JP2008182582A - 無線通信システム、無線端末装置、および無線通信方法 - Google Patents

無線通信システム、無線端末装置、および無線通信方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008182582A
JP2008182582A JP2007015337A JP2007015337A JP2008182582A JP 2008182582 A JP2008182582 A JP 2008182582A JP 2007015337 A JP2007015337 A JP 2007015337A JP 2007015337 A JP2007015337 A JP 2007015337A JP 2008182582 A JP2008182582 A JP 2008182582A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data
base station
transmission quality
time
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007015337A
Other languages
English (en)
Inventor
Shiro Omasa
司朗 大政
Goro Ikeda
悟郎 池田
Masahiro Yagi
雅浩 八木
Yuichiro Maki
雄一郎 牧
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2007015337A priority Critical patent/JP2008182582A/ja
Publication of JP2008182582A publication Critical patent/JP2008182582A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Time-Division Multiplex Systems (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)
  • Radio Transmission System (AREA)

Abstract

【課題】 異なる伝送経路における伝送品質の高い基地局を的確に選択することで総合的な通信品質を向上する。
【解決手段】 本発明の無線端末装置140は、複数の基地局130とのスロットダイバーシティ通信において、時間差導出部362が各基地局から受信したデータの相関をとって各基地局間の時間差を導出し、品質値遅延部366がその時間差を用いて各基地局から受信したパケットの伝送品質値を同期させ、参照先選択部368がその伝送品質値を比較することで、データを使用する基地局を的確に選択することを特徴としている。
【選択図】 図6

Description

本発明は、スロットダイバーシティ通信におけるデータ間の時間ずれを補償する無線通信システム、無線端末装置、および無線通信方法に関する。
携帯電話等の無線端末装置とその通信対象である基地局には、フレームを時分割した複数のタイムスロットをそれぞれチャネルに割り当てて通信を行う時分割多重方式(TDMA:Time Division Multiple Access)が採用されている。時分割多重方式では、データがフレームに分割され、さらにそのフレーム分のデータが1タイムスロット分のパケットに変換され、このパケット単位で送受信が実行される。かかる時分割多重方式では、1つの基地局における複数のチャネルをそれぞれ別体の無線端末装置に割り当てることもできるが、2以上のチャネルを1つの無線端末装置に割り当てることも可能である。
このような2以上のチャネルを利用して、同一内容のデータを2以上のチャネルで多重伝送し、受信した2つのデータのうち伝送品質の高いデータを選択、使用するスロットダイバーシティ通信も実施されている。かかるスロットダイバーシティ通信では、一方のチャネルに伝送エラーが生じたとしても他方のチャネルでそのエラーを補償することができる。
図11は、従来のスロットダイバーシティ通信の概略的な構成を示した説明図である。ここでは、基地局10と無線端末装置12との間の無線通信方式として、フレーム14を例えば8つのタイムスロット16(上下方向に4つずつ)に分割した時分割多重方式が採られている。そして上りの4つのタイムスロット16の(1)と(2)の2つのタイムスロット、および、下りの4つのタイムスロット16の(3)と(4)の2つのタイムスロットが無線端末装置12に割り当てられ、それぞれ、同一内容のデータがパケット化されて伝送されている。
従って、無線端末装置12は、1つの基地局10からタイムスロット(3)および(4)を通じて重複受信したパケットの伝送品質を比較し、より伝送品質が高い方のデータを当該無線端末装置12で使用する。同様に、基地局10は、無線端末装置12からタイムスロット(1)および(2)を通じて重複受信したパケットの伝送品質を比較し、より高い方を無線端末装置12からのデータとして後段の中継サーバに伝送する。
また、このようなスロットダイバーシティ通信に基づいて、親機と子機それぞれデータ更新タイミングを指定する制御部を設け、送信側と受信側の任意のタイムスロット間のデータ更新量を一致させる技術(例えば、特許文献1)も知られている。
特開2005−130336号公報
上述したスロットダイバーシティ通信では、1つの基地局における複数のチャネルが1つの無線端末装置に割り当てられ、同一内容のデータをパケット化した同一のパケットがその複数のチャネルを通じ並行して送受信される。しかし、チャネル(リソース)は、スロットダイバーシティ通信より、複数の無線端末装置との通信に優先して割り当てられるので、基地局内で割り当て可能なタイムスロットが全て塞がってしまうとスロットダイバーシティ通信のためにタイムスロットを占有することができなくなってしまう。
また、タイムスロットをスロットダイバーシティ通信に割り当てることができたとしても、無線端末装置と基地局との位置関係は変化しないので伝送経路(伝送品質)も等しくなり、ダイバーシティの必要性に乏しかった。さらには、無線端末装置と基地局との伝送経路にビルや車等大きな障害物が存在する場合、またはハンドオーバ発生時に、両チャネルのデータの伝送品質が同時に劣化して、ダイバーシティの恩恵を受けることができなかった。
そこで、本願発明者らは、スロットダイバーシティ通信を1つの無線端末装置と複数の基地局との間で遂行することを検討した。このように複数の基地局をスロットダイバーシティ通信の対象とすることで、1つの基地局においてタイムスロットの空きがなくとも他の基地局を利用することが可能となり、利用効率が向上する。また、無線端末装置は、伝送経路が異なる(伝送品質が異なる)パケットを取得するので通信品質を向上することができる。
しかし、基地局と無線端末装置とのタイムスロットは複数の基地局間でも同期されているものの、中継サーバから送信される同一内容のデータが各基地局に到達する時間は必ずしも等しくならず、伝送経路に応じて到着に時間差が生じていた。また、各基地局では、中継サーバから受信したデータをそれぞれ独立したタイミングでパケット化するので、同一内容のデータをパケット化しているにも拘わらず、各基地局間で相異するパケットが生成されていた。
従って、無線端末装置が受信する時点では、同一内容のデータが同時に受信されるとは限らず、スロットダイバーシティを単純に適用すると、相異するデータ同士の伝送品質を比較することとなってしまい、伝送品質の比較や判断が曖昧になるといった問題が生じることになる。
本発明は、複数の基地局とのスロットダイバーシティ通信において生じ得る上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、異なる伝送経路における伝送品質の高いパケットを送信する基地局を的確に選択することで総合的な通信品質を向上することが可能な、新規かつ改良された無線通信システム、無線端末装置、および無線通信方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、中継サーバと通信網を介して接続された複数の基地局と、複数の基地局で排他的に割り当てられた時分割多重方式に基づくタイムスロットを通じて同一内容のデータを重複受信し、いずれかの基地局をデータの参照先として選択する無線端末装置と、を備える無線通信システムであって、複数の基地局は、中継サーバからの同一内容のデータをそれぞれ任意のタイミングでパケット化してパケットを生成するパケット生成部と、無線端末装置に割り当てたタイムスロットの間、パケットを無線端末装置に送信する基地局無線部と、を備え、無線端末装置は、複数の基地局からパケットを受信する端末無線部と、パケットをデータに復号するデータ復号部と、復号されたデータを複数の基地局それぞれについて所定時間分記憶する端末メモリと、所定時間分のデータを時間方向に相対的に推移させつつ相関値を計算し、相関値が所定の閾値以上となる場合のデータ間の時間差を導出する時間差導出部と、パケットの伝送品質を検知し伝送品質値を生成する品質検知部と、データのタイミングが進んでいる基地局からのパケットの伝送品質値を時間差分遅延させる品質値遅延部と、品質値遅延部により同期された各基地局の伝送品質値を比較し、伝送品質値が最も高い基地局をデータの参照先として選択する参照先選択部と、を備えることを特徴とする、無線通信システムが提供される。
本発明は、同一内容のデータを複数のタイムスロットを通じて重複受信し、伝送品質の高い方を選択するスロットダイバーシティ通信を、複数の基地局に跨って適用することを特徴としている。このとき、複数の基地局は、中継サーバからの同一内容のデータをそれぞれ独立してパケット化し、無線通信端末は、それぞれの基地局から受信した、同一内容を示す複数のパケットの伝送品質値を比較して、伝送品質値が高い基地局を選択する。無線通信端末では、位置の異なる基地局から伝送経路を異にしてパケットを受信するので、伝送品質の高いデータを取得できる可能性が高まり、通信品質の向上を図ることができる。
上記課題を解決するために、本発明の他の観点によれば、複数の基地局で排他的に割り当てられた時分割多重方式に基づくタイムスロットを通じて同一内容のデータを重複受信し、いずれかの基地局をデータの参照先として選択する無線端末装置であって、複数の基地局においてそれぞれ任意のタイミングでパケット化されたパケットを受信する端末無線部と、パケットをデータに復号するデータ復号部と、復号されたデータを複数の基地局それぞれについて所定時間分記憶する端末メモリと、所定時間分のデータを時間方向に相対的に推移させつつ相関値を計算し、相関値が所定の閾値以上となる場合のデータ間の時間差を導出する時間差導出部と、パケットの伝送品質を検知し伝送品質値を生成する品質検知部と、データのタイミングが進んでいる基地局からのパケットの伝送品質値を時間差分遅延させる品質値遅延部と、品質遅延部により同期された各基地局の伝送品質値を比較し、伝送品質値が最も高い基地局をデータの参照先として選択する参照先選択部と、を備えることを特徴とする、無線端末装置が提供される。
上述したように、本発明の無線通信端末では、位置の異なる基地局から伝送経路を異にしてパケットが受信されるので、伝送品質の高いデータを取得できる可能性が高まり、通信品質の向上を図ることができる。しかし、伝送経路の相異は同時にデータの時間的なずれを招く。本発明では、各基地局からのデータの相関をとることで、伝送経路の相異により生じる時間差を導出し、タイミングが進んでいる基地局の伝送品質値を遅らせてすべての基地局の伝送品質値を同期させることができる。従って、参照先選択部は、タイミングの合った伝送品質値を比較することができ、時間情報(絶対時刻やこれに類する順序情報等の情報)が付されていないデータを受信したとしても、伝送品質の高いパケットを送信している基地局を確実に選択することが可能となる。
また、1つの無線端末装置が複数の基地局とのスロットダイバーシティ通信を試みることで、1つの基地局においてタイムスロットの空きがなくとも他の基地局を利用することが可能となり、空きスロットの利用効率を高め、呼接続率や呼損失の改善を図ることができる。
品質値遅延部は、パケットの伝送品質値と共にデータ復号部に復号されたデータも遅延させ、参照先選択部は、伝送品質値が最も高い基地局の同期されたデータを選択してもよい。
ここでは、受信タイミングの異なるデータの伝送品質値を同期させて比較するのに加えて、データ自体も同期させている。選択対象のデータが同期することで、選択後のデータ列も連続的となり、位相が前後することのない、低ノイズ、高品質のデータを得ることが可能となる。
参照先選択部は、時間差導出部の時間差導出期間中、いずれかの基地局を固定的に選択してもよい。また、選択される基地局は既にデータを使用している既接続の基地局であってもよい。
参照先選択部は、時間差導出部が時間差を導出するまで伝送品質を比較することができない。従って、上記時間差が導出されるまで、いずれか1つの基地局からのデータを固定的に使用してその間の通信接続を維持する。
参照先選択部は、時間差導出部が所定の閾値以上の相関値を取得できなかった場合、固定的に選択された基地局を継続して選択してもよい。
複数の基地局からの伝送経路によっては、受信するデータ同士の相関を求められないときがある。かかる構成により、相関を求められなかった場合においても、既に選択されている基地局からのデータの参照が引き続き維持されるので、データの連続性を確保できる。
参照先選択部は、時間差導出部が所定の閾値以上の相関値を取得できなかった場合、任意時点の伝送品質値を比較して、伝送品質値が最も高い基地局をデータの参照先として選択してもよい。
かかる構成により、相関を求められなかった場合に、任意時点で伝送品質値が最も高い基地局からのデータを選択することができる。
時間差導出部は、所定の閾値以上の相関値を取得できなかった場合、データを所定時間分新たに記憶させ、再度時間差を導出してもよい。
相関を求められなかった場合、本発明では、所定時間分のデータを再度取得し、相関値が所定の閾値以上となるまで、即ち時間差として妥当な値を得ることができるまで時間差導出処理を繰り返す。また、この繰り返し処理毎に相関値の所定の閾値を下げてもよい。
データは、音声データであってもよい。データに時間情報が付されている場合、途中で時間ずれが発生してもデータの同期をとることができる。しかし、音声データ等の非同期データでは同期をとる指標となるものがない。本発明では、時間情報が付されていない例えば音声データ等においてもその相関によって時間差を推定し、同期をとることができる。
上記課題を解決するために、本発明の他の観点によれば、複数の基地局で排他的に割り当てられた時分割多重方式に基づくタイムスロットを通じて同一内容のデータを重複受信し、いずれかの基地局をデータの参照先として選択する無線通信方法であって、複数の基地局においてそれぞれ任意のタイミングでパケット化されたパケットを受信するパケット受信ステップと、パケットをデータに復号するデータ復号ステップと、復号されたデータを複数の基地局それぞれについて所定時間分端末メモリに記憶するメモリ記憶ステップと、所定時間分のデータを時間方向に相対的に推移させつつ相関値を計算し、相関値が所定の閾値以上となる場合のデータ間の時間差を導出する時間差導出ステップと、パケットの伝送品質を検知し伝送品質値を生成する品質検知ステップ部と、データのタイミングが進んでいる基地局からのパケットの伝送品質値を時間差分遅延させる品質値遅延ステップと、同期された各基地局の伝送品質値を比較し、伝送品質値が最も高い基地局をデータの参照先として選択する参照先選択ステップと、を含むことを特徴とする、無線通信方法が提供される。
上述した無線通信端末における技術的思想に対応する構成要素やその説明は、無線通信システムや当該無線通信方法にも適用可能である。
以上説明したように本発明によれば、伝送経路の異なる基地局から受信されるデータから実際に利用するデータを選択しているので、単独の基地局からの場合と比較して伝送品質の高いデータを取得できる確率が高くなり、通信品質を向上することが可能となる。また、スロットダイバーシティ通信を複数の基地局に跨いで適用することで、空きスロットの利用効率を高めることができ、ひいては呼接続率や呼損失の改善を図ることができる。
さらに、スロットダイバーシティ通信における各基地局間の時間ずれを補償し、同期させた伝送品質値を比較する構成により、伝送品質が高いパケットを送信する基地局を的確に選択することが可能となる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
携帯電話やPHS(Personal Handy phone System)端末等の無線端末装置と基地局は、時分割多重方式により通信を行っている。また、複数のチャネルを1つの無線端末装置に割り当てて、同一内容のデータを2以上のチャネルで多重伝送し、そのうち伝送品質の高いデータを選択することで、一方のチャネルに伝送エラーが生じたとしても他方のチャネルでそのエラーを補償することが可能な、時間ダイバーシティと周波数ダイバーシティを兼ねたスロットダイバーシティ通信も実施されている。
かかる時間ダイバーシティや周波数ダイバーシティの他にも、例えば、電波を受信するために用いられるアンテナを複数離隔して配し、そのアンテナの位置の相異による通信状態の違いに着目して、それぞれのアンテナで受信した電波のうち伝送品質が高い電波を採用し、通信品質を保つ空間ダイバーシティもある。本実施形態では、上述した時間ダイバーシティと周波数ダイバーシティに加えて、基地局の位置の相異により成り立つ空間ダイバーシティも実現可能となる。特に街中では無数の電波が混在しており、数100MHz〜数GHzといった高周波数を利用する無線端末装置は、この空間ダイバーシティ技術によりフェージング等の弊害を回避することが可能となる。
(無線通信システム100)
本実施形態では、このスロットダイバーシティ通信を複数の基地局に跨って実行し、各基地局の空きタイムスロットの有効活用、および伝送経路が相異する高い伝送品質を有するデータの取得を目的としている。以下、本実施形態のスロットダイバーシティ通信を遂行する無線通信システム100の概略を説明し、その後で各構成要素に関して詳述する。
図1は、無線通信システム100の概略的な構成を示したブロック図である。かかる無線通信システム100は、中継サーバ110と、インターネットや専用回線等の通信網120と、基地局130と、無線端末装置140と、他の無線端末装置150とを含んで構成される。
上記無線通信システム100では、無線端末装置140を利用して他の無線端末装置150に電話しようと試みた場合、ユーザは、自己の無線端末装置140を操作して、無線通信可能領域にある基地局130と無線通信を確立し、通信網120、中継サーバ(基地局制御装置や交換機を含む)110、および、他の無線端末装置150の無線通信可能領域にある基地局130を介して、通信相手の有する他の無線端末装置150と音声通話を遂行する。
このとき、無線端末装置140は、2つの基地局130A、130Bと並行して時分割多重方式に基づく無線通信を行い、さらに、無線端末装置140と基地局130A、130Bとの上りおよび下りのデータ伝送にスロットダイバーシティ通信を適用することができる。
図2は、このようなスロットダイバーシティ通信の概略的な構成を示した説明図である。ここでは、2つの基地局130A、130Bと1つの無線端末装置140との間で時分割多重方式によるスロットダイバーシティ通信が行われる。無線端末装置140から基地局130Aおよび130Bへの上りデータは、それぞれのタイムスロット(1)および(2)が割り当てられ、基地局130Aおよび130Bから無線端末装置140への下りデータは、それぞれのタイムスロット(3)および(4)が割り当てられ、かかるタイムスロットを通じて同一内容のデータが重複送受信されている。無線端末装置140は、重複取得したデータから伝送品質の高いデータのみを抜粋して、当該無線端末装置140のデータとして利用するので高い通信品質を維持することができる。
以下、無線通信システム100における基地局130と、無線端末装置140とを詳述する。ここでは、特に、中継サーバ110から通信網120、基地局130、無線端末装置140へと向かう、下りデータを挙げ、その下りデータにおけるスロットダイバーシティ通信を説明する。
(基地局130)
図3は、基地局130のハードウェア構成を示した機能ブロック図である。基地局130は、基地局制御部210と、基地局メモリ212と、基地局無線部214を含んで構成される。
上記基地局制御部210は、中央処理装置を含む半導体集積回路により基地局130全体を管理および制御する。基地局制御部210は、基地局メモリ212のプログラムを用いて、無線端末装置140同士間の通話もしくは通信を支援する。かかる支援として、例えば、中継サーバ110から通信網120を介してデータを受信し、そのデータを無線端末装置140に伝達する。
上記基地局メモリ212は、ROM、RAM、EPROM、不揮発性RAM、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成され、基地局制御部210で処理されるプログラムや、無線端末装置140同士間で送受信されるデータを記憶する。
上記基地局無線部214は、無線端末装置140と携帯電話網に基づく無線通信を行う。特に本実施形態では、基地局130内でフレームを時分割した複数のタイムスロットをそれぞれチャネルに割り当てて通信を行う時分割多重方式が採用される。
以上のような基地局130のハードウェア上で遂行される機能および動作を詳述する。
図4は、基地局130の概略的な機能を示した機能ブロック図である。基地局130の基地局制御部210は、基地局メモリ212のプログラムを用いて、パケット生成部250として機能する。
上記パケット生成部250は、中継サーバ110から受信した同一内容のデータをそれぞれ基地局130独自のタイミングでパケット化し、パケットを生成する。そして、かかるパケットを基地局無線部214に伝達し、無線端末装置140に送信させる。
(無線端末装置140)
図5は、無線端末装置140のハードウェア構成を示した機能ブロック図である。無線端末装置140は、上述した携帯電話やPHSの他に、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)等の様々な電子機器で構成され、構成要素として、端末制御部310と、端末メモリ312と、表示部314と、操作部316と、音声入出力部318と、端末無線部320とを含んでいる。
上記端末制御部310は、中央処理装置を含む半導体集積回路により無線端末装置140全体を管理および制御する。端末制御部310は、端末メモリ312のプログラムを用いて、無線端末装置140を利用した通話機能やメール配信機能も当然にして遂行するが、図6を用いて後述する各機能も同様に遂行する。
上記端末メモリ312は、ROM、RAM、EPROM、不揮発性RAM、フラッシュメモリ、HDD等で構成され、端末制御部310で処理されるプログラムや、各基地局130からの所定時間分のデータを記憶する。
上記表示部314は、カラーまたはモノクロのディスプレイで構成され、端末メモリ312に記憶された、または通信網120を介してアプリケーション中継サーバ(図示せず)から提供される、WebブラウザやアプリケーションのGUI(Graphical User Interface)を表示することができる。
上記操作部316は、キーボード、十字キー、ジョイスティック等のスイッチから構成され、ユーザの操作入力を受け付ける。
上記音声入出力部318は、マイクやスピーカから構成され、通話時に入力されたユーザの音声を音声信号に変換し、また、通話相手の音声信号を音声に変えて出力する。また、着信音や操作部316による操作音、アラーム音等も出力できる。
上記端末無線部320は、携帯電話網における基地局130と無線通信を行う。
以上、図5を用いて無線端末装置140のハードウェアの説明をしたが、以下にそのようなハードウェア上で遂行される機能および動作を詳述する。
図6は、無線端末装置140の概略的な機能を示した機能ブロック図である。無線端末装置140の端末制御部310は、端末メモリ312のプログラムを用いて、データ復号部360と、時間差導出部362と、品質検知部364と、品質値遅延部366と、参照先選択部368として機能する。本実施形態の無線端末装置140は、位置の異なる基地局から伝送経路を異にしてパケットを受信するので、伝送品質の高いデータを取得できる可能性が高まり、通信品質の向上を図ることができる。しかし、伝送経路の相異は同時にデータの時間的なずれを招く。本実施形態では、以下に示す各機能部によりかかるデータの時間的ずれによる障害を回避する。
上記データ復号部360は、端末無線部320が受信した、複数の基地局130からのパケットをデータに復号する。そして、復号した、複数の基地局130それぞれのデータを所定時間分、例えば、1〜数フレーム分抽出して端末メモリ312に記憶する。
上記時間差導出部362は、端末メモリ312に記憶された所定時間分のデータを所定範囲内で時間方向に相対的に推移させつつ相関値を計算し、相関値が所定の閾値以上となる場合のデータ間の時間差を導出する。ここで、相関は、各基地局130のデータ同士の相対的関係を言い、相関値は、このような2つの変量間の相関関係の程度を示す。
上記2つの基地局130A、130Bのデータは本来同一内容のデータなので、時間軸さえ合わせれば、例え一方の伝送経路の伝送品質が多少悪かったとしても高い相関値を得ることができる。従って、相関値が所定の閾値以上となる地点の時間軸のずれ量を伝送経路の違いによる時間差と見なすことができる。かかる相関値の計算は従来から知られている様々な相関関数を適用することが可能である。
また、時間差導出部362は、時間差を特定するための条件を、所定の閾値以上かつピーク値となる場合とすることもできる。かかる条件を採用することで、さらに正確な時間差を導出することが可能となる。
図7は、2つの音声データの時間差を特定する処理を説明するためのタイミングチャート図である。図7の(a)では、2つの基地局130A、130Bからの1フレーム分の音声データが示されている。時間差が補償されていない図7(a)の状態では、伝送品質の良い音声データを選択しようにも、そもそも伝送品質を比較することができない。データ復号部360は、復号したデータを端末メモリ312に格納し、その2つの音声データを相対的に徐々に推移させて相関値が高くなるところを見つけ出す。
基地局130Aの音声データに対して基地局130Bの音声データを時間軸上で遅らせた図7(b)では、互いの音声データが重なり、相関値は閾値に達する。これは、基地局130Bにおけるパケット化が130Aにおけるパケット化より時間差390ほど早い(タイミングが進んでいる)ことを示す。従って、基地局130Bの伝送品質値をいずれかの時点で時間差390分遅延させれば(保持すれば)、伝送品質値の同期がとられ、伝送品質を比較可能となる。
ここでは、所定時間分のデータを1フレームとしているが、かかる場合に限られず、データの時間差に応じて妥当な長さを設定することが可能である。例えば、データの時間差として最大50msecが見込まれる場合、1フレーム5msecで除算した10フレーム分の相関をとることができる。そのような場合においても、端末メモリ312として必要な記憶容量は、32kbps×50msecで1.6kbitのみであり、記憶容量不足の問題は生じない。また、図7では、時間情報が付されていないデータとして音声データを挙げて説明したが、相関値を計算する対象は、かかる音声データに限られず、デジタル信号にも適用できる。
上記品質検知部364は、各基地局130から受信したパケットの伝送品質を、パケットの受信に応じて随時検知し、伝送品質値を生成する。伝送品質値は、受信レベル(電界強度)、受信感度、S/N比、フレームエラー率(FER)といったデータ伝送の品質を連続的に数値化したものであり、例えば、伝送品質値を受信レベルで表す場合、受信レベルが高いほど、伝送品質値が高いこととなる。かかる伝送品質値は、元となるパケットまたは復号されたデータに時間的に対応付けられて保持される。
上記品質値遅延部366は、シフトレジスタ等のハードウェアもしくはソフトウェア遅延で実行され、時間差分データの受信タイミングが進んでいる基地局からのパケットの伝送品質値を時間差分遅延させる。
時間差導出部362によってどの基地局がどのぐらい遅延しているかが分かっているので、品質値遅延部366は、その時間差分各基地局130からのパケットの伝送品質値をそれぞれ遅延させることで、各基地局130の伝送品質値を同期させることができる。
上記参照先選択部368は、品質値遅延部366によって同期された伝送品質値を比較し、伝送品質値が最も高い基地局130をデータの参照先として選択する。例えば、データが音声データであった場合、伝送品質値が最も高い基地局130のパケットのみが随時データに復号され、当該無線端末装置140の音声として音声入出力部318から出力される。また、各基地局130すべてのパケットを常に復号させておいて、復号された複数のデータから参照するデータを選択することも可能である。かかる参照先選択部368によりスロットダイバーシティ通信が目的とする通信品質の維持を図ることができる。
図8は、同期された伝送品質値の比較と基地局の選択とを説明するためのタイミングチャートである。かかる図8の(a)と(c)は図7で説明した基地局130Aと130Bとの音声データを示している。(b)と(d)は、(a)と(c)のパケットを受信したときに品質検知部364が生成した伝送品質値を示している。ここでは、伝送品質値の比較の理解を容易にするため伝送品質値の変動を高低の2値に単純化している。
時間差導出部362によって予め時間差390が分かっているので、品質値遅延部366は、時間差分データの受信タイミングが進んでいる基地局130Bからのパケットの伝送品質値を時間差390分遅延させる。従って、伝送品質値は、時間差390分だけ遅延した波形となり、図8(d)から図8(e)のようにシフトされる。そして、参照先選択部368は、同期された伝送品質値である図8(b)と図8(e)とを比較する。図8(b)(e)の比較においては、点線392を境に基地局130Bの方が基地局130Aより伝送品質値が高くなっているので、当該無線端末装置140のデータの参照先が、点線392の時点を境に、基地局130Aから基地局130Bに変更する。従って、音声データの出力は、図8(f)のように、点線392までは基地局130Aの受信データがリアルタイムに参照され、点線392からは基地局130Bの受信データがリアルタイムに参照される。
ここでは、基地局間の時間差390に関係なく、参照する基地局を強制的に変更するので、点線392において再生データの時間ずれを原因とする振幅の変化によりノイズが発生する場合もある。
かかる構成では、復号された音声データを遅延させる(保持する)ための大量の記憶容量を必要としないので、ノイズが生じる可能性はあるものの、当該スロットダイバーシティ通信を低コストで実現でき、選択処理も簡略化することができる。
一方、上述したように伝送品質値を比較して、伝送品質の高い基地局を選択するだけでなく、基地局から受信したデータを同期させて選択することもできる。ここで、受信されるデータは、伝送品質同様、各基地局間の時間ずれを伴うことから、品質値遅延部366は、パケットの伝送品質値と共に、データ復号部360に復号されたデータも遅延させ、参照先選択部368は、伝送品質値が最も高い基地局の同期されたデータを選択する。
図9は、同期された伝送品質値の比較とデータの選択とを説明するためのタイミングチャートである。かかる図9の(a)〜(e)は、図8の(a)〜(e)と実質的に等しく、基地局130Aと130Bとの音声データを示している。従って、(b)と(d)は、(a)と(c)のパケットを受信したときの品質検知部364が生成した伝送品質値である。ここでも、伝送品質値の比較の理解を容易にするため伝送品質値の変動を単純化している。
ここでも、時間差導出部362によって予め時間差390が分かっているので、品質値遅延部366は、時間差分データの受信タイミングが進んでいる基地局130Bからのパケットの伝送品質値を時間差390分遅延させる。従って、伝送品質値は、時間差390分だけ遅延した波形となり、図9(d)から図9(e)のようにシフトされる。また、品質値遅延部366は、伝送品質値と共に、基地局130Bのデータも遅延させている。従って、基地局130Bのデータも、時間差390分だけ遅延した波形となり、図9(c)から図9(f)のようにシフトされる。
そして、参照先選択部368は、同期された伝送品質値である図9(b)と図9(e)とを比較する。図9(b)(e)の比較においては、点線392を境に基地局130Bの方が基地局130Aより伝送品質値が高くなっているので、当該無線端末装置140のデータの参照先が、点線392の時点を境に、基地局130Aから、基地局130Bのデータに変更している。このとき参照される各時点のデータは、点線392までは基地局130Aのリアルタイムなデータ(a)であるが、点線392以降は基地局130Bの遅延データ(f)となる。従って、音声データの出力は、図9(g)のように、(a)の前半と(f)の後半を足した波形になる。かかる2つのデータは、元々同一内容のデータであり、位相も同期していることから、点線392のデータ切替点においても、大きなノイズを生じることなく、波形も連続的に推移する。
以上のように、ここでは、受信タイミングの異なるデータの伝送品質値を同期させて比較するのに加えて、データ自体も同期させている。選択対象のデータが同期することで、選択後のデータ列も連続的となり、位相が前後することのない、低ノイズ、高品質のデータを得ることが可能となる。
上述した本実施形態では、理解を容易にするため1つの無線端末装置140と2つの基地局130とのスロットダイバーシティ通信を挙げて説明しているが、かかる場合に限られず、3以上の基地局130を対象とするスロットダイバーシティ通信にも当然にして本実施形態を適用することができる。
また、コンピュータによって、上記基地局130、無線端末装置140として機能するプログラムも提供され得る。
次に、複数の基地局130と無線通信を行う無線端末装置140を用いた無線通信方法について説明する。
(無線通信方法)
図10は、無線通信方法の全体的な流れを示したフローチャートである。ここでは、無線端末装置140と他の無線端末装置150との通信における下りデータ(中継サーバ110から無線端末装置140へのデータ)を挙げて説明する。
無線端末装置140は、他の無線端末装置150との通信において、既に1つの基地局130Aと接続されている。無線端末装置140は、例えば、ハンドオーバのタイミングにおいてスロットダイバーシティ通信の遂行を試みた場合、Cチャネルに基づいてスロットダイバーシティ通信が可能な基地局を検索する(S402)。
スロットダイバーシティ通信が可能な基地局130Bが存在する場合、その基地局130Bに対して自己の無線端末装置140へのタイムスロットの割り当てを要求する(S404)。この要求に対して基地局130Bは、自己のタイムスロットを無線端末装置140に割り当て、中継サーバ110に無線端末装置140に送信するデータを要求する(S406)。スロットダイバーシティ通信が可能な基地局130Bが存在しない場合、既に接続されている基地局130Aに対してスロットダイバーシティ通信を要求し、空きスロットを割り当ててもらう。基地局130Aにおいてもスロットダイバーシティ通信が不可能な場合、スロットダイバーシティ通信を諦め、基地局130Aとの通信を維持する。
また、スロットダイバーシティ通信が可能な基地局130Bが存在する場合においても、最終的にスロットダイバーシティ通信が実行可能になるまでには時間がかかり、その期間、通信を中断することはできないので、スロットダイバーシティ通信の準備が整うまでの間は、既存の基地局130Aからのデータを固定的に使用して、その間の通信接続を維持する。
そして、中継サーバ110から同一内容のデータが送信されると(S408)、複数の基地局130A、130Bが、その同一内容のデータをそれぞれ任意のタイミングでパケット化してパケットを生成し(S410)、無線端末装置140に割り当てたタイムスロットの間、生成されたパケットを無線端末装置140に送信する(S412)。
ここで、無線端末装置140は、基地局130Aに加えて基地局130Bからのパケットも受信する。しかし、この時点では両基地局からのパケットに同一内容のデータが含まれていることは把握できるが、どのようなタイミングでそのデータが送信されているか把握できない。従って、以下の処理手順によりデータの送信タイミングを把握し、有効なタイミングで伝送品質を比較する。
無線端末装置140は、複数の基地局からパケットを受信すると(パケット受信ステップ:S414)、かかるパケットをデータに復号し(データ復号ステップ:S416)、複数の基地局それぞれのデータを所定時間分端末メモリ312に記憶する(メモリ記憶ステップ:S418)。かかる所定時間は、タイマによってカウントされるとしてもよい。このようなメモリ記憶ステップ(S418)を含む一連の設定処理は、スロットダイバーシティ要求(S406)をトリガにして開始される。
次に、無線端末装置140は、所定時間分のデータ間の相関値を計算し(S420)、相関値が所定の閾値以上であるかどうか判断して(S422)、相関値が所定の閾値以上となる場合にデータ間の時間差を導出する(時間差導出ステップ:S424)。
このとき、相関値が所定の閾値未満であれば、各所定時間分のデータの相対位置を時間方向に推移させ(S426)、相関値を計算すべき所定範囲に達してないことを判断して(S428)、再度相関値を計算する(S420)。このとき所定範囲に達していると、その所定範囲では所定の閾値以上の相関値を取得できなかったこととなるので、相関計算のタイムアウトになってないことを確認して(S430)、所定時間分の新たなデータの相関をとるためにパケットを再受信し(S414)、再度相関値を計算する(S420)。このように、複数の基地局130からの伝送経路によって、受信するデータ同士の相関を求められない場合、上述したように所定時間分のデータを再度取得し、相関値が所定の閾値以上となるまで、即ち時間差として妥当な値を得ることができるまで時間差導出処理を繰り返す。このようにして得られた時間差は、無線端末装置140内に保持され(S432)、新たなデータ待ち状態に移行する。
また、相関計算がタイムアウトした場合(S430)、即ち、時間差導出部362が所定の閾値以上の相関値を取得できなかった場合、スロットダイバーシティ通信を諦めて、データを受信する基地局130を強制的に決定する(S434)。かかる決定処理に関しては後で詳述する。
その後、中継サーバ110から送信され(S408)、各基地局でパケット化されて(S410)、無線端末装置140に送信された(S412)パケットは、無線端末装置140で受信されて(S414)、そのパケットの伝送品質が検知され、伝送品質値が生成される(品質検知ステップ:S440)。
そして、品質値遅延部366は、タイミングが進んでいる基地局のパケットの伝送品質値を、保持された時間差分遅延させ(品質値遅延ステップ:S442)、参照先選択部368は、同期された伝送品質値を比較し、伝送品質値が最も高い基地局130をデータの参照先として選択する(参照先選択ステップ:S444)。このとき伝送品質値と共にデータも遅延させることが可能であれば、同期された伝送品質値の比較によって、同期されたデータを選択する。
次に、時間差導出部362が所定の閾値以上の相関値を取得できなかった場合の決定処理(S434)を詳細に説明する。
参照先選択部368は、時間差導出部362の時間差導出期間中、いずれかの基地局を固定的に選択している。そして、時間差導出部362が所定の閾値以上の相関値を取得できなかった場合においても、参照先選択部368は、固定的に選択された基地局130を継続して選択しつづけるとしてもよい。
複数の基地局からの伝送経路によっては、受信するデータ同士の相関を求められないときがある。かかる構成により、相関を求められなかった場合においても、固定的に選択された基地局からのデータ参照が維持されるので、データの連続性を確保できる。
また、その他の決定処理として、参照先選択部368は、時間差導出部362が所定の閾値以上の相関値を取得できなかった場合、任意時点の伝送品質値を比較して、伝送品質値が最も高い基地局をデータの参照先として選択してもよい。即ち、スロットダイバーシティ通信は諦めて、1つの基地局130との通信のみを遂行するが、その通信先として通信可能な基地局130のうちなるべく伝送品質が高いパケットを送信する基地局130を選択しようと試みる。従って、相関を求められなかった場合においても、任意時点で伝送品質値が最も高い基地局からのデータを選択することができる。ここで取得される伝送品質値は、品質遅延部366に保持された伝送品質値の先頭の値であってもよい。
以上、本実施形態で説明したように、複数の基地局130に跨ってタイムスロットを割り当てるスロットダイバーシティ通信において、複数の基地局130から非同期データを受信したとしても、各基地局130からのデータの相関をとることで時間差を導出し、タイミングが進んでいる基地局からのパケットの伝送品質値をその時間差分遅延させ、各伝送品質値のタイミングを合わせることができる。従って、タイミングの合った伝送品質値を比較させることができ、伝送品質値の高い基地局を確実に選択することが可能となる。
また、1つの無線端末装置140が複数の基地局130をスロットダイバーシティ通信の対象とすることで、1つの基地局130においてタイムスロットの空きがなくとも他の基地局を利用することが可能となり、利用効率が向上する。さらに、基地局の配置の違いによって、伝送経路が異なる(伝送品質が異なる)パケットを取得し、より伝送品質の高いパケットを取得する可能性を高めることができる。
また、上述した実施形態においては、下りデータに関する時間差補償を説明したが、上りデータにおいても同様の時間差補償を行うことができる。
例えば、無線通信システム100において、無線端末装置140から送信された同一のパケットを複数の基地局130でそれぞれ受信し、各基地局130で復号されたデータを通信網120を介して当該中継サーバ110で受信する場合等が想定できる。このとき、基地局130で復号されたデータは、相異する伝送経路を経由して中継サーバ110に到達するため、データの時間ずれが生じる。従って、上述した無線端末装置140の各構成要素を当該中継サーバ110にも適用することで、データ間の時間ずれを中継サーバ110単独で補償することができ、伝送品質の高いデータを形成することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態では、理解を容易にするため、上りデータと下りデータを分けて説明したが、当然、両実施形態の構成要素を同時に遂行することが可能である。
なお、本明細書の無線通信方法における各工程は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むとしても良い。
本発明は、スロットダイバーシティ通信におけるデータ間の時間ずれを補償する無線通信システム、無線端末装置、および無線通信方法に利用可能である。
無線通信システムの概略的な構成を示した構成ブロック図である。 スロットダイバーシティ通信の概略的な構成を示した説明図である。 基地局のハードウェア構成を示した機能ブロック図である。 基地局の概略的な機能を示した機能ブロック図である。 無線端末装置のハードウェア構成を示した機能ブロック図である。 無線端末装置の概略的な機能を示した機能ブロック図である。 2つの音声データの時間差を特定する処理を説明するためのタイミングチャート図である。 同期された伝送品質値の比較と基地局の選択とを説明するためのタイミングチャートである。 同期された伝送品質値の比較とデータの選択とを説明するためのタイミングチャートである。 無線通信方法の全体的な流れを示したフローチャートである。 従来のスロットダイバーシティ通信の概略的な構成を示した説明図である。
符号の説明
100 無線通信システム
110 中継サーバ
130 基地局
140 無線端末装置
214 基地局無線部
250 パケット生成部
312 端末メモリ
320 端末無線部
360 データ復号部
362 時間差導出部
364 品質検知部
366 品質値遅延部
368 参照先選択部

Claims (9)

  1. 中継サーバと通信網を介して接続された複数の基地局と、該複数の基地局で排他的に割り当てられた時分割多重方式に基づくタイムスロットを通じて同一内容のデータを重複受信し、いずれかの基地局をデータの参照先として選択する無線端末装置と、を備える無線通信システムであって、
    前記複数の基地局は、
    前記中継サーバからの同一内容のデータをそれぞれ任意のタイミングでパケット化してパケットを生成するパケット生成部と、
    前記無線端末装置に割り当てたタイムスロットの間、前記パケットを該無線端末装置に送信する基地局無線部と、
    を備え、
    前記無線端末装置は、
    前記複数の基地局からパケットを受信する端末無線部と、
    前記パケットをデータに復号するデータ復号部と、
    前記復号されたデータを複数の基地局それぞれについて所定時間分記憶する端末メモリと、
    前記所定時間分のデータを時間方向に相対的に推移させつつ相関値を計算し、相関値が所定の閾値以上となる場合のデータ間の時間差を導出する時間差導出部と、
    前記パケットの伝送品質を検知し伝送品質値を生成する品質検知部と、
    前記データのタイミングが進んでいる基地局からのパケットの伝送品質値を前記時間差分遅延させる品質値遅延部と、
    前記品質値遅延部により同期された各基地局の伝送品質値を比較し、該伝送品質値が最も高い基地局をデータの参照先として選択する参照先選択部と、
    を備えることを特徴とする、無線通信システム。
  2. 複数の基地局で排他的に割り当てられた時分割多重方式に基づくタイムスロットを通じて同一内容のデータを重複受信し、いずれかの基地局をデータの参照先として選択する無線端末装置であって、
    前記複数の基地局においてそれぞれ任意のタイミングでパケット化されたパケットを受信する端末無線部と、
    前記パケットをデータに復号するデータ復号部と、
    前記復号されたデータを複数の基地局それぞれについて所定時間分記憶する端末メモリと、
    前記所定時間分のデータを時間方向に相対的に推移させつつ相関値を計算し、相関値が所定の閾値以上となる場合のデータ間の時間差を導出する時間差導出部と、
    前記パケットの伝送品質を検知し伝送品質値を生成する品質検知部と、
    前記データのタイミングが進んでいる基地局からのパケットの伝送品質値を前記時間差分遅延させる品質値遅延部と、
    前記品質値遅延部により同期された各基地局の伝送品質値を比較し、該伝送品質値が最も高い基地局をデータの参照先として選択する参照先選択部と、
    を備えることを特徴とする、無線端末装置。
  3. 前記品質値遅延部は、パケットの伝送品質値と共に前記データ復号部に復号されたデータも遅延させ、
    前記参照先選択部は、伝送品質値が最も高い基地局の同期されたデータを選択することを特徴とする、請求項2に記載の無線端末装置。
  4. 前記参照先選択部は、前記時間差導出部の時間差導出期間中、いずれかの基地局を固定的に選択することを特徴とする、請求項2または3に記載の無線端末装置。
  5. 前記参照先選択部は、前記時間差導出部が所定の閾値以上の相関値を取得できなかった場合、前記固定的に選択された基地局を継続して選択することを特徴とする、請求項4に記載の無線端末装置。
  6. 前記参照先選択部は、前記時間差導出部が所定の閾値以上の相関値を取得できなかった場合、任意時点の伝送品質値を比較して、伝送品質値が最も高い基地局をデータの参照先として選択することを特徴とする、請求項2または3に記載の無線端末装置。
  7. 前記時間差導出部は、所定の閾値以上の相関値を取得できなかった場合、データを所定時間分新たに記憶させ、再度時間差を導出することを特徴とする、請求項2または3に記載の無線端末装置。
  8. 前記データは、音声データであることを特徴とする、請求項2〜7のいずれかに記載の無線端末装置。
  9. 複数の基地局で排他的に割り当てられた時分割多重方式に基づくタイムスロットを通じて同一内容のデータを重複受信し、いずれかの基地局をデータの参照先として選択する無線通信方法であって、
    前記複数の基地局においてそれぞれ任意のタイミングでパケット化されたパケットを受信するパケット受信ステップと、
    前記パケットをデータに復号するデータ復号ステップと、
    前記復号されたデータを複数の基地局それぞれについて所定時間分端末メモリに記憶するメモリ記憶ステップと、
    前記所定時間分のデータを時間方向に相対的に推移させつつ相関値を計算し、相関値が所定の閾値以上となる場合のデータ間の時間差を導出する時間差導出ステップと、
    前記パケットの伝送品質を検知し伝送品質値を生成する品質検知ステップと、
    前記データのタイミングが進んでいる基地局からのパケットの伝送品質値を前記時間差分遅延させる品質値遅延ステップと、
    同期された各基地局の伝送品質値を比較し、該伝送品質値が最も高い基地局をデータの参照先として選択する参照先選択ステップと、
    を含むことを特徴とする、無線通信方法。
JP2007015337A 2007-01-25 2007-01-25 無線通信システム、無線端末装置、および無線通信方法 Pending JP2008182582A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007015337A JP2008182582A (ja) 2007-01-25 2007-01-25 無線通信システム、無線端末装置、および無線通信方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007015337A JP2008182582A (ja) 2007-01-25 2007-01-25 無線通信システム、無線端末装置、および無線通信方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008182582A true JP2008182582A (ja) 2008-08-07

Family

ID=39726132

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007015337A Pending JP2008182582A (ja) 2007-01-25 2007-01-25 無線通信システム、無線端末装置、および無線通信方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008182582A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101424152B1 (ko) * 2007-02-01 2014-08-04 로오데운트쉬바르츠게엠베하운트콤파니카게 Atsc 상호운용성을 제공하는 시스템, 장치, 방법 및 컴퓨터 프로그램 제품
JP2014529953A (ja) * 2011-08-24 2014-11-13 サムスン エレクトロニクスカンパニー リミテッド 移動端末機及びその通信方法、基地局制御装置及びその制御方法、及びそれを利用する多重協力送受信システム及びその方法
KR102370197B1 (ko) * 2020-11-06 2022-03-04 엘아이지넥스원 주식회사 소부대 운용을 위한 디지털 무전기의 통화품질 제어방법 및 장치

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101424152B1 (ko) * 2007-02-01 2014-08-04 로오데운트쉬바르츠게엠베하운트콤파니카게 Atsc 상호운용성을 제공하는 시스템, 장치, 방법 및 컴퓨터 프로그램 제품
JP2014529953A (ja) * 2011-08-24 2014-11-13 サムスン エレクトロニクスカンパニー リミテッド 移動端末機及びその通信方法、基地局制御装置及びその制御方法、及びそれを利用する多重協力送受信システム及びその方法
KR102370197B1 (ko) * 2020-11-06 2022-03-04 엘아이지넥스원 주식회사 소부대 운용을 위한 디지털 무전기의 통화품질 제어방법 및 장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN109964419B (zh) Iab无线网络的初始接入和无线电资源管理
KR101833186B1 (ko) 고주파 대역 무선 액세스 기술 아키텍처에서의 시스템 검출
KR101105012B1 (ko) 공간 분할 다중 액세스 빔들에 의한 직교 자원 재사용
KR100968387B1 (ko) 원격 기지국과의 업링크를 지원하기 위한 방법 및 장치
US20110026481A1 (en) Wireless communication method and wireless communication system
CN109891957A (zh) Ue补偿的定时提前
KR20080043468A (ko) 통신 시스템에서 신호 송신 방법 및 장치
JP2010193430A (ja) レイク受信機
KR20080004599A (ko) 다수의 네트워크 사이의 무선 핸드오프
JP2008048018A (ja) 通信端末装置、基地局および通信方法
WO2000062569A1 (en) Method in a wireless data transmission system and a wireless data transmission system
CN109565314A (zh) 在无线通信系统中利用与标识结合的接收时间
JP2001285189A (ja) 無線基地局、プログラム記憶媒体
JP2007214820A (ja) チャネル送信方法および基地局
JP5584235B2 (ja) 無線ネットワークにおける送信方法および対応する受信方法
JP2009194822A (ja) 無線通信システム、マスタ基地局、スレーブ基地局および通信制御方法
JP2001230712A (ja) 無線基地局及び移動局
NO338063B1 (no) Myk overlevering av en CDMA-reversforbindelse
JP2008182582A (ja) 無線通信システム、無線端末装置、および無線通信方法
JP2004112588A (ja) 無線基地装置、移動端末装置、参照信号制御方法および参照信号制御プログラム
JP2006180320A (ja) 無線通信装置
JP2008135831A (ja) 無線通信システム、中継サーバ、基地局、無線端末装置、および無線通信方法
JP6795787B2 (ja) 電話システム
Kim et al. Seamless handoff scheme for 4G mobile systems based on IP and OFDM
JP2009290394A (ja) 基地局およびフレーム同期方法