JP2008195449A - 合成樹脂製中栓付き金属キャップ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、キャップのシーリング工程に先立ち予めボトル缶の口金部に嵌合しておく必要がなく、金属キャップに中栓を組み込んだ状態で一体的にリシール缶にシーリングができ、開封後にはキャップの着脱に影響されず缶の口部に装着されたままの中栓をリシール缶において実現させることにある。
【解決手段】本発明の合成樹脂製中栓付き金属キャップは、天面壁と該天面壁の周縁から垂下するスカート壁を有し、該天面壁の裏面に合成樹脂製ライナーが設けられており、該ライナーの外周側内面から下方に延びる中栓保持リングが形成され、前記中栓は、前記口部の内周面と係止する側壁部と側壁部の内周面から延び中心部で結合された複数のリブとを備えており、該側壁部の上部内周面には前記中栓保持リングの外周面に形成された係止突条と係合する被係止突条が形成され、前記ライナーの中央部内面には支柱若しくは嵌合穴を、中栓の中心部には嵌合穴若しくは支柱を設け、前記支柱の先端部が嵌合穴に嵌合可能であるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明はカール部より下方に雄ネジが形成されている口部を有する金属缶(リシール缶)に装着されるリシール機能を備えた合成樹脂製中栓付き金属キャップに関する。
現在流通しているリシール缶の封止形態は、図6Aに示される様に、上端にカール部、該カール部より下方に雄ネジが形成されている金属缶の口部に、天面壁と該天面壁の周縁から垂下するスカート壁を有し、該天面壁の裏面に合成樹脂製ライナーが設けられたキャップが被せられ、上方から押圧されて金属キャップの天面周縁部は金属缶の口部端部に形成されたカール部をライナーの周縁部を介して挟持するように折り曲げられ、缶の密封を行う。続いて、金属キャップの天面壁の周縁から垂下するスカート壁が金属缶雄ネジに向けて絞られ、螺合部が形成され、図6Bに示される形態となってシーリングが終了する。このようなリシール缶は主として飲料用として使用され、缶の口部に消費者が直接口を着けて飲むという形態が一般的である。このリシール缶口部の閉蓋形態は、アルミ材の内側に着けられた合成樹脂のライナーとリシール缶の口部端面とが圧接してシール機能を果たすように作られているだけで、キャップが外された状態では缶の口部が単純な開口となっているため、内容液をコップ等に注ぐような使い方をしようとすると、適量注出が難しかったり、注ぎ性が悪かったりしていた。一般のびん容器では液体が収容されたびんから内容液を注ぐ際に、適量注出や良好な液切れがなされるようにするため、びんの口部に中栓を配置することが行われている。しかし、リシール缶には口部に中栓を設けたものはこれまで余り無かった。特許文献1には製造コストの増大を抑えつつ、ボトル缶の内部に充填されたCO含有飲料を他の容器に注ぐとき等に、この飲料を確実に泡立たせることを目的とした「ボトル缶用泡立て部材およびボトル缶」が開示され、中栓に相当するものが着けられている。この発明は図7に示されるように複数の貫通孔が形成された中栓に相当する底部と、底部の外周縁から立上がる筒部とが備えられるとともに、複数の貫通孔は、第1孔と該第1孔より小さい開口面積とされた第2孔とを備え、第1孔は少なくとも底部の外周縁部に形成され、第2孔bは少なくとも底部の外周縁部よりも径方向内方位置に形成され、内部にCO含有飲料が充填されるボトル缶の口金部の内側に、筒部の外周面が嵌合される構成が採用されている。中栓に相当するこの底部は内容液の充填密封の際、キャップのシーリングに先立ちボトル缶の口金部に嵌合しておく必要があり、キャップのシール工程の前に中栓の打栓工程が必要とされる。
従来のびんとプラスチックキャップにおいては、例えば特許文献2の「びんの組蓋」のように中栓をキャップに仮保持させ、一体的にシーリングする技術が開示されている。この発明は、従来は開封後に嵌合する付属部品としてびんとは別に取り扱われていたものを、閉蓋以前に内蓋本体を外蓋本体に予め組み込んでそのままの状態で装着しうる構成として提示したものである。すなわち図8に示されるように、びんに被冠する外蓋本体は、硬質合成樹脂等で一体成形してなるもので、その天井部下面にその周縁に沿って形成した所要幅の表面と、同じく天井部下面中心部に垂設した突出部とを有する。この突出部には、下端開口部をその開口方向に徐々に拡開させた嵌合孔を形成している。またびんに嵌合する内蓋本体は、やや柔軟な合成樹脂等で一体成形してなるもので、円筒部、漏斗状部、停止部、底部および嵌合突部を備えている。上記円筒部は、びんにぴったりと嵌合する外径を有し、かつその外周には突条を形成している。この突条は、内蓋が外蓋と共に一旦びんに装着された後は円筒部がびんから簡単に抜出したりすることのないようにし、外蓋が開けられても内蓋はびんの口部に嵌合された状態のまま保たれる。しかし、この手法では密封性を確保することは難しいのである。
特開2006−168822号公報 「ボトル缶用泡立て部材およびボトル缶」 平成18年6月29日公開 実開昭51−75759号公報 「びんの組蓋」 昭和51年6月15日公開
本発明の課題は、キャップのシーリング工程に先立ち中栓と予めボトル缶の口金部に嵌合しておく必要がなく、金属キャップに中栓を組み込んだ状態で一体的にリシール缶にシーリングができ、開封後にはキャップの着脱に影響されず缶の口部に装着されたままの中栓をリシール缶において実現させることにある。
本発明の合成樹脂製中栓付き金属キャップは、上端にカール部、該カール部より下方に雄ネジが形成されている口部を有する金属缶に装着される合成樹脂製中栓付き金属キャップであって、前記キャップは天面壁と該天面壁の周縁から垂下するスカート壁を有し、該天面壁の裏面に合成樹脂製ライナーが設けられており、該ライナーの外周側内面から下方に延びる中栓保持リングが形成され、前記中栓は、前記口部の内周面と係止する側壁部と側壁部の内周面から延び中心部で結合された複数のリブとを備えており、該側壁部の上部内周面には前記中栓保持リングの外周面に形成された係止突条と係合する被係止突条が形成され、前記ライナーの中央部内面には支柱若しくは嵌合穴を、中栓の中心部には嵌合穴若しくは支柱を設け、前記支柱の先端部が嵌合穴に嵌合可能であるようにした。
本発明の合成樹脂製中栓付き金属キャップは、上記構成に加え、前記金属缶の口部内周面には内側に突出する係合突部が形成され、前記中栓の側壁部外周面には該係合突部と係合する被係合部が形成されるようにした。
本発明の合成樹脂製中栓付き金属キャップの1形態では、上記構成に加え、前記中栓のリブは前記被係合部に対応する位置に形成されるようにした。
本発明の合成樹脂製中栓付き金属キャップは、金属缶にリシール機能を備えた金属キャップをシーリングする際に一体的に合成樹脂製中栓を装着するものであって、シーリング前には中栓側壁部の上部内周面に形成され被係止突条がキャップ天面壁の裏面に着けられた合成樹脂製ライナーの中栓保持リングの外周面に形成された係止突条と係合する第1の係合機構と、ライナーの中央部内面に設けた支柱若しくは嵌合穴と中栓の中心部に設けた嵌合穴若しくは支柱の組合せ嵌合による第2の係合機構が協働して、シーリングまでの間堅実な仮保持が実現される。また、前記中栓は、前記口部の内周面と係止する側壁部と側壁部の内周面から延び中心部で結合された複数のリブとを備えているので、シーリングがなされた後は金属缶口部の内周面との係止力が前記係合機構による仮保持力に勝り、キャップが開けられてもキャップに追従することなく、口部内周面に装着された状態を確実に保ち、中栓としての機能を果たすことができる。
本発明の合成樹脂製中栓付き金属キャップは、前記金属缶の口部内周面には内側に突出する係合突部が形成され、前記中栓の側壁部外周面には該係合突部と係合する被係合部が形成されているので、外力を受けた場合でも中栓が缶の中に落ち込む事故は発生せず、着実な装着を保証する。
更に、上記構成に加え、前記中栓のリブは前記被係合部に対応する位置に形成されるようにした本発明の合成樹脂製中栓付き金属キャップは、リブにより中栓の金属缶口部に対する保持力が向上し、中栓を確実に金属缶口部に保持することが可能となる。
本発明の合成樹脂製中栓付き金属キャップの1実施態様について、その金属缶へのシーリングの前後の工程における形態を図1を参照しつつ説明する。図1Aは本発明で使用する中栓の単体図で上段が部分断面側面図、下段が平面図である。図1Bはシーリング前の中栓を組み込んだ形態を、図1Cはシーリングされた形態を示している。金属缶3は上端にカール部が形成されている口部31、該カール部より下方に雄ネジ32を有しており、ここに示す中栓2は、金属缶3の口部31の内周面と係止する環状の側壁部21と該側壁部21の下端内周面から延び中心部で結合された複数のリブ22とを備えており、該側壁部21の上部内周面には金属キャップ1の天面壁裏面に着けられた合成樹脂製ライナー4に設けられた中栓保持リング41の外周面に形成された係止突条41a(図2の詳細図参照)と係合する被係止突条21aが形成され、第1の係止機構を構成し、中栓2のリブ中心部には嵌合穴23を設けて、該嵌合穴23が前記ライナー4の中央部内面から下方に延びた支柱42の先端部を嵌合する形態となって第2の係止機構を構成するような形状となっている。このため、図1Bに示されるようにシーリング前の金属キャップ1には係止突条41aと被係止突条21aの係合と、支柱42の先端部と嵌合穴23の嵌合の2つの係止機構によって中栓2が一体的にキャップ内に安定して仮保持される。
この形態でキャッピング工程に搬入され、内容液が充填された金属缶3の口部31に被せられ、金属キャップ1はシーリングされる。シーリングされると、金属キャップ1の天面周縁部は金属缶3の口部31端部に形成されたカール部をライナー4の周縁部を介して挟持するように折り曲げられ、缶の密封を行うと共に、仮保持していた中栓2の環状の側壁部21を金属缶3の口部31の内周面に押し込む。押し込まれた中栓2の側壁部21と金属缶口部31の内周面とは係止状態となるが、その係止力は前記2つの係合機構による仮保持力に勝る強さとなっている。続いて、金属キャップ1の天面壁の周縁から垂下するスカート壁11が金属缶3の雄ネジ32に向けて絞られ、螺合部11aが形成され、シーリング工程が終了する。図2にこの例の金属缶口部31と金属キャップ1のシーリング状態を要部拡大図で示す。第1の係止機構であるライナー4に設けられた中栓保持リング41の外周面に形成された係止突条41aと中栓側壁部21の上部内周面に形成された被係止突条21aとが係合関係をとっている係止形態、また、第2の係止機構であるライナー4の中央部に設けられた支柱42の先端部と嵌合穴23の嵌合の係止形態が詳細に示されている。また、中栓2の側壁部21と金属缶口部31の内周面との係止の形態は、この例では缶口部31に形成された環状の係合突部31aと中栓2の側壁部21に形成された被係合凹部(被係合部)が嵌合するようにしてある。この係合突部31aの下面が被係合凹部の下面21bと係止して、この部分の係止力が上記の2つの係止機構による仮保持力に勝るようになっている。また、外力を受けたりしてこの中栓2が金属缶内に落下することがないように、係合突部31aの上面と係止する被係合凹部の上面21cが形成されている。
使用に当たり、タンパーエビデント性を備えた金属キャップ1を回動して開栓すると、キャップ1の下部のミシン目が破れて、ミシン目より下の部分がはずれて開栓される。キャップ1はライナー4が着いただけで、中栓2は側壁部21と金属缶口部31の内周面との弾性係止の保持力が上記の2つの係止機構による仮保持力に勝るため、缶口部31に装着されたまま残る。なお、内容液が炭酸飲料のような陽圧缶であるときはキャップにドーミング現象が生じ2つの係止機構の仮保持力は弱められる。中栓2が缶口部31に装着された状態であるので、キャップ1が開けられた金属缶3から内容液を注ぐ場合、この中栓2の開口部から流出することとなる。この開口部の形状や開口面積は中栓2に期待される機能、すなわち、適量注出や良好な液切れ等がなされるように所望に応じて設計するものとする。この例では3本の単純な短冊形状リブとしているが、これに限定されるものではなく多数の小穴を配置した形態とすることもできる。リブ22の構造としては中栓2の側壁部21が受ける圧縮力に対抗できると共に、中央部分に支柱42の先端部と嵌合する嵌合穴23が配置できる構造であればよい。
図3に上記の実施形態例を変形した実施形態例を示す。図1と同様Aは本実施例における中栓の単体図で、上段が部分断面側面図で下段が平面図である。Bはシーリング前の形態を、Cはシーリング後の形態を示したものである。この実施例は中栓側壁部21の内周面から延び中心部で結合された複数のリブ22の取付け位置を変更したもので、金属缶3の口部内周面の内側に突出する係合突部31aが形成され、該係合突部31aと係止する中栓の側壁部の位置に複数のリブ22を設けたものである。リブ22をこの位置に配置した技術的な意義は、この部分において中栓2の係合突起部31aとの保持力を向上させるためである。上記の実施形態例に比べリブ22の位置が上に移るため、キャップ1の天面壁との距離は短くなり、支柱42の長さもその分短くなるため、材料節約につながる。他の構成は図1に示した実施形態と同様で相当部分は同じ符号を用いている。
図4に更なる変形例を示す。この図も図1と同様Aは本実施例における中栓の単体図で、上段が部分断面側面図で下段が平面図である。この例は第2の係止機構である支柱と嵌合穴の配置関係をライナー4と中栓中央部で反対にしたものである。Bは打栓前の形態を、Cは打栓後の形態を示したものである。すなわち、支柱25を中栓2の中央部から上方に向けて設け、その先端部を嵌合する嵌合穴43をライナー4の中央部に配置した。係止機構として支柱と嵌合する嵌合穴がそれぞれに配置されればよく、どちらの形態を採っても大きな差はない。他の構成は図3に示した実施形態と同様で相当部分は同じ符号を用いている。
図5に異なる実施例を示す。この図も図1と同様Aは本実施例における中栓の単体図で、上段が部分断面側面図で下段が平面図である。この実施例の特徴は中栓2の側壁部の上部にフランジ部24を設けた点である。このフランジ部24が金属缶1の上端カール部に当接係合する形態で装着される。このように構成することで中栓2が外力を受けても金属缶3内に落下することは確実に防止できる。従って、缶口部31の係合突部31aはその下面と、中栓側壁部21の外面に設けられた被係合部の上面とが係合すればよいことになる。他の構成は図1に示した実施形態と同様で相当部分は同じ符号を用いている。
本発明で用いられる素材としては金属キャップ1の素材にはアルミニウム、ライナー4の素材には低密度ポリエチレンやポリプロピレンが用いられ、中栓2の素材には低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンやPETなどの中から中栓に求められる機能に応じて選択される。
本発明の1実施形態を説明する図である。 上記実施形態の金属缶口部と金属キャップのシーリング状態を示す要部拡大図である。 本発明の1実施例を説明する図である。 本発明の変形実施例を説明する図である。 本発明の他の実施例を説明する図である。 従来の金属缶とキャップのシーリング形態を説明する図である。 ボトル缶用泡立て部材を備えた従来のボトル缶シーリング形態を説明する図である。 びんの口部に内蓋を装填する従来のシーリング形態を説明する図である。
符号の説明
1 金属キャップ 11 キャップスカート壁
11a 螺合部 2 中栓
21 側壁部 21a 被係止突条
21b,21c 被係合部 22 リブ
23,43 嵌合穴 24 フランジ部
3 金属缶 31 口部
32 雄ねじ 31a 係合突部
4 ライナー 41 中栓保持リング
41a 係止突条 42,25 支柱

Claims (3)

  1. 上端にカール部、該カール部より下方に雄ネジが形成されている口部を有する金属缶に装着される合成樹脂製中栓付き金属キャップであって、
    前記キャップは天面壁と該天面壁の周縁から垂下するスカート壁を有し、該天面壁の裏面に合成樹脂製ライナーが設けられており、該ライナーの外周側内面から下方に延びる中栓保持リングが形成され、
    前記中栓は、前記口部の内周面と係止する側壁部と側壁部の内周面から延び中心部で結合された複数のリブとを備えており、該側壁部の上部内周面には前記中栓保持リングの外周面に形成された係止突条と係合する被係止突条が形成され、前記ライナーの中央部内面には支柱若しくは嵌合穴を、中栓の中心部には嵌合穴若しくは支柱を設け、前記支柱の先端部が嵌合穴に嵌合可能であることを特徴とする合成樹脂製中栓付き金属キャップ。
  2. 前記金属缶の口部内周面には内側に突出する係合突部が形成され、前記中栓の側壁部外周面には該係合突部と係止する被係合部が形成されている請求項1記載の合成樹脂製中栓付き金属キャップ。
  3. 前記中栓のリブは前記被係合部に対応する位置に形成されている請求項2記載の合成樹脂製中栓付き金属キャップ。
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