JP2008193056A - ステージ装置、露光装置及びデバイス製造方法 - Google Patents

ステージ装置、露光装置及びデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ステージの駆動時に生じる発熱を抑えること。
【解決手段】ステージ装置は、ステージ4と、ステージ4に設けられた第1磁石9と、ステージ4の移動ストロークの端部において第1磁石9と対向するように設けられた第2磁石12a、12bとを有する磁石反発力発生手段と、ステージ4の移動ストローク内でステージ4を駆動する駆動手段と、を有する。また、ステージ装置は、第1磁石と対向可能に配置され、ステージ4の移動に伴い渦電流を発生する渦電流発生部材18a、18bを含む渦電流ブレーキ手段を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、デバイスを製造するためのステージ装置、露光装置及びデバイス製造方法に関する。
露光装置において、基板(または原版)を高精度に位置決めするためにステージ装置が用いられている。このようなステージ装置において、ステージを移動するための加速力を得る目的で、永久磁石の反発力を利用することが特許文献1に開示されている。
図12(a)、(b)を用いて特許文献1におけるステージ装置について説明する。ステージ4には、位置決めすべき基板(または原版)2が搭載される。ステージ4は永久磁石とリニアモータ固定子6としてのコイルからなるリニアモータ7によってY方向に駆動される。ここで、ステージ4には、リニアモータ7とは別に永久磁石33がY方向前後に取り付けられる。ステージベース1に取り付けられた永久磁石ユニット35と、永久磁石33との間で反発力を発生することで、ステージ4は大きな加速力を得ることができる。ステージ4の加速力が大きくなると、ステージ4を安全に停止するための減速手段が必要となる。
特許文献2は、渦電流を利用したステージ減速手段を開示している。具体的には、ステージに導体板を設けて、この導体板を挟み込むように1対の磁極をステージベースに設けている。導体板に発生した渦電流は導体板の運動に対して抵抗力を与えるため、この抵抗力を制振に利用している。
特開2004−79639号公報 特開昭61−131841号公報
しかしながら、特許文献2のように、ステージの減速手段として、ステージベースに導体板を設けると、導体板が渦電流によって発熱してしまう。そのため、ステージの熱変形などを引き起こし、ステージの位置決め精度に悪影響を与えてしまう。また、特許文献2のようなステージに更に導体板を設ける構成は、ステージの精度を向上させるために簡略化・軽量化する技術の流れに対して相反することとなってしまう。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、ステージの駆動時に生じる発熱がステージに与える影響を抑えることを例示的な目的とする。
本発明の第1の側面は、ステージ装置に係り、ステージと、前記ステージに設けられた第1磁石と、前記ステージの移動ストロークの端部において前記第1磁石と対向するように設けられた第2磁石とを有する磁石反発力発生手段と、前記ステージの移動ストローク内で前記ステージを駆動する駆動手段と、を有するステージ装置であって、前記第1磁石と対向可能に配置され、前記ステージの移動に伴い渦電流を発生する渦電流発生部材を含む渦電流ブレーキ手段を備えることを特徴とする。
本発明の第2の側面は、ステージ装置に係り、ステージと、前記ステージの両側に配置され、設定された方向に前記ステージを駆動する駆動手段と、前記設定された方向に沿って異なる極を上下に対面させ間隔を空けて複数の磁石を組み込んだ組磁石と、前記組磁石に対し同じ極を対面させて前記間隔に挿入される挿入磁石と、を有する磁石反発力発生手段と、前記挿入磁石の移動が抑えられるように前記設定された方向に沿って上下に対面して間隔を空けて配置された複数の渦電流発生部材を含む渦電流ブレーキ手段と、を備えることを特徴とする。
本発明の第3の側面は、露光装置に係り、パターンを形成した原版に照射される露光光を基板に投影するための光学系と、前記基板または前記原版を保持し位置決めを行う上記のステージ装置と、を備えることを特徴とする。
本発明の第4の側面は、デバイス製造方法に係り、上記の露光装置を用いて潜像パターンが形成された基板を用意する工程と、前記潜像パターンを現像する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、例えば、ステージの駆動時に生じる発熱を抑えることができる。
(第1の実施形態)
図1(a)は、本発明の好適な第1の実施形態に係るステージ装置の平面図であり、(b)は反発磁石ユニットを示す斜視図である。
このステージ装置は、本体ベース1にベースガイド2が固定され、ベースガイド2に対して設定された一軸方向に移動可能なように、工作物3を搭載するステージ4が支持されている。ステージ4の姿勢は、ベースガイド2の上面とステージ4の下面との間に配置される軸受け14で定められる。半導体露光装置では、高精度な位置決め精度が求められるため、軸受け14として空気軸受けを用いることが好ましい。ステージ4の両側には、リニアモータ可動子5が固定される。リニアモータ可動子5は、リニアモータ固定子6と非接触で対面し、リニアモータ固定子6は、本体ベース1に両端の脚7を介して固定されている。このリニアモータ可動子5とリニアモータ固定子6からなるリニアモータ33により前記ステージはY方向に駆動される。ステージ4の位置は、測長用のレーザ光を反射ミラー16に照射して計測される。
このステージ装置は、図1(b)に示す反発磁石ユニットを備えており、ステージ4の前後には、可動磁石ホルダ8と可動磁石9とで構成される磁石反発可動子15が固定されている。可動磁石9は、鉛直方向に着磁された板状の単極永久磁石である。本実施形態では、上側がN極に着磁されている。磁石反発可動子15は、挿入磁石として、ベースガイド2上に配置された磁石反発固定子10と相互に作用して、ステージ4に反発力を与え、ステージ4を加減速させる。
反発磁石ユニットの上記の構成で特徴的なのは、反発力を発生する方向と永久磁石の着磁方向とが直交している点である。例えば、Y方向に着磁された磁石の同じ極同士を対面させてもY方向の反発力を得ることはできるが、これでは反発力を発生できる距離が非常に短く、十分な速度に到達することが出来ない。
図1に示すように同極磁石を対面させて、対面方向と直角方向に発生する力を利用することで、対面させる同極磁石の寸法に応じた力発生ストロークを得ることが出来る。またこの反発磁石ユニットは、可動磁石9の各々の磁極面に対して両側から上下の磁石12a、12bで挟み込む構成にすることで、対面方向の反発力を相殺することが出来る。
磁石反発可動子15に対応して、ステージ4に加減速力を与える磁石反発固定子10がベースガイド2上に固定されている。磁石反発固定子10はステージ4のストロークの両端に1ユニットずつ設けられる。
磁石反発固定子10は、組磁石として、上ヨーク11a、上磁石12a、両側の横ヨーク13a、13b、下磁石12b、及び下ヨーク11bから構成される。上下磁石12a、12bは、磁石反発可動子15と同様に鉛直方向に着磁された板状単極永久磁石である。上下磁石12a、12bの極は、磁石反発可動子15と同じ極が対面するように配置される。すなわち、上磁石12aの下面はN極となり、下磁石12bの上面はS極となるように配置される。上ヨーク11a、横ヨーク13a、13b及び下ヨーク11bは、上下磁石12a、12bの磁束を側方経由で循環させるために設けられている。
また、上下磁石12a、12bの間隔は、可動磁石9の厚さより大きければよい。また、両横ヨーク13a、13bの内側の間隔は、可動磁石9の幅より広ければよい。このように、可動磁石9は、上下一対の磁石12a、12bの間及び両横ヨーク13a、13bの間に形成された開口に、非接触で挿入されるように構成されている。
図1(b)は、反発系である反発磁石ユニットのみを抜き出して示した斜視図である。磁石反発可動子15は、点線の位置にある場合には、矢印の方向の反発力を受ける。磁石反発可動子15は、点線の位置から矢印の方向に反発力を受けて押し出されるにつれて、反発力が減少する。磁石反発可動子15は、磁石反発固定子10からある程度離れると、反発力はゼロになる。そのとき、ステージ4は、最大速度まで加速されており、軸受け14によってガイドされているので、そのままの速度で反対側まで移動する。
リニアモータ33はステージ4の移動ストローク内でステージ4を駆動可能に構成されており、空気抵抗や軸受けによる減速作用には、リニアモータ可動子5が力を発生することで速度を維持する。ステージ4の反対側に設けられた磁石反発可動子15が、もう一端の磁石反発固定子10と相互作用するまで、ステージ4の運動エネルギーは保存される。従って、ステージ4の反対側の磁石反発可動子15も、図1(b)の点線で示した位置における挿入量と同じ量だけ、もう一端の磁石反発固定子10に挿入された状態で速度がゼロになる。
また、本実施形態に係るステージ装置には、可動磁石9と磁石反発固定子10との間に渦電流ブレーキ手段として非磁性導電体駆動手段17a、17bが配置されている。図2は、磁石反発力で加速されたステージ4に、渦電流ブレーキ手段として非磁性導電体駆動手段17a、17bを動作させる様子を示す図である。渦電流発生部材である非磁性導電体18a、18bを可動磁石9に近づけ、対向させることで渦電流を発生させる渦電流調整手段として機能しうる。これによって、渦電流ブレーキ手段は、ブレーキのON/OFFが切替可能に構成されている。
図2(a)は、本発明の好適な実施形態に係る通常モード時の非磁性導電体駆動手段17a、17bを備えたステージ装置の側面図である。非磁性導電体18a、18bは、非磁性導電体駆動手段17a、17bにより可動磁石9から遠い位置に保持される(ブレーキ開(OFF))。この状態では、可動磁石9が非磁性導電体18a、18bの間を通過しても、渦電流が発生しないため、ステージ4にはブレーキ力が作用せず、両端に設けた磁石反発ユニットにて加減速駆動が継続して行われる。
図2(b)は、非常停止時などのブレーキモード時の非磁性導電体駆動手段17a、17bを備えたステージ装置の側面図である。ブレーキモード時には、非磁性導電体18a、18bは、非磁性導電体駆動手段17a、17bにより可動磁石9に近い位置に保持される(ブレーキ閉(ON))。この状態では、可動磁石9が非磁性導電体18a、18bの間を通過すると渦電流が発生するため、ステージ4にはブレーキ力が作用する。
非磁性導電体駆動手段17a、17bは、渦電流発生部材である非磁性導電体18a、18bが磁石反発可動子15の上下から挟み込むように配置される。図2(c)のように、非磁性導電体駆動手段17(非磁性導電体18)が上下の一方にのみ配置された場合、非磁性導電体駆動手段17によるブレーキ力がステージ4の重心に作用しなくなる。そのため、ステージ4には矢印のような回転力が働き、軸受け14に過負荷がかかる。最悪の場合にはベースガイド2と接触し破損に至ってしまう。図2(b)のように、非磁性導電体18a、18bを可動磁石9の上下から挟み込むように配置することで、重心にブレーキ力が作用し軸受け14の破損を防止して安全に停止させられる。
なお、本実施形態において、磁石反発力発生手段としての反発磁石ユニットは、一対の永久磁石12a、12b間に永久磁石9を挿入する構成を一例として挙げたが、この構成にかぎるものではない。また、反発磁石ユニットはステージの両端に設けられることが好ましいが、ステージの一端のみに設ける構成であってもよい。すなわち、反発磁石ユニットは、ステージに設けられた第1磁石と、ステージの移動ストロークの端部に設けられ、この端部において第1磁石と対向可能に設けられた第2磁石とを有するものであればよい。これにより、第1磁石と第2磁石との間に働く反発力を利用して前記ステージに力を付与することが可能となる。
(第2の実施形態)
図3(a)は、本発明の好適な第2の実施形態に係る通常モード時の非磁性導電体駆動手段17a、17bを備えたステージ装置の側面図である。本発明の好適な第2の実施形態では、可動磁石9を磁石反発固定子10の外側に配置した。渦電流発生部材である非磁性導電体18a、18bは、非磁性導電体駆動手段17a、17bにより可動磁石9から遠い位置に保持される(ブレーキ開(OFF))。この状態では、可動磁石9が非磁性導電体18a、18bの間を通過しても、渦電流が発生しないため、ステージ4にはブレーキ力が作用せず、両端に設けた磁石反発ユニットにて加減速駆動が継続して行われる。このように、非磁性導電体駆動手段17a、17bは、挿入磁石としての可動磁石9と渦電流発生部材としての非磁性導電体18a、18bの各々との間隔を調整する間隔調整手段として機能しうる。
図3(b)は、非常停止時などのブレーキモード時の非磁性導電体駆動手段17a、17bを備えたステージ装置の側面図である。ブレーキモード時には、非磁性導電体18a、18bは、非磁性導電体駆動手段17a、17bにより可動磁石9の近い位置に保持される(ブレーキ閉(ON))。この状態では、可動磁石9が非磁性導電体18a、18bの間を通過すると渦電流が発生するため、ステージ4にはブレーキ力が作用する。
磁石反発固定子10の外側に磁石反発可動子15を配置したことで、非磁性導電体駆動手段17a、17bも磁石反発固定子10の外側に配置できる。第1の実施形態のように、非磁性導電体駆動手段17a、17bを、磁石反発固定子10の内側に配置する場合に比べて、外側に配置した方が設置スペースが確保しやすく、またメンテナンスしやすいなどの効果がある。また、渦電流が非磁性導電体18a、18bを流れることで発生する熱源をステージ4から遠ざけることができ、ステージ4の熱変形を抑えることで停止精度の向上が図れる。
図4(a)は、本発明の好適な第1、第2の実施形態に係る通常モード時の非磁性導電体駆動手段17a、17bの詳細を示す図である。非磁性導電体18a、18bは、アクチュエータ20a、20bによって上下に駆動される。非磁性導電体18a、18bの上下の動きは非磁性非導電体のガイド部材19a、19bで案内される。アクチュエータ20a、20bとしては、ソレノイドやエアシリンダなどの直動機構が採用される。
通常モードでは、非磁性導電体駆動手段17a、17bにより非磁性導電体18a、18bが可動磁石9から遠い位置に保持される(ブレーキ開(OFF))。この状態では、非磁性導電体18a、18bと可動磁石9との間隔(G)が広く、非磁性導電体18a、18bに渦電流が発生しないため、可動磁石9にはブレーキ力が作用しない。
図4(b)は、非常停止時などのブレーキモード時の非磁性導電体駆動手段17a、17bを示す図である。ブレーキモード時には、非磁性導電体18a、18bは、非磁性導電体駆動手段17a、17bにより可動磁石9の近い位置に保持される(ブレーキ閉(ON))。この状態では、非磁性導電体18a、18bと可動磁石9との間隔(G)が狭く、非磁性導電体18a、18bに渦電流が発生し可動磁石9にブレーキ力が作用する。
(第3の実施形態)
図5(a)は、本発明の好適な第3の実施形態に係る通常モード時の非磁性導電体駆動手段17a、17bを示す図である。本発明の好適な第3の実施形態では、非磁性導電体18a、18bを回転自在に支持し、回転モータ21a、21bとベルト22a、22bなどにより回転駆動が行えるように構成する。非磁性導電体18a、18bは、通常モードでは、モータを回転させて垂直に立てられた状態にする(ブレーキ開(OFF))。可動磁石9と対向する面の面積は、非磁性導電体18a、18bの厚み分となる。非磁性導電体18a、18bとして薄板を使用すると、対向する面の面積は極小となり、発生する渦電流も極小となり、ブレーキ力がほとんど作用しない。このように、非磁性導電体駆動手段17a、17bは、挿入磁石としての可動磁石9と対向する渦電流発生部材としての非磁性導電体18a、18bの各々の面の面積を調整する面積調整手段として機能しうる。
図5(b)は、非常停止時などのブレーキモード時の非磁性導電体駆動手段17a、17bを示す図である。非磁性導電体18a、18bは、ブレーキモードではモータを回転させて水平に保たれた状態にする(ブレーキ閉(ON))。可動磁石9と対向する面の面積は、非磁性導電体18a、18bの面積となり大きくできる。従って、発生する渦電流も大きくなり可動磁石9に大きなブレーキ力が作用する。
可動磁石9と対向する非磁性導電体18a、18bの面の面積を可変にする構成としては、図5(c)の平面図のように、横から非磁性導電体18a、18bをスライドさせる非磁性導電体駆動手段17a、17bが考えられる。非磁性導電体18a、18bはアクチュエータ20a、20bによって水平に駆動される。非磁性導電体18a、18bの水平の動きは非磁性非導電体のガイド部材19a、19bで案内される。アクチュエータ20a、20bとしては、ソレノイドやエアシリンダなどの直動機構が採用される。
通常モードでは、非磁性導電体駆動手段17a、17bにより非磁性導電体18a、18bが可動磁石9に重ならない位置に駆動される(ブレーキ開(OFF))。この状態では、非磁性導電体18a、18bと可動磁石9とが重なる面積がない。そのため、非磁性導電体18a、18bに渦電流が発生せず、可動磁石9にはブレーキ力が作用しない図5(d)は、非常停止時などのブレーキモード時の非磁性導電体駆動手段17a、17bを示す図である。ブレーキモード時には、非磁性導電体18a、18bは、非磁性導電体駆動手段17a、17bにより可動磁石9と重なる位置に駆動される(ブレーキ閉(ON))。この状態では、斜線で示した面積で非磁性導電体18a、18bと可動磁石9が重なる。そのため、非磁性導電体18a、18bに渦電流が発生し、可動磁石9にブレーキ力が作用する。
非磁性導電体駆動手段17a、17bは、第1の実施形態と同様に、非磁性導電体18a、18bを磁石反発可動子15の上下から挟み込むように配置する。このように、非磁性導電体18a、18bを駆動させて、可動磁石9に対向する非磁性導電体18a、18bの面の面積を可変にすることで、渦電流を調整することが可能となる。
(第4の実施形態)
図6(a)は、本発明の好適な第4の実施形態に係る通常モード時の抵抗値可変手段23a、23bを備えたステージ装置の側面図である。本発明の好適な第4の実施形態では、非磁性導電体18a、18bは、可動磁石9と対向するように配置され、抵抗値可変手段23a、23bにより非磁性導電体18a、18bの抵抗値が調整できるように構成される。抵抗値可変手段23a、23bにより、反発磁石9と対面する非磁性導電体18a、18bの抵抗値を大きくすれば、渦電流が発生しない(ブレーキ開(OFF))。この状態では、非磁性導電体18a、18bに渦電流が発生しないため、ステージ4にはブレーキ力が作用せず、両端に設けた磁石反発ユニットにて加減速駆動が継続して行われる。
図6(b)は、非常停止時などのブレーキモード時の抵抗値可変手段23a、23bを備えたステージ装置の側面図である。ブレーキモード時には、抵抗値可変手段23a、23bにより、可動磁石9と対面する非磁性導電体18a、18bの抵抗値を小さくすれば、渦電流が発生する(ブレーキ閉(ON))。この状態では、非磁性導電体18a、18bに渦電流が発生するため、ステージ4にはブレーキ力が作用する。
抵抗値可変手段23a、23は、第1の実施形態と同様に、非磁性導電体18a、18bを磁石反発可動子15の上下から挟み込むように配置される。このように、非磁性導電体18a、18bを駆動させて、可動磁石9に対向する非磁性導電体18a、18bの面の面積を可変にすることで、渦電流を調整することが可能となる。
(第5の実施形態)
図7(a)は、本発明の好適な第5の実施形態に係る抵抗値可変手段23a、23bの構成を示す図である。本発明の好適な第5の実施形態では、可動磁石9よりも十分小さい面積の非磁性導電基板25a、25bを格子状に複数配置する。それぞれの非磁性導電基板25a、25bは、隣同士とはそれぞれが導通しないように絶縁されている。非磁性導電基板25a、25b間はスイッチング素子26a、26bによって格子状に連結される。スイッチング素子26a、26bは、非常停止時及びステージ4の速度を変更したい場合などに、コントローラ24により信号を受けて制御される。
図7(b)は、本発明の好適な第5の実施形態に係る通常モード時の抵抗値可変手段23a、23bの動作を示す図である。本発明の好適な第5の実施形態では、スイッチング素子26a、26bとして半導体スイッチング素子であるFET(電界効果トランジスタ)を設けた。FETは、ゲートに電圧が加えられると、p型半導体(図7では「p」と表記)の中の正孔が下に押し出される。その結果、基板(p)の表面に電子が集まった反転層ができ、n型の不純物領域(図7では「n」と表記)であるソースとドレイン間で電子が移動して電流が流れる。渦電流を双方向に流すためには、向きを変えたFETを2個並列に配置すればよい。また、半導体プロセスなどを用いれば、非磁性導電基板25上にFETを微細に配置することが可能となる。
図7(b)のように、通常モード時は、コントローラ24からの電圧をOFFにすると、ソースとドレイン間の抵抗値が大きくなり、可動磁石9が非磁性導電基板25の間を通過しても渦電流が流れないため、可動磁石9にブレーキ力が作用しない。
図7(c)のように、ブレーキモード時は、コントローラ24からの電圧をONにすると、ソースとドレイン間に電流が流れるため、可動磁石9が非磁性導電基板25a、25bの間を通過すると渦電流が流れて、可動磁石9にブレーキ力が作用する。
(第6の実施形態)
図8(a)は、本発明の好適な第6の実施形態に係る抵抗値可変手段23a、23bの構成を示す図である。本発明の好適な第6の実施形態では、可動磁石9と対向するように渦電流発生部材である複数個のコイル28a、28bと、コイルの両端をスイッチ27a、27bに接続する。スイッチ27a、27bは、非常停止時及びステージ4の速度を変更したい場合などにコントローラ24により制御される。コイル28a、28bの個数が多いほどブレーキ力を高めることができる。また、コントローラ24により短絡するコイル28a、28bを選択することでブレーキ力の調整が可能となる。
図8(b)は、本発明の好適な第6の実施形態に係る通常モード時の抵抗値可変手段23a、23bの動作を示す図である。コントローラ24からの信号によりスイッチ27a、27bをOFFされると、コイル28a、28bの両端が開放される。その場合、可動磁石9がコイル28a、28bの間を通過しても渦電流が流れることはないため、ブレーキ力が作用しない。
図8(c)は、本発明の好適な第6の実施形態に係るブレーキモード時の抵抗値可変手段23a、23bの動作を示す図である。コントローラ24からの信号によりスイッチ27a、27bがONされると、コイル28a、28bの両端が短絡される。その場合、可動磁石9がコイル28a、28bの間を通過すると渦電流が流れるため、ブレーキ力が作用する。
(第7の実施形態)
図9(a)は、本発明の好適な第7の実施形態に係る冷却手段29a、29bを備えた非磁性導電体駆動手段の構成を示す図である。非磁性導電体18a、18bの下を可動磁石9が通過すると、渦電流が発生し、ブレーキ作用が働く。渦電流は、導電体を流れる際にジュール熱を発生する。
そこで、非磁性導電体18a、18bの裏面に冷却部材30a、30bを密着するように配置し、冷却ユニット32から冷却管31a、31bを通して冷媒を供給する。冷媒としては、冷却気体又は冷却液体が供給され、非磁性導電体18a、18bで発生したジュール熱を外部に排出する。また、図9(b)に示すように、非磁性導電体18a、18bの内部に流路を設けて、冷却部材30a、30bを一体化して構成することも可能である。
図9(c)は、同様に冷却手段29a、29bを備えた抵抗値可変手段の構成を示す図である。コイル28a、28bの間を可動磁石9が通過すると、渦電流が発生し、ブレーキ作用が働く。渦電流は、コイルを流れる際にジュール熱を発生する。
そこで、コイル28a、28bの裏面に冷却部材30a、30bを密着するように配置し、冷却ユニット32から冷却管31a、31bを通して冷媒を供給する。冷媒としては、冷却気体又は冷却液体が供給され、コイル28a、28bで発生したジュール熱を外部に排出する。また、図9(d)に示すように、コイル28a、28b全体をセラミックなどの非磁性非導電体で覆い、ジャケット化して、冷却効率を高める構成も可能である。
このように、非磁性導電体駆動手段に冷却手段を設ければ、渦電流により発生したジュール熱をステージ外部へ排出することが可能となり、発熱の影響を受けない停止精度が高いステージ装置を提供できる。
(応用例)
図10は、本発明のステージ装置1105を半導体デバイスの製造プロセスに用いられる露光装置に適用した場合における露光装置の構成を示す概略図である。図10において、照明光学系1101から出た露光光は原版であるレチクル1102上に照射される。レチクル1102はレチクルステージ1103上に保持され、レチクル1102のパターンは、縮小投影レンズ1104の倍率で縮小投影されて、その像面にレチクルパターン像を形成する縮小投影レンズ1104の像面は、Z方向と垂直な関係にある。露光対象の試料である工作物(基板)3表面には、レジストが塗布されており、露光工程で形成されたショットが配列されている。
次に、本発明の好適な実施の形態に係る露光装置を利用した半導体デバイスの製造プロセスを説明する。図11は半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを示す図である。ステップS1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行う。ステップS2(マスク作製)では設計した回路パターンに基づいてマスク(原版又はレチクルともいう)を作製する。一方、ステップS3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハ(基板ともいう)を製造する。ステップS4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記のマスクとウエハを用いて、上述の露光装置によりリソグラフィー技術を利用してウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップS5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップS4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組み立て工程を含む。ステップS6(検査)ではステップS5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、ステップS7でこれを出荷する。
上記ステップS4のウエハプロセスは以下のステップを有する。すなわち、ウエハの表面を酸化させる酸化ステップ、ウエハ表面に絶縁膜を成膜するCVDステップ、ウエハ上に電極を蒸着によって形成する電極形成ステップ、ウエハにイオンを打ち込むイオン打ち込みステップを有する。また、ウエハに感光剤を塗布するレジスト処理ステップ、上記の露光装置を用いてレジスト処理ステップ後のウエハをマスクのパターンを介して露光し、レジストに潜像パターンを形成する露光ステップを有する。このようにして、潜像パターンが形成された基板を用意し、更に、露光ステップで露光したウエハを現像する現像ステップを有する。更に、現像ステップで現像した潜像パターン以外の部分を削り取るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト剥離ステップを有する。これらのステップを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンを形成する。
本発明の好適な第1の実施形態に係るステージ装置の平面図である。 本発明の好適な第1の実施形態に係るステージ装置の側面図である。 本発明の好適な第2の実施形態に係るステージ装置の側面図である。 本発明の好適な第1、第2の実施形態に係る非磁性導電体駆動手段の詳細図である。 本発明の好適な第3の実施形態に係る非磁性導電体駆動手段の詳細図である。 本発明の好適な第4の実施形態に係るステージ装置の側面図である。 本発明の好適な第4の実施形態に係る可変手段の詳細図である。 本発明の好適な第5の実施形態に係る抵抗値可変手段の詳細図である。 本発明の好適な第6の実施形態に係る冷却手段の詳細図である。 本発明の好適な実施の形態に係るステージ装置を適用した露光装置の概念図である。 半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを示す図である。 従来の反発加速手段を備えたステージ装置の平面図である。
符号の説明
4 ステージ
9 挿入磁石
12a、12b 組磁石
18a、18b 非磁性導電体

Claims (13)

  1. ステージと、
    前記ステージに設けられた第1磁石と、前記ステージの移動ストロークの端部において前記第1磁石と対向するように設けられた第2磁石とを有する磁石反発力発生手段と、
    前記ステージの移動ストローク内で前記ステージを駆動する駆動手段と、
    を有するステージ装置であって、
    前記第1磁石と対向可能に配置され、前記ステージの移動に伴い渦電流を発生する渦電流発生部材を含む渦電流ブレーキ手段を備えることを特徴とするステージ装置。
  2. 前記渦電流ブレーキ手段は、ブレーキのON/OFFが切替可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のステージ装置。
  3. 前記渦電流発生部材は、前記第1磁石を挟むように間隔を空けて配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のステージ装置。
  4. 前記渦電流ブレーキ手段は、前記渦電流発生部材を冷却する冷却手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のステージ装置。
  5. ステージと、
    前記ステージの両側に配置され、設定された方向に前記ステージを駆動する駆動手段と、
    前記設定された方向に沿って異なる極を上下に対面させ間隔を空けて複数の磁石を組み込んだ組磁石と、前記組磁石に対し同じ極を対面させて前記間隔に挿入される挿入磁石と、を有する磁石反発力発生手段と、
    前記挿入磁石の移動が抑えられるように前記設定された方向に沿って上下に対面して間隔を空けて配置された複数の渦電流発生部材を含む渦電流ブレーキ手段と、
    を備えることを特徴とするステージ装置。
  6. 前記渦電流ブレーキ手段は、前記渦電流発生部材に発生する渦電流の大きさを調整する渦電流調整手段を有することを特徴とする請求項5に記載のステージ装置。
  7. 前記渦電流調整手段は、前記挿入磁石と前記複数の渦電流発生部材の各々との間隔を調整する間隔調整手段を有することを特徴とする請求項6に記載のステージ装置。
  8. 前記渦電流調整手段は、前記挿入磁石と対向する前記複数の渦電流発生部材の各々の面の面積を調整する面積調整手段を有することを特徴とする請求項6に記載のステージ装置。
  9. 前記渦電流調整手段は、前記複数の渦電流発生部材の各々の抵抗値を変更する抵抗値可変手段を有することを特徴とする請求項6に記載のステージ装置。
  10. 前記抵抗値可変手段は、
    格子状に配置された複数の非磁性導電体と、
    前記複数の非磁性導電体の各々に接続されたスイッチング素子と、
    を有することを特徴とする請求項9に記載のステージ装置。
  11. 前記抵抗値可変手段は、
    複数のコイルと、
    前記複数のコイルの各々の両端に配置されたスイッチング素子と、
    を有することを特徴とする請求項9に記載のステージ装置。
  12. パターンを形成した原版に照射される露光光を基板に投影するための光学系と、
    前記基板または前記原版を保持し位置決めを行う請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載のステージ装置と、
    を備えることを特徴とする露光装置。
  13. デバイス製造方法であって、
    請求項12に記載の露光装置を用いて潜像パターンが形成された基板を用意する工程と、
    前記潜像パターンを現像する工程と、
    を含むことを特徴とするデバイス製造方法。
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