JP2008194082A - 体腔内進退装置 - Google Patents

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Yuichi Oshima
有一 大島
Atsuo Takanishi
淳夫 高西
Kazuko Ito
加寿子 伊藤
Ryosuke Mochizuki
亮助 望月
Sayaka Takahashi
紗綾香 高橋
Koichiro Aida
紘一郎 相田
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Abstract

【課題】簡単かつ小型の構成により螺旋回転による推進力を得て体腔内に容易に導入でき、これにより、被験者に与える負担を軽減することのできる体腔内進退装置を提供する。
【解決手段】体腔内推進装置10は、外面に螺旋状に突起が形成された螺旋回転本体20と、この螺旋回転本体20に対して相対的に回転自在なフライホイール40と、螺旋回転本体20に固定され、フライホイール40を螺旋回転本体20の螺旋軸を中心に回転駆動するモータ30と、螺旋回転本体20に対して相対回転自在に連結され、モータ30に動力を供給するケーブルを内蔵した可撓性のケーブル束50とを備えている。この体腔内推進装置は、フライホイール40がその回転速度を変化させる際に生じる回転慣性によってモータ30及び螺旋回転本体20に回転力を与え、これにより体腔内において螺旋回転本体20を回転させて螺旋軸方向に推進力を発生させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、外面に螺旋状の突起が設けられ、その螺旋軸を中心にして回転することによって体内を進行または後退する体腔内進退装置に関する。
内視鏡、ガイドワイヤその他の医療用器具の体腔内での進退を容易にすべく、モータ等の回転力発生部を内蔵し、外面に螺旋状の突起を設けた螺旋回転推進部を、その螺旋軸を中心に回転させたときの突起と体腔内壁との摩擦を用いて、体腔内での進退のための推進力を得る体腔内進退装置は、最も原初的なアイデアのひとつであり、古くから考えられてきている。
しかし、このような進退装置では、螺旋回転推進部の突起と体腔内壁との摩擦が大きくなると螺旋回転推進部が回転することができなくなるとともに、螺旋回転推進部に回転力を与えていたモータ本体側が逆回転し、推進力を得られなくなるおそれがあった。
これに対して、特許文献1に記載のカプセル型医療装置においては、モータの駆動によって回転する螺旋状突起を設けた回転推進部と、この回転推進部を駆動するモータを内蔵するベース部を持つが、このベース部の外面に回転推進部とは逆向きの螺旋状突起を設けている。これにより、突起と体腔内壁との摩擦が大きくなって螺旋回転推進部の回転が停止しモータが逆回転したとしても、モータを内蔵するベース部が逆回転するため、螺旋回転推進部が回転時に発生する推進力と同じ方向の推進力を得ることができる。一方でベース部に設けられた突起と体腔内壁との摩擦が大きい場合は、それを足がかりとして螺旋回転部が回転することができる。すなわち、螺旋回転推進部とベース部の、どちらか摩擦の小さい方が回転するため、推進力を安定して得ることができる。
特開2006-149581号公報
しかしながら、このような特許文献1に記載の従来の体腔内進退装置では、モータ本体側の逆回転を防止するための構成を追加する必要があり、体腔内進退装置が複雑化、大型化、長尺化せざるを得なかった。装置が複雑化すると、製造が容易ではなくなるとともに故障する可能性が高くなる。また、大型化や長尺化によって被験者の苦痛が高まり、同時に体腔内の小さな部位や複雑に屈曲する部位に導入することも困難となる。
そこで本発明は、簡単かつ小型の構成により螺旋回転による推進力を得て体腔内に容易に導入でき、これにより、被験者に与える負担を軽減することのできる体腔内進退装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の体腔内進退装置は、数学的に定義される略回転体形状を呈する回転体の外面に略螺旋状の突起が形成され、該螺旋状突起の螺旋軸と該回転体の回転中心軸が略一致している螺旋回転本体と、前記螺旋回転本体に対して相対的に回転自在な回転部材と、前記螺旋回転本体に固定され、前記回転部材を、前記螺旋回転本体の螺旋軸を中心に回転駆動する駆動部材と、前記螺旋回転本体に対して相対回転自在に螺旋軸と略同心に連結され、前記駆動部材に動力を伝達するケーブルを内蔵した可撓性のケーブル束と、を備え、前記回転部材がその回転速度を変化させる際に生じる、前記回転部材が前記回転速度を維持しようとする回転慣性によって前記駆動部材及び前記螺旋回転本体に回転力を与え、これにより体腔内において前記螺旋回転本体を回転させて前記螺旋軸方向に進退させることを特徴としている。
本発明の体腔内進退装置において、前記回転部材及び駆動部材は、前記螺旋回転本体内に収納されることが好ましい。
本発明の体腔内進退装置において、前記駆動部材はモータであって、前記ケーブル束には前記モータに電力を供給する導線が含まれていて、前記ケーブル束は、回転接続コネクタを介して前記螺旋回転本体に接続され、前記導線は、前記ケーブル束から分岐されて前記回転接続コネクタを構成する回動部間に設けられた接点により前記モータに接続されていることが好ましい。
本発明の体腔内進退装置において、前記螺旋回転本体の外に対して流体を送出する流体管路を備え、前記ケーブル束に前記流体管路に流体を送るチューブを含むことが好ましい。
本発明の体腔内進退装置において、体腔内を観察するための撮像手段として、撮像手段及び照明手段が搭載された内視鏡ユニットを、前記螺旋回転本体内に前記螺旋軸を中心に螺旋回転本体に対して相対回転自在に装着するとよい。
本発明の体腔内進退装置において、前記駆動部材及び前記回転部材の回転軸は、前記螺旋軸と同心の中空部を有し、前記内視鏡ユニットは前記回転部材よりも前方に配置されていて、前記ケーブル束には前記撮像手段及び照明手段に接続された駆動線及び信号線が含まれていて、この駆動線及び信号線は前記回転軸の中空部を通って前記撮像手段及び照明手段に接続することが好ましい。
本発明の体腔内進退装置において、前記流体管路は前記内視鏡ユニットに備えられ、前記流体管路に流体を送るチューブは、前記回転軸の中空部を通って前記流体管路に接続されることが好ましい。
本発明の体腔内進退装置は、医療用具またはその一部を体腔内所定位置まで移動させる医療用具移動装置を構成することができる。
本発明によると、体腔内において、回転部材がその回転速度を変化させる際に生じる、回転部材が回転速度を維持しようとする回転慣性によって、駆動部材及び螺旋回転本体に回転力を発生させ、これにより螺旋回転本体を回転させて螺旋軸方向に進退させる構成であるため、モータの逆回転を防止する構成が不要であり、簡単かつ小型の構成を実現できるとともに、それによって被験者に与える負担を軽減することができる。
以下、本発明を内視鏡に適用した場合の実施形態について図面を参照しつつ詳しく説明する。本実施形態に係る体腔内進退装置10は、図1、図2に示すように、外面(外周面)に螺旋状の突起22が形成された螺旋回転本体20と、モータ(駆動手段)30と、フライホイール(回転部材)40とを備える。この体腔内進退装置10は、導入された管腔70内において、フライホイール40を回転速度(停止状態を含む)が変わるように駆動したとき、つまりフライホイール40を加速または減速させたときに生じる、回転速度を維持しようとするフライホイール40の回転慣性によって、モータ30及びモータ30が固定された螺旋回転本体20に回転力を付与するものである。このような回転慣性を利用した回転力発生により、螺旋回転本体20を、螺旋軸Aを中心に回転させることができ、これにより、体腔内進退装置10は螺旋軸A方向に進退することができる。以下、各部材について詳細に説明する。
螺旋回転本体20は、数学的に定義される略回転体形状を呈する回転体であって、外面に螺旋状の突起22が形成されている。突起22は、螺旋回転本体20の中心軸Aの周りに螺旋状に形成されており、中心軸Aは突起22に対する螺旋軸Aと一致している。螺旋回転本体20及び突起22は、軟性の材料により、例えばシリコンの成形により形成されている。螺旋回転本体20の内部には、モータ30及び、フライホイール40と、送気用管路60、複数個のLED(Light Emitting Diode)(照明手段)62、撮像手段66及び送水用管路68を内蔵した内視鏡ユニット26が収容されている。そうしてこの内視鏡ユニット26は、シールドベアリング28を介して螺旋回転本体20内に、螺旋軸Aを軸心として相対回転自在に支持されている。なお、LED62は1個でもよいが、照明光量をかせぐために多い方が好ましい。また、照明手段としては、LEDの他に、例えばEL素子や光ファイバを用いることができる。
モータ(駆動手段)30は、モータ本体であるモータハウジング31内に回転軸32が備えられていて、回転軸32の軸心が中心軸Aと一致した状態で、モータハウジング31が螺旋回転本体20の内周面に固定されている。すなわち、モータ30は、モータハウジング31が螺旋回転本体20と一体化され、回転軸32が螺旋回転本体20に対して相対回転自在に支持されている。モータハウジング31は、モータ31の回転しない部材であるマグネット等を含む。この回転軸32は中空部を有する管状部材であって、先端部がフライホイール40の軸穴に挿入され、固定されている。回転軸32及びフライホイール40の中心軸は螺旋軸Aと一致している。なお、モータ30は、直流モータである。
フライホイール(回転部材)40は、金属により形成された円板状部材であって、その軸穴は回転軸32と同心に形成されている。フライホイール40は、螺旋回転本体20の内面から離間しており、螺旋回転本体20に対して独立して相対的に回転する。回転軸32及びフライホイール40の回転速度(停止状態を含む)を変える、つまり加速または減速させようとしたときに、回転軸32及びフライホイール40が回転速度を維持しようとする回転慣性によって、ハウジング31及び螺旋回転本体20には、螺旋軸Aを中心に回転力が作用する。この回転力は、加減速が大きければ大きいほど、またフライホイール40の慣性モーメントが大きければ大きいほど強く働く。この回転力が管腔70の内壁72(図2)と突起22との間に生ずる摩擦力を凌ぐことにより螺旋回転本体20が回転し、管腔70内において体腔内進退装置10を螺旋軸A方向に進退させることができる。すなわち、モータ30に与える駆動電流値を充分大きく変化させると、回転軸32及びフライホイール40の慣性力によって、ハウジング31と一体となった螺旋回転本体20が螺旋軸Aを中心として回転し、この回転方向及び突起22の螺旋形状に応じた方向に螺旋回転本体20を進退させる推進力が生じる。
なお、フライホイール40は、所望の大きさの慣性モーメントが得られる重量、形状であれば、素材、形状は問わない。つまり、回転の中心軸及び重心が回転軸32と一致するように配置されていれば、円板以外の形状の回転部材、例えば、円柱形状、円錐形状、あるいは質量が外周に集中した環形状のものを用いることもできる。また、フライホイール40は、螺旋回転本体20と独立して回転可能であれば、その一部または全部が螺旋回転本体20の外部に配置されていてもよい。
送気用管路60は、先端の送出口が螺旋回転本体20の先端(図1の右側端部)に配置され、螺旋回転本体20の外に気体を送出する。送気用管路60は、ケーブル束50に含まれたチューブに接続され、ケーブル束50を通り螺旋回転本体20から管腔70の外に延びていて、チューブの後端の送入口は管腔70の外部のポンプ(不図示)に接続されている。送気用管路60から管腔70の内部へ(螺旋回転本体20外へ)気体を送出すると、送出した気体の圧力によって管腔70が膨張し、内壁72が外側に膨らむため、突起22と内壁72との間の摩擦を軽減することができる。さらに、送出する気体量、圧力を調整することによって、突起22と内壁72間の摩擦力をコントロールすることができ、螺旋回転本体20の回転による内壁72への負荷を低減することができる。送気用管路60の送出口は、螺旋回転本体20の先端の他、螺旋回転本体20の外周面に配置すると、螺旋回転本体20の外面と管腔70の内壁72(図2)との間に、確実に空気を送出することができるため好ましい。また、図1のように送気用管路60の送出口を螺旋回転本体20の先端に設けた場合、送気によって、後述する送水による洗浄後の乾燥も行うことができる。なお、送気用の気体としては、空気や、人体に害を及ぼさない他の気体(例えば窒素など)を利用できる。
LED62は、螺旋回転本体20の先端に前方を照射できるように配置されている。撮像手段66は、先端のレンズ系が螺旋回転本体20の先端近傍に配置されており、LED62によって照明された管腔70内の対象部位の観察に用いられる。撮像手段66のレンズ系から入射した反射光は、撮像手段66内の撮像素子上(例えばCCDイメージセンサ)に結像して電気信号に変換される。この電気信号は、ケーブル束50に含まれる映像信号線によって外部の画像処理回路(不図示)へ送られる。なお、LED62を点灯させる電力及び撮像手段66を駆動する駆動クロックは、映像信号線と同様にケーブル束50に含まれる駆動信号線によって、体腔の外部に配置される装置から供給される。
また、送水用管路68は、先端の送水口が螺旋回転本体20の先端に配置され、螺旋回転本体20先端面及び管腔70内の対象部位の洗浄のための液体を送出する。なお、送水用の液体としては、通常の水の他に、滅菌水、生理的食塩水などを含め、人体に害を及ぼさない他の液体を利用できる。さらに送水用管路68も、送気用管路60と同様に、螺旋回転本体20の外周面から送出できるように設けてもよい。このように構成した送水用管路68は、内壁72と突起22の摩擦抵抗等の軽減に利用できる。
送気用管路60、送水用管路68に加えて、LED62、撮像手段66の駆動及び信号線は、内視鏡ユニット26内で束ねられて、ケーブル束50として、フライホイール40内に挿入された回転軸32の中空部を通り、管腔70の外部まで延びている。ケーブル束50は、例えば埋め込みによって、内視鏡ユニット26に対して固定されている。螺旋回転本体20は内視鏡ユニット26にシールドベアリング28を介して装着されているので、螺旋回転本体20は内視鏡ユニット26に対して相対回転可能である。つまり、内視鏡ユニット26には、螺旋回転本体20に対して相対回転自在に導入されたケーブル束50が接続されているので、螺旋回転本体20が回転しても内視鏡ユニット26は回転しない。したがって、螺旋回転本体20を相対回転させながら進退動させても画像が回転しないので、ディスプレイに表示した画像も回転せず、観察が容易である。なお、ケーブル束50は、絶縁性、密閉性を高め、体腔内進退装置10の動作時に他の部材との摩擦を避けるために、シリコンやウレタンゴム製などの柔軟性のある管状部材に内挿することが好ましい。
ケーブル束50を螺旋回転本体20に接続支持するロータリーコネクタ34は、螺旋回転本体20の内部に固定された円板状の基部34aと、基部34aと対向配置され、螺旋軸Aを中心として相対回転自在な円板状の回動部44bとを備える。基部34a及び回動部34bの中央の穴にはケーブル束50が挿通されている。ケーブル束50は、回動部34bに対して密着固定され、基部34aを貫通している。回動部34bと基部34aの対向面には回転に対して持続して電気的な接触を保つ接点が設けられている。モータ30の駆動電力は、ロータリーコネクタ34内においてケーブル束50から回動部34bへと引き出された導線35、回動部34bと基部34aとの持続接点、及び導線36を経て、モータ30に供給される。
体腔内進退装置10は、螺旋回転本体20内に内視鏡ユニット26、モータ30、及びフライホイール40が収容されたコンパクトな構成であるため、管腔70の湾曲した部位(例えば、腸内)にも導入することができる。螺旋回転本体20の突起22が管腔70の内壁72に接触した状態でモータ30を充分低加速で正回転(時計回り)させると、回転軸32の先端部分に固定されたフライホイール40は、図2の矢印Cに示す方向に、正回転し始める。ここで充分回転速度が上昇した状態でモータ30を急減速させることを考える。すなわち、回転軸32およびそれに固定されたフライホイール40を、モータハウジング31およびそれに固定された螺旋回転本体20に対して急減速させる(つまり両者の相対速度を急激に小さくする)ことを考える。このとき、回転軸32およびそれに固定されたフライホイール40の角運動量(慣性モーメントと回転速度の積)が充分大きければ、モータ30は(モータハウジング31は)フライホイール40の回転を直ちに止めることはできず、モータハウジング31はフライホイール40と同じ方向に回ってしまう。言い換えると、相対速度を小さくするためにはモータハウジング31はフライホイール40と同じ方向に回らざるを得ない。このように、フライホイール40の回転慣性によって、モータハウジング31に回転力が働くため、これに固定された螺旋回転本体20が矢印C方向に回転して、螺旋状の突起22のねじ作用によって前進する。
次に、モータ30の駆動制御について、図3に示したタイミングチャートを参照して説明する。図3の時間ゼロから時間T1間のように、モータ速度、つまり駆動電流を徐々に増加させると(図3(A))、フライホイール40の回転速度も同期して徐々に上がる(図3(B))。この時間ゼロから時間T1の間は、フライホイール40の回転速度の変化が穏やかであるため、フライホイール40の回転速度を維持しようとする慣性力はきわめて小さく、モータハウジング31、すなわち螺旋回転本体20に働く回転力は無視できる程度の値となる(図3(C))。
これに対して、時間ゼロから時間T1に比べて非常に短い、時間T1から時間T2の間に、モータ速度を急激にゼロまで減少させる。すなわち、モータ30に急ブレーキを掛けてフライホイール40の回転を急減速させようとすると、フライホイール40がそれまでの回転速度を維持しようとする慣性力により、モータハウジング31をフライホイール40の回転方向と同一方向に回転させようとする回転力が作用し、モータハウジング31及び螺旋回転本体20が図2の矢印Cに示す方向に回転する(図3の縦軸では、矢印Cの方向への回転を正に示している)。すなわち、図3(C)に示すように、時間T1から時間T2の間では、モータハウジング31にはフライホイール40による慣性力由来の充分な回転力が作用し、これにより、螺旋回転本体20は矢印C方向に回転して前方側へ進行する。
ここで、このように螺旋回転本体20に充分な回転力を与える慣性力を発生するためのモータ30の減速条件は、フライホイール40、モータ30および螺旋回転本体20の慣性モーメントに応じて定めることができる。なお、体腔内進退装置10を後退させるには、正回転時に印加した電流と逆極性の電流をモータ30に印加する。すなわち低加速で逆回転させその後同様に急減速させることによってフライホイール40に生じる慣性力を用いて、矢印Cの逆の向きに、螺旋回転本体20を回転させる。
次に、モータ30を駆動する回路構成の実施形態について、図4を参照しつつ説明する。図4に示すように、モータ30の入力端子には、所定の電流を供給して定電流駆動するための定電流駆動部81が、ケーブル束50に内挿された導線(導線35、36を含む)を介して接続されている。またモータ30の入力端子には、モータ30の回転速度に応じてモータ30内のコイル(不図示)に発生する逆起電力(電圧)を検出する逆起電力検出部82が接続されている。逆起電力検出部82で検出した逆起電力信号がA/D・D/Aコンバータ84及び逆起電力−指令電圧比較部88に送出される。A/D・D/Aコンバータ84ではアナログの逆起電力信号がデジタル信号に変換され、変換後の信号は制御部(例えばパーソナルコンピュータやマイコン)86へ出力される。制御部86では、制御開始後の経過時間と関連づけて、検出された逆起電力の時間的な変化(すなわち実際の回転速度の時間的な変化)が図示しないディスプレイに表示される。
制御部86は、あらかじめ定めておいた、回転速度を指令する対応した電圧値の時間的な変化(図3(A))にしたがって、A/D・D/Aコンバータ84を介して、この指令電圧値を逆起電力−指令電圧比較部88へ送出する。この逆起電力−指令電圧比較部88は、逆起電力、すなわちモータ30の現在の回転速度を示す電圧と速度指令電圧とを比較し、指令回転速度と実際の回転速度とのずれを速やかに解消すべくモータ30に流すべき電流値を決定する。そうしてこの電流値に基づいた電流を、定電流駆動部81がモータ30に流す。これまで述べてきたように、この実施例では、モータ30内のコイルをモータ30の回転速度検出手段としても利用している。すなわち上記の構成によれば、モータ30の回転速度(言い換えれば、モータ30に固定された螺旋回転本体20とフライホイール40の相対回転速度)を指令値に保つためのフィードバックループが形成されており、モータ30の回転速度の直接制御が可能となっている。なお、定電流駆動の他に、若干構成は異なるものの、例えば定電圧駆動やPWM制御による駆動でもよい。
モータ速度指令電圧には、回転の正逆方向を指定する情報も含まれる。例えば、図3に示した時刻0から時刻T1の間はモータ30が正回転しかつ回転速度が緩やかに上昇するようにモータ速度指令電圧を変化させながら出力する。時刻T1に達すると、時刻T2までの間、モータ30が急停止するようにモータ速度指令電圧を出力する。時刻T2になると、時刻0乃至時刻T2までと同様の制御を繰り返す。以上の通電制御により螺旋回転本体20は、断続的に回転しながら前進する。なお、後退させるときは、モータ30への通電が逆になるようにモータ速度指令電圧を出力する。
また、時刻T1からT2間におけるモータ30の逆起電力を検出することにより、その区間、すなわち回転力発生時の螺旋回転本体20の回転状況を検出できる。突起22と内壁72との間に大きな抵抗(摩擦力)が発生して螺旋回転本体20が回転していないことを検知した場合は、例えば、制御部86はディスプレイに警告表示し、回転不能状態を所定回数または所定時間継続して検知したときはモータ20の駆動を停止させるか、逆通電制御に切り換え進退方向を反転し状況の打開を試みる。
以下に変形例について説明する。
上述の本実施形態では、フライホイール40の加速を緩やかに、減速を急激としたが、逆に加速を急激に、減速を緩やかにする際の回転慣性を利用し、螺旋回転本体20に回転力を与えることもできる。さらにモータ30に替えて、流体で回転する流体モータを使用してもよい。また、モータ30への急減速を行う際に、上述の速度制御に替えてショートブレーキや逆通電ブレーキを用いてもよい。また、螺旋回転本体20の外形は、上述した実施例では円筒形だが、これに限らず、卵形、球形、楕円形など、略回転体(数学的に定義される回転体)であればどのような形状でもよい。
本実施形態では、管腔70の外部まで延びるケーブル束50を備えた内視鏡を示したが、ケーブル束50を備えず、螺旋回転本体20のみからなる形態とすることもできる。この形態では、バッテリもしくは無線による電力受信手段を内蔵し、さらに螺旋回転本体20内に無線送受信手段を収容して、管腔70の外部の無線送受信手段と通信可能とすると、外部からモータ30の動作制御を行うことができるとともに、螺旋回転本体20内の撮像手段66で取得した画像を管腔70の外部で受信することができる。また、螺旋回転本体20内に記憶装置を設け、これに撮像手段66で取得した画像を記憶させ、管腔70から排出された体腔内進退装置10を回収した後に、この記憶装置に記憶させた画像を観察する形態とすることもできる。
また、ロータリーコネクタ34、回転軸32、フライホイール40及び内視鏡ユニット26に、螺旋回転本体20の後端から先端へ通じる貫通路を形成し、この貫通路内の一部または全部に通常の内視鏡先端の挿入部を挿入固定しても管腔70内の対象部位を観察することができる。
また、上述の貫通路もしくはケーブル束50にワイヤを内挿し、体腔内進退装置10の進退によってワイヤを案内するガイドワイヤ装置を構成することもできる。
さらに、モータ30、フライホイール40は2個以上設けてもよい。また、モータ30の回転速度の検出は逆起電力の検出に限られず、タコジェネレータを内蔵するなど、他の公知の検出手段を適用できる。
本発明について上記実施形態を参照しつつ説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、改良の目的または本発明の思想の範囲内において改良または変更が可能である。
本発明の実施形態に係る体腔内進退装置の構成を示し、螺旋軸を含む縦断面図である。 本発明の実施形態に係る体腔内進退装置が体腔内に導入された状態を示す図である。 本発明の実施形態に係るモータの速度指令電圧と、フライホイールの回転速度及び螺旋回転本体に働く回転力との関係を、時間を横軸にとって示す概略図である。 本発明の実施形態に係るモータの制御系の構成を示す図である。
符号の説明
10 体腔内進退装置
20 螺旋回転本体
22 突起
26 内視鏡ユニット
30 モータ(駆動手段)
32 回転軸(中空管状部材)
34 ロータリーコネクタ(回転接続コネクタ)
40 フライホイール(回転部材)
50 ケーブル束
60 送気用管路
70 管腔
72 内壁

Claims (8)

  1. 数学的に定義される略回転体形状を呈する回転体の外面に略螺旋状の突起が形成され、該螺旋状突起の螺旋軸と該回転体の回転中心軸が略一致している螺旋回転本体と、
    前記螺旋回転本体に対して相対的に回転自在な回転部材と、
    前記螺旋回転本体に固定され、前記回転部材を、前記螺旋回転本体の螺旋軸を中心に回転駆動する駆動部材と、
    前記螺旋回転本体に対して相対回転自在に螺旋軸と略同心に連結され、前記駆動部材に動力を伝達するケーブルを内蔵した可撓性のケーブル束と、を備え、
    前記回転部材がその回転速度を変化させる際に生じる、前記回転部材が前記回転速度を維持しようとする回転慣性によって前記駆動部材及び前記螺旋回転本体に回転力を与え、これにより体腔内において前記螺旋回転本体を回転させて前記螺旋軸方向に進退させることを特徴とする体腔内進退装置。
  2. 前記回転部材及び駆動部材は、前記螺旋回転本体内に収納されている請求項1記載の体腔内進退装置。
  3. 前記駆動部材はモータであって、前記ケーブル束には前記モータに電力を供給する導線が含まれていて、前記ケーブル束は、回転接続コネクタを介して前記螺旋回転本体に接続され、前記導線は、前記ケーブル束から分岐されて前記回転接続コネクタを構成する回動部間に設けられた接点により前記モータに接続されている請求項1から3のいずれか一項記載の体腔内進退装置。
  4. 前記螺旋回転本体の外に対して流体を送出する流体管路を備え、前記ケーブル束には前記流体管路に流体を送るチューブが含まれている請求項1から3のいずれか一項記載の体腔内進退装置。
  5. 撮像手段及び照明手段が搭載された内視鏡ユニットが前記螺旋回転本体内に、前記螺旋軸を中心に螺旋回転本体に対して相対回転自在に装着されている請求項1から4のいずれか一項記載の体腔内進退装置。
  6. 前記駆動部材及び前記回転部材の回転軸は、前記螺旋軸と同心の中空部を有し、前記内視鏡ユニットは前記回転部材よりも前方に配置されていて、前記ケーブル束には前記撮像手段及び照明手段に接続された駆動線及び信号線が含まれていて、この駆動線及び信号線は前記回転軸の中空部を通って前記撮像手段及び照明手段に接続されている請求項5記載の体腔内進退装置。
  7. 前記流体管路は前記内視鏡ユニットに備えられていて、前記流体管路に流体を送るチューブは、前記回転軸の中空部を通って前記流体管路に接続されている請求項6記載の体腔内進退装置。
  8. 前記体腔内進退装置は、医療用具またはその一部を体腔内所定位置まで移動させる医療用具移動装置を構成する請求項1から7のいずれか一項記載の体腔内進退装置。
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