JP2008183772A - 積層体、サンドブラスト用マスクおよび被加工基材の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】サンドブラスト用マスクを簡便な方法で形成する際に好適に用いられる積層体、およびサンドブラスト用マスク、ならびに被加工基材の処理方法を提供する。
【解決手段】本発明に積層体は、互いに背向する少なくとも一対の面に粘着性を有する基材と、前記基材の前記一方の面に設けられた感光性樹脂層と、を含む。この積層体を用いてサンドブラスト用マスクを形成することで、取り扱いが容易なサンドブラスト用マスクを製造することができる。
【選択図】なし
【解決手段】本発明に積層体は、互いに背向する少なくとも一対の面に粘着性を有する基材と、前記基材の前記一方の面に設けられた感光性樹脂層と、を含む。この積層体を用いてサンドブラスト用マスクを形成することで、取り扱いが容易なサンドブラスト用マスクを製造することができる。
【選択図】なし
Description
本発明は、積層体、サンドブラスト用マスクおよび被加工基材の処理方法に関する。
従来、ガラス、石材、プラスチック、セラミックス、皮革、木材等の基板の表面に画像(パターン)を形成する方法の1つとしてサンドブラスト加工法が知られている。この加工法にあっては基板の表面に、ゴム板、紙等を貼り付け、カッター等で切り抜き、パターニングしたのちに、研磨材等を吹き付けて選択的に研磨する(サンドブラストする)方法や基板の表面にサンドブラスト用感光性組成物層を設け、フォトリソグラフィーによりマスクパターンを形成させたのち、研磨材等を吹き付けて選択的に研磨する方法(特許文献1参照)等が用いられている。ところが、前記のようなゴム板、紙等を貼り付け、カッター等で切り抜き、パターニングしたのち研磨材等を吹き付けて選択的に研磨するサンドブラスト方法は、作業が煩雑で作業能率が上がらない。これに対し、基板の表面にサンドブラスト用感光性樹脂組成物層を設け、フォトリソグラフィーによりマスクパターンを形成するサンドブラスト方法は、作業効率が高い上に微細加工ができるという利点を有する。
特開平11−119430号公報(平成11年4月30日公開)
上述のように、上記の感光性樹脂層を用いたサンドブラスト方法においては、感光性樹脂層を被加工基材の全面に設ける必要がある。感光性樹脂層を設ける方法の一つに、感光性樹脂層のパターニング後に被加工基材と感光性樹脂層とを、接着剤等を用いてラミネートする方法などがあるが、この方法では作業効率上の問題があると共に、被加工基材の材料によっては、ラミネートが困難である場合がある。さらに、微細なパターンを形成したい場合には、ハレーション現象により、画像がぼけてしまうことがある。従って、微細なパターンを形成することが困難であった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、精度の高いパターンを有し、取り扱いが容易なサンドブラスト用マスクを形成し得る積層体、およびサンドブラスト用マスクならびに、被加工基材の処理方法を実現することにある。
本発明にかかる積層体は、
互いに背向する少なくとも一対の面に粘着性を有する基材と、
前記基材の前記一方の面に設けられた感光性樹脂層と、を含むものである。
互いに背向する少なくとも一対の面に粘着性を有する基材と、
前記基材の前記一方の面に設けられた感光性樹脂層と、を含むものである。
本発明の積層体は、互いに背向する面に粘着性を有する基材の一方の面に感光性樹脂層を有している。そのため、基材の他方の面を他の部材に貼り付けることで、感光性樹脂層を他の部材上に容易に配置することができる。従って、たとえば、サンドブラスト用マスクなどの、被加工基材の上に設けられるマスクを形成する際の材料体として好適に用いられる積層体を提供することができる。
本発明にかかるサンドブラスト用マスクは、
互いに背向する少なくとも一対の面に粘着性を有する基材と、
前記基材の前記一方の面に設けられた、感光性樹脂部材からなるパターンと、を含むものである。
互いに背向する少なくとも一対の面に粘着性を有する基材と、
前記基材の前記一方の面に設けられた、感光性樹脂部材からなるパターンと、を含むものである。
本発明にかかるサンドブラスト用マスクは、基材において、感光性樹脂部材からなるパターンが設けられた面と背向する面を、被加工基材と密着させることで、被加工基材に容易に配置することができる。そのため、本発明によれば、取り扱いの簡便性が向上したサンドブラスト用マスクを提供することができる。また、感光性樹脂層を被加工基材に密着させるのみで、被加工基材に感光性樹脂層をラミネートすることができるため、種々の材質からなる被加工基材に利用可能なサンドブラスト用マスクを提供することができる。
本発明にかかる被加工基材の処理方法は、
互いに背向する少なくとも一対の面に粘着性を有する基材の一方の面に感光性樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、
前記感光性樹脂層をパターニングし感光性樹脂部材を形成するパターニング工程と、
サンドブラストされる被加工基材に、前記基材の他方の面を密着させて、前記感光性樹脂部材を配置する樹脂配置工程と、
前記被加工基材にサンドブラスト処理を施すサンドブラスト工程と、を含む。
互いに背向する少なくとも一対の面に粘着性を有する基材の一方の面に感光性樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、
前記感光性樹脂層をパターニングし感光性樹脂部材を形成するパターニング工程と、
サンドブラストされる被加工基材に、前記基材の他方の面を密着させて、前記感光性樹脂部材を配置する樹脂配置工程と、
前記被加工基材にサンドブラスト処理を施すサンドブラスト工程と、を含む。
本発明に係る被加工基材の処理方法によれば、感光性樹脂部材のパターンを被加工基材に密着させるのみで、被加工基材に配置することができる。そのため、より簡便な方法で、被加工基材に対するサンドブラスト処理を行なうことができる。
本発明にかかる積層体は、以上のように、互いに背向する少なくとも一対の面に粘着性を有する基材と、前記基材の前記一方の面に設けられた感光性樹脂層を備えている。そのため、この積層体を用いて形成されたサンドブラスト用マスクは、基材の他方の面を被加工基材に密着することで、被加工基材上に配置されることができ、簡便に使用することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
1.積層体
本発明の実施形態にかかる積層体について、図1を参照しつつ説明する。図1は、本発明に係る積層体を示す断面図である。図1に示すように、基材10の上に、感光性樹脂層20が設けられている。
本発明の実施形態にかかる積層体について、図1を参照しつつ説明する。図1は、本発明に係る積層体を示す断面図である。図1に示すように、基材10の上に、感光性樹脂層20が設けられている。
基材10は、背向する一対の面に粘着性を有する。基材10としては、支持体の両面に粘着性の層を有する積層構造を有するものがあげられる。
このような積層構造からなる基材10の場合には、支持体として、不織布、紙、プラスチック(ポリエステルフィルム等)を用いることができる。この支持体の背向する一対の面に設けられる粘着性の層としては、アクリル系粘着剤等を用いることができる。
さらに、基材10は、感光性樹脂層20の露光時に用いられる光を吸収することができる吸収剤を含むことが好ましい。この態様によれば、吸収剤を含有することで、パターン間における露光時の光を吸収することができ、感光性樹脂層20の露光時のハレーション(画像がにじむ現象)を抑制することができる。そのため、微細なパターンを有するマスクを形成することができるのである。また、上記積層構造の基材10の場合には、粘着性の層に吸収剤が含有されていればよい。
この吸収剤としては、その役割を果たすことができる限り特に制限されない。たとえば、露光に用いられる光が、紫外線である場合には、吸収剤としては、300nmから450nmの波長域の光に吸収性を有する染料または顔料を使用することができる。具体的には、上記波長域の光に高い吸収性を持つ水溶性染料、油性染料、分散染料、有機溶剤易溶顔料等を用いることができる。
前記水溶性染料としては、水中での吸収スペクトルが300nm以上、450nm以下の範囲に高い吸収があり、かつ水に対しての溶解度は通常5質量%以上、好ましくは7質量%以上であるものを適宜選択すればよい。このような色素の具体例として、水溶性の銅フタロシアニン染料、黄色染料、褐色染料などが挙げられる。また、これらの水溶性染料を2種以上併用してもよい。
前記水溶性の銅フタロシアニン染料としては、例えば、C.I.ダイレクトブルー86,87,199、C.I.アシッドブルー249等が挙げられ、好ましくはC.I.ダイレクトブルー86,199である。
前記水溶性の黄色染料としては、例えば、C.I.アシッドイエロー17,19,23,25,39,40,42,44,49,49,61,64,76,79,100,127,135,143,151,159,169,174,190,195,196,197,199,218,219,220,227、C.I.ダイレクトイエロー1,8,11,12,24,26,27,33,39,44,50,58,85,86,87,88,89,98,110,132,142,144等が挙げられ、好ましくはダイレクトイエロー132,142である。
前記水溶性の褐色染料としては、例えば、C.I.ダイレクトブラウン1,2,6,25,27,33,37,39,59,60,62,95,99,100,104,106,112,113,115,167,169,175,195,210等が挙げられ、好ましくはC.I.ダイレクトブラウン195である。
前記水溶性の銅フタロシアニン染料は、通常550〜650nmおよび300〜400nmに吸収極大を有し、前記水溶性の黄色染料または褐色染料は、通常350〜450nmに吸収極大を有する。なお、本発明の感光性樹脂層の硬化に用い得る光源の波長は、通常300〜400nmであるため、照射された光を効率よく吸収し、遮光するために、前記水溶性の銅フタロシアニン染料と、水溶性の黄色染料および/または褐色染料を併用することが好ましい。
前記油性染料の具体例としては、オイルイエロー105,107,129,3G,GGS、バリファストイエロー1101,1105,4120(何れも、オリエント化学工業(株)製)、アイゼンスピロンレッドBEH,GEH,C‐GH(何れも、保土谷化学工業(株)製)等が挙げられる。
また、上記の染料の他に、公知の紫外線吸収剤を用いることができる。具体的には、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ベンソトリアゾール系紫外線吸収剤、クマリン系紫外線吸収剤などをあげることができる。また、300〜450nmに吸収のピークを有することのない染料(赤色染料、黄色染料など)であっても、添加量を制御することで、良好に光を吸収することができる場合がある。
顔料としては、たとえばカーボンブラック等を用いることができる。
感光性樹脂層20は、基材10において背向する面のうち一方の面に設けられている。本実施形態にかかる感光性樹脂層20は、感光性樹脂組成物を用いて膜を形成し、これを硬化させて得られる層である。本発明に用いることができる感光性樹脂組成物としては、従来から公知のものを使用でき特に限定されない。たとえば、下記の感光性樹脂、光重合性モノマー、光重合開始剤、を含む組成物が挙げられる。
(感光性樹脂)
感光性樹脂としては、光照射によって架橋可能な重合性の不飽和基を有していればよく、具体的には、後述する光重合開始剤により、光重合性モノマーと架橋する樹脂が好ましく用いられる。このような樹脂としてはエラストマー樹脂が好ましく用いられる。
感光性樹脂としては、光照射によって架橋可能な重合性の不飽和基を有していればよく、具体的には、後述する光重合開始剤により、光重合性モノマーと架橋する樹脂が好ましく用いられる。このような樹脂としてはエラストマー樹脂が好ましく用いられる。
エラストマー樹脂は、単一の重合体、共重合体またはそれらの混合物であって、エラストマー性を有し、かつ水性または有機溶剤の現像液に可溶、膨潤または分散し、洗浄除去可能な重合体が挙げられる。これらのバインダーとしては、たとえば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリジオレフィン、ビニル芳香族化合物/ジオレフィンの共重合体及びブロック共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、ジオレフィン/アクリロニトリル共重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/プロピレン/ジオレフィン共重合体、エチレン/アクリル酸共重合体、ジオレフィン/アクリル酸共重合体、ジオレフィン/アクリレート/アクリル酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリレート共重合体、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール/ポリエチレングリコールのグラフト共重合体、両性インターポリマー、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、ニトロセルロースなどのセルロース類、エチレン/ビニルアセテート共重合体、セルロースアセテートブチレート、ポリブチラール、環状ゴム、スチレン/アクリル酸共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンとビニルアセテートとの共重合体、クロロプレン重合体、スチレン/クロロプレン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/イソプレン共重合体、アクリロニトリル/クロロプレン共重合体、メタクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、メタクリル酸メチル/イソプレン共重合体、メタクリル酸メチル/クロロプレン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/イソプレン共重合体、アクリル酸メチル/クロロプレン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、アクリロニトリル/イソプレン/スチレン共重合体、アクリロニトリル/クロロプレン/スチレン共重合体、エピクロルヒドリン重合体、エピクロルヒドリン/エチレンオキシド共重合体、エピクロルヒドリン/プロピレンオキシド共重合体、エピクロルヒドリンゴム、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン共重合体、塩素化ポリプロピレン、塩素化エチレン/プロピレンゴム、アクリル酸エチル/アクリロニトリル共重合体、テルペン共重合体、アクリル酸ブチル/アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸メチル/アクリロニトリル共重合体、アクリル酸ブチル/スチレン/アクリロニトリル共重合体が挙げられる。前記重合体は単独でもまた組み合わせて用いてもよい。
エラストマー樹脂としては、スチレン/イソプレン共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体を用いることが好ましい。このようなエラストマー樹脂を用いることで、透明性を確保することができる。この透明性は、露光パターンを形成するために必要とされる。
エラストマー樹脂の配合量は、感光性樹脂組成物の総和100質量部に対し、エラストマー樹脂が10から99質量部、好ましくは30から90質量部である。
(光重合性モノマー)
感光性樹脂層に含まれる1種類以上のモノマーとしては、曇りのない透明な感光性樹脂層が形成できるよう、上記バインダーと相溶性を有するモノマーを用いる必要がある。
感光性樹脂層に含まれる1種類以上のモノマーとしては、曇りのない透明な感光性樹脂層が形成できるよう、上記バインダーと相溶性を有するモノマーを用いる必要がある。
前記モノマーとしては、上記バインダーを構成するモノマーの他、たとえば、ポリブタジエンジアクリレート、ポリブタジエンジメタクリレート、ポリイソプレンジアクリレート、ポリイソプレンジメタクリレートやα‐メチルスチレン、m‐メチルスチレン、p‐メトキシスチレンなどの芳香族ビニル単量体;アクリロニトリルやメタクリロニトリルなどのα,β‐エチレン性不飽和ニトリル化合物;メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n‐ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t‐ブチルアクリレートなどの炭素数1〜23のアルキルアルコールのアクリレート類及び対応するメタクリレート類;2‐ヒドロキシエチルアクリレート、2‐ヒドロキシプロピルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアルコールのアクリレート類及び対応するメタクリレート類;メトキシエチレングリコール、メトキシプロピレングリコールなどのアルコキシアルキレングリコールのアクリレート類及びメタクリレート類;マレイン酸モノエチル、フマル酸モノメチル、イタコン酸モノエチルなどの不飽和多価カルボン酸のモノエステル類;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル、イタコン酸ジオクチルなどのジエステル類;アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N’‐メチレンビスアクリルアミド、N,N’‐ヘキサメチレンビスアクリルアミドなどのアクリルアミド類及び対応するメタクリルアミド類;エチレングリコールジアクリレート、ポリアルキレングリコール(アルキレングリコール単位2〜23個)などのグリコールのジアクリレート類及び対応するメタクリレート類;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールアルカン、テトラメチロールアルカン(アルカンとしてはメタン、エタン、プロパン)などの三価以上の多価アルコール類のジアクリレート、トリアクリレート、テトラアクリレート、オリゴアクリレート類及び対応するメタクリレート類;2‐アクリロイルオキシエチルコハク酸、2‐アクリロイルエチルヘキサヒドロフタル酸、2‐アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートなどの酸性官能基をもつアクリレート類及び対応するメタクリレート類;等の光重合性エチレン性不飽和単量体が挙げられる。これらの光重合性エチレン性不飽和単量体は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記モノマーは、エラストマー樹脂の総和を100質量部とすると、5〜30質量部、好ましくは10〜20質量部の範囲がよい。モノマーの含有量が前記範囲未満では露光硬化後の被膜の耐摩耗性や耐薬品性が低下し、前記範囲を超えると、感光性樹脂層のエラストマー性が低下し好ましくない。
(光重合開始剤)
光重合開始剤としては、一般に知られているものを用いることができる。このような開始剤の一例として、ベンゾフェノンのような芳香族ケトン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α‐メチロールベンゾインメチルエーテル、α‐メトキシベンゾインメチルエーテル、2,4‐ジエトキシフェニルアセトフェノン等のベンゾインエーテル類;置換及び非置換の多核キノン類;1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4‐ジメトキシ‐1,2‐ジフェニルエタン‐1‐オン、2‐メチル‐1‐[4‐(メチルチオ)フェニル]‐モルフォリノプロパン‐1‐オン、2‐ベンジル‐2‐ジメチルアミノ‐1‐(4‐モルフォリノフェニル)‐ブタン‐1‐オン、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1‐オン、2,4,6‐トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、1‐(4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)フェニル)2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐プロパン‐1‐オン、2,4‐ジエチルチオキサントン、2‐クロロチオキサントン、2,4‐ジメチルチオキサントン、3,3‐ジメチル‐4‐メトキシベンゾフェノン、ベンゾフェノン、1‐クロロ‐4‐プロポキシチオキサントン、1‐(4‐イソプロピルフェニル)‐2‐ヒドロキシ‐2‐メチルプロパン‐1‐オン、1‐(4‐ドデシルフェニル)‐2‐ヒドロキシ‐2‐メチルプロパン‐1‐オン、4‐ベンゾイル‐4’‐メチルジメチルスルフィド、4‐ジメチルアミノ安息香酸、4‐ジメチルアミノ安息香酸メチル、4‐ジメチルアミノ安息香酸エチル、4‐ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4‐ジメチルアミノ安息香酸‐2‐エチルヘキシル、4‐ジメチルアミノ安息香酸‐2‐イソアミル、2,4’‐ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、ベンジル‐β‐メトキシエチルアセタール、o‐ベンゾイル安息香酸メチル、ビス(4‐ジメチルアミノフェニル)ケトン、4,4’‐ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’‐ジクロロベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン‐n‐ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、p‐ジメチルアミノアセトフェノン、p‐tert‐ブチルトリクロロアセトフェノン、p‐tert‐ブチルジクロロアセトフェノン、2‐(o‐クロロフェニル)‐4,5‐ジフェニルイミダゾリル二量体、チオキサントン、2‐メチルチオキサントン、2‐イソプロピルチオキサントン、ジベンゾスベロン、α,α‐ジクロロ‐4‐フェノキシアセトフェノン、ペンチル‐4‐ジメチルアミノベンゾエート、9‐フェニルアクリジン、1,7‐ビス‐(9‐アクリジニル)へプタン、1,5‐ビス‐(9‐アクリジニル)ペンタン、1,3‐ビス‐(9‐アクリジニル)プロパンなどが挙げられる。
光重合開始剤としては、一般に知られているものを用いることができる。このような開始剤の一例として、ベンゾフェノンのような芳香族ケトン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α‐メチロールベンゾインメチルエーテル、α‐メトキシベンゾインメチルエーテル、2,4‐ジエトキシフェニルアセトフェノン等のベンゾインエーテル類;置換及び非置換の多核キノン類;1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4‐ジメトキシ‐1,2‐ジフェニルエタン‐1‐オン、2‐メチル‐1‐[4‐(メチルチオ)フェニル]‐モルフォリノプロパン‐1‐オン、2‐ベンジル‐2‐ジメチルアミノ‐1‐(4‐モルフォリノフェニル)‐ブタン‐1‐オン、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1‐オン、2,4,6‐トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、1‐(4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)フェニル)2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐プロパン‐1‐オン、2,4‐ジエチルチオキサントン、2‐クロロチオキサントン、2,4‐ジメチルチオキサントン、3,3‐ジメチル‐4‐メトキシベンゾフェノン、ベンゾフェノン、1‐クロロ‐4‐プロポキシチオキサントン、1‐(4‐イソプロピルフェニル)‐2‐ヒドロキシ‐2‐メチルプロパン‐1‐オン、1‐(4‐ドデシルフェニル)‐2‐ヒドロキシ‐2‐メチルプロパン‐1‐オン、4‐ベンゾイル‐4’‐メチルジメチルスルフィド、4‐ジメチルアミノ安息香酸、4‐ジメチルアミノ安息香酸メチル、4‐ジメチルアミノ安息香酸エチル、4‐ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4‐ジメチルアミノ安息香酸‐2‐エチルヘキシル、4‐ジメチルアミノ安息香酸‐2‐イソアミル、2,4’‐ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、ベンジル‐β‐メトキシエチルアセタール、o‐ベンゾイル安息香酸メチル、ビス(4‐ジメチルアミノフェニル)ケトン、4,4’‐ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’‐ジクロロベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン‐n‐ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、p‐ジメチルアミノアセトフェノン、p‐tert‐ブチルトリクロロアセトフェノン、p‐tert‐ブチルジクロロアセトフェノン、2‐(o‐クロロフェニル)‐4,5‐ジフェニルイミダゾリル二量体、チオキサントン、2‐メチルチオキサントン、2‐イソプロピルチオキサントン、ジベンゾスベロン、α,α‐ジクロロ‐4‐フェノキシアセトフェノン、ペンチル‐4‐ジメチルアミノベンゾエート、9‐フェニルアクリジン、1,7‐ビス‐(9‐アクリジニル)へプタン、1,5‐ビス‐(9‐アクリジニル)ペンタン、1,3‐ビス‐(9‐アクリジニル)プロパンなどが挙げられる。
(その他)
さらに、感光性樹脂層を形成する感光性樹脂組成物には、要求される特性に応じて増感剤、熱重合禁止剤、可塑剤、発色剤、酸化防止剤、光劣化防止剤等の添加剤を用いることができる。この感光性樹脂組成物の調製法としては様々な方法を使用できるが、たとえば、配合される原料を適当な溶剤、たとえば、クロロホルム、テトラクロロエチレン等のハロゲン系炭化水素類、ジブチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルプロピルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸n‐プロピル、酢酸n‐ブチル等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、等の溶剤(これら有機溶剤は、単独でもまた混合でも用いることができる)に溶解させて混合し、型枠の中に流延して溶剤を蒸発させ、そのまま板とすることも、また、溶剤を用いず、ニーダーあるいはロールミルで混練し、押出機、射出成形機、プレスなどにより所望の厚さの板に成形することもできる。
さらに、感光性樹脂層を形成する感光性樹脂組成物には、要求される特性に応じて増感剤、熱重合禁止剤、可塑剤、発色剤、酸化防止剤、光劣化防止剤等の添加剤を用いることができる。この感光性樹脂組成物の調製法としては様々な方法を使用できるが、たとえば、配合される原料を適当な溶剤、たとえば、クロロホルム、テトラクロロエチレン等のハロゲン系炭化水素類、ジブチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルプロピルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸n‐プロピル、酢酸n‐ブチル等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、等の溶剤(これら有機溶剤は、単独でもまた混合でも用いることができる)に溶解させて混合し、型枠の中に流延して溶剤を蒸発させ、そのまま板とすることも、また、溶剤を用いず、ニーダーあるいはロールミルで混練し、押出機、射出成形機、プレスなどにより所望の厚さの板に成形することもできる。
さらに、図1に示すように、基材10の他方の面には、基材から剥離可能な剥離部材8が設けられていることが好ましい。このように剥離部材8が設けられていることで、積層体の取り扱いを容易にすることができる。また、剥離部材8としては、積層体を被加工基材の上に配置する際に、基材10から除去する(剥がす)必要があるため、基材10を劣化させることなく剥がすことができるよう、最適な剥離力を有することが好ましい。
剥離部材8としては、上記役割を果たすことができる限り、材料は特に制限されない。たとえば、不織布、紙、プラスチックを用いることができる。
本発明にかかる積層体には、必要に応じて、感光性樹脂層20の上にカバーシート(図示せず)を積層することができる。また、感光性樹脂層20とカバーシートとの間に易剥離層(図示せず)を設けることもできる。
カバーシートは、凸版印刷版に用いられる感光性樹脂層の上に、通常設けられ得る公知の金属、プラスチックフィルム、紙およびこれらの複合化された形態のすべてのカバーシートを使用することができる。これらには付加重合ポリマーおよび線状縮合ポリマーにより形成されるようなポリマー性フィルム、透明なフォームおよび織物、不織布、たとえばガラス繊維不織布、およびスチール、アルミニウムなどの金属が含まれる。好ましくは、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、あるいは、これらのフィルムを積層したものが用いられる、このカバーシートとしては、フィルムが好適であり、その厚さは、20μm以上200μm以下が好ましい。
さらに、感光性樹脂層20の上に設けられたカバーシートを剥離する際に、感光性樹脂層20の表面が破損することを防ぐため、感光性樹脂層20とカバーシートの間に、易剥離層を設けることもできる。易剥離層に用いられる材料としては、露光波長の波長域の光の影響を受けず、透明で、粘着性のない材料を用いることができる。たとえば、ポリアミド、ポリビニルアルコール、アミノアルキド、シリコーン系離型剤およびこれらの組み合わせを挙げることができる。
本実施形態にかかる積層体は、互いに背向する面に粘着性を有する基材10の一方の面に感光性樹脂層20を有する。そのため、基材10の他方の面を他の部材に貼り付けることで、感光性樹脂層20を他の部材上に容易に設けることができる。それゆえ、たとえば、サンドブラスト用マスクなどの、被加工基材の上に設けられるマスクを形成する際の材料体として好適に用いられる積層体を提供することができる。つまり、本実施形態にかかる積層体を用いた場合には、被加工基材の材質を問わず、感光性樹脂部材をより簡便な方法で被加工基材に配置し得るサンドブラスト用マスクを形成することができるのである。
2.サンドブラスト用マスク
次に、本実施に係るサンドブラスト用マスクについて、図2を参照しつつ説明する。
次に、本実施に係るサンドブラスト用マスクについて、図2を参照しつつ説明する。
(構造)
本発明の実施形態にかかるサンドブラスト用マスクの構造について、図2(a)を参照しつつ説明する。サンドブラスト用マスクは、基材10と、基材10の上に設けられた、所定パターンの感光性樹脂部材22とからなる。基材10は、上記積層体にて説明した基材10を用いることができる。感光性樹脂部材22は、感光性樹脂層を、たとえば、選択的な露光によりパターニングして形成された部材である。なお、図2(a)には、基材10が、支持体10bと、その両面に設けられた粘着性の層(以下、「粘着層」と称する)10a、10cとからなる場合を示す。粘着層10a、10cについては、上述した材料を用いることができる。
本発明の実施形態にかかるサンドブラスト用マスクの構造について、図2(a)を参照しつつ説明する。サンドブラスト用マスクは、基材10と、基材10の上に設けられた、所定パターンの感光性樹脂部材22とからなる。基材10は、上記積層体にて説明した基材10を用いることができる。感光性樹脂部材22は、感光性樹脂層を、たとえば、選択的な露光によりパターニングして形成された部材である。なお、図2(a)には、基材10が、支持体10bと、その両面に設けられた粘着性の層(以下、「粘着層」と称する)10a、10cとからなる場合を示す。粘着層10a、10cについては、上述した材料を用いることができる。
(製造方法)
次に、本実施形態にかかるサンドブラスト用マスクの製造方法について、図面を参照しつつ説明する。図2(b)〜図2(d)は、本実施形態にかかるサンドブラスト用マスクを説明する断面図である。
次に、本実施形態にかかるサンドブラスト用マスクの製造方法について、図面を参照しつつ説明する。図2(b)〜図2(d)は、本実施形態にかかるサンドブラスト用マスクを説明する断面図である。
まず、図2(b)に示すように、基材10の上に感光性樹脂層20が設けられた積層体を形成する。この積層体の形成は、基材10の上に、感光性樹脂組成物を塗布し、塗膜を乾燥することで形成することができる。感光性樹脂組成物としては、上述の組成物を用いることができる。
次に、図2(c)に示すように、感光性樹脂層20をパターニングする。この工程では、感光性樹脂層20の上に、遮光性を有するマスク30を配置し、矢印で示すように300nm〜700nmの波長域の光を照射する。
感光性樹脂層20に照射する光としては、赤外線より波長が短い電磁波、好ましくは可視光線と紫外線領域の電磁波、さらに好ましくは300nm〜700nmの電磁波がよく、より好ましくは300nm〜400nmである。この照射する光の光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、重水素ランプ、タングステンランプ(タングステンヨウ素ランプ、WIランプ、WI2 ランプ)、キセノンランプ、エキシマーレーザーなどを挙げることができる。
マスク30としては、ネガフィルムや、遮光インクを吐出して形成されたパターン(マスク画像)などを用いることができる。
また、基材10(本実施形態においては粘着層10c)には、露光に用いられる光を吸収することができる吸収剤が含まれている。そのため、パターン間に集中し得る光を吸収することができ、ハレーション現象を抑制することができる。
本実施形態における露光条件は、特に限定されるものではない。露光に用いる方法に応じて、露光時間、露光強度等を適宜選択することが可能である。この照射により、図2(d)に示すように、マスク30に覆われていた領域は、未硬化のままだが、露出していた領域には、UV硬化後の感光性樹脂22aが形成される。
ついで、未硬化の感光性樹脂層20と感光性樹脂22aとの間の現像液への溶解度の差を利用して、感光性樹脂層20を除去する。これにより、基材10の上に感光性樹脂部材22を残存させる。この感光性樹脂層20の除去は、たとえば、感光性樹脂層20が可溶である溶媒を用いて行なうことができる。除去のための溶媒としては、有機溶媒または水溶媒を用いることができ、この溶媒の選択は、除去されるべき感光性樹脂層20の化学的性質に依存する。適当な有機溶媒としては、芳香族もしくは脂肪族炭化水素および脂肪族もしくは芳香族ハロ炭化水素溶媒またはそれらの溶媒と適当なアルコールとの混合物が挙げられる。また、水溶媒としては、水または水に混和し得る有機溶媒およびアルカリ性材料を含有している。該水溶媒としては、水と、たとえば、へプチルアセテート、3‐メトキシブチルアセテート等のエステル類、石油留分、トルエン、デカリン等の炭化水素類、テトラクロルエチレンなどの塩素系溶剤、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア等の水溶液が挙げられる。また、これらの溶剤にプロパノール、ブタノール、ぺンタノール等のアルコール類を混合したものを用いることも可能である。この除去工程では、上記の溶媒を用いて、洗い出しまたは浸漬、ノズルからの噴射、ブラシによるブラッシング等任意の方法を採用することができる。
以上の工程により、本実施形態にかかる感光性樹脂部材22を含むサンドブラスト用マスクを形成することができる。
本実施形態にかかるサンドブラスト用マスクは、基材10の一部である粘着層10aを、被加工基材40と密着させることにより、被加工基材40上に配置される。そのため、本実施形態によれば、取り扱いの簡便性が向上したサンドブラスト用マスクを提供することができる。また、基材10の粘着層10aを被加工基材40に密着させるのみで、被加工基材40に感光性樹脂層20をラミネートすることができるため、種々の被加工基材40の材質を問わずに利用可能なサンドブラスト用マスクを提供することができる。
さらに、基材10には露光に用いられる光を吸収する吸収剤が含まれているため、露光時に光の反射を低減することができる。そのため、パターン間でのにじみ(ハレーション)が抑制され、鮮明な画像(パターン)を得ることができる。その結果、微細なパターンであっても精度の高いパターンが形成されたサンドブラスト用マスクを提供することができる。
3.被加工基材の処理方法
次に、被加工基材の処理方法について、図3を参照しつつ説明する。図3(a)〜図3(c)は、本実施形態にかかる被加工基材40の処理工程を示す断面図である。
次に、被加工基材の処理方法について、図3を参照しつつ説明する。図3(a)〜図3(c)は、本実施形態にかかる被加工基材40の処理工程を示す断面図である。
まず、図3(a)に示すように、被加工基材40の上に、サンドブラスト用マスクを配置する。本実施形態では、サンドブラスト用マスクとしては、図2で説明したサンドブラスト用マスクを用いる場合を示す。具体的には、図2(a)に示したサンドブラスト用マスクの剥離部材8を、基材10から剥離して、被加工基材40の上面に密着させることで行なわれる。被加工基材40としては、ガラス、石材、プラスチック、セラミックス、皮革、木材および金属のうちの少なくとも1種を用いることができる。さらに、被加工基材40がガラスである場合の一態様として、プラズマディスプレイ用ガラス粉末層を例示することができる。ここで、プラズマディスプレイ用ガラス粉末層とは、有機成分(バインダー)にガラスの粉末が分散されている組成物により形成されるものである。この粉末層は、サンドブラストによりパターンニングされた後、高温焼成される。この高温焼成により、有機成分が熱分解され、さらにはガラス粉末をも溶解する。その結果、ガラスを主成分とした部材(隔壁)を形成することができる層である。
次に、図3(b)に示すように、被加工基材40にサンドブラスト処理を施す。サンドブラスト処理では、ブラスト剤を用いて被加工基材40を研磨する。ブラスト剤としては2〜500μmのガラスビーズ、SiC、SiO2 、Al2O3 、ZrO等の無機微粒子等が好適に用いられる。サンドブラスト処理後、基材10を洗浄する。
ついで、上記サンドブラスト処理が施された被加工基材40から感光性樹脂部材22を除去することで、図3(c)に示すように、被加工基材40にパターン(画像)を形成することができる。感光性樹脂部材22の除去は、たとえば、粘着層10aが溶解し得る溶媒を用いて行なうことができる。この溶媒としては、有機溶媒または水溶媒を用いることができる。
有機溶媒としては、芳香族もしくは脂肪族炭化水素および脂肪族もしくは芳香族ハロ炭化水素溶媒またはそれらの溶媒と適当なアルコールとの混合物が挙げられる。また、水溶媒としては、水または水に混和し得る有機溶媒およびアルカリ性材料を含有した溶液を用いることができる。具体的には、水溶媒として、水と、たとえば、へプチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類、石油留分、トルエン、デカリン等の炭化水素類、テトラクロルエチレンなどの塩素系溶剤、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア等が混和した水溶液が挙げられる。また、これらの溶剤にプロパノール、ブタノール、ペンタノール等のアルコール類を混合したものを用いることも可能である。感光性樹脂部材22の除去は、上記の溶液への浸漬、上記溶液のノズルからの噴射、ブラシによるブラッシング等任意の方法を採用することができる。また、上記剥離液で除去できない材料を感光性樹脂部材22として使用する場合には、両面に粘着性を有するテープ材を用いて、感光性樹脂層20を基材にラミネートし、その除去を物理的に行なうこともできる。
本実施形態にかかる被加工基材40の処理方法によれば、感光性樹脂部材22からなるパターンを有する基材10を被加工基材40に密着させることで、被加工基材40上にサンドブラスト用マスクを配置することができる。そのため、より簡便な方法で、被加工基材40に対するサンドブラスト処理を行なうことができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
[実施例]
(感光性反応生成物の調整)
まず、感光性樹脂層の形成に用いられる感光性樹脂組成物の調整を行なった。水10重量部にメチルヒドロキノン0.25重量部を溶かし、これにジメチロールエーテル74重量部、N‐メチロールアクリルアミド202重量部、塩化アンモニウム2重量部を加えて80℃に加熱し、2時間かきまぜた。次いで、この反応生成物をアセトン1000重量部中に添加し、沈殿物をろ過して除き、感光性反応生成物を得た。
(感光性反応生成物の調整)
まず、感光性樹脂層の形成に用いられる感光性樹脂組成物の調整を行なった。水10重量部にメチルヒドロキノン0.25重量部を溶かし、これにジメチロールエーテル74重量部、N‐メチロールアクリルアミド202重量部、塩化アンモニウム2重量部を加えて80℃に加熱し、2時間かきまぜた。次いで、この反応生成物をアセトン1000重量部中に添加し、沈殿物をろ過して除き、感光性反応生成物を得た。
(樹脂層形成工程)
次に、ケン化度73モル%、重合度500の部分ケン化ポリビニルアルコール(PVA)100重量部、感光性反応生成物100重量部、エチレングリコール10重量部、ベンゾインイソプロピルエーテル4重量部、メチルヒドロキノン0.05重量部を水200重量部に加熱溶解した溶液を、予めPVAを易剥離層として設けたポリエステルフィルム(カバーシート)上に流延し、40℃で15時間乾燥させて、厚さが0.7mmの感光性樹脂層を形成した。
次に、ケン化度73モル%、重合度500の部分ケン化ポリビニルアルコール(PVA)100重量部、感光性反応生成物100重量部、エチレングリコール10重量部、ベンゾインイソプロピルエーテル4重量部、メチルヒドロキノン0.05重量部を水200重量部に加熱溶解した溶液を、予めPVAを易剥離層として設けたポリエステルフィルム(カバーシート)上に流延し、40℃で15時間乾燥させて、厚さが0.7mmの感光性樹脂層を形成した。
ついで、両面に粘着性を有するテープ(日東電工株式会社製、商品名「両面接着テープNo.5000N(C)B」)と、感光性樹脂層とが接するように積層圧着して積層体に製造した。なお、このテープには、吸収剤として、カーボンブラックが含まれていた。
(パターニング工程)
得られた積層体のポリエステルフィルムを剥離し、所定のパターンを有するネガフィルムを感光性樹脂層の上に密着させて配置した。その後、370nmに中心波長を有する紫外線を720mJ/cm2 で照射してUV露光を行った。
得られた積層体のポリエステルフィルムを剥離し、所定のパターンを有するネガフィルムを感光性樹脂層の上に密着させて配置した。その後、370nmに中心波長を有する紫外線を720mJ/cm2 で照射してUV露光を行った。
ついで、ブラシ式洗い出し機を用いて、35℃の温水にて2分間現像し、その後、乾燥および後露光を行い、高精細なサンドブラスト用マスクを得た。
(配置工程〜サンドブラスト工程)
得られたサンドブラスト用マスクのテープの離型紙を剥離し、被加工基材であるガラスにラミネートした。ついで、ブラスト剤として、SiC(炭化ケイ素)#800(不二製作所社製)を使用し、ブラスト圧4Kg/cm2 で、60秒間サンドブラスト処理したところ、マスクに忠実なパターンが50μmの深さで切削できた。
得られたサンドブラスト用マスクのテープの離型紙を剥離し、被加工基材であるガラスにラミネートした。ついで、ブラスト剤として、SiC(炭化ケイ素)#800(不二製作所社製)を使用し、ブラスト圧4Kg/cm2 で、60秒間サンドブラスト処理したところ、マスクに忠実なパターンが50μmの深さで切削できた。
[比較例]
(樹脂配置工程)
実施例と同様の方法により、PVAを易剥離層として設けたポリエステルフィルム(カバーシート)上に0.7mmの感光性樹脂層を形成した。次に、離型処理を施されたポリエステルフィルム(基材)を感光性樹脂層の表面に接するように積層圧着して積層体を製造した。
(樹脂配置工程)
実施例と同様の方法により、PVAを易剥離層として設けたポリエステルフィルム(カバーシート)上に0.7mmの感光性樹脂層を形成した。次に、離型処理を施されたポリエステルフィルム(基材)を感光性樹脂層の表面に接するように積層圧着して積層体を製造した。
(パターニング工程)
得られた積層体のカバーシートであるポリエステルフィルムを剥離し、所定のパターンを有するネガフィルムを易剥離層上に密着させ配置し、370nmに中心波長を有する紫外線を720mJ/cm2 で照射してUV露光を行った。
得られた積層体のカバーシートであるポリエステルフィルムを剥離し、所定のパターンを有するネガフィルムを易剥離層上に密着させ配置し、370nmに中心波長を有する紫外線を720mJ/cm2 で照射してUV露光を行った。
さらに、ブラシ式洗い出し機を用いて、35℃の温水にて2分間現像し、その後、乾操及び後露光を行い、サンドブラスト用マスクを得た。
このサンドブラスト用マスクは、基材であるポリエステルフィルムに吸収剤が含まれていないため、ハレーションを抑制することができず、高精細なサンドブラスト用マスクが得られなかった。
(配置工程〜サンドブラスト工程)
得られたサンドブラスト用マスクを両面に粘着性を有するテープを使用して、被加工基材であるガラスにラミネートした。その後、離型処理を施したポリエステルフィルムを剥離した。ついで、ブラスト剤として、SiC(炭化ケイ素)#800を使用し、ブラスト圧4Kg/cm2 の条件下で60秒間サンドブトラスト処理した。その結果、50μmの深さで切削できたが、マスクに忠実なパターンが作成されなかった。
得られたサンドブラスト用マスクを両面に粘着性を有するテープを使用して、被加工基材であるガラスにラミネートした。その後、離型処理を施したポリエステルフィルムを剥離した。ついで、ブラスト剤として、SiC(炭化ケイ素)#800を使用し、ブラスト圧4Kg/cm2 の条件下で60秒間サンドブトラスト処理した。その結果、50μmの深さで切削できたが、マスクに忠実なパターンが作成されなかった。
上記の実施例によるサンドブラスト用マスクは、比較例にかかるサンドブラスト用マスクと比して、パターン精度が高いサンドブラスト用マスクを製造できることが確認された。さらに、実施例にかかるサンドブラスト用マスクを使用して被加工基材を処理することにより、被加工基材に良好なサンドブラスト処理を行なうことができることが確認された。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以上のように、本発明にかかる積層体は、マスク材として好適に使用することができる。本発明の積層体およびサンドブラスト用マスクは、プラズマディスプレイパネルにおけるリブの形成等に好適に利用することができる。
8 剥離部材
10 基材
10a,10c 粘着層
10b 支持体
20 感光性樹脂層
22 感光性樹脂部材
30 マスク(ネガフィルム)
40 被加工基材
10 基材
10a,10c 粘着層
10b 支持体
20 感光性樹脂層
22 感光性樹脂部材
30 マスク(ネガフィルム)
40 被加工基材
Claims (9)
- 互いに背向する少なくとも一対の面に粘着性を有する基材と、
前記基材の前記一方の面に設けられた感光性樹脂層と、を含むことを特徴とする積層体。 - 前記基材は、前記感光性樹脂層の露光に用いられる光を吸収することができる吸収剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の積層体。
- 前記光は、紫外線であり、
前記吸収剤は、300nmから450nmの波長域の光に吸収性を有する染料または顔料であることを特徴とする請求項2に記載の積層体。 - 前記吸収剤は、カーボンブラックであることを特徴とする請求項2または3に記載の積層体。
- 前記基材の他方の面は、前記基材から剥離可能な剥離部材により覆われていることを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載の積層体。
- 前記基材は、不織布、紙およびプラスチックのうち何れか1種であることを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載の積層体。
- 互いに背向する少なくとも一対の面に粘着性を有する基材と、
前記基材の前記一方の面に設けられた、感光性樹脂部材からなるパターンと、を含むことを特徴とするサンドブラスト用マスク。 - 互いに背向する少なくとも一対の面に粘着性を有する基材の一方の面に感光性樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、
前記感光性樹脂層をパターニングし感光性樹脂部材を形成するパターニング工程と、
サンドブラストされる被加工基材に、前記基材の他方の面を密着させて、前記感光性樹脂部材を配置する樹脂配置工程と、
前記被加工基材にサンドブラスト処理を施すサンドブラスト工程と、を含むことを特徴とする被加工基材の処理方法。 - 前記他方の面は、前記基材から剥離可能な剥離部材に覆われており、
前記樹脂配置工程は、前記剥離部材を剥離した後に前記被加工基材と前記他方の面とを密着させることを含むことを特徴とする請求項8に記載の処理方法。
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
JP2015196792A (ja) * | 2014-04-02 | 2015-11-09 | カモ井加工紙株式会社 | ショットブラスト用マスキングテープ |
JP2019042818A (ja) * | 2017-08-29 | 2019-03-22 | 株式会社山万 | 革表面加工方法 |
-
2007
- 2007-01-29 JP JP2007018250A patent/JP2008183772A/ja active Pending
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