JP2008194723A - 粉粒体の固形化装置 - Google Patents

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義之 新津
Akio Watanabe
陽生 渡辺
Yoshikazu Someya
芳和 染谷
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Abstract

【課題】集塵機によって集塵した粉粒体を圧縮して固形化することで、廃棄時の舞い上がりを防ぎ、且つ容積を小さくして効率の良い廃棄を実現する。
【解決手段】固形化装置Aは、集塵機Bのホッパーに収容された粉粒体の落下を案内するシュート1と、水平に配置され且つ両端が開放された円筒体からなり周壁の所定位置に前記シュートに接続された開口部2cが形成されると共に開放側端部2aの内周面に端部にかけて径が大きくなるテーパ部2dが形成された固形化部材2と、固形化部材2の内部に往復移動可能に配置され開放端部2b側から開放端部2a側にかけて移動したときに粉粒体を圧縮して固形化する圧縮部材3と、圧縮部材3を往復移動させる駆動部材4と、固形化部材2の開放端部2a側に配置され開放端部2aを開閉する開閉部材5とを有して構成される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、集塵機に集塵された粉粒体を廃棄するのに先立って固形化することで容積を小さくし得るようにした粉粒体の固形化装置に関するものである。
鋼板を溶接し或いはガス切断やプラズマ切断、レーザ切断等の加工を行ったとき、微少な粉粒体を含んだヒュームが発生する。このようなヒュームは作業環境の劣化を招くため、集塵機によって溶接や切断部位からヒュームを含んだ大気を吸引して粉粒体を分離し、分離した粉粒体を定期的に排除することが行われている。
例えば特許文献1には、溶接ヒュームを含んだガスを濾過フィルターに毎秒0.01mで通過させて溶接ヒュームを付着させて分離する方法、及びガスの流通方向の下流側から2kgf/cm2 以上の圧力でパージガスを吹き付けることで、濾過フィルターに付着したヒュームを落下させる方法、が記載されている。
集塵機によって吸引されたガスから分離した粉粒体は、集塵機の下方に配置されたホッパーに収容され、定期的に排出される。特に、切断装置に付属して設置された集塵機の場合、ホッパーに収容された粉粒体を排出する作業は作業員によって行われる。即ち、作業員が、ホッパーの排出口に空の袋を取り付けて保持した状態でホッパーの排出口を開放して収容された粉粒体を自由落下させることで行われる。
特許第2703723号公報
例えばガス切断やプラズマ切断によって発生した粉粒体の中心的な粒度は約10〜20ミクロン程度である。このため、ホッパーから袋に排出する際に、落下に伴って舞い上がり、袋から外に出てしまうという問題がある。この場合、袋を保持している作業員に粉粒体が降りかかるなど、作業環境の劣化が問題となる。
また、粉粒体はかさ比重が小さく、廃棄時の容積が大きくなる。このため、集塵機から粉粒体を廃棄する作業を行う際に、搬送する回数が増加することとなり、廃棄作業が容易ではないという問題が生じる。
本発明の目的は、集塵機によって集塵した粉粒体を圧縮して固形化することで、廃棄時の舞い上がりを防ぎ、且つ容積を小さくして効率の良い廃棄を実現することができる粉粒体の固形化装置を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る粉粒体の固形化装置は、集塵機に取り付けられて集塵した粉粒体を圧縮して固形化する固形化装置であって、集塵機のホッパーに接続され該ホッパーに収容された粉粒体の落下を案内するシュートと、水平に配置され且つ両端が開放された円筒体からなり周壁の所定位置に前記シュートに接続された開口部が形成されると共に一方の開放側端部の内周面が端部にかけて径が大きくなるテーパ状に形成された固形化部材と、前記固形化部材の内部に往復移動可能に配置され他方の開放端部側から一方の端部側にかけて移動したときに該固形化部材の内部にある粉粒体を圧縮して固形化する圧縮部材と、前記圧縮部材を往復移動させる駆動部材と、前記固形化部材の一方の開放端部側に配置され該開放端部を開閉する開閉部材とを有して構成されるものである。
本発明に係る粉粒体の固形化装置(以下、単に「固形化装置」という)では、ホッパーに収容された粉粒体をシュートを介して筒状の固形化部材に導入し、固形化部材の一方側の開放端部を開閉部材によって閉鎖した後、駆動部材に圧縮部材を駆動することで粉粒体を固形化することができる。
このように粉粒体を固形化することによって、粉粒体の舞い上がりを防ぐことができ、且つ粉粒体のかさ比重を大きくして容積を小さくすることができる。このため、集塵機から廃棄する際に工場環境を劣化させることがなく、且つ廃棄の際の作業効率を向上することができる。
特に、本発明の固形化装置をシュートを介して市販されている標準的な集塵機に組み付けることで、集塵機によって分離した粉粒体を固形化することができ、廃棄作業の合理化をはかることができる。
以下、本発明に係る固形化装置の最も好ましい実施の形態について図を用いて説明する。図1は固形化装置を取り付けた集塵機の構成を説明する模式図である。図2は固形化装置の構成を説明する図である。図3は固形化装置の駆動系を説明する図である。
図に於いて、集塵機Bは市販されている標準的な構造を有しており、スタンド51に搭載されると共に、内蔵したホッパーの下端部分に接続された排出口52に固形化装置Aが一体的に取り付けられている。そして、集塵機Bに接続したホース53の端部が、目的の集塵部位、例えばガス切断装置やプラズマ切断装置或いはレーザ切断装置に於ける切断部位に開口し、該切断部位に於ける粉粒体を含んだ大気を吸引し得るように構成されている。
集塵機Bによって集塵する粉粒体は必ずしもガス切断やプラズマ切断或いはレーザ切断による切断時に生じるものである必要はなく、他の作業によって生じる粉粒体であっても良い。即ち、本発明に係る固形化装置は、集塵機に集塵された粉粒体の固形化をはかることができれば良く、粉粒体の発生源を限定するものではない。
固形化装置Aは、集塵機Bの排出口52に取り付けられたシュート1と、水平方向に配置された筒体からなりシュート1の下方に取り付けられた固形化部材2と、固形化部材2の内部に収容された状態で該固形化部材2の長手方向に往復移動し得るように構成された圧縮部材3と、圧縮部材3を駆動する駆動部材4と、固形化部材2の一方側の開放端部2aに配置され該開放端部2aを開閉する開閉部材5と、固形化部材2の一方側の開放端部2aの端面を清掃する清掃部材6と、を有して構成されている。
シュート1は、集塵機Bに内蔵されたホッパーに収容された粉粒体を受け取って固形化部材2の内部に案内する機能を有しており、粉粒体が自由落下し得るように傾斜して配置されている。このシュート1は集塵機Bの排出口52及び固形化部材2に対し気密性を持って接続されており、粉粒体が集塵機Bのホッパーから固形化部材2の内部に至る間で、大気に噴出することがないように構成されている。
固形化部材2は圧縮部材3と共にシュート1を介して供給された粉粒体を固形化させる機能を有しており、両端部に開放端部2a、2bが形成され且つ水平に配置された円筒状の部材によって構成されている。
固形化部材2の開放端部2bに接近した側であって周壁の所定位置には開口部2cが形成されている。この開口部2cにはシュート1の下端部分が気密性を持って接続されており、集塵機Bのホッパーに収容された粉粒体が円滑に内部に案内されるように構成されている。
固形化部材2の開放端部2aは、固形化した粉粒体(以下固形化した粉粒体を「固形ダストC」という)を排出するための排出口としての機能を有している。また、固形化部材2に於ける固形ダストCの排出口となる開放端部2a側の内周面には、開放端部2aに向けて径が大きくなるテーパ部2dが形成されている。
本件発明者の実験では、固形化部材2の内部に供給された粉粒体を圧縮部材3によって圧縮して固形ダストCを形成したとき、この圧縮によって粉粒体が固形化部材2の内周面に圧接してしまい、排出することが困難であった。しかし、開放端部2a側の内周面にテーパ部2dを形成することによって、形成された固形ダストCを圧縮部材によって排出方向に付勢することで容易な排出を実現することが可能であった。
圧縮部材3は固形化部材2の内部に供給された粉粒体を圧縮して固形化する機能を有するものであり、固形化部材2の内径よりも僅かに小さい外径を持ったロッド状に構成されている。そして、固形化部材2の内部に挿入され駆動部材4に駆動されて図2の矢印a、b方向に往復移動し得るように構成されている。
圧縮部材3が固形化部材2の内径よりも僅かに小さい外径を持ったロッド状に構成されているため、圧縮部材3が矢印a方向のストローク限まで伸長しているとき、該圧縮部材3が固形化部材2の周壁に形成されている開口部2cを閉鎖することとなる。即ち、圧縮部材3は開口部2cを開閉する開閉部材を兼ねており、集塵機Bからの粉粒体の供給、停止を制御し得るように構成されている。
本発明に於いて、固形化部材2の内径や固形化する際の圧縮部材3のストロークは特に限定するものではなく、単位時間当たりの粉粒体の発生量を含む処理条件を考慮して適宜設定することが好ましい。
例えば、本実施例では、固形化部材2の内径は36mmに、圧縮部材3のストロークは200mmに設定されている。また固形化部材2の周壁に設けた開口部2cの長さは100mmに設定されており、一度の固形化サイクルで約150mLの粉粒体を固形化し得るように構成されている。更に、圧縮部材3によって粉粒体に付与される圧縮力を約6トンに設定している。
また固形化部材2の開放端部2a側の内周面に形成したテーパ部2dのテーパ角度は特に限定するものではなく、形成された固形ダストCが容易に排出し得るような角度であれば良い。本実施例では、開放端部2bから35mmの範囲に1/50のテーパ加工することでテーパ部2dを形成している。そして前記テーパ部2dであれば、固形ダストCを容易に排出することが可能である。
開閉部材5は固形化部材2の開放端部2aを閉鎖すると共に圧縮部材3によって付与される圧縮力に対抗する機能を有するものである。このため、開閉部材5は、固形化部材2の開放端部2aに対向して配置され外径が固形化部材2のテーパ部2dの一部に於ける内径と略等しい値を持ったロッド部材5aと、ロッド部材5aを矢印c、d方向に往復移動させる駆動部材5bと、によって構成されている。
上記の如く構成された開閉部材5では、ロッド部材5aを矢印d方向に移動させることで固形化部材2の開放端部2aを閉鎖することが可能であり、駆動部材5bによるロッド部材5aの押圧力を大きくすることで、圧縮部材3による圧縮力と対抗させることが可能である。そして、ロッド部材5aを矢印c方向に移動させることで、開放端部2aを開放させ、この状態で、固形化部材2の内部に形成されている固形ダストCを排出することが可能である。
固形化部材2に収容された粉粒体を圧縮して固形化する際に、開閉部材5のロッド部材5aによって閉鎖していても開放端部2aから粉粒体が漏れることがあり、漏れた粉粒体が開放端部2aの端面に付着することがある。この付着物をそのままにしておくと、付着物を元にして成長して円滑な固形化を阻害する虞が生じる。このため、清掃部材6によって開放端部2aの端面をこすることで清掃しておくことが必要となる。
清掃部材6は固形化部材2の開放端部2aの近傍に配置され、該開放端部2aの端面をこすって付着した付着物を剥離する剥離部材6aと、剥離部材6aを矢印e、f方向に移動させる駆動部材6bと、によって構成されている。従って、駆動部材6bによって剥離部材6aを固形化部材2の開放端部2aの端面に沿って矢印e方向に移動させることで、該端面をこすって付着物を剥離することが可能である。
上記の如き機能を持った剥離部材6aはナイフ状に形成されていれば良い。しかし、本実施例では、剥離部材6aを固形化部材2の開放端部2aの端面を確実に閉鎖し得る程度の大きさを持った板状に形成しており、該剥離部材6aを開閉部材としても利用し得るように構成している。
即ち、剥離部材6aを矢印e方向に移動させて該剥離部材6aによって開放端部2aの端面に対向させることで、該開放端部2aを閉鎖することが可能である。しかし、この構成では剥離部材6は片持ち梁状となるため、圧縮部材3を駆動して固形化部材2に収容された粉粒体に圧縮力を付与したとき、この力に対抗するためには駆動部材6bの剛性を大きくしておく必要がある。このため、開放端部2aを閉鎖した剥離部材6aを開閉部材5のロッド部材5aによって支持することで、大きな力に対抗させることが可能である。
即ち、本実施例の構成では、開閉部材5、剥離部材6の何れかによって固形化部材2の開放端部2aを開閉することが可能となる。しかし、開放端部2aの開閉部材として何れを利用するか、によって開閉部材5の位置を調整することが必要となる。
圧縮部材3を駆動する駆動部材4、開閉部材5のロッド部材5aを駆動する駆動部材5b、清掃部材6の剥離部材6aを駆動する駆動部材6bは、夫々対象となる部材3、5a、6aを往復直線移動させる機能を有するものであり、この機能を発揮し得るものであれば構造については特に限定するものではない。このような機能を有するものとしては、エアシリンダーや油圧シリンダー、或いはモーターと往復直進機構との組み合わせ、等があり、また移動動作としては、直進動作や回転動作、或いは、ある角度で反転を繰り返しながらの直進動作との組み合わせ、等があり、これらを選択的に利用することが可能である。
本実施例では、各駆動部材4、5b、6bとしてエアシリンダーを利用しており、図3に示すような系によって、圧縮部材3、ロッド部材5a、剥離部材6aを駆動し得るように構成している。
図3に示すように、駆動部材4の押出側のポート4aには電磁弁11が接続されており、引込側のポート4bには電磁弁12が接続されている。また電磁弁11は電磁弁12とも接続されており、該電磁弁12を介して駆動部材4の押出側ポート4aと引込側ポート4bに同時に圧力空気を作用させるように構成されている。
また開閉部材5の駆動部材5bの押出側ポート5c及び引込側ポート5dに電磁弁13が接続され、清掃部材6の駆動部材6bの押出側ポート6c及び引込側ポート6dに電磁弁14が接続されている。そして、各電磁弁11〜14にはエアチャンバー15を介して図示しない圧力空気供給源から所定の圧力を持った圧力空気が供給されるように構成されている。
上記の如く構成された固形化装置Aは、シュート1が集塵機Bの排出口52に取り付けられた状態で、重量がフレーム21に支持されている。またフレーム21に取り付けた操作盤22には、固形化装置Aの制御系が組み込まれている。
また集塵機Bのホッパーには、該ホッパーに収容された粉粒体の上位レベルと下位レベルを検出するために、図示しない一対のセンサーが設けられており、センサーによって粉粒体が上位レベルまで収容されていることを検出したとき、この検出信号によって固形化装置Aの運転を開始し、下位レベルを検出したとき、この検出信号によって固形化装置Aの運転を停止するように構成されている。
次に、固形化装置Aによる粉粒体を固形化する動作について説明する。
固形化装置Aの運転を開始するに際し、圧縮部材3、開閉部材5、清掃部材6は夫々初期位置にある。即ち、本実施例では、圧縮部材3は矢印a方向への移動限にあり、この状態では固形化部材2の開口部2cは圧縮部材3によって閉鎖されている。また清掃部材6は剥離部材6aが矢印e方向への移動限にあり、この状態で固形化部材2の開放端部2aの端面は剥離部材6aによって覆われることで閉鎖されている。更に、開閉部材5のロッド部材5aは矢印d方向に移動して先端が剥離部材6aに当接している。
上記状態で集塵機Bの排出口52を開放すると共に操作盤22を操作して固形化装置Aの運転を開始する。この場合、ホッパーに収容された粉粒体が上位レベルに到達して信号が発生し、この信号に応じて固形化装置Aが運転を開始する。
先ず、電磁弁11を操作して圧力空気を駆動部材4の引込側ポート4bに供給することで、固形化部材2の内部にあって矢印a方向への移動限にある圧縮部材3を矢印b方向に引き戻す。圧縮部材3が矢印b方向への移動限に到達すると固形化部材2の周壁に設けた開口部2cが開放し、シュート1から開口部2cを経て粉粒体が供給される。
圧縮部材3が矢印b方向への移動限に到達して一定時間が経過した後、電磁弁11を切り替えて圧縮空気を駆動部材4の押出側ポート4aに供給することで、圧縮部材3を矢印a方向に移動させ、この移動過程で固形化部材2の内部に収容されている粉粒体に圧縮力を付与して固形化する。このとき、圧縮部材3に作用する力は粉粒体を介して剥離部材6aに伝えられるが、この剥離部材6aが開閉部材5のロッド部材5aによって支持されるため、固形化部材2の開放端部2aが開放されてしまうことはない。
圧縮部材3の矢印a方向への移動に伴って、固形化部材2の内部圧力が上昇し、該固形化部材2の内周面と圧縮部材3の外周面との間に形成される僅かな隙間を介して漏洩し、固形化部材2の開放端部2bから、或いは固形化部材2の開放端部2aの端面と剥離部材6aとの間に形成される僅かな隙間を介して開放端部2aから、夫々漏洩する。
このため、本実施例では、一端を集塵機Bに接続したホース54の他方の端部を固形化装置Aの近傍に引き出しておき、該固形化装置Aの稼働中には周囲の大気を吸引して集塵し得るように構成している。このように、集塵機Bに接続されたホース54によって固形化装置Aの周囲の大気を吸引しておくことで、固形化部材2の開放端部2a、2bから粉粒体が漏れたような場合でも、漏れた粉粒体を集塵機Bに吸引して工場の環境を損なうことがない。
圧縮部材3の矢印a方向への移動を行い、予め設定された時間が経過したとき、固形化部材2に収容されている粉粒体が圧縮されて固形ダストCが形成される。粉粒体を固形化する時間は、粉粒体の粒度分布や材質等の条件によって異なるため、前記設定時間は予め実験によって得ておくことが好ましい。
上記の如くして設定時間が経過した後、形成された固形ダストCを取り出すに際し、圧縮部材3に付与されている矢印a方向への力を解除する。この場合、形成されたばかりの固形ダストCの変形を防ぐ点からも圧縮部材3を引き込むことなく、現在の位置で停止させることが好ましい。このため、電磁弁11から押出側ポート4aに対する圧力空気の供給を維持した状態で、電磁弁12を操作して引込側ポート4bにも圧力空気を供給することで、駆動部材4の平衡をとり、これにより、圧縮部材3を現在位置で停止させるように構成されている。
上記の如くして圧縮部材3を停止させた後、電磁弁13を操作して開閉部材5の駆動部材5bに於ける引込側ポート5dに圧力空気を供給してロッド部材5aを矢印c方向に移動させて引き込ませることで、ロッド部材6aによる剥離部材5aの支持を解除する。その後、電磁弁14を操作して清掃部材6の駆動部材6bに於ける引込側ポート6dに圧力空気を供給して剥離部材6aを矢印f方向に移動させることで、固形化部材2の開放端部2aを開放する。この状態では、固形化部材2の内部で形成されている固形ダストCには外部からの力が作用することがなく、固形化部材2の開放端部2aに位置している。
固形化部材2の開放端部2aが開放された後、電磁弁12を操作して引込側ポート4bに対する圧力空気の供給を停止する。引込ポート4bに対する圧力空気の供給を停止するのに応じて、圧縮部材3は押出側ポート4aに供給されている圧力空気の作用によって矢印a方向への移動を再開する。圧縮部材3の矢印a方向への移動の再開に伴って、粉粒体が固形化された固形ダストCも矢印a方向に移動して開放端部2aから外部に押し出される。
押し出された固形ダストCが排出過程の途中で破壊するのを防止するために、及び/又は粉粒体のかさ比重を大きくしてその容積を小さくするために、固形化部材2の外周部に熱を加えるように構成し、或いは固形化部材2からの排出経路に加熱バーナ(図示せず)を設け、この過熱バーナによって固形ダストCを直接あぶるように構成することも可能である。
更に、固形化部材2からの排出経路に水を噴霧するノズル(図示せず)を設けておき、該固形化部材2から押し出された固形ダストCの表面の一部、又は全面に、少量の水を噴霧し得るように構成することも可能である。
固形化部材2の内部に供給された粉粒体に圧縮部材3による圧縮力が付与されたとき、粉粒体は固形化部材2の内周面に圧接する。このため、形成された固形ダストCも開放端部2a側の内周面に圧接しており、該固形ダストCに単純に矢印a方向への力を作用させた場合、大きな接触摩擦が作用して形成された固形ダストCが破壊されたり、円滑な排出が阻害されるという問題が生じた。
しかし、固形化部材2の開放端部2a側の端面を起点として該端面側に向けて径が大きくなるテーパ部2dを形成しておくことで、固形ダストCが矢印a方向に僅かに移動することによって固形化部材2の内周面から容易に離脱することが可能であり、固形ダストCの確実で且つ円滑な排出を実現することが可能となる。
固形化部材2から固形ダストCを排出した後、圧縮部材3は更に矢印a方向への移動を継続し、該方向への移動限に到達して停止する。
次いで、電磁弁14を操作して清掃部材6の駆動部材6bに於ける押出側ポート6cに圧力空気を供給し、剥離部材6aを矢印e方向に移動させる。剥離部材6aの前記移動に伴って該剥離部材6aが固形化部材2の開放端部2aの端面をこすることで該端面を清掃し、剥離部材6aが矢印e方向への移動限に到達して停止することで該剥離部材6aによって開放端部2aの端面を閉鎖する。
更に、電磁弁13を操作して開閉部材5の駆動部材5bに於ける押出側ポート5cに圧力空気を供給することでロッド部材5aを矢印d方向へ移動させ、先端が剥離部材6aに到達して停止する。
上記の如くして1サイクルの運転が終了する。この運転は集塵機Bのホッパーに設けた粉粒体の下位レベルを検出するセンサーからの信号が発生するまで連続的に行われ、下位レベルを検出したセンサーからの信号が到達したとき、運転が停止する。
本発明の固形化装置Aは、鋼板を溶接したり切断するのに伴って発生する粉粒体を含む大気を吸引する集塵機Bに適用して有利である。
固形化装置を取り付けた集塵機の構成を説明する模式図である。 固形化装置の構成を説明する図である。 固形化装置の駆動系を説明する図である。
符号の説明
A 固形化装置
B 集塵機
C 固形ダスト
51 スタンド
52 排出口
53、54 ホース
1 シュート
2 固形化部材
3 圧縮部材
4 駆動部材
5 開閉部材
6 清掃部材
2a、2b 開放端部
2c 開口部
2d テーパ部
5a ロッド部材
5b 駆動部材
6a 剥離部材
6b 駆動部材
4a、4b、5c、5d、6c、6d
ポート
11〜14 電磁弁
15 エアチャンバー
21 フレーム
22 操作盤

Claims (1)

  1. 集塵機に取り付けられて集塵した粉粒体を圧縮して固形化する固形化装置であって、集塵機のホッパーに接続され該ホッパーに収容された粉粒体の落下を案内するシュートと、水平に配置され且つ両端が開放された円筒体からなり周壁の所定位置に前記シュートに接続された開口部が形成されると共に一方の開放側端部の内周面が端部にかけて径が大きくなるテーパ状に形成された固形化部材と、前記固形化部材の内部に往復移動可能に配置され他方の開放端部側から一方の端部側にかけて移動したときに該固形化部材の内部にある粉粒体を圧縮して固形化する圧縮部材と、前記圧縮部材を往復移動させる駆動部材と、前記固形化部材の一方の開放端部側に配置され該開放端部を開閉する開閉部材と、を有することを特徴とする粉粒体の固形化装置。
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