JP2008190254A - 既設防波堤の補強方法 - Google Patents

既設防波堤の補強方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ケーソンタイプの既設防波堤の前面壁または背面壁に沿って、断面で前後方向に非対称形状の増設ケーソンを設置して補強するに際し、安全に精度よく補強することができる既設防波堤の補強方法を提供する。
【解決手段】増設ケーソン4に断面前後方向に位置をずらして形成された上部を開口した複数の室5a、5bに、バランス調節材B1、B2を投入し、その際に投入されるバランス調節材B1、B2の増設ケーソン4の断面前後方向における重量の偏在具合を調節して、増設ケーソン4を断面前後方向で水平に均衡させて海に浮いた状態に維持し、この増設ケーソン4と既設防波堤1との間に張設したワイヤ12aをウィンチ12で巻き取って互いをゴムガスケット8を介在させて所定位置まで近接させて連結ボルト9により連結する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、既設防波堤の補強方法に関し、さらに詳しくは、ケーソンタイプの既設防波堤の前面壁または背面壁に沿って、断面で前後方向に非対称形状の増設ケーソンを設置して補強するに際し、安全に精度よく補強することができる既設防波堤の補強方法に関するものである。
コンクリートで製造された箱型のいわゆるケーソンが、防波堤として多用されている。このケーソンタイプの防波堤を据付ける際には、ケーソン内部に砂等の中詰材を充填して所定の重量を付与することにより安定化させ、ケーソンの前面壁(港外側壁)に沿って消波ブロック等が設置される。防波堤は、これら消波ブロック、中詰材、ケーソン等の仕様を十分検討して設計されているが、設計時に想定されなかった波浪が襲来して転倒する等の不具合が生じることがある。
このような不具合が生じ、或いは生じる可能性がある場合には、既設防波堤の安定性を向上させるために補強工事が必要となり、その1つの補強方法として、新たなケーソンを既設防波堤の背面壁(港内側壁)に沿って増設する方法が考えられる。ここで、一般にケーソンは前後方向の安定化を図るため、前後方向に突設したフーチングを有し、断面で前後方向に対称形状に形成されている。したがって、このような断面で前後方向に対称形状の既設防波堤に対して新たなケーソンを増設し、かつ増設した後の防波堤の安定性を確保するには、増設するケーソンの前面側に既設防波堤の背面に突設されたフーチングに係合する係合部を設けるとともに、背面側には背面方向に突出するフーチングを設ける必要がある。即ち、増設ケーソンを断面で前後方向に非対称形状にすることが必要となる。
増設ケーソンを設置するには、ケーソンを連結して据付ける際に一般的に実施されている方法(例えば、特許文献1参照)を用いることが考えられる。しかしながら、従来の方法は、断面で前後方向に対称形状のケーソンのみを対象としており、特許文献1に記載のように、ケーソンを単純に起重機船のクレーンで吊上げて海に浮かせた状態にして既設のケーソンに近接させる方法では、断面で前後方向に非対称形状の増設ケーソンの前後方向のバランスが不安定なため、安全に作業することが困難になるという問題があった。また、起重機船で吊った状態の増設ケーソンには、波浪による増設ケーソン自体の揺動に加えて、起重機船の揺動が吊りワイヤを介して伝わるため、不安定さが増大して、増設ケーソンを所定の位置でマウンド上に精度よく設置することが難しいという問題があった。
特許第2792554号公報
本発明の目的は、ケーソンタイプの既設防波堤の前面壁または背面壁に沿って、断面で前後方向に非対称形状の増設ケーソンを設置して補強するに際し、安全に精度よく補強することができる既設防波堤の補強方法を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明の既設防波堤の補強方法は、ケーソンタイプの既設防波堤の前面壁または背面壁に沿って、断面で前後方向に非対称形状の増設ケーソンを海に浮いた状態にして配置し、該海に浮いた状態の増設ケーソンと既設防波堤との間に張設したワイヤを巻き取ることにより互いをガスケットを介在させて所定位置まで近接させ、該近接した増設ケーソンと既設防波堤とを連通する連結ボルトにより増設ケーソンを既設防波堤の前面壁または背面壁に連結するとともに、中詰材により所定の重量を付与してマウンド上に設置する既設防波堤の補強方法であって、前記増設ケーソンに断面前後方向に位置をずらして形成された上部を開口した複数の室に、バランス調節材を投入し、その際に投入されるバランス調節材の増設ケーソンの断面前後方向における重量の偏在具合を調節することにより、該増設ケーソンを断面前後方向で一定の状態に均衡させて海に浮いた状態にすることを特徴とするものである。
ここで、前記バランス調節材として、比重の異なる2種類以上の材料を用いることもでき、前記バランス調節材として例えば、海水あるいは水を用いることができる。また、前記バランス調節材として用いた材料の少なくとも一部を、前記既設防波堤に連結してマウンド上に設置した後の増設ケーソンの中詰材として用いることもできる。
本発明の既設防波堤の補強方法によれば、ケーソンタイプの既設防波堤の前面壁または背面壁に沿って、断面で前後方向に非対称形状の増設ケーソンを海に浮いた状態にして配置し、海に浮いた状態の増設ケーソンと既設防波堤との間に張設したワイヤを巻き取ることにより互いをガスケットを介在させて所定位置まで近接させ、近接した増設ケーソンと既設防波堤とを連通する連結ボルトにより増設ケーソンを既設防波堤の前面壁または背面壁に連結するとともに、中詰材により所定の重量を付与してマウンド上に設置するに際し、増設ケーソンに断面前後方向に位置をずらして形成された上部を開口した複数の室に、バランス調節材を投入し、その際に投入されるバランス調節材の増設ケーソンの断面前後方向における重量の偏在具合を調節して、増設ケーソンを断面前後方向で一定の状態に均衡させて海に浮いた状態にするので、断面で前後方向に非対称形状の増設ケーソンであっても、容易に均衡状態にすることができ、その微調節も可能になる。
これにより、増設ケーソンを安全に既設防波堤に近接させ、前面壁または背面壁に沿った所定の位置で精度よくマウンド上に設置することができる。そして、この増設ケーソンを、連結ボルトによって既設防波堤と連結するとともに、中詰材により所定の重量を付与してマウンド上に設置することで、既設防波堤の安定性を向上させて補強することができる。
以下、本発明の既設防波堤の補強方法を図に示した実施形態に基づいて説明する。
図1に例示するように、ケーソンタイプの既設防波堤1が本発明の補強対象となる。この既設防波堤1は基礎マウンド2の上に設置され、港外側壁となる前面壁1bおよび港内側壁となる背面壁1cに、それぞれ断面前後方向に突出したフーチング1a、1aを備えている。既設防波堤1の内部に形成された室には砂等の中詰材Fが充填され、その上面は上部コンクリート1dにより覆われて中詰材Fが密封状態になっている。また、前面壁1bに沿って消波ブロック3が配置されている。
既設防波堤1は、これらフーチング1a、1b、中詰材Fおよび消波ブロック3により、所定の安定性を有するように設計されて設置されている。しかしながら、設計時に想定されなかった波浪が襲来して、既設防波堤1が滑動、転倒する等の不具合が生じる場合、或いは生じる可能性がある場合に、本発明により増設ケーソンを既設防波堤1の背面壁1cに沿ってマウンド上に設置し互いを連結するようにして、既設防波堤1の断面前後方向の安定性を向上させる補強を行なう。
そこで、図2、3に例示するような増設ケーソン4を予め製作しておく。この増設ケーソン4は、背面側に背面方向に突出したフーチング4aを有し、前面側に既設防波堤1の背面壁1cに突設されたフーチング1aに係合する係合部4bを有していて、断面で前後方向に非対称形状に形成されている。したがって増設ケーソン4は、断面前後方向の重量バランスが偏ったものになっている。この増設ケーソン4の前面端部には左右両側縁部および下側縁部に連続するゴムガスケット8が取り付けられている。
また、増設ケーソン4には上部を開口し、断面前後方向に位置をずらして形成された複数の直方体状の室5a、5bが設けられている。この増設ケーソン4では、前後方向に2つに区画され、左右方向に3つに区画されて6つの室5a、5bが形成されているが、室5a、5bの配置、数や大きさは適宜決定される。
さらに、増設ケーソン4の室5a、5bよりも前面側には、前面および上部を開口した直方体状の凹部4dが形成されている。この凹部4dの側壁面には補強用差筋11が多数突設されている。また、増設ケーソン4の前面端部の左右両側には、上下方向に間隔をあけて複数のボルト挿入孔10が設けられている。このボルト挿入孔10は、上下方向に長穴になっている。
増設ケーソン4の上面左右両側にはワイヤ止め13が設置されている。また、増設ケーソン4の上面左右両側それぞれに、前後方向に間隔をあけて吊りアンカー14が取り付けられている。吊りアンカー14は、増設ケーソン4を安定して吊上げるために、それぞれをなるべく離間した位置に取り付けることが好ましい。
この増設ケーソン4の設置位置となる場所には、増設マウンド6を造成しておく。増設マウンド6を造成するに際し、必要であれば基礎マウンド2の一部を撤去し、或いは地盤改良を行なう。増設マウンド6の上面は基礎マウンド2の上面よりもやや低くなるように造成し、増設マウンド6の上面には、仮置台7を設置しておくことが好ましい。
既設防波堤1の背面壁1cには、増設ケーソン4に設けたボルト挿入孔10に対向する位置に接合用ボルト9を突設し、さらに、背面側に向かって多数の補強用差筋11を突設する。既設防波堤1の上面にはウィンチ12を設置しておく。尚、ウィンチ12を増設ケーソン4に設置し、ワイヤ止め13を既設防波堤1に設置するようにしてもよい。
次いで、予め製作した上記の増設ケーソン4を据付け現場に運搬する。この運搬は増設ケーソン4を起重機船で吊上げて、或いは曳航することにより行なう。以下では、起重機船により増設ケーソン4を運搬する場合を例にして説明する。
吊りワイヤ15aを増設ケーソン4の吊りアンカー14に挿通させて、起重機船のクレーンで上下移動する吊りフック15に引っ掛け、吊りワイヤ15aを介して増設ケーソン4を吊上げた状態で据付現場に運搬する。上記したように増設ケーソン4は、断面で前後方向に非対称形状に形成され、断面前後方向の重量バランスが偏っているため、通常の方法で吊上げると断面前後方向一方側に大きく傾いた状態となり、かつ非常に不安定な状態となる。尚、増設ケーソン4の断面形状は長手方向にほぼ一定なので、長手方向の重量バランスに偏りはほとんどない。
そこで、例えば、吊りアンカー14の位置を調節することだけで、水平の均衡状態にして増設ケーソン4を吊上げたとしても、構造物としては前後方向の重量バランスが偏っているので、気中と水中、水中での浸水深さの変化によってバランスが崩れ易く、増設ケーソン4を吊上げた状態および海に浮かせた状態で、一定の均衡状態で安定させることが困難である。また、増設ケーソン4の断面前後方向で壁厚を変化させるなどの設計上の工夫によって、断面前後方向の重量バランスの偏りを是正することもできるが、設計上の工夫だけでは増設ケーソン4を安定に均衡させることが難しい。
本発明では、このような問題を解決するために、増設ケーソン4の断面前後方向に位置をずらして形成された室5a、5bに、バランス調節材B1、B2の重量を調節して投入する操作を行なう。本発明を実施するにあたり、上記した吊りアンカー14の位置の調節や増設ケーソン4の断面前後方向の壁厚を変化させる方法を併せて行なうこともできる。
具体的な調節操作としては、比重の同じバランス調節材B1、B2(即ち、B1とB2とが同じ材料の場合)を用いる場合には、増設ケーソン4の前面側の室5aに投入するバランス調節材B1の量と背面側の室5bに投入するバランス調節材B2の量に差を設ける。このように、増設ケーソン4の室5a、5bにバランス調節材B1、B2を投入する際に、投入されるバランス調節材B1、B2の増設ケーソン4の断面前後方向における重量の偏在具合を調節することにより、バランス調節材B1、B2を包含した増設ケーソン4は、構造物として断面前後方向の重量の偏りがなくなる。したがって、増設ケーソン4を吊上げた際および海に浮かべた際に、断面前後方向で安定して水平な均衡状態にし易くなる。
この実施形態の増設ケーソン4では、断面前後方向で前面側が相対的に軽く、吊り上げた際および海に浮いた際に、前面側が相対的に上方位置になるように傾斜する。そこで、前面側一列の3つの室5aに投入するバランス調節材B1の量を、背面側一列の3つの室5bに投入するバランス調節材B2の量よりも多くして断面前後方向の重量バランスを均衡させる。
このように、室5a、5bに投入するバランス調節材B1、B2の重量を調節するだけで、増設ケーソン4を吊上げた際および海に浮かべた際に、断面前後方向で安定に均衡させることができる。また、均衡状態の微調節もバランス調節材B1、B2を追加的に投入、或いは排出すればよく、簡単に行なうことができる。
据付け現場では、吊上げている増設ケーソン4を、その前面が既設防波堤1の背面壁1cと対向するように海に降ろす。バランス調節材B1、B2によりバランス調節されている増設ケーソン4は、断面前後方向で水平に海に浮いた状態になる。増設ケーソン4が海に浮いた状態になった時点で、吊りワイヤ15aを吊りアンカー14から外してもよいが、安全のため、吊りワイヤ15aを取り付けたままにしてもよい。その際には、吊りワイヤ15aに張力が生じないように弛ませた状態にしておく。即ち、増設ケーソン4には、吊りワイヤ15aを介して起重機船の揺動が伝わらないようにする。
次いで、既設防波堤1に設置したウィンチ12から繰出したワイヤ12aの先端部を、増設ケーソン4に設置したワイヤ止め13に係止して既設防波堤1と増設ケーソン4との間にワイヤ12aを張設する。このようにして、既設防波堤1の背面壁1cに突設した接合ボルト9と、これに対応する増設ケーソン4に形成したボルト挿入孔10とを対向させる。
ここで、上部を気中に開口した室5a、5bにバランス調整材B1、B2を追加投入する。その際に投入されるバランス調節材B1、B2の増設ケーソン4の断面前後方向における重量の偏在具合を調節することにより、増設ケーソン4を断面前後方向で水平に均衡させた状態を維持して沈下させ、底面を仮置台7の上面に近接させた位置にして海に浮いた状態にする。仮置台7を設置しない場合は、増設ケーソン4の底面を増設マウンド6の上面に近接させた位置にして海に浮いた状態にする。尚、浮力が不足して、この位置で増設ケーソン4を浮いた状態にできない場合は、沈下させる前にフロート等を増設ケーソン4に取り付けて、必要な浮力を与えておく。
この増設ケーソン4を所定深さまで沈下させる作業は、室5a、5bに投入するバランス調節材B1、B2の重量を調節することにより、容易に行なうことができる。また、増設ケーソン4の均衡状態の微調節もバランス調節材B1、B2を追加的に投入、或いは排出すればよく、簡単に行なうことができる。
次いで、ウィンチ12を稼動してワイヤ12aを巻取りつつ、吊りフック15を既設防波堤1側へ水平移動させて図4および5に例示するように、既設防波堤1の背面壁1cのフーチング1aと増設ケーソン4の係合部4bとが係合し、既設防波堤1と増設ケーソン4とがゴムガスケット8を介在して密着する所定位置まで近接させる。この近接により、既設防波堤1の背面壁1cに突設した接合ボルト9を、これに対応する増設ケーソン4に形成したボルト挿入孔10に挿通させる。
既述したように、海に浮いた状態の増設ケーソン4は、水平に安定した均衡状態になっていて、しかも、吊りワイヤ15aを介して起重機船の揺動が伝わることもないので、断面で前後方向に非対称形状の増設ケーソン4であっても、安全に既設防波堤1に近接させることができる。また、海に浮いた状態の増設ケーソン4を精度よく一定の均衡状態にできるので、水平に形成されたボルト挿入孔10に接合ボルト9を挿通させることも容易になり、増設ケーソン4を高い精度で所定の位置に設置することが可能になる。
ワイヤ12aは平面視で互いに交差するように既設防波堤1と増設ケーソン4の間に張設するようにしているので、海に浮いている増設ケーソン4の左右揺れを抑制しつつ、既設防波堤1に近接させることができる。尚、ワイヤ12aは前後方向に張設することもでき、張設するワイヤ12aの本数は特に限定されないが、複数本にすることが好ましい。
このように既設防波堤1と増設ケーソン4とを近接させた状態で、図6に例示するようにボルト挿入孔10に挿通した接合ボルト9にナット9aを螺合して仮締めすることで、既設防波堤1と増設ケーソン4とを仮連結する。増設ケーソン4のボルト挿入孔10の先端部には箱抜き部17が形成されており、この箱抜き部17においてナット9aを接合ボルト9に螺合することができる。仮連結した際に、既設防波堤1と増設ケーソン4の間に介在するゴムガスケット8が圧縮されていることを確認する。ボルト挿入孔10は、上下方向に長穴になっているので、仮連結した状態であっても増設ケーソン4は、多少、上下移動できるようになっている。
次いで、増設ケーソン4の凹部4dを満たしている海水を外部に排出する。これより、仮連結した既設防波堤1と増設ケーソン4とが外水圧によって、さらに密着するように接合される。この接合状態で、さらに、室5a、5bにバランス調節材B1、B2を投入し、増設ケーソン4を仮置台7に載置する。仮置台7を設けない場合は、増設マウンド6の上に載置する。その後、ナット9aを接合ボルト9に本締めして両者を接合する。
次いで、図4に例示するように、増設ケーソン4と増設マウンド6とのすき間に高流動モルタルなどの充填材Mを充填する。これにより増設ケーソン4が増設マウンド6の上に完全に設置される。増設ケーソン4を一体的に連結した既設防波堤1は、背面側にフーチング4aを有する構造になるので、安定して設置されることになる。
その後、図7に例示するように、増設ケーソン4の室5a、5bに所定重量の中詰材Fを充填して安定させる。さらに、増設ケーソン4の凹部4dと既設防波堤1の背面壁1cにより囲まれた空間に突出して対向する補強用差筋11どうしを、鉄筋配筋16によって連結して鉄筋配筋16を格子状に配設する。この鉄筋配筋16を配設した空間にコンクリート等の固化材M1を充填して既設防波堤1と増設ケーソン4とを一段と強固に連結、固定する。
尚、既設防波堤1と増設ケーソン4とを仮連結した際に、増設ケーソン4を仮置台7または増設マウンド6の上に載置していない状態で、増設ケーソン4と増設マウンド6とのすき間に高流動モルタルなどの充填材Mを充填し、充填材Mが硬化した後に増設ケーソン4の各室5a、5bに所定重量の中詰材Fを充填するようにしてもよい。
次いで、ウィンチ12などの不要なものは撤去し、増設ケーソン4の上面に上部コンクリート4cを打設する。以上のような補強工程を既設防波堤1の長手方向の所定範囲に対して行ない、本発明による既設防波堤1の補強作業が完了する。
増設ケーソン4を曳航して据付け現場に運搬する際は、上記と同様に、運搬する増設ケーソン4の室5a、5bにバランス調節材B1、B2を投入し、その際に投入されるバランス調節材B1、B2の増設ケーソン4の断面前後方向における重量の偏在具合を調節して、断面前後方向で水平に均衡させて海に浮いた状態にする。据付け現場についてからの作業は、起重機船により運搬した際と同様である。
本発明により、図7に例示するように、既設防波堤1の背面壁1cに沿って増設ケーソン4を港内側に拡張するように一体化して設置することで、既設防波堤1の前後方向の安定性が著しく向上し、従来想定していた以上の強力な勢力の波浪が襲来しても、補強された既設防波堤1は、滑動、転倒することがなくなる。
バランス調節材B1、B2として、それぞれ比重の異なる材料を用いて、それぞれの室5a、5bに投入することにより、バランス調節材B1、B2の重量を増設ケーソン4の断面前後方向で偏在させることもできる。バランス調節材B1、B2として比重の異なる2種類以上の材料を用いることにより、必要な重量を投入するための投入体積を変えることが可能になる。これにより、室5a、5bの容積の範囲内で、吊上げた際および海に浮かせた際の増設ケーソン4を一定の均衡状態に安定させる自由度が増し、均衡状態の微調節も容易に行なうことができる。バランス調節材B1、B2として用いる材料は、1種類または2種類に限定されることなく、3種類以上の材料を用いることもできる。
バランス調節材B1、B2としては、海水あるいは水を例示することができる。海水であれば、増設ケーソン4の据付け現場において、十分な量を容易に調達できる。その他のバランス調節材B1、B2としては砂、鉄鋼スラグ等を例示することができる。砂、鉄鋼スラグ等を用いた場合は、そのすべて或いはその一部を、所定位置に設置した後の増設ケーソン4の中詰材Fとしてそのまま用いることもできる。これによれば、中詰材Fを室5a、5bに投入する作業を省略或いは一部省略することができる。
上記実施形態では、増設ケーソン4を既設防波堤1の背面壁1cに沿うように設置したが、既設防波堤1の前面壁1b沿って消波ブロック3が配置されていない場合などは、既設防波堤1の前面壁1bに沿って上記と同様の手順により、増設ケーソン4を設置することもできる。このように、増設ケーソン4は、既設防波堤1の前面壁1bまたは背面壁1cのいずれか、または両方に沿って設置することができるが、背面側は波の振幅が小さくなるので増設ケーソン4を背面壁1cに沿って設置するようにすれば、作業をより安全に精度よく行なうことができる。
本発明により補強される既設防波堤を例示する側面図である。 本発明の既設防波堤の補強方法を例示する側面図である。 図2の平面図である。 図2の次の状態を例示する側面図である。 図4の平面図である。 図5の一部拡大図である。 本発明により補強された既設防波堤を例示する側面図である。
符号の説明
1 既設防波堤
1a フーチング
1b 前面壁(港外側壁)
1c 背面壁(港内側壁)
1d 上部コンクリート
2 基礎マウンド
3 消波ブロック
4 増設ケーソン
4a フーチング
4b 係合部
4c 上部コンクリート
4d 凹部
5a、5b 室
6 増設マウンド
7 仮置台
8 ゴムガスケット
9 接合用ボルト
9a ナット
10 ボルト挿入孔
11 補強用差筋
12 ウィンチ
12a ワイヤ
13 ワイヤ止め
14 吊りアンカー
15 吊りフック
15a 吊りワイヤ
16 鉄筋配筋
17 箱抜き部
B1、B2 バランス調節材

Claims (4)

  1. ケーソンタイプの既設防波堤の前面壁または背面壁に沿って、断面で前後方向に非対称形状の増設ケーソンを海に浮いた状態にして配置し、該海に浮いた状態の増設ケーソンと既設防波堤との間に張設したワイヤを巻き取ることにより互いをガスケットを介在させて所定位置まで近接させ、該近接した増設ケーソンと既設防波堤とを連通する連結ボルトにより増設ケーソンを既設防波堤の前面壁または背面壁に連結するとともに、中詰材により所定の重量を付与してマウンド上に設置する既設防波堤の補強方法であって、前記増設ケーソンに断面前後方向に位置をずらして形成された上部を開口した複数の室に、バランス調節材を投入し、その際に投入されるバランス調節材の増設ケーソンの断面前後方向における重量の偏在具合を調節することにより、該増設ケーソンを断面前後方向で一定の状態に均衡させて海に浮いた状態にする既設防波堤の補強方法。
  2. 前記バランス調節材として比重の異なる2種類以上の材料を用いる請求項1に記載の既設防波堤の補強方法。
  3. 前記バランス調節材として海水あるいは水を用いる請求項1または2に記載の既設防波堤の補強方法。
  4. 前記バランス調節材として用いた材料の少なくとも一部を、前記既設防波堤に連結してマウンド上に設置した後の増設ケーソンの中詰材として用いる請求項1〜3のいずれかに記載の既設防波堤の補強方法。
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