JP2008191315A - 音響装置、その方法、そのプログラム及びその記憶媒体 - Google Patents

音響装置、その方法、そのプログラム及びその記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】
複数のスピーカを有するどのような音声出力システムであっても、正確にタイムアライメント補正を実施することができる音響装置を提供する。
【解決手段】
制御ユニット110Aの同期計測信号発生部115Aは、音響装置を構成する各スピーカの周波数特性に応じたテスト音声信号を生成する。そして、集音ユニット140によるテスト音声信号の集音結果に基づいて、複数のスピーカの相互間における音声出力タイミングを信号遅延部113で調整する。これにより、複数のスピーカを有するどのような音声出力システムであっても、正確にタイムアライメント補正を実施することができる
【選択図】 図3

Description

本発明は、音響装置、当該音響装置で使用される音再生処理方法、当該音再生処理方法を実行させる音再生処理プログラム、及び当該音再生処理プログラムが記録された記憶媒体に関する。
近年、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)等の普及に伴って、マルチサラウンド方式の音響装置が発達している。これにより、家庭内空間のみならず車両内空間においても、臨場感溢れるサラウンド音声を楽しむことができるようになっている。
ところで、音響装置の設置環境は様々であり、音声を出力するスピーカを、マルチサラウンド方式の観点における対称性(以下、単に「対称性」ともいう)を有する位置に配置できない場合がしばしば発生する。特に、車両にマルチサラウンド方式の音響装置を搭載した場合には、聴取位置である着席位置の制約、及び、スピーカを配置できる位置の制約が厳しく、必然的に各スピーカと聴取位置(例えば、運転席)との位置関係が、マルチサラウンド方式の観点における対称性を有することができない。こうした各スピーカと聴取位置との位置関係がマルチサラウンド方式の観点における対称性を有していない場合には、聴取位置における音の定位感や臨場感が劣化することになる。
このため、音響装置における各スピーカと聴取位置との位置関係が対称性を有していない場合には、各スピーカから聴取位置までの音の伝搬特性を補正する必要がある。この補正方法として、聴取位置において各スピーカからの音が同時に届くように、前もってスピーカから出力される信号を遅延させるタイムアライメント補正がある。
このタイムアライメント補正における遅延時間の設定方法としては、固定された一定周波数のテスト音声信号をスピーカに駆動し、このテスト音声信号が最大になる時刻と聴取位置での音響放射の音圧が最大になる時刻との時刻差を算出し、この時刻差をもとにしてスピーカに入力される出力音信号に遅延時間を設定するものがある(特許文献1等参照:以下、「従来例」という)。
特開平7−87598号公報
上述した従来例のタイムアライメント補正は、複数のスピーカを有するどのような音声出力システムであっても、固定された一定周波数のテスト音声信号を発生させるものである。このため、テスト音声信号の周波数があるスピーカに対して適切ではないときには、聴取位置における良好なテスト音声信号レベルと騒音等によるノイズレベルの比(SN比)を得ることは困難となる。そして、良好なSN比が得られなければ、計測誤差は大きくなってしまい、タイムアライメント補正の精度を確保できなくなる。
例えば、高音部再生スピーカ(以下、「ツイータ」ともいう)と低音部再生スピーカ(以下、「ウーファ」ともいう)の2つのスピーカからなる2ウェイスピーカに対しては、従来例では適切なタイムアライメント補正を実施することができないことがある。すなわち、上記2つのスピーカは周波数特性が大きく異なるため、例えばウーファに合わせてテスト音声信号の周波数を低く設定しすぎてしまった場合には、ツイータの音響放射圧がほとんど得られないことになってしまう。逆に、ツイータに合わせてテスト音声信号の周波数を高く設定しすぎてしまった場合には、ウーファの音響放射圧がほとんど得られないことになってしまい、良好なテスト音声信号レベルとノイズレベルとの比(SN比)を得ることができなくなってしまう。さらに、ツイータについては、再生することができないような低音域信号を入力した場合には、機器を破損するおそれがある。
このため、複数のスピーカを有するどのような音声出力システムであっても、正確にタイムアライメント補正を実施することができる技術が切望されている。かかる要請に応えることが、本発明が解決すべき課題の一つとして挙げられる。
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、楽曲等を鑑賞する際に、適切な音の伝搬特性の補正をすることができる新たな音響装置及び音再生処理方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、複数のスピーカから音場空間へ向けて音声を出力する音響装置であって、前記音場空間の所定の集音位置で集音を行う集音手段と;前記複数のスピーカのそれぞれについて、音声出力に関する周波数特性に基づいて、出力音声の前記集音手段への到達時刻の計測に適切な同期用音声波形を算出する算出手段と;前記複数のスピーカのそれぞれから、対応する前記同期用音声波形の同期テスト音声を順次出力させるとともに、前記集音手段による前記同期テスト音声の集音結果に基づいて、前記複数のスピーカ相互間における音声出力タイミングを調整する調整手段と;を備えることを特徴とする音響装置である。
請求項6に記載の発明は、複数のスピーカのそれぞれについて、音声出力に関する周波数特性に基づいて、出力音声の前記集音手段への到達時刻の計測に適切な同期用音声波形を算出する算出工程と;前記複数のスピーカのそれぞれから、対応する前記同期用音声波形の同期テスト音声を順次出力させるとともに、前記集音手段による前記同期テスト音声の集音結果に基づいて、前記複数のスピーカ相互間における音声出力タイミングを調整する調整工程と;を備えることを特徴とする音再生処理方法である。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の音再生処理方法を演算手段に実行させる、ことを特徴とする音再生処理プログラムである。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の音再生処理プログラムが、演算手段により読み取り可能に記録された記録媒体である。
以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明においては、同一の又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態について、図1〜図10を参照して説明する。本第1実施形態では、車両CR(図2参照)に搭載された音響装置を例示して説明する。
<構成>
図1には、第1実施形態に係る音響装置100Aの概略的な構成がブロック図にて示されている。この図1に示されるように、制御ユニット110Aと、ドライブユニット120とを備えている。
また、音響装置100Aは、音出力ユニット1301と、音出力ユニット1302と、音出力ユニット1303と、音出力ユニット1304と、音出力ユニット1305と、音出力ユニット1306と、音出力ユニット1307と、音出力ユニット1308とを備えている。
ここで、音出力ユニット1301はレフトスピーカのツイータ1311を有し、音出力ユニット1302はレフトスピーカのウーファ1312を有している。また、音出力ユニット1303はライトスピーカのツイータ1313を有し、音出力ユニット1304はライトスピーカのウーファ1314を有している。
また、音出力ユニット1305はサラウンドレフトスピーカのツイータ1315を有し、音出力ユニット1306はサラウンドレフトスピーカのウーファ1316を有している。また、音出力ユニット1307はサラウンドライトスピーカのツイータ1317を有し、音出力ユニット1308はサラウンドライトスピーカのウーファ1318を有している。
さらに、音響装置100Aは、集音手段としての集音ユニット140と、表示ユニット150と、操作入力手段としての操作入力ユニット160とを備えている。
なお、制御ユニット110A以外の要素120〜160は、制御ユニット110Aに接続されている。
制御ユニット110Aは、音響装置100Aの全体を統括制御する。この制御ユニット110Aの詳細については、後述する。
ドライブユニット120は、音コンテンツが記録されたコンパクトディスクCDが挿入された状態で、制御ユニット110Aから音コンテンツの再生指令を受けると、コンパクトディスクCDから再生指令がなされた音コンテンツを読み出す。かかる音コンテンツの読み出し結果は、オーディオ信号であるコンテンツデータCTDとして制御ユニット110Aに送られる。
音出力ユニット1301〜1308のそれぞれは、上述したスピーカの他に、(i)制御ユニット110Aから受信したデジタル音声データをアナログ信号に変換するDA変換器(Digital to Analog Converter)と、(ii)当該DA変換器から出力されたアナログ信号を増幅する増幅器とを備えている。これらの音出力ユニット1301〜1308は、制御ユニット110Aによる制御のもとで、テスト音声信号、楽曲等を再生して出力する。
本実施形態では、図2に示されるように、音出力ユニット1301のレフトスピーカのツイータ1311と音出力ユニット1302のレフトスピーカのウーファ1312は、助手席側の前方ドア筐体内に配置されている。これらのレフトスピーカ1311,1312は、助手席側を向くように配設されている。
音出力ユニット1303のライトスピーカのツイータ1313と音出力ユニット1304のライトスピーカのウーファ1314は、運転席側の前方ドア筐体内に配置されている。これらのライトスピーカ1313,1314は、運転席側を向くように配設されている。
音出力ユニット1305のサラウンドレフトスピーカのツイータ1315と音出力ユニット1306のサラウンドレフトスピーカのウーファ1316は、助手席側後部の筐体内に配置されている。これらのサラウンドレフトスピーカ1315,1316は、助手席側の後部座席を向くように配設されている。
音出力ユニット1307のサラウンドライトスピーカのツイータ1317と音出力ユニット1308のサラウンドライトスピーカのウーファ1318は、運転席側後部の筐体内に配置されている。これらのサラウンドライトスピーカ1317,1318は、運転席側の後部座席を向くように配設されている。
図1に戻り、集音ユニット140は、(i)周囲の音を収集して電気的なアナログ音声信号とするマイクロフォン、(ii)マイクロフォンから出力されたアナログ音声信号を増幅する増幅器、(iii)増幅されたアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換するAD変換器(Analog to Digital Converter)とを備えて構成されている。ここで、マイクロフォンは、音場空間ASPにおける所定の少なくとも1つの位置に配置されている。集音ユニット140による集音結果データAADは制御ユニット110Aに報告される。
表示ユニット150は、(i)液晶表示パネル、有機EL(Electro Luminescence)パネル、PDP(Plasma Display Panel)等の表示デバイス151と、(ii)制御ユニット110Aから送出された表示制御データIMDに基づいて、表示ユニット150全体の制御を行うグラフィックレンダラ等の表示コントローラと、(iii)表示画像データを記憶する表示画像メモリ等を備えて構成されている。この表示ユニット150は、制御ユニット110Aによる制御のもとで、操作ガイダンス情報等を表示する。
操作入力ユニット160は、音響装置100Aの本体部に設けられたキー部、あるいはキー部を備えるリモート入力装置等により構成される。ここで、本体部に設けられたキー部としては、表示ユニット150の表示デバイス151に設けられたタッチパネルを用いることができる。なお、キー部を有する構成に代えて、音声入力する構成を採用することもできる。
この操作入力ユニット160を利用者が操作することにより、音響装置100Aの動作内容の設定が行われる。例えば、各スピーカの周波数特性の設定、音コンテンツの再生等を、利用者が操作入力ユニット160を利用して行う。こうした入力内容は、操作入力データIPDとして、操作入力ユニット160から制御ユニット110Aへ送られる。
制御ユニット110Aは、音響装置100Aにおける「再生モード」と「遅延時間設定モード」との2つの音出力モードの動作を制御する。ここで、「再生モード」とはコンパクトディスクCDから音コンテンツを読み出してオーディオ信号を再生するモードであり、「遅延時間設定モード」とはテスト音声信号を発生させて計測し、スピーカ130j(j=1〜8)のそれぞれからの音声出力タイミングのタイムアライメント補正をするために、スピーカ130jのそれぞれに対応する遅延時間を設定するモードである。
この制御ユニット110Aは、図3に示されるように、算出手段及び遅延制御手段としての制御処理部111Aを備えている。また、制御ユニット110Aは、チャンネル信号処理部112と、遅延手段としての信号遅延部113と、出力信号選択部114と、調整手段としての同期計測信号発生部115Aを備えている。
制御処理部111Aは、操作入力ユニット160から受けた操作入力データIPDを解析し、音響装置100Aが、「再生モード」の「遅延時間設定モード」のどちらの音出力モードに設定されたかを判断する。そして、制御処理部111Aは、上記解析結果に基づいて、制御ユニット110Aを構成するチャンネル信号処理部112、信号遅延部113、出力信号選択部114、同期計測信号発生部115Aのそれぞれへ向けて指令を送る。
ここで、制御処理部111Aから送られる指令としては、チャンネル信号処理部112へ向けてのコンテンツ再生制御指令CPC、信号遅延部113への遅延制御指令DLC、出力信号選択部114への出力信号データ選択指令ODS、及び、同期計測信号発生部115Aへの同期計測信号発生制御指令SGCがある。これらの指令については、後述する。
また、制御処理部111Aは、「遅延時間設定モード」のときに、テスト音声信号を集音した集音ユニット140による集音結果データAADの報告を受ける。そして、制御処理部111Aは、集音結果データAADを解析し、各スピーカ1311〜1318に入力される出力音信号の遅延時間DL1〜DL8(図4参照)を算出する。そして、この算出結果を、遅延制御指令DLCとともに、信号遅延部113へ向けて送る。
また、制御処理部111Aは、タイムアライメント補正に使用するテスト音声信号の波形、各スピーカの周波数特性、各スピーカに入力される出力音信号に対する設定遅延時間等の情報を、表示データIMDとして表示ユニット150に送る。この結果、表示ユニット150の表示デバイス151には、これらの情報が表示される。
なお、制御処理部111Aは、タイムアライメント補正を実施するためタイマ回路と記憶部(いずれも不図示)を備えている。
チャンネル信号処理部112は、音コンテンツを含む再生すべきコンテンツの指定入力がなされたことが、操作入力ユニット160から報告されると、制御処理部111Aによるコンテンツ再生制御指令CPCに従って、当該再生すべきコンテンツに対応するコンテンツデータCTDをドライブユニット120から読み出して展開し、デジタル音データ信号を生成する。引き続き、チャンネル信号処理部112は、生成されたデジタル音データ信号を解析し、デジタル音データ信号に含まれるチャンネル指定情報に従って、デジタル音データ信号を、上述した音出力ユニット1301〜1308のそれぞれに供給されるように分離する。こうして音出力ユニット1301〜1308ごとに分離されたデータ信号である8つの音出力分離データ信号LOD1〜LOD8は、信号遅延部113へ向けて出力される。
なお、チャンネル信号処理部112に対して制御処理部111Aから上述したコンテンツ再生制御指令CPCが発せられるのは、音響装置100Aが前述した「再生モード」のときである。
信号遅延部113は、図4に示されるように、8つの音出力ユニット1301〜1308に対応して、8つの遅延器1131〜1138を備えている。各遅延器113i(i=1,2,…,8)は、制御処理部111Aによる各信号遅延制御指令DLCiに従って、チャンネル信号処理部112による分離が完了した信号LODiを時間DLiだけ遅延させる。こうして遅延器113iにより遅延された信号が、出力音遅延補正データ信号CODiとして、出力信号選択部114へ向けて出力される。
出力信号選択部114は、図5に示されるように、8つの音出力ユニット1301〜1308に対応して、8つのスイッチ素子1141〜1148を備えている。そして、上記の各スイッチ素子114iは、それぞれ端子114iA,114iB,114iCを有している。ここで、端子114iAは信号遅延部113に接続された端子であり、端子114iBは同期計測信号発生部115Aに接続された端子である。また、端子114iCは音出力ユニット130iに接続された端子である。各スイッチ素子114iの動作は、制御処理部111Aによる各出力信号選択指令ODSiに従って行われる。
同期計測信号発生部115Aは、「遅延時間設定モード」のときに、制御処理部111Aから同期計測信号発生制御指令SGCを受けると、各スピーカ1311〜1318の周波数特性に応じたテスト音声信号SGDを発生させる。かかるテスト音声信号SGDの発生に際し、本実施形態では、離散フーリエ変換、すなわちZ変換の手法を利用する。
一般に、スピーカ131j(j=1〜8)の周波数特性として、図6に示されるような、周波数fj,m(m=1〜M)のそれぞれにおける個別スピーカ131jの音圧Xj(fj,m)が得られると、次の(1)式で示されるZ-1変換を行うことにより、スピーカ131jに適したテスト音声波形xj(t)(t:時間)を算出することができる。こうして算出されたテスト音声波形xj(t)は、図7に示されるような波形となる。
Figure 2008191315

C:定数
N:サンプリング数(奇数)
S:サンプリング周期
ここで、定数C、サンプリング数N及びサンプリング周期TSは、同期計測信号発生部115Aにおいて予め定められている。
なお、本実施形態では、「遅延時間設定モード」による操作に先立って、利用者が、操作入力ユニット160のキー操作により、スピーカカタログ等を参照して得られた、スピーカの音圧特性が良好である周波数範囲の最小周波数値fmin,j及び最大周波数値fmax,jに相当する情報のみを入力するようにしている。すなわち、本実施形態では、スピーカ131jのそれぞれが、図8に示されるような周波数特性により、許容範囲の精度で近似できることを想定している。
以上のようにして入力された最小周波数値fmin,j及び最大周波数値fmax,jは、制御処理部111A内に登録されるようになっている。そして、かかる周波数特性情報は、「遅延時間設定モード」において、制御処理部111Aから同期計測信号発生制御指令SGCのパラメータとして同期計測信号発生部115Aに送られる。同期計測信号発生制御指令SGCを受けた同期計測信号発生部115Aは、fmin,j=fj,1、及び、fmax,j=fj,2として、次の(2)式により、テスト音声信号xj(t)を算出するようになっている。
Figure 2008191315
<動作>
以上のようにして構成された音響装置100Aの動作について、「遅延時間設定モード」のタイムアライメント補正に主に着目して説明する。
まず、利用者が、操作入力ユニット160への入力により「遅延時間設定モード」を選択すると、図9のステップS11において、音響装置100Aの制御ユニット110A(より詳しくは、制御処理部111A)は、タイムアライメント補正のために遅延時間を設定する1番目のスピーカとして、スピーカ1311を選択する。
ステップS11において、制御処理部111Aが1つのスピーカを選択すると、制御処理部111Aは出力信号選択部114へ向けて出力信号データ選択指令ODSを送る(図3参照)。出力信号データ選択指令ODSは、個別指令ODS1〜ODS8を含んでいるが(図5参照)、スピーカ1311のみが選択されている場合、個別指令ODS1は、同期計測信号発生部115Aと音出力ユニット1301を接続するための指令であり、この指令に従って、スイッチ素子1141の端子1141Bと端子1141Cとが導通状態となる。他の個別指令ODS2〜ODS8は、同期計測信号発生部115Aと音出力ユニット1302〜1308を接続させないための指令であり、この指令に従った設定がスイッチ素子1142〜1148において行われる。
引き続き、ステップS12において、制御処理部111Aが、内部に登録されているスピーカ1311の周波数特性情報をパラメータとして、スピーカ1311についてのテスト音声信号を発生すべき旨の同期計測信号発生制御指令SGCを、同期計測信号発生部115Aへ送る。同期計測信号発生制御指令SGCを受けた同期計測信号発生部115Aは、同期計測信号発生制御指令SGCに従って、上述した(2)式の演算を行い、テスト音声信号SGDを発生する。
同期計測信号発生部115Aが発生したテスト音声信号SGDは、上述したスイッチ設定が行われている出力信号選択部114を介して、音出力ユニット1301に供給される。この結果、ステップS13において、スピーカ1311から、スピーカ1311用のテスト音声が出力される。そして、このテスト音声の音圧が最大になった時に、制御処理部111Aに内蔵されているタイマ回路の時刻をゼロにセットしスタートさせる。
次に、ステップS14において、スピーカ1311から出力されたテスト音声を、聴取位置(例えば、運転席P1)に設置された集音ユニット140のマイクロフォンで集音する。集音結果は、集音結果データAADとして、制御処理部111Aに送られる。そして、マイクロフォンで集音したテスト音声の音圧が最大になったときに、ステップS13でスタートさせていた制御処理部111Aのタイマ回路をストップさせる。
次に、ステップS15において、制御処理部111Aのタイマ回路をストップさせた時のタイマ値をスピーカ1311に関する出力音声の集音位置までの伝搬時間として制御処理部111Aに記憶部に記憶させる。
このステップS12からステップS15までの処理を、所定の計測回数分だけ行う。そして、計測された伝搬時間の平均値を、スピーカ1311に関する平均伝搬時間AD1とする。この平均伝搬時間AD1は、制御処理部111Aの記憶部に記憶させる。
なお、伝搬時間の計測精度を確保するため、平均伝搬時間の算出には良好な集音結果データAADのみを使用する。ここで、良好な集音結果データAADとは、図10に示されるように、スピーカからの放射圧の最大値aが、聴取位置でのノイズレベルbに対して、十分大きい場合を意味する。ここで、ノイズとしては、白色ノイズや、他の空間から入ってきたノイズ等が含まれる。
引き続き、ステップS16において、スピーカ1311〜1318のすべてについて、平均遅延量を求めたか否かを判定する。
この段階では、ステップS16における判定の結果は否定的である(ステップS16:N)ので、処理はステップS17に進む。
このステップS17では、タイムアライメント補正を実施する2番目のスピーカとして、スピーカ1312を選択する。
スピーカ1312を選択した後は、上述したステップS12からステップS15までの処理を実施する。
すべてのスピーカ1311〜1318に対してステップS12からステップS15までの処理が終了すると、ステップS16における判定の結果は肯定的となる(ステップS16:Y)ので、処理はステップS18に進む。
このステップS18では、制御処理部111Aの記憶部に記憶した各スピーカ1311〜1318の平均伝搬時間AD1〜AD8を用いて、タイムアライメント補正のために制御処理部111Aで各スピーカ1311〜1318に入力される出力音信号を遅延させる遅延時間DL1〜DL8を算出する。
遅延時間DL1〜DL8の算出は、以下のようにして行う。まず、上記の平均伝搬時間AD1〜AD8のうちから、最大であるものを最大平均伝搬時間ADmaxとして選び出す。そして、この最大平均伝搬時間ADmaxを基準にして、ADmaxと各スピーカの平均伝搬時間AD1〜AD8との差分に相当する時間を計算し、これを遅延時間DL1〜DL8とする。したがって、スピーカ131iの遅延時間DLiは(ADmax−ADi)を算出することにより与えられる。
このようにして制御処理部111Aで算出した遅延時間DL1〜DL8は、遅延制御指令DLCとともに、信号遅延部113へ送られる。
引き続き、「遅延時間設定モード」でタイムアライメント補正のための遅延時間設定を実施した後の、コンパクトディスクCDの音コンテンツを再生する「再生モード」の動作について、説明する。
利用者が、操作入力ユニット160への入力により「再生モード」に指定すると、制御処理部111Aは出力信号選択部114へ向けて、「再生モード」である旨の出力信号データ選択指令ODSを送る(図3参照)。ここで、出力信号データ選択指令ODSは、個別指令ODS1〜ODS8を含んでいるが(図5参照)、「再生モード」である場合は、信号遅延部113とすべての音出力ユニット1301〜1308とを接続すべく発行された各個別指令ODSiに応答して、出力信号選択部114では、各スイッチ素子114iの端子114iAと端子114iCとを導通させる。
また、「再生モード」の設定がさなれると、制御処理部111Aはチャンネル信号処理部112へ向けて、コンテンツ再生制御指令CPCを送る。チャンネル信号処理部112は、コンテンツ再生制御指令CPCに従って、コンテンツデータCTDをドライブユニット120から読み出して、デジタル音データ信号を生成する。そして、チャンネル信号処理部112は、デジタル音データ信号を解析し、チャンネル指定情報等に従って、上記デジタル音データ信号を、音出力ユニット1301〜1308のそれぞれに供給されるように分離する。このようにして音出力ユニット1301〜1308ごとに分離された音出力分離データ信号LOD1〜LOD8は、信号遅延部113へ向けて出力される。
信号遅延部113は、制御処理部111Aによる信号遅延制御指令DLCに従って、「遅延時間設定モード」のときに遅延器1131〜1138に設定された遅延時間DL1〜DL8だけ音出力分離データ信号LODi遅延させる。このようにして音出力ユニット1301〜1308ごとに遅延させた出力音遅延補正データ信号COD1〜COD8は、出力信号選択部114へ向けて出力される。
前述したように、「再生モード」の設定がなされると、出力信号選択部114において、信号遅延部113とすべての音出力ユニット1301〜1308が接続されている。したがって、出力信号選択部114に入力された出力音遅延補正データ信号COD1〜COD8は、音出力データ信号AOD1〜AOD8として、それぞれに対応する音出力ユニット1301〜1308へ向けて出力される。この結果、音出力ユニット1301〜1308のスピーカ1311〜1318から、音出力データ信号AOD1〜AOD8に基づく音声が出力される。
以上説明したように、本第1実施形態の音響装置100Aは、各スピーカ1311〜1318の周波数特性に応じたテスト音声信号を生成して出力し、所定の集音位置へのテスト音声信号の到達時間を計測する。そして、この計測結果に基づいて、タイムアライメント補正を行う。このため、所定の集音位置へのテスト音声信号の到達時間の計測を精度良く行うことができるので、楽曲等を鑑賞する際の、聴取位置での音の定位感や臨場感を向上させることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、主に図11〜図14を参照しつつ、適宜他の図を参照して説明する。第2実施形態についても、上述の第1実施形態と同様に、車両CR(図2参照)に搭載される音響装置を例示して説明する。
<構成>
図11には、第2実施形態に係る音響装置100Bの概略的な構成がブロック図にて示されている。この図11に示されるように、音響装置100Bは、第1実施形態に係る音響装置100Aと比べて、制御ユニット110Aに代えて制御ユニット110Bを備える点のみが異なっている。そして、制御ユニット110Bは、図12に示されるように、第1実施形態に係る制御ユニット110Aと比べて、制御処理部111Aに代えて制御処理部111Bを備える点、及び、同期計測信号発生部115Aに代えて計測信号発生部115Bを備える点が異なっている。
なお、第2実施形態の音響装置100Bには、第1実施形態の「再生モード」と「遅延時間設定モード」の2つの音出力モードに加え、音響装置100Bに接続された各スピーカ1311〜1318の周波数特性を計測する「特性計測モード」が存在する。
制御処理部111Bは、操作入力ユニット160から受けた操作入力データIPDを解析し、その解析結果に基づいて、制御ユニット110Bを構成するチャンネル信号処理部112、信号遅延部113、出力信号選択部114、計測信号発生部115Bのそれぞれへ向けて指令を送る。
このうち、チャンネル信号処理部112、信号遅延部113、出力信号選択部114のそれぞれへ向けて送る指令については、第1実施形態の制御処理部111Aと同様である。これに対して、制御処理部111Bが、計測信号発生部115Bへ向けて送る指令については、制御処理部111Aの場合と異なり、同期計測信号発生制御指令SGC、特性計測信号発生制御指令FCC、信号選択指令SGSの3種類である。
上記の同期計測信号発生制御指令SGCの内容については、第1実施形態と同様である。特性計測信号発生制御指令FCCと信号選択指令SGSの詳細については、後述する。
なお、制御処理部111Bが、タイマ回路と記憶部を備える等の、上記以外の他の機能については、第1実施形態の制御処理部111Aと同様である。
計測信号発生部115Bは、図13に示されるように、同期計測信号発生部115Aと、推定手段としての特性計測信号発生部116と、信号選択部117とを備えている。
特性計測信号発生部116は、「特性計測モード」のときに、制御処理部111Bによる特性計測信号発生制御指令FCCに従って、特性計測信号FCDを発生させる要素である。ここで、特性計測信号FCDとは、音響装置100Bに接続された各スピーカ1311〜1318の周波数特性を計測するための信号である。スピーカの周波数特性の計測するための信号は、正弦波を用い、可聴域である20Hz〜20kHzまで変化するスイ−プ信号とする。
信号選択部117は、制御処理部111Bによる信号選択指令SGSに従って、同期計測信号発生部115Aで生成される生成するテスト音声信号SGDと、特性計測信号発生部116で生成される特性計測信号FCDのいずれか一方を選択する。「遅延時間設定モード」のときはテスト音声信号SGDを選択し、「特性計測モード」のときは特性計測信号FCDを選択する。そして、選択したいずれか一方の信号は、出力信号選択部114へ向けて出力される。
<動作>
以上にようにして構成された音響装置100Bの動作について、上述した「特性計測モード」における、スピーカの周波数特性の計測動作に主に着目して説明する。
まず、利用者が、操作入力ユニット160への入力により「特性計測モード」に指定すると、制御処理部111Bは、出力信号選択部114へ向けて、「特性計測モード」である旨の出力信号データ選択指令ODSを送る(図12参照)。上記の第1実施形態と同様に、出力信号データ選択指令ODSは、個別指令ODS1〜ODS8を含んでいる(図5参照)。「特性計測モード」が指定された場合は、個別指令ODS1は、計測信号発生部115Bと音出力ユニット1301を接続するための指令であり、この指令に従って、スイッチ素子1141の端子1141Bと端子1141Cとが導通状態となる。そして、他の個別指令ODS2〜ODS8は、計測信号発生部115Bと音出力ユニット1302〜1308を接続させないための指令であり、この指令に従った設定がスイッチ素子1142〜1148において行われる。
また、「特性計測モード」の指定がなされると、制御処理部111Bは、信号選択部117へ向けて、特性計測信号FCDを選択すべき旨を信号選択指令SGSとして送る(図13参照)。この結果、「特性計測モード」のときは、特性計測信号発生部116で生成される特性計測信号FCDが計測信号MSDとして、計測信号発生部115Bから出力信号選択部114へ送られることになる。
引き続き、制御処理部111Bは、特性計測信号発生部116へ向けて、特性計測信号発生制御指令FCCを送り、特性計測信号FCDを発生することを要求する。
特性計測信号発生制御指令FCCを受けた特性計測信号発生部116は、ツイータであるスピーカ1311の周波数特性を計測するための特性計測信号FCDを生成する。本第2実施形態では、特性計測信号FCDとして、可聴域である20Hz〜20kHzの範囲内で周波数f1,mが順次変化する正弦波のスイ−プ信号を採用している。なお、特性計測信号発生部116が生成する特性計測信号FCDの周波数の範囲は、利用者が任意に設定することもできる。
特性計測信号発生部116で生成された特性計測信号FCDは、信号選択部117及び出力信号選択部114を順次経由したのち、音出力ユニット1301に供給される。この結果、特性計測信号FCDに基づく音声がスピーカ1311から出力される。
スピーカ1311から出力された音声は、聴取位置に設置された集音ユニット140のマイクロフォンによって集音される。そして、集音結果である周波数f1,mにおける音圧X1(f1,m)は、集音結果データAADとして、制御処理部111Bへ送られ、記憶部に記憶される。
制御処理部111Bは、上記の計測を所定の回数分だけ繰り返し、周波数f1,mとその周波数f1,mにおける音圧X1(f1,m)を、サンプリング数N及びサンプリング周期TSとともに周波数特性情報として記憶部に登録する。こうして特定されたスピーカ1311の周波数特性の例が、図14(A),(B)において実線で示されている。
次いで、制御処理部111Bによる制御のもとで、ウーハであるスピーカ1312に関する音声出力の周波数特性の計測及び登録の処理が行われる。制御処理部111Bは、まず、出力信号選択部114へ向けて、計測信号発生部115Bと音出力ユニット1302を接続するための出力信号データ選択指令ODSを送る。この場合の個別指令ODS2は、計測信号発生部115Bと音出力ユニット1302を接続するための指令であり、この指令に従って、スイッチ素子1142の端子1142Bと端子1142Cとが導通状態となる。そして、他の個別指令ODS1,ODS3〜ODS8は、計測信号発生部115Bと音出力ユニット1301,1303〜1308を接続させないための指令であり、この指令に従った設定がスイッチ素子1141,1143〜1148において行われる。
次に、制御処理部111Bは、特性計測信号発生部116へ向けて、特性計測信号発生制御指令FCCを送る。特性計測信号発生制御指令FCCを受けた特性計測信号発生部116は、スピーカ1312の周波数特性を計測するための特性計測信号FCDを生成する。特性計測信号発生部116で生成された特性計測信号FCDは、信号選択部117と出力信号選択部114を順次経由したのち、音出力ユニット1302に供給される。
スピーカ1312から出力された音声は、集音ユニット140のマイクロフォンによって集音される。そして、集音結果である周波数f2,mにおける音圧X2(f2,m)は、集音結果データAADとして、制御処理部111Bへ送られ、記憶部に記憶される。制御処理部111Bは、上記の計測を所定の回数分だけ繰り返し、周波数f2,mとその周波数f2,mにおける音圧X2(f2,m)を、サンプリング数N及びサンプリング周期TSとともに周波数特性情報として記憶部に登録する。こうして特定されたスピーカ1312の周波数特性の例が、図14(A),(C)において2点鎖線で示されている。
以下、順次、上記のスピーカ1311,1312における周波数特性の計測と同様に、スピーカ1303〜1308に関する音声出力の周波数特性の計測及び登録の処理が、制御処理部111Bによる制御のもとで行われる。
「特性計測モード」によるスピーカ1311〜1312の周波数特性の計測が終了し、続けて、利用者が、「遅延時間設定モード」を指定すると、制御処理部111Bは、まず、信号選択部117へ向けて、テスト音声信号SGDを選択する旨の信号選択指令SGSを送る。次いで、制御処理部111Bは、同期計測信号発生制御指令SGCを、同期計測信号発生部115Aへ向けて送る。
同期計測信号発生部115Aは、「特性計測モード」による計測で得られた各スピーカ1311〜1312の詳細な周波数特性情報をもとにして、上述した(1)式の演算を行い、テスト音声信号SGDを生成する。テスト音声信号SGD生成後の遅延時間の設定処理は、第1実施形態における処理と同様である。
また、「遅延時間設定モード」によるタイムアライメント補正が終了し、利用者が、「再生モード」に指定すると、第1実施形態の場合と同様に、CDに記録された音声コンテンツが再生される。
以上説明したように、本第2実施形態の音響装置100Bは、各スピーカ1311〜1318の詳細な周波数特性を計測し、この周波数特性情報をもとにしてテスト音声信号を生成して出力し、所定の集音位置へのテスト音声信号の到達時間を計測する。そして、この計測結果に基づいて、タイムアライメント補正を行う。このため、スピーカの音圧特性をスピーカカタログ等の紛失等により知ることができない場合であっても、所定の集音位置へのテスト音声信号の到達時間の計測を精度良く行うことができ、楽曲等を鑑賞する際の、聴取位置での音の定位感や臨場感を向上させることができる。
[実施形態の変形]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、上記の第1及び第2実施形態では、ドライブユニット120をCDのドライブユニットとしたが、固定ディスクやDVDのドライブユニットとすることもできる。さらに、ラジオ放送や地上デジタルテレビ放送等の放送波受信回路とすることもできる。
また、上記の第1及び第2実施形態では、2ウェイスピーカシステムとしたが、3ウェイスピーカシステムであってもよいし、単に1ウェイスピーカシステムであってもよい。
また、上記の第1及び第2実施形態では、8つの音出力ユニットを備えることとしたが、音コンテンツの読み出し結果であるオーディオ信号を適宜分離もしくは混合し、7つ以下又は9つ以上のスピーカから音出力をさせるようにすることもできる。
また、上記の第1実施形態では、図8に示される最小値fmin,jと最大値fmax,jとに相当する値のみを各スピーカの周波数特性情報としたが、より詳細な周波数特性情報を採用することもできる。例えば、最小値fmin,jと最大値fmax,jとともに、音圧Xj(fmin,j),Xj(fmax,j)をスピーカ131jの周波数特性情報として入力し、(1)式によりテスト音声波形を算出するようにしてもよい。
また、スピーカ131jについて、3以上の周波数fj,m、及び、その周波数fj,mのそれぞれにおける音圧Xj(fj,m)を周波数特性情報として入力し、(1)式によりテスト音声波形を算出するようにしてもよい。
さらに、入力された周波数特性情報に基づいて、予め定められたアルゴリズムにより、スピーカ131jについて周波数特性曲線を求めたうえで、当該周波数特性曲線を利用して、(1)式によりテスト音声波形を算出するようにしてもよい。
また、上記の第2実施形態では、特性計測信号FCDとして、正弦波のスイープ信号を用いたが、ピンクノイズやTSP信号(タイムストレッチ信号)など、特性計測信号とその音響レスポンスによってスピーカの周波数特性情報が算出できるものであればよい。
また、上記の第2実施形態では、スピーカ131jの詳細な周波数特性情報をもとにして、(1)式によりテスト音声波形を算出した。これに対し、図15に示されるように、スピーカ131jの音圧特性が良好である周波数範囲の最小周波数値fmin,jと最大周波数値fmax,jを適切なアルゴリズム等から求め、(2)式によりテスト音声波形を算出するようにしてもよい。
また、上記の第1及び第2実施形態においては、車両に搭載される音響装置に本発明を適用したが、車両以外の他の移動体に搭載される音響装置にも本発明を適用することもできるし、移動体に搭載されない音響装置にも本発明を適用することもできる。
なお、上記の第1及び第2実施形態における制御ユニット110A,110Bの一部又は全部を中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、読出専用メモリ(ROM:Read Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)等を備えた演算手段としてのコンピュータとして構成し、予め用意されたプログラムを当該コンピュータで実行することにより、上記の実施形態における処理の一部又は全部を実行するようにしてもよい。このプログラムはハードディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該コンピュータによって記録媒体から読み出されて実行される。また、このプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配送の形態で取得されるようにしてもよい。
本発明の第1実施形態に係る音響装置の構成を概略的に示すブロック図である。 図1の8つのスピーカの配置位置を説明するための図である。 図1の制御ユニットの構成を説明するためのブロック図である。 図3の信号遅延部の構成を説明するためのブロック図である。 図3の出力信号選択部の構成を説明するためのブロック図である。 Z変換の手法を説明するための周波数特性の図である。 図6に示した周波数特性に対して、Z-1変換を施すことにより得られるテスト音声波形である。 スピーカの周波数特性をモデル化した図である。 タイムアライメント補正を説明するためのフローチャートである。 聴取位置でのスピーカからの放射音とノイズの関係を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る音響装置の構成を概略的に示すブロック図である。 図11の制御ユニットの構成を説明するためのブロック図である。 図12の同期計測信号発生部の構成を説明するためのブロック図である。 スピーカの周波数特性を説明するための図である。 変形例を説明するための図である。
符号の説明
100A,100B … 音響装置
110A,110B … 制御ユニット
111A,111B … 制御処理部(算出手段、遅延制御手段)
115A … 同期計測信号発生部
116 … 特性計測信号発生部(推定手段)
120 … ドライブユニット
1301〜1308 … 音出力ユニット
1311〜1318 … スピーカ
140 … 集音ユニット(集音手段)
160 … 操作入力ユニット(操作入力手段)

Claims (8)

  1. 複数のスピーカから音場空間へ向けて音声を出力する音響装置であって、
    前記音場空間の所定の集音位置で集音を行う集音手段と;
    前記複数のスピーカのそれぞれについて、音声出力に関する周波数特性に基づいて、出力音声の前記集音手段への到達時刻の計測に適切な同期用音声波形を算出する算出手段と;
    前記複数のスピーカのそれぞれから、対応する前記同期用音声波形の同期テスト音声を順次出力させるとともに、前記集音手段による前記同期テスト音声の集音結果に基づいて、前記複数のスピーカ相互間における音声出力タイミングを調整する調整手段と;
    を備えることを特徴とする音響装置。
  2. 前記調整手段は、
    音声コンテンツに由来し、前記複数のスピーカのそれぞれに供給される音声信号ごとに遅延を付与する遅延手段と;
    前記テスト音声ごとの出力時刻及び前記テスト音声ごとの前記集音手段への到達時刻に基づいて、前記遅延手段における前記音声信号ごとの遅延時間を算出して設定する遅延制御手段と;
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の音響装置。
  3. 操作入力が行われる操作入力手段を更に備え、
    前記算出手段は、前記操作入力手段に入力された前記複数のスピーカごとの前記周波数特性に基づいて、前記複数のスピーカごとに前記同期用音声波形を算出する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の音響装置。
  4. 前記複数のスピーカごとに、所定の周波数範囲内における複数の周波数の特性計測音声を順次出力させるとともに、前記集音手段による前記特性計測音声の集音結果に基づいて、前記複数のスピーカごとの音声出力に関する周波数特性を推定する推定手段を更に備え、
    前記算出手段は、前記推定手段による推定結果に基づいて、前記複数のスピーカごとの前記同期用音声波形を算出する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の音響装置。
  5. 移動体に搭載される、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の音響装置。
  6. 複数のスピーカのそれぞれについて、音声出力に関する周波数特性に基づいて、出力音声の前記集音手段への到達時刻の計測に適切な同期用音声波形を算出する算出工程と;
    前記複数のスピーカのそれぞれから、対応する前記同期用音声波形の同期テスト音声を順次出力させるとともに、前記集音手段による前記同期テスト音声の集音結果に基づいて、前記複数のスピーカ相互間における音声出力タイミングを調整する調整工程と;
    を備えることを特徴とする音再生処理方法。
  7. 請求項6に記載の音再生処理方法を演算手段に実行させる、ことを特徴とする音再生処理プログラム。
  8. 請求項7に記載の音再生処理プログラムが、演算手段により読み取り可能に記録された記録媒体。
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