JP2008028084A - 熱処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フラッシュランプからの閃光照射時の基板の面内温度分布を均一にしつつ割れを防止することができる熱処理装置を提供する。
【解決手段】フラッシュランプ69から閃光照射を行うときに半導体ウェハーWを保持して予備加熱する保持部7は、ホットプレート71の上に平板形状の石英のサセプタ72を載置して構成される。サセプタ72の上面には3本の支持ピン725が設けられている。3本の支持ピン725は半導体ウェハーWの半径の中心よりもウェハー端縁部側にて半導体ウェハーWを支持しており、ウェハー中心部近傍領域は全く拘束されていないため、閃光照射時に半導体ウェハーWが割れるのを防止することができる。また、支持ピン725によって平板形状のサセプタ72の上方に所定の間隔を隔てて半導体ウェハーWを支持して予備加熱を行うと、半導体ウェハーWの面内温度分布を均一にすることができる。
【選択図】図1

Description

この発明は、半導体ウェハーやガラス基板等(以下、単に「基板」と称する)に閃光を照射することにより該基板を加熱する熱処理装置に関する。
従来より、イオン注入後の半導体ウェハーのイオン活性化工程においては、ハロゲンランプを使用したランプアニール装置が一般的に使用されていた。このようなランプアニール装置においては、半導体ウェハーを、例えば、1000℃ないし1100℃程度の温度に加熱(アニール)することにより、半導体ウェハーのイオン活性化を実行している。そして、このような熱処理装置においては、ハロゲンランプより照射される光のエネルギーを利用することにより、毎秒数百度程度の速度で基板を昇温する構成となっている。
一方、近年、半導体デバイスの高集積化が進展し、ゲート長が短くなるにつれて接合深さも浅くすることが望まれている。しかしながら、毎秒数百度程度の速度で半導体ウェハーを昇温する上記ランプアニール装置を使用して半導体ウェハーのイオン活性化を実行した場合においても、半導体ウェハーに打ち込まれたボロンやリン等のイオンが熱によって深く拡散するという現象が生ずることが判明した。このような現象が発生した場合においては、接合深さが要求よりも深くなり過ぎ、良好なデバイス形成に支障が生じることが懸念される。
このため、キセノンフラッシュランプ等を使用して半導体ウェハーの表面に閃光を照射することにより、イオンが注入された半導体ウェハーの表面のみを極めて短時間(数ミリセカンド以下)に昇温させる技術が提案されている。キセノンフラッシュランプの放射分光分布は紫外域から近赤外域であり、従来のハロゲンランプよりも波長が短く、シリコンの半導体ウェハーの基礎吸収帯とほぼ一致している。よって、キセノンフラッシュランプから半導体ウェハーに閃光を照射したときには、透過光が少なく半導体ウェハーを急速に昇温することが可能である。また、数ミリセカンド以下の極めて短時間の閃光照射であれば、半導体ウェハーの表面近傍のみを選択的に昇温できることも判明している。このため、キセノンフラッシュランプによる極短時間の昇温であれば、イオンを深く拡散させることなく、イオン活性化のみを実行することができるのである。
キセノンフラッシュランプを使用した熱処理装置においては、極めて高いエネルギーを有する光を瞬間的に半導体ウェハーに照射するため、一瞬で半導体ウェハーの表面温度が急速に上昇し、ウェハー表面に急激な熱膨張が生じて半導体ウェハーが高い確率で割れていた。このようなキセノンフラッシュランプを使用した熱処理特有の割れを解決するために、例えば特許文献1,2には半導体ウェハーを保持するサセプタのウェハポケットの周縁部にテーパを形成する技術が開示されている。
また、このようなキセノンフラッシュランプを使用した熱処理装置において、複数のキセノンフラッシュランプを列設した領域は、半導体ウェハーの面積よりもかなり大きいのであるが、それにもかかわらず半導体ウェハーの周縁部における照度はそれよりも内側部における照度と比較すると多少低下することとなっていた。特に、φ300mmの大径基板では、ウェハー周縁部における照度低下の程度が大きく、面内照度分布は良くなかった。
このような問題を解決するため、キセノンフラッシュランプと半導体ウェハーとの間に設置されたディフューザのうち半導体ウェハーの周縁部を除く部分(内側部分)の上方の領域に擦りガラス状の幾何学模様を形成し、当該領域の光透過率を低下させて、フラッシュ加熱時の半導体ウェハーの内側部分の照度を低下させ、その結果均一な面内照度分布を得る熱処理装置が特許文献3に開示されている。
特開2004−179510号公報 特開2004−247339号公報 特開2004−140318号公報
特許文献1,2に開示されているような技術を用いることによって、キセノンフラッシュランプを使用した場合における半導体ウェハーの割れをある程度は防止できるようになったものの、半導体ウェハーの種類や熱処理条件(予備加熱温度、照射エネルギー)によっては依然として相当な頻度で割れが生じていた。
また、特許文献3に開示されているような処理、すなわち、擦りガラス処理によってある一定値に透過率を正確に調整することは非常に難しく、その結果ディフューザ間の透過率にバラツキが生じやすくなり、装置間で面内照度分布に不均一が生じるという問題が懸念される。さらには、キセノンフラッシュランプを使用した熱処理装置では、一瞬の閃光照射のみでは半導体ウェハーを目標温度にまで昇温できないこともあるため、通常、閃光照射前に予め200℃ないし600℃程度に半導体ウェハーを予備加熱しており、閃光照射時の照度分布のみを均一にしても半導体ウェハーの面内温度分布を均一に出来ないこともあった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、フラッシュランプからの閃光照射時の基板の面内温度分布を均一にしつつ割れを防止することができる熱処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板に対して閃光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置において、基板に閃光を照射するフラッシュランプと、基板を収容するチャンバーと、前記チャンバー内にて基板を保持して加熱するホットプレートと、基板を前記ホットプレートの上方に近接させて点接触にて支持する複数の支持ピンと、を備える。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る熱処理装置において、前記ホットプレートの上面に載置された石英の平板形状のサセプタをさらに備え、前記複数の支持ピンに基板を前記サセプタの上方に所定の距離を隔てて支持させている。
また、請求項3の発明は、請求項2の発明に係る熱処理装置において、前記複数の支持ピンに、前記サセプタの上面から0.5mm以上2mm以下隔てて基板を支持させている。
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかの発明に係る熱処理装置において、前記複数の支持ピンに支持される基板を円板形状とし、前記複数の支持ピンのそれぞれに基板の半径の中心よりも端縁部側にて基板を支持させている。
また、請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれかの発明に係る熱処理装置において、前記複数の支持ピンのそれぞれの上端部を直径0.5mm以上2mm以下の円筒形状としている。
また、請求項6の発明は、請求項1から請求項5のいずれかの発明に係る熱処理装置において、前記チャンバーの上部に設けられ、前記フラッシュランプから出射された閃光を前記チャンバー内に導く透光窓と、前記透光窓上に載置された石英板と、を備え、前記石英板の中心が前記複数の支持ピンに支持された基板の中心の鉛直方向直上に位置するように前記石英板を前記透光窓上に載置している。
請求項1の発明によれば、基板を複数の支持ピンにてホットプレートの上方に近接させて点接触にて支持するため、基板とホットプレートとの間に気体の断熱層が形成されることとなり、フラッシュランプからの閃光照射時の基板の面内温度分布を均一にしつつ割れを防止することができる。
また、請求項2の発明によれば、基板を複数の支持ピンにてサセプタの上方に所定の距離を隔てて支持するため、基板とサセプタとの間に気体の断熱層が形成されることとなり、フラッシュランプからの閃光照射時の基板の面内温度分布を均一にしつつ割れを防止することができる。
また、請求項3の発明によれば、基板を複数の支持ピンにてサセプタの上面から0.5mm以上2mm以下隔てて支持するため、基板の加熱効率を低下させることなく基板とサセプタとの接触を防止することができる。
また、請求項4の発明によれば、複数の支持ピンのそれぞれにて基板の半径の中心よりも端縁部側にて基板を支持しているため、基板の中心部近傍領域は全く拘束されておらず、閃光照射時の基板の割れをより確実に防止することができる。
また、請求項5の発明によれば、複数の支持ピンのそれぞれの上端部が直径0.5mm以上2mm以下の円筒形状であるため、基板を点接触にて支持することができる。
また、請求項6の発明によれば、石英板の中心が複数の支持ピンに支持された基板の中心の鉛直方向直上に位置するように石英板を透光窓上に載置しているため、石英板の表面および底面での反射によって基板の内側部分に到達する光量が低下し、その結果として基板上の照度分布の面内均一性を向上して閃光照射時の基板の面内温度分布を均一にすることができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、本発明に係る熱処理装置の全体構成について概説する。図1は、本発明に係る熱処理装置1の構成を示す側断面図である。熱処理装置1は基板として円板形状の半導体ウェハーWに閃光を照射してその半導体ウェハーWを加熱するフラッシュランプアニール装置である。
熱処理装置1は、半導体ウェハーWを収容する略円筒形状のチャンバー6を備える。チャンバー6は、略円筒状の内壁を有するチャンバー側部63、および、チャンバー側部63の下部を覆うチャンバー底部62によって構成される。また、チャンバー側部63およびチャンバー底部62によって囲まれる空間が熱処理空間65として規定される。熱処理空間65の上方は上部開口60とされている。
また、熱処理装置1は、上部開口60に装着されて上部開口60を閉塞する閉塞部材である透光板61、チャンバー6の内部において半導体ウェハーWを保持しつつ予備加熱を行う略円板状の保持部7、保持部7をチャンバー6の底面であるチャンバー底部62に対して昇降させる保持部昇降機構4、保持部7に保持される半導体ウェハーWに透光板61を介して光を照射することにより半導体ウェハーWを加熱する光照射部5、および、これらの構成を制御して熱処理を行う制御部3を備える。
チャンバー6は、光照射部5の下方に設けられている。チャンバー6の上部に設けられた透光板61は、例えば、石英等により形成された円板形状部材であり、光照射部5から出射された光を透過して熱処理空間65に導くチャンバー窓として機能する。チャンバー6の本体を構成するチャンバー底部62およびチャンバー側部63は、例えば、ステンレススチール等の強度と耐熱性に優れた金属材料にて形成されており、チャンバー側部63の内側面の上部のリング631は、光照射による劣化に対してステンレススチールより優れた耐久性を有するアルミニウム(Al)合金等で形成されている。
また、熱処理空間65の気密性を維持するために、透光板61とチャンバー側部63とはOリングによってシールされている。すなわち、透光板61の下面周縁部とチャンバー側部63との間にOリングを挟み込むとともに、クランプリング90を透光板61の上面周縁部に当接させ、そのクランプリング90をチャンバー側部63にネジ止めすることによって、透光板61をOリングに押し付けている。
チャンバー底部62には、保持部7を貫通して半導体ウェハーWをその下面(光照射部5からの光が照射される側とは反対側の面)から支持するための複数(本実施の形態では3本)の保持ピン70が立設されている。保持ピン70は、例えば石英により形成されており、チャンバー6の外部から固定されているため、容易に取り替えることができる。
チャンバー側部63は、半導体ウェハーWの搬入および搬出を行うための搬送開口部66を有し、搬送開口部66は、軸662を中心に回動するゲートバルブ185により開閉可能とされる。チャンバー側部63における搬送開口部66とは反対側の部位には熱処理空間65に処理ガス(例えば、窒素(N2)ガスやヘリウム(He)ガス、アルゴン(Ar)ガス等の不活性ガス、あるいは、酸素(O2)ガス等)を導入する導入路81が形成され、その一端は弁82を介して図示省略の給気機構に接続され、他端はチャンバー側部63の内部に形成されるガス導入バッファ83に接続される。また、搬送開口部66には熱処理空間65内の気体を排出する排出路86が形成され、弁87を介して図示省略の排気機構に接続される。
図2は、チャンバー6をガス導入バッファ83の位置にて水平面で切断した断面図である。図2に示すように、ガス導入バッファ83は、図1に示す搬送開口部66の反対側においてチャンバー側部63の内周の約1/3に亘って形成されており、導入路81を介してガス導入バッファ83に導かれた処理ガスは、複数のガス供給孔84から熱処理空間65内へと供給される。
図1に示す保持部昇降機構4は、略円筒状のシャフト41、移動板42、ガイド部材43(本実施の形態ではシャフト41の周りに3本配置される)、固定板44、ボールネジ45、ナット46およびモータ40を有する。チャンバー6の下部であるチャンバー底部62には保持部7よりも小さい直径を有する略円形の下部開口64が形成されており、ステンレススチール製のシャフト41は、下部開口64を挿通して、保持部7(厳密には保持部7のホットプレート71)の下面に接続されて保持部7を支持する。
移動板42にはボールネジ45と螺合するナット46が固定されている。また、移動板42は、チャンバー底部62に固定されて下方へと伸びるガイド部材43により摺動自在に案内されて上下方向に移動可能とされる。また、移動板42は、シャフト41を介して保持部7に連結される。
モータ40は、ガイド部材43の下端部に取り付けられる固定板44に設置され、タイミングベルト401を介してボールネジ45に接続される。保持部昇降機構4により保持部7が昇降する際には、駆動部であるモータ40が制御部3の制御によりボールネジ45を回転し、ナット46が固定された移動板42がガイド部材43に沿って鉛直方向に移動する。この結果、移動板42に固定されたシャフト41が鉛直方向に沿って移動し、シャフト41に接続された保持部7が図1に示す半導体ウェハーWの受渡位置と図6に示す半導体ウェハーWの処理位置との間で滑らかに昇降する。
移動板42の上面には略半円筒状(円筒を長手方向に沿って半分に切断した形状)のメカストッパ451がボールネジ45に沿うように立設されており、仮に何らかの異常により移動板42が所定の上昇限界を超えて上昇しようとしても、メカストッパ451の上端がボールネジ45の端部に設けられた端板452に突き当たることによって移動板42の異常上昇が防止される。これにより、保持部7が透光板61の下方の所定位置以上に上昇することはなく、保持部7と透光板61との衝突が防止される。
また、保持部昇降機構4は、チャンバー6の内部のメンテナンスを行う際に保持部7を手動にて昇降させる手動昇降部49を有する。手動昇降部49はハンドル491および回転軸492を有し、ハンドル491を介して回転軸492を回転することより、タイミングベルト495を介して回転軸492に接続されるボールネジ45を回転して保持部7の昇降を行うことができる。
チャンバー底部62の下側には、シャフト41の周囲を囲み下方へと伸びる伸縮自在のベローズ47が設けられ、その上端はチャンバー底部62の下面に接続される。一方、ベローズ47の下端はベローズ下端板471に取り付けられている。べローズ下端板471は、鍔状部材411によってシャフト41にネジ止めされて取り付けられている。保持部昇降機構4により保持部7がチャンバー底部62に対して上昇する際にはベローズ47が収縮され、下降する際にはべローズ47が伸張される。そして、保持部7が昇降する際にも、ベローズ47が伸縮することによって熱処理空間65内の気密状態が維持される。
図3は、保持部7の構成を示す側断面図である。保持部7は、半導体ウェハーWを保持して予備加熱(いわゆるアシスト加熱)するホットプレート(加熱プレート)71、および、ホットプレート71の上面(保持部7が半導体ウェハーWを保持する側の面)に載置されるサセプタ72を有する。保持部7の下面には、既述のように保持部7を昇降するシャフト41が接続される。
ホットプレート71は、ステンレススチール製の上部プレート73および下部プレート74にて構成される。上部プレート73と下部プレート74との間には、ホットプレート71を加熱するニクロム線等の抵抗加熱線が配設され、導電性のニッケル(Ni)ロウが充填されて封止されている。また、上部プレート73および下部プレート74の端部はロウ付けにより接着されている。
図5は、ホットプレート71を示す平面図である。図5に示すように、ホットプレート71は、保持される半導体ウェハーWと対向する領域の中央部に同心円状に配置される円板状のゾーン711および円環状のゾーン712、並びに、ゾーン712の周囲の略円環状の領域を周方向に4等分割した4つのゾーン713〜716を備え、各ゾーン間には若干の間隙が形成されている。また、ホットプレート71には、保持ピン70が挿通される3つの貫通孔77が、ゾーン711とゾーン712との隙間の周上に120°毎に設けられる。
6つのゾーン711〜716のそれぞれには、相互に独立した抵抗加熱線が周回するように配設されてヒータが形成されており、各ゾーンに内蔵されたヒータにより各ゾーンが個別に加熱される。保持部7に保持された半導体ウェハーWは、6つのゾーン711〜716に内蔵されたヒータにより加熱される。また、ゾーン711〜716のそれぞれには、熱電対を用いて各ゾーンの温度を計測するセンサ710が設けられている。各センサ710は略円筒状のシャフト41の内部を通り制御部3に接続される。
ホットプレート71が加熱される際には、センサ710により計測される6つのゾーン711〜716のそれぞれの温度が予め設定された所定の温度になるように、各ゾーンに配設された抵抗加熱線への電力供給量が制御部3により制御される。制御部3による各ゾーンの温度制御はPID(Proportional,Integral,Derivative)制御により行われる。ホットプレート71では、半導体ウェハーWの熱処理(複数の半導体ウェハーWを連続的に処理する場合は、全ての半導体ウェハーWの熱処理)が終了するまでゾーン711〜716のそれぞれの温度が継続的に計測され、各ゾーンに配設された抵抗加熱線への電力供給量が個別に制御されて、すなわち、各ゾーンに内蔵されたヒータの温度が個別に制御されて各ゾーンの温度が設定温度に維持される。なお、各ゾーンの設定温度は、基準となる温度から個別に設定されたオフセット値だけ変更することが可能とされる。
6つのゾーン711〜716にそれぞれ配設される抵抗加熱線は、シャフト41の内部を通る電力線を介して電力供給源(図示省略)に接続されている。電力供給源から各ゾーンに至る経路途中において、電力供給源からの電力線は、マグネシア(マグネシウム酸化物)等の絶縁体を充填したステンレスチューブの内部に互いに電気的に絶縁状態となるように配置される。なお、シャフト41の内部は大気開放されている。
サセプタ72は、その下面をホットプレート71の上面に面接触させてホットプレート71の上面に載置される。図4は、サセプタ72の外観斜視図である。サセプタ72は石英(あるいは、窒化アルミニウム(AIN)等であってもよい)により形成された平板形状の円板である。サセプタ72の表面平坦度は平均表面粗さ(Ra)が0.1mm以下である。サセプタ72には、保持ピン70が挿通される3つの貫通孔720が、上述したホットプレート72のゾーン711とゾーン712との間の隙間に対向する周上に沿って120°毎に穿設されている。サセプタ72をホットプレート71上に設置したときに、これら3つの貫通孔720のそれぞれが上記貫通孔77と連通して保持ピン70が通過可能な1つの貫通孔を形成することは勿論である。
また、サセプタ72には、3つの貫通孔720と同一円周上に沿って120°毎に貫通孔720と交互に3つの嵌合孔も穿設されている。これら3つの嵌合孔のそれぞれには支持ピン725が嵌合される。3本の支持ピン725のそれぞれは、熱伝導率が比較的低い石英にて形成されており、円筒形状のピン上部725aとそれよりも大径の円筒形状のピン下部725bとを2段に接続して構成されている(図3)。ホットプレート71上面に載置したサセプタ72の嵌合孔に支持ピン725を嵌めると、ピン下部725bがほぼ完全に当該嵌合孔に嵌合してその底部がホットプレート71の上面に接触する。そして、ピン上部725aがサセプタ72の上面から突出することとなる。
ピン上部725aの上端高さ位置からサセプタ72の上面までの距離は0.5mm以上2mm以下(本実施形態では1mm)である。半導体ウェハーWにも数10μm〜数100μm程度のうねりや反りが存在しており、またサセプタ72の表面にも上述の如き平均表面粗さが0.1mm以下の範囲で凹凸があるため、支持する半導体ウェハーWとサセプタ72との接触を確実に防止するためには上記の距離を0.5mm以上とするのが好ましい。また、支持する半導体ウェハーWとサセプタ72との距離が大きくなりすぎると予備加熱の効率が低下するため、上記の距離は2mm以下としている。また、ピン上部725aの円筒の直径は0.5mm以上2mm以下としている。
さらに、サセプタ72の上面には半導体ウェハーWの位置ずれを防止する位置ずれ防止ピン75が立設されている(図3および図4では位置ずれ防止ピン75を省略している)。位置ずれ防止ピン75は、支持ピン725よりもウェハー外周側に設けられており、その高さは支持ピン725よりも高い。
保持ピン70に半導体ウェハーWを保持した状態にて保持部7が上昇すると、半導体ウェハーWの裏面に支持ピン725が当接し、保持ピン70から保持部7の支持ピン725に半導体ウェハーWが渡される。このときに、ピン上部725aの直径は0.5mm以上2mm以下であり、保持部7に渡された半導体ウェハーWは3本の支持ピン725によって点接触にて支持される。また、ピン上部725aの上端高さ位置からサセプタ72の上面までの距離が0.5mm以上2mm以下であるため、3本の支持ピン725はサセプタ72の上面から0.5mm以上2mm以下隔てて半導体ウェハーWを支持することとなる。
さらに、3本の支持ピン725のそれぞれは半導体ウェハーWの半径の中心よりもウェハー端縁部側にて半導体ウェハーWを支持する。すなわち、半導体ウェハーWがφ300mmであると、半導体ウェハーWの中心より150mm以上離れた位置にて3本の支持ピン725は半導体ウェハーWを支持する。
図1に示す光照射部5は、複数(本実施の形態においては30本)のキセノンフラッシュランプ(以下、単に「フラッシュランプ」という)69およびリフレクタ52を有する光源である。複数のフラッシュランプ69は、それぞれが長尺の円筒形状を有する棒状ランプであり、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って互いに平行となるように平面状に配列されている。リフレクタ52は、複数のフラッシュランプ69の上方にそれら全体を覆うように設けられ、その表面はブラスト処理により粗面化加工が施されて梨地模様を呈する。また、光拡散板53(ディフューザ)は、表面に光拡散加工を施した石英ガラスにより形成され、透光板61との間に所定の間隙を設けて光照射部5の下面側に設置される。熱処理装置1には、メンテナンス時に光照射部5をチャンバー6に対して相対的に上昇させて水平方向にスライド移動させる照射部移動機構55がさらに設けられる。
キセノンフラッシュランプ69は、その内部にキセノンガスが封入されその両端部にコンデンサーに接続された陽極および陰極が配設されたガラス管と、該ガラス管の外周面上に巻回されたトリガー電極とを備える。キセノンガスは電気的には絶縁体であることから、通常の状態ではガラス管内に電気は流れない。しかしながら、トリガー電極に高電圧を印加して絶縁を破壊した場合には、コンデンサーに蓄えられた電気がガラス管内に瞬時に流れ、そのときのジュール熱でキセノンガスが加熱されて光が放出される。このキセノンフラッシュランプ69においては、予め蓄えられていた静電エネルギーが0.1ミリセカンドないし10ミリセカンドという極めて短い光パルスに変換されることから、連続点灯の光源に比べて極めて強い光を照射し得るという特徴を有する。
また、本実施形態の熱処理装置1においては、光照射部5と保持部7に保持された半導体ウェハーWとを仕切る透光板61の上に1枚の照度調整板10を載置している。照度調整板10は、金属やアルカリイオンの含有量が極めて少ない高純度の半導体用途の石英板である。照度調整板10の形状は円板形状であって、その径は処理対象となる半導体ウェハーWの直径よりも小さい。また、本実施形態の照度調整板10の厚さは0.7mm〜1.2mmであり、その平面度は0.4mm以下である。このような照度調整板10の中心が保持部7に保持された半導体ウェハーWの中心の鉛直方向直上に位置するように、照度調整板10を透光板61の上に載置する。なお、照度調整板10の位置がずれないように、例えば照度調整板10の底面に穴を形成するとともに透光板61の上面にピンを形成し、そのピンを照度調整板10の穴に嵌合させるようにしても良い。
キセノンフラッシュランプ69の放射光分布は概ね紫外線域から近赤外線域までの範囲である。高純度の石英板であればこの波長域の光をほとんど吸収しない。従って、フラッシュランプ69から出射されて照度調整板10に入射した光が照度調整板10によって吸収されることはない。このため、フラッシュランプ69から強大なエネルギーの閃光が照射されたとしても、照度調整板10はその閃光をほとんど吸収しないため、照度調整板10の温度上昇およびそれに起因した割れを抑制することができる。
また、フラッシュランプ69から出射されて照度調整板10に入射した光の一部は照度調整板10の表面および底面で反射され、残りが照度調整板10の底面から出射、つまり照度調整板10を透過することとなる。高純度の石英板で構成される照度調整板10の透過率(フラッシュランプ69からの放射光に対する透過率)は93%〜95%である。なお、上述のように、照度調整板10はフラッシュランプ69の放射光をほとんど吸収しないため、照度調整板10内部で吸収される光量は反射光および透過光と比較すると無視できる程度に小さい。よって、上記の透過率は照度調整板10の厚さに依存しない。
なお、本実施形態の熱処理装置1は、半導体ウェハーWの熱処理時にフラッシュランプ69およびホットプレート71から発生する熱エネルギーによるチャンバー6および光照射部5の過剰な温度上昇を防止するため、様々な冷却用の構造(図示省略)を備えている。例えば、チャンバー6のチャンバー側部63およびチャンバー底部62には水冷管が設けられており、光照射部5は内部に気体を供給する供給管とサイレンサ付きの排気管が設けられて空冷構造とされている。また、透光板61と光照射部5(の光拡散板53)との間隙には圧縮空気が供給され、光照射部5および透光板61を冷却するとともに、間隙に存在する有機物等を排除して熱処理時における光拡散板53および透光板61への付着を抑制する。
次に、熱処理装置1における半導体ウェハーWの処理手順について簡単に説明する。ここで処理対象となる半導体ウェハーWはイオン注入法により不純物が添加された半導体基板であり、添加された不純物の活性化が熱処理装置1による熱処理により行われる。
まず、保持部7が図1に示すようにチャンバー底部62に近接した位置に配置される。以下、図1における保持部7のチャンバー6内における位置を「受渡位置」という。保持部7が受渡位置にあるとき、保持ピン70の先端は、保持部7を貫通して保持部7の上方(厳密には支持ピン725の上端部よりも上方)に突出する。
次に、弁82および弁87が開かれてチャンバー6の熱処理空間65内に常温の窒素ガスが導入される。続いて、搬送開口部66が開放され、装置外部の搬送ロボットにより搬送開口部66を介してイオン注入後の半導体ウェハーWがチャンバー6内に搬入され、複数の保持ピン70上に載置される。
半導体ウェハーWの搬入時におけるチャンバー6への窒素ガスのパージ量は約40リットル/分とされ、供給された窒素ガスはチャンバー6内においてガス導入チャンネル83から図2中に示す矢印AR4の方向へと流れ、図1に示す排出路86および弁87を介してユーティリティ排気により排気される。また、チャンバー6に供給された窒素ガスの一部は、べローズ47の内側に設けられる排出口(図示省略)からも排出される。なお、以下で説明する各ステップにおいて、チャンバー6には常に窒素ガスが供給および排気され続けており、窒素ガスのパージ量は半導体ウェハーWの処理工程に合わせて様々に変更される。
半導体ウェハーWがチャンバー6内に搬入されると、ゲートバルブ185により搬送開口部66が閉鎖される。そして、図6に示す如く、保持部昇降機構4により保持部7が透光板61に近接した位置(以下、「処理位置」という)まで上昇される。このとき、半導体ウェハーWは保持ピン70から保持部7へと渡され、3本の支持ピン725によってサセプタ72の上方に所定の間隔(本実施形態では1mm)を隔てて支持される。
ホットプレート71の6つのゾーン711〜716のそれぞれは、各ゾーンの内部(上部プレート73と下部プレート74との間)に個別に配設された抵抗加熱線により所定の温度まで加熱されている。保持部7が処理位置まで上昇して半導体ウェハーWが3本の支持ピン725で点接触支持されてホットプレート71の上方に近接保持されることにより、その半導体ウェハーWは予備加熱されて温度が次第に上昇する。
この処理位置にて所定時間の予備加熱が行われ、半導体ウェハーWの温度が予め設定された予備加熱温度T1まで上昇する。予備加熱温度T1は、半導体ウェハーWに添加された不純物が熱により拡散する恐れのない、200℃ないし600℃程度、好ましくは350℃ないし550℃程度とされる。また、保持部7と透光板61との間の距離は、保持部昇降機構4のモータ40の回転量を制御することにより任意に調整することが可能とされている。
所定時間の予備加熱時間が経過した後、保持部7が処理位置に位置したまま制御部3の制御により光照射部5から半導体ウェハーWへ向けてフラッシュ光が照射される。このとき、光照射部5のフラッシュランプ69から放射される光の一部は直接にチャンバー6内へと向かい、他の一部は一旦リフレクタ52により反射されてからチャンバー6内へと向かい、これらの閃光照射により半導体ウェハーWのフラッシュ加熱が行われる。フラッシュ加熱は、フラッシュランプ69からの閃光照射により行われるため、半導体ウェハーWの表面温度を短時間で上昇することができる。
すなわち、光照射部5のフラッシュランプ69から照射される光は、予め蓄えられていた静電エネルギーが極めて短い光パルスに変換された、照射時間が0.1ミリ秒ないし10ミリ秒程度の極めて短く強い閃光である。そして、フラッシュランプ69からの閃光照射によりフラッシュ加熱される半導体ウェハーWの表面温度は、瞬間的に1000℃ないし1100℃程度の処理温度T2まで上昇し、半導体ウェハーWに添加された不純物が活性化された後、表面温度が急速に下降する。このように、熱処理装置1では、半導体ウェハーWの表面温度を極めて短時間で昇降することができるため、半導体ウェハーWに添加された不純物の熱による拡散(この拡散現象を、半導体ウェハーW中の不純物のプロファイルがなまる、ともいう)を抑制しつつ不純物の活性化を行うことができる。なお、添加不純物の活性化に必要な時間はその熱拡散に必要な時間に比較して極めて短いため、0.1ミリセカンドないし10ミリセカンド程度の拡散が生じない短時間であっても活性化は完了する。
また、フラッシュ加熱の前に保持部7により半導体ウェハーWを予備加熱しておくことにより、フラッシュランプ69からの閃光照射によって半導体ウェハーWの表面温度を処理温度T2まで速やかに上昇させることができる。
フラッシュ加熱が終了し、処理位置における約10秒間の待機の後、保持部7が保持部昇降機構4により再び図1に示す受渡位置まで下降し、半導体ウェハーWが保持部7から保持ピン70へと渡される。続いて、ゲートバルブ185により閉鎖されていた搬送開口部66が開放され、保持ピン70上に載置された半導体ウェハーWは装置外部の搬送ロボットにより搬出され、熱処理装置1における半導体ウェハーWのフラッシュ加熱処理が完了する。
既述のように、熱処理装置1における半導体ウェハーWの熱処理時には窒素ガスがチャンバー6に継続的に供給されており、そのパージ量は、保持部7が処理位置に位置するときには約30リットル/分とされ、保持部7が処理位置以外の位置に位置するときには約40リットル/分とされる。
ところで、本実施形態では、フラッシュランプ69から閃光照射を行うときに、保持部7の3本の支持ピン725によって処理対象の半導体ウェハーWを支持している。そして、3本の支持ピン725は半導体ウェハーWの半径の中心よりもウェハー端縁部側にて半導体ウェハーWを支持している。半導体ウェハーWに拘束力を与える部材は3本の支持ピン725のみであり、半導体ウェハーWの中心部近傍領域においては如何なる拘束をも受けていない。
フラッシュランプ69からの閃光照射によりフラッシュ加熱される半導体ウェハーWの表面温度は瞬間的に1000℃ないし1100℃程度の処理温度T2まで上昇する一方、その瞬間の裏面温度は350℃ないし550℃程度の予備加熱温度T1からさほどには上昇しない。このため、ウェハー表面側のみに急激な熱膨張が生じ、半導体ウェハーWが上面を凸面とするように反る。次に瞬間には、半導体ウェハーWの表面温度が急速に下降する一方、表面から裏面への熱伝導により裏面温度も若干上昇する。その結果、閃光照射の瞬間に生じた半導体ウェハーWの上面を凸面とした反りが戻り、さらにその反動で下面を凸面とするような反りが生じる。
このときに、本実施形態のように、3本の支持ピン725によって半導体ウェハーWの半径の中心よりもウェハー端縁部側にて半導体ウェハーWを支持していると、ウェハー中心部近傍領域は全く拘束されていないため、閃光照射直後に半導体ウェハーWが下面を凸面として反ったとしても当該下面がサセプタ72の表面に衝突しない、或いは衝突したとしても衝撃が小さいため、ウェハー割れの頻度が著しく低減する。
このようなウェハー割れ防止効果を得るためには、3本の支持ピン725がなるべく半導体ウェハーWの端縁部側を支持して中心部近傍の広い領域を開放しておくことが好ましいが、図7に示すように少なくとも半導体ウェハーWの半径の中心よりもウェハー端縁部側の支持領域SAにて半導体ウェハーWを支持しておけばウェハー割れをほぼ防止することができる。
以上のようにしてフラッシュ加熱時におけるウェハー割れの発生頻度が低減すると、それに伴って歩留まりが飛躍的に向上する。また、従来よりも大きなエネルギーにてフラッシュランプ69から閃光照射を行うことができるため、より良好な活性化処理を促進することができる。
また、3本の支持ピン725はサセプタ72の上方に所定の間隔を隔てて半導体ウェハーWを支持している。本発明者等が種々の形状(中央が凹状、中央が凸状、平板状)のサセプタについて半導体ウェハーWを直接接触載置して上記実施形態と同様の予備加熱を行ってウェハー面内の温度分布を調査したところ、いずれの形状であっても面内温度差(最高温度測定点と最低温度測定点との温度差)が10℃以上となった。上記3種類のサセプタのうち面内温度差が最も小さかったのは本実施形態と同様の平板形状のサセプタであるが、それでも約13℃の面内温度差が認められた。
図5に示したように、同心円状に配置されたホットプレート71の6つのゾーン711〜716を個別に温度制御することができるので、それによってある程度の温度差を解消することは可能であるが、面内温度分布は必ずしも同心円状に沿って差が生じていないため、ゾーン711〜716の個別温度制御で上記面内温度差を十分に解消することは困難である。
そこで、本実施形態のように、支持ピン725によって平板形状のサセプタ72の上方に所定の間隔を隔てて半導体ウェハーWを支持して予備加熱を行うと、半導体ウェハーWとサセプタ72との間に気体の断熱層を形成した非接触加熱が行われることとなり、その結果面内温度差は僅かに3.3℃となって予備加熱段階における半導体ウェハーWの面内温度分布を均一にすることができた。
また、本実施形態の熱処理装置1においては、照度調整板10の中心が保持部7に保持された半導体ウェハーWの中心の鉛直方向直上に位置するように、透光板61の上に半導体ウェハーWの直径よりも小さい径を有する照度調整板10を載置している。このため、光照射部5から出射された光の一部は照度調整板10を透過して保持部7に保持された半導体ウェハーWの中央部に到達し、他の一部は照度調整板10の側方を通過して該半導体ウェハーWの周縁部に到達する。より正確に表現すれば、保持部7に保持された半導体ウェハーWの中央部に到達する光の大部分は光照射部5から出射されて照度調整板10を透過したものであるのに対して、周縁部に到達する光のうち相当量は照度調整板10の側方を通過したものである。
光照射部5から出射された光が照度調整板10を透過するときには、照度調整板10の表面および底面にて一定比率で反射が生じるため、その反射光分の光量が減少する。その結果、照度調整板10の透過率は93%〜95%となる。一方、照度調整板10を透過していない光については当然光量低下が生じていない。このため、保持部7に保持された半導体ウェハーWの周縁部以外の部分(内側部分)に到達する光の光量が減少する一方で、該周縁部に到達する光の光量は減少していない。従って、従来照度調整板10が存在しないときには半導体ウェハーWの周縁部で照度不足が生じていた問題が解消され、半導体ウェハーW上の照度分布の面内均一性が向上する。なお、透光板61によっても反射に起因した光量減少は生じるのであるが、これは保持部7に保持された半導体ウェハーWに到達する光の全体に対して均一に生じるため、周縁部に到達する光量と内側部分に到達する光量との相対差には影響を与えない。
このようにして、予備加熱段階における半導体ウェハーWの面内温度分布を均一にした後に、閃光照射時の半導体ウェハーW上の照度分布の面内均一性を向上させることにより、熱処理装置1におけるフラッシュ加熱工程全体として半導体ウェハーWの面内温度分布を均一にすることができる。すなわち、3本の支持ピン725によって半導体ウェハーWの半径の中心よりもウェハー端縁部側の支持領域SAにて平板形状のサセプタ72の上方に所定の間隔を隔てて半導体ウェハーWを点接触で支持することにより、閃光照射時の半導体ウェハーWの割れを防止することと面内温度分布を均一にすることとを両立することができるのである。また、3本の支持ピン725によって半導体ウェハーWを点接触で支持することとなるため、保持ピン70から保持部7に半導体ウェハーWが渡されたときにサセプタ72と半導体ウェハーWの裏面との間に気体層が挟み込まれて半導体ウェハーWが横滑りを生じるおそれはない。このため、半導体ウェハーWを受け渡す瞬間に保持部7の上昇速度を低下させる必要がなく、スループット低下を抑制することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、3本の支持ピン725によって半導体ウェハーWを点接触支持するのであれば、サセプタ72は必ずしも必要ではない。すなわち、図3の構成からサセプタ72を取り除き、ホットプレート71の上面に立設された3本の支持ピン725によってホットプレート71の上方に半導体ウェハーWを近接させて点接触にて支持するようにしてもよい。このようにしても上記実施形態と同様に、閃光照射時の半導体ウェハーWの面内温度分布を均一にしつつ割れを防止することができる。但し、ホットプレート71は金属製であるため、閃光照射時に半導体ウェハーWが変形してホットプレート71に接触すると高温の半導体ウェハーW中に金属成分が拡散するメタル汚染の危険性があるため、石英のサセプタ72を設けることによって半導体ウェハーWが直接ホットプレート71に接触するのを確実に防止しておく方が好ましい。
また、上記実施形態においては、サセプタ72の嵌合孔に支持ピン725を嵌め込むようにしていたが、両部材ともに石英製であるため、これらを一体成型するようにしても良い。もっとも、複数本の支持ピンが立設されたサセプタを一体成型するよりも、上記実施形態のように平板形状のサセプタ72と円筒状の支持ピン725とを別部材として加工する方が容易であり、製作に要するコストも少なくて済む。
また、支持ピン725の本数は3本に限定されるものではないが、半導体ウェハーWを安定して支持するためには少なくとも3本以上設ける必要がある。
また、上記実施形態においては、光照射部5に30本のフラッシュランプ69を備えるようにしていたが、これに限定されるものではなく、フラッシュランプ69の本数は任意の数とすることができる。また、フラッシュランプ69はキセノンフラッシュランプに限定されるものではなく、クリプトンフラッシュランプであっても良い。
また、上記実施形態においては、透光板61の上に1枚の照度調整板10を載置するようにしていたが、これに限定されるものではなく、2枚以上の照度調整板10を載置するようにしても良い。2枚以上の照度調整板10を載置すると、反射によって減少する光量が多くなり、その枚数に応じて半導体ウェハーWの内側部分に到達する光量がさらに減少することとなる。何枚の照度調整板10を重ねるかは、半導体ウェハーWの内側部分に到達する光量が周縁部に到達する光量とほぼ等しくなるような枚数に決定すればよい。
また、上記各実施形態においては、半導体ウェハーに光を照射してイオン活性化処理を行うようにしていたが、本発明にかかる熱処理装置による処理対象となる基板は半導体ウェハーに限定されるものではない。例えば、窒化シリコン膜や多結晶シリコン膜等の種々のシリコン膜が形成されたガラス基板に対して本発明にかかる熱処理装置による処理を行っても良い。一例として、CVD法によりガラス基板上に形成した多結晶シリコン膜にシリコンをイオン注入して非晶質化した非晶質シリコン膜を形成し、さらにその上に反射防止膜となる酸化シリコン膜を形成する。この状態で、本発明にかかる熱処理装置により非晶質のシリコン膜の全面に光照射を行い、非晶質のシリコン膜が多結晶化した多結晶シリコン膜を形成することもできる。
また、ガラス基板上に下地酸化シリコン膜、アモルファスシリコンを結晶化したポリシリコン膜を形成し、そのポリシリコン膜にリンやボロン等の不純物をドーピングした構造のTFT基板に対して本発明にかかる熱処理装置により光照射を行い、ドーピング工程で打ち込まれた不純物の活性化を行うこともできる。
本発明に係る熱処理装置の構成を示す側断面図である。 図1の熱処理装置のガス路を示す断面図である。 保持部の構成を示す側断面図である。 サセプタの外観斜視図である。 ホットプレートを示す平面図である。 図1の熱処理装置の構成を示す側断面図である。 支持ピンによって半導体ウェハーを支持する支持領域を示す図である。
符号の説明
1 熱処理装置
4 保持部昇降機構
5 光照射部
6 チャンバー
7 保持部
10 照度調整板
61 透光板
65 熱処理空間
69 フラッシュランプ
71 ホットプレート
72 サセプタ
725 支持ピン
SA 支持領域
W 半導体ウェハー

Claims (6)

  1. 基板に対して閃光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置であって、
    基板に閃光を照射するフラッシュランプと、
    基板を収容するチャンバーと、
    前記チャンバー内にて基板を保持して加熱するホットプレートと、
    基板を前記ホットプレートの上方に近接させて点接触にて支持する複数の支持ピンと、
    を備えることを特徴とする熱処理装置。
  2. 請求項1記載の熱処理装置において、
    前記ホットプレートの上面に載置された石英の平板形状のサセプタをさらに備え、
    前記複数の支持ピンは基板を前記サセプタの上方に所定の距離を隔てて支持することを特徴とする熱処理装置。
  3. 請求項2記載の熱処理装置において、
    前記複数の支持ピンは、前記サセプタの上面から0.5mm以上2mm以下隔てて基板を支持することを特徴とする熱処理装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の熱処理装置において、
    前記複数の支持ピンに支持される基板は円板形状を有し、
    前記複数の支持ピンのそれぞれは基板の半径の中心よりも端縁部側にて基板を支持することを特徴とする熱処理装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の熱処理装置において、
    前記複数の支持ピンのそれぞれの上端部は直径0.5mm以上2mm以下の円筒形状であることを特徴とする熱処理装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の熱処理装置において、
    前記チャンバーの上部に設けられ、前記フラッシュランプから出射された閃光を前記チャンバー内に導く透光窓と、
    前記透光窓上に載置された石英板と、
    を備え、
    前記石英板の中心が前記複数の支持ピンに支持された基板の中心の鉛直方向直上に位置するように前記石英板を前記透光窓上に載置することを特徴とする熱処理装置。
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