JP2008184451A - 抗菌防カビ剤 - Google Patents

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克己 篠田
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Abstract

【課題】耐熱性および耐水性に優れ、優れた抗菌防カビ効果を発揮する抗菌防カビ剤を提供する。
【解決手段】2価以上の超強酸イオンを対イオンとする第4級アンモニウム超強酸塩(A)を含有する抗菌防カビ剤であって、(A)が、一般式(1)で表される第4級アンモニウム超強酸塩(A1)であることが好ましい。

式中、R1およびR2は、同一の又は異なる、脂肪族炭化水素基;R3は、脂肪族炭化水素基、アリールアルキル基又はアリールアルケニル基;R4は、脂肪族炭化水素基;fは2以上の整数、Xf-はf価の超強酸イオンを表す。
【選択図】なし

Description

本発明は、抗菌防カビ剤に関する。さらに詳しくは、第4級アンモニウム超強酸塩型抗菌防カビ剤に関する。
従来、樹脂および繊維などに用いられる抗菌防カビ剤としては、銀、銅および亜鉛ゼオライト(特許文献−1参照)や、イミダゾール系化合物(特許文献−2参照)などが知られている。
特開平6−116458号公報 特開昭52−7435号公報 また、木材に用いられる抗菌防カビ剤としては、ジデシルジメチルアンモニウムクロライドなどの第4級アンモニウム塩(特許文献−3)などが知られている。 特開昭63−64701号公報
樹脂および繊維用抗菌防カビ剤として用いられている銀、銅および亜鉛ゼオライトは、耐熱性に優れているものの抗菌防カビ性については十分でない。また、イミダゾール系化合物は、耐熱性が低いため繊維および樹脂に練り込みにくく、水に溶けやすいため抗菌防カビ効果が持続しないという問題がある。
木材用抗菌抗カビ剤として用いられているジデシルジメチルアンモニウムクロライドなどの第4級アンモニウムのハライド塩やカルボン酸塩は、水に溶けやすく、抗菌防カビ処理された木材が水に浸かったりすると抗菌防カビ効果が低下するという問題がある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち、本発明は、
2価以上の超強酸イオンを対イオンとする第4級アンモニウム超強酸塩(A)を含有する抗菌防カビ剤である。
本発明の抗菌防カビ剤は、耐熱性、および耐水性に優れ、優れた抗菌防カビ効果を発揮し、抗菌防カビ剤の含有量が従来の添加量に比べて少なくても優れた抗菌防カビ効果を発揮する。
本発明の抗菌防カビ剤に含まれる、2価以上の超強酸イオンを対イオンとする第4級アンモニウム超強酸塩(A)[以下において、単に(A)と表記する場合がある]としては、以下の(A1)〜(A3)[以下において、それぞれ単に(A1)、(A2)および(A3)と表記する場合がある]が挙げられる。
(A1):一般式(1)で表される第4級アンモニウム超強酸塩
式中、R1およびR2は、同一の又は異なる、炭素数が1〜22の脂肪族炭化水素基;R3は、炭素数1〜22の脂肪族炭化水素基、炭素数7〜22のアリールアルキル基又は炭素数8〜22のアリールアルケニル基;R4は、炭素数8〜22の脂肪族炭化水素基;fは2以上の整数、Xf-はf価の超強酸イオンを表す。
(A2):アルキルもしくはアルケニルアミドアルキル基および/又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を有する第4級アンモニウム超強酸塩であって、対イオンが2価以上の超強酸イオンである第4級アンモニウム超強酸塩
(A3):環状アミン型第4級アンモニウム超強酸塩であって、対イオンが2価以上の超強酸イオンである第4級アンモニウム超強酸塩
一般式(1)においてR1およびR2で表される炭素数1〜22の脂肪族炭化水素基としては直鎖もしくは分岐のアルキル基およびアルケニル基などが挙げられる。
直鎖のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、およびヤシ油由来のアルコールから水酸基を除いたn−アルキル基(以下、ヤシ油アルキル基と略記する。)などが挙げられる。直鎖のアルケニル基としてはオレイル基などが挙げられる。
分岐のアルキル基としては、イソプロピル基、2−エチルヘキシル基、イソデシル基、イソドデシル基およびイソオクタデシル基などが挙げられる。
これらのうち、好ましいのは炭素数1〜14、さらに炭素数1〜8、特に炭素数1または2のものであり、最も好ましいのはメチル基である。
また、R1とR2は同一であっても異なっていてもよいが、同一であるのが好ましい。
3は炭素数が1〜22の脂肪族炭化水素基、炭素数が7〜22のアリールアルキル基又は炭素数8〜22のアリールアルケニル基を表す。脂肪族炭化水素基としては、前記のR1として例示したものが挙げられる。
アリールアルキル基としてはベンジル基およびフェネチル基など、アリールアルケニル基としてはスチリル基およびシンナミル基などが挙げられる。
3のうち好ましいのは炭素数が1〜18の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基、炭素数が7〜15のアリールアルキル基、炭素数8〜22のアリールアルケニル基である。
4は炭素数8〜22の脂肪族炭化水素基を表す。
脂肪族炭化水素基としては、前述のR1として例示したもののうち炭素数8〜22のものが挙げられ、これらのうちで好ましいのは炭素数8〜18、さらに好ましいのは炭素数10〜16の直鎖また分岐の脂肪族炭化水素基である。
(A1)を構成する第4級アンモニウム基の具体例としては以下のものが挙げられる。
3が脂肪族炭化水素基の場合は:
1つの長鎖アルキル基を有するもの(トリメチルn−ドデシルアンモニウム、トリメチルn−テトラデシルアンモニウム、トリメチルn−ヘキサデシルアンモニウム、トリメチルn−オクタデシルアンモニウム、トリメチルヤシ油アルキルアンモニウム、トリメチル−2−エチルヘキシルアンモニウム、ジメチルエチルn−ドデシルアンモニウム、ジメチルエチルn−テトラデシルアンモニウム、ジメチルエチルn−ヘキサデシルアンモニウム、ジメチルエチルn−オクタデシルアンモニウム、ジメチルエチルヤシ油アルキルアンモニウム、ジメチルエチル−2−エチルヘキシルアンモニウム、メチルジエチルn−ドデシルアンモニウム、メチルジエチルn−テトラデシルアンモニウム、メチルジエチルn−ヘキサデシルアンモニウム、メチルジエチルn−オクタデシルアンモニウム、メチルジエチルヤシ油アルキルアンモニウムおよびメチルジエチル−2−エチルヘキシルアンモニウム);
2つの長鎖アルキル基(炭素数6〜22)を有するもの(ジメチルジn−ヘキシルアンモニウム、ジメチルジn−オクチルアンモニウム、ジメチルジn−デシルアンモニウムおよびジメチルジn−ドデシルアンモニウム);および
1つの長鎖アルケニル基(炭素数8〜22)を有するもの(トリメチルオレイルアンモニウム、ジメチルエチルオレイルアンモニウムおよびメチルジエチルオレイルアンモニウム)が挙げられる。
3がアリールアルキル基の場合は:
ジメチルn−デシルベンジルアンモニウム、ジメチルn−ドデシルベンジルアンモニウム、ジメチルn−テトラデシルベンジルアンモニウム、ジメチルn−ヘキサデシルベンジルアンモニウム、ジメチルヤシ油アルキルベンジルアンモニウム、ジメチルオレイルベンジルアンモニウムおよびジメチル−2−エチルヘキシルベンジルアンモニウムが挙げられる。
(A1)のうち、抗菌性の観点から好ましいのは、トリメチルn−ヘキサデシルアンモニウム、ジメチルジn−デシルアンモニウム、ジメチルn−ドデシルベンジルアンモニウムおよびジメチルn−テトラデシルベンジルアンモニウムである。
(A2)は、分子中にアミド基や水酸基を有する第4級アンモニウム塩であって、対イオンが2価以上の超強酸イオンである第4級アンモニウム超強酸塩である。
アミド基は、アルキルもしくはアルケニルアミドアルキル基として分子中に存在し、アルキル(炭素数10〜24)アミドアルキル(炭素数2〜6)基としては、ステアラミドエチル基およびステアラミドプロピル基などが挙げられ、アルケニル(炭素数10〜24)アミドアルキル(炭素数2〜6)基としては、オレアミドエチル基などが挙げられる。
(A2)において分子中に含有することのある炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基およびヒドロキシブチル基などが挙げられる。
(A2)を構成する第4級アンモニウム基としては、例えばオレアミドエチルジエチルメチルアンモニウム、ステアラミドエチルジエチルベンジルアンモニウムおよびステアラミドプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム基などが挙げられる。
(A3)は環状アミン型第4級アンモニウム超強酸塩であって、対イオンが2価以上の超強酸イオンである第4級アンモニウム超強酸塩である。
(A3)を構成する第4級アンモニウム基としては、アルキロキシ(炭素数8〜24)メチルピリジニウム基(例えばステアリロキシメチルピリジニウム基)、アルキル(炭素数8〜24)オキシメチルピリジニウム基(例えば、ヘキサデシルオキシメチルピリジニウム基)、およびアルキル(炭素数10〜24)ピリジニウム基(例えば、テトラデシルピリジニウム基)などが挙げられる。
(A)のうち、耐熱性、少量の添加で抗菌防カビ性を発揮できる点および抗菌防カビ性の持続性の観点から、好ましいのは(A1)である。
本発明における(A)を構成する2価以上の超強酸イオンとなる超強酸は、第一解離段階でのHammettの酸度関数(H0)が−12以下である2価以上の酸である。
2価の超強酸としては、ジフルオロメタンジスルホン酸、テトラフルオロエタンジスルホン酸、ヘキサフルオロプロパンジスルホン酸などが挙げられる。
3価の超強酸としては、トリフルオロエタントリスルホン酸、ペンタフルオロプロパントリスルホン酸、ヘプタフルオロブタントリスルホン酸などが挙げられる。
4価の超強酸としては、ヘキサフルオロブタンテトラスルホン酸、オクタフルオロペンタンテトラスルホン酸、デカフルオロへキサンテトラスルホン酸などが挙げられる。
上記の超強酸のうち、抗菌防カビ剤の耐熱性の観点から好ましいのは、2〜3価の超強酸、さらに好ましいのはジフルオロメタンジスルホン酸、テトラフルオロエタンジスルホン酸、ヘキサフルオロプロパンジスルホン酸、トリフルオロエタントリスルホン酸およびペンタフルオロプロパントリスルホン酸であり、特に好ましいのは、ジフルオロメタンジスルホン酸、テトラフルオロエタンジスルホン酸およびトリフルオロエタントリスルホン酸、とりわけ好ましいのはジフルオロメタンジスルホン酸(H0=−13.2)およびテトラフルオロエタンジスルホン酸(H0=−13.4)である。
本発明における(A)の好ましい具体例としては、ジ−(ジn−デシルジメチルアンモニウム)ジフルオロメタンジスルホン酸塩、ジ−(ジn−デシルジメチルアンモニウム)テトラフルオロエタンジスルホン酸塩、ジ−(トリメチルn−ヘキサデシルアンモニウム)ジフルオロメタンジスルホン酸塩、ジ−(トリメチルn−ヘキサデシルアンモニウム)テトラフルオロエタンジスルホン酸塩、ジ−(ジメチルヤシ油アルキルベンジルアンモニウム)ジフルオロメタンジスルホン酸塩およびジ−(ジメチルヤシ油アルキルベンジルアンモニウム)テトラフルオロエタンジスルホン酸塩である。
(A)の製造方法としては特に制限はなく、公知の方法でよい。例えば下記の[I]および[II]の方法が挙げられる。好ましいのは[II]の方法である。
[I] 第4級アンモニウム塩〔例えば、クロルアニオンからなる塩〕の水溶液(20〜70重量%)に前記超強酸のアルカリ金属塩(ナトリウム塩またはカリウム塩など)を加え(第4級アンモニウム塩/超強酸塩の当量比は通常1/1〜1/1.5、好ましくは1/1.05〜1/1.3)、室温で約2時間撹拌混合して得られる水溶液を70〜80℃で約1時間撹拌後、静置して分液した下層(水層)を除去し、上層中の水分を減圧留去して、目的の第4級アンモニウム塩を得る。
[II] 第3級アミンと同当量以上(好ましくは1.1〜5.0当量)の炭酸ジアルキルエステル(アルキル基の炭素数1〜5)を溶媒(例えば、メタノール)の存在下(第3級アミンの重量に基づいて10〜1,000重量%)または非存在下に、反応温度80〜200℃、好ましくは100〜150℃で反応させて第4級アンモニウム塩を形成し、さらに前記超強酸を添加(第4級アンモニウムの当量に基づいて1.0〜1.2当量)し、10〜50℃で1時間撹拌して塩交換する。溶媒を80〜120℃で減圧留去して、目的の第4級アンモニウム塩を得る。
本発明における(A)は、通常は固体であり、その融点は通常30〜120℃であり、好ましくは40〜110℃である。
本発明の抗菌防カビ剤は(A)のみからなる、または(A)とその他の成分を含有していてもよい。
その他の成分としては、公知の抗菌防カビ剤および添加剤などが挙げられる。
公知の抗菌防カビ剤としては、繊維や樹脂用の抗菌防カビ剤として使用される銀、銅、亜鉛ゼオライトおよびイミダゾール系化合物(2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチル、2−メトキシカルボニルアミノベンズイミダゾール)など、木材用抗菌抗カビ剤として用いられているジデシルジメチルアンモニウムクロライドなどの第4級アンモニウムのハライド塩やカルボン酸塩などが挙げられ、さらに第4級アンモニウムの1価の超強酸塩(特開2003−321308号公報)なども挙げられる。
(A)と公知の抗菌防カビ剤との重量比率は、通常、(A)/公知の抗菌防カビ剤=100/0〜60/40であり、好ましくは100/0〜80/20である。
本発明の抗菌防カビ剤は、樹脂、繊維または木材用の抗菌防カビ剤として使用できる。
樹脂用として使用する場合の対象となる樹脂のうち、熱可塑性樹脂としては;ポリオレフィン系樹脂[たとえばポリプロレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、エチレン−エチルアクリレート系共重合樹脂など];ポリアクリル系樹脂[たとえばポリメタクリル酸メチルなど];ポリスチレン系樹脂[たとえばポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体(AN樹脂)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレン共重合体(MBS樹脂)、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体(MS樹脂)など];ポリエステル系樹脂[たとえばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペートなど];ポリアミド系樹脂[たとえばナイロン66、ナイロン69、ナイロン612、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6/66、ナイロン6/12など];ポリカーボネート系樹脂[たとえばポリカーボネート、ポリカーボネート/ABS樹脂アロイ等];ポリアセタール樹脂;熱可塑性ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、ポリアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリアミド系樹脂であり、特に好ましいものはポリスチレン系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂である。
熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂(グリコールと、不飽和および飽和二塩基酸から誘導される不飽和ポリエステルと他のビニルモノマーとの架橋共重合物など)、エポキシ樹脂(ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂の、ポリアミン、酸無水物などによる硬化樹脂など)、熱硬化性ポリウレタン樹脂(ポリウレタンフォームを含む)、高吸水性樹脂(架橋ポリアクリルアミドの部分加水分解物、架橋されたアクリル酸−アクリルアミド共重合体など)などが挙げられる。
上記の樹脂に対する抗菌防カビ剤としての第4級アンモニウム超強酸塩(A)の添加量は、樹脂の重量に基づいて通常0.01〜10%、抗菌効果と樹脂物性の観点から好ましくは0.1〜10%、さらに好ましくは0.2〜5%、とくに好ましくは0.3〜3%である。
添加の方法としては、(A)を直接上記の樹脂に添加して、溶融混練などにより混合する方法や、予め少量の同種の樹脂に混合してから、それをマスターバッチとして樹脂に配合して、混合する方法などが挙げられる。
繊維用として使用する場合の対象となる繊維としては;ポリオレフィン系繊維[ポリプロレン繊維など];ポリアクリル系樹脂[ポリアクリロニトリル繊維など];ポリエステル系繊維、ポリウレタン系繊維(スパンデックスなど)およびポリアミド系繊維である。
繊維の場合の本発明の(A)の添加の方法としては、(A)の有機溶剤溶液を樹脂成分(溶液状であることが好ましい)と混合して、紡糸後または同時に有機溶剤を除去する方法などが挙げられる。
木材用として使用する場合は、木材に第4級アンモニウム超強酸塩(A)が含浸されやすいように、水性分散液状または有機溶媒溶液状が好ましい。
水性分散液状の製造方法としては、例えば(A)を融点以上(例えば30
〜120℃)に加熱して融解し、必要により乳化分散剤を添加して均一に混合、溶解した後、よく攪拌しながら水(水道水、イオン交換水いずれでもよい)を加えて水性分散体を得る方法が挙げられる。
有機溶媒溶液状の製造方法としては、例えば(A)が溶解可能な有機溶媒に(A)を加え、必要に応じて有機溶媒を30〜120℃に過熱し撹拌して溶解させる方法が挙げられる。
水性分散液状または有機溶媒溶液状の場合、(A)の濃度としては、通常0.1〜60重量%(以下において特に限定しない限り%は重量%を表す)、好ましくは0.3〜50重量%、さらに好ましくは0.5〜40重量%である。
また、さらに必要によりその他の添加剤として消泡剤、キレート剤、pH調整剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、殺虫剤、漂白剤、香料および色素からなる群から選ばれる1種または2種以上を加えることができる。
消泡剤としては、シリコーン系(ジメチルポリシロキサンなど)、鉱物油、金属石鹸など;キレート剤としては、アミノポリカルボン酸系キレート剤[エチレンジアミンテトラ酢酸等];pH調整剤としては、苛性アルカリ(苛性ソーダなど)など;難燃剤としては、リン酸エステル系、臭素系、ホウ酸塩系、水酸化アルミニウム、赤リン、水酸化マグネシウム、ポリリン酸アンモニウム、ヘット酸、テトラブロモビスフェノールAなど;酸化防止剤としては、フェノール系[2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)など]、硫黄系、アミン系など;紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系(2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンなど)、サリチレート系、ベンゾトリアゾール系など;殺虫剤としては、有機リン化合物(ホキシム、フェニトロチオン、クロルピリホス、ピリダフなど);合成ピレスロイド(アレスリンなど)およびハロゲン化合物(オクタクロロジプロピルエーテルなど);漂白剤としては、次亜塩素酸ソーダなど;が挙げられる。
本発明の木材用防腐剤または木材用防腐剤組成物を対象物(木材、木質系装材など)に含有させる方法としては加圧注入法、浸せき法、塗布法およびスプレー法などが挙げられる。
<実施例>
以下製造例および実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例中の部は重量部を示す。
製造例1
加熱冷却装置、攪拌機および滴下ロートを備えたガラス製反応容器に、メタノール56部、ジメチルn−ヘキサデシルアミン275部(0.88モル)、および炭酸ジメチル144部(1.6モル)を仕込み、120℃で20時間反応させた後、メタノールと炭酸ジメチルの一部を留去してトリメチルn−ヘキサデシルアンモニウムメチルカーボネートの83%メタノール溶液380部(0.88モル)を得た。さらに、50%トリフルオロエタントリスルホン酸水溶液200部(0.32モル)を2時間で徐々に加え、粒状苛性カリを添加して中和(pH:6〜8)した。メタノールと水を減圧下80〜100℃で留去し、さらにアセトン196部に溶解後、析出した塩を吸引濾過で除去し、アセトンを減圧下80〜100℃で留去し、常温で固体のトリ−(トリメチルn−ヘキサデシルアンモニウム)トリフルオロエタントリスルホン酸塩(A−1)337部を得た。
製造例2
加熱冷却装置、攪拌機および滴下ロートを備えたガラス製反応容器に、ジn−デシルジメチルアンモニウムクロライドの80%エタノール溶液427部(0.95モル)を仕込み、室温でヘキサフルオロプロパンジスルホン酸リチウムの57%水溶液352部(0.48モル)を滴下した。50〜60℃に昇温したのち、同温度で1時間攪拌後、静置分液した上層を分取し、エタノールと水を減圧下80〜100℃で留去した。さらにアセトン220部に溶解後、析出した塩を吸引濾過で除去し、アセトンを減圧下80〜100℃で留去し、常温で固体のジ−(ジ−n−デシルジメチルアンモニウム)ヘキサフルオロプロパンジスルホン酸塩(A−2)628部を得た。
実施例1〜6、比較例1〜4
表1に示す部数の抗菌防カビ剤、および表1に示す部数の樹脂をヘンシェルミキサーで混合した後、ベント付き2軸押出機にて200℃で溶融混練し、加圧プレス機でプレス(160℃、10MPaで3分間)して実施例および比較例の成型体(50mm×50mm×1mm)を得た。なお、樹脂としては日本ポリプロ(株)製のポリプロピレン樹脂「ノバテックPP」(以下PPと略)を用いた。なお、比較の抗菌剤は以下のものである。
(B−1)は銀ゼオライト(ノバロン AG300 東亜合成(株)製)
(B−2)は2−(4'−チアゾリル)−ベンズイミダゾール(チアベンダゾール 和光純薬工業(株)製)
<成型体の抗菌性評価>
上記の成型体の抗菌性をJIS Z 2801(抗菌加工製品−抗菌性試験方法・抗菌効果)に従って評価した。
即ち、普通ブイヨン培地を滅菌精製水で500倍希釈した液で菌数を2.5×105
〜10×105個/mlとなるように調製した試験菌液を、試験片(成型体試験片;50mm×50mm×1mm)上に0.4ml滴下して、乾かないように上からフィルムをかぶせ温度35±1℃、相対湿度90%以上で24±1時間培養した。その後、試験片とフィルムを10mlのSCDLP培地で洗いだし、その液を速やかに生菌数測定に供して生菌数を求めた。結果を表1に示す。
<成型体の防カビ性評価>
カビとして、Aspergillus nigarを用い、JIS L 1902に準拠して、以下の方法で防カビ性を評価した。
供試菌をPDA寒天培地で培養し、着生した胞子を生理食塩水で集め、ガーゼをつめたチップでろ過して胞子懸濁液を作成した。この胞子懸濁液を、無菌水で20倍に希釈した1/20PDA液体培地を用いて胞子数約105〜106cells/mlに調整し、これを試験菌液とした。
試験片(成型体試験片;50mm×50mm×1mm)上に0.4ml滴下して、乾かないように上からフィルムをかぶせ、温度30±1℃、相対湿度90%以上で24±1時間培養した。その後、試験片とフィルムを10mlの生理食塩水で洗いだし、その液を速やかに生菌数測定に供して胞子数を求めた。
胞子数測定:
洗い出し液1mlを採取し、生理食塩水9mlの入った試験管に混ぜ、よく撹拌した。この試験管から1mlを採取し、別の試験管の生理食塩水9mlに入れて撹拌した。この操作を繰り返して、10倍希釈法による希釈系列を作成した。各希釈系列の試験管から0.05ml採取し、PDA寒天培地に塗布した後、30℃で48時間培養した。30〜300個のコロニーが現れた希釈系列のシャーレの胞子数を測定した。
胞子数は、以下の計算式で求めた。
胞子数 M=Z×R×20
ここで、Zはコロニー数(2枚のシャーレの平均)、Rは希釈倍率である。
胞子数が少ないほど、防カビ性が高いことを示している。なお胞子数が0は、胞子が全く観察されないことを示しており、非常に高い防カビ性を有していることを示している。結果を表1に示す。
<木材の防カビ性評価>
JIS K 1571(木材保存剤の性能試験方法及び性能基準)に基づいて、木材の防カビ性を評価した。
(1) 試験片の作成
(A−1)、(A−2)、および比較の抗菌防カビ剤としてジデシルジメチルアンモニウムクロライド(カチオン DDC−80S 三洋化成工業(株)製)(B3)を、エタノールを用いて有効成分0.2および0.5%の希釈液を調整した。
減圧・常圧注入法(真空デシケーター中で−0.08MPaで試験片中の空気を脱気した後、常圧に戻して5分間薬液に含浸させ試験片に薬液を注入する方法)により、スギ木材片(2cm×2cm×1cm)に希釈液を含浸させた。20日間風乾させた後、60±2℃の循風乾燥機で48時間乾燥させた。なお、ブランクとしてはスギ木材片を処理なしで用いた。
(2) 防カビ性評価
JIS K 1571に基づいて行った。木材腐朽菌としては、オオウズラタケまたはカワラタケを用いた。結果を表2に示す。表2中の重量減少率が小さいほど防カビ性に優れていることを表す。
表2から、本発明の抗菌防カビ剤は、優れた防カビ性を有していることがわかる。
表1に示したとおり、本発明の抗菌防カビ剤は、樹脂用抗菌剤として従来の銀ゼオライトやイミダゾリン系化合物に比較して抗菌防カビ性に優れており、しかも添加量が少なくても抗菌防カビ性を発揮することができる。
表2に示したとおり、本発明の抗菌防カビ剤は、木材用防カビ剤として従来のジデシルジメチルアンモニウムクロライドなどの第4級アンモニウム塩に比較して防カビ性に優れており、しかも添加量が少なくても防カビ性を発揮することができる。
本発明の抗菌防カビ剤は、樹脂に練り込まれ、成型して抗菌性樹脂成型体とされる。これらの成型体は、抗菌性のペレット、ブロック状物、板状物、シート、フィルムおよび糸などの形状であり、こちらはさらに浴槽・洗面台等のサニタリー用品、冷蔵庫・洗濯機等の家電用品、食卓・台所等の家庭用品、塩ビパイプ等の建築用品、ポリプロピレン・ポリエステル・ナイロン・スパンデックス等の繊維および繊維製品、ポリエチレンシート等の包装用品などの各種用途に利用できる。また、木材用防カビ剤として柱、板、合板、およびチップなどの木材、ならびに化粧合板、集製材、インシュレーションボードおよびウッドチップ舗装材などの木質系装材に含浸もしくは塗装され、防カビ処理された木材および木質系装材を得ることができる。

Claims (4)

  1. 2価以上の超強酸イオンを対イオンとする第4級アンモニウム超強酸塩(A)を含有する抗菌防カビ剤。
  2. (A)が、一般式(1)で表される第4級アンモニウム超強酸塩(A1)である請求項1記載の抗菌防カビ剤。
    (式中、R1およびR2は、同一の又は異なる、炭素数が1〜22の脂肪族炭化水素基;R3は、炭素数1〜22の脂肪族炭化水素基、炭素数7〜22のアリールアルキル基又は炭素数8〜22のアリールアルケニル基;R4は、炭素数8〜22の脂肪族炭化水素基;fは2以上の整数、Xf-はf価の超強酸イオンを表す。)
  3. 一般式(1)におけるXf-を構成する超強酸の第一解離段階でのHammett酸度関数(H0)が−12以下である請求項2記載の抗菌防カビ剤。
  4. 樹脂、繊維または木材用である請求項1〜3のいずれか記載の抗菌防カビ剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012126647A (ja) * 2010-12-13 2012-07-05 Sanyo Chem Ind Ltd 魚網用抗菌剤組成物
WO2014174434A1 (de) 2013-04-22 2014-10-30 Jansen Ag Kunststoff mit biozider oberfläche und verfahren zu dessen herstellung
EP2824139A1 (de) 2013-07-12 2015-01-14 Jansen AG Kunststoff mit biozider Oberfläche und Verfahren zu dessen Herstellung

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