JP2008188938A - 微細発泡シートの成形方法および成形装置 - Google Patents

微細発泡シートの成形方法および成形装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 厚さと表面精度に優れ、発泡セル径が50μm以下の微細発泡シートを得ることができる成形方法を提供する。
【解決手段】 超臨界状態の不活性流体が混練・分散された溶融樹脂を押し出す押出機のTダイ(10)の直下に第1のニップロール(11)を、その下方に冷却水槽(13)を、そして前記第1のニップロール(11)と所定の間隔をおいて第2のニップロール(12)を設ける。第1、2のニップロールは位置調節自在に冷却水槽に設ける。第1のニップロールにおいて、延伸すると共にシートの厚さと表面精度を整える。冷却水槽において滞留する時間を調整してシート表面での発泡を抑制し、かつ発泡セルの成長を制御する。第2のニップロールにおいて、その回転数と間隔を調整し延伸して、所望のアスペクト比を得る。またシートの厚さおよび表面精度の向上を図る。
【選択図】 図2

Description

本発明は、超臨界状態の不活性流体が混練・分散された溶融樹脂を、Tダイから大気中にシート状に押し出して発泡させて発泡シートを得る、発泡シートの成形方法およびこの成形方法の実施に直接使用される微細発泡シートの成形装置に関するものである。
発泡剤である超臨界状態の不活性流体が混練・分散された溶融樹脂を、押出機のTダイから押し出すとき、Tダイ先端リップ部手前まではスクリュの回転による押出圧力が高いため発泡剤が超臨界状態の不活性流体となっているが、ダイリップ部で大気圧中に押し出され急激に圧力解放されると、発泡剤は熱力学的に不安定な状態となり、溶融状態にあるシート中で発泡を開始する。発泡初期は気泡核から気泡へと成長し独立した独立セルとなっているが、発泡が進むと気泡が成長して大きくなり、また隣のセルと合一して大きなセルへと成長することもある。さらに、表層近くではガス抜けと呼ばれるシート表面での気泡割れが生じると、シート表面の平滑性が損なわれ、製品品質が落ちる。
そこで、発泡による気泡の成長を抑え、かつガス抜けを防ぐスキン層をいち早く形成することが必要となる。スキン層、換言するとシート表面に形成される融点以下の温度の樹脂の膜は、Tダイから押し出されるシートを素早くかつ適切に冷却することにより形成される。
特開平7−276472号公報 特開2002−225114号 特開2002−96374号 特開平9−109234号公報 特開2000−141448号
特許文献1には、Tダイから押し出されるシートを、シート内部の気泡が成長して連続気泡あるいは気泡割れが生じないうちにロールにより圧延すると共に、水槽の水中に浸漬してシートを表面から冷却する、発泡シートの成形方法が示されている。
特許文献2には、Tダイから押し出されるシートを、冷却ロールと水冷ドラムとで挟み込むようになっている。この水冷ドラムは、冷却ロールの外周面の面積の約1/4から1/2に相当する大きさで、冷却ロールの外周面に対応する凹面を有する。前記水冷ドラムの凹面にはさらに凹部が設けられ、水冷ドラムの前記凹部とシートの間に形成される空間が冷却水路となってシートが冷却される、発泡シートの成形方法が示されている。
特許文献3には、Tダイのダイスリップと冷却ロールの間に中間ロールを設け、ダイスリップから押し出されてシート中で発泡する気泡が顕在化する付近で、シートと接するように中間ロールを配置し、発泡を中間ロール上で終了させ、もしくは中間ロール上でほとんど終了させて、コルゲーションを防止し、中間ロールと冷却ロール間でシートの流れ方向の引張力によりシート厚みを薄くする、発泡シートの成形方法が示されている。なお、コルゲーションとは、発泡に伴う樹脂の体積膨張により、拘束されたシート幅の中で、シートがシートの幅方向に広がろうとし、カーテン状に波打ってシート長さ方向に筋状となる現象をいう。
特許文献4には、一対の成形ロールと、前記1対の成形ロールの両端に設けられた側水当て板とで囲まれた中に冷却水を供給し、成形ロールによりシート厚さを調整しつつ、成形ロールを通過するシートを冷却し、さらに下方に設けられた冷却水槽に、その一部または全部が浸漬されるよう設けられた冷却ロールにより、シートをガイドさせてさらに冷却する、発泡シート成形方法が示されている。
特許文献5には、Tダイのダイスリップとわずかな隙間をおいて冷却ロールの外周面が近接するよう、冷却ロールを設け、ダイスリップから押し出されたシートを直ちに冷却ロールで冷却し、さらにTダイには可動ブロックを設け、発泡中のシートが可動ブロックと冷却ロールとによって形成される隙間を可動ブロックに接しながら通過するようにし、可動ブロックによっても、シートを冷却する、発泡シートの成形方法が示されている。
特許文献1に記載の発泡シートの成形方法によると、Tダイから押し出されるシートは、シート表面に気泡割れが生じないうちにロールにより圧延され、水中に浸漬されているので、スキン層がいち早く形成され、かつある程度気泡の成長を抑えることはできると認められる。しかし、微細な発泡シートを得るには、冷却開始までの時間調整と、冷却の早さに影響する水槽中の冷却水の水温と、冷却時間の調整、すなわちシートを水中に浸漬する時間の調整が重要な要素となるが、特許文献1には冷却水の水温についての開示はなく、冷却開始までの時間や冷却時間の調整についての示唆もない。例えば、冷却開始までの時間が長い場合、気泡が大きく成長してしまうし、冷却開始までの時間が短くても、冷却水の水温が高かったり冷却時間が短い場合、シート表面付近の気泡は小さく、シート内部の気泡は大きくなり、微細でかつ大きさが均一なセルの発泡シートを得ることは難しい。さらに、水中に浸漬にすることによりある程度冷却した後に、シートの延伸、シート厚さ等の調整は行われていないので、所望のシート厚さの発泡シートを得ることは難しいと思われる。
特許文献2に記載の発泡シートの成形方法によると、シートの冷却は、冷却ロールと、水冷ドラムと、冷却水によって行われ、冷却水路は水冷ドラムの凹部とシートとで形成された冷却水路のみとなっているので、スキン層が形成されるには十分な冷却時間であるが、シート内部については冷却が十分でなく気泡の成長が抑えられず、微細な発泡シートを得ることが難しい。
特許文献3に記載の発泡シートの成形方法によると、中間ロール上でシートの発泡がほぼ完了するので、コルゲーションを防ぎシート表面の平滑性に優れた発泡シートを得ることができるが、シートの冷却手段は冷却ロールとエアーナイフのみであり、冷却水による十分な冷却が行われていないので、微細な発泡シートを得ることは困難と思われる。
特許文献4に記載の発泡シートの成形方法によると、Tダイから押し出されたシートは、成形ロールの上面に貯められた冷却水で素早く冷却され、かつ成形ロールの直下に設けられた水槽と、水槽にその一部または全部が浸漬されるよう設けられた冷却ロールとにより冷却されるので、スキン層の形成も早く、気泡の成長もある程度抑えることができる。しかし、特許文献1記載の発泡シートの成形方法と同様の問題がある。すなわち、冷却水の水温についての開示や冷却時間の調整については示唆する記載もなく、微細でかつ大きさが均一なセルの発泡シートを得ることは難しい。また、水中に浸漬することによりある程度冷却した後に、シートの延伸やシート厚さの調整が行われていないので、所望の厚さの発泡シートを得ることは難しい。
特許文献5に記載の発泡シートの成形方法によると、Tダイのダイスリップから押し出されるシートは、押し出された直後から冷却ロールと可動ブロックにより冷却されるので、素早くスキン層が形成され、シート表面の平滑性も良好な発泡シートが得られると考えられる。しかし、水槽が無いため微細な発泡シートを得るには冷却が不十分と考えられる。また、シート厚さの制御に関する開示はなく、所望の厚さの発泡シートを得ることは困難である。
化学的発泡剤を用いたセル径の大きな発泡シートや、物理的発泡剤を用いてはいても、発泡セル径が50μm以上の発泡シートは、上記したいずれの特許文献に記載の発泡シートの成形方法によっても問題無く成形できると考えられる。しかし、本発明が対象とするのは、超臨界状態の不活性流体である物理的発泡剤を用いた、発泡セル径が50μm以下の、所定のシート厚さで表面精度に優れた微細発泡シートの成形であり、そのような微細発泡シートを成形するには、ダイスリップ近傍のシートの温度を融点近傍の温度に素早く冷却して、いち早くスキン層を形成し、かつ気泡の成長を抑えるためシートを十分冷却させることが必要があるが、上記した特許文献にはいずれにも上記のような成形技術に関する開示がなく、本発明が対象としている上記のような微細発泡シートは、前記特許文献に記載の成形方法では得ることができない。
したがって、本発明は、超臨界状態の不活性流体を発泡剤として用いた溶融樹脂をTダイよりシート状に押し出して、発泡させる発泡シートの成形において、所定厚さのシートで表面精度に優れ、発泡セル径が50μm以下の微細発泡シートを成形することができる微細発泡シートの成形方法およびこの方法の発明の実施に直接使用される微細発泡シートの成形装置を提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するために、超臨界状態の不活性流体が混練・分散された溶融樹脂を押し出す押出機のTダイの下方に第1のニップロールが、該第1のニップロールの下方に冷却水槽が、そして前記第1のニップロールと所定の間隔あるいは距離をおいて第2のニップロールが設けられる。
そして、前記第1のニップロールは、望ましくは内部から冷却され、その回転数と間隔が必要に応じて調整され、望ましくはTダイからの押出量との関係において回転数が制御され、延伸される。また、前記Tダイから押し出されるシートの厚さと表面精度が整えられる。さらには、前記第1のニップロールを通過したシートが前記冷却水槽内の水面下に滞留する時間が調整され、シート表面での発泡が抑制され、かつ発泡セルの成長が制御される。また、必要に応じて前記第2のニップロールの回転数が第1のニップロールとの関係において調整されて延伸され、前記冷却水槽から出るシートの発泡セルのアスペクト比が調整されると共に、シートの厚さ、表面精度等がさらに調整される。
すなわち、請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、超臨界状態の不活性流体が混練・分散された溶融樹脂を、Tダイから大気中にシート状に所定量宛押し出して発泡させて発泡シートを連続的に得る、発泡シートの成形方法において、前記Tダイから大気中に押し出されるシートを、第1のニップロールの回転数と間隔とを調整して、延伸すると共にシート厚さと表面精度とを整える第1の処理工程と、前記第1の処理工程で処理されたシートを、前記第1のニップロールの下方に設けられた冷却水槽内の水面下に滞留させる冷却時間を調整して、シート表面でのスキン層の形成を確保しシート内部での発泡セルの成長を制御する第2の処理工程とから構成される。
請求項2に記載の発明は、超臨界状態の不活性流体が混練・分散された溶融樹脂を、Tダイから大気中にシート状に所定量宛押し出して発泡させて発泡シートを連続的に得る、発泡シートの成形方法において、前記Tダイから大気中に押し出されるシートを、第1のニップロールの回転数と間隔とを調整して、延伸すると共にシート厚さと表面精度とを整える第1の処理工程と、前記第1の処理工程で処理されたシートを、前記第1のニップロールの下方に設けられた冷却水槽内の水面下に滞留させる冷却時間を調整して、シート表面でのスキン層の形成を確保しシート内部での発泡セルの成長を制御する第2の処理工程と、前記第2の処理工程で処理されたシートを、前記第1のニップロールと、該第1のニップロールと所定の間隔をいて設けられている第2のニップロールとによって、前記第1、2のニップロールの各々の回転数と各々の間隔とを調整して、さらに延伸すると共にシート厚さと表面精度とを調整する第3の処理工程とから構成される。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の成形方法において、冷却過程で延伸することにより、シート内部の発泡セルの流れ方向のアスペクト比も調整するように、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかの項に記載の成形方法において、前記Tダイの先端部と前記第1のニップルロール及び冷却水槽の冷却水水面との間隔を調節して、前記Tダイから大気中に押し出されるシートの空冷時間と、前記押し出し時から前記冷却水に浸漬されるまでの冷却時間を調整し発泡セルの大きさを制御するように、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかの項に記載の成形方法において、前記冷却水槽内の冷却水の水温を10〜25℃の範囲に保つと共に、前記冷却水槽内の水面下に設けられている複数本の浸漬ガイドローラの選択により、シートの前記冷却水槽内の水面下における滞留距離を調節し、それによってシートの前記冷却水槽内の水面下における冷却時間を調整し発泡セルの大きさを制御するように、そして請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかの項に記載の成形方法において、前記Tダイから大気中に押し出される移動中のシートを、前記第1のニップロールに達する前に、チラー水またはコールドエアにより急冷却し発泡セルの大きさを制御するように構成される。
請求項7に記載の発明は、超臨界状態の不活性流体が混練・分散された溶融樹脂を押し出す押出機と、該押出機のTダイの下方に配置されている第1のニップロールと、該第1のニップロールの下方に配置されている冷却水槽と、前記第1のニップロールと所定の間隔をいて設けられている第2のニップロールとからなり、前記Tダイから押し出される発泡シートが、前記第1のニップロール、前記冷却水槽の水中、前記第2のニップロールへと送られ、そして巻取機により製品として連続的に巻き取られるようになっている発泡シートの成形装置であって、前記第1、2のニップロールは、前記冷却水槽に、少なくとも前記第2のニップロールは位置調節自在に取り付けられており、前記第1のニップロールは、その回転数とその間隔とが制御されるようになっていると共に、前記冷却水槽の水面下には、前記第1のニップロールを通過したシートが選択的に案内される複数個の浸漬ガイドローラが所定の間隔をおいて設けられている。
請求項8に記載の発明は、超臨界状態の不活性流体が混練・分散された溶融樹脂を押し出す押出機と、該押出機のTダイの下方に配置されている第1のニップロールと、該第1のニップロールの下方に配置されている冷却水槽と、前記第1のニップロールと所定の間隔をいて設けられている第2のニップロールとからなり、前記Tダイから押し出される発泡シートが、前記第1のニップロール、前記冷却水槽の水中、前記第2のニップロールへと送られ、そして巻取機により製品として連続的に巻き取られるようになっている発泡シートの成形装置であって、前記第1、2のニップロールは、前記冷却水槽に、少なくとも前記第2のニップロールは位置調節自在に取り付けられており、前記第1のニップロールは、その回転数とその間隔とが各々独立して制御されるようになっていると共に、前記冷却水槽の水面下には、前記第1のニップロールを通過したシートが選択的に案内される複数個の浸漬ガイドローラが所定の間隔をおいて設けられ、前記第2のニップロールも、その回転数とその間隔とが制御されるように構成される。
請求項9に記載の発明は、請求項7または8に記載の発泡シートの成形装置において、前記第1のニップロールが内部から冷却水により冷却されるように、請求項10に記載の発明は、請求項7〜9のいずれかの項に記載の発泡シートの成形装置において、前記第2のニップロールは、前記冷却水槽の水面から出るシートを案内すると共に、前記複数個の浸漬ガイドローラに対応してシートの流れ方向に移動可能であるように、請求項11に記載の発明は、請求項7〜10のいずれかの項に記載の発泡シートの成形装置において、前記冷却水槽内の冷却水の温度は温調機により10〜25℃に保たれるようになっていると共に、前記第1のニップロールと前記押出機のTダイの先端部との間隔が前記冷却水槽の高さを上下させることで調節自在になるように、そして請求項12に記載の発明は、請求項7〜11のいずれかの項に記載の発泡シートの成形装置において、前記Tダイの先端部と前記第1のニップロールとの間には漏斗状の冷却水受とチラー水噴射ノズルとが設けられ、またはコールドエア噴射ノズルが設けられ、前記Tダイから大気中に押し出されるシートは、前記冷却水槽の水面に達する前に前記噴射ノズルから噴射されるチラー水、またはコールドエアにより急冷却されるように構成される。
以上のように、本発明は、超臨界状態の不活性流体が混練・分散された溶融樹脂を、Tダイから大気中にシート状に押し出して発泡させて発泡シートを得る、発泡シートの成形方法において、Tダイから大気中に押し出されるシートを、第1のニップロールの回転数と間隔とを調整して、延伸すると共にシート厚さと表面精度とを整える第1の処理工程と、前記第1の処理工程で処理されたシートを、前記第1のニップロールの下方に設けられた冷却水槽内の水面下に滞留させる冷却時間を調整して、シート表面でのスキン層の形成を確保しシート内部での発泡セルの成長を制御する第2の処理工程とから構成されているので、あるいはさらに、前記第2の処理工程で処理されたシートを、前記第1のニップロールと前記第1のニップロールと所定の間隔をいて設けられている第2のニップロールとによって、前記第1、2のニップロールの各々の回転数と各々の間隔とを調整して、さらに延伸すると共にシート厚さと表面精度とを調整する第3の処理工程とからなっているので、すなわち、Tダイから押し出されるシートを素早く冷却してスキン層を形成してガス抜けを防ぎ、かつ十分冷却して気泡の成長を抑えるので、所定厚さの、表面精度の優れた、発泡セル径が50μm以下の微細発泡シートを成形することができるという本発明に特有の効果が得られる。換言すると、第1のニップロールではスキン層を形成しシート内部は融点以上の温度のままとし、シート表面の精度を確保しながらシート厚さを調整し、第2のニップロールではシートが融点以下に冷却された後に狭圧して、さらにシート表面の平滑性を向上させ、精度良くシート厚さを整えるので、所定厚さの、表面精度の優れた、発泡セル径が50μm以下の微細発泡シートを成形することができる。
請求項3に記載の発明によると、請求項1に記載の成形方法において、冷却過程で延伸することにより、シート内部の発泡セルの流れ方向のアスペクト比も調整するので、請求項4に記載の発明によると、請求項1〜3のいずれかの項に記載の成形方法において、前記Tダイの先端部と前記第1のニップルロール及び冷却水槽の冷却水水面との間隔を調節して、前記Tダイから大気中に押し出されるシートの空冷時間と、前記押し出し時から前記冷却水に浸漬されるまでの冷却時間を調整し発泡セルの大きさを制御するので、前記のような効果に加えて、任意のアスペクト比の発泡セルを有する微細発泡シートを成形することができる。例えば、LCD(液晶ディスプレイ)に使用される反射板は発泡セル径が小さいと反射率が高くなり、発泡セル径は好ましくは10μm以下が望ましいが、発泡セルのアスペクト比が5〜15になると反射率がさらに高まるという大きな効果があり、任意のアスペクト比の発泡セルが得られる効果が得られる。
また、請求項5に記載の発明によると、請求項1〜4のいずれかの項に記載の成形方法において、冷却水槽内の冷却水の水温を10〜25℃の範囲に保つと共に、前記冷却水槽内の水面下に設けられている複数本の浸漬ガイドローラの選択により、シートの前記冷却水槽内の水面下における滞留距離を調節し、それによってシートの前記冷却水槽内の水面下における冷却時間を調整し発泡セルの大きさを制御するので、冷却の早さおよび冷却量を自由に調整できる。すなわち、冷却は、シート内部の熱量がシート表面に移動して行われるが、シート内部の温度と、シート表面に接する冷却水の温度との差が大きいほど、シート中での温度勾配が大きく冷却早さが増し、冷却時間が長いほど移動する熱量が大きく、冷却量が大きくなる。上記のように冷却の早さおよび冷却量を自由に調整できるので、樹脂材料やシート厚さに応じて、冷却水温度および冷却時間を任意に調整でき、適切な冷却を行うことができる効果が得られる。さらに、冷却水温度が低いと冷却早さが増すため、シートが素早く冷却され、シート表面付近とシートの厚さ中心部分とで発泡セルの成長度合いが均一となり、発泡セル径が均一な微細発泡シートが得られる効果もある。
請求項6に記載の発明によると、請求項1〜5のいずれかの項に記載の成形方法において、前記Tダイから大気中に押し出される移動中のシートを、前記第1のニップロールに達する前に、チラー水またはコールドエアにより急冷却し発泡セルの大きさを制御するので、より冷却開始時間が短縮され、発泡セルの成長を抑えた微細発泡シートを成形できる効果がさらに得られる。
請求項7〜12に記載の発明によると、第1、2のニップロールは、冷却水槽に、少なくとも前記第2のニップロールは位置調節自在に取り付けられているので、Tダイ、第1のニップロール、冷却水槽、第2のニップロール等のレイアウトあるいは配置関係がコンパクトになり、コンパクト化された成形装置により、請求項1〜7に記載の発明を実施し、前述したような効果を上げることができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明に係る微細発泡シートの成形装置を模式的に示す側面図である。押出機1は、従来周知のように、軸方向に所定長さのシリンダバレル2を備えている。そして、このシリンダバレル2の内部にスクリュが回転自在に挿入されている。シリンダバレル2の、図1において左端部にはスクリュを回転駆動する駆動装置3が設けられ、その下流側において樹脂材料の投入口が開けられ、この投入口に樹脂材料貯蔵用のホッパ4が連なっている。シリンダバレル2のさらに下流側に、超臨界状態の不活性流体の注入口5が開けられている。超臨界流体製造装置7は、ガスボンベ6から供給される窒素ガスのような不活性ガスを所定温度および圧力に加熱・加圧して超臨界流体を製造するもので、この超臨界流体製造装置7により製造される超臨界状態の不活性流体は、管路8を介して注入口5からシリンダバレル2内の混練中の溶融樹脂に注入されるようになっている。
上記のように構成されているシリンダバレル2の先端部に溶融樹脂が押し出される、例えばハンガーコート形状のTダイ10が取り付けられている。このTダイ10は、真下を向いている。
Tダイ10の直下に第1のニップロール11、11が設けられ、その下方に冷却水槽13が設けられている。第1のニップロール11、11は、冷却水槽13の枠体に組み込まれている。したがって、冷却水槽13を上下方向に駆動することにより、Tダイ10と第1のニップロール11、11の間隔を調整することができる。このような第1のニップロール11、11の内部には冷却水が循環し、その回転数あるいは回転速度と間隔は制御されるようになっている。望ましくはTダイ10からの押出量との関係において制御される。これにより、第1のニップロール11、11により延伸することができ、シート厚さおよび表面精度が整えられる。本実施の形態によると、冷却水槽13中の水位13h、水温等も調整されるようになっている。
冷却水槽13中には、水面下に没した状態で複数本の第1〜5の浸漬ガイドローラ14a、14b、…が上流側から下流側に向かって所定の間隔をおいて設けられている。さらに、冷却水槽13の外部の、第1のニップロール11、11に対向した位置に、第2のニップロール12、12が設けられている。この第2のニップロール12、12は、冷却水槽13の枠体に長手方向に移動調節自在に取り付けられている。このように第1、2のニップロール11、12が冷却水槽13の枠体に組み込まれているので、あるいは取り付けられているので構造がコンパクトになっている。第2のニップロール12、12の回転数あるいは回転速度は、第1のニップロール11、11の回転速度と関連して制御され、必要に応じて第2のニップロール12、12によりさらに延伸されるようになっている。また、第2のニップロール12、12の間隔あるいは隙間も調整されるようになっている。これにより、シート厚さおよび表面精度がさらに調整される。冷却水槽13の外部において、従来周知の引取機16と巻取機17が設けられている。
図2に、冷却水槽13の詳細が拡大して模式的に示されている。冷却水槽13には、図2には示されていないが、例えば冷凍チラーにより10〜25℃に冷却された冷却水を供給するための供給管と、排水するための排出管とが冷却水槽13内で短絡しないように所定の間隔をおいて設けられている。供給管と排出管は、冷却水槽13の外部において循環路で接続され、この循環路中に冷凍サイクルで冷却される冷媒と熱交換される熱交換器が設けられている。排出管の開口部は、高さ調節自在に冷却水槽13の所定位置に開口している。したがって、冷却水槽13中の冷却水の水位13hは、所定位置に保たれることになる。このように構成されている冷却水槽13の水面下に、前述した複数本の第1〜5の浸漬ガイドローラ14a、14b、…が設けられている。冷却水槽13の枠体の上部には、図には示されていないが、案内レールが敷設され、第2のニップロール12、12は、前記案内レールによって図2において左右方向に移動自在になっている。換言すると、第2のニップロール12、12は、図2に示されている実施の形態では、第1〜5の浸漬ガイドローラ14a、14b、…に対応した第1〜5の位置a〜eを採ることができるようになっている。
上記のように構成されている冷却水槽13は、昇降ハンドル21により高さが調節自在な部材を介して移動台車20の上に搭載されている。このように、冷却水槽13は、移動台車20の上に高さ調節自在に設けられているので、Tダイ10の直下から待避させ、ダイスリップの清掃時等のメンテナンス作業は容易にできる。本実施の形態によると、冷却水槽13中の水位13hは排出管の高さ位置により調節可能であり、また冷却水槽13は移動台車20に対して高さが調節自在に搭載されているので、いずれかによってTダイ10から押し出されるシートの冷却開始時間、すなわち押し出された時から冷却水で冷却され始めるまでの時間が調節できることになる。また、Tダイ10と冷却されている第1のニップロール11、11との間隔も調整できることになる。
次に上記実施の形態の作用について説明する。ホッパ4からシリンダバレル2に所定量宛ての樹脂材料を供給すると共に、駆動装置3によりスクリュを回転駆動する。樹脂材料はスクリュの回転により先方へ送られる過程で、外部から加えられる熱とスクリュの回転による摩擦熱等により混練・溶融される。超臨界状態の不活性流体を注入口5からシリンダバレル2内に注入する。注入された超臨界状態の不活性流体は溶融樹脂中に混練・分散される。そして、発泡に適して温度に冷却されてTダイ10から押し出される。Tダイ内部では臨界圧力および臨界温度以上に保たれているため、溶融樹脂中に分散されている発泡剤は超臨界状態の不活性流体のままであるが、Tダイ10のダイスリップ10aから大気中に押し出されるときに急激に圧力が解放され、超臨界状態がくずれ熱力学的に不安定な状態となった発泡剤は、Tダイリップ先端部で発泡を開始する。押し出され発泡を開始したシートSは、第1のニップロール11、11、冷却水槽13中の浸漬ガイドローラ14a、14b、…、第2のニップロール12、12へと送られ、引取機16のロールにより延伸され弛みがとられ、そして一定のトルクで巻取機17により製品として巻き取られる。
上記のようにして成形するとき、内部の通路を流れる冷却水によりその表面が冷却されている第1のニップロール11、11によりシートSの表面にスキン層が形成される。これにより、発泡セルが成長して破泡すること、およびガス抜けが防止される。また、第1のニップロール11、11の回転速度を押出量との関係において制御し延伸量を調整する。さらには、第1のニップロール11、11のロールの隙間を調節して目的とする厚さのシートを成形すると共に、シートの表面精度を調整する。
また、上記のようにして成形するとき、冷却水槽13中の水位13hを調整する。あるいは冷却水槽13の高さを調節してTダイ10から押し出され、冷却水槽13で冷却が開始されるまでの、冷却開始時間を調整する。例えば、固化速度が遅い樹脂では、スキン層を形成し、気泡の成長を抑制するために早めに冷却する必要があり、冷却水槽13中の水面高さを上げる。反対に固化速度の早い樹脂では、冷却開始時間を遅めにすべきであり、水面高さを下げる。なお、固化速度の早い樹脂では、樹脂が硬くならないうちに第1のニップロール11、11によりシート表面の平滑性を高めるため、第1のニップロール11、11をTダイ10のダイスリップ10aに近づけることも必要である。
上記のようにして成形するとき、さらに、シートSを冷却水槽13の冷却水に浸漬させる距離、すなわち冷却時間を調整する。例えば、第1、2の浸漬ガイドローラ14a、14bにより案内し、第2のニップロール12、12を第2の位置bへ移動すると、浸漬時間あるいは冷却時間は短く、これとは逆に冷却時間を最も長くしたい場合は、第2のニップロール12、12を図2に示されている位置へ移動する。すなわち、シートSを第1〜5の浸漬ガイドローラ14a〜14eにより案内し、第2のニップロール12、12を第5の位置eにする。
なお、冷却時間は冷却水の水温と共に考慮する必要があり、樹脂材料の種類によって異なる固化速度を勘案し、テスト、経験等により決定する。
また、第2のニップロール12、12の隙間を調整して、シートSの厚さ精度および表面精度をさらに上げる。さらに、第2のニップロール12、12の回転速度あるいは回転数を、第1のニップロール11、11との関係において制御し、例えば第2のニップロール12、12の回転速度を大きくして延伸する。延伸することにより球形の発泡セルが楕円形状に引き伸ばされ、前述したようにアスペクト比が大きくなる効果が得られる。
図3に、Tダイ10から押し出されるシートSの冷却開始までの時間を、より短縮する装置の実施の形態が示されている。本実施の形態によると、Tダイ10と第1のニップロール11、11との間に漏斗状冷却水受22が設けられ、この漏斗状冷却水受22の上部にはチラー水噴射ノズル23、23が設けられているる。したがって、Tダイ10から押し出されるシートSは、漏斗状冷却水受22の中を通ってその下方に設けられた出口から出る間に、チラー水により冷却され、そして第1のニップロール11、11に供給される。本実施の形態によると、押し出されたシートSは素早く冷却されるので、スキン層が素早く形成され、またセルの成長をより抑制できる効果が得られる。
本発明は、上記実施の形態に限定されることなく色々な形で実施できる。例えば、漏斗状冷却水受22とチラー水噴射ノズル23、23を設ける代わりに、コールドエア噴射ノズルを設けて、コールドエアによりシートの両面を冷却するように実施しても同様の効果が得られる。また、図2に関して、第2のニップロール12、12を第1〜5の位置へ移動させる旨説明されているが、第2のニップロール12、12は固定的に設け、1個のガイドローラを第1〜5の位置a〜eへ移動可能に設けても、同様に冷却距離を調整できることは明らかである。さらには、5個のガイドローラを第1〜5の位置a〜eにそれぞれ固定的に設けても同様に冷却距離を調整できることも明らかである。
以下、実施例について説明する。
「実施例1」
装置:押出機は株式会社日本製鋼所製のP65−34AWを使用し、図1に示されているような、冷却水槽、第1、2のニップロールおよび巻取機を備えた装置を使用した。なお、ダイスは80mmフラットダイとした。
樹脂材料:PP(ポリプロピレン、FH3500 チッソ製発泡グレード)を使用した。
発泡剤:窒素ガス(N2)。
成形条件:超臨界流体の圧力、溶融樹脂の押出量、樹脂温度、冷却水温度等の成形条件は、図4の表の実施例1の箇所に示す通りで行った。
結果:上記条件で成形した微細発泡シートの断面を、走査型電子顕微鏡(日立製作所製 S−200型)により撮影した。その写真を図5の(ア)に示す。また、写真から平均セル径を算出した。密度、発泡倍率、セル径等の成形結果を図4の表に記す。
「実施例2」実施例1と同じ装置を使用し、ダイスは350mmTダイを用いた。樹脂材料はPBT(ポリブチレンテレフタレート)に変えて行った。樹脂温度が高く、冷却を効かすため巻き取り速度を11m/minから5m/minに下げて行った。その他の成形条件は、図4の表に示す通りで行った。
結果:発泡セル径については流れ方向直角断面では15μmと小さな径の発泡シートとなった。フェレ径については、第1のニップロールと第2のニップロールの回転数を同一にしたが、Tダイリップ部での溶融樹脂の流速と第1のニップロールの回転速度との関係からシートは延伸されて、流れ方向断面のセル形状は楕円となり、アスペクト比は1.8であった。この断面写真を図5の(イ)に示す。また、シート厚さ、密度、発泡倍率、平均セル径等の成形結果を図4の表に記す。
「実施例3」実施例2の装置を使用して行った。第1のニップロールと第2のニップロールの回転数を変え、すなわち第1のニップロールの回転速度を5m/min、第2のニップロールの回転速度を6m/minにしてテストした。その他の成形条件は、図4の表に示す通りで行った。
結果:第1、2のニップロール間でも延伸され、アスペクト比は1.8から2.0へと大きくなった。流れ方向直角断面の平均セル径も、巻き取り速度が6m/minと速くなった分だけ冷却時間が短くなり発泡平均セル径は15μmから17μmと大きくなった。この断面写真を図5の(ウ)に示す。
「比較例1」冷却水槽で冷却しなかった点以外は、実施例1と同じ条件でテストした。その断面写真を図5の(エ)に示す。また、密度、発泡倍率、セル径等の成形結果を図4の表に記す。
結果:冷却水槽により水冷しなかったので、周りの雰囲気温度のみにより冷却され、その結果図5の(エ)に示されているように、セル径が大きく特にシートの厚さ方向の中央部の温度降下が小さく、セルが大きく成長した。
「比較例2」装置、樹脂材料および発泡剤は、実施例1と同じで、成形条件も表4に示すようにほぼ同じ条件でテストした。
なお、冷却水槽による冷却は行わず、ダイス直下に設けたノズルから−28℃のコールドエアを吹き付けて冷却した。その断面写真を図5の(オ)に示す。また、密度、発泡倍率、セル径等の成形結果を図4の表に記す。
結果:図5の(オ)の断面写真に示されているように、−28℃という極低温のコールドエアを吹き付けたにも拘わらず、平均セル径がやや大きくなった。これは、冷却時間が水中冷却に比較して極わずかであることに起因すると思われる。表層のスキン層についてはロール側ではやや厚くなっているのが見受けられる。
上記実施例および比較例から、シートを冷却水に浸漬させ、あるいはコールドエアにより冷却すると、スキン層がいち早く形成されてガス抜けが防止され、セル密度が高く、平均セル径も35〜38μmと微細であり、かつセル径も均一な微細発泡シートが得られることがわかる。これに対し、比較例1のように樹脂温度が高い状態から徐々に冷却すると、ガス抜けもあり、セル密度が小さく、シート内部の発泡セルの成長を抑えることができず、不均一で大きなセルの発泡シートとなることがわかる。
さらには、実施例2と3から、第1、2のニップロールの回転数を変えて、また巻き取り速度を上げて、さらに延伸すると、延伸をかけた分だけアスペクト比は大きくなることがわかる。これにより、第1、2のニップロールの回転数あるいは回転速度を調整することにより目的にあった任意のアスペクト比が得られることが判明した。
本発明に係る微細発泡シートの成形装置の実施の形態を模式的に示す側面図である。 本発明に係る微細発泡シートの成形装置の実施の形態の冷却水槽の部分を拡大して詳細に示す側面図である。 漏斗状冷却水受の実施の形態を示す側面図である。 実施例1〜3と比較例1、2についての成形条件と成形結果とを示す表である。 シート断面の走査型電子顕微鏡写真で、その(ア)は実施例1の、その(イ)は実施例2の、その(ウ)は実施例3の、その(エ)は比較例1の、そしてその(オ)は比較例2の写真である。
符号の説明
1 押出機 6 ガスボンベ
7 超臨界流体製造装置 10 Tダイ
11 第1のニップロール 12 第2のニップロール
13 冷却水槽 14a 第1の浸漬ガイドローラ
14b 第2の浸漬ガイドローラ 22 漏斗状冷却水受 23 チラー水またはコールドエアー噴射ノズル
S シート

Claims (12)

  1. 超臨界状態の不活性流体が混練・分散された溶融樹脂を、Tダイから大気中にシート状に所定量宛押し出して発泡させて発泡シートを連続的に得る、発泡シートの成形方法において、
    前記Tダイから大気中に押し出されるシートを、第1のニップロールの回転数と間隔とを調整して、延伸すると共にシート厚さと表面精度とを整える第1の処理工程と、
    前記第1の処理工程で処理されたシートを、前記第1のニップロールの下方に設けられた冷却水槽内の水面下に滞留させる冷却時間を調整して、シート表面でのスキン層の形成を確保しシート内部での発泡セルの成長を制御する第2の処理工程とからなる、微細発泡シートの成形方法。
  2. 超臨界状態の不活性流体が混練・分散された溶融樹脂を、Tダイから大気中にシート状に所定量宛押し出して発泡させて発泡シートを連続的に得る、発泡シートの成形方法において、
    前記Tダイから大気中に押し出されるシートを、第1のニップロールの回転数と間隔とを調整して、延伸すると共にシート厚さと表面精度とを整える第1の処理工程と、
    前記第1の処理工程で処理されたシートを、前記第1のニップロールの下方に設けられた冷却水槽内の水面下に滞留させる冷却時間を調整して、シート表面でのスキン層の形成を確保しシート内部での発泡セルの成長を制御する第2の処理工程と、
    前記第2の処理工程で処理されたシートを、前記第1のニップロールと、該第1のニップロールと所定の間隔をおいて設けられている第2のニップロールとによって、前記第1、2のニップロールの各々の回転数と各々の間隔とを調整して、さらに延伸すると共にシート厚さと表面精度とを調整する第3の処理工程とからなる、微細発泡シートの成形方法。
  3. 請求項1に記載の成形方法において、冷却過程で延伸することにより、シート内部の発泡セルの流れ方向のアスペクト比も調整する、微細発泡シートの成形方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかの項に記載の成形方法において、前記Tダイの先端部と前記第1のニップルロール及び冷却水槽の冷却水水面との間隔を調節して、前記Tダイから大気中に押し出されるシートの空冷時間と、前記押し出し時から前記冷却水に浸漬されるまでの冷却時間を調整し発泡セルの大きさを制御する、微細発泡シートの成形方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかの項に記載の成形方法において、前記冷却水槽内の冷却水の水温を10〜25℃の範囲に保つと共に、前記冷却水槽内の水面下に設けられている複数本の浸漬ガイドローラの選択により、シートの前記冷却水槽内の水面下における滞留距離を調節し、それによってシートの前記冷却水槽内の水面下における冷却時間を調整し発泡セルの大きさを制御する、微細発泡シートの成形方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかの項に記載の成形方法において、前記Tダイから大気中に押し出される移動中のシートを、前記第1のニップロールに達する前に、チラー水またはコールドエアにより急冷却し発泡セルの大きさを制御する、微細発泡シートの成形方法。
  7. 超臨界状態の不活性流体が混練・分散された溶融樹脂を押し出す押出機と、該押出機のTダイの下方に配置されている第1のニップロールと、該第1のニップロールの下方に配置されている冷却水槽と、前記第1のニップロールと所定の間隔をおいて設けられている第2のニップロールとからなり、
    前記Tダイから押し出される発泡シートが、前記第1のニップロール、前記冷却水槽の水中、前記第2のニップロールへと送られ、そして巻取機により製品として連続的に巻き取られるようになっている発泡シートの成形装置であって、
    前記第1、2のニップロールは、前記冷却水槽に、少なくとも前記第2のニップロールは位置調節自在に取り付けられており、
    前記第1のニップロールは、その回転数とその間隔とが制御されるようになっていると共に、
    前記冷却水槽の水面下には、前記第1のニップロールを通過したシートが選択的に案内される複数個の浸漬ガイドローラが所定の間隔をおいて設けられていることを特徴とする、微細発泡シートの成形装置。
  8. 超臨界状態の不活性流体が混練・分散された溶融樹脂を押し出す押出機と、該押出機のTダイの下方に配置されている第1のニップロールと、該第1のニップロールの下方に配置されている冷却水槽と、前記第1のニップロールと所定の間隔をおいて設けられている第2のニップロールとからなり、
    前記Tダイから押し出される発泡シートが、前記第1のニップロール、前記冷却水槽の水中、前記第2のニップロールへと送られ、そして巻取機により製品として連続的に巻き取られるようになっている発泡シートの成形装置であって、
    前記第1、2のニップロールは、前記冷却水槽に、少なくとも前記第2のニップロールは位置調節自在に取り付けられており、
    前記第1のニップロールは、その回転数とその間隔とが各々独立して制御されるようになっていると共に、
    前記冷却水槽の水面下には、前記第1のニップロールを通過したシートが選択的に案内される複数個の浸漬ガイドローラが所定の間隔をおいて設けられ、
    前記第2のニップロールも、その回転数とその間隔とが制御されるようになっていることを特徴とする、微細発泡シートの成形装置。
  9. 請求項7または8に記載の発泡シートの成形装置において、前記第1のニップロールが内部から冷却水により冷却されるようになっている、微細発泡シートの成形装置。
  10. 請求項7〜9のいずれかの項に記載の発泡シートの成形装置において、前記第2のニップロールは、前記冷却水槽の水面から出るシートを案内すると共に、前記複数個の浸漬ガイドローラに対応してシートの流れ方向に移動可能である、微細発泡シートの成形装置。
  11. 請求項7〜10のいずれかの項に記載の発泡シートの成形装置において、前記冷却水槽内の冷却水の温度は温調機により10〜25℃に保たれるようになっていると共に、前記第1のニップロールと前記押出機のTダイの先端部との間隔が前記冷却水槽の高さを上下させることで調節自在になっている、微細発泡シートの成形装置。
  12. 請求項7〜11のいずれかの項に記載の発泡シートの成形装置において、前記Tダイの先端部と前記第1のニップロールとの間には漏斗状の冷却水受とチラー水噴射ノズルとが設けられ、またはコールドエア噴射ノズルが設けられ、前記Tダイから大気中に押し出されるシートは、前記冷却水槽の水面に達する前に前記噴射ノズルから噴射されるチラー水、またはコールドエアにより急冷却される、微細発泡シートの成形装置。
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