JP2008184657A - 表面処理銅箔及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プリント配線板用銅箔において、従来から防錆処理剤として用いられてきた六価クロムを用いることなく、従来六価クロム処理銅箔と同等の防錆能力と樹脂接着力を持ちさらには残留クロム量の少ない銅箔を提供することである。
【解決手段】銅箔の少なくとも一方の面に、ニッケル、コバルト、タングステンのうち少なくとも一つ以上から選択された金属またはこれら金属とメタロイド金属であるリン又は、ほう素との間で形成された合金層を形成し、該合金層上にクロム錯体であるトリスオキサラトクロム酸カリウム塩の溶液中で陰極電解して三価クロメート被膜を形成し、さらに該クロメート皮膜上にシランカップリング剤層を形成させる。
【選択図】なし

Description

本発明は三価クロムをクロム源とすることで有害な六価クロムを使用することなく、残留クロム量の少ない環境適合性の高い、プリント配線板用銅箔とその製造方法に関するものである。
現在、プリント配線板用銅箔として使用されている銅箔の殆どが、表面処理として六価クロムを用いたクロメート処理を施している。プリント配線板用銅箔へのクロメート処理には大きく2つの目的がある。一つは銅箔の酸化変色を防ぐための、防錆力の付与であり、もう一つは接着力の向上である。この2つの特性を満足させる為に従来、クロメート処理液には六価クロムが用いられてきた。銅箔のクロメート処理法としては六価クロムを含む水溶液に浸漬する化成処理法や銅箔を陰極として六価クロム水溶液中で電解する電解クロメート処理が挙げられる。このような方法によって生成されたクロムの水和酸化物層から成る無機高分子被膜は主として三価クロムから構成されている。このようにして形成された無機高分子被膜はその優れた酸素遮断特性から良好な防錆能力を発揮すると共に、その構造中に存在する水酸基によって接着力の向上にも寄与すると言う極めて優れた防錆皮膜として存在してきた。しかしながら近年、六価クロムの電気・電子機器への使用はRoHS指令やWEEE指令等で規制されてきている。
一方、鉄鋼の分野、特に亜鉛めっき鋼板では既に六価クロムを用いない代替クロメート処理として三価クロムを用いた化成処理法が実用化されてきている。また非鉄分野に於いてはアルミニウムやその合金に於いてジルコニウム塩水溶液による化成処理法が提案されてきており、従来の六価クロメート処理と遜色のないレベルにまで防錆力が向上してきている。しかし、同様に非鉄材料である銅箔に関しては代替クロメートに関する事例は少なく一部に無機三価クロム水溶液による化成処理法や電解処理法が提案されている。
銅箔の代替クロメート化成処理法としては特許文献1及び2を例示することができる。これら特許文献によれば銅箔の粗面に亜鉛めっき処理を施した後に無機三価クロム水溶液へ浸漬することでクロムの水和酸化物層を形成することを特徴としている。しかしながらこの方法では浸漬処理であるためクロムの析出量を制御することに困難を伴うと共に、亜鉛の溶解によって生成したクロメート被膜はその構造は明らかではないが、厚い緑色のゲル状水和酸化物が形成されることがある。このような処理を施した銅箔を樹脂基材に貼り合わせた後、エッチングを行うと、銅箔が接着していた側の樹脂基板面に三価クロムが残留し、著しい場合には基板面が緑色に着色する。このような基板面の変色、汚れ、着色をブラウントランスファー性と呼んでいるが、この様な異常に対する耐性が低いことが問題であり、さらには亜鉛めっき層が存在するために回路形成時にエッチングアンダーカットが生じ易いという問題も存在する。
また、無機三価クロム水溶液による陰極電解処理法は特許文献3で開示されている。この方法では前述の亜鉛めっき層の溶解に伴うクロムの水和酸化物層の析出という形態を取らず、陰極電解法を用いるため、電気量の制御によって積極的にクロムの析出量を制御出来るが、化成処理、電解処理の何れのクロメート層の析出形態を取っても、従来の六価クロムの還元に伴って生成する極薄い無機高分子被膜ではなく、厚い緑色の析出層が形成される。この為、既述の耐ブラウントランスファー性が劣るという問題が生じる事に加え、防錆能力や樹脂接着性も六価クロムからの防錆処理層に比較して全く満足できる水準ではない。
また、銅および銅合金に対しては古くからベンゾトリアゾールやカルボキシベンゾトリアゾールに代表される有機防錆皮膜が用いられてきているが、これら単独では一次防錆としての様相が強く、防錆皮膜耐熱性や樹脂との接着力の観点から十分な特性が得られておらず、六価クロメート処理の防錆能力の補助的な役割を担うにすぎない。
尚、JIS H 0400に規定された電気めっき用語の中で、クロメート処理とは「クロム酸又は重クロム酸塩を主成分とする溶液中に品物を浸漬し防錆被膜を生成させる方法」とある。また、クロムの化合物には二価、三価、六価の酸価数をとるが、二価化合物をクロマス、三価化合物をクロミック、六価化合物をクロメートと呼んでいる。従って本来であればクロメート処理とは六価のクロムによる処理を指すことになる。しかしながら処理液中に含まれるクロム元素の価数や生成被膜中のクロムの価数に無関係に、一般にクロムで構成された防錆被膜および、その処理方法全般をクロメート又はクロメート処理と呼んでいるのが現状である。従ってここでは特に処理液のクロム源の酸化数が六価であるか又は二価或いは三価であるかを明確にする必要がある場合には、クロメートの用語にその酸化数を付記した。
特開2005−340633号公報 特開2006−319286号公報 特開2005−60756号公報
従って本発明の課題は有害な六価クロムを用いることなく、銅箔面に従来の六価クロムを含む水溶液から形成されたのと同等程度の防錆能力を有することに加え、残留クロム量の少ない樹脂密着性に優れた表面処理銅箔及びその処理方法を提供することである。
上記課題を解決するために種々の三価クロムをクロム源とする溶液で銅箔の陰極電解処理を行った。その結果、三価クロム錯体中で陰極電解を行うことにより、無機三価クロム溶液中で陰極電解を行ったときよりも少ないクロム水和酸化物析出量であっても従来六価クロムによるクロメート処理に比肩しうる良好な防錆力と樹脂接着性を示すとの知見を得た。
従って本発明は三価クロム錯体であるトリスオキサラトクロム酸水溶液中で銅箔を陰極電解してクロメート被膜を形成させた銅箔又はそれを使用した銅張り積層板であることを特徴とし、銅箔上に、ニッケル、コバルト、タングステン、モリブデンのうち少なくとも一つ以上から選択された金属又はこれら金属とメタロイド金属であるリン又は、ほう素との間で形成された合金層を有し、該金属層上に前記クロメート処理が形成されていることが望ましく、前記クロメート層上にシランカップリング剤層を形成させることが望ましい。
有害な六価クロムを使用することなく、従来六価クロメート処理と同等の防錆能力と樹脂接着性を有する防錆被膜を形成することが出来る。加えて従来六価クロメート防錆被膜に比較して残留クロム量が少ないという特徴を有する。
以下本発明について詳述する。
銅箔の少なくとも一方の面に、ニッケル、コバルト、タングステン、モリブデンのうち少なくとも一つ以上から選択された金属又はこれら金属とメタロイド金属であるリン又は、ほう素との間で形成された合金層を形成する。このバリア層については例えば特許第3709142号公報に記載の通りである。バリア層の厚みは5mg/m以上、400mg/m以下であることが好ましく、更に好ましくは10mg/m以上、300mg/m以下である。バリア層厚みが5mg/m未満ではバリア効果が劣るために防錆力が低下する一方で、400mg/mを超えると樹脂接着性が低下する。
次いで形成したバリア層上に三価クロムをクロム源とするクロメート処理を施す。ここではクロメート溶液中に含有する三価クロムとしてトリスオキサラトクロム酸を用いた。この水溶液中で銅箔を陰極として電解処理を行うが、この処理における、トリスオキサラトクロム酸カリウム三水和物濃度、電解電流密度等の電解処理条件に対する析出膜厚さの依存性がほとんど無い。従って、トリスオキサラトクロム酸の濃度は特に定めないが、5g/L以上、50g/L以下であることが好ましい。この濃度範囲を超えての使用は、くみ出し処理液中の薬剤濃度が増える事に加え、水洗水量が増加するなど不経済である。また電解電流密度は実工程を考慮したとき0.5A/dm以上、10A/dm以下である事が好ましい。
処理液のpHは3.0以上、8.0以下で管理されることが好ましい。特に8.0を超えるpHでは処理液がゲル化し、更に高いpHでは配位子のしゅう酸根が脱離する。これに対して3.0未満の酸性度は許容できるが、やはり実工程を考慮すれば既述のpH領域であることが好ましい。従ってこのpH範囲を維持するためにも適時、緩衝剤を添加することが好ましい。例えばクエン酸ナトリウムなどが緩衝剤としてあげられる。陽極には不溶性陽極を用いるが、陽極の電位の上昇と共に酸素発生が起こる。更なる電位上昇によるクロムの三価から六価への酸化反応の可能性を防ぐためにも、優先的に酸化分解されるモノカルボン酸やジカルボン酸を添加しても良い。
尚ここで用いたトリスオキサラトクロム酸の塩形態はカリウム塩に限定されるものではなく、例えばナトリウム塩でも良い。
トリスオキサラトクロム酸溶液中での陰極電解後に形成された三価クロメート皮膜上にシランカップリング処理を施す。ここでは種々のシランカップリング剤を用いることができる。以下に示すカップリング剤に限定される訳ではないが、例えば有機材料と反応結合する官能基で分類すれば、ビニルシラン、エポキシシラン、アミノシラン、メタクリロキシシラン等がその代表としてあげられ、これらシランカップリング剤の単独又は二つ以上の混合物を用いる。またカップリング剤の濃度は0.5mL/L以上、10mL/L以下が好ましい。0.5mL/L未満では防錆能力や樹脂接着性が十分でなく、又10mL/Lを超える濃度ではシミが発生するなど外観を損ねる上に薬剤の消費量が多く不経済である。シランカップリング処理の一つの例としては、液温30℃で5秒間浸漬後、直ちに処理液から取り出して乾燥させる。
以下、本発明の実施例と比較例を示す。
<実施例1>
・バリア層の形成
あらかじめ公知の方法で未処理銅箔の粗面を粗化処理した35μm銅箔を用意し、その粗化処理面に浴(A)に記載の処理浴中で、0.7A/dm、2秒間陰極電解してバリア層を形成した後、水洗を行った。
浴(A)
硫酸ニッケル・6水和物 30g/L
酢酸ナトリウム 10g/L
次亜リン酸 2g/L
タングステン酸ナトリウム 3g/L
pH(硫酸で調整) 4.5
液温 30℃
・三価クロメート層の形成
続き、バリア層面に浴(B)に記載の処理浴中で2A/dm、3秒間陰極電解して三価クロメート皮膜を形成した。尚、三価クロメート処理液のクロム源は六価クロムを還元したクロム錯体であるトリスオキサラトクロム酸カリウム塩を用いた。この化合物の合成は、しゅう酸カリウム23gと、しゅう酸55gを水1000mLに溶解しこの溶液に二クロム酸カリウム粉末をかくはんしながら徐々に加えてクロムの還元反応を行うことで得られる。反応の終了した暗緑色の溶液を加熱濃縮し放冷して暗青緑色の結晶を得、未反応六価クロムの影響を排除するために、2回の熱水からの再結晶操作を繰り返して純粋な目的物質を得た。このようにして得られた結晶の水溶液を島津製作所製、分光光度計UV-1600型で吸収曲線を測定したところ416nm(ε=110)と565nm(ε=87)に吸収極大を持つことから、トリスオキサラトクロム酸カリウム塩の合成が確認できた。また残留六価クロムはジフェニルカルバジドを使ったパックテストを行った結果、六価クロムは検出されなかった。
浴(B)
トリスオキサラトクロム酸カリウム・3水和物 35g/L
クエン酸ナトリウム 10g/L
pH(しゅう酸で調整) 5.0
・シランカップリング剤層の形成
続き、三価クロメート処理面に3−アミノプロピルトリエトキシシランの1mL/L水溶液に5秒間浸漬した後、乾燥させて表面処理銅箔を得た。
尚、この銅箔のバリア層のニッケル量は13mg/mであり、又りん量は1.0mg/m、タングステン量は0.2mg/mであった。
得られた銅箔はFR−4グレードのエポキシ樹脂含浸ガラス基材に積層し成形圧力4MPa、温度170℃、時間60分間の条件でプレスし成形した。この銅張り積層板の各特性試験を行った結果を表1に示した。
<実施例2>
実施例1と同様に、あらかじめ公知の方法で未処理銅箔の粗面を粗化処理した35μm銅箔を用意し、その粗化処理面に浴(C)に記載の処理浴中で、0.7A/dm、2秒間陰極電解してバリア層を形成した後、水洗を行った。尚、この銅箔のバリア層のニッケル量は44mg/mであった。
浴(C)
硫酸ニッケル・6水和物 30g/L
酢酸ナトリウム 10g/L
pH(硫酸で調整) 4.5
続く、3価クロメートによるクロメート処理、さらに続くシランカップリング剤処理は実施例1の方法に従った。さらに実施例1と同様の銅張積層板の各特性試験を行い、その結果を表1に示した。
<実施例3>
実施例1に於ける、浴(B)中のトリスオキサラトクロム酸カリウム溶液の濃度を50g/Lとしたこと以外は、実施例1と同様の方法で表面処理銅箔を得た。得られた表面処理銅箔は実施例1と同じ銅張積層板の各種特性試験を行い、その結果を表1に示した。
<実施例4>
実施例1に於ける、浴(B)中での陰極電解条件を、10A/dm、通電時間1秒としたこと以外は、実施例1と同様の方法で表面処理銅箔を得た。得られた表面処理銅箔は実施例1と同じ銅張積層板の各種特性試験を行い、その結果を表1に示した。
<比較例1>
実施例1に於ける、浴(B)中での陰極電解を行わず、5秒間の浸漬処理としたこと以外は、実施例1と同様の方法で表面処理銅箔を得た。得られた表面処理銅箔は実施例1と同じ銅張積層板の各種特性試験を行い、その結果を表1に示した。
<比較例2>
実施例1に於ける、浴(B)を三価クロム源としてCrOの低級酸素酸塩による還元三価クロム浴を含む浴(D)に変更し、電解電流密度2A/dmで通電時間3秒間の陰極電解を行ったこと以外は、実施例1と同様の方法で表面処理銅箔を得た。得られた表面処理銅箔は実施例1と同じ銅張積層板の各種特性試験を行い、その結果を表1に示した。
浴(D)
CrO 50g/L
亜リン酸 100g/L
pH 2.0
<比較例3>
実施例1に於ける、浴(B)を硫酸クロムを三価クロム源とする浴(E)に変更し、電解電流密度2A/dmで通電時間3秒間の陰極電解を行ったこと以外は、実施例1と同様の方法で表面処理銅箔を得た。得られた表面処理銅箔は実施例1と同じ銅張積層板の各種特性試験を行い、その結果を表1に示した。
浴(E)
硫酸クロム 50g/L
硝酸ナトリウム 20g/L
pH 2.0
<比較例4>
実施例1に於ける、浴(B)を硫酸クロムカリウムを三価クロム源とする浴(F)に変更し、電解電流密度2A/dmで通電時間3秒間の陰極電解を行ったこと以外は、実施例1と同様の方法で表面処理銅箔を得た。得られた表面処理銅箔は実施例1と同じ銅張積層板の各種特性試験を行い、その結果を表1に示した。
浴(F)
硫酸クロムカリウム・12水和物 50g/L
硝酸ナトリウム 20g/L
pH 4.0
<比較例5>
実施例1に於ける、浴(B)を従来法である六価クロムを含む浴(G)に変更し、電解電流密度2A/dmで通電時間3秒間の陰極電解を行ったこと以外は、実施例1と同様の方法で表面処理銅箔を得た。得られた表面処理銅箔は実施例1と同じ銅張積層板の各種特性試験を行い、その結果を表1に示した。
浴(G)
二クロム酸ナトリウム二水和物 10g/L
酸化亜鉛 0.5g/L
水酸化ナトリウム 50g/lL
pH 13.5
引き剥がし強さは1mmの幅で測定し、その他の条件はJIS-C-6418に準拠した。また耐塩酸性は6mol/L、25℃の塩酸に20分間浸漬後の引き剥がし強さを測定し、その劣化率を求めた。
防錆試験は60℃、相対湿度80%の恒温恒湿器に処理面同士を合わせた表面処理銅箔を48時間保持して、処理面の変色の有無を目視にて観察した。
変色なし ○
変色あり ×
耐ブラウントランスファー性試験については樹脂成形基板の銅箔面を塩化第二銅で全面エッチング後、樹脂基板を25℃、1mol/Lの塩酸に15分間浸漬する。さらに15分間の流水水洗を行い、170℃、30分間オーブンで加熱した後の基板面の変色で評価した。
変色なし ○
変色あり ×
実施例が示すようにトリスオキサラトクロムカリウムを三価クロム源とするクロメート処理は比較例5に示した従来法である六価クロムによるクロメート処理と同等の引き剥がし強さと、防錆能力を有していることが分かる。また特筆すべき点は、このような特性が従来法のおよそ1/40のクロム量で実現できる点である。また無機三価クロム塩、又は別法による六価クロムの還元塩をクロム源とした処理である比較例1、2、3に於いては実施例に比較して高いクロム固定量を示すが、引き剥がし強さや防錆能力が満足できる水準にない。また比較例1が示すとおり、トリスオキサラトクロムカリウムを使っても浸漬処理では防錆能力や樹脂密着性を向上させる皮膜を形成できていないことが分かり、実施例に示した結果はトリスオキサラトクロム酸カリウムの陰極電解反応によって特異的にもたらされた結果であることを示している。
銅箔の従来から用いられてきた六価クロメートの代替として実用可能であり、又銅箔へのクロム残留量が従来の1/40程度と少ないため環境への負荷が小さい。プリント配線板用のみならず、電池材料や電磁波シールド材、さらには一般的な銅材、又は銅合金材料の防錆としても適用の可能性がある。

Claims (3)

  1. 三価クロム錯体であるトリスオキサラトクロム酸水溶液中で銅箔を陰極電解してクロメート被膜を形成させた銅箔又はそれを使用した銅張り積層板。
  2. 銅箔上に、ニッケル、コバルト、タングステン、モリブデンのうち少なくとも一つ以上から選択された金属又はこれら金属とメタロイド金属であるリン又は、ほう素との間で形成された合金層を有し、該金属層上に請求項1に記載のクロメート処理層が形成された銅箔及びその製造方法。
  3. 前記クロメート層上にシランカップリング剤層を形成させたことを特徴とする銅箔及びその製造方法。
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