JP2008187644A - 画像処理装置、コンピュータプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】原稿画像の画像データに非可逆圧縮をして一時的に保存し、保存された画像データを後で伸張する画像処理装置において、画像データを非可逆圧縮しても画質の劣化を低減できると共に、伸張後の画像データを用いる際にモスキートノイズを強調させずに、画像データを多様に利用できるようにする。
【解決手段】原稿読取手段によって読み取られた原稿画像の画像データに対して、当該読み取りにおけるMTF特性を完全に補償する補償処理を行なう画像復元手段と、当該画像復元手段により、前記MTF特性が完全に補償された前記画像データに非可逆圧縮をする圧縮手段と、前記圧縮手段により非可逆圧縮がされた前記画像データを保存する保存手段と、前記保存手段により保存された、前記圧縮手段により非可逆圧縮がされた前記画像データを伸張する圧縮データ伸張手段とを備える画像処理装置とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、原稿画像の画像データに非可逆圧縮を行ない、非可逆圧縮がされた前記画像データを保存する画像処理装置、およびコンピュータプログラムに関する。
従来から、スキャナ等が原稿用面に表された原稿画像を読み取ることで生成した、原稿画像の画像データを処理する画像処理装置が用いられており、かかる画像処理装置としては、たとえば、スキャナ自身や、スキャナによって読み取られた原稿画像の画像データを処理する複写機などがある。
特許文献1では、かかる画像処理装置として、画像データに非可逆圧縮、たとえばJPEG(Joint Photographic Experts Group)の圧縮などを施し、かかる非可逆圧縮を施すことによりデータサイズが低減された画像データを、ハードディスク等の記憶部に一時的に保存しておいて、後から、保存されていた画像データを伸張して用いるものが示されている。
ここで、スキャナ等により得られた原稿画像の画像データは、スキャナ等による読み取りの特性により、必ずしも、正確にもともと原稿に現われていた原稿画像そのものをそのまま示すものとはならず、たとえば網点や、エッジなどでは濃度変化が本来の原稿画像のそれよりも緩やかな変化しか再現されないなど、急な濃度変化を示す成分、つまり高周波成分が減衰してしまう。ここで、このような、空間周波数ごとの濃度レベルの減衰特性のことをMTF特性(Modulation Transfer Function特性)といい、原稿にもともと現われていた原稿画像の濃度は、読み取りをしたスキャナ等のかかるMTF特性のために、画像データではズレしてしまう。
特許文献1では、非可逆圧縮をして保存する前の画像データにLOG変換(Laplassian Of Gaussian変換)をするものとしており、このLOG変換をすれば、画像データの高周波成分を増幅して、高周波成分を強調してやることができる。このため、特許文献1の技術を用いれば、適切にこのLOG変換をすることにより、もともと原稿に現われていた画像へと、画像データの示す画像を近づけることができる。
他方、かかる画像データの高周波成分は、保存されていた画像データを伸張して用いるときに、画像データにエッジ強調や網点の強調をする際にも増幅される。
特開2004−282240号公報
しかしながら、従来の特許文献1記載の技術では、伸張した画像データを用いて行なわれる印刷の設定に合わせてLOG変換をして高周波成分を強調しているので、この処理では、上述したMTF特性による濃度のズレが中途半端に補償されるに過ぎなかった。
このため、このように不十分にしかMTF特性の補償がされず、高周波成分も不十分にしか強調されていない画像データに対して非可逆圧縮がされ、非可逆圧縮でデータサイズが削減されると、高周波成分が更に損なわれる。
しかも、非可逆圧縮を行なうと、画像データにモスキートノイズが混入してしまうので、ひとたび非可逆圧縮をした後、画像データを伸張した際には、MTF特性の補償度合いを後から高めてやることにより、主に高周波成分よりなるこのモスキートノイズまで強調してしまうこととなる。
本発明は、上記した点に鑑みてなされたものであり、原稿画像の画像データに非可逆圧縮をして一時的に保存し、保存された画像データを後で伸張する画像処理装置において、画像データを非可逆圧縮しても画質の劣化を低減できると共に、伸張後の画像データを用いる際にモスキートノイズを強調させずに、画像データを多様に利用できるようにすることを目的とする。
請求項1記載の発明は、原稿読取手段によって読み取られた原稿画像の画像データに対して、当該読み取りにおけるMTF特性を完全に補償する補償処理を行なう画像復元手段と、当該画像復元手段により、前記MTF特性が完全に補償された前記画像データに非可逆圧縮をする圧縮手段と、前記圧縮手段により非可逆圧縮がされた前記画像データを保存する保存手段と、前記保存手段により保存された、前記圧縮手段により非可逆圧縮がされた前記画像データを伸張する圧縮データ伸張手段とを備える画像処理装置である。
そして、請求項9記載の発明は、原稿読取手段によって読み取られた原稿画像の画像データに対して、当該読み取りにおけるMTF特性を完全に補償する補償処理を行なう画像復元手段と、当該画像復元手段により、前記MTF特性が完全に補償された前記画像データに非可逆圧縮をする圧縮手段と、前記圧縮手段により非可逆圧縮がされた前記画像データを保存する保存手段と、前記保存手段により保存された、前記圧縮手段により非可逆圧縮がされた前記画像データを伸張する圧縮データ伸張手段としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムである。
これらの構成によれば、予め、画像データが非可逆圧縮される前に、完全にMTF特性の補償が画像データにされ、画像データの高周波成分が十分に強調されている。ここに、高周波成分とは、たとえば、予め定められた基準周波数よりも高い周波数の成分をいう。
このため、画像データが非可逆圧縮されるときに、非可逆圧縮による高周波成分の損失が少なくなるようにでき、保存される画像の画質が低くなることを抑制し、伸張後に高い画質の画像を用いることができる。
しかも、このように、予め非可逆圧縮がされる前にMTF特性が完全に補償されて、十分に高周波成分が強調されていることで、画像データにモスキートノイズが混入した後、つまり、画像データを伸張した後において、後から更に高周波成分を強調してやる必要が少なくなり、つまり、エッジや網点の強調などで高周波成分を強調する度合いを小さくでき、そもそもエッジの強調等をしなくてよくなったり、高周波成分を強調してモスキートノイズを強調してしまうことを少ないようにできる。
そして、こうして完全な補償が非可逆圧縮前にされていることによって、保存された画像データを多様な用途において用いることができる。
なお、「画像処理装置」は、ハードディスクやRAMなどの記憶部を備え、請求項1記載の発明における保存手段は、この記憶部に画像データを保存するものとしてもよい。また、「コンピュータ」も、ハードディスクやRAMなどの記憶部を備え、請求項2記載の発明における保存手段は、この記憶部に画像データを保存するものとしてもよい。
請求項2記載の発明は、前記圧縮データ伸張手段により伸張された前記画像データに対して、前記MTF特性が完全には補償されていない予め定められた目標補償状態へ当該画像データを変換する画像処理を施す画像処理手段を備える請求項1記載の画像処理装置である。
この構成によれば、保存された画像データを伸張した後に、たとえば60%や70の補償度合いなど、MTF特性が完全には補償されていない目標補償状態まで補償の度合いを下げることができ、低い補償度合いの画像データを用いることができる。
請求項3記載の発明は、前記圧縮手段により非可逆圧縮がされる前の前記画像データに基づいて、当該画像データが示す前記原稿画像における予め定められた特徴を備える特徴領域を識別する識別信号を生成する分離領域識別信号生成手段と、前記分離領域識別信号生成手段により生成された前記識別信号を可逆圧縮する第二の圧縮手段と、前記第二の圧縮手段によって圧縮された前記識別信号を保存する第二の保存手段と、前記第二の保存手段により保存された前記識別信号を伸張する圧縮信号伸張手段とを備える請求項1記載の画像処理装置である。
この構成であれば、非可逆圧縮される前の画像データに基づいて、特徴領域を正確に識別する識別信号を生成し、生成される正確に特徴領域を識別する識別信号を保存することができる。これにより、圧縮信号伸張手段により識別信号が伸張された後に、伸張された後の識別信号により識別される正確な特徴領域に基づいて処理を行なうことができる。
なお、この第二の保存手段は、当該画像形成装置の備えるハードディスクやRAMなどの記憶部に画像データを保存するものとしてもよい。
請求項4記載の発明は、前記圧縮信号伸張手段によって伸張された前記識別信号に基づいて、前記圧縮データ伸張手段により伸張された前記画像データに対して、当該画像データが表す画像の、前記識別信号により示される前記特徴領域への画像処理を行なう特徴領域処理手段を備える請求項3記載の画像処理装置である。
この構成であれば、圧縮データ伸張手段により伸張された画像データに対して、圧縮信号伸張手段によって伸張された識別信号により識別される正確な特徴領域を処理する画像処理を行なうことができる。
請求項5記載の発明は、前記特徴領域は、網点の領域であり、前記特徴領域処理手段は、前記圧縮データ伸張手段により伸張された前記画像データが表す前記原稿画像の、前記識別信号により示される網点の領域を平滑化させる平滑化処理を当該画像データに施す請求項4記載の画像処理装置である。
この構成であれば、圧縮データ伸張手段により伸張された画像データに対して、圧縮信号伸張手段によって伸張された識別信号により識別される正確な網点の領域を平滑化させる平滑化処理を行なうことができる。
請求項6記載の発明は、前記特徴領域は、文字領域であり、前記特徴領域処理手段は、前記圧縮データ伸張手段によって伸張された前記画像データが表す前記原稿画像の、前記識別信号により示される文字領域を強調する文字強調処理を当該画像データに施す請求項4記載の画像処理装置である。
この構成であれば、圧縮データ伸張手段により伸張された画像データに対して、圧縮信号伸張手段によって伸張された識別信号により識別される正確な文字領域への文字強調処理を行なうことができる。
請求項7記載の発明は、前記分離領域識別信号生成手段は、前記画像復元手段により前記MTF特性が完全に補償される前の前記画像データに基づいて前記識別信号を生成する請求項3〜6のいずれかに記載の画像処理装置である。
この構成であれば、画像復元手段によるMTF特性の補償で改変がされる前の画像データに基づいて、改変により画像データから情報が失われること、たとえば、改変での濃度値の演算における小数点以下の四捨五入等で情報が失われることなどの影響を受けることなく、精度よく識別信号を生成することができる。
請求項8記載の発明は、前記分離領域識別信号生成手段は、前記画像復元手段によって前記MTF特性が完全に補償された後の前記画像データに基づいて前記識別信号を生成する請求項3〜6のいずれかに記載の画像処理装置である。
この構成であれば、MTF特性の補償により復元された画像に基づいて識別信号を生成でき、原稿に表れていた元々の原稿画像では明確であったが、復元がされる前までは不明瞭となっていた原稿画像の性質に的確に応じて、精度のよい識別信号を生成できる。
本発明によれば、原稿画像の画像データに非可逆圧縮をして一時的に保存し、保存された画像データを後で伸張する画像処理装置において、画像データを非可逆圧縮しても画質の劣化を低減できると共に、伸張後の画像データを用いる際にモスキートノイズを強調させずに、画像データを多様に利用することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る複写機1について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る複写機1を概略的に示す図である。
複写機1は、複写を行なう原稿がセットされて、セットされた原稿の表面に表された原稿画像をCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の撮像素子によって読み取るスキャナ装置11と、スキャナ装置11によって読み取られた原稿画像が印刷される記録紙Pが搬送される搬送経路12と、搬送経路12の途中に設けられ、感光体ドラム等を備え、感光体ドラム等により、搬送経路12を搬送されてきた記録紙Pへ、スキャナ装置11により読み取られた原稿画像を印刷する画像形成機構13と、これら複写機1の各構成の動作を制御する情報処理装置たる制御部100とを備える。
スキャナ装置11は、特許請求の範囲に記載した「読取手段」の一例である。
制御部100は、複写機1の各部の動作を制御する情報処理装置である。制御部100は、たとえば、CPU、ROM、RAM等を備えたプログラム内蔵方式のコンピュータとして構成したり、ワイアードロジック方式(布線論理、配線論理、ないし結線論理)のコンピュータとして構成したりできる。
制御部100ないし複写機1は、特許請求の範囲に記載した「画像処理装置」の一例となる。
図2は、制御部100が実現する機能を示す機能ブロック図である。
制御部100は、シェーディング処理部110と、MTF特性補償処理部120と、分離領域信号生成部120aと、一時保存処理部130と、印刷実行部140とを実現する。
そして、一時保存処理部130は、非可逆データ圧縮処理部131と、可逆データ圧縮処理部131aと、復元済み画像保存部132と、領域信号保存部132aと、非可逆データ伸張処理部133と、可逆データ伸張処理部133aとの各機能ブロックの機能を備える。
また、印刷実行部140は、画像処理部142と、印刷制御部143との各機能ブロックの機能を備える。
シェーディング処理部110は、スキャナ装置11によって読み取られて、この制御部100へ入力された原稿画像に対してシェーディング補正を行なう。
なお、説明の便宜上から、情報処理装置における画像データの処理に一般的な記法として、以下では、電子的にRAM等の媒体に記憶されたり信号線を伝送されたりする「画像データ」と、その画像データが示す「画像」とを、画像を示す情報として同じものであるとして、同一視することがあるものとし、つまり、単に「画像」と呼ぶものも、その「画像」の情報が電子的に記憶された画像データないし画像信号を指すことがあるものとする。
MTF特性補償処理部120は、シェーディング処理部110によってシェーディング補正がされた後の原稿画像に対してMTF特性補償処理を行なう。MTF特性補償処理部120は、MTF特性補償処理を行なうことにより、スキャナ装置11の原稿画像読取時におけるMTF特性を100%、完全に補償し、これにより、原稿画像を、スキャナ装置11により読み取られる前の、スキャナ装置11にセットされた原稿の表面に現れていた本来の原稿画像に復元させる。
図3は、MTF特性補償処理部によるMTF特性補償処理を示す図である。図3
(A)には、従来例での技術を対比的に示し、図3(B)には、本実施形態に係るMTF特性補償処理を示している。
従来例の技術では(図3(A))、原稿画像の画像データを非可逆圧縮する前に、LOG変換(Laplassian Of Gaussian変換)を行なうが、図示するように、たとえば60%や70%までしか補償をしていなかった。
これに対して、本実施形態に係るMTF特性補償処理部120は(図3(A))、100%まで完全にMTF特性を補償する。
このため、MTF特性補償処理部120によるMTF特性補償処理では(図3(B))、従来技術でのLOG変換での場合と比べて(図3(A))、原稿画像の高周波成分大きく増幅される。
なお、図3の詳しい説明は、後で行なう。
図4は、MTF特性補償処理部120の詳細な構成を示すブロック図である。図4を参照して、MTF特性補償処理部120が行なうMTF特性補償処理を説明する。なお、ここで説明する処理は、単なる一例である(図7参照)。
MTF特性補償処理部120は、フーリエ変換(Fourier Transform)および逆フーリエ変換をして、空間周波数ごとに、原稿画像の各空間周波数の成分を強調したり、抑制したりして、補正する。
MTF特性補償処理部120は、FFT処理部121と、係数乗算部122と、フィルタ係数記憶部122mと、逆FFT処理部123とを備え、これらの機能ブロックの機能を用いて自己の機能を奏する。
FFT処理部121は、MTF特性補償処理部120に入力された原稿画像に対して高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)を施す。ここに、FFT処理部121は、必ずしも高速フーリエ変換を用いなくとも、他の方法ないしアルゴリズムによってフーリエ変換を行なうものであってもよい。なお、後で説明する逆FFT処理部121についても同様で、高速逆フーリエ変換を用いるものに限られることはない。
FFT処理部121は、原稿画像にFFTを行なうことで、原稿画像の空間周波数分布画像を生成する。この空間周波数分布画像には、原稿画像の空間周波数ことに、原稿画像におけるその周波数の強度を示すことで、原稿画像が記憶される。ただし、かかる空間周波数分布画像には、そのままでは、人間の視覚により、記憶された原稿画像を認識できない形式で原稿画像を記憶がされ、つまり、上述のように周波数ごとに強度を記憶するものであり、空間内の位置ごとに濃度等の強度を記憶しているものではない。
なお、後述のように、かかる空間周波数分布画像は、逆FFT処理部123により逆FFT変換が施された場合に、人間が視覚によって認識できる形式で原稿画像を示すものに戻される。
係数乗算部122は、FFT処理部121により生成された、かかる空間周波数分布画像に修正を施す。
フィルタ係数記憶部122mは、原稿画像の空間周波数ごとに、その空間周波数での原稿画像の強度をどれだけ変化させるかを示す係数フィルタデータを保持し、具体的には、空間周波数ごとに、その空間周波数の強度に乗ずべき係数を記憶する。
ここで、各係数は、スキャナ装置11のMTF特性における、当該係数に係る周波数成分に対して、当該成分を打ち消す大きさに完全に等しい大きさにされる。
係数乗算部122は、フィルタ係数記憶部122mに記憶されたかかる係数フィルタデータに基づいて、空間周波数分布画像に対して、空間周波数ごとに、当該空間周波数での強度にその空間周波数の係数を乗ずることにより、スキャナ装置11のMTF特性による原稿画像の空間周波数ごとの、強度の歪みを、それぞれ、完全に補償する。
逆FFT処理部123は、係数乗算部122により係数が乗ぜられることによりMTF特性が補償された後の空間周波数分布画像に対して逆FFT変換を行なって、MTF特性が補償された後の画像を、人間の視覚で直接認識できる形式で示す画像に変換する。
MTF特性補償処理部120は、こうして逆FFT処理部123により逆FFT変換がされて形式が戻された後の画像を、MTF特性が補償された原稿画像として出力する(図2参照)。
ここで、スキャナ装置11は、たとえば、網点が潰れてしまうなど、網点のように、短い距離での急激な濃度変化、つまり、高い空間周波数の濃度変化ほど、読み取った画像では、再現することができず、強度レベルが低下する。
MTF特性補償処理部120は、かかる強度の変化を、100%補償する。係数乗算部122が記憶する上述の係数フィルタデータの各係数は、上述のように、空間周波数ごとに、このような、強度レベルの変化を100%打ち消して、補償することができる値にされる。したがって、たとえば、MTF特性により、ある空間周波数で、強度がk倍になるならば、その空間周波数の上述の係数は、1/kにされ、そのようなk倍の変化がこのMTF特性補償処理でちょうど打ち消されるようにされる。
図2に戻って、分離領域信号生成部120aは、原稿画像のうちで、画像処理部142が他の領域とは区分して、別途画像処理すべき特徴領域を特定する信号(以下、分離領域信号)を生成する。分離領域信号生成部120aは、MTF特性補償処理部120によって補償処理が施される前で、かつ、シェーディング処理部110によりシェーディング処理がされた後の原稿画像に基づいて、その原稿画像に表れた当該特徴領域を検出して、原稿画像における当該特徴領域の位置を特定する信号を生成し、これを分離領域信号として、一時保存処理部130へ出力する。
特徴領域とは、具体的には、一例としては、原稿画像に含まれる、網点領域や、文字領域が含まれる。
分離領域信号生成部120aは、たとえば、網点が有する、ごく小さな面積での、鋭い濃度の立ち上がりを検出して、網点領域を検出し、また、文字が有する、縦書き、横書きなどのその縦又は横の方向に応じた特徴的な模様や、かな50音などの文字が有する特有のパタンを検出することにより、文字領域を検出する。
分離領域信号生成部120aは、網点や文字の輪郭における濃度の急な変化を、いわゆる微分フィルタにより検出することによって、網点領域や文字領域を検出するものとしてもよく、ここに微分フィルタとしては、一次微分フィルタが用いられてもよいし、二次微分フィルタが用いられてもよい。
なお、分離領域信号は、ここでは、「信号」であるものとして説明したが、かかる信号が示す情報と同内容の情報を記憶したいわゆるデータであるものとしてもよく、「信号」であるか「データ」であるかには特に制限はなく、その情報が示されるものであればよい。
次に、一時保存処理部130について説明する。
非可逆データ圧縮処理部131は、MTF特性補償処理部120によりMTF特性補償処理がされた後の原稿画像を取得して、これに対して、たとえばJPEG(Joint Photographic Experts Group)などの非可逆圧縮を行なって、そのデータサイズを小さくさせる。この圧縮は、非可逆圧縮であるので、可逆圧縮と比べて、圧縮後のデータサイズはより小さくなるが、もともとの画像に含まれた情報の少なくとも一部は、圧縮後には失われ、圧縮された画像データから、元の画像データに逆方向の変換(伸張)をしたときには、圧縮前の画像データよりも画質が劣化している。
可逆データ圧縮処理部131aは、分離領域信号生成部120aにより生成された分離領域信号を取得して、取得された分離領域信号に対して、たとえばMMR(Modified Modified READ)などの、可逆圧縮を行なう。この圧縮は、可逆圧縮であるので、データサイズは、非可逆圧縮の場合をする場合よりも大きくなるが、圧縮前の画像データの情報は、圧縮後の画像データに全て含まれ、圧縮されたデータから、もともとの画像データを完全に復元することができる。
復元済み画像保存部132および復元済み画像保存部132は、それぞれ、非可逆データ圧縮処理部131により非可逆圧縮がされた画像データと、可逆データ圧縮処理部131aによって可逆圧縮がされた分離領域信号との保存を行ない、つまり、これら画像データおよび信号を、制御部100が有するハードディスク等によって実現される記憶部HDD(図2)へと記憶させる。
非可逆データ伸張処理部133は、復元済み画像保存部132が記憶する、非可逆データ圧縮処理部131により非可逆圧縮された原稿画像を取得し、取得された原稿画像を伸張する。
可逆データ伸張処理部133aは、領域信号保存部132aが記憶する、可逆データ圧縮処理部131aにより可逆圧縮がされた分離領域信号を取得し、取得された分離領域信号を伸張する。
なお、ここに、非可逆データ伸張処理部133および可逆データ伸張処理部133aによって行なわれる「伸張」は、別の呼び方では、「解凍」、「展開」、「減圧」などと呼ばれるものである。ここでは、「伸張」と呼ぶこととする。
非可逆データ圧縮処理部131および可逆データ圧縮処理部131aが行なう圧縮処理は、たとえば、もともとの画像データないし分離領域信号を、一定ブロックごとに、そのブロックの内容に対応する可変長の符号に置き換えることにより、もともとの画像データ等全体を複数の符号よりなる符号列へ変換する、いわゆる符号化(encode)を行なうものであってもよい。
また、非可逆データ伸張処理部133および可逆データ伸張処理部133aが行なう伸張の処理は、それぞれ、たとえば、このような符号化されたデータに対して、符号列に含まれる各符号を、その符号に対応するもともとのブロックのデータへ変換する、いわゆる復号化(decode)によってされるものとしてもよい。
次に、印刷実行部140の機能について説明する。
画像処理部142は、非可逆データ伸張処理部133により伸張された原稿画像に対して画像処理を施す。画像処理部142は、可逆データ伸張処理部133aによって伸張された分離領域信号に応じて、この処理を行なうことができる。
以下、画像処理部142が行なうこの画像処理は、具体的には、一例として、原稿画像に含まれる網点を平滑化する網点平滑化処理が含まれる。
画像処理部142は、非可逆データ伸張処理部133により伸張された原稿画像に対して網点平滑化処理を行なうことにより、原稿画像に含まれる網点の画像に含まれる、いわゆるモアレを減少させる。モアレとは、網点の周期性と、スキャナ装置11により濃度が読み取られる画素の周期性とのために生じる濃度干渉の縞模様である。
図5は、画像処理部142が行なう網点平滑化処理を示す図である。
図5では、横軸には、原稿画像における原稿平面上の位置をとると共に、縦軸には、各位置での濃度レベルをとっている。
図5に示す実線のデータ(実線の曲線)は、画像処理部142により平滑化処理がされる前の原稿画像における網点の濃度を示している。他方、破線のデータ(太い曲線)は、平滑化処理がされた後の網点のデータを示している。平滑化処理がされた後の後者のデータ(破線)は、平滑化処理がされる前の前者のデータ(実線)に対して、網点が構成する濃度の山の鋭さがなくなっており、濃度の変化が少なくなり、各位置の濃度がその位置の近傍の位置での濃度に似通ったものとなり、濃度が平滑化されている。
図5中に示した左右2つの黒丸N1,N2は、平滑化処理前の原稿画像の濃度のデータ(実線)の上にあり、平滑化処理前の原稿画像の2つの位置での濃度を示したものである。右側の黒丸N1は、網点の頂上付近の位置での濃度であり、左側の黒丸N2は頂上からやや裾野当たりへ降りた位置での濃度である。
そして、図5中のこれらの黒丸N1,N2からそれぞれ下方向および上方向へそれぞれ伸ばされた各矢印は、各黒丸N1,N2の濃度に対して画像処理部142が施す濃度の修正量を示している。このため、黒丸N1,N2の各矢印は、黒丸N1,N2から、各黒丸N1,N2が示す原稿画像上の位置(図5の横軸)における、網点平滑化処理がされた後の原稿画像の濃度N1x,N2xまでそれぞれ伸ばされている。
画像処理部142は、黒丸N1,N2が示す各位置について、その位置を中心とした一定範囲、図5で左右方向に伸びる両方向への矢印N1a,N2aにより図示している一定範囲について、濃度の平均値を求めて、求められた平均の濃度を、それぞれの位置での修正後の濃度N1x,N2xとする。ここで、範囲N1aおよびN2aは同じ長さの範囲であるものとする。ただし、かかる場合に限定されることはない。
このため、図5右側の黒丸N1の位置での修正量(黒丸N1の矢印)は、その位置が網点の頂上部であり、その近傍の一定範囲N1aでは、頂上部よりも全ての箇所で濃度が低いので、かかる低い濃度の影響により範囲N1aでの濃度の平均が下がることにより、修正量を示す矢印が下向きとなって、修正量は負の値となる。
これに対して、他方の左側の黒丸N2の位置では、逆に、その黒丸N2が示す位置を中心とした一定範囲N2aでは、その位置よりも濃度が高いところが多く、つまり黒丸N2より左側(網点の頂上部から離れる側)での黒丸N2の位置より濃度が低いところでは、低くなる程度が小さいところばかりで黒丸N2の位置での濃度とあまり変わらないのに対して、黒丸N2の位置よりも右側(頂上部に近い側)では殆どの場所で黒丸N2の位置での濃度よりもかなり高い濃度のところばかりであり、この結果、両者を平均すると、修正量を示す矢印(黒丸N2aの矢印)は上向きになり、つまり濃度の修正量が正の値となる。
こうして、画像処理部142により網点平滑化がされることで、各位置の濃度は、その位置近傍の濃度と平均されたものとなり、それぞれその位置近傍の濃度と似通った濃度へ変化される。
画像処理部142は、こうして、原稿画像の各位置で、各位置の濃度を、その位置の近傍の一定範囲の平均の濃度に変更することにより、原稿画像の平滑化を行なう。
なお、かかる画像処理部142は、原稿画像に対して、いわゆる積分フィルタとして機能することで、かかる平滑化を行なうものであってもよい。
こうして、平滑化処理前のデータでは(実線のデータ)、たとえば黒丸N1,N2の位置が横軸方向にズレると、少しのズレで大きく濃度が変化していたのが、平滑化処理後のデータでは(破線のデータ)、あまり変化しないものとなり、その分だけ、上述した位置の周期性による濃度干渉も少ないようにでき、モアレを低減することができる。
画像処理部142は、かかる処理を、非可逆データ伸張処理部133により伸張された原稿画像のうちで、可逆データ伸張処理部133aにより伸張された分離領域信号が示す、当該原稿画像の上述した特徴領域のみに対して行なう。つまり、画像処理部142は、原稿画像のうちで、分離領域信号により示される領域以外の領域のデータは変更しないものとする。
印刷制御部143は、画像処理部142により画像処理がされた後の原稿画像を、画像形成機構13によって記録紙Pに印刷させる(図1参照)。
印刷実行制御部150は(図2)、これら非可逆データ伸張処理部133、可逆データ伸張処理部133a、画像処理部142、印刷制御部143、つまり印刷実行部140の機能を起動させ、たとえば、ユーザから印刷実行の指示が複写機1に入力された場合に、復元済み画像保存部132および領域信号保存部132aに記憶された原稿画像および分離領域信号の印刷を、印刷実行部140に実行開始させる。印刷実行制御部150は、復元済み画像保存部132および領域信号保存部132aに記憶された原稿画像および分離領域信号をそれぞれ印刷実行部140の非可逆データ伸張処理部133および可逆データ伸張処理部133aに取得させて、取得させたデータおよび信号に基づいた印刷を印刷実行部140に実行させる。
図6は、複写機1が印刷を行なう処理のフローチャートである。
ステップS1では、原稿がスキャナ装置11にセットされて、セットされた原稿に表された原稿画像がスキャナ装置11に読み取られる。
ステップS2では、制御部100が、ステップS1でスキャナ装置11に読み取られた原稿画像に基づいて、原稿画像を復元済み画像保存部132に記憶し、分離領域信号を領域信号保存部132aに記憶する処理を行なう。
ステップS2aでは、シェーディング処理部110が、ステップS1でスキャナ装置11に読み取られた原稿画像にシェーディング補正を行なう。
ステップS2bでは、分離領域信号生成部120aが、ステップS2aでシェーディング処理部110によりシェーディング補正がされた原稿画像、つまり、ステップS2bでのMTF特性補償処理部120により処理がかけられていない原稿画像に基づいて、当該原稿画像の分離領域信号を生成する。
ステップS2bでは、他方で、MTF特性補償処理部120が、同じくステップS2aでシェーディング処理部110によりシェーディング補正がされた原稿画像に対して、MTF特性補償処理を行なう。
なお、ステップS2cで、分離領域信号生成部120aは、ステップS2bにおけるMTF特性補償処理部120による処理と並行して、同時に、この分離領域信号を生成する処理の少なくとも一部を実行するものとしてもよい。
ステップS3では、一時保存処理部130が、先のステップS2の処理の結果、得られる原稿画像および分離領域信号を保存する。
ステップS3aでは、非可逆データ圧縮処理部131が、ステップS2bでMTF特性補償処理部120によりMTF特性補償処理がされた原稿画像に非可逆圧縮を施し、また、復元済み画像保存部132が、この非可逆圧縮がされた後の原稿画像を保存し、つまり、ハードディスク等の記憶部にその非可逆圧縮がされた原稿画像を記憶させる。
ステップS3bでは、可逆データ圧縮処理部131aが、ステップS2cで分離領域信号生成部120aにより生成された分離領域信号に可逆圧縮を施し、また、領域信号保存部132aが、この可逆圧縮がされた後の分離領域信号を保存し、つまり、ハードディスク等の記憶部に可逆圧縮がされた分離領域信号を記憶させる。
ステップS4では、印刷実行制御部150が、先にステップS3で復元済み画像保存部132および領域信号保存部132aにより保存がされた原稿画像および分離領域信号に基づく印刷を実行するか否かを判定する。印刷実行制御部150は、たとえば、ユーザから印刷を実行する指示が複写機1に入力された場合に、印刷を実行する判定を行なう(ステップS4:Yes)。なお、印刷実行制御部150は、先にステップS3で復元済み画像保存部132および領域信号保存部132aにより原稿画像および分離領域信号の保存がされた直後には、即座に、ユーザからの指示に拘わらず、保存がされた原稿画像等に基づく印刷を実行させる判定を行ない(ステップS4:Yes、ステップS5)、その後は、上述したユーザからの指示がある度に、繰り返し、印刷を実行させるものとしてもよい(ステップS4:Yes、ステップS5)。
印刷実行制御部150は、複写機1の電源が切られた場合や、先にステップS3で復元済み画像保存部132および領域信号保存部132aにより保存がされた原稿画像および分離領域信号の印刷を行なわないことの指示がユーザから複写機1にされた場合などに、ステップS4でNoを判定し、図6の処理を終了させる(ステップS4:No)。
ステップS5では、印刷実行部140が、先にステップS3で復元済み画像保存部132および領域信号保存部132aにより保存がされた原稿画像および分離領域信号の印刷を実行する。
ステップS5aでは、非可逆データ伸張処理部133が、ステップS3aで復元済み画像保存部132により記憶部に保存された原稿画像を取得し、取得した原稿画像を伸張する。
ステップS5bでは、可逆データ伸張処理部133aが、ステップS3bで領域信号保存部132aにより記憶部に保存された分離領域信号を取得し、取得した分離領域信号を伸張する。なお、ここで、可逆データ伸張処理部133aは、先にステップS5aで非可逆データ伸張処理部133が伸張をした原稿画像の分離領域信号を記憶部から取得して、伸張を行なうものとする。
ステップS5cでは、画像処理部142が、ステップS5aで非可逆データ伸張処理部133によって伸張された原稿画像に対して、ステップS5bで可逆データ伸張処理部133aにより伸張された分離領域信号を参照しつつ、画像処理を施す。
ステップS5dでは、印刷制御部143が、ステップS4cで画像処理部142により画像処理がされた原稿画像に基づいて、その原稿画像を画像形成機構13により記録紙へ印刷させる。
最後に、このように複写機1を構成した場合の効果を、図3を参照して説明する。
このような複写機1であれば、原稿画像が非可逆圧縮される前に、100%まで完全にMTF特性の補償が原稿画像に対して行なわれ(図3(B))、中途半端にしか補償がされていない従来例の技術(図3(A))の場合と比べて、原稿画像の高周波成分が予め十分に強調される。
このため、原稿画像が非可逆圧縮されるときに(図2の非可逆データ圧縮処理部131、および図6のステップS3aの説明を参照)、非可逆圧縮による高周波成分の損失が少なくなるようにでき、保存される画像の画質が低くなることを抑制し、伸張後に高い画質の画像を用いることができ(図2の印刷実行部140および、図6のステップS5参照)。たとえば、エッジの劣化がない高画質の画像を用いることができる。
また、従来例の技術を用いると(図3(A))、原稿画像に非可逆圧縮がされる前に、中途半端に、たとえば60%や、あるいは70%などまでしか補償をしないので、原稿画像を伸張した後に、図3(A)のハッチングを付した矢印に示すように、たとえば60%や70%から更に補償度合いを向上させてやる必要が生じるなど、伸張後の原稿画像に更に高周波成分を強調する処理をしてやる必要が生じることとなる。
これに対して、本実施形態の複写機1では、予め非可逆圧縮がされる前にMTF特性が完全に補償されて、十分に高周波成分が強調されていることで(図3(B))、画像データにモスキートノイズが混入した後(図2の非可逆データ圧縮処理部131および図6のステップS3a参照)、画像データを伸張したときに(図2の非可逆データ伸張処理部133および図6のステップS5a参照)、図6のステップS5cにおいて画像処理部142は、後から更に高周波成分を強調してやる必要が少なくなる。つまり、エッジや網点の強調などで高周波成分を強調する度合いを小さくできたり、かかる強調そのものが必要がなくなったり、あるいは、MTF特性の補償度合いを高めてやる必要がなくなったりして、モスキートノイズが強調されないようにできる。
つまり、画像処理部142は、ステップS5cで、単に高周波成分を抑制したり、あるいは、高周波成分のレベルは変えないでいたりして、モスキートノイズを強調してしまうことなく、ステップS5dにおける印刷制御部143による印刷で、多様な高周波成分のレベルでの印刷をでき、モスキートノイズの強調を起こしてしまうことなく印刷制御部143での印刷を多様な印刷設定でできる。
なお、MTF特性補償処理部120は、特許請求の範囲に記載した「画像復元手段」の一例である。また、分離領域信号生成部120aは、特許請求の範囲に記載した「分離領域識別信号生成手段」の一例である。
非可逆データ圧縮処理部131は、特許請求の範囲に記載した「(第一の)圧縮手段」の一例である。可逆データ圧縮処理部131aは、特許請求の範囲に記載した「第二の圧縮手段」の一例である。復元済み画像保存部132は、特許請求の範囲に記載した「(第一の)保存手段」の一例である。領域信号保存部132aは、特許請求の範囲に記載した「第二の保存手段」の一例である。非可逆データ伸張処理部133は、特許請求の範囲に記載した「圧縮データ伸張手段」の一例である。可逆データ伸張処理部133aは、特許請求の範囲に記載した「圧縮信号伸張手段」の一例である。
印刷実行部140または、印刷実行部140が備える画像処理部142は、特許請求の範囲に記載した「画像処理手段」の一例であり、また、「特徴領域処理手段」の一例でもある。
プログラム内蔵方式等により制御部100を実現した場合には、制御部100ないしかかる制御部100を備える複写機1は、特許請求の範囲の記載における「コンピュータ」の一例であり、かかる制御部100に上述した各機能ブロックの機能を実現させ、制御部100のROMに記憶される等したコンピュータプログラムが、特許請求の範囲の記載における「コンピュータプログラム」の一例となる。
以下、他の実施形態について説明する。
(A)MTF特性補償処理部120は、次のような構成を備え、これらの構成によって、MTF特性補償処理(図3の説明を参照)を行なうものとしてもよい。
図7は、MTF特性補償処理部(LOGフィルタ処理部、Laplassian Of Gaussianフィルタ処理部)920の構成を示す機能ブロック図である。このMTF特性補償処理部920を、図2に先に示したMTF特性補償処理部120に代えて用いることができる。
この、図7に示すMTF特性補償処理部920は、特許請求の範囲に記載した「画像復元手段」の一例である。
MTF特性補償処理部920は、ガウシアンフィルタ処理部921と、差分演算部922と、係数乗算部923と、合成部924とを備える。
ガウシアンフィルタ処理部921は、シェーディング処理部110からこのMTF処理部920に入力された原稿画像に対してガウシアンフィルタをかけ、つまり、原稿画像に対してガウス分布のデータを畳み込む畳み込み演算を行なう。
差分演算部922は、ガウシアンフィルタ処理部921によりガウシアンフィルタがかけられた原稿画像と、ガウシアンフィルタ処理部921によりガウシアンフィルタがかけられる前の、MTF特性補償処理部920に入力された元々の原稿画像との差分を求める。
差分演算部922によるかかる差分処理によって生成される画像(以下、差分画像)は、原稿画像の各周波数成分のうちで主に高周波成分を取り出した画像となる。
係数乗算部923は、かかる差分画像の濃度に予め定められた係数を乗じて、差分画像の濃度をその係数倍させる。なお、係数は、1より小さく、濃度を低下させるものでもよいし、逆に1より大きく、濃度を高めさせるものでもよい。
合成部924は、係数乗算部923によって濃度が上述の係数倍された後の差分画像を、MTF特性補償処理部920に入力されたばかりの元々の原稿画像に加える画像合成処理を行なう。つまり、合成部924は、元々の原稿画像の各部の濃度を、差分画像の当該部分に対応する部分の濃度だけ増加させる。
MTF特性補償処理部920は、こうして、合成部924によって画像合成処理がされた後の原稿画像を一時保存処理部130(図2)に出力する。
かかるMTF特性補償処理部920が出力する原稿画像は、当該原稿画像に含まれる差分画像の分の濃度を、係数乗算部923が用いる係数を調節することにより変えることができ、つまり、係数を調節すれば、出力される原稿画像に含まれる高周波成分を変化させることができる。
係数乗算部923が用いるこの係数は、この高周波成分の変化により、スキャナ装置11のMTF特性が100%補償されるものとされる。係数乗算部923には、かかる値の係数が予め設定されている。
MTF特性補償処理部920は、係数乗算部923にかかる適切な値の係数が設定されていることで、かかる係数を用いて上述のように原稿画像を処理することにより、スキャナ装置11のMTF特性を100%補償する。
(B)上記画像処理部142は、予め完全にMTF特性が補償されてしまっている原稿画像を(図6のステップS3a参照)、保存された原稿画像を伸張した後に、ステップS5cにおいて、たとえば60%や70の補償度合いなど、MTF特性が完全には補償されていない目標補償状態まで補償の度合いを下げてやるものとしてもよい。このときには、画像処理部142は、図4を用いて説明したのと同様の処理で、かかる補償の度合いを下げる処理をできる。ただし、このときには、上述した「係数」は、高周波成分の係数については、1以下にして、高周波成分を抑制できるようにする。
こうすれば、印刷制御部143は、かかる低い補償度合いにされた原稿画像に基づいて印刷をできる。これにより、伸張までは、原稿画像に対して完全な補償をしておくことで、非可逆圧縮時の画質の劣化を避けるようにしつつ、低い補償度合いでの印刷をでき、しかも、予め完全にまで原稿画像のMTF特性が補償されており、モスキートノイズを強調してしまう恐れがある補償度合いを上げることでなく、単に補償度合いを下げるだけでモスキートノイズを強調してしまうことなく、目標補償状態の画像データを得ることができる。
(C)分離領域信号生成部120aは、MTF特性補償処理部120によりMTF特性補償処理がされる前の原稿画像に基づいて(図6のステップS2b、S2c参照)、分離領域信号を生成するものとして説明したが、かかる場合に限定されず、MTF特性補償処理部120によりMTF特性補償処理がされた後の原稿画像に基づいて分離領域信号を生成してもよい(図2の二点差線を参照)。
(D)図2に示した、分離領域信号生成部120a、可逆データ圧縮処理部131a、領域信号保存部132a、可逆データ伸張処理部133aは、必ずしも設けることが必須ではなく、図6の処理で、これらの機能ブロックの機能による処理は行なわないものとしてもよい。
(E)前述の通り、分離領域信号生成部120aが生成する分離領域信号が特定する特徴領域は、網点領域ではなく、文字領域でもよく、この場合、画像処理部142は、ステップS4cで、図5で説明した網点平滑化処理ではなく、原稿画像の文字領域に対する文字強調処理を行なうものとしてもよい。この場合も、画像処理部142は、原稿画像のデータのうちで、分離領域信号が示す特徴領域(文字領域)のデータのみを変更し、他の領域のデータは変更しないものとしてよい。
(F)分離領域信号生成部120aは、MTF特性補償処理部102によるMTF特性の補償(図6のステップS2c参照)がされる前と、された後との両者の原稿画像に基づいて、分離領域信号を生成するものとしてもよい(図6のステップS2b参照)。こうすれば、MTF特性の補償による原稿画像の改変で失われることの影響を受けずに、かつ、MTF特性の補償により初めて明瞭となる原稿画像の性質を加味して、精度のよい分離領域信号を生成することができる。
本発明の一実施形態に係る複写機を概略的に示す図である。 制御部が実現する機能を示す機能ブロック図である。 MTF特性補償処理部によるMTF特性補償処理を示す図である。 MTF特性補償処理部の詳細な構成を示すブロック図である。 画像処理部が行なう網点平滑化処理を示す図である。 複写機が印刷を行なう処理のフローチャートである。 MTF特性補償処理部(LOGフィルタ処理部)の構成を示す機能ブロック図である。
符号の説明
P 記録紙
1 複写機(画像処理装置)
11 スキャナ装置(原稿読取手段)
12 搬送経路
13 画像形成機構
100 制御部(コンピュータ)
110 シェーディング処理部
120 MTF特性補償処理部(画像復元手段)
120a 分離領域信号生成部(分離領域識別信号生成手段)
121 FFT処理部
122 係数乗算部
122m フィルタ係数記憶部
123 逆FFT処理部
130 一時保存処理部
131 非可逆データ圧縮処理部((第一の)圧縮手段)
131a 可逆データ圧縮処理部(第二の圧縮手段)
132 復元済み画像保存部((第一の)保存手段)
132a 領域信号保存部(第二の保存手段)
133 非可逆データ伸張処理部(圧縮データ伸張手段)
133a 可逆データ伸張処理部(圧縮信号伸張手段)
140 印刷実行部(画像処理手段、特徴領域処理手段)
142 画像処理部
143 印刷制御部
150 印刷実行制御部
920 MTF特性補償処理部(画像復元手段)
921 ガウシアンフィルタ処理部
922 差分演算部
923 係数乗算部
924 合成部

Claims (9)

  1. 原稿読取手段によって読み取られた原稿画像の画像データに対して、当該読み取りにおけるMTF特性を完全に補償する補償処理を行なう画像復元手段と、
    当該画像復元手段により、前記MTF特性が完全に補償された前記画像データに非可逆圧縮をする圧縮手段と、
    前記圧縮手段により非可逆圧縮がされた前記画像データを保存する保存手段と、
    前記保存手段により保存された、前記圧縮手段により非可逆圧縮がされた前記画像データを伸張する圧縮データ伸張手段とを備える画像処理装置。
  2. 前記圧縮データ伸張手段により伸張された前記画像データに対して、前記MTF特性が完全には補償されていない予め定められた目標補償状態へ当該画像データを変換する画像処理を施す画像処理手段を備える請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記圧縮手段により非可逆圧縮がされる前の前記画像データに基づいて、当該画像データが示す前記原稿画像における予め定められた特徴を備える特徴領域を識別する識別信号を生成する分離領域識別信号生成手段と、
    前記分離領域識別信号生成手段により生成された前記識別信号を可逆圧縮する第二の圧縮手段と、
    前記第二の圧縮手段によって圧縮された前記識別信号を保存する第二の保存手段と、
    前記第二の保存手段により保存された前記識別信号を伸張する圧縮信号伸張手段とを備える請求項1記載の画像処理装置。
  4. 前記圧縮信号伸張手段によって伸張された前記識別信号に基づいて、前記圧縮データ伸張手段により伸張された前記画像データに対して、当該画像データが表す画像の、前記識別信号により示される前記特徴領域への画像処理を行なう特徴領域処理手段を備える請求項3記載の画像処理装置。
  5. 前記特徴領域は、網点の領域であり、
    前記特徴領域処理手段は、前記圧縮データ伸張手段により伸張された前記画像データが表す前記原稿画像の、前記識別信号により示される網点の領域を平滑化させる平滑化処理を当該画像データに施す請求項4記載の画像処理装置。
  6. 前記特徴領域は、文字領域であり、
    前記特徴領域処理手段は、前記圧縮データ伸張手段によって伸張された前記画像データが表す前記原稿画像の、前記識別信号により示される文字領域を強調する文字強調処理を当該画像データに施す請求項4記載の画像処理装置。
  7. 前記分離領域識別信号生成手段は、前記画像復元手段により前記MTF特性が完全に補償される前の前記画像データに基づいて前記識別信号を生成する請求項3〜6のいずれかに記載の画像処理装置。
  8. 前記分離領域識別信号生成手段は、前記画像復元手段によって前記MTF特性が完全に補償された後の前記画像データに基づいて前記識別信号を生成する請求項3〜6のいずれかに記載の画像処理装置。
  9. 原稿読取手段によって読み取られた原稿画像の画像データに対して、当該読み取りにおけるMTF特性を完全に補償する補償処理を行なう画像復元手段と、
    当該画像復元手段により、前記MTF特性が完全に補償された前記画像データに非可逆圧縮をする圧縮手段と、
    前記圧縮手段により非可逆圧縮がされた前記画像データを保存する保存手段と、
    前記保存手段により保存された、前記圧縮手段により非可逆圧縮がされた前記画像データを伸張する圧縮データ伸張手段としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。
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