JP2008188264A - モータ駆動装置及びそれを用いた電気掃除機 - Google Patents
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Abstract
【課題】消費電力又は回転数を目標値になるように制御し、掃除の実用状態では家庭の許容電源容量内で可能な限り高い吸込み力が得られるようにし、実用状態以外では省エネ化・静音化を図ることができるモータ駆動装置及びそれを用いた電機掃除機を提供する。
【解決手段】(2)の(a)に示すように、消費電力とモータ回転数の3乗との比としての演算結果であり、負荷状態の一つである吸込み状態としての演算値kがK1とK2の間のような所定の範囲内(掃除の実用状態の領域)にある場合には、電力を高く一定に制御し、演算結果が範囲外である、演算値kがK2より大きい実用でない開放側及びK1より小さい閉塞側では、大きく離れていくほど電力を下げるように電力制御する。掃除の実用状態ではハイパワー・高出力の運転が行われ、実用状態以外では省エネ運転を行うことができる。所定の範囲は1つに限らず、(3)で示すように複数設定しても良い。
【選択図】図3
【解決手段】(2)の(a)に示すように、消費電力とモータ回転数の3乗との比としての演算結果であり、負荷状態の一つである吸込み状態としての演算値kがK1とK2の間のような所定の範囲内(掃除の実用状態の領域)にある場合には、電力を高く一定に制御し、演算結果が範囲外である、演算値kがK2より大きい実用でない開放側及びK1より小さい閉塞側では、大きく離れていくほど電力を下げるように電力制御する。掃除の実用状態ではハイパワー・高出力の運転が行われ、実用状態以外では省エネ運転を行うことができる。所定の範囲は1つに限らず、(3)で示すように複数設定しても良い。
【選択図】図3
Description
本発明は、モータ駆動装置及びそれを用いた電気掃除機に関し、特にブラシレスモータをインバータで駆動し、消費電力や回転数の制御を行うモータ駆動装置及びそれを用いた電気掃除機に関する。
電気掃除機は、近年ますます、高い吸込み力と、また省エネ化、静音化、排気クリーン化等が求められている。従来の電気掃除機は、送風モータに整流子モータを採用し、交流電源の位相制御により交流入力電力を調整するものが多い。ただし、整流子モータではカーボンブラシを用いているため、モータ駆動時のブラシの摩耗により、モータ寿命が短い、ブラシ粉が発生・排出される、機械損失が生じるといった問題がある。そこで、一部の電気掃除機、また、充電池等の直流電圧を電源とする電気掃除機では、インバータ回路で駆動するブラシのないブラシレスモータ等を採用している。ブラシを用いていないため、寿命を長くできる、インバータ回路により回転数等の細かな制御が可能となっている。
また、従来の電気掃除機は、使用者が掃除箇所の状況等に合せて、掃除機の操作部を通じて吸込みパワーの強弱等の運転モードの設定指令を制御部に与えて、運転を調整する型式のものが多い。その際、掃除機の吸込みの吸口を床面から浮かせて空中に置いた場合に回転数が下がると共に消費電力が大きくなる等、吸込み状態等の負荷状態・運転条件によっても消費電力や回転数等は変わってくるので、制御部は各運転モードにおいて適切な制御を行う等、電気掃除機に適した制御を行うことが求められる。
制御部が自動で各種運転条件を検知して制御する型式も考えられており、例えば、インバータ回路で駆動するものとして特許文献1に記載されているものがある。特許文献1に示されているものは、ブラシレス直流電動機とインバータ制御装置からなる速度制御装置を用いた電気掃除機であり、負荷電流と回転数とから掃除機の負荷状態を演算し、その演算結果に基づいてブラシレス直流電動機の重負荷及び軽負荷時の少なくとも一方をパワーセーブするように、ブラシレス直流電動機に加える電圧又は電流を制御する電気掃除機である。この型式の電気掃除機では、負荷検出のための専用のセンサが必要ない。
特開昭63―249487号公報
送風モータにブラシレスモータを採用し、インバータで駆動する電気掃除機では、インバータ回路が必要となるため、サイズが大きくなる、コストアップする、回路損失が発生する、といった問題がある。そのため、できるだけ簡単で安価な方法で、かつインバータ駆動を活かした制御方法が求められる。上述のように、吸込み状態等に応じた制御により、できるだけ高い吸込み力、省エネ化を図ることが一層求められている。なお、電気掃除機に関わらず、他のモータを用いた電気機器においても同様に、モータ駆動を負荷状態に応じて高出力化、省エネ化を図ることが求められている。
そこで、上記従来の問題点を認識した上で、消費電力と回転数とを検出して消費電力又は回転数を所望目標値になるように制御し、掃除の実用状態では家庭の許容電源容量内で可能な限り高い吸込み力が得られるようにし、実用状態以外では省エネ化・静音化を図る点で解決すべき課題がある。
本発明の目的は、電気機器、特に電気掃除機において、消費電力と回転数情報に基づいて駆動制御を行うようにした簡単な構成・方法で、吸込み状態に応じた運転、例えば掃除の実用状態では消費電力又は回転数を高く一定制御し、そうでない場合には低くすることで、高い吸込み力と省エネ化運転を実施する。また、モータ駆動の制御パラメータを最適に調整するようにすることで、高効率化を図ることができるモータ駆動装置及びそれを用いた電気掃除機を提供することである。
この発明によるモータ駆動装置は、交流電源電圧を直流電圧に変換するコンバータ部と、前記直流電圧を交流電圧に変換しブラシレスモータに電力を供給するインバータ部と、運転状態に応じてモータ駆動に使用されている消費電力又はモータ回転数の制御を行うブラシレスモータの駆動制御手段とを備えたモータ駆動装置であって、前記消費電力と前記モータ回転数のM乗(M:予め設定された定数)との関係から負荷状態を検出し、検出した前記負荷状態に基づいて前記消費電力又は前記モータ回転数の目標値を切替える演算制御手段を備えてなることを特徴とする。
このような構成とすることで、消費電力とモータ回転数から負荷状態を検出し、検出された負荷状態に応じたブラシレスモータの運転を行うようにする。例えば負荷が大きい場合には消費電力又はモータ回転数の目標値を大きくすることでモータの出力を上げてハイパワー・高出力の運転が行われ、負荷が小さい場合には、消費電力又はモータ回転数の目標値を小さくすることで無駄に電力を消費せず、省エネ運転が行われる。
この発明による電気掃除機は、前記のモータ駆動装置で駆動されるブラシレスモータと、当該ブラシレスモータによって駆動される送風ファンとを有する電動送風機を備え、前記Mの値は3であることを特徴としている。このような構成の電気掃除機とすることで、消費電力と実働のモータ回転数から、負荷状態としての吸込み状態(ひいては風量)を判定し、吸込み状態に応じた運転を行うことができる。
また、この電気掃除機において、前記演算制御手段は、前記負荷状態として、前記消費電力を前記モータ回転数の3乗で除算する演算を基とする演算値を求め、前記演算値が予め設定した所定の範囲外にある場合には、当該所定の範囲内にある場合よりも前記消費電力又は前記モータ回転数についての前記目標値を小さくすることができる。このように、吸込み状態を消費電力÷(実働のモータ回転数の3乗)の演算を基とする演算値で検出し、検出した吸込み状態が掃除作業の実用状態の範囲においては、電源容量の許容範囲で消費電力や回転数を高く一定調整し、高い吸込力が得られるように運転を行うが、吸込みの状態が必要以上に開放されているとみなせる状態又は閉塞状態となる掃除をしていないとみなせる状態では、消費電力や回転数を低くし省エネ・静音化運転を行うことができる。
また、この電気掃除機において、前記駆動制御手段は、2つ以上のモータ制御用のパラメータを調整して前記消費電力又は前記モータ回転数の制御を行い、前記演算制御手段は、前記負荷状態として、前記消費電力を前記モータ回転数の3乗で除算する演算を基とする演算値を求め、前記演算値が最小となるよう前記パラメータを調整することができる。消費電力と実働のモータ回転数による演算値が駆動効率に関連することを利用し、制御パラメータが2つ以上ある場合には、演算値が最小とするように、パラメータの組合せを調整することで、駆動回路やモータを最大効率で駆動することができる。
特に、上記の2つ以上のパラメータでモータ制御を行う電気掃除機において、交流電源に直列に接続されたリアクトルを介して交流電源を短絡通電させ交流電源の力率改善及び直流電圧の昇圧を行う昇圧制御手段を備え、前記パラメータを、前記インバータ部の通電信号の通電角と進み角、及び前記直流電圧から成る3つのパラメータとすることができる。この場合には、制御パラメータを通電角、進み角、直流電圧とした、高出力、高効率駆動が可能な場合において、最大効率で最適に電気掃除機を駆動することができる。
本発明は、消費電力と回転数情報に基づいて駆動制御を行うようにした安価で簡単な構成・方法であって、電気掃除機においては吸込み状態に応じた運転、例えば掃除の実用状態では消費電力または回転数を高く一定制御し、そうでない場合には低くすることで、高い吸込み力と省エネ化運転を実現することができる。モータ駆動の制御パラメータを最適に調整するようにすることで、高効率化を図ることができる。また、本発明は、低損失・省エネで駆動できる電気掃除機を提供するものであり、工業的規模で量産することができ、市場規模の拡大を図ることができる。本発明によれば、上記特許文献1には記載のない消費電力の検出及びその使用や、本内容で実施しているような演算等により、負荷状態に応じたモータの駆動を行うことができる。
添付図面に基づいて、本発明によるモータ駆動装置の実施の形態を説明する。
基本構成(図1)
(1)図1の回路構成
図1(1)は、本発明によるモータ駆動装置の一実施形態を示す回路図である。図1(1)に示されているモータ駆動装置は、交流電源1の交流電圧をコンバータ部9で直流電圧に変換し、変換された直流電圧をインバータ部14に供給し、インバータ部14で所要の周波数の交流電圧に変換してモータ15に供給することで、モータ15を駆動する。
(1)図1の回路構成
図1(1)は、本発明によるモータ駆動装置の一実施形態を示す回路図である。図1(1)に示されているモータ駆動装置は、交流電源1の交流電圧をコンバータ部9で直流電圧に変換し、変換された直流電圧をインバータ部14に供給し、インバータ部14で所要の周波数の交流電圧に変換してモータ15に供給することで、モータ15を駆動する。
コンバータ部9は、リアクトル4、ダイオードD1〜D4からなるダイオードブリッジ整流回路3、平滑用コンデンサ6で構成され、商用交流電源1からの交流電圧を直流電圧に変換する。なお、図1では、全波整流回路構成としているが、倍電圧整流回路構成としてもかまわないし、全波整流回路と倍電圧整流回路とを切替え可能とする構成としてもかまわない。交流電源1がAC100Vの場合には、各回路部品の電圧降下分や負荷を全く無視すると、直流電圧は、全波整流回路の場合には100×√2×1≒141V、倍電圧整流回路の場合には100×√2×2≒282Vとなる。本構成の説明の中で直流電圧(インバータ電圧)と記載しているものは、コンバータ部9により平滑・整流した直流電圧のことを指す。
図1に示されているコンバータ部9は、直流電圧の可変手段を備えている。同図では、リアクトル4を用いたエネルギーの蓄積・放出による昇圧手段を備える。リアクトル4を介して交流を短絡開放するための短絡スイッチング素子5と、電源電圧のゼロクロス検出手段(交流電圧検出手段10とを兼ねる)とを設けており、電源半周期毎に、検出した電源電圧のゼロクロス後の所定の時間に、1回から数回、スイッチング素子5を所定の時間だけオンすることで、電源力率の改善と、直流電圧の昇圧を行う。本構成の昇圧・力率改善方法では、降圧は不可で、かつ大きな昇圧は電源力率が悪化するため困難であるが、スイッチング損失が少なく、また回路構成があまり大型化しないといった特徴がある。(本構成の1例として特開平11−164562号公報を挙げることができる)。なお、直流電圧の可変手段は他の方法で構わない。本内容のものでも、例えば短絡開放手段、又はリアクトル及び短絡開放手段を、ダイオードブリッジ整流回路3の出力側に配置する構成等でも良い。
交流電圧検出手段10は、交流電圧を検出するためのものである。また、交流電圧のゼロクロスを検出する。また、交流電流検出手段11は、交流電流を検出するためのものであり、例えばCT(カレントトランス)で構成される。
直流電圧検出手段12は、コンバータ部9が出力する直流電圧を検出するためのもので、例えば分圧抵抗で構成される。また、直流電流検出手段13は、コンバータ部9からの直流電流を検出するためのもので、例えばシャント抵抗で構成される。インバータ部14は、スイッチング素子Tr1〜Tr6(及びドライブ回路)から構成されており、コンバータ部9の出力直流電圧を交流電圧に変換する。
モータ15は3相ブラシレスモータであり、モータのロータ位置を検出するロータ位置検出手段16はホール素子を用いた3個の検出センサで構成されている。ロータ位置検出手段16は、ロータ磁極の位置を示す3つの方形波信号を出力する。なお、ロータ位置検出は、120度矩形波通電にて位置センサレス方式としてよく用いられているモータの誘起電圧から位置を検出する方法でも良い。ただしその場合には、誘起電圧を検出する無通電区間がある程度必要となるので、通電角をあまり大きくできないなどの制限が生じる。
駆動制御手段17は、マイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と略記する)又はDSP(Digital Signal Processor)を含んでおり、各周辺検出手段からの信号をマイコン又はDSPが読み取れるような電圧値に変換する変換回路等(図示せず)を備える。
(2)駆動制御装置の基本動作
駆動制御手段17の制御内容について説明する。図1(2)には、駆動制御手段の構成の概略を表すブロック図が示されている。駆動制御手段17には電力検出手段を備え、電力検出は交流電源の交流電圧検出手段10の検出値及び交流電流検出手段11の検出値から演算する(「電圧検出値×電流検出値」の周期毎平均値、等)。なお、交流電圧値が既知の場合には(例えばAC100V、60Hzで歪の無い正弦波と推定)、交流電圧検出手段10を省略、あるいは簡易化(ピーク値のみ検出など)し、交流電流検出手段11の検出値のみを用いて演算・検出するようにしても良い。
電力検出については、交流電源の電力ではなく、直流部の電力を測定するようにしてもよい。直流電圧検出手段12の電圧検出値及び直流電流検出手段13の電流検出値を用いて、「電圧検出値×電流検出値」の平均値、等の演算により、電力値を演算・検出する。なお、直流電源電圧が一定の場合には、直流電源電圧検出手段12を省略し、電力演算の際には、電圧値は所定の定数を用いる等として電流検出値のみで演算・検出しても良い。また、電力検出については、直流電圧と直流電流ではなく、モータ電圧とモータ電流を検出し演算するようにしても良い。
駆動制御手段17の制御内容について説明する。図1(2)には、駆動制御手段の構成の概略を表すブロック図が示されている。駆動制御手段17には電力検出手段を備え、電力検出は交流電源の交流電圧検出手段10の検出値及び交流電流検出手段11の検出値から演算する(「電圧検出値×電流検出値」の周期毎平均値、等)。なお、交流電圧値が既知の場合には(例えばAC100V、60Hzで歪の無い正弦波と推定)、交流電圧検出手段10を省略、あるいは簡易化(ピーク値のみ検出など)し、交流電流検出手段11の検出値のみを用いて演算・検出するようにしても良い。
電力検出については、交流電源の電力ではなく、直流部の電力を測定するようにしてもよい。直流電圧検出手段12の電圧検出値及び直流電流検出手段13の電流検出値を用いて、「電圧検出値×電流検出値」の平均値、等の演算により、電力値を演算・検出する。なお、直流電源電圧が一定の場合には、直流電源電圧検出手段12を省略し、電力演算の際には、電圧値は所定の定数を用いる等として電流検出値のみで演算・検出しても良い。また、電力検出については、直流電圧と直流電流ではなく、モータ電圧とモータ電流を検出し演算するようにしても良い。
また、駆動制御手段17は、直流電圧検出手段12の電圧検出値等に基づき、直流電源8の直流電圧値を制御する。
また、駆動制御手段17は、上記位置検出信号に基づいて実働回転数を検出する実働回転数検出手段(位置検出間隔から計測する方法について後述)を備えている。駆動制御手段17は、また、演算検出した電力値と実働回転数を用いて、後述の「電力値÷(回転数の3乗)」の演算に基づいた演算値を算出し、この演算値等に基づいて吸込み状態等の負荷状態・運転状態を判定し、その結果、電力や回転数の目標値を設定する演算制御手段を備えている。駆動制御手段17は、更に、ロータ位置検出手段16の出力信号や電力(又は回転数)の検出値と目標値、交流電圧及び直流電圧の検出値等に基づいて、前記インバータの各スイッチング素子Tr1〜Tr6のオン/オフ等を制御する通電パルス信号生成制御手段を備えている。
1パルス駆動波形の説明(図2)
(1)インバータ駆動信号の説明
図2は、本発明によるモータ駆動装置のインバータ部における駆動信号を説明するための波形図の例である。図2(1)には、(a)誘起電圧波形(U相1相分のみ)と、(b)位置検出信号Ha〜Hcの波形、(3)インバータ通電駆動信号Tr1の波形を示している。なお、同図(a)誘起電圧波形と(b)位置検出信号との関係は、位置検出センサの取付け位置により変わるが、同図はその1例である。
(1)インバータ駆動信号の説明
図2は、本発明によるモータ駆動装置のインバータ部における駆動信号を説明するための波形図の例である。図2(1)には、(a)誘起電圧波形(U相1相分のみ)と、(b)位置検出信号Ha〜Hcの波形、(3)インバータ通電駆動信号Tr1の波形を示している。なお、同図(a)誘起電圧波形と(b)位置検出信号との関係は、位置検出センサの取付け位置により変わるが、同図はその1例である。
本方法では、図2(1)の(c1)に示すように、方形波の1パルスとし、このパルスの幅(通電角)を制御する。高周波PWM制御を行わないことでスイッチング損失を低減化する。
本方法では、更に図2(1)の(c2)に示すように、誘起電圧に対して、方形波1パルス信号の印加タイミングを制御、誘起電圧位相に対するモータ印加電圧位相の電圧進み角(電圧位相)を制御する。なお、電圧進み角を制御することで、ひいてはモータ電流の進み角(電流位相)を制御することができる。以下の説明では、電圧進み角で制御している。なお、参考までに上述のように、従来の方法では、図2(1)の(c3)に示すように、電気角360度のうち120度区間(通電角120度)で通電・PWM制御を行う120度矩形波通電PWM制御がよく用いられている。
(2)インバータ駆動信号の生成方法の説明
次に、本発明の駆動信号の生成制御例について示す。駆動制御手段17は、位置検出信号の間隔より、360度区間のT[s]を測定する。なお、モータの実働回転数は、回転数N[rpm]=60/(T×モータ極対数)で測定される。
次に、本発明の駆動信号の生成制御例について示す。駆動制御手段17は、位置検出信号の間隔より、360度区間のT[s]を測定する。なお、モータの実働回転数は、回転数N[rpm]=60/(T×モータ極対数)で測定される。
図2(1)の位置検出信号Ha信号の立ち上がりエッジを基準にTr1(U+)通電駆動信号を制御する場合、Haの立ち上がりエッジからt[s]後に、Tr1(U+)通電駆動信号をアクティブレベル(オン)にする。その後、通電角に相当する時間経過後にTr1(U+)通電駆動信号を非アクティブレベル(オフ)にする。なお、転流タイミング時間である時間t[s]及び通電角時間[s]は、T[s]から次のように算出できる。進み角制御を行わない場合は、
t[s]=T[s]×(120[度]−通電角[度]/2)/360[度]
進み角制御を行う場合には、
t[s]=T[s]×(120[度]−通電角[度]/2−進み角[度])/360[度]
通電角分の時間は、通電角時間[s]=T[s]×通電角[度]/360[度]
ただし通電角は、0度≦通電角≦180度である。なお、進み角は、負の値として、遅れ位相として駆動することも可能である。これらは駆動制御手段にタイマ機能があれば、容易に設定でき、通電角及び進み角は細かく調整可能である。
なお、基準信号とするHaの立ち上がりエッジよりも、進み角をより大きくして進め位相としたい場合には、Hcの立ち下がりエッジを基準にしても良い。その場合には、
t[s]=T[s]×(180[度]−通電角[度]/2−進み角[度])/360[度]となる。
t[s]=T[s]×(120[度]−通電角[度]/2)/360[度]
進み角制御を行う場合には、
t[s]=T[s]×(120[度]−通電角[度]/2−進み角[度])/360[度]
通電角分の時間は、通電角時間[s]=T[s]×通電角[度]/360[度]
ただし通電角は、0度≦通電角≦180度である。なお、進み角は、負の値として、遅れ位相として駆動することも可能である。これらは駆動制御手段にタイマ機能があれば、容易に設定でき、通電角及び進み角は細かく調整可能である。
なお、基準信号とするHaの立ち上がりエッジよりも、進み角をより大きくして進め位相としたい場合には、Hcの立ち下がりエッジを基準にしても良い。その場合には、
t[s]=T[s]×(180[度]−通電角[度]/2−進み角[度])/360[度]となる。
上記ではTr1〜6の6つの信号の内、Tr1のみ説明したが、他のTr2〜6の信号も同様にして生成する。電気角360度内において、計12回転流することになる。なお、全ての12回の転流タイミング時間の作成には、個別に6つのタイマは必要なく、計算式を変更して1つのタイマで順次転流できるようにしても良い。
本方法の場合、高周波PWMスイッチングを行わないので、駆動制御手段には安価なマイコンを用いても実現可能なものである。制御装置が高性能なものである場合には、本方法を使用することで他の処理に専念できる。
以上、本図2(1)では1例のみで説明をしたが、他の場合でも、例えば、通電角を120度よりも狭めた場合、逆回転の場合、誘起電圧とロータ位置検出信号との関係や誘起電圧又はロータ位置検出信号の波形の形状が図2(1)とは異なる場合等でも、それぞれの条件に合せ、各信号検出タイミングや構成を変更する、上記計算式を変更する等で対応できる。
(3)印加電圧波形の制御(駆動信号制御+直流電圧制御)
上述のように、インバータ駆動信号Tr1〜Tr6を制御し、モータへ印加する方形波1パルスの通電角と進み角を制御する。本発明によるモータ駆動装置では、更に、インバータ部へ供給される直流電圧値を制御するようにする。
上述のように、インバータ駆動信号Tr1〜Tr6を制御し、モータへ印加する方形波1パルスの通電角と進み角を制御する。本発明によるモータ駆動装置では、更に、インバータ部へ供給される直流電圧値を制御するようにする。
図2(2)に、モータへの印加電圧の波形を示す。同図(a)はPWMスイッチングレスで方形波1パルスとした場合、(b)は更に通電角(パルス幅)の制御を実施する場合、(c)は更に進め角の制御を実施する場合、(d)は更に電圧振幅(インバータ直流電圧)の制御を実施する場合である。最終的に同図(d)のように、電圧振幅と通電角の制御(これら2つを制御することで、1パルスのパルス面積を制御することに相当)と、また進み角を制御することにより印加タイミングを制御することになる。これらの制御パラメータを大きくすることで、従来よく実施されているPWM通電やPAM制御に比べて、大幅に高出力化(高回転数駆動)等が可能となる。以下の説明で“制御パラメータ”と記載しているものは、主に通電角、進み角、電圧振幅の3つを指す。
吸込み状態判定方法(演算値の意味合い)
以下では、電気掃除機における負荷状態の判定方法の実施例を示す。なお、負荷の状態として、吸込み状態を判定している。
以下では、電気掃除機における負荷状態の判定方法の実施例を示す。なお、負荷の状態として、吸込み状態を判定している。
電動送風機では、「風量Q∝回転数N、圧力∝回転数Nの2乗、軸出力W∝回転数Nの3乗」となることが知られている。また、軸出力Wと消費電力P(電力検出手段の検出値)との関係については、駆動回路やモータの駆動効率などが一定の場合には、「P∝W」であるので、「P∝Nの3乗」となる。ここで、「P=k×(Nの3乗)」(k:定数)とおく。定数k(=P÷(Nの3乗))は、電気掃除機の吸込みの吸口・経路の状態による吸込み状態や、駆動回路やモータの駆動効率によって変わる。駆動回路やモータの駆動効率がほぼ一定の場合、ある吸込み状態に対するkの値は、電力及び回転数には拠らずほぼ同じ値になる。
電気掃除機の場合、吸込みの吸口が大きく開かれた場合にはkの値は大きくなり、逆に閉ざされた場合にはkの値は小さくなる。例えば、掃除機吸込み口が掃除中に床面に接せず、空中にある場合にはkの値は大きくなる。フィルタの目詰まり等が発生した場合には、kの値は小さくなっていく。
本発明では、このkの値から吸込み状態を判定するようにする。例えば、kの値が大きく、吸口を空中に持ち上げている状態では、掃除を行っていない状態とみなし、電力を必要としないので、電力を下げて運転する。また、kの値が小さく、フィルタの目詰まりや流路の閉塞が発生している状態では、風量が小さく、掃除が十分に実施できない、また電動送風機が過熱する恐れがあるので、電力を下げて運転する。
上記の例では吸込み状態を、消費電力PとNの3乗とから定まるkの大きさで判定しているが、Nの乗数が3ではない風量Qや圧力(吸込み力)に基づいて制御する場合には、kの値を、風量と回転数との関係の定数s(=風量Q÷回転数N)に換算し、s×実働回転数より風量を算出し、得られた風量に基づいて制御を行う、あるいは吸込み力が最大となる風量となるよう一定制御するようにしても良い。
運転制御方法1:吸込み状態に応じた運転
(1)制御例
図3を用いて、定数kを用いた吸込み状態に応じた運転方法について説明する。
従来、特に制御を行わない場合には、図3(1)のように、横軸に吸込み状態(ひいては風量)、縦軸に消費電力Pと回転数Nを採ると、吸込み状態が開放側にいくほど、回転数Nは下がり、消費電力は上がっていく。即ち、吸込み状態で表される負荷状態によって消費電力が変わる。開放状態では、非常に高い入力で高騒音となる。閉塞側では、入力が低くなる。
(1)制御例
図3を用いて、定数kを用いた吸込み状態に応じた運転方法について説明する。
従来、特に制御を行わない場合には、図3(1)のように、横軸に吸込み状態(ひいては風量)、縦軸に消費電力Pと回転数Nを採ると、吸込み状態が開放側にいくほど、回転数Nは下がり、消費電力は上がっていく。即ち、吸込み状態で表される負荷状態によって消費電力が変わる。開放状態では、非常に高い入力で高騒音となる。閉塞側では、入力が低くなる。
図3(2)に、(a)本発明での吸込み状態に対する消費電力の様子と、また参考までに、(b)電力を一定に制御した場合と、(c)回転数を一定に制御した場合との消費電力の様子を示す。横軸は吸込み状態(ひいては風量)、縦軸は消費電力である。横軸に定数kを採った場合も、同じような特性となる。(c)回転数を一定に制御した場合には、図3(1)に近い特性を示し、開放側で高い入力となる。(b)電力を一定に制御した場合には、閉塞状態側と、また開放側で必要以上に高い電力となる。
そこで、本発明では、(a)のように掃除の実用状態の領域では電力を高く一定に制御し、実用でない開放側及び閉塞側では電力を下げるようにする。演算結果が所定の範囲内にある場合には高い電力で制御し、演算結果が範囲外にある場合には値が大きく離れていくほど電力を下げていくように電力制御する。なお、この範囲は1つに限らず、図3(3)のように複数設定しても良い。例えば、一般的に掃除機の吸口は吸込み具が交換可能となっており、掃除箇所に合せ吸込み具を取り替えて掃除を行うので、吸込み具に合せて実用範囲を複数に分けて設定しても良い。範囲毎に目標値を変えても良い。また、ブザーやLED等、報知手段等を付加して吸込みの状態について報知するようにして良く、特にkの値が非常に大きい場合や小さい場合などは、故障等の異常状態として報知するようにしても良い。
(2)制御フロー
図4は、吸込み状態における変化の有無の判定及び変化が有った場合の処理についての制御フローチャートの一例である。
図4に示す制御フローチャートについて説明すると、先ず、ステップ11(「S11」と略記する。以下、同じ)にて、消費電力値を演算、検出する。次に、S12にて、実働回転数(又は実働回転周期)を検出する。次に、S13にて、消費電力値と実働回転数を用いて「消費電力値÷(回転数の3乗)」を演算し、その演算値をkとする。次に、S14にて、電力(又は回転数)に所定以上の変動、つまり吸込み状態等に変化があったかどうかの有無を判断する。有りと判断した場合には(S14にてYES)、処理はS15へ移される。S15において、演算値kに基づいて吸込み状態を判定する。次に、S16において、S15で判定された吸込み状態に基づいて、電力(又は回転数)の目標値を変更・更新する。目標値が変更された場合には、目標値に合わせ、各パラメータを調整する。
図4は、吸込み状態における変化の有無の判定及び変化が有った場合の処理についての制御フローチャートの一例である。
図4に示す制御フローチャートについて説明すると、先ず、ステップ11(「S11」と略記する。以下、同じ)にて、消費電力値を演算、検出する。次に、S12にて、実働回転数(又は実働回転周期)を検出する。次に、S13にて、消費電力値と実働回転数を用いて「消費電力値÷(回転数の3乗)」を演算し、その演算値をkとする。次に、S14にて、電力(又は回転数)に所定以上の変動、つまり吸込み状態等に変化があったかどうかの有無を判断する。有りと判断した場合には(S14にてYES)、処理はS15へ移される。S15において、演算値kに基づいて吸込み状態を判定する。次に、S16において、S15で判定された吸込み状態に基づいて、電力(又は回転数)の目標値を変更・更新する。目標値が変更された場合には、目標値に合わせ、各パラメータを調整する。
駆動制御手段17は、運転中、一定時間毎に図4の判定・処理を行う。なお、S12等において、回転数ではなく、回転周期を用いてもかまわない。その場合、k=P÷(回転数Nの3乗)∝P×(回転周期の3乗)にて算出する。なお、本文では、全体を通じ、回転数を用いて説明している。またその他、マイコンでの演算では、一定の定数を加算、積算するなどを実施して、演算値ができるだけ桁数の少ない整数となるようにし、演算、判定が高速に行えるように、メモリ容量をあまり占有しないようにすると良い。
S15及びS16にて、目標値の変更・更新は、例えば図3(2)に示すように、算出したkがK1とK2の範囲内であれば最大許容電力の値とし、範囲外であれば範囲から離れていくほど目標値を下げていくようにする。kに対する各目標値(その他K1、K2といった判定のための値)は、吸込み状態とkの値との関係、各吸込み状態での所望の目標値を事前に検討しておき、kの値と目標値とが対のルックアップテーブルを駆動制御手段17の記憶部(図示なし)に用意しておくことで、或いはkの値から目標値を設定するための計算式を用意しておくことで、設定更新できるようにする。
上記図3等、本文を通じて、目標値としては電力を制御する場合を主に示しているが、電力に代えて回転数を制御する場合でも同じように対応できる。
吸込み状態等の判定には、演算判定を単純化して、電力が一定固定の場合にはそのときの回転数Nの値によって判定しても良い。例えば、ある電力に対して、回転数が所定値より高い場合には閉塞状態側、低い場合には開放状態側にあると判定する。制御手段に各電力に対して、負荷判定するための回転数テーブルデータを記憶部内に用意しておけばよい。また回転数一定の場合には、電力Pの値によって判定してもよい。回転数一定の場合には、各回転数に対して、負荷判定するための電力テーブルデータを、記憶部内に用意しておけばよい。
運転制御方法2:最大効率調整
上記のkの値は、駆動回路やモータの駆動効率によっても変化する。駆動回路やモータの駆動効率が低い場合(電力損失が大きい場合)には、消費電力が増加するためkの値は大きくなる。逆に駆動効率が高い場合(電力損失が小さい場合)には、消費電力は低減するためkの値は小さくなる。そのため、本発明では、各制御パラメータを調整する際に、kの値が最小となるように調整することで、駆動効率が最大となるようにする。
上記のkの値は、駆動回路やモータの駆動効率によっても変化する。駆動回路やモータの駆動効率が低い場合(電力損失が大きい場合)には、消費電力が増加するためkの値は大きくなる。逆に駆動効率が高い場合(電力損失が小さい場合)には、消費電力は低減するためkの値は小さくなる。そのため、本発明では、各制御パラメータを調整する際に、kの値が最小となるように調整することで、駆動効率が最大となるようにする。
制御パラメータが1つの場合には、消費電力(又は回転数)が目標値近く一定になるように、制御パラメータを調整するのみであるが、制御パラメータが2つ以上の場合には、パラメータを組合せて調整することで、消費電力(又は回転数)が目標値近く一定になるように、種々の組合せの中で効率が最大となるように選択調整する。2つ以上の制御パラメータを有し、常に最適点近くにパラメータを調整することで、運転状態によって極端に回路効率が減少又は変化することを防ぎ、上述の吸込み状態の判定に影響を及ぼすことを排除する。
パラメータ例として、インバータ部やモータの損失に関わる主な要因の1つにモータの進み位相がある。進み位相が、最適点から大きくずれていると、それらの効率が悪くなる。また、コンバータ部の損失に関わる主な要因の1つに電源力率がある。電源力率が低下していると、コンバータ部での効率が悪くなる。
図5を用いて制御パラメータとモータ効率との関係の一例を説明する。図5のグラフは、突極性をもつIPMSM(ロータ内部に永久磁石を埋め込んだ埋込磁石構造の永久磁石同期モータ)を駆動させたときの特性を描いたイメージ図である。図5では、通電角をある値に固定し、電圧進み角を変化させたときの消費電力(電源入力)の変化の様子が描かれている。横軸は電圧進み角、縦軸は消費電力である。なお、モータの回転数が一定となるように、直流電圧を調整している。縦軸に値kをとった場合も同じような特性となる。同図より、消費電力及び値kが最小となる最適な電圧進み角が存在していることがわかる。なお図示はしていないが、横軸に電流進み角(電流位相)を採った場合も同様の特性(消費電力が最小となる電流進み角が存在)となる。
ここでは、制御パラメータに電圧進み角のみを示したが、他のパラメータについても同様に効率が最大となる点がある。各制御パラメータを制御する際、各パラメータは独立して最適値へと調整制御できるものでなく、各パラメータ同士は複雑に互いに影響しあう。複数の制御パラメータを同時に制御し、そのとき消費電力(又は回転数)が所望の目標値となりつつ、かつ総合的に効率が最大となる点に各制御パラメータをそれぞれ調整する。
上記のように、特に制御パラメータとして、通電角、進み角及び直流電圧とした場合には、高出力化、高効率駆動、また幅広いレンジで消費電力及び回転数の制御が可能であるが、その際それぞれの運転条件でkの値が最小となるように調整することで、回路等での損失を少なくし、より確実に高効率化を図り、電力を有効活用することができる。なお、効率が最大となる点に調整するには、常に一定回転数の場合には、消費電力Pが最小となるように各制御パラメータを調整するように演算判定を単純化してもよい。常に一定消費電力の場合には、回転数Nが最大となるよう各制御パラメータを調整するようにしてもよい。
まとめ、補足、他の実施例など
以上、電気掃除機(電動送風機)について示したが、他のモータを用いた電気機器の場合、例えば負荷が回転数Nには依存せず、モータ出力が回転数Nに比例する場合には、定数kはk=P÷Nとして負荷状態を検出する。検出した負荷状態に応じて、例えば負荷の大きさであるkの値が大きい場合には、消費電力や回転数の目標値を大きくして高いモータ出力を得ることで、また、kの値が小さい場合には、消費電力や回転数の目標値を小さくすることで、省エネ運転を行うようにする。このように各機器の条件に応じて、演算式を適切に設定するようにする。「出力∝回転数NのM乗」の関係において、Mの値が予め判っている場合には、容易に対応できる。
以上、電気掃除機(電動送風機)について示したが、他のモータを用いた電気機器の場合、例えば負荷が回転数Nには依存せず、モータ出力が回転数Nに比例する場合には、定数kはk=P÷Nとして負荷状態を検出する。検出した負荷状態に応じて、例えば負荷の大きさであるkの値が大きい場合には、消費電力や回転数の目標値を大きくして高いモータ出力を得ることで、また、kの値が小さい場合には、消費電力や回転数の目標値を小さくすることで、省エネ運転を行うようにする。このように各機器の条件に応じて、演算式を適切に設定するようにする。「出力∝回転数NのM乗」の関係において、Mの値が予め判っている場合には、容易に対応できる。
上記では1パルス駆動にて説明したが、他の方法でも適用できる。例えば、一般的によく用いられている、インバータ回路の通流率を可変してモータの速度制御等を行うPWM(Pulse Width Modulation)制御による120度矩形波通電制御や180度正弦波通電制御等でもよい。
なお、電気掃除機の電動送風機に関わらず、他のファンモータの送風装置に用いてもよい。本発明のような構成では、回転数検出が容易であるが、モータはブラシレスモータでなくてもよいし、インバータ駆動でないものでも適用可能である。各構成に合せて回転数検出手段を設ければ実施可能である。
また、駆動回路やモータの運転状態に応じて、負荷判定の定数を補正するようにしても良い。例えば図1に示す回路にて、モータ進み角が最適な点から大きくずれているときや、直流電圧・力率改善制御を実施していないとき等、駆動効率が大きく低下してkの値が大きくなっていると推定される場合には、負荷判定に用いる判定値(K1やK2等)をそれぞれ大きく補正するようにすることができる。
1 交流電源 3 ダイオードブリッジ
4 リアクトル 5 短絡スイッチ
6 平滑用コンデンサ 9 コンバータ部
10 交流電圧検出手段 11 交流電流検出手段
12 直流電圧検出手段 13 直流電流検出手段
14 インバータ部 15 モータ(ブラシレスモータ)
16 ロータ位置検出手段 17 駆動制御手段
4 リアクトル 5 短絡スイッチ
6 平滑用コンデンサ 9 コンバータ部
10 交流電圧検出手段 11 交流電流検出手段
12 直流電圧検出手段 13 直流電流検出手段
14 インバータ部 15 モータ(ブラシレスモータ)
16 ロータ位置検出手段 17 駆動制御手段
Claims (5)
- 交流電源電圧を直流電圧に変換するコンバータ部と、
前記直流電圧を交流電圧に変換しブラシレスモータに電力を供給するインバータ部と、
運転状態に応じてモータ駆動に使用されている消費電力又はモータ回転数の制御を行うブラシレスモータの駆動制御手段と
を備えたモータ駆動装置において、
前記消費電力と前記モータ回転数のM乗(M:予め設定された定数)との関係から負荷状態を検出し、検出した前記負荷状態に基づいて前記消費電力又は前記モータ回転数の目標値を切替える演算制御手段を備えてなる
ことを特徴とするモータ駆動装置。 - 請求項1記載のモータ駆動装置で駆動されるブラシレスモータと、当該ブラシレスモータによって駆動される送風ファンとを有する電動送風機を備え、
前記Mの値は3である
ことを特徴とする電気掃除機。 - 請求項2記載の電気掃除機において、
前記演算制御手段は、前記負荷状態として、前記消費電力を前記モータ回転数の3乗で除算する演算を基とする演算値を求め、前記演算値が予め設定した所定の範囲外にある場合には、当該所定の範囲内にある場合よりも前記目標値を小さくする
ことを特徴とする電気掃除機。 - 請求項2記載の電気掃除機において、
前記駆動制御手段は、2つ以上のモータ制御用のパラメータを調整して前記消費電力又は前記モータ回転数の制御を行い、
前記演算制御手段は、前記負荷状態として、前記消費電力を前記モータ回転数の3乗で除算する演算を基とする演算値を求め、前記演算値が最小となるよう前記パラメータを調整する
ことを特徴とする電気掃除機。 - 請求項4記載の電気掃除機において、
交流電源に直列に接続されたリアクトルを介して交流電源を短絡通電させ交流電源の力率改善及び直流電圧の昇圧を行う昇圧制御手段を備え、
前記パラメータを、前記インバータ部の通電信号の通電角と進み角、及び前記直流電圧から成る3つのパラメータとする
ことを特徴とする電気掃除機。
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