JP2008185117A - 閉止栓装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 閉止栓装置1は、ガスの流動を開閉する円筒状回動部材3とそれを摺動自在に保持するケース2とを備えている。回動部材3は、連通口31a、31bを有する円筒状の弁体30とその外周面に固着された弾性体からなるライニング層32とその表面に塗布された潤滑剤を有するとともに、ライニング層32の表面に、潤滑剤を保持するためにV溝321が形成されている。V溝321は連通口31a、31bよりも長く形成するとともに弁体30の回転軸を中心として対称に配置することができる。
【選択図】 図3
Description
図1及び2において、分岐継手10は、地中に埋設された本管100に装着される分岐継手であり、本管100の上側の半円周面に装着される片スリーブ11aと本管100の残りの円周面に装着される片スリーブ11bを有する。これらの片スリーブ11a及び11bはともにサドル形状を有し、その内周面が本管100の外周面に密着するような曲率半径を有する円弧部とその両側に延出する締結部からなり、締結部に装着された複数組のT字型のボルト12a及びナット12bを含む締結部材により本管100に固定されている。
閉止栓装置1は、分岐部と本管100とを遮断するために挿入されるシャッター(不図示)を備えたシャッター装置(不図示)が取付けられるシャッター取付部4と、シャッター取付部4に設けられた開口40と、開口40と分岐部とにそれぞれ連通しシャッターの挿入方向と交差する方向に伸びる開口(不図示)を有する円筒状のケース2とを有する。シャッター取付部4は、開口40の周囲がOリング41でシールされるともに、ボルト43により平板フランジ42が固着されて密閉される。ケース2内には、開口40を開閉する回動部材3が挿入される。回動部材3の両端は、C型止め輪35a、35bにより固定される耐食プラグ34a、34bで密閉される。
図2〜4に示すように、回動部材3は、対称に配置され、軸方向に伸長する連通口31a、31bを有する円筒状の弁体30と、その連通口に臨む開口33a、33cと円周方向においてこれらの間に形成された開口33b、33dを有し弁体30の外周面に固着される弾性体からなるライニング層32を有する。すなわち、ライニング層32は、弁体30の外周面のうち開口33b、33dを除いた部分に固着され、また弁体30の外周面のうち開口33b、33dに臨む部分は露出しており、弁体の外周面の一部のみ(図示の例では約1/3円周)を被覆しているので、操作トルクの軽減に寄与する。ライニング層32の表面には、そこに塗布される潤滑剤を保持するための保持手段として、軸方向に伸長しかつ開口33a〜33dよりも長い幅を有する各開口33a〜33dの間に複数本のV溝321が弁体30の回転軸を中心として対称(回転対称)の位置に形成されている。V溝321は、少なくとも1本あれば潤滑剤を保持できるが、潤滑剤の保持機能を高めるために実用上は図示の如く複数本(例えば4本)であることが好ましい。また複数本のV溝を設ける場合、図示の例では対称位置に配置されているが、これに限定されない。ライニング層32にV溝321を形成する場合、溝の寸法(図4に示す開き角θ、深さh)はライニング層の厚さ材質や厚さ及び潤滑剤の種類などに応じて適宜設定することができる。
本発明において、潤滑剤としては、長期間にわたり潤滑機能を維持するために、グリースやオイルコンパウンドのような粘性の高い潤滑用材料を使用することが好ましい。グリースやオイルコンパウンドは、基油(潤滑油)に増ちょう剤(潤滑油を半固体又は固体状にする物質)と、必要に応じ添加剤(酸化防止剤等)を加えて(混和して)作成される。潤滑油としては、油性及びゴム性に優れたフッ素系合成油、ポリグリコール、合成炭化水素油、フェニルエーテル、又はシリコーンオイルのいずれかを用いることが好ましく、特にクロロプレンゴム(CR)からなるライニング層に対してはシリコーンオイルが好適である。増ちょう剤としては、石けん系(金属石けん等)、ウレア系(ジウレア等)、有機系(PTFE等)又は無機系(シリカ等)などが挙げられる。これらの潤滑剤のうちでは、電気絶縁性及び撥水性に優れ、化学的に不活性なシリコーンオイルコンパウンド{シリコーンオイルにシリカ、リチウム石けん、カーボンブラックなどの増ちょう剤のうちの少なくとも一種を添加してグリース状(ペースト状)としたもの}が好適である。
本管100は、内圧(ガス圧)及び外圧に対する強度が大で、耐食性を付与するための表面処理(例えば塗装)が可能で、しかも分岐取出しのための穿孔作業が行い得ることなどを考慮して、ねずみ鋳鉄(FC材:JIS G 5501)、球状黒鉛鋳鉄(FCD材:JIS G 5502)又は鋼管で形成することができる。各片スリーブ11a、11bは、所定の締付強度に耐えるために、例えば球状黒鉛鋳鉄(FCD材)で形成し、さらに防食性を付与するために、その表面が塗装することができる。各シール部材16a、16b、16cは、耐油性を有するジェン系特殊ゴム、例えばニトリルゴム(NBR)で形成し、Oリング41は、耐熱性に優れたオレフィン系ゴム、例えばエチレン−プロピレン・ジエン系ゴム(EPDM)で形成することができる。弁体30は、剛性の大なる材料(例えばFCD材)で形成し、その表面に固着されるライニング層32は、耐油性を有するジェン系特殊ゴム、例えばクロロプレンゴム(CR)で形成することができる。
上記分岐継手10によれば、本管100からの分岐管の取り出しは次の手順で行うことができる。両片スリーブ11a、11bを本管100に締結し、次いで閉止栓装置1を閉弁した状態で分岐部に穿孔部材(例えばカッター、不図示)を装着し、またシャッター取付部4にシャッター装置(不図示)を装着する。本管100に穿孔した後、閉止栓装置1を開弁し、シャッターを分岐部方向に挿入し本管100と分岐部とを遮断した上で、穿孔部材(不図示)を取外し、分岐部に分岐管(不図示)を接続する。次いでシャッターをシャッター装置側へ引き戻し本管100と分岐管(不図示)を連通させることにより、ガスが流通した状態の本管から分岐管の取り出しを行うことができる。最後に閉止栓装置1を閉弁することにより、分岐部とシャッター取付部4とを気密に遮断した後、シャッター装置を取外して、平板フランジ42を取付けることにより、シャッター取付部4を密封する。
上記の回動部材3の表面に潤滑剤(例えばグリース又はオイルコンパウンド)を塗布してから、ケース2に組込み、90°ずつ回転させることにより、弁の開閉操作を行うことができる。この操作の過程で、ライニング層は圧縮されるが、グリースはV溝に保持されるので、回動部材3を回転させると、V溝321からグリースがライニング層の表面に供給されるとともに回動部材3の回転方向に沿って延ばされるので、閉止装置が長期間放置された場合でも、弁の開閉操作を円滑に行うことができる。このV溝は軸方向に沿って所定本数だけ形成されているので、回動部材をケースに組込むときに、ライニング層が圧縮されてグリースがケース外にはみ出す現象が防止される。また、回動部材3の開口33b、33dにはライニング層32が存在しないので、ライニング層が圧縮されることによるシール面圧を確保しやすく、また弁の開閉操作トルクを軽減することができる。
(ライニング層にV溝を形成しない場合)
上記の閉止栓装置1(本管の呼び径200A)において、例えば、ライニング層(CRゴム、厚さ2.5mm)にV溝を設けない回動部材をケースに組付けた。この閉止栓装置において、ライニング層の締め代は0.35mmで、その表面にシリコーンオイルコンパウンドを塗布した。組付け時の弁体の操作トルク(以下始動トルクという)を測定した結果、100〜140Nm(試料数:5)であった。次いで閉止栓装置1を1.4年放置した後に、始動トルクを測定した結果、220〜320Nmに上昇し、人手(1人)で操作するのが極めて困難であることが確認された。
上記の閉止栓装置1において、例えば、ライニング層(CRゴム、厚さ2.5mm)に開き角θ=60°、深さh=1mmのV溝321を設け回動部材をケースに組付けた。この閉止栓装置において、ライニング層の締め代とその表面に塗布したグリースは上記と同様とした。組付け時の弁体の以下始動トルクを測定した結果、40〜54Nm(試料数:5)であった。次いで閉止栓装置1を1ヶ月以上放置した後に、始動トルクを測定した結果、82〜90Nmに上昇したが、100Nm以下の始動トルクなので人手(1人)で容易に操作できることが確認された。
本発明の閉止栓装置では、ライニング層を上記のものに限らず、次の構成とすることができる。
2:ケース、
3:回動部材、30:弁体、31a、31b:連通口、32:ライニング層、321:V溝、322:凹凸パターン、33a、33b、33c、33d:開口、34a、34b:耐食プラグ、35a、35b:C形止め輪、
4:シャッター取付部、40:開口、41:Oリング、42:平板フランジ、43:ボルト、
10:分岐継手、11a、11b:片スリーブ、12a:T型ボルト、12b:ナット、13:フランジ部、14:円板、15a:ボルト、15b:ナット、16a、16b、16c:シール部材、17:ベンド、18:プラグ、19:プラグ、
9:試験部材、91:固定治具、911:溝、912:ローラ、92:押圧治具、93:スライド板、S:ゴムシート
100:本管
Claims (6)
- ガスの流動を開閉する円筒状回動部材とそれを摺動自在に保持するケースとを備えた閉止栓装置において、前記回動部材は、連通口を有する円筒状の弁体とその外周面に固着された弾性体からなるライニング層とその表面に塗布された潤滑剤を有するとともに、前記ライニング層の表面に前記潤滑剤を保持する保持手段が形成されていることを特徴とする閉止栓装置。
- 前記保持手段は前記ライニング層の表面に形成された軸方向に伸長する少なくとも1本のV溝であることを特徴とする請求項1に記載の閉止栓装置。
- 前記V溝は前記連通口よりも長く形成されるとともに、前記弁体の回転軸を中心として対称に配置された複数のV溝であることを特徴とする請求項2に記載の閉止栓装置。
- 前記保持手段は前記ライニング層の表面に形成されたランダムな凹凸パターンであることを特徴とする請求項1に記載の閉止栓装置。
- 前記凹凸パターンは、5〜25μmの表面粗さ(Ra)を有することを特徴とする請求項4に記載の閉止栓装置。
- 前記ライニング層は、1〜3mmの厚さを有するジェン系特殊ゴムからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の閉止栓装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007018716A JP2008185117A (ja) | 2007-01-30 | 2007-01-30 | 閉止栓装置 |
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Family Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2007
- 2007-01-30 JP JP2007018716A patent/JP2008185117A/ja active Pending
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