JP2008191077A - 風力監視装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定期的なメンテナンスを不要にして寿命が長く、長期間使用することができる風力監視装置を提供する。また、数多くの地点において風力を監視する場合でも、通信装置や配線の数を少ないものにして製作とメンテナンスに係るコストを低減する。
【解決手段】空気抵抗体5と、柱状の支柱6と、空気抵抗体5と支柱6とを支持する基体7と、支柱6に設けられ、支柱6の曲げ歪を測定する光ファイバー芯線9とを有する風力測定ユニット2を備え、光ファイバー芯線9が、散乱光分析装置10に光学的に接続されるように構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば橋梁などに働く風力を監視するために採用される風力監視装置に関するものである。
橋梁などに働く風力を監視するために採用される風力監視装置としては、従来通信手段や自動測定装置を備えた回転式の風速計などが一般に用いられていた。
このような風速計は、一般に風を受ける空気抵抗体と、この空気抵抗体を回転させる回転軸とを備え、風の力で回転する空気抵抗体の単位時間あたりの回転数にもとづいて風力を測定していた。
しかしながら、上述の風力監視装置では、回転部分を有するので、寿命が短く、定期的にメンテナンスする必要があるだけでなく、使用できる期間に限りがあるという不具合があった。
また、数多くの地点において風力を監視しなければならない場合は、その数に比例して通信装置や配線の数が必要になり、製作とメンテナンスに係るコストは、膨大なものになるという問題があった。
本発明は上記不具合に鑑みてなされたものであり、回転部分など機械的磨耗を引き起こすような部分を無くすことにより、定期的なメンテナンスを不要にして寿命が長く、長期間使用することができる風力監視装置を提供することを課題としている。
また、数多くの地点において風力を監視する場合でも、通信装置や配線の数を少ないものにして製作とメンテナンスに係るコストを低減することができる風力監視装置を提供することを課題としている。
なお、本願に記載する風力監視装置は、上述の風力監視装置の従来技術のいずれにも該当せず、出願人の知る限りでは本願出願に類する公知例が無いため、本出願の時点では開示すべき先行技術文献情報は保有していない。
上記課題を解決するための本発明は、風力を監視する風力監視装置であって、風を受ける空気抵抗体と、この空気抵抗体を一方の端部に支持する柱状の支柱と、この支柱の他方の端部を保持することにより、空気抵抗体と支柱とを支持する基体と、支柱に設けられ、光ファイバコア、クラッドおよび被覆層を有し、空気抵抗体に当たる風によって曲がる支柱の曲げ歪を測定する光ファイバー芯線と、を有する風力測定ユニットを備え、上記光ファイバコアに不連続のレーザー光からなるポンプ光を入射して光ファイバ芯線の歪に由来する散乱光を発生させるとともに、この光ファイバコアの散乱光を検出して光ファイバ芯線の歪を分析する散乱光分析装置に、上記光ファイバー芯線が、連絡用光ファイバー芯線を介して光学的に接続されるように構成されていることを特徴とする風力監視装置である。
本発明によれば、風力測定ユニットにおいて空気抵抗体が風を受け、風力に応じて支柱が曲がると、支柱に設けられた光ファイバー芯線に歪が生じる。ここで、散乱光分析装置が風力測定ユニットの光ファイバー芯線にポンプ光を入射すると、光ファイバコアの歪に由来する散乱光が発生するので、この散乱光を検出して光ファイバー芯線の歪を分析することにより、支柱の曲げ歪を判定して支柱の曲げ歪に応じた風力を容易に測定することができるようになる。
このように、本発明によれば、回転部分など機械的磨耗を引き起こすような部分が無いので、定期的なメンテナンスを不要にして寿命が長く、長期間使用することができる風力監視装置を提供することができる。
また、数多くの地点において風力を監視する場合でも、散乱光分析装置に光学的に接続される1つの光ファイバー芯線に、次々と直列に風力測定ユニットを光学的に接続していくことにより、それぞれの地点の風力を測定することできるので、従来の風力監視装置と比較して、通信装置や配線の数を少ないものにすることができる。その結果、風力監視装置の製作とメンテナンスに係るコストを大幅に低減することができる。
ここで、上記風力測定ユニットは、支柱の両側の相対向する位置にそれぞれ支柱の長手方向に沿って光ファイバー芯線が設けられている光ファイバー芯線対を少なくとも1つ備えていることが好ましい。
このようにすれば、支柱の長手方向に沿って設けられている光ファイバー芯線対のそれぞれの2つの光ファイバー芯線の歪を測定して比較することにより、2つの光ファイバー芯線を含む面において、どちらの側から風が当たっているかがわかるようになる。
また、上記光ファイバー芯線対の光ファイバー芯線は、それぞれ光学的に接続され、連続する1つの光学的経路を形成していることが好ましい。
このようにすれば、光ファイバー芯線対の光ファイバー芯線が、それぞれ光学的に接続され、連続する1つの光学的経路を形成しているので、光ファイバー芯線対の両側の光ファイバー芯線の歪を1つの散乱光分析装置で分析することができるようになる。
また、上記風力測定ユニットは、2つの上記光ファイバー芯線対を備え、一方の光ファイバー芯線対と、他方の光ファイバー芯線対とは、支柱の軸を中心として概ね90度の位相角をなすように支柱に配置されていることが好ましい。
このようにすれば、風力測定ユニットが、2つの上記光ファイバー芯線対を備え、一方の光ファイバー芯線対と、他方の光ファイバー芯線対とが、支柱の軸を中心として概ね90度の位相角をなすように支柱に配置されているので、それぞれの光ファイバー芯線対のそれぞれの光ファイバー芯線の歪を測定して比較することにより、支柱の軸を中心としてどの方向からどのくらいの風力の風が当たっているかを判定することができるようになる。
あるいは、上記風力測定ユニットの光ファイバー芯線は、支柱を螺旋状に巻回するように設けられていることが好ましい。
このようにすれば、風力測定ユニットの光ファイバー芯線が、支柱を螺旋状に巻回するように設けられているので、どの方向から風が当たっても十分かつ均等に歪を測定することができる結果、空気抵抗体を静止させたまま風の向きと風力とを精度良く判定することができる。
また、上記空気抵抗体は、概ね球状に形成されていることが好ましい。
このようにすれば、空気抵抗体が、概ね球状に形成されているので、どの方向から風が当たっても十分かつ均等な歪を発生させることができる結果、空気抵抗体を静止させたままでも、風の向きと風力とを精度良く判定することができる。
あるいは、上記空気抵抗体は、支柱の延長部分として概ね柱状に形成されていることが好ましい。
このようにすれば、空気抵抗体は、支柱の延長部分として概ね柱状に形成されているので、より簡単な構造の風力測定ユニットを構成することができるようになる。
ここで、上記柱状の空気抵抗体は、長手方向の歪分布が一定値になるように、長手方向にかけて断面形状が変更されていることが好ましい。
このようにすれば、柱状の空気抵抗体において、長手方向の歪分布が一定値になるように長手方向にかけて断面形状が変更されているので、長手方向について均等な精度で風の向きと風力とを判定することができるようになる。
また、複数の上記風力測定ユニットを備え、これらの風力測定ユニットのそれぞれの光ファイバー芯線は、連絡用光ファイバー芯線を介して互いに連続して光学的に接続されることにより、1つの光学的経路を形成し、この1つの光学的経路を形成する光ファイバー芯線に連絡用光ファイバー芯線を介して光学的に接続される1つの上記散乱光分析装置により、複数の風力測定ユニットにおける風力を監視可能に構成されていることが好ましい。
このようにすれば、この風力監視装置が複数の風力測定ユニットを備え、これら複数の風力測定ユニットを連絡用光ファイバー芯線を介して直列に繋ぐことにより、1つの散乱光分析装置で容易にそれぞれの風力を監視することができるので、数多くの地点において風力を監視する場合でも、通信装置や配線の数を少ないものにすることができる。その結果、従来の風力監視装置と比較して、風力監視装置の製作とメンテナンスに係るコストを大幅に低減することができる。
以上説明したように、本発明によれば、回転部分など機械的磨耗を引き起こすような部分が無いので、定期的なメンテナンスを不要にして寿命が長く、長期間使用することができる風力監視装置を提供することができるという顕著な効果を奏する。
また、数多くの地点において風力を監視する場合でも、散乱光分析装置に光学的に接続される1つの光ファイバー芯線に、次々と直列に風力測定ユニットを光学的に接続していくことにより、それぞれの地点の風力を測定することできるので、従来の風力監視装置と比較して、通信装置や配線の数を少ないものにすることができる。その結果、風力監視装置の製作とメンテナンスに係るコストを大幅に低減することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の一形態について詳述する。図1は、本発明の実施の形態に係る風力監視装置1の構成を示す斜視図であり、図2は、風力監視装置1の風力測定ユニット2の構成を示す斜視図である。
図1を参照して、図示の本発明の実施の形態に係る風力監視装置1は、橋梁3に横向きに働く風4の風力を複数の地点において監視するために構成された風力監視装置1であって、複数の風力測定ユニット2と、散乱光分析装置10とを備え、これら複数の風力測定ユニット2と散乱光分析装置10とは、相互に連絡用光ファイバー芯線11を介して光学的に接続されている。
上記風力測定ユニット2は、橋梁3の長手方向に沿う複数の地点に設置され、風力を検出する装置であり、図2に示すように、それぞれ空気抵抗体5と、支柱6と、基体7と、1つの光ファイバー芯線対8とを有している。
上記橋梁3は、本実施形態では例えば新幹線の橋梁を対象としている。
上記風4は、橋梁3に当たる風のうち、本実施形態では橋梁3の強度に影響し、監視すべき対象として、橋梁3に横向きの成分の風を対象としている。
上記空気抵抗体5は、風4を受けて支柱6に対して曲げモーメントを発生させるものであり、特に橋梁3に横向きに働く風4の風力を監視するために、本実施形態では橋梁3の横方向にその面が向くように構成された円盤状の金属性部材が用いられている。
上記支柱6は、この空気抵抗体5を一方の端部に支持する円柱状の金属性部材である。
上記基体7は、この支柱6の他方の端部を保持することにより、空気抵抗体5と支柱6とを支持する金属性の円柱状ベース部材であり、図略のアンカーボルトで橋梁3の下面に固定されている。
上記光ファイバー芯線対8は、支柱6の両側の相対向する位置にそれぞれ支柱6の長手方向に沿って支柱6に設けられたものであり、支柱6の両側の相対向する位置にそれぞれ支柱6の長手方向に沿って支柱6に形成された溝に光ファイバー芯線9が埋め込まれて接着剤等で支柱6の表面に固定されている。
それぞれの光ファイバー芯線9は、図示しないが、光を伝達する光ファイバコアと、光を反射するクラッドと、光ファイバコアおよびクラッドを外界から保護する被覆層とを有している。また、これら光ファイバー芯線対8の光ファイバー芯線9は、それぞれ図2において下方で、互いに光学的に接続されるとともに、それぞれ上方で、連絡用光ファイバー芯線11に光学的に接続され、連続する1つの光学的経路を形成している。
そして、この光ファイバー芯線対8のそれぞれの光ファイバー芯線9が、空気抵抗体5に当たる風によって支柱6とともに曲げ歪を受けるので、この光ファイバー芯線9の曲げ歪を後述する散乱光分析装置10で分析することにより支柱6の曲げ歪を測定して、空気抵抗体5に働く風力を評価することが可能なように構成されている。
上記散乱光分析装置10は、光ファイバー芯線9の光ファイバコアに図1に示すように、連絡用光ファイバー芯線11を介して不連続のレーザー光からなるポンプ光を入射して光ファイバー芯線9の歪に由来する散乱光を発生させるとともに、この光ファイバコアの散乱光を検出して光ファイバー芯線9の歪を分析するように構成された装置である。
この散乱光分析装置10は、その分析データを隣接するパーソナルコンピュータ10aに入力し、このパーソナルコンピュータにおいて、各地点の風力が光ファイバー芯線9の歪の大きさに比例する値として表示されるように構成されている。
連絡用光ファイバー芯線11は、散乱光分析装置10からのレーザー光と光ファイバー芯線9からの散乱光とを伝達するものであり、光ファイバー芯線9と同様に、光を伝達する光ファイバコアと、光を反射するクラッドと、光ファイバコアおよびクラッドを外界から保護する被覆層とを有している。そして、散乱光分析装置10と光ファイバー芯線9とに互いに光学的に接続されている。
次に図2と図3とを参照して、本発明の実施の形態に係る風力監視装置1の作用について説明する。図3は、光ファイバー芯線9におけるブリルアン散乱光の周波数シフトと光ファイバー芯線9の歪との関係を示すグラフである。
図2を参照して、本発明の実施の形態に係る風力監視装置1においては、図示のように、空気抵抗体5が風を受け、支柱6が曲がると、支柱6に歪が生じるとともに、支柱6の表面の前後に設けられた光ファイバー芯線9にも歪が生じる。
ここで、散乱光分析装置10が連絡用光ファイバー芯線11を介して風力測定ユニット2の光ファイバー芯線9にポンプ光を入射すると、光ファイバー芯線9の歪に由来する散乱光が発生するので、この散乱光を検出することにより、光ファイバ芯線9の歪と支柱6の曲げ歪とを判定して支柱6の曲げ歪に応じた風力を容易に測定することができるようになっている。
散乱光分析装置10は、本実施形態では、特に光ファイバー芯線9におけるブリルアン散乱光の周波数シフトと光ファイバー芯線9の歪とが、図3に示すように比例関係になることを利用して光ファイバー芯線9の歪を分析する。図3は、レーザ光の周波数が493MHz、波長が1.55μmの場合のブリルアン散乱光の周波数シフトのグラフであり、周波数が493MHzのレーザ光のパルスを光ファイバー芯線9に入射すると、ブリルアン散乱光が、光ファイバー芯線9から逆向きに散乱光分析装置10に到達する。このブリルアン散乱光の時間遅れから歪の発生している場所が特定される。また、ブリルアン散乱光の周波数シフトが検出され、図3の関係からその場所の歪が分析される。そして、この分析データが隣接するパーソナルコンピュータに入力され、このパーソナルコンピュータにおいて、各地点の風力値が光ファイバー芯線9の歪の大きさに比例する値として表示される。
このようにして、この風力監視装置1は、複数の地点における風力を監視することができるようになっている。
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る風力監視装置1によれば、風力測定ユニット2の光ファイバー芯線9にポンプ光を入射すると、光ファイバコアの歪に由来する散乱光が発生するので、この散乱光を検出して光ファイバコアの歪を分析することにより、支柱6の曲げ歪を判定して支柱6の曲げ歪に応じた風力を容易に測定することができるようになる。
特に、本実施形態に係る風力監視装置1によれば、支柱6の長手方向に沿って設けられている光ファイバー芯線対8のそれぞれの2つの光ファイバー芯線9の歪を測定して比較することにより、2つの光ファイバー芯線9を含む面において、どちらの側から風が当たっているかがわかるようになる。
また、光ファイバー芯線対8の光ファイバー芯線9が、それぞれ光学的に接続され、連続する1つの光学的経路を形成しているので、光ファイバー芯線対8の両側の光ファイバー芯線9の歪を1つの散乱光分析装置10で分析することができるようになる。
このように、本実施形態に係る風力監視装置1によれば、回転部分など機械的磨耗を引き起こすような部分が無いので、定期的なメンテナンスを不要にして寿命が長く、長期間使用することができる風力監視装置を提供することができる。
また、数多くの地点において風力を監視する場合でも、散乱光分析装置10に光学的に接続される1つの光ファイバー芯線9に、次々と直列に風力測定ユニット2を光学的に接続していくことにより、それぞれの地点の風力を測定することできるので、従来の風力監視装置1と比較して、通信装置や配線の数を少ないものにすることができる。その結果、風力監視装置1の製作とメンテナンスに係るコストを大幅に低減することができる。
次に図4〜図8を参照して、風力測定ユニット2の変形例について説明する。
図4は、第1の変形例に係る風力測定ユニット22の構成を示す斜視図である。なお以下の説明では、風力測定ユニット2と同様の部材には同一の符号を付し、重複する説明を省略するものとする。
図4に示すように、第1の変形例に係る風力測定ユニット22は、2つの光ファイバー芯線対8、28を備え、一方の光ファイバー芯線対8と、他方の光ファイバー芯線対28とは、支柱6の軸を中心として概ね90度の位相角をなすように支柱6に配置されている。また、空気抵抗体25は、概ね球状に形成されている。
このように、第1の変形例に係る風力測定ユニット22によれば、風力測定ユニット22が、2つの光ファイバー芯線対8、28を備え、一方の光ファイバー芯線対8と、他方の光ファイバー芯線対28とが、支柱6の軸を中心として概ね90度の位相角をなすように支柱6に配置されているので、それぞれの光ファイバー芯線対8、28のそれぞれの光ファイバー芯線9、29における歪を測定して比較することにより、支柱6の軸を中心としてどの方向からどのくらいの風力の風24が当たっているかを判定することができるようになる。
また、空気抵抗体25が、概ね球状に形成されているので、どの方向から風24が当たっても十分かつ均等な歪を発生させることができる結果、空気抵抗体25を静止させたままでも、風24の向きと風力とを精度良く判定することができる。
また、図5は、第2の変形例に係る風力測定ユニット32の構成を示す斜視図である。図5に示すように、第2の変形例に係る風力測定ユニット32においては、風力測定ユニット32の光ファイバー芯線38は、支柱6を螺旋状に巻回し、長手方向にかけて往還する光ファイバー芯線39で構成されている。
それ故、第2の変形例に係る風力測定ユニット32によれば、どの方向から風24が当たっても十分かつ均等に歪を測定することができる結果、空気抵抗体25を静止させたまま風24の向きと風力とをより精度良く判定することができるようになる。
また、図6は、第3の変形例に係る風力測定ユニット42の構成を示す斜視図である。図6に示すように、第3の変形例に係る風力測定ユニット42においては、空気抵抗体46は、支柱6の延長部分として概ね柱状に形成され、光ファイバー芯線48は、支柱46を螺旋状に巻回し、長手方向にかけて往還する光ファイバー芯線49で構成されている。
それ故、第3の変形例に係る風力測定ユニット42によれば、より簡単な構造の風力測定ユニットを構成することができるようになる。
また、図7は、第4の変形例に係る風力測定ユニット52の構成を示す斜視図である。
図7に示すように、第4の変形例に係る風力測定ユニット52においては、柱状の空気抵抗体56は、長手方向の歪分布ε(x)が一定値になるように、長手方向にかけて断面形状が変更され、光ファイバー芯線58は、支柱56を螺旋状に巻回し、長手方向にかけて往還する光ファイバー芯線59で構成されている。
一般に、はりの曲げと歪との関係は、次式で表される。
ε=My/(EI)
ここで、εは歪、Mは、モーメント、yは、ファイバ敷設位置の曲げと中立面との距離で、y=rとなる。また、Eは、ヤング率、Iは、断面二次モーメントである。円形断面の場合、I=πr/4であるから、次式が成り立つ。
ε=4M/(πEr
ここで、長手方向をxとすれば、モーメントMは、x方向に分布を持つ。したがってx方向の歪分布ε(x)を一定値εにするためには、半径を次式が成り立つように分布させればよい。
ε=4M(x)/(πEr(x)
これより、r(x)=(4M(x)/(πEε))1/3
片持ち梁では、モーメントは次のように線形分布となる。
M(x)=Fx+M
それ故、半径r(x)は、次式で表される。
r(x)=(4(Fx+M)/(πEε))1/3
ここで、A=(4F/(πEε))1/3
B=(4M/(πEε))1/3とすれば、
r(x)≒A(x)1/3+Bと近似することができる。
図8は、第4の変形例に係る風力測定ユニット52において、支柱56の先端からの距離xに対して、歪分布ε(x)、支柱56の半径の分布r(x)、モーメントの分布M(x)をプロットしたグラフである。
このように、第4の変形例に係る風力測定ユニット52によれば、柱状の空気抵抗体56において、長手方向の歪分布ε(x)が一定値εになるように長手方向にかけて断面形状が変更されているので、長手方向についても均等な精度で風の向きと風力とを判定することができるようになる。
上述した実施の形態は本発明の好ましい具体例を例示したものに過ぎず、本発明は上述した実施の形態に限定されない。
例えば、橋梁3は、新幹線など鉄道の橋梁に限定されない。自動車その他の橋梁にも適用可能である。
空気抵抗体5は、円盤状の金属性部材に限定されない。風4を受けて支柱6に対して曲げモーメントを発生させるものであれば、プラスチックで形成されたさまざまな板などその材質、形状は、種々の設計変更が可能である。
また、支柱6も円柱状の金属性部材に限定されない。光ファイバー芯線対8、28を保持可能で風により曲げ歪を良好に発生させることができるものであれば、種々の設計変更が可能である。
基体7も金属性の円柱状ベース部材に限定されない。空気抵抗体5と支柱6とを支持するさせることができるものであれば、ブロック状部材など種々の設計変更が可能である。また、壁面などを基体7として支柱6を直接壁面などに固定しても良い。
光ファイバー芯線9は、支柱6に形成された溝に埋め込まれて接着剤等で支柱6の表面に固定される形態に限定されず、直接支柱6の表面にテープと接着剤等などで固定されてもよいなど、種々の設計変更が可能である。
散乱光分析装置10も、さまざまな散乱光分析装置が採用可能であり、必ずしもブリルアン散乱光の周波数シフトと光ファイバー芯線9の歪との関係によるものである必要はない。種々の散乱光が採用可能である。また、種々の周波数のレーザ光が採用可能である。
その他、本発明の特許請求の範囲内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。
本発明の実施の形態に係る風力監視装置の構成を示す斜視図である。 風力監視装置の風力測定ユニットの構成を示す斜視図である。 光ファイバー芯線におけるブリルアン散乱光の周波数シフトと光ファイバー芯線の歪との関係を示すグラフである。 第1の変形例に係る風力測定ユニットの構成を示す斜視図である。 第2の変形例に係る風力測定ユニットの構成を示す斜視図である。 第3の変形例に係る風力測定ユニットの構成を示す斜視図である。 第4の変形例に係る風力測定ユニットの構成を示す斜視図である。 第4の変形例に係る風力測定ユニットにおいて、支柱の先端からの距離xに対して、歪分布ε(x)、支柱の半径の分布r(x)、モーメントの分布M(x)をプロットしたグラフである。
符号の説明
1 風力監視装置
2、22、32、42、52 風力測定ユニット
4、24 風
5、25、46、56 空気抵抗体
6 支柱
7 基体
8 一方の光ファイバー芯線対
28 他方の光ファイバー芯線対
9、29、39、49、59 光ファイバー芯線
10 散乱光分析装置
11 連絡用光ファイバー芯線

Claims (9)

  1. 風力を監視する風力監視装置であって、
    風を受ける空気抵抗体と、
    この空気抵抗体を一方の端部に支持する柱状の支柱と、
    この支柱の他方の端部を保持することにより、空気抵抗体と支柱とを支持する基体と、
    支柱に設けられ、光ファイバコア、クラッドおよび被覆層を有し、空気抵抗体に当たる風によって曲がる支柱の曲げ歪を測定する光ファイバー芯線と、
    を有する風力測定ユニットを備え、
    上記光ファイバコアに不連続のレーザー光からなるポンプ光を入射して光ファイバ芯線の歪に由来する散乱光を発生させるとともに、この光ファイバコアの散乱光を検出して光ファイバ芯線の歪を分析する散乱光分析装置に、上記光ファイバー芯線が、連絡用光ファイバー芯線を介して光学的に接続されるように構成されていることを特徴とする風力監視装置。
  2. 上記風力測定ユニットは、支柱の両側の相対向する位置にそれぞれ支柱の長手方向に沿って光ファイバー芯線が設けられている光ファイバー芯線対を少なくとも1つ備えていることを特徴とする請求項1に記載の風力監視装置。
  3. 上記光ファイバー芯線対の光ファイバー芯線は、それぞれ光学的に接続され、連続する1つの光学的経路を形成していることを特徴とする請求項2に記載の風力監視装置。
  4. 上記風力測定ユニットは、2つの上記光ファイバー芯線対を備え、一方の光ファイバー芯線対と、他方の光ファイバー芯線対とは、支柱の軸を中心として概ね90度の位相角をなすように支柱に配置されていることを特徴とすることを特徴とする請求項2または請求項3のいずれかに記載の風力監視装置。
  5. 上記風力測定ユニットの光ファイバー芯線は、支柱を螺旋状に巻回するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の風力監視装置。
  6. 上記空気抵抗体は、概ね球状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の風力監視装置。
  7. 上記空気抵抗体は、支柱の延長部分として概ね柱状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の風力監視装置。
  8. 上記柱状の空気抵抗体は、長手方向の歪分布が一定値になるように、長手方向にかけて断面形状が変更されていることを特徴とする請求項7に記載の風力監視装置。
  9. 複数の上記風力測定ユニットを備え、
    これらの風力測定ユニットのそれぞれの光ファイバー芯線は、連絡用光ファイバー芯線を介して互いに連続して光学的に接続されることにより、1つの光学的経路を形成し、
    この1つの光学的経路を形成する光ファイバー芯線に連絡用光ファイバー芯線を介して光学的に接続される1つの上記散乱光分析装置により、複数の風力測定ユニットにおける風力を監視可能に構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の風力監視装置。
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