JP2008188788A - 液体吐出ヘッド及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動素子が配置された支持部材の高さを高くして剛性を上げようとするとフレキシブル基板に実装されているドライバICと支持部材が干渉することになる。
【解決手段】圧電素子12を2列列状に支持部材であるベース部材13上に配置し、ベース部材13の対向する2つの側面13a、13b側にFPCケーブル15A、15Bが配され、FPCケーブル15A、15Bには、ベース部材13の側面13a、13b側に、複数の圧電素子12に駆動信号を与えるドライバIC20が実装され、ベース部材13の各側面13a、13bにはドライバIC20、20を収納する凹部21A、21Bが、ベース部材13の側面と交差する方向から投影したときに重なり合わずに互いに反転した位置に形成されている。
【選択図】図7
【解決手段】圧電素子12を2列列状に支持部材であるベース部材13上に配置し、ベース部材13の対向する2つの側面13a、13b側にFPCケーブル15A、15Bが配され、FPCケーブル15A、15Bには、ベース部材13の側面13a、13b側に、複数の圧電素子12に駆動信号を与えるドライバIC20が実装され、ベース部材13の各側面13a、13bにはドライバIC20、20を収納する凹部21A、21Bが、ベース部材13の側面と交差する方向から投影したときに重なり合わずに互いに反転した位置に形成されている。
【選択図】図7
Description
本発明は液体吐出ヘッド及び画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、これらの複合機等の画像形成装置として、例えば、記録液(液体)の液滴を吐出する液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッドを含む液体吐出装置を用いて、媒体(以下「用紙」ともいうが材質を限定するものではなく、また、被記録媒体、記録媒体、転写材、記録紙なども同義で使用する。)を搬送しながら、液体としての記録液(以下、インクともいう。)を用紙に付着させて画像形成(記録、印刷、印写、印字も同義語で用いる。)を行ものがある。
なお、画像形成装置は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与することをも意味する。また、液体とは記録液、インクに限るものではなく、画像形成を行うことができる液体であれば特に限定されるものではない。また、液体吐出装置とは、液体吐出ヘッドから液体を吐出する装置を意味し、画像を形成するものに限らない。
このような画像形成装置、液体吐出装置に用いられる液体吐出ヘッドは、例えば、液滴を吐出するノズルを形成したノズル板、ノズルが連通する液室を形成する流路部材(流路板)、液室内の液体を加圧してノズルから液滴を吐出させるエネルギーを発生する圧電素子、発熱抵抗体などの駆動素子などで構成され、駆動素子には駆動信号を与える駆動回路を構成したドライバICが搭載されたフレキシブルプリントケーブル(FPC)が接続される。
特開2001−071490号公報
特開2004−181892号公報
特開2004−090491号公報
特開2006−062097号公報
特開2001−239668号公報
特開2005−131796号公報
特許第3687662号公報
ところで、液体吐出ヘッドの小型化、組み立ての簡易化を図るために、液体を吐出させるための複数の駆動素子を支持部材上に列状に配置して、支持部材の対向する2つの側面側に、複数の駆動素子に駆動信号を与えるドライバICを実装したフレキシブル基板をそれぞれ配置する構成とすることが好ましい。他方、駆動素子を駆動したときの相互干渉(1つの駆動素子を駆動したときに他の駆動素子に対応する液室やノズルの液体に影響を及ぼすこと)を抑制するためには、支持部材の剛性を高くすることが好ましく、支持部材の剛性を高くするには、幅を広くすると、ヘッドの幅が広くなることから、高さを高くする方が好ましい。
しかしながら、駆動素子が配置された支持部材の高さを高くすると、フレキシブル基板に実装されているドライバICと支持部材が干渉することになるという課題がある。この場合、フレキシブル基板に実装するドライバICを支持部材の側面側と反対側に実装すれことも考えられるが、このようにするとヘッドが大型化するという課題を生じることになる。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、支持部材の剛性を高くしつつ小型化を図った液体吐出ヘッド及びこの液体吐出ヘッドを備える画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る液体吐出ヘッドは、液体を吐出させるための複数の駆動素子が列状に配置された支持部材の対向する2つの側面側に、複数の駆動素子に駆動信号を与えるドライバ手段を支持部材の側面側に備える信号伝達手段がそれぞれ配置され、支持部材の各側面にはドライバ手段を収納する凹部が形成され、かつ、一方の側面の凹部と他方の側面の凹部とは側面と交差する方向から投影したときに重なり合わずに互いに反転した位置にある構成とした。
本発明に係る液体吐出ヘッドは、液体を吐出させるための複数の駆動素子が列状に配置された支持部材の対向する2つの側面側に、複数の駆動素子に駆動信号を与える複数のドライバ手段を支持部材の側面側に備える信号伝達手段がそれぞれ配置され、支持部材の各側面には複数のドライバ手段を収納する複数の凹部が形成され、かつ、一方の側面の複数の凹部と他方の側面の複数の凹部とは側面と交差する方向から投影したときに重なり合わずに互いに反転した位置にある構成とした。
これらの液体吐出ヘッドにおいては、信号伝達手段がフレキシブル基板であることが好ましい。このフレキシブル基板は前記複数の駆動素子に対して電気的に直接接合されていることが好ましい。また、支持部材が金属材料、樹脂材料、セラミック材料のいずれかで形成されている構成とできる。また、駆動素子が積層型圧電素子、電気熱変換素子である構成とできる。
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えたものである。
本発明に係る液体吐出ヘッドによれば、駆動素子が配置される支持部材の各側面には信号伝達手段に備えられたドライバ手段を収納する凹部が形成され、かつ、一方の側面の凹部と他方の側面の凹部とは側面と交差する方向から投影したときに重なり合わずに互いに反転した位置にあるので、支持部材側面とドライバ手段とが干渉することなく信号伝達手段を支持部材側面に配することができるとともに、凹部同士が貫通して支持部材の剛性が低下することを低減でき、支持部材の剛性を高くしつつヘッドの小型化を図ることができ、更に各信号伝達手段のドライバ手段実装位置を同じにすることができる。
本発明に係る画像形成装置によれば、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているので、であって、相互干渉が少なく安定して高画質画像を形成することができるとともに装置の小型化を図れる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。本発明に係る液体吐出ヘッドの第1実施形態について図1ないし図3を参照して説明する。なお、図1は同ヘッドの概略分解斜視説明図、図2は同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図、図3は図2のノズル部分の拡大説明図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。本発明の第1実施形態に係る液体吐出ヘッドの一例について図1ないし図4を参照して説明する。なお、図1は同ヘッドの概略分解斜視説明図、図2は同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図、図3及び図4は同ヘッドの液室短手方向に沿う異なる構成の断面説明図である。
この液体吐出ヘッドは、例えば流路板1と、この流路板1の上面に接合したノズル形成部材であるノズル板2と、この流路板1の下面に接合した振動板3とを有し、これらによって液滴を吐出するノズル4が連通路5を介して連通する液室(流路)6、流体抵抗部7、この流体抵抗部7を介して液室6と連通する連通部8を形成し、連通部8に振動板3に形成した供給口9を介してフレーム部材17に形成した共通液室10から液体としての記録液(例えばインク)を供給する。
そして、液室6の壁面を形成する振動板3の面外側(液室6と反対面側)に、各加圧液室6に対応して、振動板3に形成した連結部2aを介して駆動素子(アクチュエータ手段、圧力発生手段)としての積層型圧電素子12の上端面を接合している。また、積層型圧電素子12の下端面は支持部材であるベース部材13に接合している。これらの圧電素子12及びベース部材13によってアクチュエータ部14を構成している。
ここで、圧電素子12は、圧電材料層21と内部電極22a、22bとを交互に積層したものであり、内部電極22a、22bをそれぞれ端面に引き出して端面電極(外部電極)23a、23bに接続し、端面電極23a、23bに電圧を印加することで積層方向の変位を生じる。
そして、圧電素子12には駆動信号を与えるために半田接合で直接(又はACF:異方導電性膜を介して)接合若しくはワイヤボンディングで信号伝達手段であるフレキシブル基板(FPCケーブル)15A、15Bを接続し、このFPCケーブル15A、15Bのベース部材13の側面側には後述するように各圧電素子12に選択的に駆動信号を印加する駆動回路を構成するドライバ手段であるドライバIC20を実装している。
なお、液室短手方向(ノズル4の並び方向)では、図3に示すように、圧電素子12と支柱部12Aを交互に配置したバイピッチ構造とすることもできるし、あるいは、図4に示すように、支柱部12を設けないノーマルピッチ構造とすることもできる。
このヘッドでは、圧電素子12の圧電方向としてd33方向の変位を用いて液室6内インクを加圧する構成とし、更に、液滴の吐出方向が液室6での記録液の流れ方向と異なるサイドシュータ方式で液滴を吐出させる構成としている。サイドシュータ方式とすることで、圧電素子12の大きさが略ヘッドの大きさとなり、圧電素子12の小型化を直接ヘッドの小型化に結びつけることができ、ヘッドの小型化を図り易い。
さらに、これらの圧電素子12、ベース部材13及びFPC15などで構成されるアクチュエータ部の外周側には、エポキシ系樹脂或いはポリフェニレンサルファイトで射出成形により形成したフレーム部材17を接合している。そして、このフレーム部材17には前述した共通液室10を形成するとともに、この共通液室10に外部から記録液を供給するための供給口19を形成し、この供給口19は更に図示しないサブタンクや記録液カートリッジなどの記録液供給源に接続される。
ここで、流路板1は、金属材料、シリコン基板などで形成することができる。例えば結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異方性エッチングすることで、連通路5、加圧液室6となる貫通穴、流体抵抗部7、連通部8などを構成する溝部をそれぞれ形成することができる。なお、加圧液室6はそれぞれ隔壁6aにて隔てられている。
ノズル板2は、金属材料、樹脂材料、これらの積層部材などで形成することができる。例えば、エレクトロフォーミング法(電鋳)で形成したニッケル(Ni)の金属プレートから構成することができる。このノズル板2には各液室6に対応して直径10〜35μmのノズル4を形成し、流路板1に接着剤接合している。そして、このノズル板3の液滴吐出側面(吐出方向の表面:吐出面、又は液室6側と反対の面)には撥水層となる樹脂層を形成している。
振動板3はニッケル(Ni)の金属プレートから形成したもので、エレクトロフォーミング法(電鋳)で製造している。この振動板3は加圧液室6に対応する部分を、変形を容易にするための薄肉部とし、中央部には圧電素子12と接合するための島状凸部12aを設けている。
圧電素子12は、図3あるいは図4に示すように、積層型圧電素子部材18をベース部材13の接合した後、ダイシングソーなどによって溝加工を施すことによって分割して形成したものである。前述した図3のバイピッチ構造をとるときの支柱部12Aは、溝加工によって形成される圧電素子部材であるが、駆動電圧を印加しないので単なる支柱として機能するだけである。なお、図3及び図4以外では圧電素子部材18は簡略化して示している。
このように構成した液体吐出ヘッドにおいては、例えば押し打ち方式で駆動する場合には、図示しない制御部から記録する画像に応じて複数の圧電素子2に20〜50Vの駆動パルス電圧を選択的に印加することによって、パルス電圧が印加された圧電素子12が変位して振動板3をノズル板2方向に変形させ、液室6の容積(体積)変化によって液室6内の液体を加圧することで、ノズル板2のノズル4から液滴が吐出される。そして、液滴の吐出に伴って液室6内の圧力が低下し、このときの液流れの慣性によって液室6内には若干の負圧が発生する。この状態の下において、圧電素子12への電圧の印加をオフ状態にすることによって、振動板2が元の位置に戻って液室6が元の形状になるため、さらに負圧が発生する。このとき、共通液室10から液室6内に記録液が充填され、次の駆動パルスの印加に応じて液滴がノズル4から吐出される。
なお、液体吐出ヘッドは、上記の押し打ち以外にも、引き打ち方式(振動板3を引いた状態から開放して復元力で加圧する方式)、引き−押し打ち方式(振動板3を中間位置で保持しておき、この位置から引いた後、押出す方式)などの方式で駆動することもできる。
そこで、この液体吐出ヘッドにおけるアクチュエータ部14の詳細について図5ないし図7をも参照して説明する。なお、図5は同アクチュエータ部の斜視説明図、図6は同じく断面説明図、図7は同アクチュエータ部のベース部材の斜視説明図である。
アクチュエータ部14は、前述したように、液体を吐出させるための複数の駆動素子である圧電素子12を2列列状に支持部材であるベース部材13上に配置している。そして、ベース部材13の対向する2つの側面13a、13b側に信号伝達手段であるFPCケーブル15A、15Bが配されている。これらのFPCケーブル15A、15Bには、ベース部材13の側面13a、13b側に、複数の圧電素子12に駆動信号を与えるドライバ手段であるドライバIC20が実装されている。
更に、ベース部材13の各側面13a、13bには、FPCケーブル15A、15Bに実装されたドライバIC20、20を収納する凹部21A、21Bが形成されている。これらの凹部21Aと凹部21Bとは、ベース部材13の側面と交差する方向(例えば図7に示す側面13aと直交する矢示A方向:圧電素子12の並び方向Nと直交する方向でもある。)から投影したときに重なり合わずに互いに反転した位置に形成されている。
なお、FPCケーブル15A、15Bは複数の圧電素子12の電極面と接続しているが、ここでいう電極面とは各圧電素子12に対応した複数の電極或いは電極パッドが集合している面でも良い。
このように構成することで、図6に示すように、FPCケーブル15A、15Bのベース部材13の側面13a、13b側に実装されているドライバIC20、20はベース部材13の凹部21A、21Bの収納することができる。これにより、ベース部材13の高さを高くして剛性を上げた場合でも、ベース部材13がドライバIC20と干渉することがなくなり、また、ベース部材13とのアクチュエータ部14のベース部材13及びFPCケーブル15A、15Bを含めたノズルの並び方向と直交する方向の幅BをドライバIC20をベース部材側面と反対側に実装した場合に比べて狭くすることができる。
そして、ベース部材13の一方の面の凹部21Aともう一方の面の凹部21Bとは重なり合わない位置に形成しているので、凹部21A、21Bを形成してもベース部材13の厚みの減少を抑えることができて、ベース部材13の剛性を確保することができる。これにより、圧電素子12を駆動したときの振動を減衰させる効果が得られ、相互干渉を低減することができる。
また、ベース部材13の一方の面の凹部21Aともう一方の面の凹部21Bとは重なり合わない位置でしかも反転した位置に形成されていることで、ドライバIC20の実装位置が同じFPCケーブル15A、15Bを使用することができ、部品点数の削減につながり、低コスト化を図れる。
ここで、ベース部材13としては、金属、樹脂、あるいはセラミックなどの多種の材料で形成することができる。凹部21A、21Bの加工は、切削加工、プレス加工、樹脂成形などの多種の加工方法が可能である。金属材料及びセラミック材料は剛性が高く、振動を伝えにくいため、隣接する圧電素子の振動を減衰する効果が高い。樹脂材料は、加工が容易であり、低コストである。
次に、本発明の第2実施形態について図8を参照して説明する。なお、図8は同実施形態に係る液体吐出ヘッドのアクチュエータ部の分解斜視説明図である。
この実施形態では、ベース部材13の配置された複数の圧電素子12の各列に対して2枚の信号伝達手段であるFPCケーブル15A1、15A2、15B1、15Bをそれぞれ接続し、各FPCケーブル15A1、15A2、15B1、15BにはそれぞれドライバIC20を実装している。
この実施形態では、ベース部材13の配置された複数の圧電素子12の各列に対して2枚の信号伝達手段であるFPCケーブル15A1、15A2、15B1、15Bをそれぞれ接続し、各FPCケーブル15A1、15A2、15B1、15BにはそれぞれドライバIC20を実装している。
そして、ベース部材13の両側面13a、13bに、それぞれFPCケーブルのドライバIC20を収納する2つの凹部21A1、21A2、21B1、21B2を形成している。ここでも、ベース部材13の側面13aの2つの凹部21A1、21A2と側面13bの2つの凹部21B1、21B2とは、重なり合わない位置でしかも反転した位置に形成されている。
これによって、ラインヘッドなどの長尺ヘッドを構成する場合に、信号伝達手段を複数の分割して接続する場合でも、上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
なお、上記各実施形態においては、液滴を吐出させるエネルギーを発生する駆動素子として、積層型圧電素子としているが、前述したように発熱抵抗体(発熱素子)など、他の駆動素子(圧力発生手段)を使用するものであっても良い。
積層型圧電素子を用いる場合、与える駆動波形(駆動信号)によって変位量を調整することで異なる大きさの液滴を吐出させることができる。一方、発熱素子は、高集積化が容易であるため、高密度化を図ることができる。
また、発熱素子として、低い電圧が加わっても抵抗値が変化しにくく、一定以上の電圧が加わった際に抵抗値が大きく変化する非線形な特性を有する発熱素子を用いることができる。線形な特性を有する発熱素子では、複数の発熱素子を選択的に駆動するときに、非選択の発熱素子にノイズ電圧が加わり、エネルギーを浪費し、また駆動電圧に影響を与えて液滴の吐出量が変化し、安定した吐出ができないことが生じる。特に、複数の縦配線と複数の横配線とに電圧を印加して、縦配線と横配線との交点にマトリクス状に配置された発熱素子を選択的に駆動する液滴吐出ヘッドでは、駆動の過程で非選択の発熱素子に駆動電圧より低い電圧が印加されるおそれがあり、この電圧が順方向である場合には、非選択の発熱素子に不要な発熱が生じることになる。不必要な発熱が生じて熱が蓄積されると、吐出のために加熱すると規定以上に発熱してしまい、その結果必要以上の量の液滴が吐出され、液滴吐出量にばらつきが生じてしまう。これに対して、非線形な特性を有する発熱素子を用いれば、ノイズなどの駆動電圧よりも低い電圧が発熱素子に加わっても不要な発熱が生じないため、液滴の吐出量のばらつきが抑制できる。また、不必要な発熱を防ぐことができるため、エネルギーの浪費を防ぐことができる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドを備える液体吐出装置を含む画像形成装置の一例ついて図9及び図10を参照して説明する。なお、図9は同装置の機構部の全体構成を説明する概略構成図、図10は同機構部の要部平面説明図である。
この画像形成装置はシリアル型画像形成装置であり、左右の側板201A、201Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド231、232でキャリッジ233を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
この画像形成装置はシリアル型画像形成装置であり、左右の側板201A、201Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド231、232でキャリッジ233を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ233には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための本発明に係る液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド234a、234b(区別しないときは「記録ヘッド234」という。)を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド234は、それぞれ2つのノズル列を有し、記録ヘッド234aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、記録ヘッド234bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。
また、キャリッジ233には、記録ヘッド234のノズル列に対応して各色のインクを供給するためのヘッドタンク235a、235b(区別しないときは「ヘッドタンク35」という。)を搭載している。このサブタンク235には各色の供給チューブ36を介して、各色のインクカートリッジ210k、210c、210m、210yから各色のインクが補充供給される。
一方、給紙トレイ202の用紙積載部(圧板)241上に積載した用紙242を給紙するための給紙部として、用紙積載部241から用紙242を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)243及び給紙コロ243に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド244を備え、この分離パッド244は給紙コロ243側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙242を記録ヘッド234の下方側に送り込むために、用紙242を案内するガイド部材245と、カウンタローラ246と、搬送ガイド部材247と、先端加圧コロ249を有する押さえ部材248とを備えるとともに、給送された用紙242を静電吸着して記録ヘッド234に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト251を備えている。
この搬送ベルト251は、無端状ベルトであり、搬送ローラ252とテンションローラ253との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト251の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ256を備えている。この帯電ローラ256は、搬送ベルト251の表層に接触し、搬送ベルト251の回動に従動して回転するように配置されている。この搬送ベルト251は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ252が回転駆動されることによってベルト搬送方向に周回移動する。
さらに、記録ヘッド234で記録された用紙242を排紙するための排紙部として、搬送ベルト251から用紙242を分離するための分離爪261と、排紙ローラ262及び排紙コロ263とを備え、排紙ローラ262の下方に排紙トレイ203を備えている。
また、装置本体の背面部には両面ユニット271が着脱自在に装着されている。この両面ユニット271は搬送ベルト251の逆方向回転で戻される用紙242を取り込んで反転させて再度カウンタローラ246と搬送ベルト251との間に給紙する。また、この両面ユニット271の上面は手差しトレイ272としている。
さらに、キャリッジ233の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド234のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構281を配置している。この維持回復機構281には、記録ヘッド234の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)282a、282b(区別しないときは「キャップ282」という。)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード283と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け284などを備えている。
また、キャリッジ233の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける液体回収容器であるインク回収ユニット(空吐出受け)288を配置し、このインク回収ユニット288には記録ヘッド234のノズル列方向に沿った開口部289などを備えている。
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイ202から用紙242が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙242はガイド245で案内され、搬送ベルト251とカウンタローラ246との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド237で案内されて先端加圧コロ249で搬送ベルト251に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ256に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト251が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト251上に用紙242が給送されると、用紙242が搬送ベルト251に吸着され、搬送ベルト251の周回移動によって用紙242が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ233を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド234を駆動することにより、停止している用紙242にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙242を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙242の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙242を排紙トレイ203に排紙する。
このようにこの画像形成装置は本発明に係る相互干渉が低減し、小型化を図れる液体吐出ヘッドを備えているので、安定して高画質画像を形成することができるとともに、装置本体の小型化も図れる。
なお、上記実施形態では本発明をプリンタ構成の画像形成装置に適用した例で説明したが、これに限るものではなく、例えば、プリンタ/ファックス/コピア複合機などの画像形成装置に適用することができる。また、インク以外の液体である記録液、DNA試料、レジストなどの液体を用いる液体吐出装置や画像形成装置にも適用することができる。
1…流路部材
2…振動板
3…ノズル板(ノズル形成部材)
4…ノズル
6…液室
12…圧電素子
13…ベース部材(支持部材)
14…アクチュエータ部
15A,15B…FPCケーブル(信号伝達手段)
20…ドライバIC(ドライバ手段)
21A、21B…凹部
233…キャリッジ
234…記録ヘッド
2…振動板
3…ノズル板(ノズル形成部材)
4…ノズル
6…液室
12…圧電素子
13…ベース部材(支持部材)
14…アクチュエータ部
15A,15B…FPCケーブル(信号伝達手段)
20…ドライバIC(ドライバ手段)
21A、21B…凹部
233…キャリッジ
234…記録ヘッド
Claims (10)
- 液体を吐出させるための複数の駆動素子が列状に配置された支持部材の対向する2つの側面側に、前記複数の駆動素子に駆動信号を与えるドライバ手段を前記支持部材の側面側に備える信号伝達手段がそれぞれ配置され、
前記支持部材の各側面には前記ドライバ手段を収納する凹部が形成され、かつ、一方の側面の凹部と他方の側面の凹部とは前記側面と交差する方向から投影したときに重なり合わずに互いに反転した位置にある
ことを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 液体を吐出させるための複数の駆動素子が列状に配置された支持部材の対向する2つの側面側に、前記複数の駆動素子に駆動信号を与える複数のドライバ手段を前記支持部材の側面側に備える信号伝達手段がそれぞれ配置され、
前記支持部材の各側面には前記複数のドライバ手段を収納する複数の凹部が形成され、かつ、一方の側面の複数の凹部と他方の側面の複数の凹部とは前記側面と交差する方向から投影したときに重なり合わずに互いに反転した位置にある
ことを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記信号伝達手段がフレキシブル基板であることを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 請求項3に記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記フレキシブル基板は前記複数の駆動素子に対して電気的に直接接合されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記支持部材が金属材料で形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記支持部材が樹脂材料で形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記支持部材がセラミック材料で形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 請求項1ないし7のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記駆動素子が積層型圧電素子であることを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 請求項1ないし7のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記駆動素子が電気熱変換素子であることを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 請求項1ないし9のいずれかに記載の液体吐出ヘッドを備えていることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007022592A JP2008188788A (ja) | 2007-02-01 | 2007-02-01 | 液体吐出ヘッド及び画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007022592A JP2008188788A (ja) | 2007-02-01 | 2007-02-01 | 液体吐出ヘッド及び画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008188788A true JP2008188788A (ja) | 2008-08-21 |
Family
ID=39749357
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007022592A Pending JP2008188788A (ja) | 2007-02-01 | 2007-02-01 | 液体吐出ヘッド及び画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008188788A (ja) |
-
2007
- 2007-02-01 JP JP2007022592A patent/JP2008188788A/ja active Pending
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