造中の撹拌翼のPv値を50,000、容器内にある気体を1分間に気相部体積の50%置換、脱水速度を60質量%/hrとしたこと以外は実施例1と同様にして非水系組成物を製造した。比較例5は、容器内にある気体を1分間に気相部体積の1%置換、脱水速度を0.4質量%/hrとしたこと以外は実施例1と同様に非水系組成物を製造した。得られた非水系組成物(実施例1〜14、比較例1〜5)について、状態安定性の確認、含水分、粘度を測定した。
[状態安定性]
非水系組成物を20メッシュでろ過し、凝集物が1%未満の場合を○(使用可能)、1%以上10%未満の場合を△(用途、条件によっては使用可)、10%以上、およびろ過ができなかった場合を×(使用不可能)とした。
非水系組成物を20メッシュでろ過し、凝集物が1%未満の場合を○(使用可能)、1%以上10%未満の場合を△(用途、条件によっては使用可)、10%以上、およびろ過ができなかった場合を×(使用不可能)とした。
[含水分]
水と選択的に、かつ定量的に反応するカールフィッシャー試薬(ヨウ素、二酸化硫黄、塩基、アルコール等を含む)を用いて水分を測定するカールフィッシャー法にて測定した。なお、測定方法は電量滴定法であり、カールフィッシャー試薬はシグマーアルドリッチ社製のハイドラナール−クーロマットAGを用いた。
水と選択的に、かつ定量的に反応するカールフィッシャー試薬(ヨウ素、二酸化硫黄、塩基、アルコール等を含む)を用いて水分を測定するカールフィッシャー法にて測定した。なお、測定方法は電量滴定法であり、カールフィッシャー試薬はシグマーアルドリッチ社製のハイドラナール−クーロマットAGを用いた。
[粘度]
BH型粘度計(東京計器社製)を用い、非水系組成物の液温を25℃とし、ローターN0.7、4rpm時の粘度を測定した。
BH型粘度計(東京計器社製)を用い、非水系組成物の液温を25℃とし、ローターN0.7、4rpm時の粘度を測定した。
以上の実施例1〜14の結果を表1に、比較例1〜5の結果を表2に示す。
実施例1〜14は、含水分が0.5質量%以下で凝集物10%未満の安定な液体であり、かつ25℃における粘度が500mPa・s以上900,000mPa・s以下である高粘度の非水系組成物を得ることができた。一方、比較例1〜5は、本発明の範囲を外れることから、凝集物が多量に発生し状態が不安定であった。
本発明の製造方法によって製造される非水系組成物は、粘着剤、接着剤、コート材として利用することができる。
1:脱水置換装置、2:容器、2a:上蓋、3:ジャケット、4:脱気装置、5:攪拌翼、6:気体導入用の専用ライン。
Claims (7)
- 水系ポリマーを製造時の絶対圧力において水以上の沸点を有した少なくとも一種の有機溶媒と攪拌翼を備えた容器内にて混合し、前記水系ポリマーと前記有機溶媒との混合物を、脱水温度を25℃以上前記有機溶媒の沸点未満、前記容器内の絶対圧力を0mmHg以上760mmHg以下、前記混合物に含まれる水分の脱水速度を前記混合物の質量の0.5質量%/hr以上50質量%/hr以下として含水分を除去して非水系組成物とする非水系組成物の製造方法。
- 前記容器内にある気体を1分間に気相部体積の5%以上置換して含水分を除去する請求項1に記載の非水系組成物の製造方法。
- 前記撹拌翼の下記(1)式により定められる単位容積あたりに加えられる撹拌動力(Pv値)を200以上20,000以下とする請求項1または2に記載の非水系組成物の製造方法。
Pv値=P/((π/4)D2H)・・・(1)
(式中、P:撹拌所要動力(W)、D:容器径(m)、H:液深(m)を示す。) - 前記非水系組成物の含水分を0.5質量%未満とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水系組成物の製造方法。
- 前記非水系組成物の25℃における粘度が500mPa・s以上900,000mPa・s以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水系組成物の製造方法。
- 前記水系ポリマーは、天然ゴムラテックス、改質天然ゴムラテックス、合成樹脂エマルジョン、及び合成ゴムラテックスからなる群より選択される少なくとも1種を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の非水系組成物の製造方法。
- 水以上の沸点を有した前記有機溶媒に加え、水と共沸可能な有機溶媒も前記水系ポリマーと混合する請求項1〜6のいずれか1項に記載の非水系組成物の製造方法。
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Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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