JP2008186940A - 熱処理用サセプタおよび熱処理装置 - Google Patents

熱処理用サセプタおよび熱処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】フラッシュランプからの閃光照射時の基板の面内温度分布を均一にしつつ割れを防止することができる熱処理装置を提供する。
【解決手段】フラッシュランプから閃光を照射してフラッシュ加熱を行うときに半導体ウェハーWを保持するサセプタ72に、平面視で半導体ウェハーWの直径よりも小さな直径を有する円板形状の凹部78が形設されている。凹部78の深さtは0.15mm以上2.0mm以下であり、また、凹部78の直径r1は半導体ウェハーWの直径r2の80%以上99%以下である。半導体ウェハーWの外縁部が凹部78のエッジによって支持されており、ウェハー中心部近傍領域は全く拘束されていないため、閃光照射時に半導体ウェハーWが割れるのを防止することができる。また、凹部78の気体層を隔てて半導体ウェハーWが加熱されるため、ウェハー面内温度分布を均一にすることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、フラッシュランプから半導体ウェハーや液晶表示装置用ガラス基板等(以下、単に「基板」と称する)に閃光(フラッシュ光)を照射することによって該基板を熱処理するときにその処理対象となる基板を保持する熱処理用サセプタおよびその熱処理用サセプタを備えた熱処理装置に関する。
従来より、イオン注入後の半導体ウェハーのイオン活性化工程においては、ハロゲンランプを使用したランプアニール装置が一般的に使用されていた。このようなランプアニール装置においては、半導体ウェハーを、例えば、1000℃ないし1100℃程度の温度に加熱(アニール)することにより、半導体ウェハーのイオン活性化を実行している。そして、このような熱処理装置においては、ハロゲンランプより照射される光のエネルギーを利用することにより、毎秒数百度程度の速度で基板を昇温する構成となっている。
一方、近年、半導体デバイスの高集積化が進展し、ゲート長が短くなるにつれて接合深さも浅くすることが望まれている。しかしながら、毎秒数百度程度の速度で半導体ウェハーを昇温する上記ランプアニール装置を使用して半導体ウェハーのイオン活性化を実行した場合においても、半導体ウェハーに打ち込まれたボロンやリン等のイオンが熱によって深く拡散するという現象が生ずることが判明した。このような現象が発生した場合においては、接合深さが要求よりも深くなり過ぎ、良好なデバイス形成に支障が生じることが懸念される。
このため、キセノンフラッシュランプ(以下、単に「フラッシュランプ」とするときにはキセノンフラッシュランプを意味する)を使用して半導体ウェハーの表面に閃光を照射することにより、イオンが注入された半導体ウェハーの表面のみを極めて短時間(数ミリセカンド以下)に昇温させる技術が提案されている。キセノンフラッシュランプの放射分光分布は紫外域から近赤外域であり、従来のハロゲンランプよりも波長が短く、シリコンの半導体ウェハーの基礎吸収帯とほぼ一致している。よって、キセノンフラッシュランプから半導体ウェハーに閃光を照射したときには、透過光が少なく半導体ウェハーを急速に昇温することが可能である。また、数ミリセカンド以下の極めて短時間の閃光照射であれば、半導体ウェハーの表面近傍のみを選択的に昇温できることも判明している。このため、フラッシュランプによる極短時間の昇温であれば、イオンを深く拡散させることなく、イオン活性化のみを実行することができるのである。
フラッシュランプを使用した熱処理装置においては、極めて高いエネルギーを有するフラッシュ光を瞬間的に半導体ウェハーに照射するため、一瞬で半導体ウェハーの表面温度が急速に上昇し、ウェハー表面に急激な熱膨張が生じて半導体ウェハーが高い確率で割れていた。このようなフラッシュランプを使用した熱処理特有の割れを解決するために、例えば特許文献1,2には半導体ウェハーを保持するサセプタのウェハポケットの周縁部にテーパを形成する技術が開示されている。
特開2004−179510号公報 特開2004−247339号公報
特許文献1,2に開示されているような技術を用いることによって、フラッシュランプを使用した場合における半導体ウェハーの割れをある程度は防止できるようになったものの、半導体ウェハーの種類や熱処理条件(予備加熱温度、照射エネルギー)によっては依然として相当な頻度で割れが生じていた。
また、フラッシュランプを使用した熱処理装置においては、一瞬の閃光照射のみでは半導体ウェハーを目標温度にまで昇温できないこともあるため、通常、閃光照射前に予め200℃ないし600℃程度に半導体ウェハーを予備加熱している。ところが、予備加熱の段階で半導体ウェハーの面内温度分布に不均一が生じると、それがそのまま閃光照射時の面内温度分布に影響し、結果として処理結果に面内不均一が生じることとなっていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、フラッシュランプからの閃光照射時の基板の面内温度分布を均一にしつつ割れを防止することができる熱処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、フラッシュランプから基板に閃光を照射することによって該基板の熱処理を行うときに該基板を保持する熱処理用サセプタにおいて、平面視で前記基板の平面サイズよりも小さな平板状の凹部を備え、前記熱処理用サセプタに保持された前記基板と前記凹部の底面とが平行となることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る熱処理用サセプタにおいて、前記基板は円板形状を有し、前記凹部は前記基板よりも小径の円板形状であることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項2の発明に係る熱処理用サセプタにおいて、前記凹部の深さは0.15mm以上2.0mm以下であることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項2または請求項3の発明に係る熱処理用サセプタにおいて、前記凹部の直径は、前記基板の直径の80%以上99%以下であることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、基板に対して閃光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置において、基板に閃光を照射するフラッシュランプと、前記フラッシュランプの下方に設けられ、前記フラッシュランプから出射された閃光を透過するチャンバー窓を上部に備えるチャンバーと、前記チャンバー内にて基板を略水平姿勢にて保持する保持手段と、を備え、前記保持手段は、請求項2から請求項4のいずれかに記載の熱処理用サセプタを有することを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項5の発明に係る熱処理装置において、前記保持手段は、前記熱処理用サセプタを載置するとともに、前記熱処理用サセプタに保持された前記基板を閃光照射前に予備加熱するホットプレートをさらに備え、前記ホットプレートは、前記基板の外縁部を予備加熱する円環形状の外縁部領域と、当該外縁部領域よりも内側の円形の内側領域とに分割され、前記外縁部領域と前記内側領域とを仕切る境界円の直径と前記凹部の直径との差は5mm以内であり、前記外縁部領域の温度が前記内側領域の温度よりも低いことを特徴とする。
請求項1および請求項2の発明によれば、熱処理用サセプタが平面視で基板の平面サイズよりも小さな平板状の凹部を備え、熱処理用サセプタに保持された基板と凹部の底面とが平行となるため、基板と凹部の底面との間に気体層が挟み込まれることとなり、フラッシュランプからの閃光照射時の基板の面内温度分布を均一にしつつ割れを防止することができる。
また、特に請求項3の発明によれば、凹部の深さが0.15mm以上2.0mm以下であるため、熱処理用サセプタから基板への伝熱性を損なうことなく基板の割れを防止することができる。
また、特に請求項4の発明によれば、凹部の直径が基板の直径の80%以上99%以下であるため、基板を熱処理用サセプタに確実に保持しつつ基板の割れを防止することができる。
また、請求項5の発明によれば、熱処理装置の保持手段が請求項2から請求項4のいずれかの発明に係る熱処理用サセプタを有しているため、該熱処理装置にて閃光照射により熱処理を行うときに基板の面内温度分布を均一にしつつ割れを防止することができる。
また、請求項6の発明によれば、基板の外縁部を予備加熱する円環形状の外縁部領域と当該外縁部領域よりも内側の円形の内側領域とを仕切る境界円の直径と凹部の直径との差が5mm以内であり、外縁部領域の温度が内側領域の温度よりも低いため、基板の外縁部の方が熱処理用サセプタからの伝熱性が良好であるにもかかわらず、予備加熱時の基板の面内温度分布をより均一にすることができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、本発明に係る熱処理装置の全体構成について概説する。図1は、本発明に係る熱処理装置1の構成を示す側断面図である。熱処理装置1は、基板として円板形状の半導体ウェハーWに閃光を照射してその半導体ウェハーWを加熱するフラッシュランプアニール装置である。
熱処理装置1は、半導体ウェハーWを収容する略円筒形状のチャンバー6と、複数のフラッシュランプFLを内蔵するランプハウス5と、を備える。また、熱処理装置1は、チャンバー6およびランプハウス5に設けられた各動作機構を制御して半導体ウェハーWの熱処理を実行させる制御部3を備える。
チャンバー6は、ランプハウス5の下方に設けられており、略円筒状の内壁を有するチャンバー側部63、および、チャンバー側部63の下部を覆うチャンバー底部62によって構成される。また、チャンバー側部63およびチャンバー底部62によって囲まれる空間が熱処理空間65として規定される。熱処理空間65の上方は上部開口60とされており、上部開口60にはチャンバー窓61が装着されて閉塞されている。
チャンバー6の天井部を構成するチャンバー窓61は、石英により形成された円板形状部材であり、ランプハウス5から出射されたフラッシュ光を熱処理空間65に透過する。チャンバー6の本体を構成するチャンバー底部62およびチャンバー側部63は、例えば、ステンレススチール等の強度と耐熱性に優れた金属材料にて形成されており、チャンバー側部63の内側面の上部のリング631は、光照射による劣化に対してステンレススチールより優れた耐久性を有するアルミニウム(Al)合金等で形成されている。
また、熱処理空間65の気密性を維持するために、チャンバー窓61とチャンバー側部63とはOリングによってシールされている。すなわち、チャンバー窓61の下面周縁部とチャンバー側部63との間にOリングを挟み込むとともに、クランプリング90をチャンバー窓61の上面周縁部に当接させ、そのクランプリング90をチャンバー側部63にネジ止めすることによって、チャンバー窓61をOリングに押し付けている。
チャンバー底部62には、保持部7を貫通して半導体ウェハーWをその下面(ランプハウス5からの光が照射される側とは反対側の面)から支持するための複数(本実施の形態では3本)の支持ピン70が立設されている。支持ピン70は、例えば石英により形成されており、チャンバー6の外部から固定されているため、容易に取り替えることができる。
チャンバー側部63は、半導体ウェハーWの搬入および搬出を行うための搬送開口部66を有し、搬送開口部66は、軸662を中心に回動するゲートバルブ185により開閉可能とされる。チャンバー側部63における搬送開口部66とは反対側の部位には熱処理空間65に処理ガス(例えば、窒素(N2)ガスやヘリウム(He)ガス、アルゴン(Ar)ガス等の不活性ガス、あるいは、酸素(02)ガス等)を導入する導入路81が形成され、その一端は弁82を介して図示省略の給気機構に接続され、他端はチャンバー側部63の内部に形成されるガス導入バッファ83に接続される。また、搬送開口部66には熱処理空間65内の気体を排出する排出路86が形成され、弁87を介して図示省略の排気機構に接続される。
図2は、チャンバー6をガス導入バッファ83の位置にて水平面で切断した断面図である。図2に示すように、ガス導入バッファ83は、図1に示す搬送開口部66の反対側においてチャンバー側部63の内周の約1/3に亘って形成されており、導入路81を介してガス導入バッファ83に導かれた処理ガスは、複数のガス供給孔84から熱処理空間65内へと供給される。
また、熱処理装置1は、チャンバー6の内部において半導体ウェハーWを水平姿勢にて保持しつつフラッシュ光照射前にその保持する半導体ウェハーWの予備加熱を行う略円板状の保持部7と、保持部7をチャンバー6の底面であるチャンバー底部62に対して昇降させる保持部昇降機構4と、を備える。図1に示す保持部昇降機構4は、略円筒状のシャフト41、移動板42、ガイド部材43(本実施の形態ではシャフト41の周りに3本配置される)、固定板44、ボールネジ45、ナット46およびモータ40を有する。チャンバー6の下部であるチャンバー底部62には保持部7よりも小さい直径を有する略円形の下部開口64が形成されており、ステンレススチール製のシャフト41は、下部開口64を挿通して、保持部7(厳密には保持部7のホットプレート71)の下面に接続されて保持部7を支持する。
移動板42にはボールネジ45と螺合するナット46が固定されている。また、移動板42は、チャンバー底部62に固定されて下方へと伸びるガイド部材43により摺動自在に案内されて上下方向に移動可能とされる。また、移動板42は、シャフト41を介して保持部7に連結される。
モータ40は、ガイド部材43の下端部に取り付けられる固定板44に設置され、タイミングベルト401を介してボールネジ45に接続される。保持部昇降機構4により保持部7が昇降する際には、駆動部であるモータ40が制御部3の制御によりボールネジ45を回転し、ナット46が固定された移動板42がガイド部材43に沿って鉛直方向に移動する。この結果、移動板42に固定されたシャフト41が鉛直方向に沿って移動し、シャフト41に接続された保持部7が図1に示す半導体ウェハーWの受渡位置と図7に示す半導体ウェハーWの処理位置との間で滑らかに昇降する。
移動板42の上面には略半円筒状(円筒を長手方向に沿って半分に切断した形状)のメカストッパ451がボールネジ45に沿うように立設されており、仮に何らかの異常により移動板42が所定の上昇限界を超えて上昇しようとしても、メカストッパ451の上端がボールネジ45の端部に設けられた端板452に突き当たることによって移動板42の異常上昇が防止される。これにより、保持部7がチャンバー窓61の下方の所定位置以上に上昇することはなく、保持部7とチャンバー窓61との衝突が防止される。
また、保持部昇降機構4は、チャンバー6の内部のメンテナンスを行う際に保持部7を手動にて昇降させる手動昇降部49を有する。手動昇降部49はハンドル491および回転軸492を有し、ハンドル491を介して回転軸492を回転することより、タイミングベルト495を介して回転軸492に接続されるボールネジ45を回転して保持部7の昇降を行うことができる。
チャンバー底部62の下側には、シャフト41の周囲を囲み下方へと伸びる伸縮自在のベローズ47が設けられ、その上端はチャンバー底部62の下面に接続される。一方、ベローズ47の下端はベローズ下端板471に取り付けられている。べローズ下端板471は、鍔状部材411によってシャフト41にネジ止めされて取り付けられている。保持部昇降機構4により保持部7がチャンバー底部62に対して上昇する際にはベローズ47が収縮され、下降する際にはべローズ47が伸張される。そして、保持部7が昇降する際にも、ベローズ47が伸縮することによって熱処理空間65内の気密状態が維持される。
保持部7は、半導体ウェハーWを予備加熱(いわゆるアシスト加熱)するホットプレート(加熱プレート)71、および、ホットプレート71の上面(保持部7が半導体ウェハーWを保持する側の面)に設置されるサセプタ72を備えて構成される。保持部7の下面には、既述のように保持部7を昇降するシャフト41が接続される。サセプタ72は石英(あるいは、窒化アルミニウム(AIN)等であってもよい)により形成され、その上面には半導体ウェハーWの位置ずれを防止するピン75が設けられる。サセプタ72は、その下面をホットプレート71の上面に面接触させてホットプレート71上に設置される。これにより、サセプタ72は、ホットプレート71からの熱エネルギーを拡散してサセプタ72に保持された半導体ウェハーWに伝達するとともに、メンテナンス時にはホットプレート71から取り外して洗浄可能とされる。
図3は、本発明に係る熱処理用サセプタに相当するサセプタ72の断面図である。図4は、サセプタ72の平面図である。サセプタ72には、平面視で半導体ウェハーWの直径よりも小さな直径を有する円板形状の凹部(ザグリ)78が形設されている。凹部78は平坦な円板形状であるため、サセプタ72に保持された半導体ウェハーWと凹部78の底面とは平行となる。
本実施形態においては、図3に示す凹部78の深さtを0.15mm以上2.0mm以下としている。また、円板形状である凹部78の直径r1は円形の半導体ウェハーWの直径r2(通常は300mmまたは200mm)の80%以上99%以下とされている。
このような凹部78が形成されたサセプタ72によって半導体ウェハーWを保持するときには、凹部78よりも半導体ウェハーWの方が大きいため、図3,4に示すように、凹部78のエッジ部によって半導体ウェハーWの外縁部が支持されることとなる。その結果、半導体ウェハーWの下面と凹部78の底面と間に所定間隔の隙間が形成され、その隙間に気体層が挟み込まれることとなる。
図5は、保持部7の構成を示す断面図である。ホットプレート71は、ステンレススチール製の上部プレート73および下部プレート74にて構成される。上部プレート73と下部プレート74との間には、ホットプレート71を加熱するニクロム線等の抵抗加熱線76が配設され、導電性のニッケル(Ni)ロウが充填されて封止されている。また、上部プレート73および下部プレート74の端部はロウ付けにより接着されている。
図6は、ホットプレート71を示す平面図である。ホットプレート71は、保持される半導体ウェハーWと対向する領域の中央部に同心円状に配置される円板状のゾーン711および円環状のゾーン712、並びに、ゾーン712の周囲の略円環状の領域を周方向に4等分割した4つのゾーン713〜716を備え、各ゾーン間には若干の間隙が形成されている。また、ホットプレート71には、支持ピン70が挿通される3つの貫通孔77が、ゾーン711とゾーン712との隙間の周上に120°毎に設けられる。
6つのゾーン711〜716のそれぞれには、相互に独立した抵抗加熱線76が周回するように配設されてヒータが個別に形成されており、各ゾーンに内蔵されたヒータにより各ゾーンが個別に加熱される。保持部7に保持された半導体ウェハーWは、6つのゾーン711〜716に内蔵されたヒータにより加熱される。また、ゾーン711〜716のそれぞれには、熱電対を用いて各ゾーンの温度を計測するセンサ710が設けられている。各センサ710は略円筒状のシャフト41の内部を通り制御部3に接続される。
ホットプレート71が加熱される際には、センサ710により計測される6つのゾーン711〜716のそれぞれの温度が予め設定された所定の温度になるように、各ゾーンに配設された抵抗加熱線76への電力供給量が制御部3により制御される。制御部3による各ゾーンの温度制御はPID(Proportional,Integral,Derivative)制御により行われる。ホットプレート71では、半導体ウェハーWの熱処理(複数の半導体ウェハーWを連続的に処理する場合は、全ての半導体ウェハーWの熱処理)が終了するまでゾーン711〜716のそれぞれの温度が継続的に計測され、各ゾーンに配設された抵抗加熱線76への電力供給量が個別に制御されて、すなわち、各ゾーンに内蔵されたヒータの温度が個別に制御されて各ゾーンの温度が設定温度に維持される。なお、各ゾーンの設定温度は、基準となる温度から個別に設定されたオフセット値だけ変更することが可能とされる。
6つのゾーン711〜716にそれぞれ配設される抵抗加熱線76は、シャフト41の内部を通る電力線を介して電力供給源(図示省略)に接続されている。電力供給源から各ゾーンに至る経路途中において、電力供給源からの電力線は、マグネシア(マグネシウム酸化物)等の絶縁体を充填したステンレスチューブの内部に互いに電気的に絶縁状態となるように配置される。なお、シャフト41の内部は大気開放されている。
上記構成を有するホットプレート71は、サセプタ72に保持された半導体ウェハーWを閃光照射前に予備加熱するためのものであり、最外周のゾーン713〜716が半導体ウェハーWの外縁部を予備加熱する。ゾーン713〜716にて構成されるホットプレート71の円環形状の外縁部領域よりも内側にはゾーン711,712によって円形の内側領域が形成されている。そして、本実施形態においては、ホットプレート71の外縁部領域と内側領域とを仕切る境界円、つまり4つのゾーン713〜716とゾーン712との隙間にて形成される円周の直径r3と円板形状の凹部78の直径r1との差が5mm以内となるように構成している(図5)。なお、当該境界円の直径r3と凹部78の直径r1との大小関係はいずれが大であっても良い。
ランプハウス5は、筐体51の内側に、複数本(本実施形態では30本)のキセノンフラッシュランプFLからなる光源と、その光源の上方を覆うように設けられたリフレクタ52と、を備えて構成される。また、ランプハウス5の筐体51の底部にはランプ光放射窓53が装着されている。ランプハウス5の床部を構成するランプ光放射窓53は、石英により形成された板状部材である。ランプハウス5がチャンバー6の上方に設置されることにより、ランプ光放射窓53がチャンバー窓61と相対向することとなる。ランプハウス5は、チャンバー6内にて保持部7に保持される半導体ウェハーWにランプ光放射窓53およびチャンバー窓61を介してフラッシュランプFLからフラッシュ光を照射することにより半導体ウェハーWを加熱する。
複数のフラッシュランプFLは、それぞれが長尺の円筒形状を有する棒状ランプであり、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように平面状に配列されている。よって、フラッシュランプFLの配列によって形成される平面も水平面である。
キセノンフラッシュランプFLは、その内部にキセノンガスが封入されその両端部にコンデンサーに接続された陽極および陰極が配設された棒状のガラス管(放電管)と、該ガラス管の外周面上に付設されたトリガー電極とを備える。キセノンガスは電気的には絶縁体であることから、コンデンサーに電荷が蓄積されていたとしても通常の状態ではガラス管内に電気は流れない。しかしながら、トリガー電極に高電圧を印加して絶縁を破壊した場合には、コンデンサーに蓄えられた電気がガラス管内に瞬時に流れ、そのときのジュール熱でキセノンガスが加熱されて光が放出される。このようなキセノンフラッシュランプFLにおいては、予めコンデンサーに蓄えられていた静電エネルギーが0.1ミリセカンドないし10ミリセカンドという極めて短い光パルスに変換されることから、連続点灯の光源に比べて極めて強い光を照射し得るという特徴を有する。
また、リフレクタ52は、複数のフラッシュランプFLの上方にそれら全体を覆うように設けられている。リフレクタ52の基本的な機能は、複数のフラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光を保持部7の側に反射するというものである。リフレクタ52はアルミニウム合金板にて形成されており、その表面(フラッシュランプFLに臨む側の面)はブラスト処理により粗面化加工が施されて梨地模様を呈する。このような粗面化加工を施しているのは、リフレクタ52の表面が完全な鏡面であると、複数のフラッシュランプFLからの反射光の強度に規則パターンが生じて半導体ウェハーWの表面温度分布の均一性が低下するためである。
また、制御部3は、熱処理装置1に設けられた上記の種々の動作機構を制御する。制御部3のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部3は、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスクを備えている。
上記の構成以外にも熱処理装置1は、半導体ウェハーWの熱処理時にフラッシュランプFLおよびホットプレート71から発生する熱エネルギーによるチャンバー6およびランプハウス5の過剰な温度上昇を防止するため、様々な冷却用の構造を備えている。例えば、チャンバー6のチャンバー側部63およびチャンバー底部62には水冷管(図示省略)が設けられている。また、ランプハウス5は、内部に気体流を形成して排熱するための気体供給管55および排気管56が設けられて空冷構造とされている(図3参照)。また、チャンバー窓61とランプ光放射窓53との間隙にも空気が供給され、ランプハウス5およびチャンバー窓61を冷却する。
次に、熱処理装置1における半導体ウェハーWの処理手順について簡単に説明する。ここで処理対象となる半導体ウェハーWはイオン注入法により不純物(イオン)が添加された半導体基板であり、添加された不純物の活性化が熱処理装置1によるフラッシュ加熱処理により実行される。
まず、保持部7が図7に示す処理位置から図1に示す受渡位置に下降する。「処理位置」とは、フラッシュランプFLから半導体ウェハーWに閃光照射が行われるときの保持部7の位置であり、図7に示す保持部7のチャンバー6内における位置である。また、「受渡位置」とは、チャンバー6に半導体ウェハーWの搬出入が行われるときの保持部7の位置であり、図1に示す保持部7のチャンバー6内における位置である。熱処理装置1における保持部7の基準位置は処理位置であり、処理前にあっては保持部7は処理位置に位置しており、これが処理開始に際して受渡位置に下降するのである。図1に示すように、保持部7が受渡位置にまで下降するとチャンバー底部62に近接し、支持ピン70の先端が保持部7を貫通して保持部7の上方に突出する。
次に、保持部7が受渡位置に下降したときに、弁82および弁87が開かれてチャンバー6の熱処理空間65内に常温の窒素ガスが導入される。続いて、ゲートバルブ185が開いて搬送開口部66が開放され、装置外部の搬送ロボットにより搬送開口部66を介してイオン注入後の半導体ウェハーWがチャンバー6内に搬入され、複数の支持ピン70上に載置される。
半導体ウェハーWの搬入時におけるチャンバー6への窒素ガスのパージ量は約40リットル/分とされ、供給された窒素ガスはチャンバー6内においてガス導入バッファ83から図2中に示す矢印AR4の方向へと流れ、図1に示す排出路86および弁87を介してユーティリティ排気により排気される。また、チャンバー6に供給された窒素ガスの一部は、べローズ47の内側に設けられる排出口(図示省略)からも排出される。なお、以下で説明する各ステップにおいて、チャンバー6には常に窒素ガスが供給および排気され続けており、窒素ガスの供給量は半導体ウェハーWの処理工程に合わせて様々に変更される。
半導体ウェハーWがチャンバー6内に搬入されると、ゲートバルブ185により搬送開口部66が閉鎖される。そして、保持部昇降機構4により保持部7が受渡位置からチャンバー窓61に近接した処理位置にまで上昇する。保持部7が受渡位置から上昇する過程において、半導体ウェハーWは支持ピン70から保持部7のサセプタ72へと渡され、図3の如く凹部78のエッジ部によって半導体ウェハーWが支持される。保持部7が処理位置にまで上昇するとサセプタ72に保持された半導体ウェハーWも処理位置に保持されることとなる。
ホットプレート71の6つのゾーン711〜716のそれぞれは、各ゾーンの内部(上部プレート73と下部プレート74との間)に個別に内蔵されたヒータ(抵抗加熱線76)により所定の温度まで加熱されている。保持部7が処理位置まで上昇して半導体ウェハーWが保持部7と接触することにより、その半導体ウェハーWはホットプレート71に内蔵されたヒータによって予備加熱されて温度が次第に上昇する。
この処理位置にて約60秒間の予備加熱が行われ、半導体ウェハーWの温度が予め設定された予備加熱温度T1まで上昇する。予備加熱温度T1は、半導体ウェハーWに添加された不純物が熱により拡散する恐れのない、200℃ないし800℃程度、好ましくは350℃ないし550℃程度とされる。また、保持部7とチャンバー窓61との間の距離は、保持部昇降機構4のモータ40の回転量を制御することにより任意に調整することが可能とされている。
約60秒間の予備加熱時間が経過した後、保持部7が処理位置に位置したまま制御部3の制御によりランプハウス5のフラッシュランプFLから半導体ウェハーWへ向けてフラッシュ光が照射される。このとき、フラッシュランプFLから放射されるフラッシュ光の一部は直接にチャンバー6内の保持部7へと向かい、他の一部は一旦リフレクタ52により反射されてからチャンバー6内へと向かい、これらのフラッシュ光の照射により半導体ウェハーWのフラッシュ加熱が行われる。フラッシュ加熱は、フラッシュランプFLからの閃光照射により行われるため、半導体ウェハーWの表面温度を短時間で上昇することができる。
すなわち、ランプハウス5のフラッシュランプFLから照射されるフラッシュ光は、予め蓄えられていた静電エネルギーが極めて短い光パルスに変換された、照射時間が0.1ミリ秒ないし10ミリ秒程度の極めて短く強い閃光である。そして、フラッシュランプFLからの閃光照射によりフラッシュ加熱される半導体ウェハーWの表面温度は、瞬間的に1000℃ないし1100℃程度の処理温度T2まで上昇し、半導体ウェハーWに添加された不純物が活性化された後、表面温度が急速に下降する。このように、熱処理装置1では、半導体ウェハーWの表面温度を極めて短時間で昇降することができるため、半導体ウェハーWに添加された不純物の熱による拡散(この拡散現象を、半導体ウェハーW中の不純物のプロファイルがなまる、ともいう)を抑制しつつ不純物の活性化を行うことができる。なお、添加不純物の活性化に必要な時間はその熱拡散に必要な時間に比較して極めて短いため、0.1ミリセカンドないし10ミリセカンド程度の拡散が生じない短時間であっても活性化は完了する。
また、フラッシュ加熱の前に保持部7により半導体ウェハーWを予備加熱しておくことにより、フラッシュランプFLからの閃光照射によって半導体ウェハーWの表面温度を処理温度T2まで速やかに上昇させることができる。
フラッシュ加熱が終了し、処理位置における約10秒間の待機の後、保持部7が保持部昇降機構4により再び図1に示す受渡位置まで下降し、半導体ウェハーWが保持部7から支持ピン70へと渡される。続いて、ゲートバルブ185により閉鎖されていた搬送開口部66が開放され、支持ピン70上に載置された半導体ウェハーWは装置外部の搬送ロボットにより搬出され、熱処理装置1における半導体ウェハーWのフラッシュ加熱処理が完了する。
既述のように、熱処理装置1における半導体ウェハーWの熱処理時には窒素ガスがチャンバー6に継続的に供給されており、その供給量は、保持部7が処理位置に位置するときには約30リットル/分とされ、保持部7が処理位置以外の位置に位置するときには約40リットル/分とされる。
ところで、本実施形態においては、フラッシュランプFLから閃光照射を行うときに、サセプタ72の凹部78のエッジによって処理対象の半導体ウェハーWを支持している。凹部78の直径r1は半導体ウェハーWの直径r2の80%以上99%以下であるため、凹部78のエッジ部によって半導体ウェハーWの外縁部が支持されることとなる。一方、半導体ウェハーWの内側部分と凹部78との間には気体層が挟み込まれることとなる。よって、半導体ウェハーWの中心部近傍領域においては如何なる拘束をも受けていない。
フラッシュランプFLからの閃光照射によりフラッシュ加熱される半導体ウェハーWの表面温度は瞬間的に1000℃ないし1100℃程度の処理温度T2まで上昇する一方、その瞬間の裏面温度は350℃ないし550℃程度の予備加熱温度T1からさほどには上昇しない。このため、ウェハー表面側のみに急激な熱膨張が生じ、半導体ウェハーWが上面を凸面とするように反る。そして、次に瞬間には、半導体ウェハーWの表面温度が急速に下降する一方、表面から裏面への熱伝導により裏面温度も若干上昇する。その結果、閃光照射の瞬間に生じた半導体ウェハーWの上面を凸面とした反りが戻り、さらにその反動で下面を凸面とするような反りが生じる。
このときに、本実施形態のように、凹部78のエッジによってウェハー外縁部のみにて半導体ウェハーWを支持していると、ウェハー中心部近傍領域は全く拘束されていないため、閃光照射直後に半導体ウェハーWが下面を凸面として反ったとしても当該下面がサセプタ72の表面(凹部78の底面)に衝突しない、或いは衝突したとしても衝撃が小さいため、ウェハー割れの頻度が著しく低減する。
このようなウェハー割れ防止効果を得るためには、凹部78のエッジによってなるべく半導体ウェハーWの外縁部側を支持して中心部近傍の広い領域を開放しておくことが好ましく、少なくとも凹部78の直径r1を半導体ウェハーWの直径r2の80%以上としておけばウェハー割れをほぼ防止することができる。このため、凹部78の直径r1は半導体ウェハーWの直径r2の80%以上99%以下としている。なお、凹部78の直径r1を半導体ウェハーWの直径r2の99%以下としているのは、凹部78のエッジによって半導体ウェハーWを確実に保持するためである。
以上のようにしてフラッシュ加熱時におけるウェハー割れの発生頻度が低減すると、それに伴って歩留まりが飛躍的に向上する。また、従来よりも大きなエネルギーにてフラッシュランプFLから閃光照射を行うことができるため、より良好な活性化処理を促進することができる。
また、半導体ウェハーWは凹部78の底面と平行となるように所定の間隔を隔てて保持されている。この保持状態にてホットプレート71による予備加熱を行うと、半導体ウェハーWとサセプタ72との間に気体の断熱層を形成した非接触加熱が行われることとなり、その結果半導体ウェハーWの面内温度分布が均一となる。特に、本実施形態においては、サセプタ72に保持された半導体ウェハーWと凹部78の底面とが平行であるため、半導体ウェハーWがより均一に加熱されることとなる。
但し、凹部78の深さtが2.0mmより大きくなると、半導体ウェハーWと凹部78の底面との間隔が大きくなりすぎ、半導体ウェハーWを予備加熱温度T1にまで昇温するのにホットプレート71を相当な高温に加熱しなければならない。逆に、凹部78の深さtが0.15mmより小さくなると、閃光照射直後に半導体ウェハーWが下面を凸面として反ったときに当該下面が凹部78の底面に激しく衝突することとなり、上述したウェハー割れ防止効果を十分に得ることができない。このため、凹部78の深さtを0.15mm以上2.0mm以下としている。
また、上述のように凹部78の底面との間に気体層を挟み込んで半導体ウェハーWを保持したとしても、半導体ウェハーWの外縁部のみはサセプタ72と接触している(図3)。このため、ホットプレート71が均一に加熱したとすると、サセプタ72と接触している半導体ウェハーWの外縁部への熱伝導が内側よりも良好となり、当該外縁部のみが高温となる。そこで、本実施形態においては、半導体ウェハーWの外縁部を予備加熱するホットプレート71の外縁部領域の温度を内側領域の温度よりも低温としている。具体的には、予備加熱時に、最外周のゾーン713〜716の温度が内側のゾーン711,712よりも低くなるように、制御部3が各ゾーンに配設された抵抗加熱線76への電力供給量を制御している。
このようにすれば、半導体ウェハーWの外縁部を予備加熱するゾーン713〜716の温度が内側のゾーン711,712よりも低いため、当該外縁部がサセプタ72と直接接触していても強く加熱されることが抑制され、半導体ウェハーWの全面がより均一に加熱されることとなり、半導体ウェハーWの面内温度分布がさらに均一となる。このような効果を得るためには、ホットプレート71の内側領域の形状と凹部78の形状とを整合させておく必要があり、このため4つのゾーン713〜716とゾーン712との隙間にて形成される外縁部領域と内側領域との境界円の直径r3と凹部78の直径r1との差を5mm以内としている。
このようにして、予備加熱段階における半導体ウェハーWの面内温度分布を均一にした後に、フラッシュランプFLから半導体ウェハーWに閃光照射を行うことにより、熱処理装置1におけるフラッシュ加熱工程全体として半導体ウェハーWの面内温度分布を均一にすることができる。すなわち、半導体ウェハーWよりも小径の円板形状の凹部78を形成したサセプタ72によって半導体ウェハーWを保持することにより、半導体ウェハーWと凹部78の底面とが平行となり、かつそれらの間に気体層が挟み込まれることとなり、閃光照射時の半導体ウェハーWの割れを防止することと面内温度分布を均一にすることとを両立することができるのである。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記各実施形態においては、円板形状の半導体ウェハーに光を照射してイオン活性化処理を行うようにしていたが、本発明にかかる熱処理装置による処理対象となる基板は半導体ウェハーに限定されるものではない。例えば、窒化シリコン膜や多結晶シリコン膜等の種々のシリコン膜が形成されたガラス基板に対して本発明にかかる熱処理装置による処理を行っても良い。一例として、CVD法によりガラス基板上に形成した多結晶シリコン膜にシリコンをイオン注入して非晶質化した非晶質シリコン膜を形成し、さらにその上に反射防止膜となる酸化シリコン膜を形成する。この状態で、本発明にかかる熱処理装置により非晶質のシリコン膜の全面に光照射を行い、非晶質のシリコン膜が多結晶化した多結晶シリコン膜を形成することもできる。
また、ガラス基板上に下地酸化シリコン膜、アモルファスシリコンを結晶化したポリシリコン膜を形成し、そのポリシリコン膜にリンやボロン等の不純物をドーピングした構造のTFT基板に対して本発明にかかる熱処理装置により光照射を行い、ドーピング工程で打ち込まれた不純物の活性化を行うこともできる。
かかるガラス基板は通常矩形形状を有している。この場合、サセプタ72に処理対象となるガラス基板よりもサイズの小さい矩形の平板形状の凹部を形成することにより、上記各実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、サセプタ72に形成する凹部の形状は円板形状に限定されるものではなく、平板状のものであれば良く、その形成された凹部の底面と基板とが平行であれば良い。
また、サセプタ72に保持された基板と凹部78の底面とが所定の間隔を隔てて平行となるのであれば、凹部78のエッジがテーパ状となっていても良い。
また、上記実施形態においてはランプハウス5に30本のフラッシュランプFLを備えるようにしていたが、これに限定されずフラッシュランプFLの本数は任意のものとすることができる。また、フラッシュランプFLはキセノンフラッシュランプに限定されるものではなく、クリプトンフラッシュランプであっても良い。
本発明に係る熱処理装置の構成を示す側断面図である。 図1の熱処理装置のガス路を示す断面図である。 サセプタの断面図である。 サセプタの平面図である。 保持部の構成を示す断面図である。 ホットプレートを示す平面図である。 図1の熱処理装置の構成を示す側断面図である。
符号の説明
1 熱処理装置
4 保持部昇降機構
5 ランプハウス
6 チャンバー
7 保持部
61 チャンバー窓
65 熱処理空間
71 ホットプレート
72 サセプタ
78 凹部
711〜716 ゾーン
FL フラッシュランプ
W 半導体ウェハー

Claims (6)

  1. フラッシュランプから基板に閃光を照射することによって該基板の熱処理を行うときに該基板を保持する熱処理用サセプタであって、
    平面視で前記基板の平面サイズよりも小さな平板状の凹部を備え、
    前記熱処理用サセプタに保持された前記基板と前記凹部の底面とが平行となることを特徴とする熱処理用サセプタ。
  2. 請求項1記載の熱処理用サセプタにおいて、
    前記基板は円板形状を有し、
    前記凹部は前記基板よりも小径の円板形状であることを特徴とする熱処理用サセプタ。
  3. 請求項2記載の熱処理用サセプタにおいて、
    前記凹部の深さは0.15mm以上2.0mm以下であることを特徴とする熱処理用サセプタ。
  4. 請求項2または請求項3記載の熱処理用サセプタにおいて、
    前記凹部の直径は、前記基板の直径の80%以上99%以下であることを特徴とする熱処理用サセプタ。
  5. 基板に対して閃光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置であって、
    基板に閃光を照射するフラッシュランプと、
    前記フラッシュランプの下方に設けられ、前記フラッシュランプから出射された閃光を透過するチャンバー窓を上部に備えるチャンバーと、
    前記チャンバー内にて基板を略水平姿勢にて保持する保持手段と、
    を備え、
    前記保持手段は、請求項2から請求項4のいずれかに記載の熱処理用サセプタを有することを特徴とする熱処理装置。
  6. 請求項5記載の熱処理装置において、
    前記保持手段は、前記熱処理用サセプタを載置するとともに、前記熱処理用サセプタに保持された前記基板を閃光照射前に予備加熱するホットプレートをさらに備え、
    前記ホットプレートは、前記基板の外縁部を予備加熱する円環形状の外縁部領域と、当該外縁部領域よりも内側の円形の内側領域とに分割され、前記外縁部領域と前記内側領域とを仕切る境界円の直径と前記凹部の直径との差は5mm以内であり、前記外縁部領域の温度が前記内側領域の温度よりも低いことを特徴とする熱処理装置。
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