JPWO2019163103A1 - 電気掃除機 - Google Patents

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Abstract

電気掃除機(1)は、単相モータ(12)、単相モータ(12)を駆動するモータ駆動装置(2)及び塵埃を吸引する吸込口体(63)を備える。モータ駆動装置(2)は、単相モータ(12)に交流電圧を印加する単相インバータ(11)、単相モータ(12)のロータ磁極位置を示す位置センサ信号を出力する位置センサ(21)及び位置センサ信号に基づいて算出した単相モータ(12)の回転速度の変化に基づいて吸込口体(63)の吸込口(69)と清掃面との間に生じた隙間の開口率を算出するプロセッサ(31)を備える。開口率が第1の範囲内のとき、交流電圧の振幅値は第1の値とされ、開口率が第2の範囲内のとき、交流電圧の振幅値は、第1の値とは異なる第2の値とされる。

Description

本発明は、モータ駆動装置によって駆動される単相モータを搭載した電気掃除機に関する。
単相モータには、相数が3つの三相モータと比較して以下の利点がある。
(1)三相モータには三相インバータを用いる必要があるのに対し、単相モータには、三相インバータよりも構成が簡素化された単相インバータを用いればよい。
(2)フルブリッジインバータを用いた三相インバータは6つのスイッチング素子が必要であるのに対し、単相モータは、フルブリッジインバータを用いたとしても、4つのスイッチング素子で構成できる。
(3)上記(1)及び(2)の特徴により、単相モータを用いた装置は、三相モータを用いた装置に比べて、小型化が可能である。
上記の特徴により、バッテリを搭載したコードレスの電気掃除機においては、小型化の観点から、単相モータの適用例が多い。
電気掃除機は、基本的な構成要素として、吸引力を発生させる電動送風機と、塵埃を吸い込む吸込口体と、吸引した塵埃を溜め込む集塵室と、を備える。これらに加え、下記特許文献1の電気掃除機には、掃除対象の床面種類を検知する、光学式の床面検知センサが備えられている。床面種類としては、絨毯、畳、フローリングを例示できる。特許文献1の床面検知センサは、床面検知用の車輪、当該車輪の保持枠、2つのフォトスイッチ、2つのフォトスイッチの内の一方のフォトスイッチの光軸を遮蔽するための遮光部、及びもう一方のフォトスイッチの光軸を遮蔽するための遮光レバーを有する。
特許文献1の電気掃除機は、床面の検知情報に応じて、電気掃除機の運転モードを自動で切り替える制御を行う。特許文献1における床面の検知情報とは、床面が絨毯であるか、又は、床面が板床もしくは畳床であるか、又は、吸込口体が床面を離れているか否かに関する情報である。
特開平2−52620号公報
近年における生活様式の多様化により、掃除対象の床面種類を検知する機能は必須の構成要素として認識されている。しかしながら、上記特許文献1に示されるように、光学式の床面検知センサを使用する方式では、多数の部品を使用すると共に、構造も複雑である。その結果、従来の電気掃除機は、設計及び製造コストが増加し、部品点数の増加によって信頼性が低下するという課題があった。このため、光学式の床面検知センサを使用せずに、床面種類を検知する機能を実現することが望まれている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、光学式の床面検知センサを使用せずに、床面種類を検知できる電気掃除機を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る電気掃除機は、単相モータ、単相モータを駆動するモータ駆動装置、及び塵埃を吸引する吸込具を備える。モータ駆動装置は、単相モータに交流電圧を印加する単相インバータ、単相モータのロータ磁極位置を示す位置センサ信号を出力する位置センサ、及び位置センサ信号に基づいて単相モータの回転速度を算出し、算出した回転速度の変化に基づいて吸込具の吸込口と清掃面との間に生じた隙間の開口率を算出する算出部を備える。開口率が第1の範囲内のとき、交流電圧の振幅値は第1の値とされ、開口率が第2の範囲内のとき、交流電圧の振幅値は第1の値とは異なる第2の値とされる。
本発明に係る電気掃除機によれば、光学式の床面検知センサを使用せずに、床面種類を検知できるという効果を奏する。
実施の形態におけるモータ駆動装置を備えた電気掃除機の基本構成図 実施の形態におけるモータ駆動装置を含むモータ駆動システムの構成を示すブロック図 図2に示す単相インバータの回路構成図 図2に示すプロセッサで実現されるキャリア比較部、及び図2に示すキャリア生成部を示すブロック図 図4に示すキャリア比較部及びキャリア生成部の構成を詳細に示すブロック図 図5に示される正側の電圧指令と、負側の電圧指令と、パルス幅変調(Pulse Width Moduration:PWM)信号と、インバータ出力電圧とのそれぞれの波形例を示すタイムチャート 変調率に応じたインバータ出力電圧の変化を示す図 図4及び図5に示したキャリア比較部へ入力される進角位相を算出するための機能構成を示すブロック図 実施の形態における進角位相の算出方法の一例を示す図 図2に示す位置センサから出力される位置センサ信号と、図2に示すロータの基準位置からの角度であるロータ機械角と、当該ロータ機械角を電気角に換算した位相である基準位相と、図4に示す電圧指令との関係を示す図 実施の形態における電圧振幅指令の時間変化を示す図 実施の形態における開口率の定義の説明に供する図 実施の形態における電圧指令の制御方法の説明に供する図 実施の形態における開口率の算出方法の説明に供する図 実施の形態における進角位相の制御方法の説明に供する図 図3に示すスイッチング素子として利用可能なMOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)の概略構造を示す模式的断面図 図3に示す単相インバータから出力されるインバータ出力電圧の極性によるモータ電流の経路を示す第1の図 図3に示す単相インバータから出力されるインバータ出力電圧の極性によるモータ電流の経路を示す第2の図 図3に示す単相インバータから出力されるインバータ出力電圧の極性によるモータ電流の経路を示す第3の図 実施の形態に係るモータ駆動装置における変調制御を説明するための図
以下に、本発明の実施の形態に係る電気掃除機を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
実施の形態.
図1は、実施の形態に係る電気掃除機の基本構成図である。また、図2は、実施の形態に係る電気掃除機をモータ駆動システムとして見たときの機能構成を示すブロック図である。図1に示すように、電気掃除機1は、吸込口体63、延長管62及び掃除機本体6を備えている。吸込口体63は、床面等の被清掃面上の塵埃及びごみ(以下、単に「塵埃」と略す)を空気と一緒に吸い込むためのものである。吸込口体63の下面には、下向きに開口する吸込口69が形成されている。吸込口体63は、この吸込口69から塵埃を空気と一緒に吸い込む。延長管62は、吸込口体63と掃除機本体6との間に接続され、中空筒状を呈する直状の部材からなる。
掃除機本体6は、内部に取り込んだ空気から塵埃を分離し、塵埃が取り除かれた空気を排出するためのものである。掃除機本体6には、モータ駆動装置2と電動送風機64と集塵室65が収容されている。モータ駆動装置2は電動送風機64を駆動させる装置であり、電動送風機64は図示しない単相モータおよび単相モータに直結された羽根を有し高速気流を発生させるための物である。電動送風機64の駆動によって生み出された高速気流により吸込口69から塵埃を含む空気が吸い込まれる。集塵室65は、塵埃を含む空気から塵埃を分離し、分離した塵埃を一時的に溜めておくためのものである。
また、掃除機本体6には、操作部66とバッテリ67とが設けられている。操作部66は、電気掃除機1の使用者が持って操作するためのものであり、操作部66には、使用者が電気掃除機1の運転を操作するための図示しない操作スイッチが設けられている。バッテリ67は、モータ駆動装置2に直流電力を供給する直流電源である。
図2に示すように、モータ駆動装置2は、電源であるバッテリ67、及び図1に示した電動送風機64に具備される単相モータ12に接続されている。バッテリ67とモータ駆動装置2との間には、電圧センサ20が設けられている。モータ駆動装置2と単相モータ12との間には、電流センサ22が設けられている。単相モータ12の一例は、ブラシレスモータである。モータ駆動装置2は、単相モータ12に交流電力を供給して単相モータ12を駆動する。電圧センサ20は、バッテリ67からモータ駆動装置2に印加される直流電圧Vdcを検出するセンサである。位置センサ21は、単相モータ12に内蔵されるロータ12aの磁極位置であるロータ磁極位置を検出するセンサである。電流センサ22は、単相モータ12に流れる電流であるモータ電流を検出するセンサである。
電気掃除機1は、複数の運転モードを有するように構成されていてもよい。複数の運転モードの1つは「通常運転モード」であり、複数の運転モードの他の1つは「セーブ運転モード」である。「通常運転モード」は、通常運転時のモータ回転数で運転する運転モードである。「セーブ運転モード」は、通常運転時のモータ回転数よりも低いモータ回転数とすることで消費電力を抑制した運転モードである。
「通常運転モード」と「セーブ運転モード」との間の切り替えは、図示しない切り替えスイッチによって実施してもよいし、バッテリ残量に応じたモータ駆動装置2の制御によって実施してもよい。
なお、本実施の形態では、電圧センサ20が直流電圧Vdcを検出しているが、検出対象は直流電圧Vdcに限定されない。検出対象は、モータ駆動装置2の出力電圧であるインバータ出力電圧でもよい。なお、「インバータ出力電圧」は後述する「モータ印加電圧」と同義である。
また、位置センサ21は、ロータ磁極位置を検出できるものであればどのようなものでもよい。ホールIC及びホール素子といった位置検出素子、又は、モータ誘起電圧からロータ磁極位置を検出する回路でもよい。なお、モータ誘起電圧は、単相モータ12のステータ12bにおける不図示の巻線に誘起される電圧である。
次に、モータ駆動装置2の内部の構成について説明する。モータ駆動装置2は、図2に示すように、単相インバータ11と、制御部25と、アナログディジタル変換器30と、駆動信号生成部32とを備える。
単相インバータ11は、単相モータ12に接続され、単相モータ12に交流電圧を印加する。アナログディジタル変換器30は、電圧センサ20により検出された直流電圧Vdcであるアナログデータをディジタルデータに変換する。また、アナログディジタル変換器30は、電流センサ22により検出されたモータ電流のアナログデータをディジタルデータに変換する。
制御部25は、モータ電流を正弦波に制御するための信号であるパルス幅変調(Pulse Width Moduration:PWM)信号Q1,Q2,Q3,Q4を生成する。駆動信号生成部32は、制御部25から出力されたPWM信号Q1,Q2,Q3,Q4に基づいて単相インバータ11内のスイッチング素子を駆動するための駆動信号を生成する。
制御部25は、アナログディジタル変換器30で変換された直流電圧と、位置センサ21から出力された回転位置検出信号である位置センサ信号とに基づいて、PWM信号Q1,Q2,Q3,Q4を生成する。位置センサ信号は、ロータ12aで発生する磁束の方向に応じて変化する二値のディジタル信号である。
次に、制御部25の内部の構成について説明する。制御部25は、プロセッサ31と、キャリア生成部33と、メモリ34とを有する。
プロセッサ31は、PWM制御及び進角制御に関する各種演算を行う処理部である。後述するキャリア比較部38の機能、及び進角位相算出部44の機能は、プロセッサ31によって実現される。プロセッサ31は、CPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、又はDSP(Digital Signal Processor)と称されるものでもよい。
メモリ34には、プロセッサ31によって読みとられるプログラムが保存される。メモリ34は、プロセッサ31が演算処理を行う際の作業領域として使用される。メモリ34は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(登録商標)(Electrically EPROM)といった不揮発性又は揮発性の半導体メモリが一般的である。キャリア生成部33の構成の詳細は後述する。
駆動信号生成部32は、プロセッサ31から出力されたPWM信号Q1,Q2,Q3,Q4を、単相インバータ11を駆動するための駆動信号に変換して、単相インバータ11に出力する。
単相モータ12がブラシレスモータである場合、単相モータ12のロータ12aには、図示しない複数個の永久磁石が周方向に配列される。これらの複数個の永久磁石は、着磁方向が周方向に交互に反転するように配置され、ロータ12aの複数個の磁極を形成する。単相モータ12のステータ12bには、図示しない巻線が巻かれて配置される。以下、ステータ12bの巻線を「ステータ巻線」と呼ぶ。ステータ巻線に流れる交流電流は、前述した「モータ電流」に対応する。なお、本実施の形態では、ロータ12aの磁極数が4極の場合を想定するが、ロータ12aの磁極数は4極以外でもよい。
図3は、図2に示す単相インバータの回路構成図である。単相インバータ11は、ブリッジ接続された複数のスイッチング素子51,52,53,54を有する。高電位側に位置する2つのスイッチング素子51,53のそれぞれは、上アームのスイッチング素子と称される。低電位側に位置する2つのスイッチング素子52,54のそれぞれは、下アームのスイッチング素子と称される。スイッチング素子51とスイッチング素子52との接続端11a、及びスイッチング素子53とスイッチング素子54との接続端11bは、ブリッジ回路における交流端を構成する。接続端11a,11bには、単相モータ12が接続される。
複数のスイッチング素子51,52,53,54のそれぞれは、金属酸化膜半導体電界効果型トランジスタであるMOSFETが使用される。MOSFETはFET(Field−Effect Transistor)の一例である。
スイッチング素子51には、スイッチング素子51のドレインとソースとの間に並列接続されるボディダイオード51aが形成される。スイッチング素子52には、スイッチング素子52のドレインとソースとの間に並列接続されるボディダイオード52aが形成される。スイッチング素子53には、スイッチング素子53のドレインとソースとの間に並列接続されるボディダイオード53aが形成される。スイッチング素子54には、スイッチング素子54のドレインとソースとの間に並列接続されるボディダイオード54aが形成される。複数のボディダイオード51a,52a,53a,54aのそれぞれは、MOSFETの内部に形成される寄生ダイオードであり、還流ダイオードとして使用される。
複数のスイッチング素子51,52,53,54の内の少なくとも一つは、シリコン系材料により形成されたMOSFETに限定されず、炭化珪素、窒化ガリウム系材料又はダイヤモンドといったワイドバンドギャップ半導体により形成されたMOSFETでもよい。
一般的にワイドバンドギャップ半導体は、シリコン半導体に比べて耐電圧および耐熱性が高い。そのため、複数のスイッチング素子51,52,53,54の内の少なくとも一つにワイドバンドギャップ半導体を用いることにより、スイッチング素子の耐電圧性及び許容電流密度が高くなり、スイッチング素子を組み込んだ半導体モジュールを小型化できる。また、ワイドバンドギャップ半導体は、耐熱性も高いため、半導体モジュールで発生した熱を放熱するための放熱部の小型化が可能である。更に、ワイドバンドギャップ半導体は、半導体モジュールで発生した熱を放熱する放熱構造の簡素化が可能である。
図4は、図2に示すプロセッサで実現されるキャリア比較部、及び図2に示すキャリア生成部を示すブロック図である。図5は、図4に示すキャリア比較部及びキャリア生成部の構成を詳細に示すブロック図である。前述したように、PWM信号Q1,Q2,Q3,Q4を生成する機能は、図4に示すキャリア生成部33及びキャリア比較部38によって実現できる。
図4において、キャリア比較部38には、後述する電圧指令Vを生成するときに用いる進角制御された進角位相θと、基準位相θとが入力される。基準位相θは、ロータ12aの基準位置からの角度であるロータ機械角θを電気角に換算した位相である。ここで、「進角位相」とは、電圧指令の「進み角」である「進角」を位相で表したものである。また、ここで言う「進み角」とは、単相インバータ11がステータ巻線に印加するモータ印加電圧と、ステータ巻線に誘起されるモータ誘起電圧との間の位相差である。なお、モータ印加電圧がモータ誘起電圧よりも進んでいるときに、「進み角」は正の値をとる。また、モータ誘起電圧は、位置センサ21の出力信号と同期した信号である。このため、「進み角」は、位置センサ信号とモータ印加電圧との間の位相差でもある。進角位相θの算出には、モータ印加電圧に関する情報が必要であるが、モータ印加電圧に代えてモータ電流を用いてもよい。すなわち、位置センサ信号とモータ電流との間の位相差を「進み角」としてもよい。
また、キャリア比較部38には、進角位相θと、基準位相θとに加え、キャリア生成部33で生成されたキャリアと、直流電圧Vdcと、電圧指令Vの振幅値である電圧振幅指令V*とが入力される。キャリア比較部38は、キャリア、進角位相θ、基準位相θ、直流電圧Vdc及び電圧振幅指令V*に基づいて、PWM信号Q1,Q2,Q3,Q4を生成する。
図5に示すように、キャリア生成部33には、キャリアの周波数であるキャリア周波数f[Hz]が設定される。キャリア周波数fの矢印の先には、キャリア波形の一例として、“0”と“1”との間を上下する三角波キャリアの波形が示されている。なお、単相インバータ11のPWM制御には、同期PWM制御と、非同期PWM制御とがあるが、非同期PWM制御の場合、進角位相θにキャリアを同期させる制御は不要である。
キャリア比較部38は、図5に示すように、絶対値演算部38a、除算部38b、乗算部38c、乗算部38d、加算部38e、乗算部38f、比較部38g、比較部38h、出力反転部38i及び出力反転部38jを有する。
絶対値演算部38aでは、電圧振幅指令V*の絶対値|V*|が演算される。除算部38bでは、絶対値|V*|が、電圧センサ20で検出された直流電圧Vdcによって除算される。バッテリ67の出力電圧であるバッテリ電圧は、電流を流し続けることにより変動するが、絶対値|V*|を直流電圧Vdcで除算することにより、バッテリ電圧の低下によってモータ印加電圧が低下しないように、変調率を増加させることができる。
乗算部38cでは、基準位相θに進角位相θを加えた“θ+θ”の正弦値が演算される。演算された“θ+θ”の正弦値は、除算部38bの出力に乗算される。乗算部38dでは、乗算部38cの出力である電圧指令Vに1/2が乗算される。加算部38eでは、乗算部38dの出力に1/2が加算される。乗算部38fでは、加算部38eの出力に“−1”が乗算される。加算部38eの出力は、複数のスイッチング素子51,52,53,54の内、上アームの2つのスイッチング素子51,53を駆動するための正側の電圧指令Vm1として比較部38gに入力され、乗算部38fの出力は、下アームの2つのスイッチング素子52,54を駆動するための負側の電圧指令Vm2として比較部38hに入力される。
比較部38gでは、正側の電圧指令Vm1と、キャリアの振幅とが比較される。比較部38gの出力は、スイッチング素子51へのPWM信号Q1となり、比較部38gの出力を反転した出力反転部38iの出力は、スイッチング素子52へのPWM信号Q2となる。同様に、比較部38hでは、負側の電圧指令Vm2と、キャリアの振幅とが比較される。比較部38hの出力は、スイッチング素子53へのPWM信号Q3となり、比較部38hの出力を反転した出力反転部38jの出力は、スイッチング素子54へのPWM信号Q4となる。出力反転部38iにより、スイッチング素子51とスイッチング素子52とが同時にオンすることはなく、出力反転部38jにより、スイッチング素子53とスイッチング素子54とが同時にオンされることはない。
図6は、図5に示される正側の電圧指令と、負側の電圧指令と、PWM信号と、インバータ出力電圧とのそれぞれの波形例を示すタイムチャートである。図6には上から順に、加算部38eから出力される正側の電圧指令Vm1の波形と、乗算部38fから出力される負側の電圧指令Vm2の波形と、PWM信号Q1,Q2,Q3,Q4の波形と、インバータ出力電圧の波形とが示されている。電圧指令Vm1,Vm2を使用することにより、PWM信号Q1,Q2,Q3,Q4が生成される。図2に示されるモータ駆動装置2は、PWM信号Q1,Q2,Q3,Q4を使用して単相インバータ11内の複数のスイッチング素子51,52,53,54を制御することにより、図6に示されるようなインバータ出力電圧、すなわちPWM制御された電圧パルスを、単相モータ12に印加する。
PWM信号Q1,Q2,Q3,Q4を生成する際に使用する変調方式としては、正又は負の電位で変化する電圧パルスを出力するバイポーラ変調と、電源半周期ごとに3つの電位で変化する電圧パルス、すなわち正の電位と負の電位と零の電位とに変化する電圧パルスを出力するユニポーラ変調とが知られている。図6に示した波形は、ユニポーラ変調によるものである。本実施の形態のモータ駆動装置2においては、何れの変調方式を用いてもよい。なお、モータ電流波形をより正弦波に制御する必要がある用途では、バイポーラ変調よりも、高調波含有率が少ないユニポーラ変調を採用することが好ましい。
図7は、変調率に応じたインバータ出力電圧の変化を示す図である。図7の上段部には、変調率=1.0である場合の電圧指令Vと、キャリアとインバータ出力電圧とが示される。図7の中段部には、変調率=1.2である場合の電圧指令Vとキャリアとインバータ出力電圧とが示される。図7の下段部には、変調率=2.0である場合の電圧指令Vとキャリアとインバータ出力電圧とが示される。
図5で説明したように、正側の電圧指令Vm1は、比較部38gにおいてキャリアの振幅と比較され、負側の電圧指令Vm2は、比較部38hにおいてキャリアの振幅と比較される。電圧指令Vm1,Vm2が、キャリアの振幅よりも大きいときは、単相インバータ11のスイッチング素子がオンとなる。また、電圧指令Vm1,Vm2がキャリアの振幅よりも小さいときは、単相インバータ11のスイッチング素子がオフとなる。これらの動作により、図6に示されるようなPWM制御されたインバータ出力電圧が単相モータ12に印加される。
なお、変調率の定義は、種々なものが存在するが、本明細書では、電圧振幅指令V*とキャリアの振幅との比率、すなわち「電圧振幅指令V*/キャリア振幅」を変調率と定義する。図7の上段部には、変調率=1.0の場合の波形が示されるが、変調率が1.0未満の場合も同様な波形となる。変調率が1.0未満の場合、キャリアの周波数に応じてインバータ出力電圧が生成されるため、インバータ出力電圧もキャリア周波数に応じた電圧パルスが出力される。
一方、変調率が1.0を超える場合、図7の中段部及び下段部に示すような波形となる。なお、変調率が1.0を超える場合は「過変調」と称され、変調率が1.0を超える領域は「過変調領域」と称される。過変調領域では、電圧指令Vがキャリアの振幅を超えるため、キャリア周波数に応じてインバータ駆動信号を生成することができない区間が発生する。この区間では、インバータ出力電圧は、正の電源電圧又は負の電源電圧に固定されるため、インバータ出力電圧は変調率1.0のときに比べ、大きな出力電圧を得ることができる。
次に、電源にバッテリを用いる場合の問題点と、その対策について説明する。
バッテリは、内部インピーダンスの性質が現れる構造物である。このため、バッテリ出力電圧は、バッテリから出力される電流に応じて大きく変化する。具体的に、20[V]のバッテリにおいて、20[A]の電流を流した場合、バッテリ出力電圧は、およそ17[V]まで低下することが知られている。また、前述した変調率が1.0以上の領域の場合、出力電圧パルスの数が少なくなることで、電圧指令Vに対して、出力電圧が正確に得られないという問題が生じることが知られている。更に、単相インバータ11によるスイッチングの影響により、バッテリ電流は脈動した電流となるため、バッテリから出力される電圧も脈動することが知られている。これらの問題に対して、進角を一定値とはせずに逐次変化させるように制御すれば、バッテリから単相インバータ11に印加される電圧のばらつきと、単相インバータ11が出力する電圧のばらつきとの両方を抑制することができる。
次に、本実施の形態における進角制御について説明する。図8は、図4及び図5に示したキャリア比較部へ入力される進角位相を算出するための機能構成を示すブロック図である。進角位相θを算出するための機能は、図8に示すように回転速度算出部42と、進角位相算出部44とによって実現できる。
回転速度算出部42は、位置センサ21が検出した位置センサ信号に基づいて単相モータ12の回転速度ωを算出する。また、回転速度算出部42は、ロータ12aの基準位置からの角度であるロータ機械角θを電気角に換算した基準位相θを算出する。進角位相算出部44は、回転速度算出部42が算出した回転速度ω及び基準位相θと、位置センサ信号とに基づいて、進角位相θを算出する。
図9は、実施の形態における進角位相の算出方法の一例を示す図である。図9の横軸は回転速度Nを示し、図9の縦軸は進角位相θを示している。なお、回転速度を[rpm]の単位で表すときには、“N”の表記を使用する。図9に示すように、進角位相θは、回転速度Nの増加に対して進角位相θが増加する関数を用いて決定することができる。また、図9において、進角調整幅Δθdelは、位置センサ21の取り付け位置のばらつき範囲を示している。なお、図9の例では、1次の線形関数により進角位相θを決定しているが、1次の線形関数に限定されない。回転速度Nの増加に応じて進角位相θが同じか、もしくは大きくなる関係であれば、1次の線形関数以外の関数を用いてもよい。
図10は、図2に示す位置センサから出力される位置センサ信号と、図2に示すロータ12aの基準位置からの角度であるロータ機械角と、当該ロータ機械角を電気角に換算した位相である基準位相と、図4に示す電圧指令との関係を示す図である。図10の最下段部には、ロータ12aが時計方向に回転したときのロータ機械角θが0°、45°、90°、135°及び180°である単相モータ12が示されている。単相モータ12のロータ12aには、4つの磁石が設けられている。ロータ12aの外周に4つのティース12b1が設けられている。ロータ12aが時計方向に回転した場合、ロータ機械角θに応じた位置センサ信号が検出される。制御部25では、検出された位置センサ信号に応じて電気角に換算された基準位相θが算出される。
図10の中段部に「例1」として示される電圧指令Vは、進角位相θ=0の場合の電圧指令である。進角位相θ=0の場合、基準位相θと同相の正弦波状の電圧指令Vが出力される。このときの電圧指令Vの振幅は、前述した電圧振幅指令V*に基づいて決定される。
図10の中段部に「例2」として示される電圧指令Vは、進角位相θ=π/4の場合の電圧指令である。進角位相θ=π/4の場合、基準位相θから進角位相θの成分であるπ/4進めた正弦波状の電圧指令Vが出力される。
次に、電圧振幅指令V*の与え方について説明する。図11は、実施の形態における電圧振幅指令V*の時間変化を示す図である。本実施の形態において、電圧振幅指令V*は、図示のように、時間に応じて段階的に変化する動作態様とする。具体的に説明すると、まず、起動時には予め設定した一定の第1電圧Vが与えられる。起動区間においては、第1電圧Vが維持される。加速区間では、予め設定した加速レートが得られるように電圧振幅指令V*を上昇させる。加速後、定常運転区間に移行するときは、電圧振幅指令V*の上昇を停止する。定常運転区間では、加速停止時の電圧振幅指令V*が維持される。これにより、定常運転区間では、第1電圧Vよりも大きな一定の第2電圧Vが与えられる。すなわち、本実施の形態では、起動区間及び定常運転区間では、電圧振幅指令V*を一定とするように制御している。なお、起動区間において、第1電圧Vを与える時間τ1は、制御系の安定時間を考慮した任意の時間を設定することができる。
次に、電圧振幅指令V*が一定であることの効果について説明する。定常運転区間において、電圧振幅指令V*を一定に維持することにより、以下の効果が得られる。
(1)負荷が急変した場合においても位置センサ信号から検出された位相を元に、一定の電圧指令を出力できる。
(2)回転速度が変動した場合においても電圧振幅に影響が及ばないため、出力電圧を安定に保つことができる。
なお、ここで言う「負荷」とは、電気掃除機1の場合、吸込口体63の塞ぎ状態を意味する。吸込口体63の塞ぎ状態は、吸込口体63と清掃面である床面との間に生じた隙間に関係する。この隙間は、「開口率」という概念で定義できる。開口率の詳細については、後述する。
ところで、一般的な電気掃除機で実施されている回転速度一定制御では、モータに過電流が流れる場合がある。過電流が流れる理由は、負荷変動の際に回転速度を一定に保とうとするため、電流が急激に変動するからである。より詳細に説明すると、「負荷が軽い状態」すなわち「負荷トルクが小さい状態」から、「負荷が重い状態」すなわち「負荷トルクが大きい状態」に遷移した際に回転速度一定制御を行うと、同一回転速度を維持しようしてモータ出力トルクを大きくしなければならず、モータ電流の変化量が大きくなるからである。
一方、本実施の形態では、前述したように、定常運転区間においては、電圧振幅指令V*を一定とする制御を行う。ここで、電圧振幅指令V*を一定とする場合、負荷が重くなった際には、電圧振幅指令V*は変化しないので、負荷トルクが大きくなった分、モータの回転速度は低下する。モータの回転速度は低下しても、モータ電流の急峻な変化と過電流とを防止できるので、モータの回転速度の急変を抑制することができる。これにより、安定して回転する電気掃除機を実現することができる。
なお、電気掃除機の場合、負荷トルクは、単相モータの負荷である羽根の回転速度の増加によって増加すると共に、風路の径が広くなることでも増加する。風路の径とは、電気掃除機を例とした場合、吸込口体の吸込口の広さを意味している。吸込口が広いとき、例えば吸込口に何も接触していない場合、風を吸い込む力が必要となるため、同一回転速度で羽根が回転している際の負荷トルクは大きくなる。一方、吸込口が狭いとき、例えば吸込口が何かの物体と接触して塞がれている状態では、風を吸い込む力が必要なくなるため、同一回転速度で羽根が回転している際の負荷トルクは小さくなる。
次に、開口率について説明する。図12は、実施の形態における開口率の定義の説明に供する図である。ここで、実施の形態における「開口率」は、図1に示す吸込口体63の吸込口69と清掃面との間に生じた隙間の程度を表す百分率である。図12には、図1に示した電気掃除機1の吸込口体63と、吸込口体63に接続される延長管62と、延長管62内の風路72とが模式的に示されている。図中の実線の矢印は、空気の流れを示している。なお、図12では、吸込口体63の吸込口は、符号で示されていない。
図12の左側に示されるように、吸込口体63の吸込口が床面76によって塞がれて密閉された状態を開口率=0%と定義する。密閉された状態とは、空気が流れない状態である。一方、図12の右側に示されるように、吸込口体63の吸込口が床面76に接触していない場合を開口率=100%と定義する。なお、図12の中央には、両者の中間、すなわち開口率=50%の状態が示されている。
開口率は、床面種類に応じても変化する。また、床面種類以外にも、吸込口に塵埃が詰まった場合、吸込口がカーテンを吸引した場合といった吸引態様に応じて、開口率が変化する。そこで、本明細書では、床面種類又は吸引態様に応じた開口率の範囲を、以下のように定義する。
・吸込口体63の吸込口に吸引物が詰まった場合の開口率:0〜10%
・床面76が絨毯である場合の開口率:10〜50%
・床面76がフローリングである場合の開口率:50〜80%
・吸込口体63の吸込口が床面76から離れている状態の開口率:80〜100%
なお、床面種類又は吸引態様に応じた開口率は、電気掃除機の吸込口体の構造、又は吸込口における塵埃の詰まり具合が影響する。このため、ここで示す数値は、あくまでも一例である。
前述したように、本実施の形態では、定常運転時においては、電圧振幅指令V*を一定とした制御を行う。この制御を行う場合、負荷変動に応じて単相モータ12の回転速度が変化する。逆の見方をすれば、単相モータ12の回転速度を観測することで、負荷変動を間接的に観測することができる。ここで、負荷変動は、開口率の変動の結果として現れる。開口率の変動は、床面種類の変動であり、又は吸引態様の変動である。従って、モータ回転数を観測することで、床面種類の変動又は吸引態様の変動を認識することができる。すなわち、電圧振幅指令V*を一定とした本実施の形態の制御により、床面種類及び吸引態様に応じた制御を取り入れることが可能となる。
図13は、実施の形態における電圧指令の制御方法の説明に供する図である。図13の横軸は回転速度Nを示し、図13の縦軸は進角位相θ及び電圧振幅指令V*を示している。
図13の例では、回転速度及び開口率に応じた制御領域が、領域1から領域4までの4つの領域に区分されている。領域1は開口率が80%から100%のとき、すなわち吸込口体63が床面に触れていない状態を想定している。領域2は開口率が50%から80%のとき、すなわち床面がフローリングの場合を想定している。領域3は開口率が10%から50%のとき、すなわち床面が絨毯の場合を想定している。領域4は開口率が0%から10%のとき、すなわち吸込口体63が密閉された状態か、もしくは吸込口体63に吸引物が詰まった場合を想定している。
進角位相θは、回転速度Nの増加に応じて、図13の太破線で示すように変化して行く。そして、回転速度Nに応じて電圧振幅指令V*が設定される。
領域1から領域2への移行は、開口率が当該領域間の閾値である80%を下回ったときに行われる。開口率が80%を下回ったときとは、電気掃除機1の吸込口体63が床面76に触れていない状態から、フローリングである床面76に移動したと考えられる場合である。この場合、電圧振幅指令V*を第1の指令値Vc1から第2の指令値Vc2に変更することで回転速度Nをより上昇させる。第2の指令値Vc2は、第1の指令値Vc1よりも大きい。このとき、前述の通り、回転速度Nの増加に応じて進角位相θを傾き値Kで増加させる。なお、領域2から領域1への移行も、同様に行われる。領域2から領域1への移行は、開口率が当該領域間の閾値である80%を上回ったときに行われる。
領域2から領域3への移行は、開口率が当該領域間の閾値である50%を下回ったときに行われる。開口率が50%を下回ったときとは、電気掃除機1の吸込口体63がフローリングから絨毯に移動したと考えられる場合である。フローリングよりも絨毯の方が吸引力を必要とする。このため、電圧振幅指令V*を更に大きな値に設定することで回転速度Nをより上昇させる。具体的には、電圧振幅指令V*を第2の指令値Vc2から第3の指令値Vc3に変更する。第3の指令値Vc3は、第2の指令値Vc2よりも大きい。また、回転速度Nの増加に伴い進角位相θも傾き値Kで増加させる。電圧振幅指令V*を第2の指令値Vc2から第3の指令値Vc3に変更することにより、吸引力を更に上げることが可能となる。なお、領域3から領域2への移行も、同様に行われる。領域3から領域2への移行は、開口率が当該領域間の閾値である50%を上回ったときに行われる。
領域3から領域4への移行は、開口率が当該領域間の閾値である10%を下回ったときに行われる。開口率が10%を下回ったときとは、絨毯の清掃中に、吸込口体63に吸引物が詰まった場合を想定している。吸引物が詰まった場合には、回転速度Nを下げるため、電圧振幅指令V*の値を小さくする。具体的には、電圧振幅指令V*を第3の指令値Vc3から第4の指令値Vc4に変更する。第4の指令値Vc4は、第1の指令値Vc1よりも小さい。また、回転速度Nを下げるため、進角位相θを傾き値“−K”で減少させる。電圧振幅指令V*を第4の指令値Vc4に変更することにより、回転速度Nの上昇を抑制し、単相モータ12における無駄な発熱を抑制することができる。なお、領域4から領域3への移行も、同様に行われる。領域4から領域3への移行は、開口率が当該領域間の閾値である10%を上回ったときに行われる。
なお、図13に示す例、すなわち開口率に応じた電圧振幅指令V*の変更例は一例であり、これに限定されない。電圧指令値の大小関係は、用途に応じて変更してもよい。また、製品の運転モードが複数ある場合、上述した第1から第4の指令値は、運転モード毎に複数の値を有していてもよい。
また、上記では、領域1と領域2との間の移行、領域2と領域3との間の移行、及び領域3と領域4との間の移行について説明したが、領域1と領域3との間の移行、領域1と領域4との間の移行、及び領域2と領域4との間の移行も起こり得る。領域1から領域3への移行は、領域3における開口率範囲の上限値である50%が閾値となり、開口率が当該閾値を下回ったときに行われる。領域3から領域1への移行は、領域1における開口率範囲の下限値である80%が閾値となり、開口率が当該閾値を上回ったときに行われる。領域1から領域4への移行は、領域4における開口率範囲の上限値である10%が閾値となり、開口率が当該閾値を下回ったときに行われる。領域4から領域1への移行は、領域1における開口率範囲の下限値である80%が閾値となり、開口率が当該閾値を上回ったときに行われる。領域2から領域4への移行は、領域4における開口率範囲の上限値である10%が閾値となり、開口率が当該閾値を下回ったときに行われる。領域4から領域2への移行は、領域2における開口率範囲の下限値である50%が閾値となり、開口率が当該閾値を上回ったときに行われる。
次に、開口率の算出方法について説明する。図14は、実施の形態における開口率の算出方法の説明に供する図である。
図14には、開口率に応じて変化する電圧振幅指令V*に関し、図13において示した“Vc1”、“Vc2”及び“Vc3”からなる3つの曲線が示されている。開口率の範囲は、上述した例の通りである。なお、「床面なし」とは、吸込口体63が床面76から離れている状態を意味している。
図14において、回転速度N1未満では電圧振幅指令V*=Vc1であり、動作点は太実線L1上を移動する。回転速度N1に達すると、電圧振幅指令V*=Vc2となり、動作点は太実線L2上に移る。このとき、回転速度Nは、N2に達する。回転速度N2以上、N3未満では、動作点は太実線L2上を移動する。回転速度N3に達すると、電圧振幅指令V*=Vc3となり、動作点は太実線L3上に移る。このとき、回転速度Nは、N4に達する。回転速度N4以上では、動作点は太実線L3上を移動する。
上記のように、回転速度Nを変更すると、開口率に対する電圧振幅指令V*の関係が変化する。このため、回転速度Nと電圧振幅指令V*の関係を前もって把握しておき、制御部25内の図示しないテーブルに保持しておく。図14に示す例では、回転速度がN1より小さい開口率=100%〜80%であるときに、電圧振幅指令V*=Vc1となる。以下同様に、回転速度N1〜N3のとき開口率=80%〜50%であり、電圧振幅指令V*=Vc2となる。また、回転速度N3以上のとき、開口率=50%〜10%であり、電圧振幅指令V*=Vc3となる。なお、回転数が急上昇、急下降する際は、急上昇後の回転数よりさらに大きな回転数になり、急降下後の回転数よりさらに小さな回転数になることがあるが、その際の開口率は図14の太実線に応じた開口率にはならない。図8に示す回転速度算出部42によって算出された回転速度ωを基に、開口率と回転速度Nと電圧振幅指令V*との関係が保持されているテーブルを参照することで、開口率に対応する電圧振幅指令V*を算出することが可能となる。
なお、図13の例では、進角位相θを増加させる傾きは一定とし、開口率の範囲に応じて、開口率の範囲内では一定値である電圧振幅指令V*を出力していたが、これに限定されない。電圧振幅指令V*は一定とし、進角位相θを増加させる傾きを変更してもよい。以下、この手法について、図15を参照して説明する。すなわち、図15は、実施の形態における進角位相の制御方法の説明に供する図である。
図15において、領域1から領域2への移行は、開口率が当該領域間の閾値である80%を下回ったときに行われる。このとき、電圧振幅指令V*は変更されず、進角位相θを増加させる傾きが、第1の傾き値K1から第2の傾き値K2に変更される。第1の傾き値K1及び第2の傾き値K2は、共に正である。また、第2の傾き値K2は、第1の傾き値K1よりも大きい。なお、領域2から領域1への移行も、同様に行われる。領域2から領域1への移行は、開口率が当該領域間の閾値である80%を上回ったときに行われる。このとき、進角位相θを増加させる傾きは、第2の傾き値K2から第1の傾き値K1に変更される。
領域2から領域3への移行は、開口率が当該領域間の閾値である50%を下回ったときに行われる。このときも、電圧振幅指令V*は変更されず、進角位相θを増加させる傾きが、第2の傾き値K2から第3の傾き値K3に変更される。第2の傾き値K2及び第3の傾き値K3は、共に正である。また、第3の傾き値K3は、第2の傾き値K2よりも大きい。なお、領域3から領域2への移行も、同様に行われる。領域3から領域2への移行は、開口率が当該領域間の閾値である50%を上回ったときに行われる。このとき、進角位相θを増加させる傾きは、第3の傾き値K3から第2の傾き値K2に変更される。
領域3から領域4への移行は、開口率が当該領域間の閾値である10%を下回ったときに行われる。このときも、電圧振幅指令V*は変更されず、進角位相θを増加させる傾きが、第3の傾き値K3から第4の傾き値K4に変更される。第4の傾き値K4は負である。なお、領域4から領域3への移行も、同様に行われる。領域4から領域3への移行は、開口率が当該領域間の閾値である10%を上回ったときに行われる。このとき、進角位相θを増加させる傾きは、第4の傾き値K4から第3の傾き値K3に変更される。
なお、図15に示す例、すなわち開口率に応じた進角位相θの傾き値の変更例は一例であり、これに限定されない。各領域における進角位相θの傾き値の大小関係は、用途に応じて変更してもよい。また、製品の運転モードが複数ある場合、上述した第1から第4の傾き値は、運転モード毎に複数の値を有していてもよい。
また、上記では、領域1と領域2との間の移行、領域2と領域3との間の移行、及び領域3と領域4との間の移行について説明したが、領域1と領域3との間の移行、領域1と領域4との間の移行、及び領域2と領域4との間の移行も起こり得る。領域1から領域3への移行は、領域3における開口率範囲の上限値である50%が閾値となり、開口率が当該閾値を下回ったときに行われる。領域3から領域1への移行は、領域1における開口率範囲の下限値である80%が閾値となり、開口率が当該閾値を上回ったときに行われる。領域1から領域4への移行は、領域4における開口率範囲の上限値である10%が閾値となり、開口率が当該閾値を下回ったときに行われる。領域4から領域1への移行は、領域1における開口率範囲の下限値である80%が閾値となり、開口率が当該閾値を上回ったときに行われる。領域2から領域4への移行は、領域4における開口率範囲の上限値である10%が閾値となり、開口率が当該閾値を下回ったときに行われる。領域4から領域2への移行は、領域2における開口率範囲の下限値である50%が閾値となり、開口率が当該閾値を上回ったときに行われる。
次に、進角制御による効果について説明する。まず、回転速度Nの増加に応じて進角位相θを増加させるようにすれば、回転速度範囲を広げることができる。進角位相θを0とした場合には、モータ印加電圧とモータ誘起電圧とが釣り合う所で回転速度Nが飽和する。回転速度Nを更に増加させるためには、進角位相θを進め、電機子反作用によるステータ12bに発生させる磁束を弱めることでモータ誘起電圧を抑制し、回転速度Nを増加させる。よって、進角位相θを回転速度Nに応じて選択することで、より広範囲の回転速度領域を得ることができる。
次に、進角制御に進角調整幅Δθdelを設けることによる効果について説明する。まず、進角調整幅Δθdelを設けることで、製造時に位置センサ21の位置ずれが生じた場合、又は位置センサ21固有の感度の特性ずれが発生した場合においても、進角調整幅Δθdelによって、位置ずれ又は特性ずれの修正が可能となる。これにより、安定した特定の回転速度Nを得ることができる。また、位置ずれ又は特性ずれの修正を製造工程から省くことができるので、位置ずれ又は特性ずれを修正又は調整するためのコストの発生を抑制できる。
以上の説明の通り、本実施の形態に係る進角制御によれば、吸込口体63の開口率が第1の範囲の場合には、電圧振幅指令V*を一定とし、回転速度Nの増加に応じて電圧指令の進み角である進角位相θを増加させる。本制御により、広い回転速度範囲において安定した駆動が可能となる。また、進角調整幅Δθdelを設けることにより、位置センサ21の位置ずれが発生した場合においても、回転速度Nに与える影響を抑制することができる。
また、本実施の形態に係る進角制御によれば、吸込口体63の開口率が第1の範囲から第2の範囲に変化した場合、電圧振幅指令V*を第1の範囲に対応する第1の指令値から第2の範囲に対応する第2の指令値に変更する。これにより、床面種類の変動又は吸引態様の変動に応じた制御が可能となり、開口率に応じた好ましい吸引力を得ることができる。なお、電圧振幅指令V*を第1の範囲に対応する第1の指令値から第2の範囲に対応する第2の指令値に変更することは、単相インバータ11から単相モータ12への印加電圧を第1の範囲に対応する第1の振幅値から第2の範囲に対応する第2の振幅値に変更することと等価である。
なお、進角位相θが回転速度Nに応じて関数で設定されている場合、関数で示される直線又は曲線の傾きを変化させることで回転速度を変化させることが可能となる。すなわち、吸込口体63の開口率が第1の範囲の場合、進角位相θを表す直線又は曲線の傾きを第1の傾き値に設定し、吸込口体63の開口率が第2の範囲の場合、進角位相θを表す直線又は曲線の傾きを第2の傾き値に設定する。これにより、進角位相θの計算を迅速に行うことができる。なお、進角位相θを表す関数が曲線である場合、当該曲線の制御点における接線の傾きを用いることができる。
次に、本実施の形態における損失低減手法について、図16から図19の図面を参照して説明する。図16は、MOSFETの概略構造を示す模式的断面図である。図16では、n型MOSFETを例示している。図17は、図3に示す単相インバータから出力されるインバータ出力電圧の極性によるモータ電流の経路を示す第1の図である。図18は、当該インバータ出力電圧の極性によるモータ電流の経路を示す第2の図である。図19は、当該インバータ出力電圧の極性によるモータ電流の経路を示す第3の図である。
n型MOSFETの場合、図16に示すように、p型の半導体基板80が用いられる。p型領域81を有する半導体基板80には、ソース電極82、ドレイン電極83及びゲート電極84が形成される。ソース電極82及びドレイン電極83と接する部位には、高濃度の不純物がイオン注入されてn型領域85が形成される。また、p型の半導体基板80において、n型領域85が形成されない部位とゲート電極84との間には、酸化絶縁膜86が形成される。すなわち、ゲート電極84と、半導体基板80におけるp型領域81との間には、酸化絶縁膜86が介在している。
ゲート電極84に正電圧が印加されると、半導体基板80におけるp型領域81と酸化絶縁膜86との間の境界面に電子が引き寄せられ、負に帯電する。電子が集まった所は、電子の密度がホールよりも多くなりn型化する。このn型化した部分は電流の通り道となりチャネルと呼ばれる。図16の例は、n型チャネル87が形成される場合の例である。p型MOSFETの場合には、p型チャネルが形成される。
インバータ出力電圧の極性が正の場合、図17の太実線(a)で示すように、電流は、第1相の上アームであるスイッチング素子51のチャネルを通って単相モータ12に流れ込み、第2相の下アームであるスイッチング素子54のチャネルを通って単相モータ12から流れ出す。また、インバータ出力電圧の極性が負の場合、図17の太破線(b)で示すように、電流は、第2相の上アームであるスイッチング素子53のチャネルを通って単相モータ12に流れ込み、第1相の下アームであるスイッチング素子52のチャネルを通って単相モータ12から流れ出す。
次に、インバータ出力電圧が零、すなわち単相インバータ11から零電圧が出力された場合の電流経路について説明する。正のインバータ出力電圧が生成された後にインバータ出力電圧が零になると、図18の太実線(c)で示すように、電源側からは電流が流れず、単相インバータ11と単相モータ12との間で電流が行き来する還流モードとなる。このとき、単相モータ12に直前に流れている電流の向きは変わらないため、単相モータ12から流れ出した電流は、第2相の下アームであるスイッチング素子54のチャネルと、第1相の下アームであるスイッチング素子52のボディダイオード52aとを通って単相モータ12に戻る。なお、負のインバータ出力電圧が生成された後にインバータ出力電圧が零になる場合は、直前に流れていた電流の向きが逆であるため、図18の太破線(d)で示すように、還流電流の向きは逆となる。具体的に説明すると、単相モータ12から流れ出した電流は、第1相の上アームであるスイッチング素子51のボディダイオード51aと、第2相の上アームであるスイッチング素子53のチャネルとを通って単相モータ12に戻る。
上記の説明の通り、単相モータ12と単相インバータ11との間で電流が還流する還流モードでは、第1相及び第2相の内の何れか一方の相ではボディダイオードに電流が流れる。一般的に、ダイオードの順方向に電流を流すことに比べ、MOSFETのチャネルに電流を流した方が、導通損失が小さくなることが知られている。そこで、本実施の形態では、還流電流が流れる還流モードにおいて、ボディダイオードに流れる通流電流を小さくすべく、当該ボディダイオードを有する側のMOSFETがオンに制御される。
還流モードにおいて、図18の太実線(c)で示す還流電流が流れるタイミングでは、スイッチング素子52がオンに制御される。このように制御すれば、図19の太実線(e)で示すように、還流電流の多くは抵抗値の小さいスイッチング素子52のチャネル側を流れる。これにより、スイッチング素子52での半導体損失が低減される。また、図18の太破線(d)で示す還流電流が流れるタイミングでは、スイッチング素子51がオンに制御される。このように制御すれば、図19の太破線(f)で示すように、還流電流の多くは抵抗値の小さいスイッチング素子51のチャネル側を流れる。これにより、スイッチング素子51での半導体損失が低減される。
前述のように、ボディダイオードに還流電流が流れるタイミングにおいて、当該ボディダイオードを有する側のMOSFETがオンに制御されることにより、スイッチング素子の損失を低減することができる。このため、MOSFETの形状を表面実装タイプにして基板にて放熱可能な構造とし、また、要すればスイッチング素子の一部又は全部をワイドバンドギャップ半導体で形成することにより、基板のみでMOSFETの発熱を抑制する構造を実現する。なお、基板のみで放熱が可能であれば、ヒートシンクが不要となるため、インバータの小型化に寄与し、製品の小型化にも繋げることができる。
前述の放熱方法に加え、基板を風路に設置することで、更なる放熱効果をも得ることができる。基板を風路に設置することにより、電動送風機が発生する風によって基板上の半導体素子を放熱できるので、半導体素子の発熱を大幅に抑制することができる。
電気掃除機60は、モータ回転数が0[rpm]から10万以上[rpm]まで変動する製品である。このように単相モータ12が高速回転する製品を駆動する際には、前述した実施の形態に係る制御手法が好適である。電圧振幅指令V*を一定とし、回転速度に応じて進角位相θを変更することで、低速から高速回転領域まで回転数駆動範囲を広げつつ、負荷急変に対応することができる。また、PWM制御によってモータ電流を正弦波に制御することで高効率な駆動ができるため、運転時間の長時間化が望める。
図20は、本実施の形態のモータ駆動装置における変調制御を説明するための図である。同図の左側には、回転数と変調率の関係が示される。また同図の右側には、変調率が1以下のときのインバータ出力電圧の波形と、変調率が1を超えるときのインバータ出力電圧の波形とが示される。一般的に、回転数の増加に伴い回転体の負荷トルクは大きくなる。このため、回転数の増加に伴いモータ出力トルクを増加させる必要がある。また、一般的にモータ出力トルクはモータ電流に比例して増加し、モータ電流の増加にはインバータ出力電圧の増加が必要である。よって、変調率を上げてインバータ出力電圧を増加させることで、回転数を増加させることができる。
次に、本実施の形態における回転数制御について説明する。なお、以下の説明では、負荷として電動送風機を想定し、電動送風機の運転域を以下の通り区分する。
(A)低速回転域(低回転数領域):0[rpm]から8万[rpm]
(B)高速回転域(高回転数領域):8万[rpm]以上
なお、上記(A)と上記(B)に挟まれた領域はグレーゾーンであり、用途に応じて、低速回転域に含まれる場合もあれば、高速回転域に含まれる場合もある。
まず、低速回転域での制御について説明する。低速回転域では変調率を1以下としてPWM制御される。なお、変調率を1以下とすることで、モータ電流を正弦波に制御し、モータの高効率化を図ることができる。なお、低速回転域と高速回転域とで同じキャリア周波数で動作させた場合、キャリア周波数は高速回転域に合わせたキャリア周波数となるため、低速回転域ではPWMパルスが必要以上に多くなる傾向にある。このため、低速回転域ではキャリア周波数を低下させ、スイッチング損失を低下させる手法を用いてもよい。また、回転数に同期させてキャリア周波数を可変させることで、回転数に応じてパルス数が変化しないように制御してもよい。
次に、高速回転域での制御について説明する。高速回転域では、変調率が1より大きな値に設定される。変調率を1より大きくすることで、インバータ出力電圧を増加させつつ、インバータ内のスイッチング素子が行うスイッチング回数を低減させることで、スイッチング損失の増加を抑えることができる。ここで、変調率が1を超えることによって、モータ出力電圧は増加するが、スイッチング回数が低下するため、電流の歪が懸念される。しかしながら、高速回転中においては、モータのリアクタンス成分が大きくなり、モータ電流の変化成分であるdi/dtが小さくなるため、低速回転域に比べて電流歪は小さくなり、波形の歪に対する影響は小さくなる。よって、高速回転域では、変調率を1より大きな値に設定し、スイッチングパルス数を低減させる制御を行う。この制御により、スイッチング損失の増加を抑制し、高効率化を図ることができる。
なお、上記の通り、低速回転域と高速回転域の境界は曖昧である。このため、制御部25には、低速回転域と高速回転域との境界を決める第1回転速度が設定され、制御部25は、モータ又は負荷の回転速度が第1回転速度以下の場合には変調率を1以下に設定し、モータ又は負荷の回転速度が第1回転速度を超えた場合には1を超える変調率に設定するように制御すればよい。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 電気掃除機、2 モータ駆動装置、6 掃除機本体、11 単相インバータ、11a,11b 接続端、12 単相モータ、12a ロータ、12b ステータ、12b1 ティース、20 電圧センサ、21 位置センサ、22 電流センサ、25 制御部、30 アナログディジタル変換器、31 プロセッサ、32 駆動信号生成部、33 キャリア生成部、34 メモリ、38 キャリア比較部、38a 絶対値演算部、38b 除算部、38c,38d,38f 乗算部、38e 加算部、38g,38h 比較部、38i,38j 出力反転部、42 回転速度算出部、44 進角位相算出部、51,52,53,54 スイッチング素子、51a,52a,53a,54a ボディダイオード、62 延長管、63 吸込口体、64 電動送風機、65 集塵室、66 操作部、67 バッテリ、69 吸込口、72 風路、76 床面、80 半導体基板、81 p型領域、82 ソース電極、83 ドレイン電極、84 ゲート電極、85 n型領域、86 酸化絶縁膜。

Claims (8)

  1. 単相モータと、前記単相モータを駆動するモータ駆動装置と、塵埃を吸引する吸込具と、を備えた電気掃除機であって、
    前記モータ駆動装置は、
    前記単相モータに交流電圧を印加する単相インバータと、
    前記単相モータのロータ磁極位置を示す位置センサ信号を出力する位置センサと、
    前記位置センサ信号に基づいて前記単相モータの回転速度を算出し、算出した前記回転速度の変化に基づいて、前記吸込具の吸込口と清掃面との間に生じた隙間の開口率を算出する算出部と、
    を備え、
    前記開口率が第1の範囲内のとき、前記交流電圧の振幅値は第1の値とされ、前記開口率が第2の範囲内のとき、前記交流電圧の振幅値は前記第1の値とは異なる第2の値とされる
    電気掃除機。
  2. 単相モータと、前記単相モータを駆動するモータ駆動装置と、塵埃を吸引する吸込具と、を備えた電気掃除機であって、
    前記モータ駆動装置は、
    前記単相モータに交流電圧を印加する単相インバータと、
    前記単相モータのロータ磁極位置を示す位置センサ信号を出力する位置センサと、
    前記単相モータに流れるモータ電流を検出する電流センサと、
    前記位置センサ信号に基づいて前記単相モータの回転速度を算出し、算出した前記回転速度の変化に基づいて、前記吸込具の吸込口と清掃面との間に生じた隙間の開口率を算出する算出部と、
    を備え、
    前記モータ電流と前記位置センサ信号との位相差である進角を制御し、
    前記進角は、前記単相モータの回転速度の増加に伴い増加する傾きを有し、
    前記開口率が第1の範囲のとき、前記進角の傾きは第1の傾き値とされ、前記開口率が第2の範囲のとき、前記進角の傾きは前記第1の傾き値とは異なる第2の傾き値とされる
    電気掃除機。
  3. 単相モータと、前記単相モータを駆動するモータ駆動装置と、塵埃を吸引する吸込具と、を備えた電気掃除機であって、
    前記モータ駆動装置は、前記単相モータに交流電圧を印加する単相インバータを備え、
    前記吸込具の吸込口と清掃面との間に生じた隙間の開口率が第1の範囲内のとき、前記単相モータの回転速度が第1の回転速度であると共に前記交流電圧の振幅値が第1の値であり、
    前記開口率が第2の範囲内のとき、前記単相モータの回転速度が前記第1の回転速度とは異なる第2の回転速度であると共に前記交流電圧の振幅値が前記第1の値とは異なる第2の値となる
    電気掃除機。
  4. 単相モータと、前記単相モータを駆動するモータ駆動装置と、塵埃を吸引する吸込具と、を備えた電気掃除機であって、
    前記モータ駆動装置は、
    前記単相モータに交流電圧を印加する単相インバータと、
    前記単相モータのロータ磁極位置を示す位置センサ信号を出力する位置センサと、
    を備え、
    前記モータへの印加電圧と前記位置センサ信号との位相差である進角を制御し、
    前記進角は、前記単相モータの回転速度の増加に伴い増加する傾きを有し、
    前記吸込具の吸込口と清掃面との間に生じた隙間の開口率が第1の範囲内のとき、前記単相モータの回転速度が第1の回転速度であると共に前記進角の傾きが第1の傾き値であり、
    前記開口率が第2の範囲内のとき、前記単相モータの回転速度が前記第1の回転速度とは異なる第2の回転速度であると共に前記進角の傾きが前記第1の傾き値とは異なる第2の傾き値となる
    電気掃除機。
  5. 前記開口率の範囲を複数有し、前記開口率の範囲の上限値又は下限値を閾値とし、前記開口率が前記閾値を上回る毎、又は下回る毎に前記交流電圧の振幅値又は前記進角の傾き値を変化させる請求項2又は4に記載の電気掃除機。
  6. 前記交流電圧の振幅値又は前記進角の傾き値は、運転モード毎に複数有する請求項2、4又は5に記載の電気掃除機。
  7. 前記単相インバータは、複数のスイッチング素子を備え、
    複数の前記スイッチング素子の内の少なくとも1つはワイドバンドギャップ半導体で形成されている請求項1から6の何れか1項に記載の電気掃除機。
  8. 前記ワイドバンドギャップ半導体は、炭化珪素、窒化ガリウム又はダイヤモンドである請求項7に記載の電気掃除機。
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