JP2008184755A - 電熱型融雪マット - Google Patents

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Abstract

【課題】豪雪状態でも融雪効果が十分な融雪マットを製造する方法を提供する。
【解決手段】本発明の透水性ゴム・マットの製造方法は、粒径2〜5mmのチップ状にされたゴムとバインダーを重量比で1:0.08〜0.20にして混合し、型枠内に敷き詰めて熱ゴテで整形し、その上から重さ15kg以上で、かつ温度60〜80℃の熱ローラーをかけて固める。マットは、水を透過する隙間が15〜40%存在する。さらに、補強用ポリエチレンネットと共に電熱ヒーターをサンドイッチ状に内蔵したゴム・マットを形成する。該隙間から電熱ヒーターで溶けた雪が温水となって外部に漏れ出す。
【選択図】図1

Description

本発明は、豪雪地帯の路面や屋根、あるいは送電線の鉄塔の上に設置され、降雪を随時溶かして積雪しないようにした電熱型融雪マットに関する。
従来、路面や屋根に設置され、降雪が積もらないようにした電熱型融雪マットが、特開2000−120036号公報や実用新案登録第3120943号公報に示されるように公知である。
しかし、これら融雪マットの基材に用いられるゴム質シートは防水性のものであり、基材内部に電熱ヒータ等を内蔵して該ヒーターにより融雪しても、溶けた融水が上記ゴムマットの表面上に溜まり、表面が冷えてシャーベット状の雪となる。該シャーベット状の雪の上にさらに雪が積もると、次第に溶けずに積雪されるようになり、最終的にはマット上に雪が積もってしまう現象が生じる。これは、従来の電熱型融雪マットは、溶けた水がマット外に流出しないのでマット上に残り、該残った水が次から次に積もる雪に冷やされて凍ってシャーベット状になるので、ついには積雪力の方が上回り、溶けない雪がその上に積もるようになって、結果的に融雪マットの役をなさなくなるのである。
このように、防水性の基材を全面的に用いると、融雪効果が十分でない欠点があった。
また、透水性のゴムチップを用いて形成された融雪マットが、特開2005−282333号公報に開示されているが、具体的なマットの製造方法が開示されておらず、また、本発明のマットとは、基本構造も異なる。
特開2000−120036号公報 実用新案登録第3120943号公報 実用新案登録第3091933号公報 特開平10−262802号公報 特開2005−282333号公報
本発明は、従来の融雪マットのようにマット上にシャーベット状の雪が貯まった結果、その上に積雪してしまう現象を回避し、豪雪状態でも融雪効果が十分な電熱型融雪マットを製造する方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の透水性ゴム・マットの製造方法は、粒径2〜5mmのチップ状にされたゴムとバインダー(接着剤)を重量比で1:0.08〜0.20にして混合し、型枠内に敷き詰めて熱ゴテで整形し、その上から重さ15kg以上で、かつ温度60〜80℃の熱ローラーをかけて固めることにより、密度が約0.6〜0.8g/cm3であって弾力性があり、かつ水を透過する隙間が15〜40%存在することを特徴とする。
あるいは、本発明の電熱型融雪マットの製造方法は、粒径2〜5mmのチップ状にされたゴムとバインダー(接着剤)を重量比で1:0.08〜0.20にして混合し、型枠内に敷き詰めて熱ゴテで整形し、その上から電熱ヒーターを敷き、さらにその上に、粒径2〜5mmのチップ状にされたゴムとバインダー(接着剤)を重量比で1:0.08〜0.20にして混合して型枠内に敷き詰めて熱ゴテで整形し、該整形した基体を重さ15kg以上で、かつ温度60〜80℃の熱ローラーをかけて固めることにより、密度が0.6〜0.8g/cm3 であって弾力性があり、かつ水を透過する隙間が15〜40%存在すると共に、補強用ポリエチレンネット及び電熱ヒーターをサンドイッチ状に内蔵した透水性ゴム・マットを形成したことを特徴とする。
さらに、前記ゴム・チップは、粒径2〜5mmの範囲で粒径の異なる2種類以上のゴムチップを混合して製造することを特徴とする。
また、前記バインダー(接着剤)としてウレタン系バインダーを用い、外気気温10℃以上、湿度50%以上の環境で前記マットを製造することを特徴とする。
さらにまた、前記電熱ヒーターは、電熱線の間隔が50mm以下であり、定常状態で表面温度が60℃〜80℃になるものを使用することを特徴とする。
あるいは、前記電熱ヒーターの配線密度を、前記マット内部の中央部よりマット周辺部において大きくし、融雪時に前記融雪マット中心部より先にマット周辺部の融雪を促進したことを特徴とする。
本発明の方法で製造された電熱型融雪マットは、該マットの基材に十分な隙間を有するので、該マット内の電熱で溶かされた雪は、温水となって該隙間から外へ排出される。
したがって、融雪マット上に水が貯まることがなく、積雪がマット上にシャーベット状に残ることがない。このことにより、激しく降り積もる豪雪地帯でもマット上に雪が残ることがなく、融雪効果が抜群である。
また、上記マットから浸みだした温水はマット周辺の雪も溶かすことになるので、マットの周辺に積もった雪がマット上に落ちてマット上に積もり、該箇所がその後の積雪によって雪に埋まる現象も回避される効果がある。
このことにより、豪雪状態でのマット上の融雪された空間は従来の融雪マットと比較にならないほど開けた状態が維持される。
また、マット周辺部の発熱量をマット中心部より大きくすることにより、マット周辺部の融雪を中心部より先に促進し、マット周辺部の積雪のマット状への崩れ込みや橋架け現象による空洞部の形成を防止する。
本発明の電熱型融雪マットは、図1の構造を有する。
本発明の路面融雪用マットは、マット体12,14と、補強用ワイヤーメッシュ体2と、電熱部(電熱線31,電力供給線32,接続コネクタ33)3とで構成されており、該構造の基本的構造は、登録実用新案3091933号公報に提案されている。例えば、上記ワイヤーメッシュ体2のワイヤーの径は3.2mmであり、長さ510mm×12本、長さ1010mm×13本でメッシュ体を形成する。
以下、上記従来提案の融雪マットの概要を図13〜図16によって説明する。図13において、マット12の下には滑り止め用の板ゴム11を配置し、その上面に廃タイヤ・チップにバインダーを混合したものを適宜厚さに被覆してマット下層部12を形成する。
そしてマット下層部12の上面に、補強用ワイヤーメッシュ体2と、前記ワイヤーメッシュ体2に添わせて縛着した電熱線31を置く。なお電熱線31は、マット体1内を縦走する電力供給線32から、各マット内の電熱線31が並列接続となるように接続し、電力供給線32の両端は、接続コネクタ33を設けて、マット体の外方に露出させるようにしてなる。
例えば、電熱線はシリコンゴム被覆ヒーター線であり、ヒーターは100V−300Wである。ヒーター線は、シリコンゴム被覆の上からさらにガラス繊維で被覆する。
更に前記マット下層部12において、接続コネクタ33の近傍に、底面の一部を抉り取った収納凹部13を形成しておく。
補強用ワイヤーメッシュ体2と電熱線31及び電力供給線32をマット下層部12上に載置した状態で、カラーゴムチップにバインダーを混合してマット上層部14を形成し、補強用ワイヤーメッシュ体2と電熱線31及び電力供給線32を被覆するようにしてなる。
そして、前記のマット体は、舗装路面(非舗装路面でも良い)上に、複数枚を連ねて敷きつめていくもので、マット体の連結に際しては、接続コネクタ33で電気接続を実現すると共に、当該接続コネクタ33は、収納凹部13内に収納されるので、マットの継ぎ目に間隙が生じなく継ぎ目補修の必要が無くなる。
以上のように、ゴムチップをバインダーで一体化して形成したマット体内に、補強用ワイヤーメッシュ体と、メッシュ体に添わせて迂回配置すると共に、マット外露出端部に接続コネクタを設けた電力供給線と接続した電熱線を内装してなる路面融雪用マットで、所定の融雪熱源を備え、そのまま敷設し連繋するのみで所定の幅及び距離の融雪路面(融雪歩道)が形成でき、ワイヤーメッシュ体入りのゴムチップによるマット形成であるから、安価で且つ堅牢に製作でき、しかもクッション性が程良い歩行感覚を与えるものである。
本発明の融雪マットは、タイヤやくつ底等の廃ゴムをチップにしたものを主に使用する。また、マット上面には装飾用にカラーチップを用いてもよい。チップは、粒径2〜5mmのものを使用し、これと接着剤との混合比、および後述する熱ローラー等によるマット形成時の圧力等の加減により、弾力性があって曲げ等に対して容易には破損せず、かつ水が透過する隙間を内部に設けた融雪マットを形成する。
以下、本発明の電熱型融雪マットの製造方法の実施例を順を追って説明する。
(1)本発明のマットの基本構造は図1に示され、図4に示される中核となるメッシュ(ポリエチレン・ネット)41をまず用意する。
(2)次に、ヒーター線42メッシュ41に這わせる。該ヒーター線42には、図示されないが、防水密閉型コネクター、電源コードを取り付ける。この場合、熱圧縮型チューブやシリコンを用いてコネクタやコード部分の防水性を強化する。電熱線の間隔は、50mm以下とする。また、電熱線自体の温度は、電源を入れた後安定した状態で60℃以上80℃以下になるように設計する。
このように接続されたヒーター線は、水中につけて絶縁性能を試験する。
なお、この実施例においては、ヒーター線42の配線密度を中心部45より周辺部43,44の方を大きくしている。図4では、中心部45より、周辺部43,44の配線間隔を短くしている。この理由は、後述する。
(3)型枠(外形寸法:500mm×1000mm×20mm)を用意し、黒ゴム・チップ及びカラーゴム・チップ各1kgを混合しマーブル状態にし、バインダー(接着剤)240gを入れ、ミキサーで7分間かき回す。この時、黒ゴム及びカラーゴムは、粒径2〜5mmのチップ状にされたものを用いる。
この実施例は、表面の装飾用に高価なカラー・チップを黒ゴムに混合した物を用いているが、基本構造は黒ゴム・チップの基体12(図1)と同じである。装飾不要の場合は、安い廃ゴム等の黒ゴム・チップのみを用いてもよい。
なお、この実施例では、バインダーはウレタン系のもの(第一工業薬品製SK−18)を用いている。
このウレタン系バインダーを用いた場合、バインダーを硬化させる環境は、外気温度が10℃以上、湿度50%以上が必要である。外気温度が10℃以下であると硬化しないし、10℃以上であっても湿度が低いと硬化しないか、しても硬化に時間が掛かりすぎる。
(4)該バインダーと共に混合されたゴム・チップは、型枠に入れられ、図2に示すように熱ゴテで厚さ5mm程度にしっかり叩いて整地する。
この時、熱ゴテを使うことにより、前記ゴム粒子に付着したバインダーが、多少溶けて、基体表面を仮固めする効果がある。
別途黒ゴム2kgを用意し、バインダー240gを入れて前記同様7分間かき混ぜて前記マーブル状の層の上に敷き積め、熱ゴテでしっかり堅め厚さ1cmにする。
(5)上記厚さ1cmのゴム状ベースの上に、前記メッシュ及びヒーター線を載せ、別途用意した前記と同じ黒ゴム4kg、バインダー480gを混合したものを敷き詰める。
なお、図4に概観が示されるヒーター線42及びメッシュ41は、事前に水中に浸した絶縁抵抗試験を行う。メッシュは、金属線ではヒーター線と接触するような故障が発生した場合にショ−トの危険があるので、補強用ポリエチレンネットを用いている。
(6)上記のように積層したサンドイッチ構造の基材を全体をムラなく均一に詰めて、その上から図3に示すように重さ15kg以上、熱温度60〜80℃の熱ローラーを掛け、しっかり固める。ローラーの重さは、10〜20kgが好ましい。10kg以下では加圧力が不足し、ゴム粒子が十分接着せず、製造後のマットが脆くなる。一方、加圧力が大き過ぎると、バインダーが万遍なくマット内で分散されて接着する前に、圧力でバインダーが液状で抽出されてしまって接着が偏ったものとなってしまう。この場合は、マットは剥離を起こし易く、脆くなり、柔軟性を失ってしまう。
表面を平らに整形した後、最終的なコネクタの導通チェックを行う。例えば、マットの電力量は500Wである。
本発明の上記電熱型融雪マットの製造法は、水分が透過するマット基材の製造方法である点に特徴がある。
従来の融雪マットの基材に用いられるゴム質シートは防水性のものであり、基材内部に電熱ヒータ等を内蔵して該ヒーターにより融雪しても、溶けた雪が流出する通路がなく、その結果シャーベット状の雪が上記ゴムマット上に残り、該シャーベット状の雪の上にさらに雪が積もると次第に溶けずに積雪されるようになり、最終的にはマット上にも雪が積もってしまう欠点があった。
これに対して、本発明の電熱型融雪マットは、水透過性であり、該電熱で溶かされた雪は、温水となってマット内を透過し、外部に流出してしまう。
この様子を、図10に示す。図9は、上記マット単体の例90であり、ゴムチップ舗装構造91,黒ゴム・チップの基体92及び砕石、砂層93からなる構造を有する。なお、ゴムチップ舗装構造91は表面の装飾用に高価なカラー・チップを黒ゴムに混合した物を用いた物であり、基本構造は黒ゴム・チップの基体92と同じである。
このような本発明で用いるマット単体90に上から水を流した実験例が図10である。図10に見られるように、上部から降りかけられた水94は、マットの内部の隙間を通して容易にマット下部95に流出されてしまう。なお、このようなマット単体は、図11のような施工により公園等の水はけのよい表面舗装に用いられる。
本発明の融雪マットは、主成分が熱伝導性の低いゴム・チップであるので、内部のヒーターの熱は温存され、外気温に比べかなり高い温度(60℃〜80℃)が維持される。図12には、外気温を−10℃とした時の本発明の電熱型融雪マットの通電1時間後の表面温度の熱画像を示す。マット長辺部102、103は最大20℃、中心部101で10℃程度であった。なお、本発明では、マット中心部より周辺部のヒーター密度を高くして、マット周辺の雪が先に溶ける構造を推奨している。この理由は、後述する。実験例はこのような周辺部の表面温度が高い例を示している。
上記実験は、室内で行われたが、この発明の電熱型融雪マットは実際の積雪状態下で用いると、以下の現象が起きていると推測される。
表面に落ちた雪は、徐々に溶かされて内部に浸透し、中心部では温水となって、下部もしくは側部から外部に流れ出る。このときの温度はかなり高いので、該温水によってもマット周辺の雪が溶かされる。
仮に、降雪後しばらく経ってから通電したような、マット状に多少雪が積もっていた状態だとしても、以下のように融雪される。
通電後しばらく経つと、マット内のヒーター周辺の温度が上昇し、隙間に入り込んだ水が温められ、温水となって外部に排出される。その空いた透き間には、その上部からヒーターで溶かされた水が下降し、排出され、この循環によってついにはマット上の雪をも溶かしてマット内部を介して外部に排出してしまう。このようにして、本発明の融雪マットは積雪後通電してもマット上の雪を除去する能力がある。
このように製造された本発明の電熱型融雪マットは、清水中に30分浸して後絶縁試験をしたところ、新潟大学工学部でのAC1,000Vの絶縁耐圧試験及び直流1,000Vでの絶縁抵抗試験(測定結果:6―500MΩ)に合格した。また、接地漏洩電流測定(測定結果:0.08―0.1mA)にも問題がなかった。
本発明のマット内には意図的に隙間が作られていて、該隙間は溶けた温水の水路となる。水を透過する隙間は15〜40%存在する。好ましくは該空隙率は、約30%である。なお、使用したゴム・チップの密度は1.05g/cm に対して、マット基体の密度は0.6〜0.8g/cm である。
したがって、前記電熱ヒーターで溶かされた雪はマット上部はもちろん、マット内部にも残ることはなく、マット外部に流出してしまう。実験によれば、上記溶かされて温水となり外部に流出される時の温水の温度は約50℃である。
外部に流出した温水もさらにマット外周辺の雪をも溶かすことができる。外部温度が0℃以下の場合、マット外部は凍結していて当初は上記マット外部への融雪水の排水はスムーズでないが、徐々に上記排出された温水が、マット外部の凍結部分も溶かしていくので、時間の経過と共に、上記マット外部への融雪水の排出は促進される。実験によれば、外部気温がー10℃の状態でも、上記現象が確認できた。
このことは本発明の優れた融雪効果を示している。このことにより、本発明の電熱型融雪マットは、ある程度積雪が進んだ状態からヒーターを入れても融雪することが確認されている。
実験によれば、日降雪深で30cm程度の降雪は、完全に融雪することができる。北陸地方で発生頻度の多い新雪の降雪量で、−10℃の環境下でも1時間当たり2cmまでの降雪であれば、完全に融解する能力がある。
また、1.8cm/hの降雪強度で4時間を放置し、通電前に既にマット上に積雪が8cmあった状態から通電したら、その後も同じ降雪強度で実験したにも拘わらず、3時間半でマット上の雪はすべて溶解した。この完全溶解時にマット周辺には、降雪深が15cmであった。
本発明の電熱型融雪マットは、電熱ヒーターの配線密度を、前記マット内部の中央部より周辺部において高くし、融雪時に前記融雪マット周辺部の融雪を促進したことを特徴とするが、マット上に積もった雪を溶かす場合、マット長辺部が先に融雪することは重要である。もし、マット全体が均一に融雪するならば、マット上の雪は周囲の雪とつながって支えられ、融雪しても沈降し難いためマット直上に空洞が形成されやすい。一旦空洞ができると融雪能力が低下することは明らかなので、マット上の雪はすべて融雪することが望ましい。
本発明の電熱型融雪マットは、上記のように電熱ヒーターの配線密度を前記マット内部の中央部より周辺部において高くし、融雪時に前記融雪マット周辺部の融雪を促進しているので、積雪後に通電した場合でもまずマット周辺部が融雪され、残った中央部の雪とマット外周辺部の雪との連絡が遮断されるので、上記のようにマット上に空洞が形成されることがなく、マット上の雪は完全に融解する。このように、空洞ができない構造の方が融雪効果が大きいのはいうまでもない。
図12は、電熱型融雪マットの熱分布測定結果を示す。図12に示すように、本発明の実施例は、マット中心部101より周辺部102,103の方が温度上昇が大きいことが観察される。
また、従来の電熱型融雪マットは、マット周辺の雪を溶かす能力がない。このため、マットの周辺に積雪した雪が高くなると、ついには崩れ、マット上に覆い被さってしまう。これにより、仮にマット上の雪がすべてとかされていたとしても、マット上の周辺部分は雪に覆われてしまい、結果的にマット上の融雪空間が狭まってしまう欠点がある。
しかし、本発明の電熱型融雪マットの場合は、溶けて流れ出る温水がマット周辺の雪をも溶かすので、マット上のみならず、その周辺の空間にも融雪空間を形成するので、結果的に従来のマットより融雪空間が広くなる効果がある。少なくとも、マット上の周辺部が上記従来のようにマット周辺の積雪によって埋まってしまうことがない。
比較例1
前記本発明と同様の製法で、加熱無しで加圧のみで融雪マットを形成した。
加熱を行わないで、加圧のみで融雪マットを製造すると、バインダーが凝固前に加圧により液だれ象を起こし、ゴム・チップ間に目詰まりを起こし、透水性が失われる。例えば、バインダーはゴムチップ内部を降下し、マット底面にバインダーにより膜が形成される。この膜は、水を透過しないので、このようにして製造された融雪マットは従来の防水性マットで作られた融雪マットと同じ欠点を有する。
本発明の製法によれば、適度の加熱により上記液だれ現象を起こさない速さでバインダーが凝固するのでゴムは加圧による圧着された状態を保持し、またゴムチップ間に隙間を確保できる。加圧のみでは、加圧をやめると、ゴムの反発力で瞬時に圧着前の状態に戻ってしまう。
比較例2
逆に、加圧無しで加熱のみで融雪マットを形成すると、ゴムチップ間の隙間が大き過ぎてゴムチップ間の接着面積が確保できず、早期に剥離を起こしてしまう。本発明の製法は、加熱と共に加圧することにより、接着面積を確保すると共に適度の空間を確保できるのである。
比較例3
前記本発明と同様の製法で、5mm以上の粒径のゴムチップのみを用いてマットを製造したら、ゴムチッップ間の隙間が大き過ぎて接着力がなくなることが分かった。接着強度が不足するため、ひび割れ、チップの欠落を引き起こし、製造として失敗であった。
また、前記本発明と同様の製法で、2mm以下の粒径のゴムチップのみを用いてマットを製造したら、細かすぎてバインダーを多く使わなければならず、透水性が無くなってしまった。
さらに、粒径2mmだけのチップを用いても、あるいは粒径5mmだけのチップを用いても融雪はできるが、隙間が大きくなって温められた水を保水できないことが分かった。
このことより、粒径2〜5mmのゴムチップは、2種類以上を混合して用いる方が好ましいことが分かった。
上記のように、1種類のゴムチップで製造したマットは、温められた水がマット内にある程度残らないのでマット全体を温めることができず、また温水による水平への熱の伝搬が無いので熱線上だけしか融雪せず、融雪効果が低いことが分かった 。
比較例4
前記本発明と同様の製法で、ゴムチップとバインダーの重量比が8%以下の場合、バインダーの量が不足するため著しく強度に低下し、ぼろぼろ欠けるものとなってしまった。
また、同様に、ゴムチップとバインダーの重量比が20%以上の場合、ゴムチップと混ぜ合わせたバインダーが硬化する前に沈下してしまった。このため、バインダーがゴムマットの底部に溜まり、これが硬化することによりバインダーの膜ができると共に目詰まりが起こり、透水性が無くなってしまった。
また、ウレタン系バインダーを使用した場合、外気気温が10℃以下の冬に製造したら、いつまでたっても硬化せず、失敗であった。また、乾燥状態でも硬化せず、外部環境として50%以上の湿度が必要であることが判明した。
比較例5
前記本発明と同様の製法で、ヒーターコードを低温度(60℃以下)のものを使用したが、ゴムマットが温まるのに時間が掛かり、雪による冷却の方が大きく、融雪効果があまり無かった。
逆に、ヒーターコードを高温度(80℃以上)のものを使用したところ、融雪効果は大きかったが、マット表面の温度が高くなりすぎて、皮膚に触ったら火傷をする恐れが生じた。また、高温度のヒーターコードは、電力消費の面でも不利で、無駄な電力を消費することになった。
また、高温度ヒーターコードは高価なため、コスト的に短くして用いることになり、このため逆にコード間の間隔が空いて、マット全体を温められない矛盾を生じた。また、該コードが重なった場合、その部分が高温になり、断線する故障が生じた。
このような製造方法で製造された本発明の電熱型融雪マットは、図5や図6のように、積雪時に道路や階段のところに敷いて用いられる。
また、図7のように、屋根上に並べて敷けば、屋根上の積雪を防止することができる。屋根上の除雪は豪雪地帯の難事業であり、特に年寄りしかいない家庭ではたいへんである。また、屋根の除雪時の落下事故等も多いが、本発明の電熱型融雪マットは、このような真冬時の除雪作業を無くすことができる。
図1は、このような用途に応じて各種サイズの融雪マットが用意されることを示している。
特殊な応用例としては、図8に示すような送電線の鉄塔での積雪防止に有用である。送電線の鉄塔は、山奥等の除雪作業が不便な環境にあり、その作業は困難を極める。送電線近辺には通常の電源線も設置されており、これの電力を用いることにより、本発明の電熱型融雪マットは、無人で、かつ有効に送電線の鉄塔上の積雪を防止し、該積雪による送電線の事故の発生を防ぐことができる。従来の融雪マットでは、融雪能力に劣り、このような極寒の環境下で有効に融雪できるものはなかった。
前記のように、本発明の電熱型融雪マットは、融雪効果が抜群であり、通常の降雪ではマット上は完全に融雪されると共に、溶けた温水が周辺にも流れ出して融雪し、マット周辺の融雪空間も広く形成することができる。このことにより、マット周辺の積雪がマット上に崩れ落ちてマットが埋まる確率も従来の融雪マットより小さい。また、本発明の電熱型融雪マットは、マット周辺から先に融雪するので、マット上に積雪後融雪してもマット外の積雪と連結して空洞を作ることがない。
本発明の電熱型融雪マットは、ゴム製基体の内部にヒーターが埋め込まれているので、外気温が下がってもヒーター周辺の温度は50℃以上であり、透水性があるので、仮にマット上が積雪状態であってもヒーター周辺では融雪された温水が外部に流出し、残った空間に次の融雪が始まり、これがマット上部に及ぶため、最終的には徐々にマット上の積雪も融雪してしまう効果がある。
本発明の電熱型融雪マットの製造方法は、前記のような多方面に有用な電熱型融雪マットをタイヤやくつ底等の廃ゴムから安価に、かつ簡便に作ることができ、その産業利用性は高い。
本発明の製造方法で作られた電熱型融雪マットは、透水性があるので、積雪時に道路や階段のところに敷いて用いられた場合、融雪効果が抜群であると共に、流れ出る温水によってマット周辺の雪をも溶かすので、マット上の融雪空間が従来のものよりはるかに広い。したがって、産業上の有用性も高い。
また、屋根上に並べて敷けば、屋根上の積雪を防止することができ、真冬時の除雪作業を無くすことができる。
また、送電線の鉄塔での積雪防止に用いれば、無人で、かつ有効に送電線の鉄塔上の積雪を防止し、該積雪による送電線の事故の発生を防ぐことができるので、電力会社にとっての効用が高い。
本発明の電熱型融雪マットの構造を示す図である。 本発明の電熱型融雪マットの製造方法の準備過程の1つを示す図である。 本発明の電熱型融雪マットの製造方法における熱ローラーをかける過程を示す図である。 本発明の電熱型融雪マットの製造方法に用いるメッシュ及びヒーター部分を示す図である。 本発明の電熱型融雪マットの通路への適用例を示す図である。 本発明の電熱型融雪マットの階段への適用例を示す図である。 本発明の電熱型融雪マットの屋根への適用例を示す図である。 本発明の電熱型融雪マットの送電線鉄塔への適用例を示す図である。 本発明の融雪マット単体の例を示す図である。 図9の融雪マットの透水実験結果を示す図である。 本発明のマット単体の施工手順例を示す図である。 本発明の電熱型融雪マットの熱分布測定結果を示す図である。 従来提案の電熱型融雪マットの分解構造図である。 従来提案の電熱型融雪マットの斜視図である。 従来提案の電熱型融雪マットの連結構造を示す図である。 従来提案の電熱型融雪マットの断面構造を示す図である。
符号の説明
2 補強用ワイヤーメッシュ
3 電熱部
12 マット体
14 マット体
31 電熱線
33 コネクタ
91 ゴムチップ舗装構造
92 黒ゴム・チップの基体
93 砕石,砂層

Claims (6)

  1. 粒径2〜5mmのチップ状にされたゴムとバインダー(接着剤)を重量比で1:0.08〜0.20にして混合し、型枠内に敷き詰めて熱ゴテで整形し、その上から重さ15kg以上で、かつ温度60〜80℃の熱ローラーをかけて固めることにより、密度が約0.6〜0.8g/cm3 であって弾力性があり、かつ水を透過する隙間が15〜40%存在することを特徴とする透水性ゴム・マットの製造方法。
  2. 粒径2〜5mmのチップ状にされたゴムとバインダー(接着剤)を重量比で1:0.08〜0.20にして混合し、型枠内に敷き詰めて熱ゴテで整形し、その上から電熱ヒーターを敷き、さらにその上に、粒径2〜5mmのチップ状にされたゴムとバインダー(接着剤)を重量比で1:0.08〜0.20にして混合して型枠内に敷き詰めて熱ゴテで整形し、該整形した基体を重さ15kg以上で、かつ温度60〜80℃の熱ローラーをかけて固めることにより、密度が0.6〜0.8g/cm3 であって弾力性があり、かつ水を透過する隙間が15〜40%存在すると共に、補強用ポリエチレンネット及び電熱ヒーターをサンドイッチ状に内蔵した透水性ゴム・マットを形成したことを特徴とする電熱型融雪マットの製造方法。
  3. 前記ゴム・チップは、粒径2〜5mmの範囲で粒径の異なる2種類以上のゴムチップを混合して製造することを特徴とする前記請求項1または2記載の透水性ゴム・マットの製造方法。
  4. 前記バインダー(接着剤)としてウレタン系バインダーを用い、外気気温10℃以上、湿度50%以上の環境で前記ゴム・マットを製造することを特徴とする前記請求項1または2記載の透水性ゴム・マットの製造方法。
  5. 前記電熱ヒーターは、電熱線の間隔が50mm以下であり、定常状態で表面温度が60℃〜80℃になるものを使用することを特徴とする前記請求項2記載の電熱型融雪マットの製造方法。
  6. 前記電熱ヒーターの配線密度を、前記マット内部の中央部よりマット周辺部において大きくし、融雪時に前記融雪マット中心部より先にマット周辺部の融雪を促進したことを特徴とする前記請求項2記載の電熱型融雪マットの製造方法。
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