JP2008190519A - 燃料噴射制御システム及び燃料噴射弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料を高圧状態で蓄える蓄圧配管と、蓄圧配管に燃料を圧送する燃料ポンプと、蓄圧配管に高圧状態で蓄えられた燃料を噴射する燃料噴射弁とを備えるものにあって、燃料噴射制御をより適切に行うことのできる制御システムを提供する。
【解決手段】燃料噴射弁30は、供給される燃料の圧力(燃圧)が閾値を超えることでノズルニードルのリフト量を拡大可能な構成である。燃料噴射期間において、燃料噴射弁30に供給される燃料の圧力が閾値を超えて上昇するように蓄圧配管20内の燃圧を制御する。更に、燃料噴射後においては、蓄圧配管20内の燃料を逆流通路68a,68bを介して燃料ポンプ10に戻すことで圧送に要したエネルギの一部を回収する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料を高圧状態で蓄える蓄圧室と、該蓄圧室に燃料を圧送する燃料ポンプと、前記蓄圧室に高圧状態で蓄えられた燃料を噴射する燃料噴射弁とを備える燃料噴射制御システム、及び燃料噴射弁に関する。
この種の燃料噴射制御システムとしては、例えば下記特許文献1に見られるように、ディーゼル機関の燃料噴射弁に燃料を供給すべく、各気筒に共通の蓄圧室(コモンレール)を備えるコモンレール式のディーゼル機関の燃料噴射制御システムが周知である。こうした制御システムにあっては、コモンレール内の燃圧を所望に制御することで、燃料噴射弁を介して噴射される際の燃料の圧力(噴射圧)を所望に制御することができる。
ところで、燃料噴射弁によって燃料を噴射する際には、その噴射率(単位時間あたりの噴射量)を噴射期間の途中で増大させることで、噴射率をブーツ状に変化させるいわゆるブーツ噴射を行うことのメリットが多いことが知られている。すなわち、ブーツ噴射によれば、噴射初期の噴射率を低減することで微少な熱発生量にて燃焼室内の温度を上昇させ、その後噴射率を増大させることで出力トルクを稼ぐことができる。このため、燃焼行程全体として燃焼温度を低下させて有害な窒素酸化物(NOx)の発生を抑えたり燃焼音を低減したりすることができるとともに、出力トルクを大きくすることができる。
これに対し、従来は、1燃焼サイクル内に複数回の燃料噴射を行う多段噴射制御を行い、この際、最大の噴射量を有するメイン噴射を行なう前に、複数回の微少噴射を行なうことで、ブーツ噴射を模擬した噴射を行っている。
特開平11−82104号公報
ただし、上記多段噴射では、燃料噴射弁に対する指令噴射期間を同一としたとしても、噴射間のインターバルに応じて実際の噴射量が変化するため、指令噴射期間のインターバル補正を行なうことが要求されることとなる。また、複数回の噴射のそれぞれを適合する必要が生じることから、燃料噴射の適合工数の増大も無視できない。更に、各燃料噴射に際しての燃料噴射弁の噴射特性のばらつきの補償も容易ではない。
また、上記多段噴射を行う際のコモンレール内の燃圧は、通常、排気特性や燃焼音を優先して設定されるため、必ずしも高出力を得る観点からは適切な燃圧とならない。加えて、コモンレールに燃料を圧送する燃料ポンプは、通常、機関駆動式であるため、コモンレールへの燃料の圧送によってディーゼル機関の出力トルクが消費され、ひいては外部へと実際に出力されるトルクが低下するという問題もある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、燃料を高圧状態で蓄える蓄圧室と、該蓄圧室に燃料を圧送する燃料ポンプと、前記蓄圧室に高圧状態で蓄えられた燃料を噴射する燃料噴射弁とを備えるものにあって、燃料噴射制御をより適切に行なうことのできる燃料噴射制御システムを提供することにある。また、本発明の目的は、燃料噴射態様を適切に変更することのできる燃料噴射弁を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、前記燃料噴射弁は、前記蓄圧室から供給される燃料の圧力が閾値を超えることで前記燃料噴射弁内部の燃料の流動経路を変更して噴射率を増大させるものであり、前記燃料噴射弁から燃料を噴射する期間内において、前記燃料の圧力を前記閾値を上回って上昇させる上昇手段を備えることを特徴とする。
上記発明では、蓄圧室内の燃料の圧力を制御することで、燃料噴射弁から噴射される際の燃料の圧力(噴射圧)を所望に制御することができる。ここで、特に燃料噴射弁から燃料を噴射する期間内において、閾値を上回って燃料の圧力を上昇させる上昇手段を備えることで、燃料の圧力が閾値以下であるときに対し閾値を上回るときに燃料噴射弁の噴射率を増大させることができる。このため、燃料噴射に際して、燃料噴射率の小さい状態から大きい状態へと変化させることができるため、ブーツ噴射等を行なうことができる。
なお、上記燃料噴射弁は、その内部の稼動部と内壁との幾何学的な配置態様が前記燃圧が閾値を上回る前後で相違する構成であるが、具体的には、例えば以下のものとすればよい。
・アクチュエータの操作によりノズルニードルを変位させることで噴射口を開口させ、燃料供給通路から供給される燃料を内燃機関に噴射供給する燃料噴射弁において、前記供給される燃料の圧力が閾値を超えることで前記ノズルニードルのリフト量を拡大する拡大手段を備えることを特徴とする。
・複数のノズルニードルと、該複数のノズルニードルのそれぞれに割り振られた複数の噴射口とを備えて且つ、前記開口状態とされる噴射口の数を、前記蓄圧室から供給される燃料の圧力が前記閾値を超えることで増大させることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、前記燃料噴射弁は、前記蓄圧室から供給される燃料の圧力が閾値を超えることでノズルニードルのリフト量を拡大可能なものであり、前記燃料噴射弁から燃料を噴射する期間内において、前記燃料の圧力を前記閾値を上回って上昇させる上昇手段を備えることを特徴とする。
上記発明では、蓄圧室内の燃料の圧力を制御することで、燃料噴射弁から噴射される際の燃料の圧力(噴射圧)を所望に制御することができる。ここで、特に燃料噴射弁から燃料を噴射する期間内において、閾値を上回って燃料の圧力を上昇させる上昇手段を備えることで、燃料の噴射期間において、ノズルニードルのリフト量を拡大することができる。このため、燃料の圧力が閾値以下であるときに対し閾値を上回るときに燃料噴射弁の噴射率を増大させることができる。このため、燃料噴射に際して、燃料噴射率の小さい状態から大きい状態へと変化させることができるため、ブーツ噴射等を行なうことができる。
なお、上記燃料噴射弁は、例えば以下のものとしてもよい。
・アクチュエータの操作によりノズルニードルを変位させることで噴射口を開口させ、燃料供給通路から供給される燃料を内燃機関に噴射供給する燃料噴射弁において、前記供給される燃料の圧力が閾値を超えることで前記ノズルニードルのリフト量を拡大する拡大手段を備えることを特徴とする。
・上記燃料噴射弁において、前記ノズルニードルを閉弁状態に保持するための第1の弾性部材と、前記ノズルニードルのリフト量が規定リフト量以上へと変位しようとするとき、これを妨げるように弾性力を及ぼす第2の弾性部材とを備え、前記拡大手段は、前記第2の弾性部材を備えて構成されてなることを特徴とする。
・上記燃料噴射弁は、前記燃料が充填されて且つその圧力が前記ノズルニードルの開弁方向に及ぼされるニードル収納部と、前記燃料が充填されて且つその圧力が前記ノズルニードルの閉弁方向に及ぼされる背圧室と、前記背圧室と前記蓄圧室に燃料を供給する燃料タンクとの間を連通及び遮断して且つ前記アクチュエータによって開閉される弁体とを備えることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記燃料噴射弁を介した燃料の噴射後、前記蓄圧室内の圧力を低下させる減圧手段を更に備えることを特徴とする。
上記発明では、燃料噴射によっては蓄圧室内の燃料の圧力が十分に低下しなかったとしても、減圧手段によって、次回の燃料噴射までに蓄圧室内の燃料の圧力を低下させることができる。このため、燃料を噴射する期間において、上記閾値を上回って燃料の圧力を上昇させる制御を確実に行なうことや、燃料噴射開始時の蓄圧室内の圧力を所望に制御することができる。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記減圧手段は、前記燃料ポンプ及び前記蓄圧室間に接続されて且つ、前記燃料ポンプの吸入工程において前記蓄圧室内の燃料を前記燃料ポンプに逆流させる逆流通路を備えることを特徴とする。
上記発明では、吸入工程においては、高圧の燃料が、逆流通路を介して燃料ポンプへと逆流する。これにより、減圧手段を適切に構成することができる。更に、この逆流する燃料が燃料ポンプの動作をアシストするために、燃料の圧送の際に燃料ポンプにて消費されたエネルギの一部を回収することができる。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記減圧手段は、前記燃料ポンプによって燃料が吸入される燃料タンクへと前記蓄圧室内の燃料を戻す手段を更に備えることを特徴とする。
上記発明では、逆流通路を介した蓄圧室内の減圧に加えて、更に減圧を行う手段を備えることで、蓄圧室内の圧力をより適切に制御することができる。
請求項6記載の発明は、前記燃料ポンプ及び前記蓄圧室間に接続されて且つ、前記燃料ポンプの吸入工程において前記蓄圧室内の燃料を前記燃料ポンプに逆流させる逆流通路を備えることを特徴とする。
上記発明では、吸入工程においては、高圧の燃料が、逆流通路を介して燃料ポンプへと逆流する。この際、逆流する燃料が燃料ポンプの動作をアシストするために、燃料の圧送の際に燃料ポンプにて消費されたエネルギの一部を回収することができる。
請求項7記載の発明は、請求項4〜6のいずれかに記載の発明において、前記燃料ポンプは、プランジャと、該プランジャの往復動作に伴ってその容積が拡大及び縮小する圧力室とを備え、前記プランジャの往復動作に伴って前記圧力室及び前記逆流通路間が連通及び遮断されることを特徴とする。
上記発明では、プランジャの往復動作に伴って圧力室及び逆流通路間が連通及び遮断される。このため、燃料ポンプの吸入工程において圧力室及び逆流通路間を連通させる設定が可能であるため、吸入工程において燃料を適切に逆流させることができる。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、前記燃料ポンプは、前記圧力室の燃料を前記蓄圧室に吐出する吐出口と、前記吐出口の上流及び下流間の圧力差に応じて機械的に開閉する逆止弁とを備えることを特徴とする。
上記発明では、燃料ポンプの吐出工程においてプランジャにより圧力室及び逆流通路間が遮断されるまでは、逆流通路を介して燃料が圧送される。その後、プランジャにより圧力室及び逆流通路間が遮断されると圧力室内の圧力が上昇する。そして、上記逆止弁を開弁させる圧力となることで、吐出口を介して圧力室から蓄圧室へ向けて燃料が吐出される。このため、逆止弁が開弁する際に吐出される燃料の圧力を所望の圧力とすることができる。
請求項9記載の発明は、請求項7又は8記載の発明において、前記燃料ポンプは、前記圧力室を複数備えて且つ前記プランジャの往復動作に伴って各圧力室の容積が代わる代わる拡大及び縮小するものであることを特徴とする。
上記発明では、いずれかの圧力室の吸入工程は、別の圧力室の圧縮工程と対応する。このため、いずれかの圧力室の吸入工程において蓄圧室から逆流する高圧燃料によって、別の圧力室内の容積を縮小して燃料を圧縮する工程をアシストすることができる。このため、いずれかの圧力室の圧送工程において投資したエネルギの一部を好適に回収することができる。
請求項10記載の発明は、請求項7〜9のいずれかに記載の発明において、前記吸入工程の開始時のプランジャ位置よりも所定量変位することで前記圧力室及び前記逆流通路間が連通されることを特徴とする。
上記発明では、プランジャが吸入工程において所定量変位するまでの期間は、逆流通路を介して圧力室に燃料が逆流しない。このため、この期間において、逆流の影響を受けることなく燃料を吸入することができる。
請求項11記載の発明は、請求項10記載の発明において、前記燃料ポンプは、燃料タンクからの燃料を調量弁を介して前記圧力室に吸入する吸入口に、前記圧力室内部から前記調量弁側への燃料の逆流を阻止する逆止弁を備えることを特徴とする。
上記発明では、逆止弁を備えるために、逆流通路を介して圧力室内に逆流する燃料が調量弁へと更に逆流することを回避することができる。このため、圧力室内に逆流した燃料を、次回の圧送工程において利用することができ、ひいては吸入口を介して圧力室内に新たに吸入する燃料量を低減することができる。
請求項12記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明において、前記上昇手段は、前記燃料の圧力が前記閾値を上回るタイミングを可変とする可変手段を備えることを特徴とする。
燃料噴射タイミングとして最適な時期は、内燃機関の運転状態に応じて変化し得る。そして噴射率を増大させるタイミングとして最適な時期も、内燃機関の運転状態に応じて変化し得る。この点、上記発明では、可変手段を備えるために、内燃機関の運転状態にかかわらず、燃料の圧力が閾値を上回るタイミングを最適なタイミングとすることができる。
なお、この可変手段としては、後述する請求項13に記載のもののほか、請求項14に記載のバルブタイミング可変手段等がある。
請求項13記載の発明は、請求項12記載の発明において、前記蓄圧室には、前記燃料ポンプによって燃料が吸入される燃料タンクへと前記蓄圧室内の燃料を戻す手段が設けられ、前記可変手段は、前記戻す手段を操作することで前記閾値を上回るタイミングを可変とすることを特徴とする。
例えば燃料ポンプが内燃機関の出力軸の回転力によって駆動されるものである場合、燃料ポンプの駆動軸と内燃機関の出力軸との幾何学的な連結関係ゆえに、燃料の圧送タイミングが制限されるおそれがある。この点、上記発明では、減圧手段を操作することで可変手段を実現するために、燃料ポンプによる圧送タイミング自体を変更する手段を備えることなく、簡易に可変手段を実現することができる。
請求項14記載の発明は、請求項1〜13のいずれかに記載の発明において、前記燃料ポンプの燃料の圧送タイミングを可変とするタイミング可変手段を更に備えることを特徴とする。
上記発明では、タイミング可変手段を備えるために、燃料の噴射タイミングにかかわらず、燃料を噴射する期間内において、燃料の圧力を閾値を上回って上昇させる上昇手段を好適に構成することができる。特に、内燃機関の燃料噴射制御システムのように、燃料の噴射タイミングが内燃機関の運転状態に応じて可変設定される場合には、上記タイミング可変手段を備えることが有効である。
請求項15記載の発明は、請求項1〜14のいずれかに記載の発明において、前記燃料噴射弁が複数備えられており、前記蓄圧室は、前記複数の燃料噴射弁のいくつか毎に割り振られた複数の蓄圧室からなることを特徴とする。
上記発明では、複数の燃料噴射弁の全てで蓄圧室を共有化することなく、いくつかの燃料噴射弁毎に割り振られた複数の蓄圧室を備えることで、各圧力室内の容積を縮小することができる。このため、圧送量の割に蓄圧室内の圧力を上昇させることができ、ひいては燃料ポンプを大型化することなく、蓄圧室内の圧力を広領域に制御することができる。
請求項16記載の発明は、前記供給される燃料の圧力が閾値を超えることで前記ノズルニードルのリフト量を拡大する拡大手段を備えることを特徴とする。
上記発明では、供給される燃料の圧力が閾値以下であるときに対し閾値を上回るときに燃料噴射弁の噴射率を増大させることができる。したがって、燃料噴射に際して、供給される燃料の圧力を変化させることで燃料噴射率の小さい状態から大きい状態へと変化させることができるため、ブーツ噴射等を行うことができる。更に、供給される燃料の圧力を内燃機関の運転状態に応じて可変設定することで、運転状態に応じて噴射率を変化させることもできる。
請求項17記載の発明は、請求項16記載の発明において、前記ノズルニードルを閉弁状態に保持するための第1の弾性部材と、前記ノズルニードルのリフト量が規定リフト量以上へと変位しようとするとき、これを妨げるように弾性力を及ぼす第2の弾性部材とを備え、前記拡大手段は、前記第2の弾性部材を備えて構成されてなることを特徴とする。
上記発明では、ノズルニードルが規定リフト量となることで、それ以上のリフト量の増加が妨げられる方向に第2の弾性部材の弾性力が及ぼされる。このため、規定リフト量以上にリフト量を拡大するためには、第2の弾性部材の弾性力に打ち勝つ必要がある。このため、第2の弾性部材の弾性力に打ち勝つための上記燃料の圧力を上記閾値として設定することができる。
なお、上記燃料噴射弁は、前記燃料が充填されて且つその圧力が前記ノズルニードルの開弁方向に及ぼされるニードル収納部と、前記燃料が充填されて且つその圧力が前記ノズルニードルの閉弁方向に及ぼされる背圧室と、前記背圧室と前記蓄圧室に燃料を供給する燃料タンクとの間を連通及び遮断して且つ前記アクチュエータによって開閉される弁体とを備えることを特徴とすることが望ましい。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる燃料噴射制御システム及び燃料噴射弁をディーゼル機関の燃料噴射制御システム及び同システム内の燃料噴射弁に適用した第1の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかるエンジンシステムの全体構成を示す。
図示されるように、燃料タンクの燃料は、機関駆動式の燃料ポンプ10によって汲み上げられ、蓄圧配管20に加圧供給(圧送)される。蓄圧配管20は、圧送された高圧燃料を蓄え、この高圧燃料を各気筒(ここでは、4気筒を例示)の燃料噴射弁30に供給する。燃料噴射弁30は、その先端部がディーゼル機関50の燃焼室52に突出して配置されており、燃焼室52内に燃料を噴射供給可能となっている。
上記燃料ポンプ10は、基本的には、図示しないフィードポンプによって上記燃料タンクから汲み上げられた燃料を高圧ポンプ60にて加圧して吐出するものであり、且つ高圧ポンプ60に送られる燃料量が調量弁70により調節されるものである。
高圧ポンプ60は、調量弁70によって調量された燃料を加圧して外部へ吐出するプランジャポンプである。この高圧ポンプ60は、駆動軸61によって往復駆動される一対のプランジャ62a,62bと、これらプランジャ62a,62bの往復動によって容積が変化する圧力室63a,63bとを備える。また、高圧ポンプ60は、圧力室63a,63bに燃料を吸入する吸入口64a,64bを備えている。そして、吸入口64a,64bは、圧力室63a,63b側から上流側への燃料の逆流を阻止する逆止弁65a,65bを備えている。更に、燃料ポンプ10は、圧力室63a,63bから蓄圧配管20へと燃料を吐出する吐出口66a,66bを備えている。そして、吐出口66a,66bには、圧力室63a,63bの圧力が吐出口66a,66bの下流側(蓄圧配管20側)の圧力よりも所定圧以上高くなることで機械的に開弁する逆止弁67a,67bが設けられている。また、燃料ポンプ10は、プランジャ62a,62bの変位により圧力室63a,63b及び逆流通路68a,68b間を連通可能とする流入口69a,69bを備えている。
上記一対の圧力室63a,63bは、駆動軸61の回転に伴い、代わる代わる容積を拡大及び縮小させるように設定されている。すなわち、圧力室63aの容積が拡大する際には、圧力室63bの容積が縮小する。一方、圧力室63aの容積が縮小する際には、圧力室63bの容積が拡大する。
ここで、蓄圧配管20は、互いに分離された2つの蓄圧室21a,21bを備えており、これら各蓄圧室21a,21bは、圧送通路22a,22bを介して圧力室63a,63b(吐出口66a,66b)に接続されている。これにより、圧力室63aは、圧送通路22aを介して蓄圧室21aに燃料を圧送し、圧力室63bは、圧送通路22bを介して蓄圧室21bに燃料を圧送する。ちなみに、上記逆流通路68a,68bは、圧送通路22a,22bと連通されている。なお、蓄圧配管20には、上記蓄圧室21a,21b内を減圧するための減圧弁23a,23bが設けられている。この減圧弁23a,23bとしては、例えば、電子制御によって閉弁及び開弁の2値的な動作をするものとすればよい。
調量弁70は、フィードポンプから高圧ポンプ60へ吸入される燃料量を調節する。調量弁70は、ボディ71に対するスプール72の相対的な変位位置が、電磁ソレノイド73の電磁力がスプール72に作用することによって調節されるものである。これにより、調量弁70の上流及び下流間の流路面積を可変とし、高圧ポンプ60の圧力室63a,63bに供給される燃料量を調節する。
上記駆動軸61は、圧送タイミング可変機構80を介してディーゼル機関50の出力軸(クランク軸54)と連結されている。このため、駆動軸61には、クランク軸54からの動力によって、回転力が付与される。
圧送タイミング可変機構80は、圧送のタイミングを可変とすべく、駆動軸61及びクランク軸54間の相対的な回転角度を可変とするための機構である。圧送タイミング可変機構80は、クランク軸54と機械的に連結される第1の回転体81と、駆動軸61と機械的に連結される第2の回転体82とを備えている。そして、本実施形態では、第2の回転体82が複数の突起部82aを備えて且つ、第1の回転体81内に第2の回転体82が収納されている。そして、第2の回転体82の突起部82aと第1の回転体81の内壁とによって、クランク軸54に対する駆動軸61の相対的な回転角度(回転位相差)を遅角させるための遅角室83と、同回転位相差を進角させるための進角室84とが区画形成されている。
圧送タイミング可変機構80は、遅角室83及び進角室84との間のオイルの流出入によって油圧駆動される。このオイルの流出入は、オイルコントロールバルブ(OCV90)によって調節される。
OCV90は、油圧ポンプ100によって、オイルパン102内のオイルを、供給経路91及び遅角経路92又は進角経路93を介して遅角室83又は進角室84へと供給する。また、OCV90は、遅角室83又は進角室84から遅角経路92又は進角経路93及び排出経路94を介してオイルパン102へとオイルを流出させる。そして、上記遅角経路92又は進角経路93と供給経路91又は排出経路94との流路面積は、スプール95によって調節される。すなわち、スプール95は、スプリング96によって、図中、左側に押されており且つ、電磁ソレノイド97によって、図中、右側に向かう力が付与される。このため、電磁ソレノイド97に操作信号を付与して且つ、この操作信号のデューティ(Duty)を調節することで、スプール95の変位量を操作することが可能となる。
電子制御装置(ECU110)は、ディーゼル機関50の出力を制御する制御装置である。すなわち、蓄圧室21a,21b内の圧力を検出する燃圧センサ112a,112b等のディーゼル機関50の運転状態を検出する各種センサや、アクセルペダルの操作量等のユーザの要求を検出する各種センサの検出結果を取り込む。そして、これら検出結果に基づき、減圧弁23a,23bや、燃料噴射弁30、調量弁70、OCV90等、ディーゼル機関50の出力を制御するための各種アクチュエータを操作する。
図2に、上記燃料噴射弁30の断面構成を示す。
燃料噴射弁30は、その先端に、円柱状のニードル収納部31が設けられている。そして、ニードル収納部31には、その軸方向に変位可能なノズルニードル32が収納されている。ノズルニードル32は、燃料噴射弁30の先端部に形成されている環状のニードルシート部33に着座することで、ニードル収納部31を外部(ディーゼル機関50の燃焼室52)から遮断する一方、ニードルシート部33から離座することで、ニードル収納部31を外部と連通させる。また、ニードル収納部31には、高圧燃料通路34を介して蓄圧配管20から高圧燃料が供給される。
ノズルニードル32の背面側(ニードルシート部33と対向する側の反対側)は、背圧室35に対向している。背圧室35には、蓄圧配管20内の高圧燃料が、高圧燃料通路34、入オリフィス36を介して供給される。また、ノズルニードル32の先端部裏面側(図中、上方の面側)は、ニードルスプリング37により燃料噴射弁30の先端側へ押されている。更に、ノズルニードル32の中間部には、軸方向に直交する方向に突出する突出部32aが設けられており、ノズルニードル32のリフト量が所定量となることで、規制部材38に接触するようになっている。規制部材38には、圧縮された規制用スプリング39によってノズルニードル32を閉弁させる側の力が及ぼされている。
一方、背圧室35は、出オリフィス40を介して低圧燃料通路41と連通可能とされており、低圧燃料通路41は、燃料タンクと接続されている。上記背圧室35と低圧燃料通路41とは、バルブ42によって連通及び遮断される。すなわち、出オリフィス40がバルブ42によって塞がれることで、背圧室35と低圧燃料通路41とが遮断される一方、出オリフィス40が開放されることで背圧室35と低圧燃料通路41とが連通される。
バルブ42は、バルブスプリング43によって燃料噴射弁30の先端側へ押されている。また、バルブ42は、電磁ソレノイド44の電磁力により吸引されることで、燃料噴射弁30の後方側に変位可能となっている。
こうした構成において、電磁ソレノイド44が通電されず電磁ソレノイド44による吸引力が生じていないときには、バルブ42は、バルブスプリング43の力によって、出オリフィス40を塞ぐこととなる。一方、ノズルニードル32は、ニードルスプリング37によって燃料噴射弁30の先端側へ押され、ニードルシート部33に着座した状態(燃料噴射弁30の閉弁状態)となる。
ここで、電磁ソレノイド44が通電されると、電磁ソレノイド44による吸引力によりバルブ42が燃料噴射弁30の後方側へ変位し、出オリフィス40を開放する。これにより、背圧室35の高圧燃料は、出オリフィス40を介して低圧燃料通路41へと流出する。このため、背圧室35の高圧燃料がノズルニードル32へ印加する圧力は、ニードル収納部31内の高圧燃料がノズルニードル32に印加する圧力よりも小さくなる。そして、この圧力差による力が、ニードルスプリング37がノズルニードル32を燃料噴射弁30の先端側へ押す力よりも大きくなると、ノズルニードル32がニードルシート部33から離座した状態(燃料噴射弁30の開弁状態)となる。
上述したように、燃料噴射弁30のノズルニードル32のリフト量は、規制部材38によって制限されている。すなわち、規制用スプリング39の弾性力に打ち勝って規制部材38を変位させることができない限り、リフト量は、ノズルニードル32が規制部材38と接触する時のリフト量に制限される。リフト量をこれ以上拡大させるためには、高圧燃料通路34からニードル収納部31に供給される燃料の圧力を上昇させることで、規制用スプリング39に打ち勝つ力をノズルニードル32に付与することが必要である。そしてこれは、蓄圧配管20内の燃料の圧力(燃圧)を高めることで可能である。本実施形態では、特に燃料噴射弁30が電子制御によって開弁状態とされているときに蓄圧配管20内の燃圧を、規制用スプリング39に打ち勝つ力を付与するための閾値を超えて上昇させる。これにより、燃料噴射期間においてリフト量を段階的に上昇させることができる。これにより、噴射期間の途中で噴射率を増加させることで噴射率をブーツ状に変化させるいわゆるブーツ噴射を行なう。以下、ブーツ噴射を適切に行うための本実施形態の設定について説明する。
本実施形態では、蓄圧配管20内部を、燃料噴射弁30が2つずつそれぞれ割り振られた蓄圧室21a,21bに分離した。これにより、蓄圧配管20内部を全ての燃料噴射弁30に共通の単一の蓄圧室とする場合と比較して、燃料ポンプ10による燃料の一回の圧送による蓄圧室21a,21bの燃圧の上昇量が増加する。これにより、各燃料噴射弁30の燃料噴射期間において、蓄圧室21a,21b内の燃圧を十分に上昇させることができ、ひいてはリフト量を拡大するための閾値を超えて上昇させることができる。
また、本実施形態では、各燃料噴射弁30の燃料噴射に同期して燃料が圧送されるように、燃料噴射弁30による燃料噴射周期と燃料ポンプ10による燃料の圧送周期とを1対1に対応付ける同期式システムとする。ただし、燃料噴射開始時期や燃料噴射期間は、クランク軸54の回転速度や要求噴射量等のディーゼル機関50の運転状態に応じて変化する。このため、本実施形態では、圧送タイミング可変機構80を操作することで燃料ポンプ10による燃料の圧送タイミングを制御し、ひいては、燃料噴射期間において蓄圧室21a,21b内の燃圧が閾値を超えて上昇するようにする。
更に、燃料噴射後には蓄圧室21a,21b内の圧力を、規制用スプリング39の弾性力に打ち勝ってノズルニードル32をリフトさせることができない値にまで低下させることが要求される。このため、本実施形態では、燃料ポンプ10の吸入工程において、上記逆流通路68a,68bを介して蓄圧室21a,21b内の燃料を圧力室63a,63bに逆流させる構成とした。以下、これについて図3〜図6を用いて詳述する。なお、図3〜図6においては、一対のプランジャ62a,62bや、圧力室63a,63b等を、それぞれプランジャ62、圧力室63等と表記する。
<燃料ポンプ10の吸入工程の前期:図3>
図示されるように、プランジャ62の変位によって圧力室63内が拡大するに伴い、逆止弁65が開弁し、調量弁70を介して圧力室63内に燃料が吸入される。この吸入燃料量は、調量弁70の上流及び下流間の流路面積によって調節される。
<燃料ポンプ10の吸入工程の後期:図4>
図示されるように、プランジャ62の変位に伴い流入口69が開口すると、逆流通路68を介して蓄圧配管20の高圧燃料が圧力室63に逆流する。これにより、圧力室63内の圧力が上昇するため、逆止弁65が閉弁状態となり、調量弁70側からの燃料の吸入は停止する。ここで、図示しない他方の圧力室63は、圧送工程と対応するため、燃料を圧縮するようにプランジャ62を変位させるためにエネルギを要する。このエネルギは、基本的にはクランク軸54から取り出されるものであるものの、本実施形態では、蓄圧配管20から逆流した高圧燃料によってその一部を賄うことができる。
<燃料ポンプ10の圧送工程の前期:図5>
図示されるように、プランジャ62の変位に伴い圧力室63が縮小すると、流入口69を介して圧力室63内の燃料が蓄圧配管20へと流出する。この段階では、逆止弁67が閉弁状態であるため吐出口66を介した燃料の圧送は行なわれていない。
<燃料ポンプ10の圧送工程の後期:図6>
図示されるように、プランジャ62の変位に伴い流入口69が閉じられると、圧力室63内の圧力が上昇し、逆止弁67が開弁状態となることで吐出口66が開口する。これにより、圧力室63内の加圧された燃料が吐出口66を介して蓄圧配管20に圧送される。
図7に、本実施形態における燃料噴射制御態様の一例を示す。詳しくは、図7(a)に、燃料噴射弁30に対する操作信号(通電信号)の推移を示し、図7(b)に、噴射率の推移を示し、図7(c)に、噴射圧(蓄圧室21内の燃圧)の推移を示し、図7(d)に流入口69の開閉状態の推移を示し、図7(e)にプランジャ62の変位の推移を示す。
図示される例では、噴射量最大のメインとなる噴射としてのブーツ噴射の前後に微少な噴射を1段ずつ行なっている。そして、メインとなる噴射のなされる期間において、噴射圧(蓄圧室21内の燃圧)を、ノズルニードル32のリフト量を拡大することのできる閾値(図中一点鎖線)を超えて上昇させるようにしている。これにより、リフト量が拡大し、噴射率が増加することから、ブーツ噴射を行なうことが可能となる。なお、図7に示す例では、ブーツ噴射後に微少な噴射を行なうため、このときの噴射圧を低下させるべく、減圧弁23を用いている。ただし、ブーツ噴射の後に噴射を行なわない場合には、減圧弁23を用いなくても、プランジャ62の変位に伴い流入口69が開口し、蓄圧室21内の燃料が圧力室63に回収されるために他の気筒での燃料噴射時には蓄圧室21内の燃圧を低下させることができる。
図8に、ブーツ噴射を行わない場合を示す。なお、図8(a)〜図8(e)は、先の図7(a)〜図7(e)に対応している。ここでは、調量弁70を操作することで吸入口64を介して圧力室63内に吸入される燃料量を略ゼロとした。これにより、燃料ポンプ10の圧送工程において蓄圧室21内に圧送される燃料量が減少するため、蓄圧室21内に供給される燃料量が増加する。これにより、蓄圧室21内の燃圧がノズルニードル32のリフト量を拡大する閾値を超えず、低噴射率の噴射を行うことができる。
図9に、ブーツ噴射時の全気筒についての燃料噴射制御態様を示す。詳しくは、図9(a)〜図9(d)に、各気筒の燃料噴射弁30の噴射率の推移を示し、図9(e)及び図9(f)に、蓄圧室21a,21b内の燃圧の推移を示し、図9(g)及び図9(h)に、プランジャ62a,62bの推移を示す。
図示されるように、噴射の周期(圧縮上死点となる周期)と圧送周期とを1対1に対応させる同期システムとすることで、メインとなる噴射のなされる期間において蓄圧室21a,21bの圧力を上昇させることができる。このため、メイン噴射中に噴射圧を段階的に上昇させることでブーツ噴射を行うことができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)燃料噴射弁30から燃料を噴射する期間内において、燃料の圧力を、ノズルニードル32のリフト量を拡大するための閾値を上回って上昇させた。これにより、燃料の噴射期間において、ノズルニードル32のリフト量を拡大することができる。このため、燃料の圧力が閾値以下であるときに対し閾値を上回るときに燃料噴射弁30の噴射率を増大させることができる。このため、燃料噴射に際して、燃料噴射率の小さい状態から大きい状態へと変化させることができるため、ブーツ噴射を行なうことができる。
(2)燃料ポンプ10の圧力室63a,63b及び蓄圧室21a,21b間に接続されて且つ、燃料ポンプ10の吸入工程において蓄圧室21a,21b内の燃料を燃料ポンプ10に逆流させる逆流通路68a,68bを備えた。これにより、蓄圧室21a,21bの燃圧を上昇させた後、減圧することができる。このため、蓄圧室21a,21b内の圧力をより適切に制御することができる。しかも、この際、逆流する燃料により燃料ポンプ10の動作をアシストするために、燃料の圧送の際に燃料ポンプ10にて消費されたエネルギの一部を回収することができる。
(3)プランジャ62の往復動作に伴って圧力室63及び逆流通路68間が連通及び遮断される構成とした。これにより、燃料ポンプ10の吸入工程において圧力室63及び逆流通路68間を連通させる設定が可能であるため、吸入工程において燃料を適切に逆流させることができる。
(4)燃料ポンプ10に、圧力室63の燃料を蓄圧室21に吐出する吐出口66と、吐出口66の上流及び下流間の圧力差に応じて機械的に開閉する逆止弁67とを備えた。これにより、燃料ポンプ10の吐出工程においてプランジャ62により圧力室63及び逆流通路68間が遮断されるまでは、逆流通路68を介して燃料が圧送される。その後、プランジャ62により圧力室63及び逆流通路68間が遮断されると圧力室63内の圧力が上昇する。そして、上記逆止弁67を開弁させる圧力となることで、逆止弁67を介して圧力室63から蓄圧室21へ向けて燃料が吐出される。このため、逆止弁67が開弁する際に吐出される燃料の圧力を所望の圧力とすることができる。
(5)燃料ポンプ10を、圧力室63を複数備えて且つプランジャ62の往復動作に伴って各圧力室63a,63bの容積が代わる代わる拡大及び縮小する構成とした。これにより、圧力室63a,63bのいずれか一方の吸入工程において蓄圧室21から逆流する高圧燃料によって、圧力室63a,63bのいずれか他方の容積を縮小して燃料を圧縮する工程をアシストすることができる。このため、蓄圧室21内へ燃料を圧送する際に用いたエネルギの一部を好適に回収することができる。
(6)吸入工程の開始時のプランジャ62位置よりも所定量変位することで圧力室63及び逆流通路68間が連通される設定とした。これにより、プランジャ62が吸入工程において所定量変位するまでの期間は、逆流通路68を介して圧力室63に燃料が逆流しない。このため、この期間において、逆流の影響を受けることなく圧力室63内に燃料を吸入することができる。
(7)燃料タンクからの燃料を調量弁70を介して圧力室63に吸入する吸入口64aに、圧力室63内部から調量弁70側への燃料の逆流を阻止する逆止弁65aを備えた。これにより、逆流通路68を介して圧力室63内に逆流する燃料が調量弁70側へと更に逆流することを回避することができる。このため、圧力室63内に逆流した燃料を、次回の圧送工程において利用することができ、ひいては吸入口64を介して圧力室63内に新たに吸入する燃料量を低減することができる。
(8)燃料ポンプ10の燃料の圧送タイミングを可変とする圧送タイミング可変機構80を更に備えた。これにより、ディーゼル機関50の運転状態に応じて噴射タイミングが変化したとしても、燃料を噴射する期間内において、リフト量を拡大させる閾値を上回って燃圧を上昇させることができる。
(9)蓄圧配管20を、複数の燃料噴射弁30のいくつか毎に割り振られた複数の蓄圧室21a,21bを備えて構成した。これにより、圧送量の割に蓄圧室21a,21b内の圧力を上昇させることができる。このため、燃料ポンプ10を大型化することなく、蓄圧室21a,21b内の圧力を広領域に制御することができる。
(10)蓄圧室21a,21b内の燃料を燃料タンクに戻すべく、減圧弁23a,23bを備えた。これにより、燃料噴射によっては蓄圧室21a,21b内の燃圧が十分に低下しなかったとしても、次回の燃料噴射までに蓄圧室21a,21b内の燃圧を低下させることができる。このため、燃料を噴射する期間において、上記閾値を上回って燃圧を上昇させる制御を確実に行なうことや、燃料噴射開始時の蓄圧室21a、21b内の燃圧を所望に制御することができる。
(11)燃料噴射弁30を、供給される燃圧が閾値を超えることでノズルニードル32のリフト量を拡大する構成とした。これにより、燃料噴射に際して、供給される燃圧を変化させることで燃料噴射率の小さい状態から大きい状態へと変化させることができるため、ブーツ噴射等を行うことができる。
(12)ノズルニードル32を閉弁状態に保持するための第1の弾性部材(ニードルスプリング37)と、ノズルニードル32のリフト量が規定リフト量以上へと変位しようとするとき、これを妨げるように弾性力を及ぼす第2の弾性部材(規制用スプリング39)とを備えて燃料噴射弁30を構成した。これにより、規制用スプリング39の弾性力に打ち勝つための燃圧を上記閾値として設定することができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、減圧弁23a,23bを備えない代わりに、図10に示すように、調量弁70を介して蓄圧室21a,21b内の燃料を燃料タンクへ戻す。
図示されるように、調量弁70のボディ71には、排出口74及び減圧ポート75が設けられている。一方、スプール72には、スプール72の変位に伴って減圧ポート75及び排出口74間を連通させる連通孔76が設けられている。そして、上記減圧ポート75は、逆流通路68及び圧送通路22と連通する減圧通路77に連通している。
これにより、減圧ポート75及び連通孔76間を連通させるようにスプール72を変位させることで、蓄圧室21a,21b内の燃圧を低下させることができる。
特に本実施形態では、減圧通路77、減圧ポート75、連通孔76、及び排出口74は、燃料の温度の上昇を抑制することができるように流路面積が十分に大きく設定されている。ここで、蓄圧室21a,21b内の燃料が低圧に解放される際には、高圧状態における弾性エネルギが運動エネルギを得て熱エネルギに変換される。詳しくは、蓄圧室21a,21b内の燃圧が高圧になればなるほど、低圧系に解放される際の燃料の流出速度が増大し、この流速を低圧系において略ゼロとする際に多量の熱エネルギが発生する。
特に先の図1に示した減圧弁23a,23bは、その閉弁状態において、蓄圧配管20内の高圧燃料を密閉状態に保つために大きな力を受ける。このため、この力に耐え得るようにすべく、弁体の面積は制限される傾向にある。このため、減圧弁23a,23bの開弁状態における流路面積も小さいものとなりやすい。このため、蓄圧室21a,21b内を減圧すべく減圧弁23a,23bを開弁状態にした際には、高圧燃料が低圧系(燃料タンク)へと流出する際に、流路面積が小さいことによる絞り効果により燃料の流速が増大し、低圧系において流速をゼロとする際に多量の熱エネルギが発生する。
これに対し、本実施形態では、調量弁70を用いることで、上記流路面積を比較的容易に拡大することができる。そしてこれにより、燃料が低圧系(燃料タンク)へと流出する際の絞り効果が緩和されるため、燃料の温度上昇を好適に抑制することができる。
図11に、本実施形態における燃料噴射制御態様を示す。なお、図11(a)〜図11(e)は、先の図7(a)〜図7(e)と対応している。図示されるように、調量弁70の減圧ポート75を解放することで、ブーツ噴射の後に蓄圧室21a,21b内を適切に減圧することができる。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(12)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(13)調量弁70を介して蓄圧室21a,21b及び燃料タンク間を連通及び遮断可能とした。これにより、蓄圧室21a,21b内を好適に減圧することができる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、蓄圧室21から供給される燃料の圧力が閾値を超えることで内部の燃料の流動経路を変更する燃料噴射弁として、供給される燃料の圧力に応じて開口される噴射口の数を変化させるものを用いる。図12に、本実施形態にかかる燃料噴射弁200の構造を示す。
燃料噴射弁200のボディの先端には、円柱状のニードル収納部202が設けられている。そして、ニードル収納部202には、その軸方向に変位可能な2つのノズルニードル(アウターニードル204、インナーニードル206)が収納されている。ここで、アウターニードル204は、燃料噴射弁200の先端部に形成されている第1噴射口208を開閉するものであり、インナーニードル206は、燃料噴射弁200の先端部に形成されている第2噴射口210を開閉するものである。なお、ニードル収納部202には、上記蓄圧室21から高圧燃料が供給される。
アウターニードル204には、アウタースプリング212によって背面側から閉弁方向に力が加えられており、インナーニードル206には、インナースプリング214によって背面側から閉弁方向に力が加えられている。更に、これらアウターニードル204やインナーニードル206の背面側は、背圧室216に対向している。背圧室216には、蓄圧室21からの燃料が供給される。
背圧室216は、バルブ218を介して燃料タンク側に連通可能とされている。バルブ218は、その背面側が、環状のバルブシート部220に着座することで、燃料タンク側と背圧室216とを遮断し、ボディの先端側へ変位することで、燃料タンク側と背圧室216とを連通させる。
バルブ218のうちバルブシート部220側は、プレッシャピン222を介して小径ピストン224と連結されている。小径ピストン224の後部側は、小径ピストン224よりも径の大きな大径ピストン226の先端と対向している。そして、小径ピストン224、大径ピストン226、及びボディの内周面によって変位伝達室228が区画形成されている。変位伝達室228には、例えば燃料等の適宜の流体が充填されている。
一方、大径ピストン226は、その後方側がピエゾ素子230と連結されている。ちなみに、ピエゾ素子230は、大径ピストン226と対向する側の裏面側がボディに固定されている。
こうした構成において、ピエゾ素子230へ電流が供給されずピエゾ素子230が収縮状態にあるときには、蓄圧室21からの高圧燃料により力が及ぼされることから、バルブ218や小径ピストン224はボディの後方に位置することとなる。このとき、バルブ218により背圧室216と燃料タンクとは遮断されている。このため、背圧室216内の燃料の圧力(蓄圧室21内の燃料の圧力)や、アウタースプリング212、インナーニードル206の弾性力によって、アウターニードル204及びインナーニードル206は、ボディ先端側へと押されて閉弁状態となる。
一方、ピエゾ素子230に電流が供給されることでピエゾ素子230が伸長状態となると、バルブ218は、ボディの先端側へ移動する。これにより、背圧室216が燃料タンク側と連通される。その結果、背圧室216内の燃料の圧力が低下し、ニードル収納部202内の高圧燃料がアウターニードル204をボディの後方へ押す力が、背圧室216内の燃料及びアウタースプリング212がアウターニードル204をボディの前方へ押す力よりも所定以上大きくなると、アウターニードル204は、開弁状態となる。すなわち、アウターニードル204が第1噴射口208を開口するため、ニードル収納部202は、第1噴射口208を介してディーゼル機関50の燃焼室52と連通される。
ただし、この状態では、インナーニードル206は閉弁状態を維持する。これは、アウターニードル204を開弁させるために要する燃圧よりも、インナーニードル206を開弁させるために要する燃圧の方が高くなるように設定しているためである。そして、先の図6に示した圧送行程後期において蓄圧室21内の燃圧が上昇することで、インナーニードル206は開弁状態となる。すなわち、インナーニードル206が第2噴射口210を開口するため、ニードル収納部202は、第2噴射口210を介してディーゼル機関50の燃焼室52と連通される。これは、上記燃圧の上昇によってニードル収納部202内に供給される燃圧が上昇することで、この燃圧による力がインナースプリング214の弾性力とバルブ218の開弁時の背圧室216内の燃圧による力との合力に打ち勝つことができる設定とすることで実現することができる。
上記燃料噴射弁200を用いることで、燃料噴射期間においてインナーニードル206を開弁状態とすることで、噴射率を増大させることができる。しかも、本実施形態では、特に燃料噴射弁30を用いる場合と比較して噴射率の増大制御を安定させることが可能となる。すなわち、上記燃料噴射弁30の場合、突出部32aが規制部材38と接触することでノズルニードル32の変位が規制されるものの、ノズルニードル32の慣性力が規制用スプリング39の弾性力に打ち勝つ場合には、蓄圧室21内の燃圧の上昇に先立ち、ノズルニードル32が一時的に規制部材38によって固定されるべき位置を越えて変位するおそれがある。これに対し、本実施形態にかかる燃料噴射弁200では、2つの独立したノズルニードルを備えることで、その一方の変位が他方の変位を誘発することが回避される。このため、インナーニードル206の開弁による噴射率の増大タイミングを、蓄圧室21内の燃圧によって高精度に制御することができる。
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図13に、本実施形態にかかるエンジンシステムの全体構成を示す。図示されるように、本実施形態では、圧送タイミング可変機構80を備えることなく、高圧ポンプ60の駆動軸61をクランク軸54に直接機械的に連結する。このため、高圧ポンプ60の駆動軸61の回転角度は、クランク軸54の回転角度に応じて一義的に定まり、これらの相対回転位相差を調節する手段はない。
こうした簡易な構成においても燃料噴射時期等の変化にかかわらず最適なタイミングにて噴射率を増加させるべく、本実施形態では、次の設定をする。すなわち、まず、ブーツ噴射の噴射タイミングが最も進角したタイミングとされた際に噴射率を増加させるべきタイミングにおいて噴射率が実際に増加可能なように、上記駆動軸61及びクランク軸54の機械的な連結態様を調節する。換言すれば、噴射率の増加タイミングとして最も進角されたタイミングにおいて実際の噴射率が増加可能なように調節する。そして、この基準となる燃料噴射に対して実際の噴射開始時期が遅角側となる場合には、蓄圧室21a,21b内の燃圧の早まった上昇を回避すべく、減圧弁23a,23bを操作する。
図14に、本実施形態にかかる燃料噴射制御の態様を示す。なお、図14(a)〜図14(e)は、図7(a)〜図7(e)に対応している。
図14(c)に2点鎖線にて示すのは、減圧弁23a,23bを開弁操作しない場合の燃圧の挙動である。この場合、燃料噴射開始時期が遅角側となる場合、燃圧が上記閾値を超えるタイミングが過度に速くなり、噴射率が過度に早いタイミングで増加してしまう。そこで、図示されるように、燃料の圧送開始に同期して減圧弁23a,23bを開弁操作することで、蓄圧室21a,21bの燃圧の上昇を抑制する。こうした処理によれば、燃圧が上記閾値を超えて上昇するタイミングを所望のタイミングに調節することができ、ひいては噴射率の増加タイミングを所望に制御することができる。
図15に、本実施形態にかかる燃圧の制御の処理手順を示す。この処理は、ECU110によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、周知の手法にて算出される燃料噴射弁30に対する噴射開始時期の指令値(指令噴射開始時期)を取得する。続くステップS12においては、指令噴射開始時期に基づき、調量弁70による調量量を補正する。すなわち、本実施形態では、指令噴射開始時期が最も進角される場合において最適となるような設定の下、駆動軸61とクランク軸54とが機械的に連結されている。そして、指令噴射開始時期がこれよりも遅角される場合には、蓄圧室21a,21b内の燃圧の早期の上昇を抑制すべく減圧弁23a,23bの開弁によって高圧ポンプ60から蓄圧室21a,21bに圧送された燃料を燃料タンクに戻す処理を行っている。このため、指令噴射開始時期が最進角位置よりも遅角される場合には、減圧弁23a,23bの開弁によって燃料タンクに戻される燃料量の分だけ圧送量を増加させる必要が生じる。このため、指令噴射開始時期に基づき、調量弁70による調量量を補正する。
続くステップS14においては、指令噴射開始時期に基づき、減圧弁の操作態様を決定する。すなわち、蓄圧室21a,21b内の燃圧の早期の上昇を抑制すべく燃料タンクに燃料を戻すために適切な減圧弁23a,23bの操作量を決定する。続くステップS16においては、上記ステップS14の決定に基づき、減圧弁23a,23bを操作する。なお、ステップS16の処理が完了する場合、この一連の処理を一旦終了する。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(7)、(9)〜(12)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(14)減圧弁23a,23bを操作することで、蓄圧室21a,21b内の燃圧がリフト量を拡大させる閾値を上回るタイミングを可変とした。これにより、燃料ポンプ10による圧送タイミング自体を変更する手段を備えることなく、簡易に上記タイミングを可変とすることができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・供給される燃料の圧力が閾値を超えることでノズルニードルのリフト量を拡大可能な燃料噴射弁としては、上記各実施形態で例示したものに限らない。例えば規制部材38の変位を規制する第2の規制部材を備え、第2の規制部材も圧縮スプリングによって弾性力が付与されている構成としてもよい。この場合、供給される燃料の圧力が上記閾値以上となることで規制部材38が第2の規制部材と接触するまでノズルニードルのリフト量を拡大することができ、しかも供給される燃料の圧力を更に高めて第2の規制部材を変位させることでノズルニードルのリフト量を更に拡大することができる。
・供給される燃料の圧力が閾値を超えることでノズルニードルのリフト量を拡大可能な燃料噴射弁の備える電子制御式アクチュエータとしては、電磁ソレノイドに限らず、例えばピエゾアクチュエータであってもよい。
・上記第1、第2、第4の実施形態において、先の第3の実施形態で例示した燃料噴射弁を用いてもよい。
・複数のノズルニードルと、該複数のノズルニードルのそれぞれに割り振られた複数の噴射口とを備えて且つ、開口状態とされる噴射口の数を、蓄圧室から供給される燃料の圧力が閾値を超えることで増大させる燃料噴射弁としては、先の第3の実施形態で例示したものに限らない。例えば、インナーニードル206を収納して且つアウターニードル204に収納されるミドルニードルを備えて、上記第1噴射口208及び第2噴射口210に加えて、ミドルニードルによって開閉される噴射口を備えるようにしてもよい。そしてこの際、ミドルニードルを開弁させるための圧力の下限値がアウターニードルを開弁させるための圧力よりも高く且つインナーニードルを開弁させるための圧力よりも低く設定することで、燃圧に応じて噴射率を3段階に調節することができる。
また、燃料噴射弁200の備える電子制御式アクチュエータとしては、ピエゾアクチュエータに限らず、例えば電磁ソレノイドであってもよい。
・燃料噴射弁の幾何学的な内部構造を変化させる閾値を燃料の圧力が上回るタイミングを可変とする可変手段としては、上記各実施形態で例示したものに限らない。例えば、高圧ポンプ60の一対の圧力室63a,63bと蓄圧室21a,21bとを接続する圧送通路22a,22bを接続通路を介して互いに接続するとともに、同接続通路の流路面積を調節する電子制御式の弁体を備え、この弁体を電気的に操作することで上記可変手段を構成してもよい。これによっても、燃料噴射タイミングが遅角側にある場合、上記接続通路の弁体の開弁によってプランジャ62a,62bのうち上昇行程にある側の圧力室から下降行程にある側の圧力室へと燃料を流出させることで、蓄圧室内の燃圧の上昇を遅らせることができる。しかもこの場合、上昇行程にあるプランジャによって消費されるエネルギの一部は、下降行程にあるプランジャの動作をアシストすることで回収される。
また例えば、先の第2の実施形態に示した要領で、プランジャ62a,62bのうち上昇行程にある側の圧力室から圧送される燃料を、減圧通路77、減圧ポート75、連通孔76、及び排出口74を介して燃料タンクへと流出させることで蓄圧室内の燃圧の上昇を遅らせてもよい。
更に例えば、燃料噴射に先立ち、燃料の圧送対象となる蓄圧室に接続される燃料噴射弁30の全てについて、ノズルニードル32が開弁することのない極短時間だけバルブ42を開弁させるいわゆる空打ち駆動を行ってもよい。これによっても、上記圧送対象となる蓄圧室内に圧送される燃料の一部を、出オリフィス40及び低圧燃料通路41を介して燃料タンクへと戻すことができるため、蓄圧室21a,21b内の燃圧を低下させることができ、ひいては上記タイミングを遅らせることができる。
・燃料ポンプ10の燃料の圧送タイミングを可変とするタイミング可変手段としては、上記圧送タイミング可変機構80及びOCV90に限らない。例えば吐出口66及び流入口69に電磁弁を設け、これらの開弁タイミングを調節することで、タイミング可変手段を構成してもよい。
・ディーゼル機関50の気筒数や、燃料ポンプ10の圧力室63の数、調量弁70の数は任意でよい。また、蓄圧配管20内の蓄圧室の数も任意でよい。
・内燃機関としては、ディーゼル機関に限らず、例えば筒内噴射式ガソリン機関等であってもよい。ただし、圧縮着火式内燃機関とすることで、ブーツ噴射のメリットを特に享受することができる。
第1の実施形態にかかるエンジンシステムの全体構成を示す図。 同実施形態にかかる燃料噴射弁の断面構成を示す断面図。 同実施形態にかかる燃料ポンプの吸入工程前期の状態を示す断面図。 同実施形態にかかる燃料ポンプの吸入工程後期の状態を示す断面図。 同実施形態にかかる燃料ポンプの圧送工程前期の状態を示す断面図。 同実施形態にかかる燃料ポンプの圧送工程後期の状態を示す断面図。 同実施形態にかかるブーツ噴射を示すタイムチャート。 同実施形態にかかる別の燃料噴射制御態様を示すタイムチャート。 同実施形態にかかるブーツ噴射を示すタイムチャート。 第2の実施形態にかかる蓄圧室内の減圧処理の態様を示す断面図。 同実施形態にかかるブーツ噴射を示すタイムチャート。 第3の実施形態にかかる燃料噴射弁の断面構成を示す断面図。 第4の実施形態にかかるエンジンシステムの全体構成を示す図。 同実施形態にかかるブーツ噴射を示すタイムチャート。 同実施形態にかかる蓄圧室内の燃圧の制御の処理手順を示す流れ図。
符号の説明
10…燃料ポンプ、20…蓄圧配管、21a,21b…蓄圧室、30…燃料噴射弁、32…ノズルニードル、37…ニードルスプリング(第1の弾性部材の一実施形態)、39…規制用スプリング(第2の弾性部材の一実施形態)、50…ディーゼル機関、60…高圧ポンプ、62a,62b…プランジャ、63a,63b…圧力室、68a,68b…逆流通路、80…圧送タイミング可変機構(タイミング可変手段の一実施形態)。

Claims (17)

  1. 燃料を高圧状態で蓄える蓄圧室と、該蓄圧室に燃料を圧送する燃料ポンプと、前記蓄圧室に高圧状態で蓄えられた燃料を噴射する燃料噴射弁とを備え、前記燃料噴射弁を電気的に操作することで内燃機関の燃料噴射制御を行なう燃料噴射制御システムにおいて、
    前記燃料噴射弁は、前記蓄圧室から供給される燃料の圧力が閾値を超えることで前記燃料噴射弁内部の燃料の流動経路を変更して噴射率を増大させるものであり、
    前記燃料噴射弁から燃料を噴射する期間内において、前記燃料の圧力を前記閾値を上回って上昇させる上昇手段を備えることを特徴とする燃料噴射制御システム。
  2. 燃料を高圧状態で蓄える蓄圧室と、該蓄圧室に燃料を圧送する燃料ポンプと、前記蓄圧室に高圧状態で蓄えられた燃料を噴射する燃料噴射弁とを備え、前記燃料噴射弁を電気的に操作することで内燃機関の燃料噴射制御を行なう燃料噴射制御システムにおいて、
    前記燃料噴射弁は、前記蓄圧室から供給される燃料の圧力が閾値を超えることでノズルニードルのリフト量を拡大可能なものであり、
    前記燃料噴射弁から燃料を噴射する期間内において、前記燃料の圧力を前記閾値を上回って上昇させる上昇手段を備えることを特徴とする燃料噴射制御システム。
  3. 前記燃料噴射弁を介した燃料の噴射後、前記蓄圧室内の圧力を低下させる減圧手段を更に備えることを特徴とする請求項1又は2記載の燃料噴射制御システム。
  4. 前記減圧手段は、前記燃料ポンプ及び前記蓄圧室間に接続されて且つ、前記燃料ポンプの吸入工程において前記蓄圧室内の燃料を前記燃料ポンプに逆流させる逆流通路を備えることを特徴とする請求項3記載の燃料噴射制御システム。
  5. 前記減圧手段は、前記燃料ポンプによって燃料が吸入される燃料タンクへと前記蓄圧室内の燃料を戻す手段を更に備えることを特徴とする請求項4記載の燃料噴射制御システム。
  6. 燃料を高圧状態で蓄える蓄圧室と、該蓄圧室に燃料を圧送する燃料ポンプと、前記蓄圧室に高圧状態で蓄えられた燃料を噴射する燃料噴射弁とを備え、前記燃料ポンプを操作することで前記蓄圧室内の燃圧を制御する燃料噴射制御システムにおいて、
    前記燃料ポンプ及び前記蓄圧室間に接続されて且つ、前記燃料ポンプの吸入工程において前記蓄圧室内の燃料を前記燃料ポンプに逆流させる逆流通路を備えることを特徴とする燃料噴射制御システム。
  7. 前記燃料ポンプは、プランジャと、該プランジャの往復動作に伴ってその容積が拡大及び縮小する圧力室とを備え、
    前記プランジャの往復動作に伴って前記圧力室及び前記逆流通路間が連通及び遮断されることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の燃料噴射制御システム。
  8. 前記燃料ポンプは、前記圧力室の燃料を前記蓄圧室に吐出する吐出口と、前記吐出口の上流及び下流間の圧力差に応じて機械的に開閉する逆止弁とを備えることを特徴とする請求項7記載の燃料噴射制御システム。
  9. 前記燃料ポンプは、前記圧力室を複数備えて且つ前記プランジャの往復動作に伴って各圧力室の容積が代わる代わる拡大及び縮小するものであることを特徴とする請求項7又は8記載の燃料噴射制御システム。
  10. 前記吸入工程の開始時のプランジャ位置よりも所定量変位することで前記圧力室及び前記逆流通路間が連通されることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の燃料噴射制御システム。
  11. 前記燃料ポンプは、燃料タンクからの燃料を調量弁を介して前記圧力室に吸入する吸入口に、前記圧力室内部から前記調量弁側への燃料の逆流を阻止する逆止弁を備えることを特徴とする請求項10記載の燃料噴射制御システム。
  12. 前記上昇手段は、前記燃料の圧力が前記閾値を上回るタイミングを可変とする可変手段を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料噴射制御システム。
  13. 前記蓄圧室には、前記燃料ポンプによって燃料が吸入される燃料タンクへと前記蓄圧室内の燃料を戻す手段が設けられ、
    前記可変手段は、前記戻す手段を操作することで前記閾値を上回るタイミングを可変とすることを特徴とする請求項12記載の燃料噴射制御システム。
  14. 前記燃料ポンプの燃料の圧送タイミングを可変とするタイミング可変手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の燃料噴射制御システム。
  15. 前記燃料噴射弁が複数備えられており、
    前記蓄圧室は、前記複数の燃料噴射弁のいくつか毎に割り振られた複数の蓄圧室からなることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の燃料噴射制御システム。
  16. アクチュエータの操作によりノズルニードルを変位させることで噴射口を開口させ、燃料供給通路から供給される燃料を内燃機関に噴射供給する燃料噴射弁において、
    前記供給される燃料の圧力が閾値を超えることで前記ノズルニードルのリフト量を拡大する拡大手段を備えることを特徴とする燃料噴射弁。
  17. 前記ノズルニードルを閉弁状態に保持するための第1の弾性部材と、
    前記ノズルニードルのリフト量が規定リフト量以上へと変位しようとするとき、これを妨げるように弾性力を及ぼす第2の弾性部材とを備え、
    前記拡大手段は、前記第2の弾性部材を備えて構成されてなることを特徴とする請求項16記載の燃料噴射弁。
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