JP2008194649A - 汚泥閉塞検出方法及びこれを用いた排水処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、排水を生物処理する排水処理槽に汚泥担持体を備えた接触曝気法に関し、前記排水処理槽の処理水の膜分離水の透視度を計測し、透視度に基づいて前記汚泥担持体に付着した汚泥の閉塞状況を把握することを目的とする。
【解決手段】この目的を達成するために本発明は、排水を生物処理する排水処理槽4と、揺動床5と、散気管6と、仕切り板8と、沈殿槽10と、分離膜12と、吸引ポンプ14と、散気管20と、透視度計17と、制御装置23とを設け、孔径1.2μm以下の分離膜12により得られた膜分離水の透視度を検知して汚泥の閉塞状況を把握できるようにした。
【選択図】図1
【解決手段】この目的を達成するために本発明は、排水を生物処理する排水処理槽4と、揺動床5と、散気管6と、仕切り板8と、沈殿槽10と、分離膜12と、吸引ポンプ14と、散気管20と、透視度計17と、制御装置23とを設け、孔径1.2μm以下の分離膜12により得られた膜分離水の透視度を検知して汚泥の閉塞状況を把握できるようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は被処理水である排水と担体に保持した汚泥とを接触させて生物処理槽で好気処理し、前記生物処理槽の処理水の透視度を計測し、透視度に基づいて前記担体の汚泥の閉塞を検出する汚泥閉塞検出方法と、これを用いた排水処理方法に関する。
従来、排水中の有機物を微生物により分解する排水処理装置の処理性能を向上させる手段として、生物処理槽の内部に微生物を吸着保持する担体を配置した接触曝気法が知られており、特に最近担体として揺動床を採用したものが注目されつつある。
この揺動床は垂直に張られた撥水性の幹に対し、親水性の繊維で成型された複数の親水枝を、幹と平行の水流に対して垂直に、幹から円周方向に放射状に配置した構成であり、幹は、処理槽内に固定された揺動床支持部により支持されている。また、親水枝は微生物の集合体である汚泥が付着しやすいよう親水性となっており、ある程度の太さは有しているものの柔軟性があり、その後端側が幹に取り付けられ、先端側が自由端となっているので水流により揺動する。このような揺動床式の担体を処理槽の内部に簾状に多数配置することで排水処理装置が構成されている。
揺動床式の担体は揺動床の周囲の水流によって運ばれる汚泥を親水枝に付着させ、堆積させて固定化することになり、一般的な担体に比べて処理槽内の汚泥濃度を高く保持することができるという特徴がある。
さらに、担体上の汚泥は、排水中の有機物を酸化・分解して増殖するが、水流に伴う揺動により過剰に付着した汚泥は剥離されるため、汚泥が閉塞することなく適度な汚泥を保持することができる。
しかしながら、実際は排水処理槽内の場所によって流速が異なるため、低流速の箇所では汚泥が適度に剥離されずに堆積して閉塞し、腐敗して悪臭を発生するといった問題があった。
腐敗とは、汚泥が閉塞した箇所では汚泥が長時間滞留し、溶存酸素が消費し尽くされて汚泥の嫌気発酵が生じる現象を言う。
腐敗は硫酸塩還元細菌等の嫌気性細菌が無酸素状態で有機物を分解する現象であり、悪臭原因ガスの一種である硫化水素の発生を伴う。
SO4 2- + 2C + 2H2O → 2HCO3- + H2S
特に揺動担体には多量の汚泥が保持されているため、著しい酸素消費により酸素欠乏状態となり易く、他の接触曝気法に比べ腐敗の進行が早い。さらに、腐敗が進むほど発生する悪臭ガスの量は増大するため、悪臭の問題はさらに顕著なものとなる。
特に揺動担体には多量の汚泥が保持されているため、著しい酸素消費により酸素欠乏状態となり易く、他の接触曝気法に比べ腐敗の進行が早い。さらに、腐敗が進むほど発生する悪臭ガスの量は増大するため、悪臭の問題はさらに顕著なものとなる。
また、担体上の汚泥の閉塞状況を把握する方法が無いため、悪臭が発生してから担体の逆洗を行い、閉塞した汚泥を除去するなどの対処をせざるを得ないのが現状である。
そこで、汚泥の腐敗を早期に検知することができれば、担体上の汚泥の閉塞を推測して汚泥の除去を行い、悪臭の発生を最低限に抑えることが可能になる。
汚泥の腐敗の検知としては、汚泥中のATPを測定することにより硫酸塩還元細菌の菌数を推定し、汚泥の腐敗を検出する方法が考案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−131198号公報
ここで、汚泥の腐敗を検知するためには(イ)硫化水素を検知する、(ロ)嫌気性細菌数を検知する、(ハ)水質悪化を検知するといった方法が挙げられる。
(イ)悪臭発生ガスの検知
腐敗により生じる硫化水素ガスの発生を検知する。しかし、硫化水素ガスを検出するには、発生したガスを密閉容器に一旦捕集して測定する必要がある。さらに硫化水素ガスが測定可能な濃度になるまで待たねばならず、その間に汚泥の腐敗が進行してしまうため、実際の排水処理施設でこれを行うことは難しい。
腐敗により生じる硫化水素ガスの発生を検知する。しかし、硫化水素ガスを検出するには、発生したガスを密閉容器に一旦捕集して測定する必要がある。さらに硫化水素ガスが測定可能な濃度になるまで待たねばならず、その間に汚泥の腐敗が進行してしまうため、実際の排水処理施設でこれを行うことは難しい。
(ロ)嫌気性細菌数を検知する
腐敗に主として寄与する嫌気性最近の一種である硫酸塩還元菌の菌数を測定することにより、汚泥の腐敗を検知する。
腐敗に主として寄与する嫌気性最近の一種である硫酸塩還元菌の菌数を測定することにより、汚泥の腐敗を検知する。
図2は特許文献1に記載の、汚泥の腐敗を防止するためのオゾン注入量と硫酸塩還元菌の菌数との関係を得て、汚泥腐敗防止効果を明らかにした実施例の一例を示したものである。処理槽101にはオゾンを注入する散気管102が設置されており、汚泥とオゾンとを接触させて硫酸塩還元細菌の殺菌を行う。また、恒温槽103により温度を25℃に維持して細菌の活性を保つ。この実験装置により得られた汚泥のATPを測定することにより、硫酸塩還元細菌数を推定することができ、汚泥の腐敗の状況を評価することができた。
しかしながら、上記特許文献1に記載の方法によれば、ATPの測定によりあらゆる微生物活性をとらえてしまうため、好気性細菌と嫌気性細菌とを区別して検知することができない。したがって、好気生物処理を行う担体を用いた生物処理槽には適用することができない。
(ハ)水質悪化の検知
一般に、排水処理槽に何らかの不具合が生じると、処理水が白濁する等の変化が生じるため、水質の悪化を検知することにより、汚泥の腐敗を推測することが考えられる。
一般に、排水処理槽に何らかの不具合が生じると、処理水が白濁する等の変化が生じるため、水質の悪化を検知することにより、汚泥の腐敗を推測することが考えられる。
しかしながら、排水処理における水質の悪化には様々な原因があり、単に処理水の白濁を検知するだけでは、その原因が負荷量の増減、過曝気、汚泥腐敗のいずれにあるのか判別することができない。
したがって、処理水の白濁を測定するだけでは汚泥の腐敗を区別して検知することができないという課題があった。
本発明は上記3つの方法の中で水質悪化の検知に着目し、水質悪化の検知における従来の課題を解決するものであり、接触曝気法による排水処理装置において、処理水の透視度を計測し、計測した透視度に基づいて汚泥の閉塞状況を把握できる汚泥閉塞検出方法を提供することを目的とする。
本発明の汚泥閉塞検出方法は上記目的を達成するために、排水処理槽に汚泥担持手段を備え、被処理水である排水と汚泥とを好気的に接触させて生物処理する排水処理において、前記生物処理された処理水の透視度を測定することにより前記汚泥担持手段に付着した汚泥の閉塞を検出することを特徴とするものである。
本発明によれば、処理水の透視度を検知することによって汚泥の閉塞状況を把握することができる。また、この情報に基づいて担体の逆洗を行うことにより、汚泥の腐敗による悪臭の発生を最低限に抑えることができる。
第1の発明は、排水処理槽に汚泥担持手段を備え、被処理水である排水と汚泥とを好気的に接触させて生物処理する排水処理において、生物処理された処理水の透視度を測定することにより汚泥担持手段に付着した汚泥の閉塞状況を検出することを特徴とする汚泥閉塞検出方法としたものである。
これによって、汚泥担持手段を直接見なくても、処理水の透視度を測定することにより汚泥担持手段の汚泥の閉塞状況を把握することができる。
第2の発明は、第1の発明において、孔径が1.2μm以下の分離膜により分離した膜分離水の透視度を検知することを特徴とする汚泥閉塞検出方法としたものである。
これによって、処理水の水質悪化の原因である、負荷量の増減、過曝気と汚泥腐敗とを区別して検知することができる。
第3の発明は、排水処理槽に汚泥担持手段の汚泥を除去する汚泥除去手段を設け、第2の発明における汚泥閉塞検出方法により検出した汚泥の閉塞状況に基づき、汚泥除去手段を動作させることを特徴とする汚泥閉塞解消方法としたものである。
これによって、汚泥担持手段に閉塞した汚泥を速やかに除去することができ、汚泥の腐敗の進行を防止することができる。
第4の発明は、第3の発明における汚泥閉塞解消方法を用いて閉塞した汚泥を除去することにより、閉塞した汚泥の腐敗による悪臭の発生を抑制することを特徴とする排水処理方法としたものである。
これによって、汚泥の腐敗による悪臭の発生を最低限に抑えることができる。
第5の発明は、第4の発明において、制御手段を設け、測定した透視度が10度以下になったとき、汚泥除去手段により汚泥担持手段の汚泥の除去を開始するように制御することを特徴とする排水処理方法としたものである。
透視度のしきい値を10度以下とすることにより、透視度の測定結果から汚泥担持手段に付着した汚泥の閉塞を検出することができる。
第6の発明は、第5の発明において、測定した透視度が10度を超えたとき、汚泥除去手段による汚泥担持手段の汚泥の除去を停止することを特徴とする汚泥閉塞解消方法としたものである。
透視度のしきい値を10度とすることにより、透視度の測定結果から汚泥担持手段に閉塞した汚泥が除去されたことを検出することができる。
第7の発明は、第4の発明において、分離膜を排水処理槽内の処理水出口近傍に設置する特徴とする排水処理方法としたものである。
これによって、清澄な処理水の膜分離水を得るため、分離膜への負担が少なく、分離膜を小さくすることができる。
第8の発明は、第4の発明において、排水処理槽の後段に固液分離槽を設け、分離膜を固液分離槽の上澄水を得るように設置することを特徴と排水処理方法としたものである。
これによって、分離膜設置による沈殿槽への影響がなく、簡便に設置することができる。
第9の発明は、第4の発明において、透視度を測定する膜分離水貯留槽を設け、膜分離水貯留槽に膜分離水を連続的に供給することを特徴とする排水処理方法としたものである。
これによって、汚泥担持手段の閉塞を常時監視し、閉塞を検出すると速やかに閉塞した汚泥の除去を行うため、悪臭の発生を最低限に抑えることができる。
また、透視度を測定する測定部の周囲に膜分離水を滞留させないため、透視度を測定する測定部に汚れが付着しないようにすることができる。
第10の発明は、第4の発明において、排水処理槽の水理学的滞留時間以下の時間間隔で間欠的に膜分離水を膜分離水貯留槽に供給し、透視度を測定することを特徴とする排水処理方法としたものである。
これによって、膜分離水を得る吸引ポンプの運転を間欠的に行い、消費電力を減らすことができると共に、分離膜の透過流速を低下させて膜の目詰まりを抑えることができる。
第11の発明は、第10の発明において、透視度を測定する測定部の曝気洗浄を行うことを特徴とする排水処理方法としたものである。
これによって、透視度計に付着する汚れを洗浄して、長期間にわたって正確な計測を行うことができる。
第12の発明は、第4の発明において、吸光光度法により前記透視度を測定すること特徴とする排水処理方法としたものである。
これによって、簡便かつ連続的に透視度を測定することができる。
第13の発明は、汚泥担持手段が揺動床であることを特徴とする排水処理方法としたものである。
これによって、汚泥を高濃度に保持することができ、排水処理槽の性能を上げることができる。
以下、本発明による実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態の排水処理装置の構成図である。図1において、生物処理装置は排水を導入する輸送管1と、排水の流量を調整する調整槽2と、排水を生物処理する排水処理槽4と、排水処理槽4により得られた処理水を固液分離する沈殿槽10と、処理水を系外に放流する輸送管19と、沈殿槽10で分離された汚泥を排水処理槽4に返送する輸送管11とで構成されている。
図1は本発明の実施の形態の排水処理装置の構成図である。図1において、生物処理装置は排水を導入する輸送管1と、排水の流量を調整する調整槽2と、排水を生物処理する排水処理槽4と、排水処理槽4により得られた処理水を固液分離する沈殿槽10と、処理水を系外に放流する輸送管19と、沈殿槽10で分離された汚泥を排水処理槽4に返送する輸送管11とで構成されている。
排水処理槽4には汚泥担持手段である揺動床5が設置されている。なお、汚泥担持手段には固定床、流動床、その他のひも状担体、これ以外でも汚泥を担持できるものならば何を用いてもよい。
排水処理槽4には曝気手段である散気管6が設置されている。散気管6にはブロワ7が接続されており、空気が供給されることで排水処理槽4を曝気し、溶存酸素濃度を高めることにより好気的な生物処理が行われる。また、排水処理槽4内に仕切り板8を設けることにより、エアリフトによる循環流が形成され、排水中の汚濁物質と酸素を揺動床5に付着した汚泥に効率良く接触させて生物処理すると共に、付着した汚泥を適度に剥離する。
ここで、揺動床5のどこかで汚泥が閉塞すると、溶存酸素が拡散により行き渡らない箇所が生じる。そのような場所では硫酸塩還元細菌等の嫌気性細菌が排水中の有機物を摂取して腐敗が進行する。その結果、悪臭ガスの一種である硫化水素が発生する。
硫化水素はガス体として発生し、揺動床5状の汚泥をすり抜けて液相中へと移動する。このとき、液相中の溶存酸素と反応して酸化反応が起き、硫黄を生じる。硫黄は固体であり、コロイド状となって液相中に混ざるため、処理水は白濁する。
2H2S + O2 → 2S + 2H2O
表1は排水処理における処理水白濁の原因物質と発生状況との関係を示したものである。
表1は排水処理における処理水白濁の原因物質と発生状況との関係を示したものである。
表1に示すように、処理水が悪化する発生状況として、主に(イ)高負荷および低負荷のとき、(ロ)過曝気のとき、(ハ)汚泥が腐敗したとき、といった状況が挙げられ、以下に各々を説明する。
(イ)高負荷条件においては細菌の増殖が著しく、凝集しきれない分散状細菌が増加するため、処理水が白濁する。また、低負荷条件においては自己酸化によりフロック形成能が低下するために分散状細菌が増加して白濁する。
(ロ)過曝気条件においては曝気によるせん断力が強過ぎるためにフロックが物理的に破壊され、分散状細菌が増加して白濁する。
(ハ)汚泥が腐敗する条件においては、白濁の原因は上述のとおりコロイド状の硫黄によるものであり、原因物質が根本的に異なる。さらに、分散状細菌が1μm以上の大きさであるのに対し、コロイド状の硫黄は1μm以下の大きさであるため、分離膜によって容易に分けることができる。したがって、この1μm以下のコロイド状の硫黄を検知することにより、処理水の白濁から汚泥の腐敗を区別して検知することができる。
ここで、排水処理槽4により得られた処理水は沈殿槽10で固液分離され、輸送管19を通じて放流されるが、この放流水の膜分離水の透視度を検知するため、沈殿槽10に分離膜12が設置されており、その下方には分離膜の洗浄手段である散気管20が設置されている。こうすることにより清澄な処理水の膜分離水を得るため、分離膜への負担が少なく、分離膜を小さくすることができる。
散気管20には複数の噴出孔21が設けられており、ブロワ22により供給される空気により曝気して分離膜12の表面にクロスフロー流を与え、分離膜12の表面に汚れが付着するのを防ぐ。
このとき、クロスフロー流が強すぎると沈殿槽10内に循環流を形成して固液分離機能を妨げてしまうため、沈降分離した汚泥を巻き上がらせない程度の曝気量にすることが望ましい。尚、分離膜12に対して沈殿槽10が十分に大きい場合には、この心配はない。
また、分離膜12は沈殿槽10の上澄水を得られるように槽の上方に設置されており、こうすることによって分離膜への負担を軽減できるため透過流速を上げることができ、分離膜12の大きさを小さくすることができる。また、前記クロスフロー流れに供する曝気量を下げることができる。
また、分離膜12は排水処理槽4に設置してもよく、こうすることによって沈殿槽10への影響は生じないため、装置を簡便にすることができる。この場合にはMLSS濃度が高いために分離膜12の表面に汚れが付着し易く、そのため透過流速を上げることができず、分離膜の大きさは大きくなる。また、その設置場所は排水処理を十分に終えた状態を測定するために、輸送管9との接続部付近に設置することが望ましい。
本実施の形態においては分離膜12には孔径1.2μmの不織布を用いたが、分離膜には平膜、中空糸膜などの分離膜を用いてもよく、その孔径は排水中の分散状細菌を分離することのできる1.2μm以下であることが好ましく、さらに検出精度を高めるためには分散状細菌を完全に分離することのできる1μm以下であることが望ましい。
沈殿槽10の上澄水は分離膜12と膜分離水の吸引手段である吸引ポンプ14とによって連続的に取り出され、透視度の測定を行うための膜分離水貯留槽16に導入される。汚泥の腐敗を早期に検知するため、排水処理槽4の処理水である上澄水の吸引および透視度の検知は連続的に行うことが望ましいが、汚泥の腐敗しない時間帯や期間が予め予測される場合には、汚泥の腐敗する可能性のある時間帯および期間にのみ処理水の吸引および透視度の検知を行ってもよい。
なお、汚泥の腐敗しない時間帯および期間は、例えば流入排水の少ない時間帯や期間であり、負荷量が少ないときには汚泥の過剰付着による汚泥の閉塞は発生せず、したがって汚泥の腐敗は発生しない。
また、間欠的に処理水の吸引を行う場合には、処理水の吸引の時間間隔が排水処理槽4の水理学的滞留時間(以下HRTと記す)以下であることが望ましく、例えばHRT6時間で運転している場合には最低6時間おきに処理水の吸引および透視度の検知を行うことが望ましい。ここでHRTとは前記排水処理槽中で被処理排水が滞留する時間をいう。吸引時間の間隔をHRT以下とすることで、排水の処理時間内に汚泥の腐敗を除去し、コロイド状硫黄による処理水の悪化を最低限に抑えることができる。
膜分離水貯留槽16には透視度検知手段である透視度計17が設置されている。透視度計には赤外吸光光度法によるセンサを用いることが簡便であり望ましいが、目測、カメラ撮影と画像処理による透視度測定、粒度分布計など、コロイド状の白濁成分を検知できるものでならば何を用いてもよい。
なお、処理水を連続的に吸引することによって、透視度計17の周囲に処理水が滞留せず、一定流量の流れが常に存在するため透視度計17に汚れが付着しにくいという利点がある。したがって、処理水を間欠的に吸引する場合には定期的に透視度計17を洗浄することが透視度計の精度を保つために必要となる。洗浄の方法は手洗い、水洗浄等のいずれの方法を用いてもよく、例えば、透視度計17による測定を終える度に、膜分離水貯留槽に清浄な水を導入して透視度計17を洗浄することが望ましい。
ここで、透視度計17により汚泥の腐敗を原因とする白濁を検知した場合には制御装置23によって揺動床5の逆洗を行う。
透視度計17が処理水の膜分離水の透視度の低下を検知して、揺動床5の汚泥の閉塞を検出すると、制御装置23が電動開閉弁24、電動開閉弁25を制御して逆洗手段である散気管27から曝気を行い、揺動床5を逆洗して揺動床5に閉塞した汚泥を除去する。
本実施の形態では、透視度が10度以下となったときに汚泥の閉塞を検出し、10度を超えたとき閉塞した汚泥が除去されたことを検出するようにした。これは汚泥の腐敗による膜分離水の透視度の低下が透視度が10度を下回ったときに起きているという下記実験結果に基づいたものであり、この近傍をしきい値とすることが望ましい。
なお、散気管27には複数の噴出孔28が設けられており、ここから曝気することにより、その気泡を揺動床5に接触させて逆洗を行う。
通常運転時は電動開閉弁24を閉、電動開閉弁25を開として排水処理槽4の曝気を行い、好気的な生物処理を行う。透視度計17と制御装置23により汚泥の閉塞を検出したときには、電動開閉弁24を開、電動開閉弁25を閉として散気管27から曝気を行い、揺動床5の逆洗を行う。このとき、散気管6からの曝気が停止することでエアリフトによる循環流が停止するため、揺動床5の逆洗はその流れを妨げられることがない。
なお、上記実施の形態は制御装置による動作を説明したが、制御装置を設けず、電動開閉弁を手動弁として、担当者が透視度計の値を目視して、手動弁の開閉を行ってもよい。
表2に実験結果の一例を示す。
70Lの排水処理槽に揺動床である担体A、220Lの排水処理槽に接触曝気ろ床である担体Bをそれぞれ設置して実験した。グルタミン酸ナトリウム、スクロース、尿素を主成分とした人工排水(BOD:N:P=100:10:1)を作成し、HRT6時間、BOD容積負荷2kg/m3・日の条件で連続供給した。
正常運転時、過負荷時、汚泥腐敗時、のそれぞれについて処理水とろ液の透視度を測定した。透視度はJIS K−0102に基づき透視度計を用いて目視により測定した。ろ液は孔径1.2μmのガラス繊維ろ紙を用い、吸引ろ過により得た。
透視度は試料の透明の程度を示すもので、透視度計に試料を入れ、底部に置いた標識が視認できるときの水層の高さをはかり、10mmを1度として表すものである。
沈殿槽における汚泥の沈降分離が問題なく行われた正常運転時には担体A、担体B共に処理水及びろ液の透視度は20度以上と良好であった。
負荷を4kg/m3・日に増加させたところ処理水は悪化し、担体Aは4.7度、担体Bは5.8度となり、白濁状態となった。このときのろ液は担体A、B共に20度以上であり、極めて清澄であった。また、顕微鏡観察をしたところ、白濁した処理水には多量の分散状細菌が観察された。
次に、負荷は2kg/m3・日であるが、担体上に汚泥を過剰に堆積させて腐敗箇所を設け、汚泥を腐敗させて処理水を採取した。このとき処理水は悪化し、担体Aは4.4度、担体Bは2.6度となり、白濁状態となった。またろ液も悪化しており、担体Aは7.4度、担体Bは6.7度と白濁状態となった。担体Aを設けた排水処理槽上部を密閉して空気を捕集し、硫化水素濃度を測定したところ、9ppmであり、高濃度の悪臭ガスの発生が確認された。したがって、白濁の原因物質は分散状細菌ではないことが確認できた。
腐敗によるコロイド状硫黄が発生した場合には、分散状細菌の増殖による処理水の白濁と異なり、処理水のろ液の透視度が10度以下にまで低下することが確認できた。
本実施においてはJISに基づく透視度計による透視度を用いたが、市販の赤外吸光光度法を用いた自動計測器を用いてもよく、その場合には透視度の測定が簡便になり、連続的に測定することができる。
さらに、担体A、担体Bに付着した汚泥を採取したところ、汚泥は腐敗しており、著しく黒色に変色していた。
以上のことから、汚泥の閉塞と、腐敗、硫化水素の発生、コロイド状硫黄による白濁とが同時に確認され、コロイド状硫黄による白濁を検知することにより、汚泥の閉塞の状況を推測できることが明らかとなった。
また、この現象は揺動床の担体A、接触曝気ろ床の担体B共に同様の傾向が得られ、揺動床に限らず、他の接触曝気法においても同様のことが言えることが明らかとなった。
その後、担体A、担体Bの逆洗を行って閉塞箇所の汚泥を取り除いたところ、翌日には硫化水素の発生が検出不能となり、処理水及びろ液の透視度も20度以上の清澄な状態に戻った。
このように、処理水の膜ろ過水の透視度を検知することにより、汚泥の閉塞状況を把握することができ、これを検知して担体上の閉塞した汚泥を取り除くことで、悪臭の発生を最低限に抑えることが可能になる。
本発明における排水処理方法は、簡便な機構により担体上の汚泥の閉塞を検出できるため、メンテナンス性が良く、揺動床の信頼性を高めるとことができ、揺動床の特徴である高濃度排水処理の利点を活かした小規模排水処理装置の実現に大きく貢献するものである。
1、3、9、11、13、15、18、19 輸送管
2 調整槽
4 排水処理槽
5 揺動床
6、20、27 散気管
7、22 ブロワ
8 仕切り板
10 沈殿槽
12 分離膜
14 吸引ポンプ
16 膜分離水貯留槽
17 透視度計
21、28 噴出孔
23 制御装置
24、25 電動開閉弁
26 安全弁
101 処理槽
102 散気管
103 恒温槽
2 調整槽
4 排水処理槽
5 揺動床
6、20、27 散気管
7、22 ブロワ
8 仕切り板
10 沈殿槽
12 分離膜
14 吸引ポンプ
16 膜分離水貯留槽
17 透視度計
21、28 噴出孔
23 制御装置
24、25 電動開閉弁
26 安全弁
101 処理槽
102 散気管
103 恒温槽
Claims (13)
- 排水処理槽に汚泥担持手段を備え、被処理水である排水と汚泥とを好気的に接触させて生物処理する排水処理において、前記生物処理された処理水の透視度を測定することにより前記汚泥担持手段に付着した汚泥の閉塞を検出する汚泥閉塞検出方法。
- 孔径が1.2μm以下の分離膜により分離した膜分離水の透視度を検知することを特徴とする請求項1に記載の汚泥閉塞検出方法。
- 前記排水処理槽に前記汚泥担持手段の汚泥を除去する汚泥除去手段を設け、請求項2に記載の汚泥閉塞検出方法により検出した汚泥の閉塞状況に基づき、前記汚泥除去手段を動作させることを特徴とする汚泥閉塞解消方法。
- 請求項3記載の汚泥閉塞解消方法を用いて閉塞した汚泥を除去することにより、閉塞した汚泥の腐敗による悪臭の発生を抑制することを特徴とする排水処理方法。
- 制御手段を設け、測定した透視度が10度以下になったとき、前記汚泥除去手段により前記汚泥担持手段の汚泥の除去を開始するように制御する請求項4に記載の排水処理方法。
- 測定した透視度が10度を超えたとき、前記汚泥除去手段による前記汚泥担持手段の汚泥の除去を停止する請求項5に記載の排水処理方法。
- 前記分離膜は前記排水処理槽内の処理水出口近傍に設置されていることを特徴とする請求項4に記載の排水処理方法。
- 前記排水処理槽の後段に固液分離槽を設け、前記分離膜は前記固液分離槽の上澄水を得るように設置されていることを特徴とする請求項4に記載の排水処理方法。
- 透視度を測定する膜分離水貯留槽を設け、前記膜分離水貯留槽に前記膜分離水を連続的に供給することを特徴とする請求項4に記載の排水処理方法。
- 前記排水処理槽の水理学的滞留時間以下の時間間隔で間欠的に前記膜分離水を前記膜分離水貯留槽に供給し、透視度を測定することを特徴とする請求項4に記載の排水処理方法。
- 透視度を測定する測定部の曝気洗浄を行うことを特徴とする請求項10に記載の排水処理方法。
- 吸光光度法により前記透視度を測定することを特徴とする請求項4に記載の排水処理方法。
- 前記汚泥担持手段は揺動床であることを特徴とする請求項4に記載の排水処理方法。
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