JP2008188812A - 紙積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】
その目的は、環境への負荷を低減し、さらには省資源、循環型社会へ近づけるバイオマス樹脂を含む層の加工性がよく、また紙絞りトレーや紙カップなどの紙容器の製造では従来設備で製造できる紙積層体を提供する。
【解決手段】
紙基材21にバイオマス樹脂と合成樹脂の混練物からなる樹脂層23を有し、好ましくは前記合成樹脂がエチレン−不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体、酸変性ポリオレフィン、アイオノマーのいずれか又はその組み合わせであり、前記バイオマス樹脂がポリ乳酸系樹脂であり、バイオマス樹脂と合成樹脂の配合割合が質量基準で50〜75:50〜25であり、上記樹脂層23が樹脂温度230〜270℃で押出ラミネション法で紙基材21へ積層されてなり、厚さが20〜100μmであることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、紙積層体に関し、さらに詳しくは、環境への負荷を低減し、さらには省資源、循環型社会、地球温暖化防止、農業の活性化などのために、バイオマス樹脂を用いた紙積層体に関するものである。
本明細書において、配合を示す「比」、「部」、「%」などは特に断わらない限り質量基準であり、「/」印は一体的に積層されていることを示す。また、「バイオマス」は「生物由来」、「バイオマス樹脂」は「植物由来の樹脂」、「LDPE」は「低密度ポリエチレン」、「EMAA」は「エチレン−メタクリル酸共重合体」、「PEI」は「ポリエチレンイミン」、「PET」は「2軸延伸ポリエチレンテレフタレート」、「ON」は「2軸延伸ポリアミド」の略語、機能的表現、通称、又は業界用語である。
(主なる用途)本発明の紙積層体から製造されてなる紙カップや紙絞りトレーなどの紙容器の主なる用途としては、ジュース、清涼飲料及びアルコールなどの飲料、アイスクリーム、冷菓及びヨーグルトなどの液状、粘調状、固形分を含む液状食品の容器などで、環境への負荷を低減し、さらには省資源、循環型社会、地球温暖化防止、農業の活性化なども標榜したものである。しかしながら、環境への負荷を低減し、さらには省資源、循環型社会、地球温暖化防止、農業の活性化などを必要とする用途であれば、特に限定されるものではない。
(背景技術)液状、粘調状、固形分を含む液状食品の容器などの用いる紙容器は、防水性を要し、紙容器の内面に樹脂層、通常ポリエチレンやワックスが積層されている。紙カップは通常1回限りの使い捨て廃棄されるので、ゴミの量が増し、殆ど分解されないので残留し、環境への負荷が大きい、また投棄された樹脂類により、景観が損なわれ、生物系の生活環境が破壊されるなどの問題もある。そこで、生物資源を利用したバイオマス材料の使用が好ましい。本明細書では特に植物由来の樹脂をバイオマス樹脂と呼称する。該バイオマス樹脂であれば、使用後に焼却されても炭酸ガスを経て植物へ、また、コンポスト処理などを経て再び植物へ、該植物からバイオマス樹脂へと循環型社会へ近づき、炭酸ガスの排出を抑制し地球温暖化防止、農業の活性化などにも効果的であり、石油資源を使用しないので省資源でもある。従って、バイオマス樹脂を用いた紙積層体としては、環境への負荷を低減し、さらには省資源、循環型社会へ近づくバイオマス樹脂を用いても、該バイオマス樹脂を含む層の成膜加工適性がよく積層体とすることができ、また紙カップや紙絞りトレーなどの紙容器の製造では従来設備で、容易に低コストで、大量製造できることが求められている。
(先行技術)従来、バイオマス樹脂の1つである生分解性材料として、ポリ乳酸又はその誘導体のみを用いた生分解性複合材料が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、生分解性複合材料自身に関するものであり、生分解性複合材料の製造は塗布して熱プレスで大量量産には不向きであり、また、生分解性複合材料を容器などの実使用形態への加工方法については記載も示唆もされていない。
また、乳酸系樹脂(成分(A))及びエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(成分(B))、並びに/又は、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー成分(C))を含んでなる乳酸系樹脂組成物を含んでなる層と紙層を含んで構成される紙積層体が知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、紙基材へより高速で樹脂層を押出ラミネション法で積層する際に未だ不足であるという欠点がある。
特開平4−334448号公報 特開2004−2773号公報
そこで、本発明は上記のような問題点を解消するために、本発明者らは鋭意研究を進め、本発明の完成に至ったものである。その目的は、環境への負荷を低減し、さらには省資源、循環型社会へ近づくバイオマス樹脂を用いても、該バイオマス樹脂を含む層の加工性がよくより高速で積層体とすることができ、また紙カップや紙絞りトレーなどの製造では、従来設備で、容易に製造できる紙積層体を提供することである。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係わる紙積層体は、紙基材と、該紙基材の少なくとも片面にバイオマス樹脂を含む樹脂層を有する積層体において、前記樹脂層がバイオマス樹脂と合成樹脂の混練物であるように、したものである。
請求項2の発明に係わる紙積層体は、前記合成樹脂がエチレン−不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体、酸変性ポリオレフィン、アイオノマーのいずれか又はその組み合わせであるように、したものである。
請求項3の発明に係わる紙積層体は、上記バイオマス樹脂がポリ乳酸系樹脂であるように、したものである。
請求項4の発明に係わる紙積層体は、バイオマス樹脂と合成樹脂の配合割合が質量基準で50〜75:50〜25であるように、したものである。
請求項5の発明に係わる紙積層体は、上記樹脂層が押出ラミネション法で紙基材へ積層されてなるように、したものである。
請求項6の発明に係わる紙積層体は、押出しラミネーション法の温度条件が、樹脂温度230〜270℃であるように、したものである。
請求項7の発明に係わる紙積層体は、押出しの厚さが20〜100μmであるように、したものである。
請求項8の発明に係わる紙積層体は、上記紙基材がクラフトパルプと、ロジン及び/又はアルキルケテンダイマーのサイズ剤を含み、配合割合が質量基準でクラフトパルプ:サイズ剤=100:0.15〜1.5であるように、したものである。
請求項1の本発明によれば、環境への負荷を低減し、さらには省資源、循環型社会へ近づくバイオマス樹脂を用いても、該バイオマス樹脂を含む層の成膜加工適性がよく積層体とすることができ、また紙カップや紙絞りトレーなどの紙容器の製造では従来設備で、容易に低コストで、大量製造できる紙積層体が提供される。
請求項2の本発明によれば、請求項1の効果に加えて、成膜加工適性がよりよい積層体とすることができる紙積層体が提供される。
請求項3の本発明によれば、請求項1〜2の効果に加えて、環境への負荷をより低減できる紙積層体が提供される。
請求項4の本発明によれば、請求項1〜3の効果に加えて、環境への負荷をより低減でき成膜加工適性がよりよい積層体とすることができる紙積層体が提供される。
請求項5の本発明によれば、請求項1〜4の効果に加えて、バイオマス樹脂を含む層の成膜加工をより高速でより効率よく積層することができる紙積層体が提供される。
請求項6の本発明によれば、請求項1〜5の効果に加えて、さらに成膜加工適性がよりよい積層体とすることができる紙積層体が提供される。
請求項7の本発明によれば、請求項1〜6の効果に加えて、さらに成膜加工適性がよりよい積層体とすることができる紙積層体が提供される。
請求項8の本発明によれば、請求項1〜7の効果に加えて、より強度があり、耐水性の紙カップや紙絞りトレーなどが製造できる紙積層体が提供される。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1は、本発明の1実施例を示す紙積層体の断面図である。
図2は、本発明の1実施例を示す紙カップの斜視図である。
図3は、図1のAA‘断面図である。
図4は、図1のBB‘断面図である。
図5は、本発明の1実施例を示す紙絞りトレーの断面及び平面図である。
図6は、本発明の1実施例を示す紙容器の斜視図である。
本発明の紙積層体20は、紙基材21の少なくとも片面にバイオマス樹脂を含む樹脂層23を有し、前記樹脂層がバイオマス樹脂と合成樹脂の混練物であり、紙基材21/樹脂層23、又は樹脂層23/紙基材21/樹脂層23の層構成である。また、好ましくは、前記合成樹脂がエチレン−不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体、酸変性ポリオレフィン、アイオノマーのいずれか又はその組み合わせであり、前記バイオマス樹脂がポリ乳酸系樹脂であり、バイオマス樹脂と合成樹脂の配合割合が質量基準で50〜75:50〜25であり、上記樹脂層が押出ラミネション法で紙基材へ積層されてなり、押出しラミネーション法の温度条件が、樹脂温度230〜270℃であり、押出しの厚さが20〜100μmであり、さらに、紙基材21がクラフトパルプと、ロジン及び/又はアルキルケテンダイマーのサイズ剤を含み、配合割合が質量基準でクラフトパルプ:サイズ剤=100:0.15〜1.5とする。
(紙基材)紙基材としては、具体的には、賦型性、耐屈曲性、剛性等を持たせるものであり、例えば、晒または未晒の紙、板紙、加工紙等の紙基材などがあるが、伸縮性があり紙カップ製造適性のよいカップ原紙などが例示できる。また、該紙基材には各種の添加剤など含有していてもよい。紙基材としては、坪量約80〜600g/m2位のもの、好ましくは、坪量約100〜450g/m2位のものを使用することが望ましい。
紙基材としては、クラフトパルプと、ロジン及び/又はアルキルケテンダイマーのサイズ剤を含みことが、紙カップに強度を与え、高サイズ度で好ましく、内容物などが滲み込みにくい点で好ましい。その配合割合は質量基準でクラフトパルプ:サイズ剤=100:0.15〜1.5程度である、この範囲未満ではサイズ度が不足し内容物などが滲み込みやすく、この範囲を超えるとサイズ度が高過ぎてバイオマス樹脂を含む樹脂層との接着性が低下する。
(樹脂層)樹脂層としてはバイオマス樹脂と合成樹脂の混練物からなる樹脂組成物でり、特に指定はないが、質量基準でバイオマス樹脂:他の樹脂=10〜90:90〜10程度が好ましく、さらに好ましくは50〜75:50〜25である。合成樹脂成分としては特に限定されないが、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、該ポリオレフィン系樹脂としてはLDPE、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体やカルボン酸をグラフト重合した酸変性ポリオレフィン、アイオノマーなどが混練性のよい点で好ましい。また、樹脂層を構成するバイオマス樹脂と合成樹脂からなる樹脂組成物に加えて、着色剤、顔料、体質顔料、充填剤、滑剤、可塑剤、界面活性剤、増量剤などの添加剤を加えてもよい。
(バイオマス樹脂)バイオマス樹脂としては、澱粉、ポリ乳酸系樹脂、微生物産生ポリエステル、脂肪族又は芳香族ポリエステルなどがある。バイオマス樹脂には生分解するもの、生分解しないものなどがあるが、いずれでもよく、好ましくは生分解性の樹脂であり、特に好ましくは生分解性や強度の点でポリ乳酸系樹脂である。
(ポリ乳酸系樹脂)ポリ乳酸系樹脂とは、モノマーの質量に換算して、乳酸成分を50重量%以上含めばよく、例えば、ポリ乳酸、乳酸と他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸との共重合体、乳酸と脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸との共重合体、前記いずれかの組み合わせによる混合物などが例示できる。乳酸としては、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸又はそれらの混合物、又は、乳酸の環状2量体であるラクタイドなどがある。具体的には、三井化学社により製造されるポリ乳酸樹脂「レイシア」(商品名)が例示でき、その銘柄としては、例えば、H−100、H−400、H−440、H−360、H−280、100J、H−100E、M−151S Q04、M151S Q52などがある。
(合成樹脂)バイオマス樹脂に混合する合成樹脂としては限定されないが、ヒートシール性のあるポリオレフィン系樹脂、又はその変性体が好ましい。例えば、LDPE、L―LDPE、PP、PS、オレフィンと他のモノマーとの共重合体であるエチレン−不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体、酸変性ポリオレフィン、アイオノマーが含まれるが、その中で、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体、酸変性ポリオレフィン、アイオノマーのいずれか又はその組み合わせがより好ましい。それぞれの詳細について以下に記す。
(エチレンー不飽和カルボン酸共重合体)エチレン−不飽和カルボン酸共重合体としては、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)があり、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体中の不飽和カルボン酸単位含有量としては、2〜25重量%、特に5〜20重量%が好ましい。
(エチレンー不飽和カルボン酸エステル共重合体)エチレン−不飽和カルボン酸共重合体としては、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)などがある。
(酸変性ポリオレフィン)酸変性ポリオレフィンとしてはポリエチレン若しくはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂などがある。
(アイオノマー)アイオノマーとしては、側鎖イオン基が存在するもの、両末端のカルボン酸基が金属イオンで中和したもの、主鎖に陽イオンに陰イオンが結合したものなどがあるが、特に限定されない。例えば、エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体アイオノマー、プロピレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー、プロピレン−アクリル酸共重合体アイオノマー、ブチレン−アクリル酸共重合体アイオノマー、エチレン−ビニルスルホン酸共重合体アイオノマーなどが例示でき、1種のみ又は必要に応じて2種以上を混合して用いてもよい。
アイオノマー中の不飽和カルボン酸単位含有量としては、2〜25重量%、特に5〜20重量%が好ましく、さらに好ましくは、エチレン−メタアクリル酸共重合体アイオノマーである。
(配合比)樹脂層23の配合割合としては、質量基準でバイオマス樹脂:他の樹脂=10〜90:90〜10程度が好ましく、さらに好ましくは50〜75:50〜25である。この範囲未満では環境負荷の低減、省資源、循環型社会の形成に効果が少なく、この範囲を越えると積層体への加工時に加工適性が悪く均一な膜が得られず、また、紙への接着力も弱い。
樹脂層23の、JIS K−7210に準拠して、190℃、2160g荷重の条件において測定したメルトフローレート(MFR)としては、0.5〜20g/10分程度、好ましくは1〜15g/10分、さらに好ましくは4〜6g/10分である。この範囲未満ではEC加工時に加工適性が悪く、Tダイスから出た樹脂の流れが悪く、膜切れもしやすく、この範囲を越えるとTダイスから出た樹脂の流れが早過ぎて乱れたり、厚薄ムラが大きく、均一な膜が得られない。
(配合方法)バイオマス樹脂と合成樹脂(混合樹脂ともいう)とを配合し混練して樹脂組成物とする方法としては、特に限定されないが、例えば、1軸或いは多軸の押出し機、ミキサーなどの公知の方法でよく、溶融混錬が好ましい。
(EC)混練された樹脂組成物を押出ラミネション法で樹脂層とし、紙基材へ積層する。押出ラミネーション法は、所謂、当業者がエクストルージョンコーティング(EC)と呼ぶ方法である。まず、押出機で、押出樹脂を加熱し溶融させて、Tダイスで必要な幅方向に拡大伸張させてカーテン状に押し出す。該溶融樹脂を紙基材へ流下させて、ゴムロールと冷却した金属ロールとで挟持することで、押出樹脂層の形成と、基材フィルムへの接着と積層が同時に行われ、またロールツーロールの巻取状で加工ができ極めて生産効率がよい方法である。しかしながら、バイオマス樹脂、特にポリ乳酸系樹脂は溶融時の張力が低く、押出ラミネーション法ではTダイスから出た樹脂のネックインが大きく、特に両端部が厚くなり巻取りにくくなり、さらに樹脂層の厚薄ムラが大きく、また膜切れもしやすいので薄膜の樹脂層は成膜し難くかった。EC方式を用いて、押出機でバイオマス樹脂を含む押出樹脂を加熱し溶融させTダイスからカーテン状に押し出す際の、該溶融樹脂の温度は180〜300℃程度、好ましくは210〜280℃、さらに好ましくは230〜270℃程度である。この範囲未満ではTダイスから出た樹脂のネックインが大きく、特に両端部が厚くなり巻取りにくくなり、さらに樹脂層の厚薄ムラが大きく、また膜切れもしやすい。また、この範囲を超えては樹脂の分解温度に近づくので、Tダイスから出た樹脂の流れが乱れたり、着色したりする。
成膜と積層体が同時にできるEC方式では、高速加工が低コスト化できるメリットであり、紙基材へより80m/分以上、好ましくは100m/分以上、より好ましくは120m/分以上の高速で樹脂層を押出ラミネション法で積層することができる。また、1回のEC法での樹脂層23の厚さとしては、20〜100μm程度である。この範囲未満では、EC加工時にTダイスから流下した樹脂の樹脂温度が低下しやすく、また熱容量が少なく紙基材との接着性が悪く、この範囲を越えると紙基材との接着性は良くなるが、Tダイスから出た樹脂の溶融粘度が高いためか、膜切れしやすく、EC加工性が著しく低下する。厚さが必要な場合には、複数回のEC加工を繰り返せばよい。
本発明では、押出樹脂として、前述のバイオマス樹脂を含む樹脂層組成物を用いることで、幅方向の厚薄ムラが少なく、既存の従来設備で、ロールツーロールの巻取状で加工ができ極めて生産効率がよく容易に、大量生産ができる。押出ラミネーションでのバイオマス樹脂を含む樹脂層の厚さは、5〜200μm程度、さらに好ましくは20〜100μmである。この範囲未満ではシール強度が不足し液漏れなどが発生しやすく、この範囲を越えると性能が過剰となって無駄である。
(AC)なお、押出樹脂を、紙基材へ強固に接着させるために、通常、アンカーコート剤(AC剤)と呼ぶ接着促進剤などを塗布してもよく、また、アンカーコート剤の代わりに、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、オゾンガス処理などの易接着処理を施しても良い。アンカーコート剤としては、例えば、アルキルチタネートなどの有機チタン系アンカーコート剤、イソシアネート系アンカーコート剤、ポリエチレンイミン系アンカーコート剤、ポリブタジエン系アンカーコート剤、ポリウレタン系アンカーコート剤などがある。該アンカーコート剤は、ロールコート、グラビアコートなどの公知のコーティング法で塗布し乾燥すれば良い。該アンカーコート剤の厚さは、通常、0.01〜10.0μm程度、好ましくは、0.1〜5.0μmである。
このように押出ラミネション法で積層した、紙基材の少なくとも片面にイオマス樹脂を含む樹脂層を有する積層体は、使用後コンポスト処理などを経て再び植物へ、該植物からバイオマス樹脂へと循環型社会へ近づき、炭酸ガスの排出を抑制し地球温暖化防止、農業の活性化などにも効果的である。また、石油資源を使用しないか、又は少ない使用量で済むので省資源でもある。
(PEI、PLA)紙基材21にはポリエチレンイミン(PEI)やポリ乳酸系樹脂を含有させてもよく、含有方法としては、紙基材へ抄き込んだり、塗布すればよく、好ましくはポリエチレンイミン(PEI)である。紙基材面へ塗布する方法としては、水、アルコール又は/及び有機溶媒などの溶液として、紙基材への含浸、スタンプコーティング、ロールコーティング、スプレーコーティングなどで塗布し乾燥させればよい。含有は熱接着する部分が必須で、もちろん全面でもよい。このようにすることで、円錐台形に打ち抜いたブランク(胴部材)を樹脂層を内側に筒状に巻いて、その側端部を部分的に重ね合せてシールして筒状の胴を形成する際に、バイオマス樹脂を含む樹脂層面と紙基材面との異質材料のシールでも接着性が向上し、より低い条件でも充分な接着性が得られるようになる。ポリエチレンイミン(PEI)の塗布量としては、通常0.001g/m2〜5g/m2程度、好ましくは0.01g/m2〜1g/m2である。この範囲未満では接着性向上の効果が低く、この範囲を超えても、効果が飽和して無駄である。
本発明の紙積層体20を用いて、紙カップ10や紙絞りトレー、液体紙容器等ヒートシールを用いて製函する紙容器に好適に使用できる。
(紙カップ製造)紙カップの製造する際の製造方法としては公知の製造方法でよく、(1)胴部材41を準備し、(2)底部材43を準備し、(3)胴部材41を円錐台形に打ち抜いて胴部ブランクとし、(4)底部材43を円形に打ち抜いて底材ブランクとし、(5)胴部ブランク板を樹脂層23を内側に筒状に巻いて、その側端部を部分的に重ね合せて胴貼部分31とし、該胴貼部分31を加熱処理を行い押圧して筒状の胴部11とし、(6)該筒状の胴部11の底端部へ、底板ブランクの外周を筒状に起立成形させて起立成形部33とした底部材を挿入し、底部材が挿入された胴部の底端部とを、その接合する部分へ熱風などを吹き付けて、その接合する部分に存在する樹脂層23を加熱溶融し、次いで、カール用型により筒状のカップ胴部の先端部を内方に折り曲げて、上記の底部を構成する起立形成部33にかぶせて、上記の筒状のカップ胴部の先端部と底部の起立成形部33との胴貼部分を内径側からローレットによりローレットがけすることにより、カップ胴部11と底部13とを密接着させて接合部をシールし、(7)胴部11の上端部を外側にカールしてカール15とする。シール方式としては、通常ホットエアー方式が用いられるが、その他一般的に用いられる方法を使用しても良い。
(紙絞りトレー)本発明の紙積層体20を用いた紙絞りトレー110は、図5に示すように、公知の方法で絞り成形してなり、上部が開口し、底面111と該底面111から側壁面113を経て開口部周縁に外向きのフランジ部115を備え、角部117は罫線で折り畳まれてフランジ部へ立ち上がり、トレー状、皿状となっている。図5では長方形であるが、三角形などの多角形、円形、楕円形など任意でよく、深さやフランジ形状も用途に応じて任意でよい。また、該紙絞りトレーを単独で使用しても、また、図示していないが、蓋材を紙絞りトレー110の上部を覆い、フランジ部115へヒートシールして密閉し包装体として使用してもよい。
(紙容器)本発明の紙積層体20を用いた紙容器は公知の方法で成形してなり、図6に示すように、該紙容器の形状は特に限定はされず、例えば、ゲーベルトップタイプ121やブリックタイプ123などの箱型紙容器のほか、円筒状または角筒状の紙容器であってもよい。紙容器120用の紙積層体20としては、少なくとも、製函するヒートシール層にバイオマス樹脂を含む樹脂層23を有していればよく、前記樹脂層がバイオマス樹脂と合成樹脂の混練物であり、また、好ましくは、前記合成樹脂がエチレン−不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体、酸変性ポリオレフィン、アイオノマーのいずれか又はその組み合わせであり、前記バイオマス樹脂がポリ乳酸系樹脂であり、バイオマス樹脂と合成樹脂の配合割合が質量基準で50〜75:50〜25である。
また、層間及び/又は層表面に、必要に応じて、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化錫、酸化マグネシウムなどの無機化合物層、金属蒸着層、金属箔などのガスバリア層、耐熱性及び/又は機械的強度に優れたPETフィルムやONフィルムなどのプラスチックフィルム層などの保護層を任意に積層してもよく、また、層構成へは接着力やその他の機能を向上させるための、接着層、プライマ層、コロナ処理などの易接着のための層及び/又は処理をしてもよい。ガスバリヤ層、保護層、プライマ層などの積層方法としては、公知の方法でよく、例えば、2液硬化型ポリウレタン系接着剤などを用いたドライラミネート法、アンカーコート剤を介して押出しコート法やサンドイッチラミネート法などが例示できる。
該紙容器は、胴部などの接合部において、特に紙容器の内側に紙の端面が露出する場合は、スカイブ・ヘミング、ヘミング、テープ貼りなどの公知の端面処理方法を用いて、紙の端面を隠し、耐水性や密封性を向上させてもよい。また、該紙容器の天部、底部及び/又は胴部の外側接合部に紙の端面が露出していてもよく、もちろん、必要に応じて適宜、スカイブ・ヘミングやヘミング等の処理方法を用いて、紙の端面を隠し、耐水性や密封性を向上させてもよい。また、紙容器には、内容物の取出口として、蓋材や、プルタブ形式の開封機構などを容器の形状に応じて適宜に設けることができる。更には、紙容器にレーザー光照射や機械的手段による開封用のハーフカット線もしくはハーフカットのミシン目線などを設けて取り出し口を形成してもよい。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。
(実施例1)紙基材21としては、クラフトパルプと、ロジンとアルキルケテンダイマーのサイズ剤をクラフトパルプ100質量部に対して0.25質量部を含む坪量260g/m2のカップ原紙を用いた。樹脂層23とを形成する樹脂層組成物としては、レイシアH−100(三井化学社製、ポリ乳酸商品名)60質量部に、ハイミラン1652(三井ポリケミカル社製、アイオノマー商品名)40質量部を加えて加熱混練したもの(MFR3.5g/10分)を用いた。
上記の紙基材21の片面へインラインでコロナ処理を施しながら、上記の樹脂層組成物をEC法(押出ラミネーション法)で厚さ30μmの樹脂層を形成して、紙基材21/樹脂層23からなる実施例1の紙積層体20を得た。
ECは、乾燥し樹脂層組成物を90mm径押出し機で加熱溶融し、Tダイからカーテン状に拡張し樹脂温度245℃で、引取り速度80m/分で、幅1200mmの紙基材をインラインでコロナ処理を施しながら積層したが、カーテン状に拡張した溶融樹脂は波打ちや耳ゆれもなく、ネックイン(樹脂の流れの狭まり)も安定しており問題なく高速でEC加工ができた。
(実施例2)紙基材21としては、クラフトパルプと、ロジンとアルキルケテンダイマーのサイズ剤をクラフトパルプ100質量部に対して0.25質量部を含む坪量260g/m2のカップ原紙を用いた。樹脂層組成物としては、レイシアH−100(三井化学社製、ポリ乳酸商品名)75質量部に、ハイミラン1652(三井ポリケミカル社製、アイオノマー商品名)25質量部を加えて加熱混練したもの(MFR5.0g/10分)を用いる以外は、実施例1と同様にして、厚さ30μmの樹脂層を形成して、紙基材21/樹脂層23からなる実施例2の紙積層体20を得た。
ECは、乾燥し樹脂層組成物を90mm径押出し機で加熱溶融し、Tダイからカーテン状に拡張し樹脂温度245℃で、引取り速度120m/分で、幅1200mmの紙基材をインラインでコロナ処理を施しながら積層したが、カーテン状に拡張した溶融樹脂は波打ちや耳ゆれもなく、ネックインも安定しており問題なく高速でEC加工ができた。
(実施例3)紙基材21としては、クラフトパルプと、ロジンとアルキルケテンダイマーのサイズ剤をクラフトパルプ100質量部に対して0.25質量部を含む坪量260g/m2のカップ原紙を用いた。樹脂層組成物としては、レイシアH−100(三井化学社製、ポリ乳酸商品名)80質量部に、ハイミラン1652(三井ポリケミカル社製、アイオノマー商品名)20質量部を加えて加熱混練したもの(MFR6.0g/10分)を用いる以外は、実施例1と同様にして、厚さ30μmの樹脂層を形成して、紙基材21/樹脂層23からなる実施例3の紙積層体20を得た。
ECは、乾燥し樹脂層組成物を90mm径押出し機で加熱溶融し、Tダイからカーテン状に拡張し樹脂温度245℃で、引取り速度120m/分で、幅1200mmの紙基材をインラインでコロナ処理を施しながら積層したが、カーテン状に拡張した溶融樹脂は波打ちや耳ゆれもなく、ネックインも安定しており問題なく高速でEC加工ができた。しかしながら、紙基材と樹脂層とを剥離した際の紙ムケは僅かで、接着力は充分でなかった。
(実施例4)紙基材21としては、クラフトパルプと、ロジンとアルキルケテンダイマーのサイズ剤をクラフトパルプ100質量部に対して0.25質量部を含む坪量240g/m2のカップ原紙を用い、樹脂層組成物としては、レイシアH−100(三井化学社製、ポリ乳酸商品名)30質量部に、LDPE(三井化学社製、ミラソン16P)70質量部を加えて加熱混練したもの(MFR5.2g/10分)を用いる以外は、実施例1と同様にして、厚さ30μmの樹脂層を形成して、紙基材21/樹脂層23からなる実施例4の紙積層体20を得た。
ECは、乾燥し樹脂層組成物を90mm径押出し機で加熱溶融し、Tダイからカーテン状に拡張し樹脂温度245℃で、引取り速度120m/分で、幅1200mmの紙基材をインラインでコロナ処理を施しながら積層したが、カーテン状に拡張した溶融樹脂は波打ちや耳ゆれもなく、ネックインも安定しており問題なく高速でEC加工ができた。
(実施例5)紙基材21としては、クラフトパルプと、ロジンとアルキルケテンダイマーのサイズ剤をクラフトパルプ100質量部に対して0.25質量部を含む坪量240g/m2のカップ原紙を用い、該紙基材の両面へ、順次、インラインでコロナ処理を施しながら、実施例1と同じ樹脂層組成物をEC法(押出ラミネーション法)で厚さ30μmの樹脂層を形成して、樹脂層23/紙基材21/樹脂層23からなる実施例5の紙積層体20を得た。
ECは、実施例1と同様の条件で積層し、カーテン状に拡張した溶融樹脂は波打ちや耳ゆれもなく、ネックインも安定しており問題なく高速でEC加工ができた。
該紙積層体20の紙基材21と樹脂層23との間を剥離したところ、紙剥れし接着は良好であった。
(実施例6)紙基材21としては、クラフトパルプと、ロジンとアルキルケテンダイマーのサイズ剤をクラフトパルプ100質量部に対して0.25質量部を含む坪量240g/m2のカップ原紙を用い、該紙基材の両面へ、順次、インラインでコロナ処理を施しながら、実施例2と同じ樹脂層組成物をEC法(押出ラミネーション法)で厚さ30μmの樹脂層を両面に形成して、樹脂層23/紙基材21/樹脂層23からなる実施例6の紙積層体20を得た。
ECは、実施例2と同様の条件で積層し、カーテン状に拡張した溶融樹脂は波打ちや耳ゆれもなく、ネックインも安定しており問題なくより高速でEC加工ができた。
(比較例1)紙基材21としては、クラフトパルプと、ロジンとアルキルケテンダイマーのサイズ剤をクラフトパルプ100質量部に対して0.25質量部を含む坪量240g/m2のカップ原紙を用い、樹脂層組成物としてPLA(レイシアH−100、三井化学社製、ポリ乳酸商品名)のみを乾燥して用い、90mm径押出し機で加熱溶融し、Tダイからカーテン状に拡張し樹脂温度210℃で、引取り速度120m/分で、幅1200mmの紙基材21の片面へ、インラインでコロナ処理を施しながら、EC法(押出ラミネーション法)で厚さ30μmの樹脂層を積層したが、カーテン状に拡張した溶融樹脂は波打ちや耳ゆれが激しく、ネックインも大きく高速でEC加工は不可であった。
(比較例2)紙基材21としては、クラフトパルプと、ロジンとアルキルケテンダイマーのサイズ剤をクラフトパルプ100質量部に対して0.25質量部を含む坪量240g/m2のカップ原紙を用い、樹脂層組成物としてLDPE(三井化学社製、ミラソン16P)のみを用い、90mm径押出し機で加熱溶融し、Tダイからカーテン状に拡張し樹脂温度330℃で、引取り速度120m/分で、幅1200mmの紙基材21の片面へ、インラインでコロナ処理を施しながら、EC法(押出ラミネーション法)で厚さ30μmの樹脂層を積層したが、カーテン状に拡張した溶融樹脂は波打ちや耳ゆれもなく、高速で問題なくEC加工ができた。
(評価方法)EC適性、ヒートシール強度、バイオマス度で評価した。
(試験方法)EC適性は、実施例及び比較例の説明中に記載したように、EC時のカーテン状に拡張した溶融樹脂の波打ち、耳ゆれ、ネックインの安定性を目視で観察した。問題なくEC加工できたものを合格とし◎印で、波打ち、耳ゆれやネックインなどでEC加工に支障のあったを不合格とし×印で示す。
ヒートシール強度は、実施例1、2、3,4及び比較例1、2の紙積層体20から15mm幅の2片を切り出して、2片の紙基材21面と樹脂層23面とを重ねて、温度を変えた加熱シールバーと加熱していない受け台との間で、0.3MPaで1秒間加熱加圧してヒートシールした。該2片の幅15mmの紙積層体20を剥離角度90°(Tピール)、剥離速度300mm/分で剥離するヒートシール強度を測定した。さらに、剥離面を目視で観察し、剥離部分の80〜100%紙剥けするものを「◎印」で、50〜79%紙剥けするものを「○印」で、49%以下紙剥けするものを「△印」で、紙剥けしないものを「×印」で示す。「◎印」及び「○印」は合格とし、「△印」及び「×印」は不合格とした。
なお、紙剥け現象は紙面と樹脂層面との接着がよいときに、最も弱い部分である紙基材が凝集破壊して起きる現象で、良接着の指標である。
また、バイオマス度とは樹脂層中のバイオマス樹脂の割合で、バイオマス樹脂の割合が80%以上であるものを「◎印」、50%〜79%であるものを「○印」、25%〜49%であるものを「△印」、0%〜24%であるものを「×印」で示す。
その結果を表1に示す。
Figure 2008188812
(評価結果)EC適性は実施例1〜4、及び比較例2が◎印、○印で合格であったが、比較例1では×印で不合格であった。
紙面/樹脂面のヒートシールでのヒートシール強度については、実施例1及び4では200℃以上で◎印で合格、実施例2及び比較例2では180℃以上で◎印で合格であったが、実施例3では180℃以上でも△印で、260℃でも△印のままで、合格に至らず、比較例1ではECできず評価できなかった。
なお、実施例1の積層体を用いて、樹脂層23を内側にして上下の金型で加圧する公知の紙絞り成形法で、図5の形状で短辺100mm×長辺150mm×深さ35mm×フランジ幅7mmの紙絞りトレーを成形して、紙絞りトレーを得た。
さらに、実施例2の紙積層体20を胴部材とし、実施例6の紙積層体20を底部材として用い、胴部材を円錐台形に打ち抜きブランク板とし、該ブランク板を樹脂層を内側に筒状に巻いて、その側端部を部分的に重ね合せて胴貼部分31とし、該胴貼部分を工具鋼製の所定の温度の加熱バーで2回加圧して筒状の胴を形成した。該筒状の胴部の底端部へ、底板ブランクの外周を筒状に起立成形させた底部材を挿入し、底部が挿入された胴の底端部とを、その接合する部分へ熱風などを吹き付けて、その接合する部分に存在する樹脂層を加熱溶融し、次いで、カール用型により筒状のカップ胴部の先端部を内方に折り曲げて、上記の底部を構成する起立形成部にかぶせて、上記の筒状のカップ胴部の先端部と底部の起立成形部との胴貼部分を内径側からローレットによりローレットがけすることにより、カップ胴部と底部とを密接着させて接合部をシールした。胴部の上端部を外側にカールさせることで、容量500mlの紙カップ10が得られた。
さらにまた、実施例5の積層体を用いて、公知の製造方法でゲーベルトップ形に製函して、内容量500mlの紙容器(所謂、ミルクカートン)を得た。
上記の紙絞りトレー、紙カップ及び紙容器へ、中性界面活性剤0.3%、赤インキ0.5%(漏れを見やすくするため)をを含む水を注ぎ入れて、常温で10分間放置したが漏れもなく、紙カップも着色や変形などの異常は認められなかった。また、内容物を廃棄した紙容器のシール部を破壊したところ、すべてがシール部分の50%以上が紙剥け状態と良好であった。
本発明の1実施例を示す紙積層体の断面図である。 本発明の1実施例を示す紙カップの斜視図である。 図1のAA‘断面図である。 図1のBB‘断面図である。 本発明の1実施例を示す紙絞りトレーの断面及び平面図である。 本発明の1実施例を示す紙容器の斜視図である。
符号の説明
10:紙カップ
11:胴部
13:底部
15:カール
21:紙基材
23:樹脂層
31:胴貼部分
33:起立成形部
41:胴部材
43:底部材

Claims (8)

  1. 紙基材と、該紙基材の少なくとも片面にバイオマス樹脂を含む合成樹脂層を有する積層体において、前記合成樹脂層がバイオマス樹脂と合成樹脂の混練物であることを特徴とする積層体。
  2. 前記合成樹脂がエチレン−不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体、酸変性ポリオレフィン、アイオノマーのいずれか又はその組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 上記バイオマス樹脂がポリ乳酸系樹脂であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の積層体。
  4. バイオマス樹脂と合成樹脂の配合割合が質量基準で50〜75:50〜25であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
  5. 上記樹脂層が押出ラミネション法で紙基材へ積層されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層体。
  6. 押出しラミネーション法の温度条件が、樹脂温度230〜270℃であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の積層体。
  7. 押出しの厚さが20〜100μmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の積層体。
  8. 上記紙基材がクラフトパルプと、ロジン及び/又はアルキルケテンダイマーのサイズ剤を含み、配合割合が質量基準でクラフトパルプ:サイズ剤=100:0.15〜1.5であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の積層体。
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