JP2008194116A - ゴルフクラブのヘッド - Google Patents

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勝 福原
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Abstract

【課題】バンカーショットによる砂の抵抗を軽減するだけでなく、ゴルフボールの打撃時の飛距離を伸ばすことのできるゴルフクラブのヘッドを提供する。
【解決手段】ゴルフクラブのヘッド1のフェース部2に貫通孔5を設け、この貫通孔5の前面に空気又は砂が通過する矩形孔71を設けた可撓性の金属材料からなるプレート7を設けフェース部2とゴルフボール間に生じる空気や砂の抵抗を軽減し、フェース部2に設けたプレート7のインパクト領域Xではプレート7の厚さを他の部分より薄くすることで、打撃時におけるゴルフボールとの反発力を生じるようにする。
【選択図】図2

Description

本発明は、ゴルフクラブにおけるヘッドの構造に関するものである。
ゴルフ競技場であるゴルフコースでは、ゲーム性を持たせるために、池や砂地のバンカー等の障害が設けられており、ゴルフプレイヤーにとってはかかる障害を克服することもゴルフ競技において醍醐味になっているといえる。
しかし、前記バンカーに入ったゴルフボールをバンカー外に出すバンカーショットは熟練を有する。例えばバンカーに入ったゴルフボールを、バンカーから出す場合、図1に示すようにゴルフクラブのヘッド1のソール部3を、バンカー6の砂にめり込んだゴルフボール4の約3cm手前から矢印方向に砂を巻き込みながらゴルフボール4を弾き出すエクスプロージョンショットが最適と謂われているが、ビギナーゴルフプレイヤーにとっては難しく、ゴルフボール4を直接叩いたり、あるいは、特に女性等の非力なゴルフプレイヤーは、ゴルフボール4からかなり手前で砂を叩いてしまうので、ゴルフボール4とヘッド1のフェイス部2間に砂が多く入り、ゴルフボール4をバンカー6から出すのに必要なスピンと打撃力を与えることができないため、なかなかバンカー6からゴルフボール4を出すことができず、打数が多くなったり、打球が意外な方向に逸してしまい、他のバンカーに打ち込んでしまうことは周知の通りである。
また、一般的にゴルフクラブのゴルフクラブのヘッドのフェース部の表面は、通称フェースラインと呼ばれる削り込み、またはプレス加工等により形成されていて、これがゴルフボールのインパクト時にフェース面とゴルフボールとの間に適度な摩擦を生じさせると共に、打撃の方向性及び飛距離の安定性を図りつつ、ゴルフボールにスピンをも与える凹状の溝等の様々な意匠があるものの、基本的に平面で構成されているため、ゴルフボールをかなり手前で打つバンカーショットの場合は、ゴルフボールとフェース部間に入り込んだ砂が逃げにくく、従って上記の問題が著しくなる。そしてこの問題は、バンカーで使用する専用のサンドウェッジと呼ばれるフェース面が広く、ソールが砂に深く入りこまないようソールが大きいバウンスソールを有するヘッドをも持つゴルフクラブでは一層顕著であった。
また、ゴルフコースはゴルフ場によって様々な形態があり、バンカー等の障害が設置されている位置も様々であり、カップが設置されているグリーン周辺だけでなくスタート地点から近くに設置されているクロスバンカーにゴルフボールが入ってしまった場合は、ゴルフボールをカップに入れるまでの打点数が設定数より少ない数でスコアを競うゴルフ競技においては、ゴルフボールをバンカーから出すだけでなく、飛距離も出したい場合に、サンドウェッジではないゴルフクラブを使用する場合があり、かかる場合も砂の抵抗が問題となっていた。
「2003年版ゴルフ用品総合カタログ」,株式会社ユニバーサルゴルフ社,平成15年3月1日
そこで、本発明は、バンカーショットにおける砂の抵抗を軽減するだけでなく、ゴルフボールの打撃時の飛距離を伸ばすことのできるゴルフクラブのヘッドを提供することを課題とするものである。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、第1の発明は、フェースに一または複数の貫通孔を設けたことを特徴とするゴルフクラブのヘッドである。
第2の発明は、フェースの打球部の一側または両側に一または複数の貫通孔を設けたことを特徴とするゴルフクラブのヘッドである。
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記フェースの打球部に反発力を利用したゴルフボールの飛距離向上手段を設けたことを特徴とするゴルフクラブのヘッドである。
第4の発明は、第3の発明において、前記飛距離向上手段は、弾性体又は可撓性体であることを特徴とするゴルフクラブのヘッド。
第5の発明は、第3の発明において、前記飛距離向上手段は、可撓性のあるワイヤーを格子または網目に構成したものであることを特徴とするゴルフクラブのヘッドである。
本発明によれば、ゴルフクラブのヘッドのフェースに一又は複数の貫通孔を設けることにより、バンカーショット時に砂が前記貫通孔を通って後方へ排出されヘッドのフェースとゴルフボール間の砂の抵抗が軽減されるので、非力な女性やビギナーゴルフプレイヤーでも最適に近いエクスプロージョンショットを打つことができ、スピンがかかった打球を打つことができる。また、前記貫通孔は砂だけでなく空気も通すことができるので、バンカー以外の状況では空気抵抗を減らし、スイング時のゴルフクラブの振れが少なくなり、ヘッドスピードが上がるため打球の飛距離を伸ばす効果がある。
また、前記貫通孔に加えて、フェース面に弾性体又は可撓性の金属板等や可撓性のワイヤーを格子又は網目状に設けた飛距離向上手段によりフェース面とゴルフボールのインパクト時に前記飛距離向上手段の反発作用により打球に反発力が付加されるため、打球の飛距離を更に伸ばす効果がある。
図2は本発明の実施例1を示す正面図、図3は図2中に示すA−A線断面図で、1はフェース部2側から背面側に貫通孔5を設けたゴルフクラブのヘッド、7は前記貫通孔5のフェース部2側前面に取付けた3本の矩形孔71を横方向に設けた可撓性の金属材料からなるプレート、3はヘッドのソール部である。
フェース2部に設けたプレート7は、図2に示すゴルフボールのインパクト領域Xにおいて他の部分より薄く加工されており、ゴルフボールが前記インパクト領域X内に当ったときは、インパクト領域Xのプレート7が撓み、その反発作用によってゴルフボールを打撃方向へと反発力が付加され、打球の飛距離を伸ばす効果がある。またゴルフクラブのスイング時には、プレート7の矩形孔71から貫通孔5を通して空気が通過することによって空気抵抗が減少し、ヘッド1のトップスピードが上がり打撃力が増すため、打球の飛距離向上に効果がある。またバンカーショット時には前記の空気と同様に、バンカーの砂がフェースに設けた矩形孔71から貫通孔5を通ることにより、ゴルフボールとフェース部間の砂の抵抗を低減し、最適に近いエクスプロージョンショットを行うことができる。
なお、上記実施例1ではプレート7に矩形孔71を設けたが、プレート7に設ける孔の形状、位置、大きさ及び数はこれらに限定されないことは勿論である。
図4は本発明の他の実施例を示す正面図、図5は図4中に示すB−B線断面図で、1はフェース部2側から背面側に貫通孔5を設けたゴルフクラブのヘッド、7’は貫通孔5のフェース部2側前面に取付けた矩形状孔72に可撓性の金属ワイヤー73を網目状に設けたプレート、3はソール部である。
この実施例2のゴルフクラブは、ゴルフボールのショット時には、フェースの打球部2’に設けたプレート7’の網目状に設けられた金属ワイヤー73にゴルフボールが当ると、金属ワイヤー73が撓むとともに、その反発作用によってゴルフボールを打撃方向へと反発力が付加され、前記実施例1と同様に打球の飛距離を伸ばす効果がある。また金属ワイヤー73は網目状に構成されているため、矩形状孔72から貫通孔5を通して空気が通過することによってヘッド1への空気抵抗が減少し、前記実施例1と同様にヘッド1のトップスピードが上がり打撃力が増すため、打球の飛距離向上に効果がある。またバンカーショット時にも、バンカーの砂がプレート7’の矩形状孔72から貫通孔5を通ることにより、ゴルフボールとフェース部間の砂の抵抗を低減し、最適に近いエクスプロージョンショットを行うことができる。
なお、本実施例2では、可撓性の金属ワイヤーとしたが、可撓性であればその材質はナイロン等の合成樹脂のガットでもよく、材質や網目の形状の構成については実施例に限定されないことは勿論である。
図6は本発明の他の実施例を示す正面図、図7は図6中に示すC−C線断面図、図8は図6中に示すD−D線断面図で、1はフェース部2”側から背面側に貫通孔5’を設けたゴルフクラブのヘッド、7”は前記貫通孔5’のフェース部2”側前面に一部を薄厚にした可撓性の金属材料からなるプレート、74,74はプレート7”を貫通孔5’のフェース部2”側の前面中央に配置したときにプレート7”の両側に形成される透孔、3はヘッドのソール部である。
前記実施例1〜2はヘッドのフェース部の打球面に設けたプレートに空気又は砂が通る孔を設けたものであるが、フェースの打球面に孔を設けたゴルフクラブは、公式のゴルフ競技のルールでは使用できないので、練習用のゴルフクラブヘッドに使用されるものである。
そこで実施例3は公式のゴルフ競技にでも使用できるようにヘッド1に大きな貫通孔5’を設け、その中央にフェースの打球面となるプレート7”を設けての両側に透孔74,74が形成されるようにしたものである。
なお、プレート7”は一部が薄厚に加工されているため、ゴルフボールがプレート7”に当ったときは、プレート7”が撓み、その反発作用によってゴルフボールを打撃方向へと反発力が付加され、打球の飛距離を伸ばす効果がある。またゴルフクラブのスイング時には、プレート7”の両側に設けた透孔74,74から貫通孔5を通して空気が通過することによって空気抵抗が減少し、ヘッド1のトップスピードが上がり打撃力が増すため、打球の飛距離向上に効果がある。またバンカーショット時には前記の空気と同様に、バンカーの砂がフェースに設けたプレート7”の両側に設けた透孔74,74から貫通孔5を通ることにより、ゴルフボールとフェース部間の砂の抵抗を低減し、最適に近いエクスプロージョンショットを行うことができる。
バンカーショットを説明するための概略説明図。 本発明の実施例1を示す正面図。 図2中に示すA−A線断面図。 本発明の他の実施例2を示す正面図。 図4中に示すB−B線断面図。 本発明の他の実施例3を示す正面図。 図6中に示すC−C線断面図。 図6中に示すD−D線断面図。
符号の説明
1 ヘッド
2 フェイス部
7 プレート
71 矩形孔
X インパクト領域

Claims (5)

  1. フェースに一または複数の貫通孔を設けたことを特徴とするゴルフクラブのヘッド。
  2. フェースの打球部の一側または両側に一または複数の貫通孔を設けたことを特徴とするゴルフクラブのヘッド。
  3. 前記フェースの打球部に反発力を利用したゴルフボールの飛距離向上手段を設けたことを特徴とする請求項1または2記載のゴルフクラブのヘッド。
  4. 前記飛距離向上手段は、弾性体又は可撓性体であることを特徴とする請求項3記載のゴルフクラブのヘッド。
  5. 前記飛距離向上手段は、可撓性のあるワイヤーを格子または網目に構成したものであることを特徴とする請求項3記載のゴルフクラブのヘッド。
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