JP2008182835A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】パワーデバイスの高温時のスイッチング損失を低減する。
【解決手段】パワーデバイスのチップ温度または周辺温度に応じて、パワーデバイスのスイッチング速度を切換える電流値を示す電流しきい値を、高温時に低い方に設定する。
【選択図】図2

Description

この発明は、半導体装置に関し、特に駆動電流量に応じてスイッチング速度が切換えられるパワーデバイスのスイッチング損失を低減するための構成に関する。
IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)およびパワーMOSFET(絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)などのパワーデバイスが、電力変換を行なうパワーエレクトロニクスの分野において広く用いられている。パワーデバイスは、大電流かつ高電圧を取扱う半導体スイッチとして用いられる。このパワーデバイスは、電力変換を行なうため、そのスイッチ損失をできるだけ小さくするのが望まれる。IGBTのターンオフ時のスイッチング損失を低減するために、ターンオフ時にゲート電流を放電する経路に設けられるゲート抵抗を、高温時に高抵抗状態へ切換える構成が、特許文献1(特開2002−119044号公報)に示される。
IGBTは、チップ温度(動作温度)が低いほど、または、遮断する電流値が大きいほど、そのコレクタ電流が0となるまでの出力電流の立下がり期間中の電流変化率di/dtが高くなる。ターンオフ時に、配線インダクタンスによるサージ電圧が発生する場合、サージ電圧は、電流変化率に比例する。このようなサージ電圧によりIGBTが破壊されるのを防止するため、サージ電圧の最悪ケースを想定して電流変化率di/dtを温度によらず固定的に設定した場合、高温時において、そのIGBTの電流変化率di/dtが不必要に低減され、ターンオフ損失が増加する問題が生じる。
特許文献1は、このような問題を解消するために、IGBTのチップまたはその周辺の温度を温度測定器で測定する。その温度測定器の出力電圧を設定値と比較する。この温度が設定値よりも高くなった場合には、IGBTのゲート抵抗値を低くする。すなわち、IGBTの動作特性上、高温時においては、IGBTの出力電流の電流変化率di/dtは低くなっている。高温時にそのゲート抵抗を強制的に低抵抗状態に設定して、比較的速くIGBTをターンオフさせて、ターンオフ損失を低減させることを図る。この特許文献1は、また、別の実施例として、温度測定器の出力電圧に従って、高温時、コレクタ電流検出信号の参照値となる基準電圧を高くする構成を示す。この場合、高温状態においては、大きなコレクタ電流まで、ゲート抵抗値を低い状態でIGBTをターンオフさせる。すなわち、この特許文献1は、温度によらずサージ電圧を一定としてIGBTをターンオフさせて、スイッチング損失を低減することを図る。
パワーデバイスにおいて、過熱時に、このパワーデバイスを遮断状態に駆動する過熱保護回路を備える構成が、特許文献2(特開2000−298522号公報)および特許文献3(特開平11−299221号公報)に示される。
特許文献2に示される温度センサ内蔵のパワーデバイスは、温度センサとしてPN接合ダイオードを利用する。PN接合ダイオードのオン電圧(順方向降下電圧)が、温度上昇に伴って低下する負の温度特性を有することを利用して、パワーデバイスの動作温度をモニタする。
特許文献3に示される構成においては、温度検出のために、一定の電流が定電流源から供給されるダイオードのオン電圧(順方向降下電圧)をモニタする。このオン電圧が、所定値以下に低下すると、パワーデバイスの動作温度が、高温状態であると判定する。
また、半導体集積回路装置において過熱状態を検出する構成が、特許文献4(特開2002−368110号公報)に示されている。この特許文献4に示される構成においては、バイポーラトランジスタのベース抵抗の漏れ電流を、温度を示すパラメータとして利用する。ベース抵抗は、ウェル領域表面に形成される拡散抵抗で構成し、ウェル領域を定電圧でバイアスする。ベース抵抗は、バイポーラトランジスタのベースと接地ノードの間に接続される。ウェル領域とベース抵抗の間にPN接合が形成される。このベース抵抗において、PN接合の逆方向電流の温度依存性に従ってリーク電流が、高温時に増大する。この場合、バイポーラトランジスタのベース電流も増大し、応じてバイポーラトランジスタを介して流れる電流が増大する。このバイポーラトランジスタの出力電圧を検出して、高温状態を検出する。
また、インテリジェントパワーモジュールにおいて、温度検出素子としてサーミスタで構成される負性抵抗素子を利用する構成が、特許文献5(特開平7−297695号公報)に示される。このサーミスタは、スイッチング素子(IGBT)を流れる電流を電圧に変換する。この電圧変換により、サーミスタの抵抗値の低下が電圧低下に変換される。この変換電圧が、基準電圧以下のときに、高温状態にあると判定する。
また、パワーIC(集積回路装置)においてパワーセルブロックの機能ブロック領域に、PNダイオードを配置して温度を検出する構成が特許文献6(特開2000−31290号公報)に示される。パワーセルトランジスタのゲートと隣接してドープトポリシリコンを配置する。このドープトポリシリコンによりPNダイオードを形成する。機能ブロックはパワーデバイスの耐圧およびブロッキング特性等の所定の定格性能を維持するために設けられる領域であり、デッドスペースである。このデッドスペースを利用して、温度検出用のPNダイオードを配置することにより、また、各パワーセルブロックに配置することにより、チップ上の温度のばらつきの影響を抑制して、パワーデバイスの温度を正確に測定することを図る。
特開2002−119044号公報 特開2000−298522号公報 特開平11−299221号公報 特開2002−368110号公報 特開平7−297695号公報 特開2000−31290号公報
一般に、インテリジェントモジュールに内蔵されるパワートランジスタについては、駆動電流量に応じてスイッチング速度が変更される。温度がたとえば25℃と低い場合には、IGBTおよびパワーMOSトランジスタなどのパワーデバイスは、スイッチング時の電流変化率di/dtは大きい。一方、たとえば100℃などの高温においては、これらのパワーデバイスは、スイッチング時の電流変化率di/dtが小さい。パワートランジスタを介して流れる電流が小さいときは、スイッチング速度が遅くされ、この電流が大きいときには、スイッチング速度が速くされる。
このスイッチング速度の切換は、以下のために行なわれる。すなわち、パワートランジスタを介して流れる電流が小さいときに、電流変化率を低下させ、この領域における放射ノイズを低減する。また、電流変化率が小さい方が、配線の寄生インダクタンスLによるサージ電圧(L・di/dt)を小さくすることができ、ノイズを抑制することができる。また、パワートランジスタを介して流れる電流が大きい場合には、スイッチング速度を速くすることにより、スイッチング損失を低下させる。このスイッチング速度の切換点は、従来、インテリジェントパワーモジュールにおいては、温度に依存せずに固定的に定められる。
しかしながら、このようなスイッチング速度の制御を行なうと、以下のような問題が生じる。すなわち、このパワートランジスタを介して流れる電流が小さいときにスイッチング速度を低下させるため、この領域においてスイッチング損失が増大する。また、高温時においては、その素子特性から必然的に、電流変化率di/dtが小さくなる。このパワートランジスタを介して流れる電流が大きいときは、スイッチング損失低減の観点から、そのスイッチング速度を早くするだけである。このパワートランジスタを介して流れる電流が小さいときには、そのスイッチング速度は遅くされているため、高温時において、スイッチング損失が、さらに増大するという問題が生じる。
上述の特許文献1においては、温度に応じて、出力パワートランジスタのベース抵抗を切換える基準電圧レベルを変更している。すなわち、高温時においては、この基準電圧を高くし、ベース抵抗が低抵抗状態に維持される領域が、コレクタ電流の大きい領域にシフトされる。ベース抵抗タ低抵抗値の場合、スイッチング速度が早くされる。したがって、高温状態においては、この高速スイッチング動作する領域が広くなり、スイッチング損失が低減される。しかしながら逆に、寄生インダクタンスによるサージ電圧および放射ノイズが増大する可能性がある。
この特許文献1は、基本構成として、コレクタ電流が基準電流量以下の小さい領域においては、ベース抵抗を小さくし、そのスイッチング速度を速くする。一方、コレクタ電流が基準電流量よりも大きい領域においては、ベース抵抗を大きくして、そのスイッチング速度を低下させる。したがって、駆動電流量が大きい場合にスイッチング損失が大きくなる。特許文献1においては、温度が上昇した場合、スイッチング速度の切換点を、コレクタ電流の高い方へシフトさせて、スイッチング速度を速くする領域を広くしている。この特許文献1は、高温時のスイッチング損失の低減およびサージ電圧を一定とすることを意図しているだけである。この特許文献1は、高温時の小電流駆動時のノイズの低減および大電流駆動時のスイッチング損失の低減を実現する構成については考慮していない。
特許文献2は、温度センサ内蔵半導体素子を開示している。しかしながら、この温度センサ内蔵半導体素子は、過熱状態のときに負荷駆動用の出力半導体素子を強制的にオフ状態に設定するだけである。温度に応じて半導体素子のスイッチング速度を切換える構成については、特許文献2は何ら考慮していない。
特許文献3は、パワートランジスタのセンスエミッタ電流により過電流状態を検出する構成および定電流が供給されるPNダイオードのオン電圧を利用して過熱状態を検出する構成を示す。この特許文献3は、単に、パワートランジスタの保護回路を開示しているだけであり、温度に応じてパワートランジスタのスイッチング速度を切換える構成については何ら考慮していない。
特許文献4においては、PN接合の逆方向電流に従ってバイポーラトランジスタのベース電流を調整し、バイポーラトランジスタの出力電圧に従って温度を検出する構成が示される。このバイポーラトランジスタの出力電流/電圧に従って、高温時に負荷を駆動するパワートランジスタを強制的にオフ状態に設定している。この特許文献4は、PN接合の逆方向電流の温度依存性を利用して温度検出を行なっているだけである。この特許文献4においても、チップまたは周辺温度に応じて、負荷駆動用のパワートランジスタのスイッチング速度を切換える構成については何ら考慮していない。
特許文献5においては、サーミスタを用いてパワートランジスタの動作温度を検出する構成が示される。すなわち、負荷駆動パワートランジスタを流れる電流をサーミスタで電圧に変換して温度を検出する。検出温度が、高温の過熱状態を示すときには、パワートランジスタを強制的にオフ状態に設定する。したがって、この特許文献5においても、温度保護回路が示されるだけであり、温度に応じてパワートランジスタのスイッチング速度を切換える構成については何ら考慮されていない。
特許文献6においては、ダイオードをパワーセルブロックの機能領域部に配置して、各パワーセルブロックにおいて温度を検出する。検出温度に従って高温時に、パワーセルのトランジスタを強制的にオフ状態とする。特許文献6は、また、温度に応じてパワートランジスタのスイッチング速度を変更する構成については何ら考慮していない。
それゆえ、この発明の目的は、高温状態時のスイッチング損失を低減することのできる半導体装置を提供することである。
この発明の他の目的は、パワートランジスタのスイッチング損失およびスイッチングノイズを低減することのできる、インテリジェントパワーモジュールに内蔵されるスイッチング速度切換回路を提供することである。
この発明に係る半導体装置は、要約すれば、負荷を駆動する出力トランジスタのスイッチング速度を低速から高速に切換えるしきい値を、温度に応じて更新するものである。高温状態になると、そのしきい値を低くする。
すなわち、この発明に係る半導体装置は、出力負荷を駆動するスイッチング素子の動作温度を検出する温度センサと、この温度センサの検出出力に従ってスイッチング素子のスイッチング速度を切換えるしきい値を変更するゲート制御回路とを備える。このゲート制御回路は、温度センサの検出出力が、温度上昇を示すときにそのしきい値を低下する。
温度に応じてスイッチング速度の切換点を示すしきい値を変更することにより、動作温度に応じて、スイッチング速度を最適化することができ、ノイズおよびスイッチング損失を低減することができる。
1つの実施の形態において、温度上昇時においては、スイッチング素子のスイッチング速度切換点を低下させている。したがって、高温状態においては、このスイッチング素子のスイッチング速度が速くされる領域が、駆動電流が小さい領域まで広くなる。これにより、高温時におけるスイッチング素子の電流変化率の低下を補償することができ、スイッチング損失を低減することができる。
[原理的構成]
図1は、この発明に従う半導体装置の原理的構成を概略的に示す図である。図1において、半導体装置は、インテリジェント・パワー・モジュール1である。インテリジェント・パワー・モジュール1は、負荷を駆動するパワーデバイスブロック2と、このパワーデバイスブロック2のオン/オフを制御する制御ブロック4と、パワーデバイスブロック2に含まれるパワーデバイス(パワートランジスタ;スイッチング素子)を破壊から保護する検出/保護ブロック6を含む。
パワーデバイスブロック2は、その用途に応じて複数のIGBT、バイポーラトランジスタまたはパワーMOSFETなどのパワーデバイスを含む。
制御ブロック4は、図示しないCPU(中央処理装置)からの制御信号CTLに従ってパワーデバイスブロック2に含まれるパワーデバイスに対する導通制御を行なう信号を生成する。この制御ブロック4は、パワーデバイスブロック2に含まれるパワーデバイス個々に、そのオン/オフを制御する。
検出/保護ブロック6は、このパワーデバイスブロック2に含まれるパワーデバイスの破壊要因となる過電流、過熱および短絡電流の異常検出および検出信号の生成を行なう。この制御ブロック4は、検出/保護ブロック6において異常が検出された場合には、パワーデバイスブロック2のパワーデバイスをすべて非動作状態(オフ状態)に設定するとともに、異常検出信号FO(フォールトアウトプット)をアサートし、主制御回路に対し異常発生を報知する。
この制御ブロック4は、また、パワーデバイスブロック2に含まれるパワーデバイスを流れる電流に従ってそのスイッチング速度を切換える制御を行なう。本発明においては、このスイッチング速度切換点を、インテリジェント・パワー・モジュール1内の温度、特にパワーデバイスの動作温度またはその周辺の温度に応じて変更する。
図2は、この発明に従うパワーデバイスのスイッチング速度切換点の制御を概略的に示す図である。図2において、横軸に、パワーデバイスがIGBTである場合のコレクタ電流(単位A)を示し、縦軸に、スイッチング損失(単位W)を示す。
IGBTなどのパワーデバイスは、その動作特性から、低温時においては、スイッチング時の電流変化率di/dtが大きい。したがって、低温時においては、スイッチング速度切換点(しきい値)が高い方が、すなわち、コレクタ電流が大きくなるまでスイッチング速度を遅い状態に設定する方が、放射ノイズの低減に対して有利である。しかしながら、温度が高くなった場合、パワーデバイス(IGBT)のスイッチング時の電流変化率di/dtが、低温時に比べて小さくなり、スイッチング損失が大きくなる。したがって、高温時においては、スイッチング速度切換点(しきい値)を低温時よりも低下させて、速いスイッチング速度で動作するコレクタ電流領域を拡張する。
すなわち、図2に示すように、スイッチング損失は、コレクタ電流が増大するにつれて、増大する。したがって、高温時において、折れ線Iにおいて示すように、スイッチング速度切換点STHを、低い値に設定する。一方、低温時においては、折れ線IIに示すように、そのスイッチング速度切換点STLを高い値に設定する。スイッチング速度切換点が温度によらず固定される(たとえば切換点STL)状態に比べて、高温時におけるスイッチング損失を低減する。
上述のように、この発明に従えば、パワーデバイスのスイッチング速度の切換点を、高温時には、低温時よりも低くする。これにより、高温時の電流変化率が低下するのを補償して、スイッチング損失を低減する。以下、スイッチング速度切換のための構成について具体的に説明する。
[実施の形態1]
図3は、この発明の実施の形態1に従う半導体装置の構成を概略的に示す図である。図3においては、1つのパワーデバイス10と、このパワーデバイス10のオン/オフを制御する制御回路12を代表的に示す。インテリジェント・パワー・モジュールにおいては、パワーデバイス10が、図1に示すパワーデバイスブロック2において複数個設けられる。図1に示す制御ブロック4において、各パワーデバイス10に対応して制御回路12が設けられる。ここでは、パワーデバイス10として、IGBTを代表的に示す。以下、パワーデバイス10を単にIGBTと称す。
このIGBT10は、コレクタ端子と、エミッタ端子と、センスエミッタ端子SEとゲートGとを有する。センスエミッタSEは、このエミッタ端子Eの構成するセルよりも十分小さな断面積を有し、コレクタ端子Cを介してエミッタEへ流れるコレクタ電流の十分小さなセンス電流iseを生成する。
このIGBT10のスイッチング速度を切換えるために、センス可変抵抗14と、IGBT10の動作温度またはその周辺の温度をモニタし、そのモニタ結果に従ってセンス可変抵抗14の抵抗値を設定する温度モニタ16が設けられる。この温度モニタ16が、高温状態を検出すると、センス可変抵抗14の抵抗値が高くされる。これらのセンス可変抵抗14および温度モニタ16は、図1に示す検出/保護ブロック6に設けられる。
制御回路12は、IGBT10のオン/オフを制御するドライブ回路22と、このドライブ回路22の出力するゲート電圧VGの変化速度を設定する速度設定回路20とを含む。速度設定回路20は、IGBT10のセンスエミッタ端子SEから流れるセンス電流iseとセンス可変抵抗14とにより設定される電圧レベルが、所定値以上となると、ドライブ回路22の出力電圧VGの変化速度を速くする。IGBT10は、そのゲート電圧VGに従ってオン/オフ状態となる。このゲート電圧VGの変化速度を調整することにより、IGBT10のスイッチング速度を調整することができる。
この図3に示す半導体装置の構成において、温度モニタ16が、測定温度が所定値以上の高温状態にあると判定すると、センス可変抵抗14の抵抗値を高くする。したがって、低温状態におけるよりも、センス電流iseが小さいときに、速度設定回路20へのセンス電圧ICS(センス電流iseとセンス可変抵抗14の抵抗値との積)が所定のしきい値を超える。従って、速度設定回路20は、高温状態時においては、コレクタ電流が小さい状態で、ドライブ回路22に、IGBT10のスイッチング速度を速く設定する制御信号を出力する。
ドライブ回路22が出力するゲート電圧VGの変化速度の調整としては、ドライブ回路22の出力段に含まれるプッシュ・プルトランジスタの電流駆動力が変更されてもよい。このゲート電圧VGを生成するプッシュ・プルトランジスタの電流駆動力が大きくされれば、ゲート電圧VGの変化速度が速くなる。これに代えて、IGBT10のゲート端子Gとグランドの間にゲート抵抗素子を設け、速度設定回路20が高温時には、そのゲート抵抗素子の抵抗値を、低抵抗状態に設定する構成が用いられてもよい。ターンオン損失およびターンオフ損失両者を低減する場合には、ゲート抵抗素子を、ハイ側電源ノードおよびロー側電源ノードに設ける。IGBT10の導通時、ハイ側電源ノードに接続されるゲート抵抗素子をIGBT10のゲート端子Gに接続する。IGBT10のターンオフ時には、ロー側電源ノードに接続される抵抗素子をゲート端子Gに接続する。ゲート抵抗素子の接続制御には、IGBTのオン/オフを制御するドライブ信号を利用する。ゲート抵抗素子の抵抗値を温度に応じて切換えることにより、オン/オフ時のゲート電圧VGの変化速度を調整することができる。
[変更例]
図4は、図3に示す温度モニタ16およびセンス可変抵抗14により構成されるセンス電流検出信号ICSを生成する部分の構成をより具体的に示す図である。
図4において、センス電流検出信号生成回路24は、温度モニタ16の出力電圧と温度基準電圧発生回路25からの温度基準電圧を比較する比較回路26と、比較回路26の出力信号に従ってしきい値基準電圧発生回路27の生成する複数のしきい値基準電圧の1つを選択するマルチプレクサ(MUX)28と、センス電流iseとマルチプレクサ28からのしきい値基準電圧とに従って、センス電流検出信号ICSを生成する比較回路29とを含む。
温度基準電圧発生回路25は、一例として、電源ノードと接地ノードの間に直列に接続される抵抗素子R1およびR2を含む。これらの抵抗素子R1およびR2の接続ノードから、温度基準電圧が生成される。
比較回路26は、正入力に温度モニタ16の出力電圧を受け、負入力に温度基準電圧発生回路25の出力する基準電圧を受ける。
しきい値基準電圧発生回路27は、電源ノードと接地ノードの間に直列接続される抵抗素子R3−R5を含む。マルチプレクサ28は、比較回路26の出力信号に従って抵抗素子R3およびR4の接続ノードの電圧および抵抗素子R4およびR5の接続ノードの電圧の一方を選択する。
比較回路29の入力は、ハイ入力インピーダンスであり、センス電流iseに従って充放電される。比較回路29の正入力に電流/電圧変換用の抵抗素子(図示せず)が設けられ、センス電流iseを電圧に変換する。このセンス電流入力ノード(正入力)の電圧と、マルチプレクサ28からの電圧とを比較回路29で比較する。次に、この図4に示す温度検出回路24の動作について説明する。
今、温度モニタ16は、温度上昇に伴ってその出力電圧が上昇するセンサであると仮定する。この場合、高温時において、温度基準電圧発生回路25の生成する温度基準電圧よりも、温度モニタ16の生成する出力電圧が高くなると、比較回路26は、H(論理ハイ)レベルの信号を出力する。マルチプレクサ(MUX)28は、比較回路26の出力信号がHレベルである高温時においては、温度基準電圧発生回路27の出力電圧のうち低い電圧を選択する。したがって、スイッチング速度切換点(しきい値)が低くされる。この状態においては、センス電流iseが低温時よりも小さな状態で、マルチプレクサ28の生成する基準電圧が規定する電流値よりも高い電流レベルであると比較回路29により判定され、センス電流検出信号ICSは、Hレベルとなる。このセンス電流検出信号ICSがHレベルとなると、図3に示す速度設定回路24は、ドライブ回路22の出力するゲート電圧VGの変化速度を速くする。
一方、温度モニタ16の出力電圧が、温度基準電圧発生回路25の生成する基準電圧よりも低い場合には、比較回路26の出力電圧はL(論理ロー)レベルである。応じて、マルチプレクサ(MUX)28は、しきい値基準電圧発生回路27から高い方の基準電圧を選択して出力する。これにより、スイッチング速度切換点(しきい値)が高くされる。したがって、センス電流iseが高温時よりも高い状態となるまで、比較回路29は、その出力センス電流検出信号ISCSをLレベルに維持する。応じて、この低温状態においては、速度設定回路20は、ゲート電圧VGの変化速度が遅い領域をコレクタ電流が大きい領域まで拡張する。従って、IGBT(10)は、センス電流iseが低温時よりも大きい領域、すなわちコレクタ電流が大きくなる領域で、そのゲート電圧VGが高速で変化され、高速でスイッチング動作する領域が狭くなる。
なお、温度モニタ16の出力電圧が、温度上昇に伴ってその電圧レベルが低下する場合には、マルチプレクサ28は、比較回路26の出力信号に従って、上述の操作と逆の操作を行なって、基準電圧を選択する。
なお、基準電圧発生回路25および27においては、抵抗分圧により、基準電圧を生成している。この場合、抵抗素子R1−R5が、温度依存性を有していても、その温度依存性は、出力電圧において相殺されるため、基準電圧として、温度依存性の小さな基準電圧を生成することができる。
また、上述の説明においては、温度範囲を高温領域と低温領域に分割し、その高温領域および低温領域において、それぞれ、スイッチング速度切換点を設定している。この場合、温度領域としては、さらに多くの、例えば、高温領域、中温領域、および低温領域の温度領域に分割し、各温度領域に応じて、スイッチング速度切換点を設定する構成が用いられてもよい。
たとえば、図4において比較回路26を2つ設け、これらの比較回路において異なる基準電圧と温度モニタ16の出力電圧とを比較する。これらの2つの比較回路の出力信号の論理レベルにより、温度領域が、高温領域、中温領域、および低温領域のいずれにあるかを識別することができる。これらの2つの比較回路の出力信号をマルチプレクサ28においてデコードし、そのデコード結果に従ってしきい値基準電圧発生回路27から、高温領域用のしきい値基準電圧、中温領域用の基準電圧および低温領域用の基準電圧の1つを選択する。
したがって、図3に示すセンス可変抵抗素子14の抵抗値を、等価的に2段階以上のさらに多くの多段階にわたって分割することにより、センス電流検出信号ICSの変化点を、多数の温度領域に対応して設定することができる。速度設定回路20において、このセンス電流検出信号ICSの電圧レベルに応じてゲート電圧VGの変化速度を設定することにより、ドライブ回路22の出力するゲート電圧VGの変化速度を高温領域、中温領域および低温領域に対応してそれぞれ設定することができる。
また、ゲート電圧VGの変化速度は、高速および低速の2段階に設定されている。しかしながら、ゲート電圧VGの変化速度が、3段階以上に渡って変更される場合でも、同様の効果を得ることができる。すなわち、スイッチング速度切換点(しきい値)が、複数設けられる構成においても、各しきい値に対応して、図4に示す構成を設けることにより、温度に応じて各しきい値を調整することができる。
以上のように、この発明の実施の形態1に従えば、温度モニタの検出温度に従って、パワーデバイスのスイッチング速度を切換えるしきい値を変更している。したがって、高温領域におけるスイッチング損失を低減することができ、効率的に動作するパワーデバイスおよびインテリジェントパワーモジュールを実現することができる。また、比較回路を利用して温度に応じてしきい値に対する基準電圧を変更しており、等価的にセンス抵抗の抵抗値を変更することができ、正確に温度に応じてスイッチング速度の切換点を調整することができ、また、複数のパワーデバイスに対して温度検出回路を共通に配置することも可能となる。
なお、図3においては、パワーデバイスの一例として、IGBTが示されている。しかしながら、パワーMOSFETまたはパワーバイポーラトランジスタにおいても、同様、そのスイッチング速度切換点を、温度に応じて変更することにより、同様の効果を得ることができる。
[実施の形態2]
図5は、この発明の実施の形態2に従う半導体装置の要部の構成を概略的に示す図である。図5において、1つのパワーデバイス(IGBT)10が、パワーチップ30に形成される。このパワーチップ30と別に、制御IC(チップ)32が設けられる。この制御IC32に、図3に示す制御回路12が形成される。すなわち、図3に示す制御回路12およびパワーデバイス10が、それぞれ別々の半導体チップの形成される。図1との対応において、パワーデバイスブロック2において、各パワーデバイスが別々の半導体チップ(パワーチップ)に設けられる。制御ブロック4において、各パワーチップ30に対応して制御IC32が別々に設けられる。
パワーチップ30において、パワーデバイス10と同じ半導体チップに温度モニタ16が設けられる。この温度モニタ16に対応して、センス可変抵抗14が設けられる。図5においては、このセンス可変抵抗14は、パワーチップ30および制御IC32の外部に設けられるように示す。しかしながら、このセンス可変抵抗14は、図4に示すような温度検出構成を有する場合、別のチップとして、図1に示す検出/保護ブロック6内において設けられてもよい。
図6は、図5に示す温度モニタ16の具体的構成を示す図である。図6において、温度モニタ16は、電源ノードと接地ノードの間に順方向に接続されるPNダイオード34を含む。このPNダイオード34のアノードの電圧が、モニタ電圧として用いられる。PNダイオード34に対して電流を供給するために抵抗素子R6を含む電流供給回路17が、設けられる。
PNダイオード34のPN接合のビルトイン電圧、すなわちダイオードの順方向降下電圧(オン電圧)は、負の温度係数を有している。したがって、温度上昇とともに、このPNダイオード34の順方向降下電圧が低下する。これにより、パワーデバイス10の動作温度を推定することができる。特に、この温度モニタ16をパワーデバイス10と同じパワーチップ30内に設けることにより、正確に、パワーデバイス10の動作温度を検出することができる。また、IGBTの場合、ベース/エミッタ間の接合温度によりセンスエミッタ電流が変化する。このベース/エミッタ間のPN接合の温度をPNダイオード34で検出することができる。これにより、高精度でパワーデバイス(IGBT)の温度検知を行なって、パワーデバイス(IGBT)10のスイッチング速度の切換を行なうことができる。これにより、高温時におけるスイッチング損失を高精度で低減することができる。
なお、PNダイオード34としては、接合温度Tjを検出する構成であればよく、たとえばコレクタおよびベースが接続されるバイポーラトランジスタまたはゲートおよびドレインが相互接続されるMOSFETが用いられてもよい。PN接合に印加される電圧を検出する構成であればよい。
また、電流供給回路17においては、抵抗素子に代えて、温度依存性の小さな定電流源が用いられても良い。
以上のように、この発明の実施の形態2に従えば、パワーデバイスと同一半導体チップ内に、PN接合の温度を検出するダイオード素子を温度モニタとして用いている。したがって、パワーデバイスの温度を正確に検出することができ、正確に、パワーデバイスの動作温度に応じて、スイッチング速度の切換点を設定することができる。
[実施の形態3]
図7は、この発明の実施の形態3に従う温度モニタの構成を概略的に示す図である。図7において、温度モニタ16は、定電流源37と、定電流源37からの電流により、コレクタ端子にオン電圧Vonを生成するnpnバイポーラトランジスタ36と、このnpnバイポーラトランジスタ36のベースバイアスを発生するバイアス回路38を含む。バイアス回路38は、電源ノードと接地ノードの間に結合され直列される抵抗素子R7およびR8を含む。
このバイポーラトランジスタ36のコレクタ電圧(オン電圧Von)が、センス可変抵抗素子14の抵抗値調整信号として利用される。図4に示す構成において、比較回路26の正入力に対する入力電圧として用いられる。
バイポーラトランジスタ36は、コレクタ電流Icが、正の温度特性を有しており、温度上昇とともに、コレクタ電流が増大する。したがって、このオン電圧Vonが、温度上昇とともに低下する。すなわち、オン電圧Vonは、負の温度特性を有しており、このオン電圧Vonの電圧レベルにより、パワーデバイスの近傍の温度を測定して、パワーデバイスの動作温度を検出することができる。バイアス回路38は、抵抗分圧回路であり、そのバイアス電圧の温度依存性は小さく、一定のバイアス電圧を、バイポーラトランジスタ36のベースへ与える。
この図7に示す温度モニタ16の構成において、定電流源37に代えて、高抵抗の抵抗素子が用いられてもよい。ただし、この場合、高抵抗の抵抗素子の温度依存性は十分小さくすることが要求される。
図8は、図7に示す温度モニタのインテリジェント・パワー・モジュール内の配置の一例を示す図である。図8において、インテリジェント・パワー・モジュールにおいて、パワーチップPWC1−PWCmが設けられる。これらのパワーチップPWC1−PWCmは、それぞれパワーデバイス(IGBT)を含む。これらのパワーチップPWC1−PWCmそれぞれに対応して、制御IC(チップ)CTLC1−CTLCmが設けられる。
この制御IC(チップ)CTLC1−CTLCmは、それぞれ、対応のパワーチップPWC1−PWCmの内部に設けられるパワーデバイスのターンオン/ターンオフを制御する。
これらのパワーチップPWC1−PWCmは、2つのチップ群PWC1−PWCiとパワーチップ群PWCj−PWCmに分割される。パワーチップPWC1−PWCiに共通に、温度モニタ16aが設けられる。パワーチップPWCj−PWCmに共通に、温度モニタ16bが設けられる。
この温度モニタ16aの検出出力に従って、制御IC(チップ)CTLC1−CTLCiが、スイッチング速度切換点の調整を行なう。また、制御IC(チップ)CTLCj−CTLCmが、温度モニタ16bからの検出出力に従って、スイッチング速度切換点の調整を行なう。
この図8に示すように、複数のパワーチップに共通に1つの温度モニタ16(16a,16b)を設けることにより、各パワーチップPWC1−PWCm内において温度モニタを設ける必要がなく、パワーチップPWC1−PWCmの面積を低減することができる。また、複数のパワーチップに共通に1つの温度モニタを設けるだけであり、各パワーチップそれぞれに、温度モニタを設ける必要がなく、コストを低減することができる。
なお、この温度モニタ16a−16bは、単に温度を検出する構成であり、パワーチップPWC1−PWCmに対してそれぞれ設けられるセンス可変抵抗の抵抗値を調整してもよい。また、これに代えて、温度モニタ16aおよび16bは、各々、先の図4に示す温度検出回路と同様の構成を備えても良い。この構成の場合、温度検出回路は、その最近傍に設けられるパワーチップからのセンス電流iseと温度モニタの出力信号とに従って、対応の制御IC(チップ)群CTLC1−CTLCiおよび制御IC(チップ)群CTLCj−CTLCmにそれぞれ、共通に、センス電流検出信号を与えてもよい。すなわち、この場合、温度モニタを含む温度検出回路が、パワーチップPWC1−PWCiに1つ共通に設けられ、またパワーチップPWCj−PWCmに共通に温度モニタ16bを含む温度検出回路が設けられる。
なお、図8に示すインテリジェント・パワー・モジュールにおいては、パワーチップが複数のグループに分割されている。たとえば三相モータを駆動するインテリジェント・パワー・モジュールにおいては、パワーチップが、6個設けられる(三相U、V、およびWそれぞれのハイサイドおよびローサイドパワートランジスタ)。この場合、インテリジェント・パワー・モジュールに設けられる全パワーチップに共通に、1つの温度モニタ(または温度検出回路)が設けられてもよい。
また、トランジスタのオン電圧を利用する温度モニタとして、MOSトランジスタが用いられてもよい。MOSトランジスタは、小電流領域においては、その駆動電流量の温度依存性はほぼ無視することができ、一方、オン抵抗が正の温度依存性を有する。したがって、一定の小電流をバイアスでんりゅうとしてMOSトランジスタに供給し、このMOSトランジスタのドレイン−ソース間電圧をオン電圧Vonとして利用することにより、温度を検出することができる。
また、実施の形態2と同様、トランジスタのオン電圧を利用する温度モニタが、パワーチップそれぞれに設けられても良い。この構成の場合、パワーチップおよび制御ICの組それぞれにおいて、個々にスイッチング速度切換えのしきい値の調整が行われる。
以上のように、この発明の実施の形態3に従えば、トランジスタを介して流れる電流(IGBTの場合のコレクタ電流)またはオン電圧(MOSトランジスタの場合のオン抵抗)の温度特性を利用して、温度を検出している。したがって、パワーチップ外部に、温度モニタを配置することができ、複数のパワーチップに共通に温度モニタを配置することが可能となる。これにより、実施の形態1の効果に加えて、コストを低減することが可能となる。
[実施の形態4]
図9は、この発明の実施の形態4に従う温度モニタの構成を示す図である。図9において、温度モニタ16は、サーミスタ40を含む。このサーミスタ40の両端の電圧を、温度検出信号として利用する。サーミスタ40に対しては、電流供給回路17に含まれる定電流源42から温度に依存しない一定の電流が供給される。
サーミスタ40は、正の温度係数および負の温度係数のいずれを有するものであってもよい。サーミスタ40は、種々の抵抗値の製品が準備されている。したがって、トランジスタのオン電圧の種類(電圧レベル)に比べて、その(抵抗変化率の)種類は、多く、同一構成の温度検出回路を用いても、スイッチング速度切換えのしきい値変更温度として数多くの温度を準備することができる。したがって、インテリジェント・パワー・モジュールの用途に応じて、スイッチング速度の切換温度(しきい値)を変更する場合、このサーミスタ40を変更するだけで、切換温度(しきい値)を変更することができる。
なお、この温度モニタ16によるサーミスタ40は、パワーチップそれぞれに対応して設けられてもよく、また先の実施の形態3に示すように、複数のパワーチップに共通に1つのサーミスタが設けられてもよい。
以上のように、この発明の実施の形態4に従えば、温度モニタとして、温度依存性の大きな抵抗値を有するサーミスタを利用している。したがって、実施の形態1の効果に加えて、用途に応じてスイッチング速度切換温度(しきい値)を容易に変更することができる。また、サーミスタを、先の実施の形態3において示したように複数のパワーデバイスに共通に設ける場合、実施の形態3と同様、価格を低減することができる。
[実施の形態5]
図10は、この発明の実施の形態5に従う制御IC(チップ)の構成を概略的に示す図である。図10において、制御IC(チップ)60は、対応のパワーデバイスを駆動する制御回路64と、温度検出回路62とを含む。この温度検出回路62は、温度モニタ64と、周辺回路65とを含む。温度モニタ64は、先の実施の形態2から4において説明した温度モニタのいずれかの構成を有する。周辺回路65は、この温度モニタ64に対する電流の供給、センス可変抵抗素子、および温度モニタの検出信号に従ってセンス可変抵抗の抵抗値を調整する回路、および温度モニタ64とセンス電流iseに従ってセンス電流検出信号(ICS)を生成する回路を含む(図4参照)。
制御回路64は、図示しない主制御回路(CPU)からの制御信号に従って対応のパワーデバイスの導通オン/オフを制御するゲート電圧VGを、この温度検出回路62からの検出信号に従って規定されるスイッチング速度で変化させる。
この図10に示す制御IC(チップ)60の場合、制御IC(チップ)内に、温度モニタおよびその周辺回路65を含む温度検出回路62が設けられる。したがって、インテリジェント・パワー・モジュール内に配置される電子部品点数を低減することができる。制御IC(チップ)において、温度モニタ64および周辺回路65を最適化して、その動作を保証することにより、不良率を低減することができる。また、インテリジェント・パワー・モジュール内に必要とされるチップを配置するのに要する時間を短縮することができる。また、このインテリジェント・パワー・モジュールの各パワーデバイスの動作特性を最適化するための、検出温度特性調整などのトリミングを、このインテリジェント・パワー・モジュール組込時に行なう必要がなく、実装時間を短縮することができる。
なお、この実施の形態5において、制御IC(チップ)60は、パワーチップそれぞれに対応して設けられる。
以上のように、この発明の実施の形態5に従えば、温度モニタおよび周辺回路を制御ICに内蔵している。したがってインテリジェント・パワー・モジュールの配置する電子部品点数を低減でき、実施の形態1の効果に加えて、さらに、部品点数を低減でき、応じて不良率を低減することができ、また実装に要する加工時間を短縮することができる。
この発明は、IGBT等のパワーデバイスを出力負荷駆動スイッチング素子として有し、そのスイッチング速度をパワーデバイスの駆動電流量に応じて切換える半導体装置に対して適用することにより、高温時のスイッチング損失を低減することができ、効率のよい半導体装置を実現することができる。特に、インテリジェント・パワー・モジュールに適用することにより、多くのパワーデバイスが並列に動作する環境において、高温時のスイッチング損失を低減でき、消費電力を低減でき、効率のよいインテリジェント・パワー・モジュールを実現することができる。このインテリジェント・パワー・モジュールの用途としては、特に限定されず、パワーデバイスおよびその制御回路が1つのモジュール内に配置されていればよい。
この発明が適用されるインテリジェント・パワー・モジュールの全体の構成を概略的に示す図である。 この発明におけるスイッチング速度切換点の変更態様を示す図である。 この発明の実施の形態1に従う半導体装置の要部の構成を概略的に示す図である。 この発明の実施の形態1に従うセンス可変抵抗を実現する温度検出回路の構成を示す図である。 この発明の実施の形態2に従う半導体装置の要部の構成を概略的に示す図である。 図5に示す温度モニタの構成の一例を示す図である。 この発明の実施の形態3に従う温度モニタの構成を概略的に示す図である。 この発明の実施の形態3に従う温度モニタのモジュール内の配置を概略的に示す図である。 この発明の実施の形態4に従う温度モニタの構成の一例を示す図である。 この発明の実施の形態5に従う制御IC(チップ)の構成を概略的に示す図である。
符号の説明
1 インテリジェント・パワー・モジュール、2 パワーデバイスブロック、4 制御ブロック、6 検出/保護ブロック、10 パワーデバイス、14 センス可変抵抗、12 制御回路、16 温度モニタ、20 速度設定回路、22 ドライブ回路、34 PNダイオード、36 バイポーラトランジスタ、16a,16b 温度モニタ、PWC1−PWCm パワーチップ、CTLC1−CTLCm 制御IC、40 サーミスタ、60 制御IC(チップ)、62 温度検出回路、64 制御回路、64 温度モニタ、65 周辺回路。

Claims (8)

  1. スイッチング素子、
    前記スイッチング素子の動作環境温度を検出する温度モニタ、および
    前記温度モニタの検出出力に従って、前記スイッチング素子のスイッチング速度を遅い速度から速い速度へ切換える切換点を示すしきい値を変更するとともに、駆動信号に従って前記スイッチング素子のオン/オフを制御するゲート制御回路を備え、前記しきい値は、前記温度モニタの検出出力が温度上昇を示すとき低下される、半導体装置。
  2. 前記ゲート制御回路は、
    前記温度モニタの検出出力に従って抵抗値が設定され、該抵抗値に従って前記スイッチング素子を流れる電流を電圧に変換する可変抵抗素子と、
    前記可変抵抗素子の生成する電圧に従って前記スイッチング素子のスイッチング速度を設定する速度設定回路を備え、
    前記可変抵抗素子の抵抗値は、前記検出出力が高温状態を示すとき、高くされ、
    前記速度設定回路は、前記可変抵抗素子の生成する電圧が所定値以上となるとスイッチング速度を早くする、請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記ゲート制御回路は、
    前記温度モニタの検出出力と第1の基準値とを比較する第1の比較回路と、
    前記第1の比較回路の出力信号に従って出力電圧のレベルが変更可能であり、前記第1の比較回路の出力信号に従って設定された第2の基準値を前記しきい値として生成する基準値生成回路と、
    前記スイッチング素子を流れる電流と前記第2の基準値とを比較し、該比較結果を示す信号を生成する第2の比較回路と、
    前記第2の被殻回路の出力信号に従って、前記スイッチング素子のスイッチング速度を設定する速度設定回路とを備える、請求項1記載の半導体装置。
  4. 前記温度モニタは、前記スイッチング素子と同一半導体チップ上に形成され、一方方向に電流を流す整流機能を有する整流素子であり、前記整流素子のオン電圧が前記検出出力として用いられる、請求項1記載の半導体装置。
  5. 前記温度モニタは、前記スイッチング素子が形成される半導体チップと異なる半導体チップに形成されるトランジスタ素子であり、前記トランジスタ素子のオン電圧が前記検出出力として用いられる、請求項1記載の半導体装置。
  6. 前記半導体装置は、前記スイッチング素子として、それぞれが異なる半導体チップに形成される複数のパワーデバイスを備え、
    前記トランジスタ素子は、前記複数のパワーデバイスの複数個のパワーデバイスのグループに対して共通に設けられる、請求項5記載の半導体装置。
  7. 前記温度モニタは、抵抗値が温度依存性を有するサーミスタであり、前記サーミスタの生成する電圧が前記検出出力として用いられる、請求項1記載の半導体装置。
  8. 前記温度モニタおよび前記ゲート制御回路は、同一半導体チップに形成され、前記スイッチング素子は、前記温度モニタおよびゲート制御回路とは別の半導体チップに形成される、請求項1記載の半導体装置。
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