JP2008187936A - トランススプライシング法による融合タンパク質作製方法 - Google Patents

トランススプライシング法による融合タンパク質作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発現ベクターを構築することなく簡便且つ短時間で目的とする融合タンパク質を製造できる方法の提供。
【解決手段】第一のタンパク質と第二のタンパク質とからなる融合タンパク質の製造方法において、第二のタンパク質をコードする遺伝子配列を含み、且つ第一のタンパク質をコードする遺伝子配列を含む領域から生成するpre-mRNAに結合してトランススプライシングを誘導できる配列を含む核酸分子(プレトランススプライシング分子)又は該核酸分子を発現できるベクターを、第一のタンパク質を発現する細胞内に導入する工程、及び該細胞内で生成した第一のタンパク質と第二のタンパク質とからなる融合タンパク質を回収する工程を含む、融合タンパク質の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、トランススプライシング法による融合タンパク質の製造方法に関する。
トランススプライシングとは、成熟メッセンジャーRNAが作られる際、別々に転写された前駆体RNA分子内のエキソン同士が結合されるスプライシングのことを指す。
染色体のDNA配列はコード領域(エキソン)を含み、通常、介在する非コード領域(イントロン)も含んだプレmRNAへと転写される。イントロンはスプライシングと呼ばれる精密なプロセスでプレmRNAから除かれる。スプライシングは、いくつかの小さなリボヌクレオタンパク質(snRNP)と、集合してスプライセオソームとして知られる酵素複合体を形成する多くのタンパク質因子との協調した相互作用として起こることが知られている。
プレmRNAのスプライシングは2ステップ機構で進行する。第1のステップでは、5’スプライス部位が切断されて「遊離の」5’エキソンと輪縄状の中間体が生じる。第2のステップでは、この5’エキソンが3’エキソンと連結し、それに伴って輪縄状の産物としてのイントロンが遊離する。これらのステップは小さな核リボヌクレオタンパク質とスプライセオソームと呼ばれるタンパク質の複合体で触媒される。これらのスプライシング反応部位は5’および3’スプライス部位の周辺の共通配列によって規定される。5’スプライス部位共通配列はAG/GURAGU(ここでA=アデノシン、U=ウラシル、G=グアニン、C=シトシン、R=プリン、/=スプライス部位)である。3’スプライス領域は、分岐点または分枝部位、ポリピリミジントラクトおよび3’スプライス共通配列(YAG)の3つの個別の配列エレメントからなる。これらのエレメントは3’スプライス領域を大まかに規定し、3’スプライス領域は3’スプライス部位の上流に100ヌクレオチドのイントロンを含みうる。哺乳類の分岐点共通配列はYNYURC(ここでN=任意のヌクレオチド、Y=ピリミジン)である。下線のAは分岐形成部位である(BPA=分岐点アデノシン)。3’スプライス共通配列はYAG/Gである。分岐点とスプライス部位の間には通常ポリピリミジントラクトが見られるが、これは哺乳類系では効果的な分岐点の利用と3’スプライス部位の認識に重要なものである。分岐点およびポリピリミジントラクトの下流にある最初のY A Gのトリヌクレオチドは最もよく用いられる3’スプライス部位である(Smith, C.W.ら, 1989, Nature 342:243-247)。
ほとんどの場合、スプライシング反応は同じプレmRNA分子内で起こり、これはシススプライシングと呼ばれる。独立して転写された2つのプレmRNAの間のスプライシングをトランススプライシングと呼ぶ。トランススプライシングはトリパノソーマで初めて発見され(非特許文献3)、続いて線虫;扁虫(非特許文献4)および植物のミトコンドリアで発見された(非特許文献5)。
このトランススプライシングの手法を用いてタンパク質を発現させ、遺伝子治療やタンパク質の同定方法に用いる方法、また動物内でのイメージングに応用する方法が、これまでに報告されている(特許文献1、非特許文献1、2)。
一方、従来、2つ以上のタンパク質の融合タンパク質を作製する場合には、各々の目的タンパク質をコードする遺伝子配列をクローニングし、それらを導入した発現ベクターを作製し、大腸菌などにより作製する方法が用いられる事が多い。しかし、この方法は、目的タンパク質をコードする遺伝子配列のクローニングや発現ベクターの作製など煩雑な実験操作が必要である。その為、一部分が共通であっても異なる種類の融合タンパク質を作製する場合には、必ず新たな発現ベクターを作製する必要があった。
遺伝子治療:Puttataju, M. et al, Nature Biotechnology, vol.17, 246-252 (1999) 動物内イメージング:C. E. Walsh et al, Molecular Therapy, vol.12, 1006-1012 (2005) Sutton & Boothroyd, 1986, Cell 47 : 527 ; Murphy ら, 1986, Cell 47 : 517 Rajkovicら, 1990, Proc.Natl.Acad. Sci.USA, 87: 8879; Davisら, 1995, J.Biol. Chem. 270: 21813 Malekら, 1997, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94: 553 特表2004−525618号公報
本発明は、上記の従来技術の問題点を解決すべき課題とした。すなわち、本発明は、発現ベクターを構築することなく簡便且つ短時間で目的とする融合タンパク質を製造できる方法を提供することを解決すべき課題とした。さらに本発明は、同じ種類のタンパク質の製造であれば同一方法(試薬)での製造が可能である汎用性の高い融合タンパク質の製造方法を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、トランススプライシングを利用することによって細胞内で生成させた融合タンパク質を回収することによって、簡便且つ短時間で目的とする融合タンパク質を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下の発明が提供される
(1) 第一のタンパク質と第二のタンパク質とからなる融合タンパク質の製造方法において、第二のタンパク質をコードする遺伝子配列を含み、且つ第一のタンパク質をコードする遺伝子配列を含む領域から生成するpre-mRNAに結合してトランススプライシングを誘導できる配列を含む核酸分子(プレトランススプライシング分子)又は該核酸分子を発現できるベクターを、第一のタンパク質を発現する細胞内に導入する工程、及び該細胞内で生成した第一のタンパク質と第二のタンパク質とからなる融合タンパク質を回収する工程を含む、融合タンパク質の製造方法。
(2) 第一のタンパク質と第二のタンパク質とからなる融合タンパク質の製造方法において、第一のタンパク質をコードする遺伝子配列を含む第一の核酸分子又は該核酸分子を発現できるベクターと、第二のタンパク質をコードする遺伝子配列を含み、且つ第一のタンパク質をコードする遺伝子配列を含む領域から生成するpre-mRNAに結合してトランススプライシングを誘導できる配列を含む第二の核酸分子(プレトランススプライシング分子)又は該核酸分子を発現できるベクターとを、トランススプライシングが可能な細胞内に導入する工程、及び該細胞内で生成した第一のタンパク質と第二のタンパク質とからなる融合タンパク質を回収する工程を含む、融合タンパク質の製造方法。
(3) 第二のタンパク質をコードする遺伝子配列を含み、且つ第一のタンパク質をコードする遺伝子配列を含む領域から生成するpre-mRNAに結合してトランススプライシングを誘導できる配列を含む核酸分子(プレトランススプライシング分子)が、5’スプライス配列、3’スプライス配列、又はSμ配列から選択される少なくとも1以上の配列を含む核酸分子又は該核酸分子を発現できるベクターである、(1)又は(2)に記載の方法。
(4)第二のタンパク質をコードする遺伝子配列を含み、且つ第一のタンパク質をコードする遺伝子配列を含む領域から生成するpre-mRNAに結合してトランススプライシングを誘導できる配列を含む核酸分子(プレトランススプライシング分子)が、
(a)5’スプライス配列、3’スプライス配列、又はSμ配列から選択される少なくとも1以上の配列;
(b)分岐点;及び
(c)ピリミジントラクト;
を含む核酸分子又は該核酸分子を発現できるベクターである、(1)又は(2)に記載の方法。
(5) 第二のタンパク質をコードする遺伝子配列を含み、且つ第一のタンパク質をコードする遺伝子配列を含む領域から生成するpre-mRNAに結合してトランススプライシングを誘導できる配列を含む核酸分子(プレトランススプライシング分子)が、プラスミドベクターまたはレトロウイルスベクターにコードされている核酸分子である、(1)から(4)の何れかに記載の方法。
(6) 第一のタンパク質が、抗体H鎖の可変領域タンパク質(VH)を含むタンパク質である、(1)から(5)の何れかに記載の方法。
(7) 第一のタンパク質が、抗体H鎖の可変領域タンパク質(VH)を含むタンパク質であり、第二のタンパク質が、抗体H鎖の定常領域CH1タンパク質を含むタンパク質である、(1)から(6)の何れかに記載の方法。
(8) 第一のタンパク質が、抗体L鎖の可変領域タンパク質(VL)を含むタンパク質である、(1)から(5)の何れかに記載の方法。
(9) 第一のタンパク質が、抗体L鎖の可変領域タンパク質(VL)を含むタンパク質であり、第二のタンパク質が抗体L鎖の定常領域CLタンパク質を含むタンパク質である、(1)から(5)、又は(8)の何れかに記載の方法。
(10) 第一のタンパク質を発現する細胞が、抗体を産生する細胞である、(1)から(9)の何れかに記載の方法。
(11) 第一のタンパク質を発現する細胞がハイブリドーマである、(1)から(9)の何れかに記載の方法。
(12) 第一のタンパク質を発現する細胞がニワトリ体細胞DT40である、(1)から(9)の何れかに記載の方法。
(13) 第二のタンパク質が酵素を含むタンパク質である、(1)から(12)の何れかに記載の方法。
(14) 第二のタンパク質がアルカリフォスファターゼ、ペルオキシダーゼ、β―ガラクトシダーゼ、又はルシフェラーゼを含むタンパク質である、(1)から(12)のいずれかに記載の方法。
(15) (1)から(14)のいずれかに記載の方法により融合タンパク質を製造する工程、及び得られた融合タンパク質を用いて免疫測定を行う工程を含む、免疫測定方法。
(16) (1)から(14)のいずれかに記載の方法により抗体H鎖の可変領域タンパク質(VH)及び/または抗体L鎖の可変領域タンパク質(VL)を含む融合タンパク質を製造する工程、及び得られた融合タンパク質を用いて免疫測定を行う工程を含む、免疫測定方法。
本発明では、発現ベクター構築が不要であるため、簡便且つ短時間で目的とする融合タンパク質を製造することが可能である。また、本発明によれば、同じ種類のタンパク質の製造であれば同一方法(試薬)で製造が可能であるため、汎用性の高い融合タンパク質の製造方法が提供される。
(1)本発明の特徴について
本発明では、トランススプライシングを融合タンパク質発現方法として利用するものである。本発明の融合タンパク質は、融合遺伝子を作製して人工的に2種類の以上の異なるタンパク質を結合させたものであればよく、特に限定されるものではないが、例えば、「抗体可変領域をコードするタンパク質」と「酵素」の融合タンパク質などを挙げることができる。
本発明においては、第二のタンパク質をコードする遺伝子配列を含み、且つ第一のタンパク質をコードする遺伝子配列を含む領域から生成するpre-mRNAに結合してトランススプライシングを誘導できる配列を含む核酸分子(プレトランススプライシング分子, PTM)又は該核酸分子を発現できるベクターを、第一のタンパク質を発現する細胞内に導入する。あるいは別の態様によれば、第二のタンパク質をコードする遺伝子配列を含み、且つ第一のタンパク質をコードする遺伝子配列を含む領域から生成するpre-mRNAに結合してトランススプライシングを誘導できる配列を含む第一の核酸分子(PTM)又は該核酸分子を発現できるベクターと、第一のタンパク質をコードする遺伝子配列を含み、上記第一の核酸分子(PTM)と結合してトランススプライシングを誘導できる配列を含む第二の核酸分子又は該核酸分子を発現できるベクターとを、トランススプライシングが可能な細胞内に導入する。これにより、細胞内でトランススプライシングが誘導され、第一のタンパク質と第二のタンパク質とからなる融合タンパク質が生成する。
スプライシングが誘導されるためには、通常イントロン中に5'スプライス領域(5'ss)/ BP(分岐点)/ ポリピリミジントラクト(PPT)/ 3'スプライス領域(3'ss)が5'から3'の方向に上記の順で並んでいることが必要である。トランススプライシングの誘導のためには,標的とするイントロン中の配列のいづれかを選び,これに特異的に結合可能なRNAである結合領域(BD)をデザインし,これに新たなBP/PPT/3'ssを結合させた分子(PTM)を構築する必要がある。PTMは通常,細胞内に導入されたベクターDNAより発現可能なRNAである(図7)。
結合領域(BD)の配列は、pre-RNAとPTMが結合できるイントロンに存在する配列であれば任意の配列を採用することができる。即ち、結合領域(BD)の配列は、他の構成要件(5'ss/BP/PPT/3'ss)との位置関係は、特に限定されない。例えば、BPは、結合領域中に存在してもよいし、結合領域中に存在しなくてもよい。
標的結合ドメイン(BD)は通常、100 bp以上のイントロン内配列と相補鎖形成を行うことで相互作用する。これらに加え、本明細書の実施例で利用したIgH V-Cμイントロンでは5'スプライス領域とBPの間にSμ領域というtgagcあるいはtggggの100コピー以上の繰り返し配列が存在している。Sμは,ここに働くAIDというシチジン脱アミン酵素の力を借りてIgMから他のクラスへのクラススイッチを誘導する機能を持つ配列であり、IgMからIgG,IgAなどへのクラススイッチ反応により部分的に切除されるが、他のS領域と結合された後も残っている事が多いと考えられている。
これまで通常のBDではBP,PPT, および3'ssに相補的なBDがよく使われてきたが、その理由はこの部分を二重鎖にしてマスクすることによりシススプライシングを抑制できると期待できるからである。しかし,これらの配列はあらゆるクラスIIイントロンに存在するコンセンサス配列であるため、反応効率向上を狙った場合には反応特異性が低くなる可能性がある。本明細書の実施例においては、本発明者らはSμ領域を標的配列として選び,少なくとも上記を用いたTPMと同等レベルのトランススプライシング効率を得ることに成功した。Sμ領域は抗体H鎖のみに存在する点において特異性が高く,またどのクラスの抗体産生細胞のイントロンにも含まれている点で汎用性が高いと考えられる。上記の通り、本発明の好ましい態様によれば、標的結合ドメイン(BD)中にSμ領域を含めることができる。しかしながら3'ssに相補的な配列でも同一(サブ)クラスの抗体であれば同一の配列であることから,L鎖を含めて(サブ)クラスが既知の抗体に対しては特異的なBDとして使用可能である。
また近年,トランススプライシングの効率に関して,イントロンの長さが重要な要素であるとの報告がされている(非特許文献6)。このため、抗体のトランススプライシングは、VとCの間のイントロンが数kbと長いために効率が高くなりうると考えられる。実際にヒト抗体トランスジェニックマウスにおいて,ヒト型V領域と,内在性IgG1とのトランススプライシング由来と思われる産物が,シススプライシング由来ヒト型IgMの4%程度観測されている(非特許文献7)。従って効率上は、トランススプライシングの標的イントロンとしてはV-C間を用いることが望ましく,例えばFab-酵素などCH1(あるいはCL)を含めた融合タンパク質の作製を目的とする場合は,これを第二のタンパク質に含める事が望ましいであろう。
Takaharaら, 2006, Mol. Cell, 18: 245-251 Shimizuら, 1989, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 86: 8020-8023
(2)本発明で用いるプレトランススプライシング分子について
本発明は、トランススプライシングを介して融合タンパク質を製造する方法に関する。本発明の方法では、標的プレmRNA分子(以下、「プレmRNA」という)と相互作用し、かつキメラRNA分子の形成をもたらすトランススプライシング反応を媒介するようにデザインされたプレトランススプライシング分子(以下、「PTM」という)を使用する。本発明の方法においては、上記したPTMと標的プレmRNAとを、PTMの一部がプレmRNAにスプライシングされて新規なキメラR N Aを形成するような条件下で接触させる。標的細胞としては、限定されるものではないが、免疫に関わる細胞、例えばミエローマ細胞のようなモノクローナル抗体産生細胞などが挙げられる。本発明ではハイブリドーマを好ましく用いることができる。ハイブリドーマとは、抗原を免疫した動物の脾臓のB細胞と骨髄腫細胞(ミエローマ)を細胞融合することによって得られる細胞である。ハイブリドーマはB細胞の抗体生産能力とミエローマの無限増殖性両方の能力を有する細胞で、これをクローン化することにより、目的とする抗原に特異的で均質なモノクローナル抗体を産生することができる。
本発明で用いるプレトランススプライシング分子(PTM)は、好ましくは、(a)5’スプライス配列、3’スプライス配列、又はSμ配列から選択される少なくとも1以上の配列を含む、第一のタンパク質をコードする遺伝子配列を含む領域から生成するpre-mRNAに結合できる配列;(b)分岐点;(c)ピリミジントラクト;及び(d)第二のタンパク質をコードする遺伝子配列を含む。
本発明の方法においては、上記したPTMとプレmRNAを、PTMの一部がプレmRNAの一部へとトランススプライシングされて新規なキメラRNAを生じるような条件下で接触させられる。プレmRNAは、特定の細胞型で発現することによって、融合タンパク質の発現を選択された細胞型へターゲッティングすることができる。
PTMの標的結合ドメインは、選択されたプレmRNAのイントロンに存在するターゲッティング領域に対して相補的、かつ、アンチセンス配向であればよく、結合ドメインとしては1つだけではなく複数の結合ドメインを含んでもよい。本明細書において標的結合ドメインは、結合の特異性を与え、核のスプライセオソームプロセッシング機構がPTMの一部をプレmRNAの一部へとトランススプライシングできるように近接してプレmRNAをつなぎ止めるいずれかの配列として定義される。これらの標的結合ドメインは数千までのヌクレオチドを含みうる。本発明の好ましい実施形態では、これらの結合ドメインは少なくとも10ないし3 0、数百までのヌクレオチドを含むことができる。特表2004−525618号公報に示されるように、PTMの特異性は標的結合ドメインの長さを増加させることによって高めることができる。例えば標的結合ドメインは数百またはそれより多いヌクレオチドを含んでもよい。さらにまた、標的結合ドメインは「直鎖状」であってもよいが、このRNAは、複合体を安定化させて、それによりスプライシング効率を高めうる二次構造を形成するように折りたたまれていてもよいと考えられる。複数の結合ドメインを含む場合、第2の標的結合領域は分子の3’ 末端に位置してもよく、本発明で用いるPTMに組み込むことができる。絶対的な相補性が好ましいが、必ずしも必要ではない。本明細書に関してRNAの一部に「相補的な」配列とは、そのRNAとハイブリダイズして安定な二重らせんを形成しうるのに十分な相補性を有する配列を意味する。ハイブリダイズ能は相補性の程度および核酸の長さの両方に依存しうる。一般にハイブリダイズする核酸が長いほど、RNAと誤対合する塩基をより多く含んでなお安定した二重らせんを形成する。当業者ならば、標準的な方法を用いてハイブリダイズした複合体の安定性を調べることにより、二重らせんの誤対合または長さの許容度を確かめることができる。
PTM分子は、分岐点、ピリミジントラクト、および5’スプライス配列、3’スプライス配列を含むことができる。RNA スプライシングに用いる5’スプライス配列、及び3’スプライス配列の共通配列は当技術分野で周知である。さらにまた、本発明においては、5’スプライス配列及び3’スプライス配列として機能できる改変共通配列を用いてもよい。5’ スプライス部位共通配列はAG/GURAGU (ここで、A =アデノシン、U =ウラシル、G =グアニン、C =シトシン、R =プリンおよび/ =スプライス部位)である。3’ スプライス部位は分岐点または分岐部位、ポリピリミジントラクトおよび3 '共通配列(YAG)の3つの異なる配列エレメントからなるものでもよい。哺乳類の分岐点共通配列は YNYURC(Y =ピリミジン)である。ポリピリミジントラクトは、分岐点とスプライス部位アクセプターとの間に位置し、様々な分岐点利用および3’ スプライス部位認識に重要なものである。
本発明で用いるPTMは、標的細胞において新規なキメラRNAを産生するようにデザインされている。本発明で用いるPTMは、例えば、RNA分子、またはRNA分子へ転写されるDNAベクターなど、任意の形態のものでよい。本発明の方法においては、PTMは標的細胞へ送達され、PTMはプレmRNAに結合し、プレmRNAの一部へスプライシングされるPTM分子の一部を含むキメラRNAが形成される。
本発明に用いる核酸分子は、RNAもしくはDNAまたはその誘導体もしくはその改変型でもよく、また一本鎖でも二本鎖でもよい。核酸は、デオキシリボヌクレオチドから構成されてもよいし、リボヌクレオシドから構成されてもよいし、ホスホジエステル結合から構成されてもよいし、その他の改変型の結合から構成されていてもよい。また、核酸という用語には、生物学的にみられる5種類の塩基(アデニン、グアニン、チミン、シトシンおよびウラシル)以外の塩基からなる核酸も含まれる。
本発明で用いるRNAおよびDNA分子は、DNAおよびRNA分子の合成に関して当技術分野で公知の方法で調製することができる。例えば、核酸は当業者に周知の方法により市販の試薬およびシンセサイザーを用いて化学的に合成してもよい(例えば、Gait, 1985, Oligonucleotide Synthesis : A Practical Approach, IRL Press, Oxford, England) 。あるいはRNA分子は、RNA分子をコードするDNA配列のin vitroおよびin vivo転写によって作製することもできる。このようなDNA配列はT7またはSP6ポリメラーゼプロモーターなどの適切なRNAポリメラーゼプロモーターを組み込んだ様々なベクターへ組み込むことができる。RNAはSPS65(Promega Corp., Madison, WI) などのプラスミドを用いるin vitro転写を介して高収率で産生することができる。さらにまた、Q-β増幅などのRNA増幅法を利用してRNAを産生することもできる。
核酸分子は例えば分子の安定性、ハイブリダイゼーション、細胞への輸送などを向上させるために塩基部分、糖部分、またはリン酸骨格を改変することができる。例えば全体としての電荷を小さくするようP T Mを改変すると、分子の細胞への取り込みを向上させることができる。さらにまた、ヌクレアーゼ分解に対する感受性を低減する改変を行うこともできる。核酸分子はペプチド(例えば、in vivoで宿主細胞受容体をターゲッティングするため)、または細胞膜またはインターカレート剤などのその他の付属基を含んでもよい。この目的で核酸分子は、別の分子、例えばペプチド、ハイブリダイゼーション誘発架橋剤、輸送剤、ハイブリダイゼーション誘発切断剤などにコンジュゲートしてもよい。核酸分子への種々のその他周知の改変が細胞内安定性および半減期を上昇させる手段として導入できる。可能な改変としては、限定されるものではないが、分子の5’ および/ または3’ 末端へのリボまたはデオキシヌクレオチドのフランキング配列の付加が挙げられる。安定性の上昇が望まれるいくつかの環境では、2’ - O -メチル化などの改変型のヌクレオシド内結合を有する核酸が好ましいものでありうる。改変型のヌクレオシド内結合を含む核酸は当業者に周知の試薬および方法を用いて合成することができる。
核酸は、当技術分野で周知である方法で精製することができる。例えば、核酸は逆相クロマトグラフィーまたはゲル電気泳動によって精製することができる。精製方法は、精製する核酸の大きさによってある程度異なる。
トランススプライシング分子の合成PTMをコードする核酸分子を用いる場合、核酸分子の発現ベクターへのクローニングは、当技術分野で公知のクローニング技術を用いることができる。使用できる当技術分野で一般に知られている組換えDNA技術の方法は、Ausubelら(編),1993, Current Protocols in Molecular Biology , John Wiley & Sons,NY ; およびKriegler, 1990, Gene Transfer and Expression, A Laboratory Manual, Stockton Press, NY に記載されている。
目的のPTMをコードするDNAは、DNAの大スケール複製も提供し、かつ、PTMの転写を指令する必須エレメントも含む様々な宿主ベクター系に組換え操作することができる。例えば、ベクターは、細胞に取り込ませ、PTM分子の転写を命令することができるように導入することもできる。このようなベクターは、転写されて目的のRNAを産生する限り、エピソームとして維持されるものであっても染色体に組み込まれるものであってもよい。このようなベクターは当技術分野で標準的な組換えDNA技術によって構築することができる。
目的のPTMをコードするベクターは、プラスミド、ウイルス、または哺乳類細胞で複製および発現させるのに用いる当技術分野で公知のその他のものであってもよい。PTMをコードする配列の発現は、哺乳類(例えば、ヒトなど)の細胞で機能させるために当技術分野で公知のいずれかのプロモーターによって調節することができる。このようなプロモーターは誘導性のものであっても構成的なものであってもよい。このようなプロモーターとしては、限定されるものではないが、SV40初期プロモーター領域、ラウス肉腫ウイルスあるいはモロニーマウス白血病ウィルスの3’長い末端リピートに含まれるプロモーター、ヘルペスチミジンキナーゼプロモーター、メタロチオネイン遺伝子の調節配列、CMVウイルスプロモーター、ヒト漿膜ゴナドトロピン−βプロモーターなどが挙げられる。いずれの種類のプラスミド、コスミド、YACまたはウイルスベクターを用いて、直接組織部位へ導入できる組換えDNA構築物を作製することができる。あるいは、所望の標的細胞へ選択的に感染するウイルスベクターを用いることもできる。本発明で好ましく用いられるのは、プラスミドベクター、またはレトロウイルスベクターである。
リポソームへの封入、マイクロパーティクル、マイクロカプセル、組成物を発現しうる組換え細胞、受容体により媒介されるエンドサイトーシス、レトロウイルスその他のベクターの一部としての核酸の構築、DNA注入、エレクトロポレーション、リン酸カルシウムにより媒介されるトランスフェクションなど各種の送達系が当業者に公知であり、本発明においても利用可能である。
本発明においては、PTMを含むウイルスベクターを使用することもできる。例えば、ウイルスゲノムのパッケージングおよび宿主細胞DNAへの組み込みに必要でないレトロウイルス配列を削除するように改変されたレトロウイルスベクターを用いることができる。あるいは、アデノウイルスまたはアデノ随伴ウイルスベクターを細胞への遺伝子送達に使用することができる。
細胞への遺伝子送達に対する別のアプローチとしては、エレクトロポレーション、リポフェクション、リン酸カルシウムを媒介とするトランスフェクション、またはウイルス感染のような方法により組織培養細胞へ遺伝子を導入することを挙げることができる。通常、導入方法は細胞への選択マーカーの導入を含む。次にこれらの細胞を、導入遺伝子を取り込み、それを発現している細胞を単離する選択下に置くことができる。
(3)第一のタンパク質をコードする遺伝子配列を含み、プレトランススプライシング分子と結合してトランススプライシングを誘導できる配列を含む第二の核酸分子について
標的プレmRNA分子は、細胞内にもともと存在するものでもよい。その場合、プレトランススプライシング分子は、標的プレmRNA分子を発現する細胞(即ち、第一のタンパク質を発現する細胞)内に導入することができる。あるいは、標的プレmRNA分子は外部から細胞に導入したものでよい。この場合は、第一のタンパク質をコードする遺伝子配列を含み、プレトランススプライシング分子と結合してトランススプライシングを誘導できる配列を含む第二の核酸分子又は該核酸分子を発現できるベクターとを、トランススプライシングが可能な細胞内に導入することになる。
第一のタンパク質をコードする遺伝子配列を含み、核酸分子(プレトランススプライシング分子)と結合してトランススプライシングを誘導できる配列を含む第二の核酸分子は、好ましくは、
(a)第一のタンパク質をコードする遺伝子配列:
(b)5’スプライス配列、Sμ配列、及び3’スプライス配列
(c)分岐点;及び
(d)ピリミジントラクト;
を含む核酸分子である。該核酸分子を発現できるベクターについては、プレトランススプライシング分子の場合と同様に構築することができる。
(4)抗体について
本発明の方法で作製される融合たんぱく質のうち、一方のタンパク質(第一のタンパク質)として好ましい抗体について説明する。すべての抗体は基本的には同じ構造を持っており、"Y"字型の4本鎖構造(軽鎖・重鎖の2つのポリペプチド鎖が2本ずつ)を基本構造としている。軽鎖(またはL鎖)は分子量約25,000ですべての免疫グロブリンに共通であり、重鎖(またはH鎖)は分子量50,000〜77,000で、免疫グロブリンの種類によって構造が異なる。この軽鎖と重鎖がジスルフィド結合(SS結合)で結びついてヘテロダイマーを形成し、さらにこのヘテロダイマーが左右2つジスルフィド結合で結合して "Y"字型のヘテロテトラマーを形成する。
Fab領域のうち先端に近い半分は、多様な抗原に結合できるように、アミノ酸配列に多彩な変化がみられる。このFab領域の先端に近い半分を可変領域(V領域)といい、軽鎖の可変領域をVL領域、重鎖の可変領域をVH領域と呼ぶ。V領域以外のFab領域とFc領域は、比較的変化の少ない領域であり、定常領域(C領域)と呼ばれる。軽鎖の定常領域をCL領域と呼び、重鎖の可変領域をCH領域と呼ぶが、CH領域はさらにCH1〜CH3の3つに分けられる。重鎖のFab領域はVH領域とCH1からなり、重鎖のFc領域はCH2とCH3からなる。ヒンジ部はCH1とCH2の間に位置する。
すべての抗体分子の基本構造は2つの同じ軽鎖(L鎖)と重鎖(H鎖)からなり、それぞれはジスルフィド結合で結ばれている。抗体はさまざまな、およそ100アミノ酸残基からなるドメインからなり、そのそれぞれはほとんど独立でかつ同じ構造(免疫グロブリン構造)をしている。またN末端側のドメインに特に可変なドメインがあり(これを可変領域と呼び、重鎖可変領域をVH、軽鎖可変領域VLという)、それ以外のドメインが定常なドメイン(これを定常領域と呼び,重鎖のものはCH1,CH2,CH3、軽鎖のものはCLという)である。さらに、可変領域の中でも、変化に富む領域が限られており(これを相補性決定領域とよぶ)、この領域のアミノ酸残基を変化させることにより抗原認識機能を創出している。抗原分子のドメイン構造は可変領域で9つ,定常領域で7つの逆平行βシートからなるβバレル構造をしていて、相補性決定領域が可変領域の一方に固まって存在し、抗原認識領域を構成している。
このように、抗体は共通な枠組構造に支えられた(フレームワーク領域:FR)6個(重鎖から3、軽鎖から3)のループ領域(相補性決定領域:CDR)を自在に変化させることにより、さまざまな抗原を認識している。このループ構造そのものも、完全に自由ではなくある範疇に限られている。(この構造をカノニカル構造とよぶ)限られた構造を組合すことで抗原認識能を創出している。
H鎖とL鎖はそれぞれ別々の遺伝子によってコードされ、H鎖は可変領域を担うV、D、Jの各断片と定常領域からなるC断片から、L鎖はV、J、Cの各断片から構成されている。これらの遺伝子断片が抗体発現のとき、再配列される。
本発明で作製することができる融合タンパク質の一方のタンパク質(タンパク質(1))としては抗体H鎖の可変領域タンパク質(VH)、抗体H鎖の可変領域タンパク質(VH)及び抗体H鎖の定常領域CH1タンパク質、抗体L鎖の可変領域タンパク質(VL)、抗体L鎖の可変領域タンパク質(VL)及び抗体L鎖の定常領域CLタンパク質を含むものである。
(5)酵素について
本発明の方法で製造される融合たんぱく質のうちの一方のタンパク質(第二のタンパク質)に含まれることが好ましい酵素について説明する。酵素としては特に限定されないが、EIAに用いられる酵素が好ましい。EIAに用いられる酵素としては、より具体的には例えば、ペルオキシダーゼ(PEX)、アルカリフォスファターゼ(ALP)、β−ガラクトシダーゼ(β−Gal)、リンゴ酸脱水素酵素、アセチルコリンエステラーゼ、グルコースオキシダーゼ等が挙げられる。
これらのEIA用酵素に対応する発色基質としては、例えば、TMB(3,3',5,5'-Tetramethylbenzidine、3,3’,5,5’−テトラメチルベンチジン)、OPD(o-Phenylenediamine、オルトフェニレンジアミン)、ABTS(2,2’−Amino−bis(3−ethylbenzothiazoline−6−sulfonic acid、2,2’−アジノ−ビス(3−エチルベンズチアリゾリン−6−スルフォン酸)等のペルオキシダーゼ用基質;4MUP(4−メチルウンベリフェリルホスフェイト)、NADP(4−ニトロフェニルホスフェイト)等のアルカリフォスファターゼ用基質;4MUG(4−メチルウンベリフェリルβ−D−ガラクトシド)、2−ニトロフェニルβ−D−ガラクシド等のβ−ガラクトシダーゼ用基質;acetyl−β[methyl−thio]choline iodide等のアセチルコリンエステラーゼ用基質が好ましく用いられる。
本発明においては、これらの酵素活性測定用基質の中で、酵素活性の測定が容易な点から、酸化酵素活性測定用基質(特にペルオキシダーゼ活性測定用基質)が更に好ましく用いられる。
基質液における発色基質の濃度は特に制限されないが、基質の溶解性と測定感度とのバランスの点からは、0.01〜1mg/ml程度、更には0.1〜0.5mg/ml程度が好ましく用いられる。
(6)融合タンパク質の回収について
本発明の方法で製造される融合タンパク質が、細胞内に溶解状態で発現した場合には、細胞を遠心分離により回収し水系緩衝液に懸濁後、超音波破砕機等により細胞を破砕し、無細胞抽出液を得ることができる。また、本発明の方法で製造される融合タンパク質が、細胞外に分泌される場合には、遠心分離などの方法で細胞を含まない培地を回収することができる。これらの無細胞抽出液又は培地から、通常のタンパク質の単離精製法、即ち、溶媒抽出法、硫安等による塩析法、脱塩法、有機溶媒による沈殿法、ジエチルアミノエチル(DEAE)セファロース等のレジンを用いた陰イオン交換クロマトグラフィー法、S-Sepharose FF(ファルマシア社製)等のレジンを用いた陽イオン交換クロマトグラフィー法、ブチルセファロース、フェニルセファロース等のレジンを用いた疎水性クロマトグラフィー法、分子篩を用いたゲルろ過法、アフィニティークロマトグラフィ一法、クロマトフォーカシング法、等電点電気泳動等の電気泳動法等の手法を単独あるいは組み合わせて用い、融合タンパク質を回収精製することができる。好ましくは、融合タンパク質は、プロテインGあるいはプロテインLを固定化したアガロース担体によって精製することができる。
(7)免疫測定法について
本発明で得られた融合タンパク質は、免疫測定方法に用いることができる。以下、免疫測定方法について説明する。免疫測定法とは、サンプル中に含まれる微量の目的物質を、酵素標識した抗体または抗原を用い、抗原抗体反応を利用して定量的に検出する方法である。ELISA法は 1)目的物質を高感度で検出することができ、定量性にも優れている、2)抗原抗体反応を利用して検出するため粗抽出段階で測定が可能であり、他の検査法で必要とされる精製や前処理といった煩雑なステップを必要としない、3)短時間で大量のサンプルを測定できる、などのメリットがある。免疫測定法は、測定原理の違いからサンドイッチ法(非競合法)と競合法の二つに大別される。これらの方法については酵素免疫測定法(石川 栄治、医学書院(1987))や超高感度酵素免疫測定法(石川 栄治、学会出版センター(1993))に詳細に記載されている。
本発明により得られる融合タンパク質、特に抗体H鎖またはL鎖の可変領域タンパク質は、好ましくは、オープンサンドイッチ法と呼ばれる免疫測定法に用いることができる。オープンサンドイッチ法とは、特許378411号公報やWO2006/033413に開示されている様に、抗体のVH領域ポリペプチドおよびVL領域ポリペプチドによるサンドイッチ法であり、従来のサンドイッチ法では困難な低分子化合物の測定が可能な方法である。オープンサンドイッチ法として具体的には、抗原を特異的に認識する抗体のVH領域ポリペプチドおよびVL領域ポリペプチドを調製し、一方のポリペプチドをレポーター分子で標識して標識化ポリペプチドとし、他方のポリペプチドを固相に固定して固定化ポリペプチドとし、抗原含有試料および標識化ポリペプチドを固相に接触させ、固定化ポリペプチドに結合した標識化ポリペプチドのレポーター分子の量を測定する方法において、レポーター分子が酵素または蛍光色素であることを特徴とする抗原濃度測定方法(第1方法)が提供される。
この第1の方法においては、固定化ポリペプチドを、ビオチンまたはタグ配列とアビジンまたはストレプトアビジンとの結合を介して固相に固定することを好ましい態様としている。また、レポーター分子である酵素が大腸菌アルカリフォスファターゼまたはその変異体であり、蛍光色素がフルオレセインまたはその誘導体であることを別の好ましい態様としてもいる。
さらにこの発明は、第2の手段として、抗原を特異的に認識する抗体のVH領域ポリペプチドおよびVL領域ポリペプチドを調製し、VH領域ポリペプチドを第1レポーター分子で標識し、VL領域ポリペプチドを第2レポーター分子で標識し、抗原含有試料と標識化VH領域ポリペプチドおよび標識化VL領域ポリペプチドを混合し、第1レポーター分子と第2レポーター分子との相互作用の変化量を測定することを特徴とする抗原濃度測定方法(第2方法)が提供される。
この第2の方法の一つの態様は、第1レポーター分子と第2レポーター分子が別種の蛍光色素であり、両レポーター分子間のエネルギー移動により生じる蛍光量によって複合体の量を測定することである。この場合において、別種の蛍光色素は、それぞれ、フルオレセインまたはその誘導体と、ローダミンまたはその誘導体とするのが好ましい。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
実施例:抗体可変領域配列を含むベクターとアルカリフォスファターゼ配列を含むベクターによるトランススプライシングを利用した融合タンパク質作製
(1)材料及び方法
培養細胞
モデル系の発現細胞は、サル腎由来のCOS-1細胞を使用した。細胞は、37℃、5%CO2の加湿インキュベーターにて、10%ウシ胎児血清、ペニシリンストレプトマイシンを添加したDMEM培地で培養した。
また、酵素免疫測定法(ELISA)の際に用いる抗4-ヒドロキシ−3-ニトロフェニルアセチル(NP)抗体のλ鎖を発現する細胞J558Lは、The European Collection of Cell Culturesより購入した。
プライマー
Mun2EcoFor;GGAATTCTTGTTGTTAACTTGTTTATTGC (配列番号1)
SeapHis6p2;CCGGGTTACTCTAGAGTCGGGGCGGCCGGCCACCACCACCACCACCACTGATAAGATACATTGATGAG (配列番号2)
PSEAPFor;GGAATTCCATGGCTTAATTAAGGCGCGCCTCCGGAATCATCCCAGTTGAGGAGGAGAA (配列番号3)
PSEAPBk;CCGGAATTCATATGGGAAGCGGTCCATTGCCAGGGGTAT (配列番号4)
IgMInt5;GGAATTCTTAATTAACTTAAGTAGGTTTGGGGGATG (配列番号5)
IgMInt3;GGAATTCTCCGGAACCTGCAGTCAAGAGAACAC (配列番号6)
VlamMfeBack;CAGGTCCAATTGGATGCTGTTGTGACTCAGGAATC (配列番号7)
VHAflfor2;TTTAAGCTTAAGGACTCACCCGAGGAACTGTGAGAGTGGT (配列番号8)
SuEcoFor;CCAGTACAGCTCAGTCTAGCACATCTGAATTCAGCTCAGCCCC (配列番号9)
SuAflBack1;CCGAGGTGAGTGTGAGAGGACAGGGGCTTAAGTATGGATACGCAGAAGGAAG (配列番号10)
SuAflBack2;GGTCGGCTGGACTAACTCTCCAGCCACCTTAAGGACCCAGACAGAGAAAGCC (配列番号11)
Int20028F;GTTTCGTCCTGTATACCAGG (配列番号12)
IntEcoNcoB;GGAATTCCATGGCTGAGGACCAGAGAGGGATAAAAG (配列番号13)
NPVHMfeBack;CAGGTCCAATTGCAGCAGCCTGGG (配列番号14)
MunIgMCH2for;CACATTTACATTGGGATTCAT (配列番号15)
ベクター
ターゲットとなる抗体のモデルとして抗4-ヒドロキシ−3-ニトロフェニルアセチル(NP)抗体の重鎖を用い、真核細胞でこれを発現可能なベクターpSV-Vμ1を使用した。pSV-Vμ1は、英国Medical Research CouncilのMichael Neuberger博士より譲渡されたものを使用した(参考文献:EMBO、1983年、2号、1373-1378ページ)(図1)。
トランススプライシングベクター(以下TSベクター)の作製は以下の手順により行った。
まず、pSEAP2_control (Clontech, Inc.)にコードされている分泌型ヒト胎盤アルカリフォスファターゼ(SEAP)のC末端にHis-tagを導入するために以下の操作を行った。
まず、鋳型としてpSEAP2_controlおよびプライマーMun2EcoForとプライマーSeapHis6p2を用いてPCR反応(条件1(表1))によりHis-tagを含むSEAP配列の3'末端付近を増幅した。これを制限酵素EcoRIおよびXbaIにより切断し、制限酵素XbaIおよびMunIで切断したpSEAP2_controlに挿入し、塩基配列を確認した(以下、pSEAP-His)。
次に、SEAP遺伝子の5'N末端側への抗体可変領域遺伝子とIgM由来のイントロンの挿入を以下の手順により行った。
pUC-19(TaKaRa Bio, Co.)のEcoRIサイトに鋳型としてpSEAP2_controlおよびプライマーpSEAPForとプライマーpSEAPBkを用いてPCR(条件2(表2))により増幅したSEAPのN末端付近の配列を制限酵素EcoRIで処理して組み込んだ。その上流に、pSV-Vμ1よりプライマーIgMInt5とIgMInt3を用いて増幅(条件3(表3))したCH1領域とCH2領域間のイントロン配列を、PacIおよびBspEIサイト用いて挿入し、さらにその上流に抗NP一本鎖抗体(scFv)をコードするpGEMSCA(Suzuki et al, J. Biochem., 122, 322-329 (1997))を鋳型としてプライマーVlamMfeBackおよびプライマーVHAflFor2でPCR(条件4(表4))より増幅した抗NP一本鎖抗体(scFv)の配列を組み込み、プラスミドpUC-scFv-int-SEAPを作製した。pUC-scFv-int-SEAPnを制限酵素EcoRI、NdeIで処理して、scFv-イントロン-SEPA N末端配列を有するDNA断片を切り出し、同じくEcoRI、NdeIで処理したpSEAP-Hisに組み込むことでベクター(以下pscFv-SEAP)を作製した(図2)。
次に、上記により作製したpscFvSEAPのscFv配列をターゲット配列にハイブリダイズする配列(以下BD)と置き換えることにより目的とするTSベクターを作製した。即ち、BDがハイブリダイズする配列として、抗体のクラススイッチに関わりIgMに共通な反復配列(Sμ配列)と、3'スプライスサイト(3'ss)を選択した。このBDの増幅のために、鋳型としてpSV-Vμ1および、プライマーSmuEcoForとプライマーSmuAflBack1(条件5(表5))またはプライマーSmuEcoForとプライマーSmuAflBack2(条件6(表6))またはプライマーInt20028FとプライマーIntEcoNcoB(条件7(表7))を用いてPCR反応(条件1(表1))を行った。これらのBDをそれぞれSμ1、Sμ2、3'ssとし、制限酵素EcoRI、AflIIで処理した。同じく制限酵素EcoRI、AflIIで処理したpscFv-SEAPに挿入し、3種類のTSベクター(pTS-3'ss-SEAP、pTS- Sμ1-SEAP、pTS- Sμ2-SEAP)を作製した(図3)。
トランスフェクション(図4)
接着細胞培養用の35mmディッシュ(IWAKI)にCOS-1細胞(1.5×105細胞)を播種し、12〜24時間後にベクターpSV-Vμ1と作製した3種類のTSベクター(pTS-3'ss-SEAP、pTS- Sμ1-SEAP、pTS- Sμ2-SEAP)の内1つのベクター各々をトランスフェクション試薬であるLipofectamine 2000 (Invitrogen, Inc.)またはCOSFectin (BIO RAD, Co.)を用いて通常のプロトコルに従いトランスフェクションを行った。
逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)(図4)
トランススプライシングによって生成されるmRNAを確認するために、トランスフェクション後48時間の細胞からRNAspin Mini(GE Healthcare)を用いてtotal RNAを抽出した。これにExscript (TAKARA Bio, Co.)を用いてcDNAを作製し、それを鋳型としてプライマーNPVHMfeBackとプライマーpSEAPBkまたはプライマーNPVHMfeBackとプライマーCH2forを用い、PCR反応により増幅(条件8(表8))を行った。
前者の反応では、トランススプライシングにより生成される抗NP抗体重鎖可変領域(VH)とSEPA融合タンパク質をコードするmRNAを、後者ではシススプライシングにより生成される抗NP抗体重鎖可変領域(VH)とCH1領域とCH2領域融合タンパク質をコードするmRNAを検出することができると期待された。PCR反応後、反応液を、1.5%アガロースゲルを用いて電気泳動し、生成されたバンドの位置と量の確認を行った。
酵素免疫測定法(ELISA)(図4)
抗原(NP-BSAコンジュゲート)をPBSにより100μg /mlに調製し、それを96穴白色プレート(3922, Corning, Inc.)に100μlずつ分注し4℃で一晩保存し、固定化した。プレートを洗浄後、5倍希釈したイムノブロック(大日本住友製薬(株))を200μlずつ添加して、室温で2時間インキュベートしブロッキングを行った。ここに、COSFectinを用いたトランスフェクション後144時間の培養上清を30μlと、抗NP抗体λ鎖を発現する細胞J558Lの培養上清を10μl添加し、室温で1時間インキュベートを行った。洗浄後Protein Assay Kit -SEAP- (TOYOBO)の内在性AP阻害液を100μl添加し37℃で30分間インキュベートした。さらに洗浄後、同キットの発光基質を100μl添加して、Luminescenser-JNR AB2100 (ATTO, Co.)を用いて10秒間の発光量を積算し測定を行った。
(2)結果
RT-PCR
PSV-Vμ1と3種類のTSベクターのいずれかを導入したCOS-1細胞の全てで、目的のサイズ(605bp)付近のバンドを確認することができた。また、それぞれのバンドの濃度は、ポジコンpScFv-SEAPを導入した細胞のそれの半分程度であり、シススプライシング産物由来のバンドよりも有意に濃かった。これに対し、TSベクター単独あるいはPSV-Vμ1単独を導入した細胞では、この付近にはバンドは見られなかった。これらの結果から、ターゲットおよびTSベクターのpre-mRNA間で高い効率でトランススプライシングによるmRNAが生成されたことが示唆された(図5)。
ELISA
ターゲット(pSV-Vμ1)とTSベクター(3'ssあるいはSμ-1)を両方導入したCOS-1細胞の培養上清のAP活性をJ588L培養上清存在下で測定した所、片方のベクターのみ、もしく何も導入していない細胞培養上清と比較して、有意に高いAP活性が検出された。また、抗原の有無(NP-BSAを固定した場合とBSAを固定した場合)で比較した場合、NP-BSAを固定化した場合にBSAを固定化した場合に比べて有意に高いAP活性を確認した(図6)。以上より、これらの培養上清中にTSにより生成されたRNA由来のVH-SEAP融合タンパク質が分泌され、λ鎖存在下で抗原結合能を示した事が強く示唆された。
図1は、pSV-Vμ1の構造を示す。 図2は、pscFv-SEAPの構造を示す。 図3は、3種類のTSベクター(pTS-3'ss-SEAP、pTS- Sμ1-SEAP、pTS- Sμ2-SEAP)の構造を示す。 図4は、トランスフェクション実験の概要を示す。 図5は、トランススプライシングによるmRNAの生成をRT-PCRで確認した結果を示す。 図6は、トランスフェクションした細胞の培養上清のAP活性を測定した結果を示す。 図7は、トランススプライシングの概要を示す。

Claims (16)

  1. 第一のタンパク質と第二のタンパク質とからなる融合タンパク質の製造方法において、第二のタンパク質をコードする遺伝子配列を含み、且つ第一のタンパク質をコードする遺伝子配列を含む領域から生成するpre-mRNAに結合してトランススプライシングを誘導できる配列を含む核酸分子(プレトランススプライシング分子)又は該核酸分子を発現できるベクターを、第一のタンパク質を発現する細胞内に導入する工程、及び該細胞内で生成した第一のタンパク質と第二のタンパク質とからなる融合タンパク質を回収する工程を含む、融合タンパク質の製造方法。
  2. 第一のタンパク質と第二のタンパク質とからなる融合タンパク質の製造方法において、第一のタンパク質をコードする遺伝子配列を含む第一の核酸分子又は該核酸分子を発現できるベクターと、第二のタンパク質をコードする遺伝子配列を含み、且つ第一のタンパク質をコードする遺伝子配列を含む領域から生成するpre-mRNAに結合してトランススプライシングを誘導できる配列を含む第二の核酸分子(プレトランススプライシング分子)又は該核酸分子を発現できるベクターとを、トランススプライシングが可能な細胞内に導入する工程、及び該細胞内で生成した第一のタンパク質と第二のタンパク質とからなる融合タンパク質を回収する工程を含む、融合タンパク質の製造方法。
  3. 第二のタンパク質をコードする遺伝子配列を含み、且つ第一のタンパク質をコードする遺伝子配列を含む領域から生成するpre-mRNAに結合してトランススプライシングを誘導できる配列を含む核酸分子(プレトランススプライシング分子)が、5’スプライス配列、3’スプライス配列、又はSμ配列から選択される少なくとも1以上の配列を含む核酸分子又は該核酸分子を発現できるベクターである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 第二のタンパク質をコードする遺伝子配列を含み、且つ第一のタンパク質をコードする遺伝子配列を含む領域から生成するpre-mRNAに結合してトランススプライシングを誘導できる配列を含む核酸分子(プレトランススプライシング分子)が、
    (a)5’スプライス配列、3’スプライス配列、又はSμ配列から選択される少なくとも1以上の配列;
    (b)分岐点;及び
    (c)ピリミジントラクト;
    を含む核酸分子又は該核酸分子を発現できるベクターである、請求項1または2に記載の方法。
  5. 第二のタンパク質をコードする遺伝子配列を含み、且つ第一のタンパク質をコードする遺伝子配列を含む領域から生成するpre-mRNAに結合してトランススプライシングを誘導できる配列を含む核酸分子(プレトランススプライシング分子)が、プラスミドベクターまたはレトロウイルスベクターに導入されている核酸分子である、請求項1から4の何れかに記載の方法。
  6. 第一のタンパク質が、抗体H鎖の可変領域タンパク質(VH)を含むタンパク質である、請求項1から5の何れかに記載の方法。
  7. 第一のタンパク質が、抗体H鎖の可変領域タンパク質(VH)を含むタンパク質であり、第二のタンパク質が、抗体H鎖の定常領域CH1タンパク質を含むタンパク質である、請求項1から6の何れかに記載の方法。
  8. 第一のタンパク質が、抗体L鎖の可変領域タンパク質(VL)を含むタンパク質である、請求項1から5の何れかに記載の方法。
  9. 第一のタンパク質が、抗体L鎖の可変領域タンパク質(VL)を含むタンパク質であり、第二のタンパク質が抗体L鎖の定常領域CLタンパク質を含むタンパク質である、請求項1から5、又は請求項8の何れかに記載の方法。
  10. 第一のタンパク質を発現する細胞が、抗体を産生する細胞である、請求項1から9の何れかに記載の方法。
  11. 第一のタンパク質を発現する細胞がハイブリドーマである、請求項1から9の何れかに記載の方法。
  12. 第一のタンパク質を発現する細胞がニワトリ体細胞DT40である、請求項1から9の何れかに記載の方法。
  13. 第二のタンパク質が酵素を含むタンパク質である、請求項1から12の何れかに記載の方法。
  14. 第二のタンパク質がアルカリフォスファターゼ、ペルオキシダーゼ、β―ガラクトシダーゼ、又はルシフェラーゼを含むタンパク質である、請求項1から12のいずれかに記載の方法。
  15. 請求項1から14のいずれかに記載の方法により融合タンパク質を製造する工程、及び得られた融合タンパク質を用いて免疫測定を行う工程を含む、免疫測定方法。
  16. 請求項1から14のいずれかに記載の方法により抗体H鎖の可変領域タンパク質(VH)及び/または抗体L鎖の可変領域タンパク質(VL)を含む融合タンパク質を製造する工程、及び得られた融合タンパク質を用いて免疫測定を行う工程を含む、免疫測定方法。
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