(第1の実施形態)
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態では、撮像装置が距離を測定する手段を備えており、撮像装置で利用する記憶媒体の記憶容量に制限がある場合、また消費電力を考慮する必要がある場合における本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態における撮像装置の機能構成例を示すブロック図である。
101は本実施形態において外部装置と通信可能な撮像装置である。102は撮影レンズであり、103は絞り機能を備えるシャッターである。104は光学像を電気信号に変換する撮像素子であり、105は撮像素子104から出力されるアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換器である。
106は撮像素子104、A/D変換器105、及びD/A変換器107にクロック信号や制御信号を供給するタイミング発生回路であり、メモリ制御回路108及びシステム制御回路109により制御される。110は画像処理回路であり、A/D変換器105から出力されるデータ或いはメモリ制御回路108から出力されるデータに対して所定の画素補間処理や色変換処理を行う。
108はメモリ制御回路であり、A/D変換器105、タイミング発生回路106、画像処理回路110、画像表示メモリ111、D/A変換器107、及び第1のメモリ112を制御する。A/D変換器105のデータは、画像処理回路110及びメモリ制御回路108、または直接メモリ制御回路108を介して、画像表示メモリ111或いは第1のメモリ112に書き込まれる。
111は画像表示メモリであり、107はD/A変換器である。113はTFT、LCD等から成る画像表示部であり、画像表示メモリ111に書き込まれた表示用の画像データに基づいてD/A変換器107を介して画像表示部113により画像が表示される。画像表示部113を用いて撮像した画像を逐次表示すれば、電子ファインダー機能を実現することが可能である。
112は撮影した静止画像や動画像を格納するための第1のメモリであり、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像を格納するのに十分な記憶容量を備えている。第1のメモリ112は、撮像装置の場合、一般的にはSDメモリカードのような着脱可能なカード式のフラッシュメモリに相当する。
114は絞り機能を備えるシャッター103を制御する露光制御部であり、フラッシュ部117と連携することによりフラッシュ調光機能も有する。115は撮影レンズ102のフォーカシングを制御する測距制御部であり、116は撮影レンズ102のズーミングを制御するズーム制御部である。117はフラッシュ部であり、AF補助光の投光機能、及びフラッシュ調光機能も有する。
109は撮像装置101全体を制御するシステム制御回路であり、外部装置に対して画像データを要求する画像データ要求手段と、画像表示部113などの画像表示を制御する表示制御手段とが含まれている。120はシステム制御回路109の動作用の定数、変数、プログラム、及びUSB通信アプリケーション等を記憶する第2のメモリである。
118は電源制御部であり、電池検出回路、DC−DCコンバータ、及び通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成されている。また、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行い、検出結果及びシステム制御回路109の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体を含む各部へ供給する。119はアルカリ電池やリチウム電池等の一次電池、NiCd電池、NiMH電池、Li電池等の二次電池、またはACアダプター等からなる電源部である。
121はシステム制御回路109でのプログラムの実行に応じて、文字、画像、音声等を用いて動作状態やメッセージ等を表示する液晶表示装置、及びスピーカー等から構成される表示部である。表示部121は、撮像装置101の操作部近辺の視認し易い位置に単数或いは複数個所設置され、例えばLCDやLED、発音素子等の組み合わせにより構成されている。撮像装置101の構成によっては、表示部121に表示する情報を合わせて画像表示部113に表示する場合もある。また、本実施形態においては、画像表示部113及び表示部121には、外部の撮像装置から受信した画像データを画像化して表示することもできる。
122は電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリである。123は、システム制御回路109の各種の動作指示を入力するための操作部であり、スイッチ、ダイアル、タッチパネル、視線検知によるポインティング、または音声認識装置等の単数或いは複数の組み合わせで構成されている。
124はシャッタースイッチであり、撮像素子104から読み出した信号をA/D変換器105、メモリ制御回路108を介して第1のメモリ112に画像データを書き込む露光処理の動作開始を指示する。また、画像処理回路110やメモリ制御回路108での演算を用いた現像処理という一連の処理の動作開始も指示する。
125は通信手段を構成する無線通信制御部であり、126はアンテナ部である。無線通信制御部125はアンテナ部126から発信・受信される電波を利用して任意の無線通信伝送路で外部の装置との通信を制御する。なお、本実施形態では、UWB(Ultra Wide Band)を利用するものとする。また、Wireless LAN、Bluetooth等の伝送路を用いてもよい。
127は距離測定手段を構成する距離測定部であり、撮像装置101と無線通信で接続している外部装置(例えば、撮像装置)との距離の測定を行う。前述したように本実施形態では無線通信伝送路としてUWBを採用しており、このUWBの技術には通信間の距離を測定できる特徴がある。したがって、この特徴を利用して接続先との距離の測定を行う。なお、距離測定部127については、GPSなどのように距離を測定できる機能を有していれば、他のどのような方法を用いてもよい。
次に、図2に示す本実施形態の概要図を参照しながら本実施形態における撮像装置101の動作について説明する。
201は撮像装置であり、202は撮像装置201と同じの無線通信伝送路を用いて撮像装置201と無線通信接続が可能な別の撮像装置である。この2つの撮像装置同士の保持者が、画像交換を目的として自身が保持している画像と相手が保持している画像とを比較再生して交換するために画像の選定を行う。
図2(a)では、撮像装置201と、通信相手である別の撮像装置202との距離が非常に近い状態を示している。このように距離が非常に近い状態で撮像装置201が画像再生モードで動作しているときは、撮像装置201の画像表示部113には第1のメモリ112に記憶された静止画像や動画像が表示されており、一般的な撮像装置の動作と同じである。
次に、図2(b)では、無線接続を継続して確立できる範囲で撮像装置201と通信相手である別の撮像装置202との距離が離れている状態を示している。なお、図2(b)に示す状態は、図2(a)に示す状態の距離と比較して大きく離れているものとする。具体的には、撮像装置201及び通信相手である別の撮像装置202の保持者同士が直接お互いの画像表示部を見せ合うことができないような距離である。一般的に直接見せ合うことができる範囲は2〜3mであるとして、図8(b)に示す状態において撮像装置間の距離はそれ以上であるものとする。
撮像装置201は、距離測定部127において定期的に通信相手である別の撮像装置202との距離を測定している。測定結果が、保持者同士が撮像装置を直接見せ合うことが可能な近距離である場合は、表示画面203のように通常どおり第1のメモリ112に記憶されている画像が画像表示部113に表示される。
一方、ある一定の距離より離れたことを検知したとき、撮像装置201の画像表示部113には表示画面204のように二分割されて画像が表示される。表示画面204の右半分には、図2(a)に示す状態のときから表示されていた撮像装置201の第1のメモリ112に記憶された静止画像や動画像が表示される。また、表示画面204の左半分には通信相手である別の撮像装置202から無線通信によって受信された画像が表示される。
本実施形態においては、距離測定部127により、無線接続した相手がある一定の距離より離れたことを検知したことをきっかけに、画像表示部113に接続相手から受信した画像を表示させることが特徴である。
次に、本実施形態の撮像装置201が通信相手である別の撮像装置202と無線通信を行っている状態における再生処理シーケンスについて、図3−1に示すフローチャートを参照しながら具体的に説明する。なお、図3−1に示すフローチャートに従って行われる処理は、第2のメモリ120に記憶された所定のプログラムに従ってシステム制御回路109が制御する。
モード切替スイッチ等が操作されて撮像装置201が再生モードにされることによって、ステップS301から本実施形態の撮像装置における画像を再生する処理を開始する。
ステップS302において、操作部123に入力された操作信号に基づいてシステム制御回路109は、撮像装置201と別の撮像装置202との距離がどの程度離れたときに別の撮像装置202から受信された画像を画像表示部113に表示するかを設定する。
前述したように、直接それぞれの画像表示部を見せ合うことができるのは一般的に2〜3mであるとしたが、本実施形態では保持者が直接見せ合うことができないと判断する基準距離を設定することができる。この設定は、表示部121または画像表示部113に表示されるMENU画面に基づいて操作部123に操作信号が入力され、その操作信号に基づいてシステム制御回路109により設定を行う。なお、この設定は再生モード時ではなく他のモードで動作しているときに事前に設定しておいてもよい。
このステップS302における表示切替基準距離設定を行っていることを前提に、設定された撮像装置間の距離に応じて画像表示部113に表示する内容を切り替える処理を行う。もし、ステップS302にて表示切替基準距離設定が行われていない場合は、設定デフォルト値が"無限大"となっており、事実上、画像表示部113に表示する内容を切り替える処理が行われないことになる。
一方、距離に応じて画像表示部113に接続相手の画像を表示させる機能そのものを有効にするか、無効にするかを設定できるMENU画面を用意してもよい。そして、有効にする必要がない場合はそのMENU画面で機能を無効に設定させるようにしてもよい。
次に、ステップS303において、無線通信制御部125は、アンテナ部126を経由して通信相手である画像データを保持する外部の別の撮像装置202との無線接続済みかどうかをチェックする。このチェックの結果、まだ無線接続されていない場合はステップS304に進む。一方、ステップS303のチェックの結果、無線接続済みである場合はステップS305に進む。
ステップS305において、システム制御回路109の制御により距離測定部127は、接続済みの通信相手である別の撮像装置202との距離を測定し、ステップS302において設定した基準距離以上離れているかどうかをチェックする。このチェックの結果、基準距離以上離れている場合はステップS307へ進む。一方。ステップS305のチェックの結果、基準距離より短い場合はステップS304に進む。
ステップS305で別の撮像装置202との距離が基準距離以上であれば無条件でステップS307からステップS318にかけて画像表示部113の表示画面を分割して表示する処理をスタートする。ところが、使用状況によって使用者は分割して表示する処理をしたくない場合もある。
前述したように、もともとこの分割して表示する処理を無効に設定しておくことによって回避できるが、そのような無効化設定を行っていない状況でもやはり分割して表示する処理をしたくない状態になることもある。例えば、使用者が、撮像装置201が有するある画像について拡大して注意深く確認していたときに、別の撮像装置202との距離が基準距離以上離れたため、いきなり表示画面が分割(変更)されると使用者の作業に影響を及ぼす。
このようなことを回避するために、ステップS305のチェックの結果、別の撮像装置202との距離が基準距離以上である場合は、例えば、図4(a)に示す表示画面401を表示してもよい。図4(a)に示すように使用者に対して、別の撮像装置202との距離が基準距離以上になった旨を通知し、使用者が分割表示の実行許可したときのみステップS307に進んで以降の処理を行うようにしてもよい。そして、表示画面401のような通知をして使用者が分割表示の実行を許可しなかった場合は、ステップS307には進まずステップS304に進むようにしてもよい。
本実施形態では以下に説明するように、別の撮像装置202との距離が設定された値以上であることをトリガーにして表示内容を切り替えるものである。一方、ステップS304においては、通信相手が存在しないまたは無線接続した別の撮像装置202との距離が基準距離より短いため、システム制御回路109の制御により撮像装置201の保持画像のみを画像表示部113にフル画面で表示する。そして、ステップS306に進む。
次に、ステップS306において、モード切替スイッチ等が操作されて操作部123に入力された操作信号に基づいて、システム制御回路109は再生処理の終了指示あったかどうかをチェックする。このチェックの結果、再生処理終了指示があった場合はステップS321に進んでシステム制御回路109により再生処理を終了する。一方、ステップS306のチェックの結果、再生処理終了指示が無かった場合はステップS303に戻る。
一方、ステップS307において、システム制御回路109は無線通信制御部125を介して、無線接続している別の撮像装置202に対して、別の撮像装置202が保持している画像データに対する転送要求を行う。この処理は、確立している接続で採用しているプロトコルにおける画像転送要求を行うコマンドを送信することによって行われるが、画像データの転送要求が行うことができるのであれば他の方法でもよい。
次に、ステップS308において、ステップS307における画像データ転送要求に対して、システム制御回路109は通信相手の別の撮像装置202内に閲覧可能な画像データを保持しているかどうかをチェックする。具体的には、ステップS307における画像データ転送要求に対して、通信相手である別の撮像装置202が閲覧可能な画像データを保持していない場合の動作を行ったかどうかをチェックする。
例えば、ステップS307における転送要求コマンドを受けて、閲覧可能な画像データを保持していないという旨のレスポンスを返したかどうかチェックする。このチェックの結果、別の撮像装置202に閲覧可能な画像データを保持していない場合は、ステップS309へ進む。一方、ステップS308のチェックの結果、別の撮像装置202に閲覧可能な画像データを保持している場合は、ステップS313へ進む。
ステップS309においては、システム制御回路109は通信相手の別の撮像装置202に対して、別の撮像装置202において撮像処理などにより閲覧可能な画像データが生成された場合に撮像装置201に画像データ生成イベントを通知するように依頼する。次に、ステップS310においては、通信相手から画像データを取得できない、システム制御回路109の制御により撮像装置201が保持している画像のみを画像表示部113にフル画面で表示する。
次に、ステップS311においては、システム制御回路109は無線通信制御部125を介して、通信相手の別の撮像装置202からステップS309において依頼した画像データ生成イベントを受信したたかどうかをチェックする。このチェックの結果、画像データ生成イベントを受信した場合はステップS312に進む。一方、ステップS311のチェックの結果、画像データ生成イベントを受信していない場合はステップS310に戻る。
ステップS312においては、ステップS307と同様にシステム制御回路109は無線通信制御部125を介して、通信相手の別の撮像装置202に対して保持している画像データに対する転送要求を行い、ステップS313へ進む。
ステップS313においては、システム制御回路109は無線通信制御部125を介して、通信相手である別の撮像装置202から1画像分の画像データを受信する。次に、ステップS314において、システム制御回路109の制御により、撮像装置201の画像表示部113を図2に示すように表示画面204が二分割された状態にする。
次に、ステップS315において、システム制御回路109の制御により、ステップS314で二分割された画像表示部113の左半画面に、ステップS313において受信した画像データを画像化して表示する。次に、ステップS316においては、システム制御回路109の制御により、ステップS314で二分割された画像表示部113の右半画面に、撮像装置201が保持する画像データを画像化して表示する。
本実施形態においては、通信相手が保持する画像を左半画面に表示し、自身の装置が保持する画像を右半画面に表示させるようにしたが、この配置に特に理由は無く左右を逆にして画像を表示させてもよい。
また、本実施形態では画像表示部113に表示される画面の二分割の方法を横分割にしたが、縦分割にして上半画面に通信相手が保持する画像を表示させ、下半画面に自身の装置が保持する画像を表示させても、またその逆であってもよい。
また、本実施形態では画像表示部113に表示される画面を完全に二分割したが、画像情報等を表示する部分を独立して設け、それ以外の部分について二分割するような方法を用いてもよい。
次に、ステップS317において、操作部123に入力された操作信号に基づいてシステム制御回路109の制御により、再生操作を行う対象を設定する。図5及び図6は、本実施形態において、再生操作対象を選択している際の撮像装置201の外観構成を示す図である。本実施形態においては、撮像装置201は図5及び図6に示すように再生操作対象を設定するためにスライド式の再生操作対象設定スイッチ501を備えている。
撮像装置201が保持する画像(右半画面)に対し再生操作を行う場合、図5に示すように使用者により再生操作対象設定スイッチ501が右側にスライドされることにより操作信号が入力され、システム制御回路109の制御により再生操作を行う対象を設定する。一方、通信相手である別の撮像装置202が保持する画像(左半画面)に対して再生操作を行う場合、図6に示すように使用者により再生操作対象設定スイッチ501が左側にスライドされることにより操作信号が入力され、システム制御回路109の制御により再生操作を行う対象を設定する。
次に、ステップS318においては、システム制御回路109の制御により、ステップS315で画像表示部113の左半画面に表示させた画像と、ステップS316で画像表示部113の右半画面に表示させた画像とを比較再生する処理を行う。
比較再生処理について、図3−2に示すフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
まず、ステップS3181において比較再生処理を開始する。次に、ステップS3182において、システム制御回路109は、図5及び図6に示す十字操作ボタン502等が押下されて操作信号が操作部123に入力され、その操作信号に基づいて画像送り、画像戻りなど再生操作イベントが発生したかどうかをチェックする。
このチェックの結果、再生操作イベントが発生した場合は、ステップS3183へ進む。一方、ステップS3182のチェックの結果、再生操作イベントが発生していない場合はステップS3189に進み、比較再生処理を終了する。
次に、ステップS3183において、システム制御回路109は、図3−1のステップS317で設定した再生操作対象が通信相手である別の撮像装置202が保持する画像であるかどうかをチェックする。このチェックの結果、再生対象が通信相手である別の撮像装置202が保持する画像である場合はステップS3186に進む。一方、ステップS3183のチェックの結果、再生対象が撮像装置201が保持する画像である場合はステップS3184に進む。
次に、ステップS3184において、システム制御回路109は、操作部123に入力された操作信号に基づいて、画像表示部113の右半画面に表示された撮像装置201が保持する画像に対してステップS3182で発生した再生操作イベント処理を行う。次に、ステップS3185において、システム制御回路109の制御により、ステップS3184の再生操作イベント処理に基づいて画像表示部113の右半画面に表示される画像の更新を行う。そして、ステップS3189に進み、比較再生処理を終了する。
一方、ステップS3186においては、ステップS3182で発生した再生操作イベントの処理対象が通信相手の別の撮像装置202が保持する画像となるので、ステップS3182で発生した再生操作イベントを別の撮像装置202側で処理してもらう。このために、システム制御回路109は、その再生操作イベントに対応したコマンドを発行し、別の撮像装置202に送信する。
次に、ステップS3187において、ステップS3186で送信した再生操作イベントに対応したコマンドを別の撮像装置202が受信する。そして、別の撮像装置202は保持する画像データから指定された再生操作イベントを処理して、次に表示すべき画像データをメモリから読み出して送信する。これにより、無線通信制御部125はステップS3182で発生した別の撮像装置202に対する再生操作イベントによって、画像表示部113の左半画面に次に表示されるべき画像データを受信する。
次に、ステップS3188において、システム制御回路109の制御により、ステップS3187で別の撮像装置202から受信した画像データを画像化して画像表示部113の左半画面に表示することによって画像を更新する。そして、ステップS3189に進み、比較再生処理を終了する。
再び図3−1の説明に戻り、ステップS318の比較再生処理が終了した後のシーケンスについて説明する。
次に、ステップS319において、システム制御回路109は、操作部123に入力された操作信号に基づいて、モード切替スイッチ等の移動などにより再生処理の終了指示があったかどうかをチェックする。このチェックの結果、再生処理終了指示があった場合はステップS321に進んでシステム制御回路109の制御により再生処理を終了する。一方、ステップS319のチェックの結果、再生処理終了指示が無かった場合はステップS320に進む。
ステップS320において、ステップS305と同様に、システム制御回路109の制御により距離測定部127は、通信相手である別の撮像装置202との距離を測定し、ステップS302において設定した基準距離以上離れているかどうかをチェックする。このチェックの結果、基準距離以上離れている場合はステップS318へ戻り、再び比較再生処理を行う。一方、ステップS320のチェックの結果、基準距離より短い場合はステップS304に進む。
なお、ステップS320のチェックの結果、別の撮像装置202との距離が基準距離以上でなければ、無条件でステップS304に戻り、今度は撮像装置201が保持する画像のみ表示する処理を行う。ところが、使用状況によっては、使用者が分割して表示する処理を継続したい場合もある。例えば、画像表示を分割して撮像装置201と別の撮像装置202とが所有する画像の比較を行っていた時に、距離が基準距離より近くなったため、いきなり分割状態から単一のもとの状態にされると使用者の作業に影響を及ぼす。
このようなことを回避するために、ステップS320のチェックの結果、別の撮像装置202との距離が基準距離以上ではない場合に、図4(b)に示す表示画面402を表示してもよい。図4(b)に示すように使用者に対し別の撮像装置202との距離が基準距離以上ではなくなった旨を通知し、使用者が分割表示の終了を許可したときのみステップS304に進んで以降の処理を行うようにしてもよい。そして、表示画面402のような通知をして、使用者により分割表示の実行を継続するように指示された場合は、ステップS304には進まずステップS318に進んで、分割表示した状態での比較再生処理を継続するようにしてもよい。
以上により本実施形態においては、外部装置との間の距離を測定し、外部装置との距離の測定結果に応じて表示部に表示する内容を切り替えるようにした。したがって、無線接続した機器間の距離が設定された距離より離れると自身の機器の表示部に接続相手機器の画像を表示することが可能となる。これにより、画像交換を行うためにお互いの機器が保持する画像を確認する際に、お互いの機器が直接見せ合うことができなくなる距離に位置したときに相手の画像が自身の機器に表示されるので、相手機器が保持している画像の確認を円滑に行うことができる。
また、設定された距離より近い距離に位置したときには直接見せ合うことができるため、自身の機器で接続相手機器の画像の表示を行わないようして、無線通信を発生させない。これにより、処理速度や消費電力に影響を及ぼさないようにすることができる。また、分割表示は画像1つ当たりの表示領域が狭くなってしまう。したがって、直接画像を見せ合える距離にいる際には分割表示ではなく、1画面に1画像を表示することでユーザの視認性を向上させることが可能となる。
(第2の実施形態)
本実施形態の撮像装置は第1の実施形態と全く同じ構成である。本実施形態では、撮像装置201が保持する画像とその通信相手である別の撮像装置202が保持する画像との比較再生を行う場合に、別の撮像装置202を制御しリモートコントロールして再生操作を行う。そして、その結果として別の撮像装置202に表示された画像を撮像装置201に送信する。そして、受信した画像を画像表示部113に分割された状態で表示させることによって、お互いがどのような画像を有しているかの確認を行うことができる。以下、本実施形態について説明する。
前述したように、本実施形態の撮像装置の機能構成は、図1に示す第1の実施形態の撮像装置101と全く同様である。また、本実施形態における再生処理中の画像表示部113の表示形態も、図2に示す第1の実施形態と同様である。さらに、本実施形態における再生処理シーケンスも、比較再生処理を除いて、図3−1に示す第1の実施形態と全く同様である。
本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、図3−1のステップS318の比較再生処理である。図7は、本実施形態における比較再生処理シーケンスを示すフローチャートである。この図7に示すフローチャートを参照しながら本実施形態における比較再生処理シーケンスを詳しく説明する。なお、本フローチャートに従って行われる処理は、第2のメモリ120に記憶された所定のプログラムに従ってシステム制御回路109が制御するものである。
まず、ステップS701で比較再生処理を開始する。次に、ステップS702において、システム制御回路109は、十字操作ボタン502等が押下されて操作信号が操作部123に入力され、その操作信号に基づいて画像送り、画像戻りなど再生操作イベントが発生したかどうかをチェックする。このチェックの結果、再生操作イベントが発生した場合は、ステップS703へ進む。一方、ステップS702のチェックの結果、再生操作イベントが発生していない場合は、ステップS712に進んで比較再生処理を終了する。
次に、ステップS703において、システム制御回路109は、ステップS317で設定した再生操作対象が通信相手である別の撮像装置202が保持する画像であるかどうかをチェックする。このチェックの結果、再生対象が通信相手である別の撮像装置202が保持する画像である場合はステップS706に進む。一方、ステップS703のチェックの結果、再生対象が撮像装置201が保持する画像である場合はステップS704に進む。
次に、ステップS704において、システム制御回路109は、操作部123に入力された操作信号に基づいて、画像表示部113の右半画面に表示された撮像装置201が保持する画像に対してステップS702で発生した再生操作イベント処理を行う。次に、ステップS705において、システム制御回路109の制御により、ステップS704の再生操作イベント処理に基づいて画像表示部113の右半画面に表示される画像の更新を行う。そして、ステップS712に進み、比較再生処理を終了する。
一方、ステップS706においては、システム制御回路109は、通信相手である別の撮像装置202に対してリモート操作制御を開始する通知を行う。別の撮像装置202はこの通知を受けると再生操作に関して自身による制御が全くできないようになり、撮像装置201は、ステップS711のリモート操作制御が終了する通知を送信するまで、リモート操作イベントによってのみ再生操作を行うことができる。
次に、ステップS707においては、システム制御回路109は、ステップS702で発生した再生操作イベントを別の撮像装置202側でリモート操作するためにそのリモート再生操作イベントに対応したコマンドを発行する。これは、ステップS702で発生した再生操作イベントの処理対象が通信相手の別の撮像装置202が保持する画像となるからである。
次に、ステップS708において、システム制御回路109により無線通信制御部125を介して、ステップS707で発行したコマンドを別の撮像装置202に送信する。これにより、リモート再生操作イベントに対応したコマンドが別の撮像装置202に受信され、別の撮像装置202において指定された再生操作イベントが処理される。そして、別の撮像装置202が保持する画像から次に表示すべき画像データがメモリから読み出され、別の撮像装置202の画像表示部に次に表示すべき画像が表示される。
次に、ステップS709において、ステップS708の処理により別の撮像装置202の画像表示部に表示された画像が撮像装置201に対して送信される。そして、システム制御回路109により、無線通信制御部125を介してステップS702で発生した別の撮像装置202に対する再生操作イベントによって画像表示部113の左半画面に次に表示されるべき画像データを受信する。
次に、ステップS710において、システム制御回路109により、ステップS709で別の撮像装置202から受信した画像データを画像化して画像表示部113の左半画面に表示することによって画像を更新する。そして、ステップS711において、システム制御回路109により、無線通信制御部125を介して通信相手である別の撮像装置202に対してリモート操作制御を終了する通知を行う。以上の処理を持ってステップS712で比較再生処理を終了する。
以上、本実施形態においては、撮像装置201が保持する画像と通信相手である別の撮像装置202が保持する画像との比較再生を行う場合に、別の撮像装置202を制御してリモートコントロールして再生操作を行う。そして、別の撮像装置202の画像表示部に表示されている画像を撮像装置201の画像表示部113の表示画面402に表示させることによって、お互いがどのような画像を有しているかの確認を行うことができる。
本実施形態においては、お互いがどのような画像を有しているか確認したい場合に、互いに直接見せ合うことができないような距離に位置したときにだけこのリモートコントロールを行うことができる。つまり、撮像装置201とその通信相手である別の撮像装置202との距離が基準距離より離れている場合のみリモートコントロールの機能が有効になり、反対に基準距離より近い位置の場合はこのリモートコントロールの機能は無効となる。
この方法は、例えば、撮像装置の保持者同士が離れた位置で声を掛け合いながらお互いの撮像装置が有する画像を確認していた場合に便利である。一方の保持者が相手の撮像装置側にある特定の画像についてその内容を保持者に質問するときに、その特定の画像を保持している通信相手の撮像装置を直接リモートコントロールして画像データを受信し、その特定の画像を表示させることができる。これにより、質問を受けるその画像の保持者は、通信相手が自身の撮像装置をリモートコントロールするので、自身は何の操作も行わずにその画像を確認させることができる。
また、本実施形態では、再生モード時について説明したが、別の撮像装置202が撮像モードであってもよい。この場合、別の撮像装置202の撮像操作をリモートコントロールして撮像のリモート実行を行うことができ、そのときに撮像した画像を、撮像装置201が受信することも実現できる。
(第3の実施形態)
本実施形態の撮像装置は第1の実施形態と全く同じ機能構成である。本実施形態においては、撮像装置201の使用者とその通信相手である別の撮像装置202の使用者とが自身の保持する画像に対してのみ操作を行って、お互いがどのような画像を保持しているかの確認を行うことができる。以下、本実施形態について説明する。
前述したように、本実施形態の撮像装置の機能構成は、図1に示す第1の実施形態の撮像装置101と全く同様である。また、本実施形態における再生処理中の画像表示部113の表示形態も、図2に示す第1の実施形態と同様である。さらに、本実施形態における再生処理シーケンスについても、比較再生処理を除いて、図3−1に示す第1の実施形態と一部を除いて全く同様である。
まず、本実施形態の再生処理シーケンスにおいて、第1の実施形態と異なる点について説明する。
1点目は、本実施形態においては、図3−1のステップS313において通信相手である別の撮像装置202から1画像分の画像データを受信するとき、その時点で別の撮像装置202の画像表示部に表示されている画像の画像データを受信するという点である。
2点目は、図3−1のステップS317の再生操作対象設定は行わないという点である。前述したように、本実施形態では、自身が保持する画像のみの操作を行い、お互いがどのような画像を保持しているかの確認を行う。以上の2点が本実施形態の再生処理シーケンスと第1の実施形態の再生処理シーケンスとの相違点である。
また、本実施形態においては、図3−1のステップS318の比較再生処理も第1の実施形態と異なっている。図8は、本実施形態における比較再生処理シーケンスを示すフローチャートである。この図8に示すフローチャートを参照しながら本実施形態における比較再生処理シーケンスを詳しく説明する。なお、本フローチャートに従って行われる処理は、第2のメモリ120に記憶された所定のプログラムに従ってシステム制御回路109が制御するものである。
まず、ステップS801において、比較再生処理を開始する。次に、ステップS802において、システム制御回路109は、十字操作ボタン502等が押下されて操作信号が操作部123に入力され、その操作信号に基づいて画像送り、画像戻りなど再生操作イベントが発生したかどうかをチェックする。このチェックの結果、再生操作イベントが発生した場合は、ステップS803に進む。一方、ステップS802のチェックの結果、再生操作イベントが発生していない場合は、ステップS805に進む。
次に、ステップS803において、システム制御回路109は、操作部123に入力された操作信号に基づいて、画像表示部113の右半画面に表示された撮像装置201が保持する画像に対してステップS802で発生した再生操作イベント処理を行う。次に、ステップS804において、システム制御回路109の制御により、ステップS803の再生操作イベント処理に基づいて、画像表示部113の右半画面に表示される画像の更新を行う。
次に、ステップS805において、システム制御回路109は、無線通信制御部125を介して通信相手である別の撮像装置202において十字操作ボタン等が押下されて画像送り、画像戻りなど再生操作イベントが発生したかどうかをチェックする。具体的な方法としては、別の撮像装置202において再生操作イベントが発生した場合に撮像装置201にイベント通知を行うようにする。すなわち、ステップS805ではその再生操作イベント通知を受信したかどうかのチェックを行う。
このチェックの結果、別の撮像装置202で再生操作イベントが発生した場合はステップS806に進む。一方、ステップS805のチェックの結果、別の撮像装置202で再生操作イベントが発生していない場合は、ステップS809に進み、比較再生処理を終了する。
次に、ステップS806において、システム制御回路109は、別の撮像装置202で再生操作イベントが発生し別の撮像装置202に新たに表示された画像データを撮像装置201に送信するように要求する。そして、ステップS807において、システム制御回路109により、無線通信制御部125を介してステップS806の送信要求を受けて別の撮像装置202が撮像装置201に対して送信した画像データを受信する。
次に、ステップS808において、ステップS807で別の撮像装置202から受信した画像データを画像表示部113の左半画面に表示することによって画像を更新する。そして、ステップS809において、比較再生処理を終了する。
以上の比較再生処理のシーケンスに従えば、本実施形態における再生操作では、撮像装置201と通信相手である別の撮像装置202とが基準距離より離れている状態において、それぞれの保持者が、自身が保持する画像について再生操作を行う。そして、撮像装置201の分割された画像表示部113のうち左半画面には、別の撮像装置202で表示されている画像をほとんどリアルタイムに表示させることができる。
この方法は、例えば、各撮像装置の保持者が互いに基準距離より離れた距離に位置して比較再生を行う場合に便利である。双方の撮像装置の画像表示部に表示される画像は分割画面の右左の位置こそ逆になるが、全く同じ2つの画像が画像表示部に分割表示されることになり、相手が保持する画像の確認を同時に行うことができる。これにより、直接見せ合うことができない距離であったとしても声を掛け合って談話などしながらお互いの撮像装置が保持する画像についての確認を円滑に行うことができる。
本実施形態においては、再生操作に限定して説明を行った。ところが、本実施形態の方法を用いれば、ステップS807で受信する画像データは撮影画像のデータのみならず、撮影画像の一覧を示した画像データや、MENU画面の画像データや、設定画面の画像データであってもよい。すなわち、通信相手の別の撮像装置202でMENUボタンが押されMUNU画面が表示されたら、そのMENU画面の画像データをそのまま別の撮像装置202から受信する。そして、撮像装置201の画像表示部113の分割された表示画面204に受信した画像データを画像化して表示するようにしてもよい。
また、再生モード時だけではなく、別の撮像装置202が撮像モードで動作し、別の撮像装置202の画像表示部にライブビュー画像が連続的に表示されている場合も、同様の処理を行うことができる。その撮影ライブビュー表示用のフレーム画像を連続して別の撮像装置202から受信して、そのフレーム画像を撮像装置201の画像表示部113の分割された表示画面204に表示するようにしてもよい。
以上のように、通信相手との距離が離れて画像表示部113に分割された表示画面204が表示された後は、別の撮像装置202のモード状態によらず、別の撮像装置202の画像表示部上に表示されている画像を画像表示部113に表示させるようにした。これにより、ほぼリアルタイムの画像を画像表示部113に表示させることができる。
(第4の実施形態)
本実施形態では、撮像装置が接続相手間の電波状況を測定する手段を備えており、また、撮像装置の画像データを記憶するために利用する記憶媒体の容量が十分に確保できる場合に特化して説明する。本実施形態における撮像装置の機能構成図を、図9に示す。
図9の901〜926は、図1の101〜126と完全に対応しており、それぞれまったく同一の機能を有する。第1〜第3の実施形態における撮像装置101の構成と異なる点として、本実施形態では第1〜第3の実施形態における距離測定部127の代わりに電波状況測定部927を備えている。
電波状況測定部927は、アンテナ部926で受信する電波信号と雑音との比率を示すノイズ比(SNR:Signal To Noise Ratio)を用いて現在の電波状況の測定を行う。ノイズ比はdBで表示され、数値が大きいほど電波状況が良好で、数値が小さいほど電波状況が悪いことを示す。
次に、図10に示す概要図を参照しながら本実施形態における撮像装置901の動作について説明する。
1001は本実施形態に係る撮像装置であり、1002は撮像装置1001と同じの無線通信伝送路を用いて撮像装置1001と無線通信接続が可能な別の撮像装置である。この2つの撮像装置の保持者同士が、画像交換を目的として自身が保持している画像と相手が保持している画像とを比較再生して交換するための画像の選定を行う。
図10(a)では、撮像装置1001と通信相手である別の撮像装置1002との間に確立している無線通信の電波状況が良好である状態を示している。前述したように、本実施形態の撮像装置1001は、通信電波測定手段を構成する電波状況測定部927を備えており現在の電波状況の測定を行う。
この電波状況が良好な状態で撮像装置1001及び通信相手である別の撮像装置1002は、お互いが保持する画像データのすべてを相互に送受信して、お互いの画像を保持するためのメモリに保存する。また、撮像装置1001が画像再生モードで動作しているときは、撮像装置1001の画像表示部913には、第1のメモリ912に記憶された静止画像データや動画像データに基づく画像が表示されており、一般的な撮像装置の動作と同じである。
次に、図10(b)では撮像装置1001と通信相手である別の撮像装置1002との間に確立している無線通信の電波状況が悪化している状態を示している。ただし、悪化しているとはいえ無線通信が継続できる範囲であることを前提とする。
撮像装置1001は、通信相手である別の撮像装置1002との間に確立している無線通信の通信電波状態を電波状況測定部927で定期的に測定している。そして、ある一定の基準より通信電波状態が悪化したことを検知すると、別の撮像装置1002で追加撮影された画像データを受信したり、削除された画像データがあればその削除を行ってもらうように指示を出したりする。この処理を行った時点で、通信相手の別の撮像装置1002の保持する画像データがその時点の状態と一致した形で撮像装置1001に保持されていることになる。
また、撮像装置1001の画像表示部913には表示画面1004のように2分割されて画像が表示される。表示画面1004の右半分には、図10(a)に示す状態のときから表示していた撮像装置1001の第1のメモリ912に記憶された静止画像や動画像が表示される。また、表示画面1004の左半分には通信相手である別の撮像装置1002から無線通信によって事前に受信し、第1のメモリ912に記憶された画像が表示される。
本実施形態の特徴は2つあり、1つ目は電波状況測定部927を用いて、無線接続した機器間の通信電波状態が悪化したことを検知したことにより、接続相手から受信した画像を画像表示部913に表示させる点である。これによって、距離的には近くにいても遮蔽物などによって画像表示部913に表示されている画像を直接見せ合うことができないようなときに、お互いが保持する画像の確認を円滑に行うことができる。
また、もう1つの特徴は、通信電波状態が良好なときに無線接続した機器間であらかじめお互いが保持するすべての画像データの交換を行っておく。そして、通信電波状態が悪化したときはあらかじめ交換を行ったときから差分の取得、削除を一度だけ行う。そして、その後は無線通信による画像データ転送を行うことなく、自身の画像表示部に接続相手が保持する画像を表示してどのような画像を通信相手が持っているかを確認することができるという点である。これによって、通信電波状態が悪化したときには画像データの送受信を行う必要が無いので、通信電波状態が悪化している状態で転送処理に時間がかかってしまい使用者にストレスを与えてしまう、また無駄に電力を消費してしまうという問題を解決する。
図11は、図10に示した本実施形態における撮像装置1001が通信相手である別の撮像装置1002と無線通信を行っている状態における再生操作準備処理シーケンスを示すフローチャートである。また、図12−1は、再生処理シーケンスを示すフローチャートである。この図11及び図12−1を参照しながら具体的な処理手順を説明する。なお、本フローチャートに従って行われる処理は、第2のメモリ920に記憶された所定のプログラムに従ってシステム制御回路909が制御するものである。
本実施形態における再生処理を行う場合、再生処理を行うための準備処理が必要である。まずは図11のフローチャートを参照しながらその再生操作準備処理のシーケンスについて説明する。
撮像装置1001の電源が投入されると、投入時の撮像装置のモードにかかわらずステップS1101に進み、再生操作準備処理を開始する。
次に、ステップS1102において、無線接続した別の撮像装置1002との間の無線通信電波状態を示すノイズ比がどの程度になったときに画像表示部913に無線接続した別の撮像装置1002の画像を表示するかその基準ノイズ比を設定する。この設定は、表示部921または画像表示部913に表示されるMENU画面から設定を行う。通信電波状態が悪化したと判断する基準を使用者により設定することができる。
このステップS1102の表示切替基準ノイズ比設定を行っていることを前提に、撮像装置間の通信電波状態に応じて画像表示部913に表示する内容を切り替える処理を行う。一方、ステップS1102にて表示切替基準ノイズ比設定をしなかった場合は、撮像装置1001で無線接続を行うにあたって通信速度に影響が出ると推測されるノイズ比がデフォルト値となるようにし、そのデフォルト値を表示切替基準ノイズ比として採用する。そして、そのままステップS1103へ進む。
また、通信電波状態に応じて画像表示部913に接続相手の撮像装置1002が保持する画像を表示させる機能そのものを有効にするか無効にするかを設定できるMENU画面を用意してもよい。そして、有効にする必要がない場合はそのMENU画面で撮像装置1002が保持する画像を表示させる機能を無効に設定するようにしてもよい。
次に、ステップS1103において、システム制御回路909は、撮像装置1001の不図示のモード切替スイッチが操作されたことなどによって再生処理開始指示があるかないかをチェックする。このチェックの結果、再生処理開始指示があった場合は、ステップS1109に進み、再生操作準備処理を終了する。一方、ステップS1103のチェックの結果、再生処理開始指示が無かった場合は、ステップS1104に進む。
次に、ステップS1104において、システム制御回路909は、画像データを保持する通信相手である別の撮像装置1002と無線接続済みかどうかをチェックする。このチェックの結果、まだ無線接続されていない場合はステップS1103に戻る。一方、ステップS1104のチェックの結果、無線接続済みである場合はステップS1105に進む。
次に、ステップS1105において、システム制御回路909の制御により、電波状況測定部927は通信相手である別の撮像装置1002との間のノイズ比を測定する。そして、その測定から得られたノイズ比がステップS1102で設定した基準ノイズ比より良好かどうか、つまり基準ノイズ比より大きいかどうかを判断する。
この判断の結果、測定したノイズ比が基準ノイズ比より小さい場合、つまり通信電波状態が悪化している場合は、ステップS1103に戻る。一方、ステップS1105の判断の結果、測定したノイズ比が基準ノイズ比より大きい場合、つまり通信電波状態が良好な場合は、ステップS1106へ進む。
なお、再生操作準備処理期間中に通信相手である別の撮像装置1002との間の通信電波状態が悪く、常に基準ノイズ比より小さい場合はステップS1103〜ステップS1105を繰り返す。そして、次のステップS1106以降で説明する具体的な再生操作準備処理を行うことができない。
次に、ステップS1106において、システム制御回路909により、無線通信制御部925を介して撮像装置1001が保持する全ての画像データを別の撮像装置1002に送信し、ステップS1107へ進む。
次に、ステップS1107において、システム制御回路909により、無線通信制御部925を介して別の撮像装置1002が保持する全ての画像データを転送するように別の撮像装置1002に対して要求する。そして、別の撮像装置1002が保持する全ての画像データを別の撮像装置1002から受信し、画像保存用の第1のメモリ912に記憶する。このとき、第1のメモリ912は撮像装置1001が保持する画像データ用の領域と、ステップS1107で取得した別の撮像装置1002が保持する画像データ用の領域とに分割して、それぞれの領域に集めて記憶する。
次に、ステップS1108において、システム制御回路909は、ステップS1103と同様に再生処理開始指示があるかないかをチェックする。このチェックの結果、再生処理開始指示があった場合は、ステップS1109に進んで再生操作準備処理を終了する。一方、再生処理開始指示が無かった場合は、再生処理開始指示があるまで待機する。以上説明したシーケンスにより、本実施形態で再生処理を行うための準備処理を行う。
次に、本実施形態における再生処理シーケンスについて図12−1のフローチャートを参照しながら具体的に説明する。なお、本フローチャートに従って行われる処理は、第2のメモリ920に記憶された所定のプログラムに従ってシステム制御回路909が制御するものである。
不図示のモード切替スイッチ等の操作によって撮像装置1001が再生モードになることによって、ステップS1201から本実施形態の撮像装置1001において画像を再生する処理を開始し、ステップS1202へ進む。
ステップS1202において、システム制御回路909は、画像データを保持する通信相手である別の撮像装置1002と無線接続済みかどうかをチェックする。このチェックの結果、まだ無線接続されていない場合は、ステップS1203に進む。一方、ステップS1202のチェックの結果、無線接続済みである場合は、ステップS1204に進む。
次に、ステップS1204において、システム制御回路909の制御により電波状況測定部927は、図11のステップS1105と同様に、通信相手である別の撮像装置1002との間のノイズ比を測定する。そして、その測定から得られたノイズ比が再生操作準備処理のステップS1102において設定した基準ノイズ比より良好かどうか、つまり測定から得られたノイズ比が基準ノイズ比以上であるかどうかを判断する。
この判断の結果、測定したノイズ比が基準ノイズ比以上の場合、つまり通信電波状態が良好な場合は、ステップS1203に進む。一方、ステップS1204の判断の結果、測定したノイズ比が基準ノイズ比より小さい場合、つまり通信電波状態が悪化している場合は、ステップS1206に進む。
ステップS1204で通信電波状態が悪化している場合は、ステップS1206からステップS1230にかけて画像表示部913の表示画面を分割して表示する処理をスタートする。ところが、使用状況によって使用者は分割して表示する処理をしたくない場合もある。
前述したように、もともとこの分割して表示する処理を無効に設定しておくことによって回避できるが、そのような無効化設定を行っていない状況でもやはり分割して表示する処理をしたくない状態になることもある。例えば、使用者が、撮像装置1001が保持するある画像について拡大して注意深く確認していたときに、通信電波状態が悪化したため、いきなり表示画面が分割されると使用者の作業に影響を及ぼす。
このようなことを回避するために、ステップS1204の判断の結果、通信電波状態が悪化している場合は、例えば、図15(a)に示す表示画面1501を表示してもよい。図15(a)に示すように使用者に対して、通信電波状態が悪化した旨を通知し、使用者が分割表示の実行許可したときのみステップS1206に進んで以降の処理を行うようにしてもよい。そして、表示画面1501のような通知をして使用者が分割表示の実行を許可しなかった場合は、ステップS1206には進まずステップS1203に進むようにしてもよい。
本実施形態では、以下に説明するように無線接続した撮像装置間のノイズ比が設定された値を超えたことをトリガーにして表示内容を切り替えるものである。ところが、ステップS1203においては、通信相手が存在しない、または無線接続した別の撮像装置1002との通信電波状態が良好であるので別の撮像装置1002と近距離に位置し、遮蔽物などもなく保持者が直接見せあうことができる。このため、システム制御回路909は、撮像装置1001が保持している画像のみを画像表示部913にフル画面で表示し、ステップS1205に進む。
次に、ステップS1205において、システム制御回路909は、不図示のモード切替スイッチ等の操作によって再生処理終了指示があるかないかをチェックする。このチェックの結果、再生処理終了指示があった場合は、ステップS1231に進んで再生処理を終了する。一方、ステップS1205のチェックの結果、再生処理終了指示が無かった場合は、ステップS1202に戻る。
一方、ステップS1206において、システム制御回路909は図11の再生操作準備処理のステップS1106及びS1107によって通信相手である別の撮像装置1002とお互いが保持する全ての画像データの送受信が事前に行われたか否かをチェックする。このチェックの結果、画像データの送受信が行われた場合はステップS1207へ進む。一方、ステップS1206のチェックの結果、画像データの送受信が行われていない場合はステップS1218に進む。
次に、ステップS1207において、ステップS1106で別の撮像装置1002に送信後、自身が撮影を行って追加された画像があれば、システム制御回路909により無線通信制御部925を介して、該当する画像データを別の撮像装置1002に送信する。これにより、別の撮像装置1002には撮像装置1001が保持する全ての画像データが渡されていることになる。
次に、ステップS1208において、ステップS1107で別の撮像装置1002から画像データを受信した後、別の撮像装置1002で撮影を行い追加された画像があれば、システム制御回路909により無線通信制御部925を介して、該当する画像データを別の撮像装置1002に対して送信するように要求する。そして、別の撮像装置1002から該当する画像データを受信し、画像保存用の第1のメモリ912の中の別の撮像装置1002が保持する画像データ用に割り当てた領域に記憶する。これにより、撮像装置1001には別の撮像装置1002が保持する全ての画像データが渡されていることになる。
次に、ステップS1209において、ステップS1106で別の撮像装置1002に送信した後、元々保持していた画像の中で削除された画像があれば、システム制御回路909は、該当する画像のファイル名を別の撮像装置1002に通知する。そして、別の撮像装置1002側では、ステップS1106で撮像装置1001から受信したデータのうち削除された旨を通知された画像のデータが削除される。これにより、ステップS1209の時点で撮像装置1001が保持する全ての画像データと撮像装置1001から別の撮像装置1002に渡されている画像データとが完全に一致する。
次に、ステップS1210において、ステップS1107で別の撮像装置1002から画像データを受信した後、別の撮像装置1002が元々保持していた画像の中で削除された画像があれば、システム制御回路909は、該当する画像のファイル名を別の撮像装置1002に対して通知するように要求する。
別の撮像装置1002から該当する画像のファイル名の通知を受けて、システム制御回路909は、ステップS1107で別の撮像装置1002から受信して第1のメモリ912に記憶された画像データのうち削除された旨を通知された画像のデータを削除する。これにより、ステップS1210の時点で別の撮像装置1002が保持する全ての画像データと、別の撮像装置1002のから受信し、第1のメモリ912の中の別の撮像装置1002が保持する画像データ用の領域に記憶された画像データとが完全に一致する。
次に、ステップS1211において、システム制御回路909は、撮像装置1001の画像表示部913を、図10に示すように表示画面1004が二分割された状態にする。そして、ステップS1212において、システム制御回路909の制御により、ステップS1211で二分割された画像表示部913の左半画面に、第1のメモリ912の中の別の撮像装置1002が保持する画像データ用の領域から一つの画像を表示する。
なお、第1のメモリ912の中の別の撮像装置1002が保持する画像データ用の領域に複数画像データがある場合は、どの画像を選んで表示させてもよいが、Name順で最初になるファイル名の画像を再生モード時の最初に表示することが一般的に多い。そこで、本実施形態でもName順で最初になるファイル名の画像を二分割された画像表示部913の左半画面に表示するものとする。
次に、ステップS1213において、ステップS1211で二分割された画像表示部913の右半画面に、撮像装置1001が保持する画像を表示する。第1の実施形態と同様に、本実施形態においても、自身が保持する画像を左半画面に表示させ、第1のメモリ912の中の別の撮像装置1002が保持する画像データ用の領域に記憶された画像を右半画面に表示させてもよい。
また、画像表示部913に表示される画面を二分割する方法を縦分割にして、上半画面に通信相手が保持する画像を表示させ、下半画面に自身が保持する画像を表示させても、またその逆であってもよい。また、画像情報等を表示する部分を独立して設け、それ以外の部分について二分割するような方法を用いてもよい。
次に、ステップS1214において、操作部923に入力された操作信号に基づいてシステム制御回路909の制御により、再生操作を行う対象を設定する。図13及び図14は、本実施形態において、再生操作対象を選択している際の撮像装置1001の外観構成を示す図である。
本実施形態においても、図5及び図6に示すような第1の実施形態の撮像装置201と同様に、図13及び図14に示すように再生操作対象を設定するためにスライド式の再生操作対象設定スイッチ1301を備えている。撮像装置1001が保持する画像(右半画面)の再生操作を行いたい場合は、使用者により再生操作対象設定スイッチ1301が図13のように右側にスライドされて操作信号が入力され、システム制御回路909の制御により再生操作を行う対象を設定する。別の撮像装置1002が保持する画像(左半画面)の再生操作を行いたい場合は、使用者により再生操作対象設定スイッチ1301が図14のように左側にスライドされて操作信号が入力され、システム制御回路909の制御により再生操作を行う対象を設定する。
次に、ステップS1215において、システム制御回路909の制御により、画像表示部913の左半画面に表示させた別の撮像装置1002が保持する画像と、画像表示部913の右半画面に表示させた撮像装置1001が保持する画像とを比較再生する。
比較再生処理について、図12−2のフローチャートを参照しながら詳しく説明する。
まず、ステップS12151において、比較再生処理を開始する。次に、ステップS12152において、システム制御回路909は、十字操作ボタン1302等を押下されて操作信号が操作部923に入力され、その操作信号に基づいて画像送り、画像戻りなど再生操作イベントが発生したかどうかをチェックする。
このチェックの結果、再生操作イベントが発生した場合は、ステップS12153に進む。一方、ステップS12152のチェックの結果、再生操作イベントが発生していない場合はステップS12158に進み、比較再生処理を終了する。
次に、ステップS12153において、システム制御回路909は、ステップS1214で設定した再生操作対象が第1のメモリ912の中の別の撮像装置1002が保持する画像データ用に割り当てられた領域に記憶された画像かどうかをチェックする。このチェックの結果、再生対象が第1のメモリ912の中の別の撮像装置1002が保持する画像データ用に割り当てた領域に記憶された画像である場合はステップS12156に進む。一方、ステップS12153のチェックの結果、再生対象が撮像装置1001が保持する画像である場合はステップS12154に進む。
次に、ステップS12154において、システム制御回路909は、操作部923に入力された操作信号に基づいて、画像表示部913の右半画面に表示される撮像装置1001が保持する画像に対してステップS12152で発生した再生操作イベント処理を行う。次に、ステップS12155において、システム制御回路909の制御により、ステップS12154の再生操作イベント処理に基づいて、画像表示部913の右半画面に表示される画像の更新を行う。そして、ステップS12158進み、比較再生処理を終了する。
一方、ステップS12156においては、ステップS12152で発生した再生操作イベントの処理対象が別の撮像装置1002が保持する画像データ用に割り当てた領域に記憶された画像となる。そこで、システム制御回路909は、操作部923に入力された操作信号に基づいて、別の撮像装置1002が保持する画像データ用に割り当てた領域の画像に対してステップS12152で発生した再生操作イベント処理を行う。
次に、ステップS12157において、システム制御回路909の制御により、ステップS12156の再生操作イベント処理に基づいて、画像表示部913の左半画面に表示される画像の更新を行う。そして、ステップS12158進み、比較再生処理を終了する。以上の説明のとおり、本実施形態の比較再生処理においては撮像装置1001と別の撮像装置1002との間で無線通信上のデータのやり取りが全く発生しない。
再度図12−1の説明に戻り、ステップS1215の比較再生処理から復帰した後のシーケンスについて説明する。
ステップS1215の処理が終了し、次のステップS1216において、システム制御回路909は、操作部923に入力された操作信号に基づいて、モード切替スイッチ等の移動などにより再生処理の終了指示があったかどうかをチェックする。
このチェックの結果、再生処理終了指示があった場合は、ステップS1231に進み、再生処理を終了する。一方、ステップS1216のチェックの結果、再生処理終了指示が無かった場合は、ステップS1217に進む。
次に、ステップS1217において、ステップS1204と同様に、システム制御回路909の制御により電波状況測定部927は、通信相手である別の撮像装置1002との間のノイズ比を測定する。そして、その測定から得られたノイズ比が再生操作準備処理のステップS1102において設定した基準ノイズ比より大きいかどうかを判断する。
この判断の結果、測定したノイズ比が基準ノイズ比より小さい場合、つまり通信電波状態が悪化している場合は、ステップS1215に進み、再び比較再生処理を行う。一方、ステップS1217の判断の結果、測定したノイズ比が基準ノイズ比より大きい場合、つまり通信電波状態が良好な場合は、ステップS1203に進む。
次に、ステップS1206のチェックの結果、お互いが保持する全ての画像データの送受信が事前に行われていない場合について説明する。なお、本実施形態では、ステップS1106とステップS1107とで行う画像データの事前の送受信を行っておくことが特徴である。よって、事前の送受信を行っていない場合は第1の実施形態に示した方法によって比較再生を行う。
したがって、図12−1のステップS1218からステップS1229までは、第1の実施形態における図3−1のステップS308からステップS319と全く同一である。また、ステップS1228で行う比較再生処理も第1の実施形態における比較再生処理と同じ方法で行う。そのため、ステップS1218からステップS1229までの説明は省略する。
ステップS1229で再生処理の終了指示があったかどうかをチェックし、再生処理終了指示があった場合はステップS1231に進んで再生処理を終了する。再生処理終了指示が無かった場合はステップS1230に進む。
次に、ステップS1230において、ステップS1204と同様に、システム制御回路909の制御により電波状況測定部927は通信相手である別の撮像装置1002との間のノイズ比を測定する。そして、その測定から得られたノイズ比が再生操作準備処理のステップS1102において設定した基準ノイズ比より大きいかどうかを判断する。
この判断の結果、測定したノイズ比が基準ノイズ比より小さい場合、つまり通信電波状態が悪化している場合は、ステップS1228に進み、再び比較再生処理を行う。一方、ステップS1230の判断の結果、測定したノイズ比が基準ノイズ比より大きい場合、つまり通信電波状態が良好な場合は、ステップS1203に進む。
なお、ステップS1217またはステップS1230の判断の結果、通信電波状態が良好な場合は、無条件でステップS1203に戻り、今度は撮像装置1001が保持する画像のみ表示する処理を行う。ところが、使用状況によっては、使用者が分割して表示する処理を継続したい場合もある。例えば、画像表示を分割して撮像装置1001と別の撮像装置1002とが所有する画像の比較を行っていた時に、通信電波状態が良好になったため、いきなり分割状態から単一のもとの状態にされると使用者の作業に影響を及ぼす。
このようなことを回避するために、ステップS1217またはステップS1230の判断の結果、通信電波状態が良好な場合に、図15(b)に示す表示画面1502を表示してもよい。図15(b)に示すように通信電波状態が良好である旨を通知し、使用者が分割表示の終了を許可したときのみステップS1203に進んで以降の処理を行うようにしてもよい。そして、表示画面1502のような通知をして、使用者により分割表示の実行を継続するように指示された場合は、ステップS1203には進まず、分割表示した状態での比較再生処理を継続するようにしてもよい。
以上により本実施形態においては、外部装置との間の通信電波状態を測定し、測定結果に応じて、表示部に表示する内容を切り替えるようにした。これにより、無線接続した機器間の通信電波状態が悪化したことを検知すると自身の機器の表示部に接続相手機器の画像を自動的に表示することが可能となる。よって、画像交換を行うためにお互いの機器が保持する画像を確認する際に、お互いの機器が近距離に位置しているが遮蔽物などによって直接見せ合うことができなくなる場合に相手の保持する画像が自身の機器に表示されるようになる。これにより、円滑に相手機器にある画像の確認を行うことが可能となる。
また、通信電波状態が良好なときに無線接続した機器間であらかじめお互いが保持するすべての画像データの交換を行っておく。そして、通信電波状態が悪化したときはあらかじめ交換を行ったときからの差分の取得、削除を一度だけ行う。その後は本実施形態の比較再生処理で説明したように無線通信による画像データ転送を行うことなく相手機器にある画像の確認を行うことが可能となる。これにより、通信電波状態が悪化した状態での転送処理を避けることができ、使用者に対してストレスを与えるような処理を回避し、なおかつ無駄に電力を消費することも無くなるという効果がある。
(本発明に係る他の実施形態)
なお、第1〜第4の実施形態において、自身の機器の画像表示部に接続相手機器の画像を表示させる場合に画像データそのものを受信するようにした。一方、第1〜第4の実施形態において、画像表示部へ表示するために画像データそのものではなくサムネイル画像等の縮小したサイズの画像データで十分である。そこでトランザクションの回避のため通信相手からはサムネイル画像や画像サイズを縮小した静止画像、フレーム数を削減した動画像などの画像データを受信し、それを利用して画像表示部への表示を行うような形態にしてもよい。
また、第1〜第4の実施形態において、別の撮像装置を接続相手とした。一方、第1〜第4の実施形態において、本発明の撮像装置同士、つまり図2の撮像装置201や図10の撮像装置1001同士が無線接続するような構成にしてもよい。
さらに、第1〜第4の実施形態において、本発明の撮像装置と無線接続する対象を撮像装置とした。一方、第1〜第4の実施形態において、画像転送機能を備えているという前提を満たすならば、無線接続する対象は画像転送装置であってもよい。
前述した本発明の実施形態における撮像装置を構成する各手段、並びに撮像装置の制御方法の各工程は、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は本発明に含まれる。
また、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図3−1、3−2、7、8、11、12−1、12−2に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムまたは装置に直接、または遠隔から供給する。そして、そのシステムまたは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスクなどがある。さらに、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM、DVD−R)などもある。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する方法がある。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数の使用者に対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
また、その他の方法として、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記録媒体に格納して使用者に配布し、所定の条件をクリアした使用者に対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。さらに、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
さらに、その他の方法として、まず記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。そして、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。