JP2008135831A - 無線通信システム、中継サーバ、基地局、無線端末装置、および無線通信方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 スロットダイバーシティ通信における各基地局間のデータ遅延を補償し、タイミングの合った同一のデータを比較させることで、伝送品質の高いデータを確実に選択させる。
【解決手段】 本発明の無線端末装置140は、複数の基地局130からのパケットを受信する端末無線部520と、パケットをデータに復号する端末復号部610と、複数の基地局130それぞれのデータを所定時間分記憶する端末メモリ512と、所定時間分のデータを時間方向に相対的に推移させつつ相関値を計算し、相関値が所定の閾値以上となる場合のデータ間の時間差を導出する端末導出部612と、データのタイミングが進んでいる基地局からのデータを時間差分遅延させる端末遅延部614と、遅延されたデータを含む基地局130からのデータから、伝送品質の高いデータを選択する端末選択部618と、を備えることを特徴としている。
【選択図】 図7
【解決手段】 本発明の無線端末装置140は、複数の基地局130からのパケットを受信する端末無線部520と、パケットをデータに復号する端末復号部610と、複数の基地局130それぞれのデータを所定時間分記憶する端末メモリ512と、所定時間分のデータを時間方向に相対的に推移させつつ相関値を計算し、相関値が所定の閾値以上となる場合のデータ間の時間差を導出する端末導出部612と、データのタイミングが進んでいる基地局からのデータを時間差分遅延させる端末遅延部614と、遅延されたデータを含む基地局130からのデータから、伝送品質の高いデータを選択する端末選択部618と、を備えることを特徴としている。
【選択図】 図7
Description
本発明は、スロットダイバーシティ通信におけるデータ間の遅延を補償する無線通信システム、中継サーバ、基地局、無線端末装置、および無線通信方法に関する。
携帯電話等の無線端末装置とその通信対象である基地局には、フレームを時分割した複数のタイムスロットをそれぞれチャネルに割り当てて通信を行う時分割多重方式(TDMA:Time Division Multiple Access)が採用されている。時分割多重方式では、データがフレームに分割され、さらにそのフレーム分のデータが1タイムスロット分のパケットに変換され、このパケット単位で送受信が実行される。かかる時分割多重方式では、1つの基地局における複数のチャネルをそれぞれ別体の無線端末装置に割り当てることもできるが、2以上のチャネルを1つの無線端末装置に割り当てることもできる。
また、このような2以上のチャネルを利用して、同一のデータを2以上のチャネルで多重伝送し、そのうち伝送品質の高いデータのみを使用することで、一方のチャネルに伝送エラーが生じたとしても他方のチャネルでそのエラーを補償することが可能なスロットダイバーシティ通信も実施されている。
図12は、従来のスロットダイバーシティ通信の概略的な構成を示した説明図である。ここでは、基地局10と無線端末装置12との間の無線通信方式として、フレーム14を例えば8つのタイムスロット16(上下方向に4つづつ)に分割した時分割多重方式が採られている。そして上りの4つのタイムスロット16のうち(1)と(2)の2つのタイムスロットが、下りの4つのタイムスロット16のうち(3)と(4)の2つのタイムスロットが無線端末装置12に割り当てられ、それぞれ、同一内容のデータがパケット化されて伝送されている。
従って、無線端末装置12は、基地局10からタイムスロット(1)および(2)を通じて重複受信したパケットの伝送品質を比較し、より高い方を当該無線端末装置12で使用する。同様に、基地局10は、無線端末装置12からタイムスロット(3)および(4)を通じて重複受信したパケットの伝送品質を比較し、より高い方を無線端末装置12からのデータとして後段の中継サーバに伝送する。
また、このようなスロットダイバーシティ通信に基づいて、親機と子機それぞれデータ更新タイミングを指定する制御部を設け、送信側と受信側の任意のタイムスロット間のデータ更新量を一致させる技術(例えば、特許文献1)も知られている。
特開2005−130336号公報
上述したスロットダイバーシティ通信では、一つの基地局における複数のチャネルが一つの無線端末装置に割り当てられ、同一のデータをパケット化した同一のパケットが基地局から無線端末装置に送信されている。しかし、タイムスロットの使用は、スロットダイバーシティ通信より複数の無線端末装置との無線通信の方が優先されるため、基地局で割り当て可能なタイムスロットが全て塞がってしまうとスロットダイバーシティ通信のためにタイムスロットを開放することができなくなってしまう。また、タイムスロットをスロットダイバーシティ通信に割り当てることができたとしても、利用する複数のチャネルにおける無線端末装置と基地局との位置関係が同じなので、通信経路に大きな障害物が存在する場合、相異する経路による高い伝送品質の恩恵を受けることができなかった。
そこで、本願発明者は、スロットダイバーシティ通信を一つの無線端末装置と複数の基地局との間で遂行することを検討した。このように複数の基地局を対象とすることで、一つの基地局においてタイムスロットの空きがなくとも他の基地局を利用することが可能となり、また、無線端末装置および基地局は、通信経路の違いによって伝送品質の異なるパケットを取得することができる。
しかし、基地局と無線端末装置とのタイムスロットは複数の基地局間でも同期しているものの、中継サーバから送信される同一のデータが各基地局に到達する時間は必ずしも同じではなく、伝送経路に応じて到着時に時間差が生じる。また、各基地局では、中継サーバから受信したデータをそれぞれ独立したタイミングでパケット化するので、同一のデータをパケット化しているにも拘わらず、各基地局間で相異するパケットが生成されてしまう。
従って、無線端末装置において、時間情報が付与されていないパケットを単に復号するだけでは各基地局からのデータに時間的なずれが生じ、同一時間に比較しているデータが同一の情報とは限らないので、データの伝送品質を比較することができず、スロットダイバーシティ通信が成り立たない問題が生じ得る。
本発明は、複数の基地局とのスロットダイバーシティ通信において生じ得る上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、データに時間情報が付されていなくとも、スロットダイバーシティ通信における各基地局間のデータ遅延を補償し、タイミングの合った同一のデータを比較させることで、伝送品質の高い(振幅が大きい、S/N比が大きい等)データを確実に選択することが可能な、新規かつ改良された無線通信システム、中継サーバ、基地局、無線端末装置、および無線通信方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、複数の基地局で排他的に割り当てられた時分割多重方式に基づくタイムスロットを通じて同一内容のデータを重複受信し、そのうち伝送品質の高いデータを選択する無線端末装置であって、複数の基地局においてそれぞれ任意のタイミングでパケット化されたパケットを受信する端末無線部と、パケットをデータに復号する端末復号部と、複数の基地局それぞれのデータを所定時間分記憶する端末メモリと、所定時間分のデータを時間方向に相対的に推移させつつ相関値を計算し、相関値が所定の閾値以上となる場合のデータ間の時間差を導出する端末導出部と、所定時間分のデータのタイミングが進んでいる基地局からのデータを時間差分遅延させる端末遅延部と、遅延されたデータを含む基地局からのデータから、伝送品質の高いデータを選択する端末選択部と、を備えることを特徴とする、無線端末装置が提供される。また、上述した無線端末装置を用いた無線通信方法も提供される。
ここでは、複数の基地局に跨ってタイムスロットを割り当てるスロットダイバーシティ通信を採用し、複数の基地局から非同期データ、即ち、時間情報(絶対時刻やこれに類する順序情報等の情報)が付されていないデータを受信したとしても、各基地局からのデータの相関をとることで、中継サーバから各基地局までの通信経路の相異により生じる時間差を導出し、タイミングが進んでいるデータをその時間差分遅延させて、各データのタイミングを合わせることができる。従って、端末選択部は、タイミングの合った同一のデータを比較させることができ、伝送品質の高いデータを確実に選択することが可能となる。
また、一つの無線端末装置が複数の基地局を対象とすることで、一つの基地局においてタイムスロットの空きがなくとも他の基地局を利用することが可能となり、さらに、基地局の配置の違いによって、伝送品質の異なるパケットを取得し、より伝送品質の高いパケットを取得する可能性を高めることができる。
端末導出部は、所定の閾値以上の相関値を取得できなかった場合、データを所定時間分新たに記憶させ、再度時間差を導出してもよい。
複数の基地局からの通信経路によっては、受信するデータ同士の相関を求められないときがある。このような場合は、所定時間分のデータを再度取得し、相関値が所定の閾値以上となるまで、即ち時間差として妥当な値を得ることができるまで時間差導出処理を繰り返す。また、この繰り返し処理毎に所定の閾値を下げてもよい。
端末選択部は、端末導出部による時間差が導出されるまで、いずれか一つのデータを固定的に選択してもよい。
端末選択部は、非同期データに関して端末導出部が時間差を導出するまで伝送品質を比較することができない。従って、上記時間差が導出されるまで、いずれか一つの基地局からのデータを固定的に使用してその間の通信接続を維持する。
データは、音声データであってもよい。データに時間情報が付されている場合、途中で遅延が発生してもデータの同期をとることができる。しかし、音声データ等の非同期データでは同期をとる指標となるものがない。本発明では、時間情報が付されていない例えば音声データ等においてもその相関によって遅延量を推定し、同期をとることができる。
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、中継サーバと通信網を介して接続された複数の基地局と、複数の基地局で排他的に割り当てられた時分割多重方式に基づくタイムスロットを通じて同一内容のデータを重複受信し、そのうち伝送品質の高いデータを選択する無線端末装置と、を備える無線通信システムであって、複数の基地局は、中継サーバからの同一のデータをそれぞれ任意のタイミングでパケット化してパケットを生成するパケット生成部と、無線端末装置に割り当てたタイムスロットの間、パケットを無線端末装置に送信する基地局無線部と、無線端末装置から時間差を受信した場合、中継サーバからのデータを時間差分遅延させる基地局遅延部と、を備え、無線端末装置は、複数の基地局からパケットを受信する端末無線部と、パケットをデータに復号する端末復号部と、複数の基地局それぞれのデータを所定時間分記憶する端末メモリと、所定時間分のデータを時間方向に相対的に推移させつつ相関値を計算し、相関値が所定の閾値以上となる場合のデータ間の時間差を導出する端末導出部と、所定時間分のデータのタイミングが進んでいる基地局に時間差を送信する端末時間差送信部と、復号されたデータのうち、伝送品質の高いデータを選択する端末選択部と、を備えることを特徴とする、無線通信システムが提供される。
上述した無線端末装置では、導出した時間差を無線端末装置自体で補償している。本発明では、時間差を基地局で補償する。かかる構成により、台数が比較的多い無線端末装置に遅延部を設けなくとも、占有体積やメンテナンス的に有利な基地局に遅延部を設けることができるので、遅延部のソフト変更にも迅速に対応することが可能となる。
また、上述した無線通信システムを構成する基地局および無線端末装置や、その基地局および無線端末装置を用いた無線通信方法も提供される。
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数の基地局からの同一内容のデータを重複受信し、そのうち伝送品質の高いデータを選択する中継サーバであって、複数の基地局それぞれのデータを所定時間分記憶するサーバメモリと、所定時間分のデータを時間方向に相対的に推移させつつ相関値を計算し、相関値が所定の閾値以上となる場合のデータ間の時間差を導出するサーバ導出部と、所定時間分のデータのタイミングが進んでいる基地局からのデータを時間差分遅延させるサーバ遅延部と、遅延されたデータを含む基地局からのデータから、伝送品質の高いデータを選択するサーバ選択部と、を備えることを特徴とする、中継サーバが提供される。また、上述した中継サーバを用いた無線通信方法も提供される。
基地局と無線端末装置とのタイムスロットは複数の基地局間でも同期しているが、基地局で復号されたデータは相異する通信経路を経由して中継サーバに伝達される。従って、中継サーバへのデータに時間的なずれが生じ、データの伝送品質を比較することができず、下りデータ同様スロットダイバーシティ通信が成り立たない問題が生じ得る。上述した無線端末装置や無線通信システムでは、下りデータに関する遅延補償がなされたが、本発明では、このような上りデータに関する遅延補償が行われる。
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、無線端末装置と無線通信を行う複数の基地局と、複数の基地局からの同一内容のデータを重複受信し、そのうち伝送品質の高いデータを選択する中継サーバと、を備える無線通信システムであって、複数の基地局は、無線端末装置からのパケットをデータに復号する基地局復号部と、復号されたデータを中継サーバに送信するデータ送信部と、中継サーバから時間差を受信した場合、復号したデータを時間差分遅延させる基地局遅延部と、を備え、中継サーバは、複数の基地局それぞれのデータを所定時間分記憶するサーバメモリと、所定時間分のデータを時間方向に相対的に推移させつつ相関値を計算し、相関値が所定の閾値以上となる場合のデータ間の時間差を導出するサーバ導出部と、所定時間分のデータのタイミングが進んでいる基地局に時間差を送信するサーバ時間差送信部と、基地局からのデータから、伝送品質の高いデータを選択するサーバ選択部と、を備えることを特徴とする、無線通信システムが提供される。
上述した中継サーバでは、導出した時間差を中継サーバ自体で補償している。本発明では、かかる時間差を基地局で補償する。
また、上述した無線通信システムを構成する基地局および中継サーバや、その基地局および中継サーバを用いた無線通信方法も提供される。
また、本発明の最初の観点として説明した無線端末装置における技術的思想に対応する構成要素やその説明は、その後説明した無線通信システム、中継サーバ、基地局、無線端末装置、および無線通信方法にも適用可能である。
以上説明したように本発明によれば、データに時間情報が付されていなくとも、スロットダイバーシティ通信における各基地局間のデータ遅延を補償し、タイミングの合った同一のデータを比較させることで、伝送品質の高いデータを確実に選択することが可能となる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
携帯電話やPHS(Personal Handy phone System)端末等の無線端末装置と基地局は、時分割多重方式により通信を行っている。また、複数のチャネルを一つの無線端末装置に割り当てて、同一のデータを2以上のチャネルで多重伝送し、そのうち伝送品質の高いデータを選択することで、一方のチャネルに伝送エラーが生じたとしても他方のチャネルでそのエラーを補償することが可能なスロットダイバーシティ通信も実施されている。
ここで、ダイバーシティとは、例えば、電波を受信するために用いられるアンテナを複数離隔して配し、そのアンテナの位置の相異による通信状態の違いに着目して、それぞれのアンテナで受信した電波のうち伝送品質が高い電波を採用し、通信品質を保つ技術である。特に街中では無数の電波が混在しており、数100MHz〜数GHzといった高周波数を利用する無線端末装置は、スロットダイバーシティ技術によりフェージング等の弊害を回避することが可能となる。
(第1の実施形態:無線通信システム100)
本実施形態では、このスロットダイバーシティ通信を複数の基地局に跨って実行し、各基地局の空きタイムスロットの有効活用、および通信経路が相異する高い伝送品質を有するデータの提供を図っている。以下、本実施形態のスロットダイバーシティ通信を遂行する無線通信システム100の概略を説明し、その後で各構成要素に関して詳述する。
本実施形態では、このスロットダイバーシティ通信を複数の基地局に跨って実行し、各基地局の空きタイムスロットの有効活用、および通信経路が相異する高い伝送品質を有するデータの提供を図っている。以下、本実施形態のスロットダイバーシティ通信を遂行する無線通信システム100の概略を説明し、その後で各構成要素に関して詳述する。
図1は、無線通信システム100の概略的な構成を示したブロック図である。かかる無線通信システム100は、中継サーバ110と、インターネットや専用回線等の通信網120と、基地局130と、無線端末装置140と、他の無線端末装置150とを含んで構成される。
上記無線通信システム100では、無線端末装置140を利用して他の無線端末装置150に電話しようと試みた場合、ユーザは、自己の無線端末装置140を操作して、無線通信可能領域にある基地局130と無線通信を確立し、通信網120、中継サーバ110、および、他の無線端末装置150の無線通信可能領域にある基地局130を介して、通信相手の有する他の無線端末装置150と音声通話を遂行する。
このとき、無線端末装置140は、2つの基地局130と並行して時分割多重方式に基づく無線通信を行い、さらに、無線端末装置140と基地局130との上りおよび下りのデータ伝送にスロットダイバーシティ通信を適用する。
図2は、このようなスロットダイバーシティ通信の概略的な構成を示した説明図である。ここでは、2つの基地局130A,130Bと無線端末装置140との間で時分割多重方式によるスロットダイバーシティ通信が行われる。無線端末装置140から基地局130Aおよび130Bへの上りデータは、それぞれのタイムスロット(1)および(2)が割り当てられ、基地局130Aおよび130Bから無線端末装置140への下りデータは、それぞれのタイムスロット(3)および(4)が割り当てられ、かかるタイムスロットを通じて同一内容のデータが重複送受信されている。無線端末装置140は、重複取得したデータから伝送品質の良いデータのみを抜粋するので高い通信品質を維持することができる。
以下、無線通信システム100における中継サーバ110と、基地局130と、無線端末装置140とを詳述する。ここでは、特に、中継サーバ110から通信網120、基地局130、無線端末装置140への下りデータを挙げ、その下りデータで生じ得るスロットダイバーシティ通信の遅延補償を説明する。
(中継サーバ110)
図3は、中継サーバ110のハードウェア構成を示した機能ブロック図である。中継サーバ110は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション等の電子機器で構成され、構成要素として、サーバ制御部210と、サーバメモリ212とを含んでいる。
図3は、中継サーバ110のハードウェア構成を示した機能ブロック図である。中継サーバ110は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション等の電子機器で構成され、構成要素として、サーバ制御部210と、サーバメモリ212とを含んでいる。
上記サーバ制御部210は、中央処理装置(CPU)を含む半導体集積回路により中継サーバ110全体を管理および制御する。サーバ制御部210は、サーバメモリ212のプログラムを用いて、無線端末装置140同士間の通話もしくは通信を中継する。例えば、他の無線端末装置150からのデータを受信し、そのデータを無線端末装置140に伝達するため、通信網120を介して、無線端末装置140と無線通信可能な基地局130にデータを送信する。
上記サーバメモリ212は、ROM、RAM、E2PROM、不揮発性RAM、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成され、サーバ制御部210で処理されるプログラムや、無線端末装置140同士の間で送受信されるデータを記憶する。
(基地局130)
図4は、基地局130のハードウェア構成を示した機能ブロック図である。基地局130は、基地局制御部310と、基地局メモリ312と、基地局無線部314を含んで構成される。
図4は、基地局130のハードウェア構成を示した機能ブロック図である。基地局130は、基地局制御部310と、基地局メモリ312と、基地局無線部314を含んで構成される。
上記基地局制御部310は、中央処理装置を含む半導体集積回路により基地局130全体を管理および制御する。基地局制御部310は、基地局メモリ312のプログラムを用いて、無線端末装置140同士間の通話もしくは通信を支援する。かかる支援として、例えば、中継サーバ110から通信網120を介してデータを受信し、そのデータを無線端末装置140に伝達する。
上記基地局メモリ312は、ROM、RAM、E2PROM、不揮発性RAM、フラッシュメモリ、HDD等で構成され、基地局制御部310で処理されるプログラムや、無線端末装置140同士間で送受信されるデータを記憶する。
上記基地局無線部314は、無線端末装置140と携帯電話網に基づく無線通信を行う。特に本実施形態では、基地局130内でフレームを時分割した複数のタイムスロットをそれぞれチャネルに割り当てて通信を行う時分割多重方式が採用される。
以上のような基地局130のハードウェア上で遂行される機能および動作を詳述する。
図5は、基地局130の概略的な機能を示した機能ブロック図である。基地局130の基地局制御部310は、基地局メモリ312のプログラムを用いて、パケット生成部410と、基地局遅延部412として機能する。
上記パケット生成部410は、中継サーバ110から受信した同一のデータをそれぞれ基地局130独自のタイミングでパケット化し、パケットを生成する。そして、かかるパケットを基地局無線部314に伝達し、無線端末装置140に送信させる。
上記基地局遅延部412は、シフトレジスタ等のハードウェアもしくはソフトウェア遅延で実行され、デフォルトは遅延なしに設定されている。そして、無線端末装置140から時間差を受信した場合に、中継サーバ110からのデータをこの時間差分遅延させる。従って、パケット生成部410は、かかる遅延されたデータをパケット化することとなる。
この基地局遅延部412は、後述する端末遅延部614と同時に利用されてもよいし、どちらか一方のみが利用されるとしてもよい。いずれか一方で時間差を補償できれば、本実施形態の目的である、スロットダイバーシティ通信を機能させることができるからである。
(無線端末装置140)
図6は、無線端末装置140のハードウェア構成を示した機能ブロック図である。無線端末装置140は、上述した携帯電話やPHSの他に、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯可能な様々な電子機器で構成され、構成要素として、端末制御部510と、端末メモリ512と、表示部514と、操作部516と、音声入出力部518と、端末無線部520とを含んでいる。
図6は、無線端末装置140のハードウェア構成を示した機能ブロック図である。無線端末装置140は、上述した携帯電話やPHSの他に、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯可能な様々な電子機器で構成され、構成要素として、端末制御部510と、端末メモリ512と、表示部514と、操作部516と、音声入出力部518と、端末無線部520とを含んでいる。
上記端末制御部510は、中央処理装置を含む半導体集積回路により無線端末装置140全体を管理および制御する。端末制御部510は、端末メモリ512のプログラムを用いて、無線端末装置140を利用した通話機能やメール配信機能も当然にして遂行するが、図7を用いて後述する各機能も同様に遂行する。
上記端末メモリ512は、ROM、RAM、E2PROM、不揮発性RAM、フラッシュメモリ、HDD等で構成され、端末制御部510で処理されるプログラムや、各基地局130からの所定時間分のデータを記憶する。
上記表示部514は,カラーまたはモノクロのディスプレイで構成され,端末メモリ512に記憶された、または通信網120を介してアプリケーション中継サーバ(図示せず)から提供される、WebブラウザやアプリケーションのGUI(Graphical User Interface)を表示することができる。
上記操作部516は、キーボード、十字キー、ジョイスティック等のスイッチから構成され、ユーザの操作入力を受け付ける。
上記音声入出力部518は、マイクやスピーカから構成され、通話時に入力されたユーザの音声を音声信号に変換し、また、通話相手の音声信号を音声に変えて出力する。また、着信音や操作部516による操作音、アラーム音等も出力できる。
上記端末無線部520は、携帯電話網における基地局130と無線通信を行う。
以上、図6を用いて無線端末装置140のハードウェアの説明をしたが、以下にそのようなハードウェア上で遂行される機能および動作を詳述する。
図7は、無線端末装置140の概略的な機能を示した機能ブロック図である。無線端末装置140の端末制御部510は、端末メモリ512のプログラムを用いて、端末復号部610と、端末導出部612と、端末遅延部614と、端末時間差送信部616と、端末選択部618として機能する。
上記端末復号部610は、端末無線部520が受信した、複数の基地局130からのパケットをデータに復号する。そして、複数の基地局130それぞれのデータを所定時間分、例えば、1〜数フレーム分抽出して端末メモリ512に記憶する。
上記端末導出部612は、端末メモリ512に記憶された所定時間分のデータを所定範囲内で時間方向に相対的に推移させつつ相関値を計算し、相関値が所定の閾値以上となる場合のデータ間の時間差を導出する。ここで、相関は、各基地局130のデータ同士の相対的関係を言い、相関値は、このような2つの変量間の相関関係の程度を示す。
上記2つの基地局130のデータは本来同一のデータなので、時間軸さえ合わせれば、例え一方の通信経路の伝送品質が多少悪かったとしても高い相関値を得ることができる。従って、相関値が所定の閾値以上となる地点の時間軸のずれ量を通信経路の違いによる時間差と見なすことができる。かかる相関値の計算は従来から知られている様々な相関関数を適用することが可能である。
また、端末導出部612は、時間差を特定するための条件を、所定の閾値以上かつピーク値となる場合とすることもできる。かかる条件を採用することで、さらに正確な時間差を導出することが可能となる。
図8は、2つの音声データの時間差を特定する処理を説明するためのタイミングチャート図である。図8の(a)では、2つの基地局130A、130Bからの1フレーム分の音声データが示されている。時間差が補償されていない図8(a)の状態では、伝送品質の良い音声データを選択しようにも、そもそも音声データを比較することができない。端末復号部610は、復号したデータを端末メモリ512に格納し、その2つの音声データを相対的に徐々に推移させて相関値が高くなるところを見つけ出す。
基地局130Aの音声データに対して基地局130Bの音声データを時間軸上で遅らせた図8(b)では、互いの音声データが重なり、相関値は閾値に達する。これは、基地局130Bにおけるパケット化が130Aにおけるパケット化より時間差700ほど早い(タイミングが進んでいる)ことを示す。従って、基地局130Bのデータをいずれかの時点で時間差700分遅延させれば、両音声データの同期がとられることとなる。
ここでは、所定時間分のデータを1フレームとしているが、かかる場合に限られず、データの遅延量に応じて妥当な長さを設定することが可能である。例えば、データの遅延量として最大50msecが見込まれる場合、1フレーム5msecで除算した10フレーム分の相関をとることができる。そのような場合においても、端末メモリ512として必要な記憶容量は、32kbps×50msecで0.8kbitのみであり、記憶容量不足の問題は生じない。また、図8では、時間情報が付されていないデータとして音声データを挙げて説明したが、相関値を計算する対象は、かかる音声データに限られず、デジタル信号にも適用できる。
上記端末遅延部614は、シフトレジスタ等のハードウェアもしくはソフトウェア遅延で実行され、所定時間分のデータのタイミングが進んでいるデータの送信元としての基地局からの今後のデータを時間差分遅延させる。ここでは、端末復号部610がデータに復号した後、そのデータを遅延して、後述する端末選択部618に伝達する。
上記端末時間差送信部616は、所定時間分のデータのタイミングが進んでいるデータの送信元としての基地局130に端末導出部612で導出された時間差を送信する。かかる時間差を受けて基地局130の基地局遅延部412は、データを時間差分遅延してから当該無線端末装置140にパケットを送信する。
このような端末時間差送信部616および基地局遅延部412の機構は、上述したように端末遅延部614と同時に利用されてもよいし、どちらか一方のみが利用されるとしてもよい。いずれか一方で時間差を補償できれば、スロットダイバーシティ通信を機能させることができるからである。ただし、両機構を同時に利用する場合は、端末時間差送信部616および基地局遅延部412が動作した後のさらなる時間差を端末遅延部614で補償する等の対応をとり、同一の時間差を同時に補償すべきではない。
上記端末選択部618は、端末遅延部614による遅延データも含めて、復号されたデータの伝送品質を相互に比較し、伝送品質の高いデータを選択する。例えば、データが音声データであった場合、選択された音声データは、当該無線端末装置140の音声として音声入出力部518から出力される。かかる端末選択部618によりスロットダイバーシティ通信が目的とする通信品質の維持を図ることができる。
上述した本実施形態では、理解を容易にするため一つの無線端末装置140と2つの基地局130とのスロットダイバーシティ通信を挙げて説明しているが、かかる場合に限られず、3以上の基地局130を対象とするスロットダイバーシティ通信にも当然にして本実施形態を適用することができる。
また、コンピュータによって、上記中継サーバ110、基地局130、無線端末装置140として機能するプログラムも提供され得る。
次に、複数の基地局130と無線通信を行う無線端末装置140を用いた無線通信方法について説明する。
(無線通信方法)
図9は、無線通信方法の全体的な流れを示したフローチャートである。ここでは、無線端末装置140と他の無線端末装置150との通信における下りデータ(中継サーバ110から無線端末装置140へのデータ)を挙げて説明する。
図9は、無線通信方法の全体的な流れを示したフローチャートである。ここでは、無線端末装置140と他の無線端末装置150との通信における下りデータ(中継サーバ110から無線端末装置140へのデータ)を挙げて説明する。
無線端末装置140と他の無線端末装置150との通信において、無線端末装置140が2つの基地局130とスロットダイバーシティ通信を遂行する場合、無線端末装置140の端末選択部618は、まず、一方の基地局130のみのデータを固定的に選択する(S800)。端末選択部618は、端末導出部612が時間差を導出するまで伝送品質の比較ができなので、このような時間差が導出されるまでいずれか一つの基地局からのデータを固定的に使用して、その間の通信接続を維持する。
そして、中継サーバ110から同一のデータが送信されると(S802)、複数の基地局130A、130Bが、その同一のデータをそれぞれ任意のタイミングでパケット化してパケットを生成し(パケット生成ステップ:S804)、無線端末装置140に割り当てたタイムスロットの間、生成されたパケットを無線端末装置140に送信する(基地局パケット送信ステップ:S806)。
無線端末装置140は、複数の基地局からパケットを受信すると(端末パケット受信ステップ:S808)、かかるパケットをデータに復号し(端末復号ステップ:S810)、複数の基地局それぞれのデータを所定時間分端末メモリ512に記憶する(端末記憶ステップ:S812)。次に、無線端末装置140は、所定時間分のデータ間の相関値を計算し(S814)、相関値が所定の閾値以上であるかどうか判断して(S816)、相関値が所定の閾値以上となる場合のデータ間の時間差を導出する(端末導出ステップ:S818)。
このとき、相関値が所定の閾値未満であれば、各所定時間分のデータの相対位置を時間方向に推移させ(S820)、相関値を計算すべき所定範囲に達してないことを判断して(S822)、再度相関値を計算する(S814)。このとき所定範囲に達していると、その所定範囲では所定の閾値以上の相関値を取得できなかったこととなるので、データを所定時間分新たに記憶させ(S812)、再度時間差を導出する(S814)。このように、複数の基地局130からの通信経路によって、受信するデータ同士の相関を求められない場合、上述したように所定時間分のデータを再度取得し、相関値が所定の閾値以上となるまで、即ち時間差として妥当な値を得ることができるまで時間差導出処理を繰り返す。
無線端末装置140は、端末導出ステップ(S818)で導出された時間差を、所定時間分のデータのタイミングが進んでいる基地局130に送信してその基地局130で遅延補償させることもできるが、ここでは、無線端末装置140内で遅延補償する。従って、無線端末装置140内で時間差分の遅延量を設定し(S824)、新たなデータ待ち状態に移行する。
その後、中継サーバ110から送信され(S802)、各基地局でパケット化されて(S804)、無線端末装置140に送信された(S806)パケットは、無線端末装置140で受信されて(S808)、データに復号される(S810)。そして、無線端末装置140は、一方の基地局130,即ち、所定時間分のデータのタイミングが進んでいた基地局からのデータを、設定された時間差分遅延させる(端末遅延ステップ:S830)。そして、端末選択部618は、復号されたデータのうち、伝送品質の高いデータを選択する(端末選択ステップ:S832)。
以上、第1の実施形態で説明したように、複数の基地局130に跨ってタイムスロットを割り当てるスロットダイバーシティ通信において、複数の基地局130から非同期データを受信したとしても、各基地局130からのデータの相関をとることで時間差を導出し、タイミングが進んでいるデータをその時間差分遅延させて、各データのタイミングを合わせることができる。従って、タイミングの合った同一のデータを比較させることができ、伝送品質の高いデータを確実に選択することが可能となり、各基地局130間の空きスロットを有効利用することができる。
また、一つの無線端末装置140が複数の基地局130を対象とすることで、一つの基地局130において利用可能なタイムスロットの空きがなくとも他の基地局130を利用することが可能となる。
さらに、基地局130の配置の違いによって、伝送品質の異なるパケットを取得し、より伝送品質の高いパケットを取得する可能性を高めることができる。例えば、一つの基地局130との通信経路がビル等により遮断され、所望の伝送品質を得ることができなくとも、位置が相異する他の基地局130とは高い伝送品質で通信できる可能性があるため、当該スロットダイバーシティ通信によって良好な通信品質を維持できる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、下りデータに関する遅延補償を説明したが、第2の実施形態では、このような上りデータに関する遅延補償を説明する。
第1の実施形態では、下りデータに関する遅延補償を説明したが、第2の実施形態では、このような上りデータに関する遅延補償を説明する。
第2の実施形態では、複数の基地局に跨ってタイムスロットを割り当てるスロットダイバーシティ通信において、無線端末装置から送信された同一のパケットを複数の基地局でそれぞれ受信し、各基地局で復号されたデータを通信網を介して当該中継サーバで受信する。基地局で復号されたデータは、相異する通信経路を経由して中継サーバに到達するため、データに遅延が生じる。かかるデータにも第1の実施形態同様、時間情報が付されていないので、以下に示すような遅延補償を行う必要がある。
第2の実施形態においても、図1に示したような、無線通信システム100の構成が採られる。第2の実施形態における無線通信システム100は、第1の実施形態同様の、中継サーバ910と、通信網120と、基地局930と、無線端末装置140と、他の無線端末装置150とを含んで構成される。第1の実施形態における構成要素として既に述べた通信網120と、無線端末装置140と、他の無線端末装置150とは,実質的に機能が同一なので重複説明を省略し,ここでは,構成が相違する中継サーバ910と、基地局930とを主に説明する。以下、理解を容易にするため基地局930、中継サーバ910の順に詳述する。
(基地局930)
図10は、基地局930の概略的な機能を示した機能ブロック図である。基地局930の基地局制御部310は、基地局メモリ312のプログラムを用いて、基地局復号部950と、データ送信部952と、基地局遅延部954として機能する。
図10は、基地局930の概略的な機能を示した機能ブロック図である。基地局930の基地局制御部310は、基地局メモリ312のプログラムを用いて、基地局復号部950と、データ送信部952と、基地局遅延部954として機能する。
上記基地局復号部950は、基地局無線部314が無線通信を介して無線端末装置140から受信したパケットをデータに復号する。
上記データ送信部952は、基地局復号部950で復号されたデータを通信網120を介して中継サーバ910に送信する。
上記基地局遅延部954は、シフトレジスタ等のハードウェアもしくはソフトウェア遅延で実行され、デフォルトは遅延なしに設定されている。そして、中継サーバ910から時間差を受信した場合、復号したデータを時間差分遅延させてデータ送信部952に伝達する。かかる基地局遅延部954は、後述するサーバ遅延部962と同時に利用されてもよいし、どちらか一方のみが利用されるとしてもよい。
(中継サーバ910)
図11は、中継サーバ910の概略的な機能を示した機能ブロック図である。中継サーバ910のサーバ制御部210は、サーバメモリ212のプログラムを用いて、サーバ導出部960と、サーバ遅延部962と、サーバ時間差送信部964と、サーバ選択部966として機能する。
図11は、中継サーバ910の概略的な機能を示した機能ブロック図である。中継サーバ910のサーバ制御部210は、サーバメモリ212のプログラムを用いて、サーバ導出部960と、サーバ遅延部962と、サーバ時間差送信部964と、サーバ選択部966として機能する。
上記サーバ導出部960は、サーバメモリ212に記憶された複数の基地局930それぞれの所定時間分のデータを読み出し、その所定時間分のデータを時間方向に相対的に推移させつつ相関値を計算し、相関値が所定の閾値以上となる場合のデータ間の時間差を導出する。
上記サーバ遅延部962は、シフトレジスタ等のハードウェアもしくはソフトウェア遅延で実行され、所定時間分のデータのタイミングが進んでいる基地局からのデータを時間差分遅延させる。ここでは、基地局930から受信したデータを遅延して、そのまま後段における他の無線端末装置150近辺の基地局930に伝達する。
上記サーバ時間差送信部964は、所定時間分のデータのタイミングが進んでいるデータの送信元としての基地局930にサーバ導出部960で導出された時間差を送信する。かかる時間差を受けて基地局930の基地局遅延部954は、データを時間差分遅延させて当該中継サーバ910にデータを送信する。
このようなサーバ時間差送信部964および基地局遅延部954の機構は、上述したようにサーバ遅延部962と同時に利用されてもよいし、どちらか一方のみが利用されるとしてもよい。
上記サーバ選択部966は、サーバ遅延部962による遅延データを含めて、データの伝送品質を相互に比較し、伝送品質の高いデータを選択する。例えば、データが音声データであった場合、選択された音声データは、他の無線端末装置150の音声として送信される。
また、コンピュータによって、上記中継サーバ910、基地局930、無線端末装置140として機能するプログラムも提供され得る。また、複数の基地局930と、複数の基地局930と通信を行う中継サーバ910とを用いた無線通信方法も提供されるが、かかる無線通信方法は、図9を用いてその概略が既に述べられており、本実施形態の無線通信方法は、通信方向を逆にしたものであるから、ここではその説明を省略する。
以上、第2の実施形態で説明したように、複数の基地局930に跨ってタイムスロットを割り当てるスロットダイバーシティ通信において、各基地局930からのデータの相関をとることで、各基地局930から中継サーバ910までの通信経路の相異により生じる時間差を導出し、タイミングが進んでいるデータをその時間差分遅延させて、各データのタイミングを合わせることができる。従って、タイミングの合った同一のデータを比較させることができ、伝送品質の高いデータを確実に選択することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態では、理解を容易にするため、上りデータと下りデータを、実施形態を分けて説明したが、当然、両実施形態の構成要素を同時に遂行することが可能である。
また、上述した実施形態では、時間差分の遅延を無線端末装置、基地局、中継サーバそれぞれで行っているが、伝送経路のいずれかの地点でも遅延補償することができる。例えば、下りデータの遅延補償を無線端末装置または基地局で行っているが、中継サーバがデータを遅延させ各基地局に独立して送信しても本実施形態の目的を達成することができる。
なお、本明細書の無線通信定方法における各工程は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むとしても良い。
本発明は、スロットダイバーシティ通信におけるデータ間の遅延を補償する無線通信システム、中継サーバ、基地局、無線端末装置、および無線通信方法に利用可能である。
100 無線通信システム
110、910 中継サーバ
130、930 基地局
140 無線端末装置
212 サーバメモリ
312 基地局メモリ
314 基地局無線部
410 パケット生成部
412 基地局遅延部
510 端末制御部
512 端末メモリ
520 端末無線部
610 端末復号部
612 端末導出部
614 端末遅延部
616 端末時間差送信部
618 端末選択部
950 基地局復号部
952 データ送信部
954 基地局遅延部
960 サーバ導出部
962 サーバ遅延部
964 サーバ時間差送信部
966 サーバ選択部
110、910 中継サーバ
130、930 基地局
140 無線端末装置
212 サーバメモリ
312 基地局メモリ
314 基地局無線部
410 パケット生成部
412 基地局遅延部
510 端末制御部
512 端末メモリ
520 端末無線部
610 端末復号部
612 端末導出部
614 端末遅延部
616 端末時間差送信部
618 端末選択部
950 基地局復号部
952 データ送信部
954 基地局遅延部
960 サーバ導出部
962 サーバ遅延部
964 サーバ時間差送信部
966 サーバ選択部
Claims (15)
- 複数の基地局で排他的に割り当てられた時分割多重方式に基づくタイムスロットを通じて同一内容のデータを重複受信し、そのうち伝送品質の高いデータを選択する無線端末装置であって、
前記複数の基地局においてそれぞれ任意のタイミングでパケット化されたパケットを受信する端末無線部と、
前記パケットをデータに復号する端末復号部と、
前記複数の基地局それぞれのデータを所定時間分記憶する端末メモリと、
前記所定時間分のデータを時間方向に相対的に推移させつつ相関値を計算し、相関値が所定の閾値以上となる場合のデータ間の時間差を導出する端末導出部と、
前記所定時間分のデータのタイミングが進んでいる基地局からのデータを前記時間差分遅延させる端末遅延部と、
前記遅延されたデータを含む前記基地局からのデータから、伝送品質の高いデータを選択する端末選択部と、
を備えることを特徴とする、無線端末装置。 - 前記端末導出部は、所定の閾値以上の相関値を取得できなかった場合、データを所定時間分新たに記憶させ、再度時間差を導出することを特徴とする、請求項1に記載の無線端末装置。
- 前記端末選択部は、前記端末導出部による時間差が導出されるまで、いずれか一つのデータを固定的に選択することを特徴とする、請求項1または2に記載の無線端末装置。
- 前記データは、音声データであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の無線端末装置。
- 中継サーバと通信網を介して接続された複数の基地局と、該複数の基地局で排他的に割り当てられた時分割多重方式に基づくタイムスロットを通じて同一内容のデータを重複受信し、そのうち伝送品質の高いデータを選択する無線端末装置と、を備える無線通信システムであって、
前記複数の基地局は、
前記中継サーバからの同一のデータをそれぞれ任意のタイミングでパケット化してパケットを生成するパケット生成部と、
前記無線端末装置に割り当てたタイムスロットの間、前記パケットを該無線端末装置に送信する基地局無線部と、
前記無線端末装置から時間差を受信した場合、前記中継サーバからのデータを該時間差分遅延させる基地局遅延部と、
を備え、
前記無線端末装置は、
前記複数の基地局からパケットを受信する端末無線部と、
前記パケットをデータに復号する端末復号部と、
前記複数の基地局それぞれのデータを所定時間分記憶する端末メモリと、
前記所定時間分のデータを時間方向に相対的に推移させつつ相関値を計算し、相関値が所定の閾値以上となる場合のデータ間の時間差を導出する端末導出部と、
前記所定時間分のデータのタイミングが進んでいる基地局に前記時間差を送信する端末時間差送信部と、
前記復号されたデータのうち、伝送品質の高いデータを選択する端末選択部と、
を備えることを特徴とする、無線通信システム。 - 中継サーバと通信網を介して接続され、時分割多重方式に基づくタイムスロットを通じて同一内容のデータを他の基地局と共に無線端末装置に重複送信する基地局であって、
前記中継サーバからの同一のデータをそれぞれ任意のタイミングでパケット化してパケットを生成するパケット生成部と、
前記無線端末装置に割り当てたタイムスロットの間、前記パケットを該無線端末装置に送信する基地局無線部と、
前記無線端末装置から時間差を受信した場合、前記中継サーバからのデータを該時間差分遅延させる基地局遅延部と、
を備えることを特徴とする、基地局。 - 複数の基地局で排他的に割り当てられた時分割多重方式に基づくタイムスロットを通じて同一内容のデータを重複受信し、そのうち伝送品質の高いデータを選択する無線端末装置であって、
前記複数の基地局においてそれぞれ任意のタイミングでパケット化されたパケットを受信する端末無線部と、
前記パケットをデータに復号する端末復号部と、
前記複数の基地局それぞれのデータを所定時間分記憶する端末メモリと、
前記所定時間分のデータを時間方向に相対的に推移させつつ相関値を計算し、相関値が所定の閾値以上となる場合のデータ間の時間差を導出する端末導出部と、
前記所定時間分のデータのタイミングが進んでいる基地局に前記時間差を送信する端末時間差送信部と、
前記復号されたデータのうち、伝送品質の高いデータを選択する端末選択部と、
を備えることを特徴とする、無線端末装置。 - 複数の基地局からの同一内容のデータを重複受信し、そのうち伝送品質の高いデータを選択する中継サーバであって、
前記複数の基地局それぞれのデータを所定時間分記憶するサーバメモリと、
前記所定時間分のデータを時間方向に相対的に推移させつつ相関値を計算し、相関値が所定の閾値以上となる場合のデータ間の時間差を導出するサーバ導出部と、
前記所定時間分のデータのタイミングが進んでいる基地局からのデータを前記時間差分遅延させるサーバ遅延部と、
前記遅延されたデータを含む前記基地局からのデータから、伝送品質の高いデータを選択するサーバ選択部と、
を備えることを特徴とする、中継サーバ。 - 無線端末装置と無線通信を行う複数の基地局と、該複数の基地局からの同一内容のデータを重複受信し、そのうち伝送品質の高いデータを選択する中継サーバと、を備える無線通信システムであって、
前記複数の基地局は、
前記無線端末装置からのパケットをデータに復号する基地局復号部と、
前記復号されたデータを前記中継サーバに送信するデータ送信部と、
前記中継サーバから時間差を受信した場合、前記復号したデータを該時間差分遅延させる基地局遅延部と、
を備え、
前記中継サーバは、
前記複数の基地局それぞれのデータを所定時間分記憶するサーバメモリと、
前記所定時間分のデータを時間方向に相対的に推移させつつ相関値を計算し、相関値が所定の閾値以上となる場合のデータ間の時間差を導出するサーバ導出部と、
前記所定時間分のデータのタイミングが進んでいる基地局に前記時間差を送信するサーバ時間差送信部と、
前記基地局からのデータから、伝送品質の高いデータを選択するサーバ選択部と、
を備えることを特徴とする、無線通信システム。 - 無線端末装置と無線通信を行い、同一内容のデータを他の基地局と共に中継サーバに重複送信する基地局であって、
前記無線端末装置からのパケットをデータに復号する基地局復号部と、
前記復号されたデータを前記中継サーバに送信するデータ送信部と、
前記中継サーバから時間差を受信した場合、前記復号したデータを該時間差分遅延させる基地局遅延部と、
を備えることを特徴とする、基地局。 - 複数の基地局からの同一内容のデータを重複受信し、そのうち伝送品質の高いデータを選択する中継サーバであって、
前記複数の基地局それぞれのデータを所定時間分記憶するサーバメモリと、
前記所定時間分のデータを時間方向に相対的に推移させつつ相関値を計算し、相関値が所定の閾値以上となる場合のデータ間の時間差を導出するサーバ導出部と、
前記所定時間分のデータのタイミングが進んでいる基地局に前記時間差を送信するサーバ時間差送信部と、
前記基地局からのデータから、伝送品質の高いデータを選択するサーバ選択部と、
を備えることを特徴とする、中継サーバ。 - 複数の基地局と無線通信を行う無線端末装置を用いた無線通信方法であって、
前記複数の基地局において同一内容のデータがそれぞれ任意のタイミングでパケット化されたパケットを受信する端末パケット受信ステップと、
前記パケットをデータに復号する端末復号ステップと、
前記複数の基地局それぞれのデータを所定時間分端末メモリに記憶する端末記憶ステップと、
前記所定時間分のデータを時間方向に相対的に推移させつつ相関値を計算し、相関値が所定の閾値以上となる場合のデータ間の時間差を導出する端末導出ステップと、
前記所定時間分のデータのタイミングが進んでいる基地局からのデータを前記時間差分遅延させる端末遅延ステップと、
遅延されたデータを含む前記基地局からのデータから、伝送品質の高いデータを選択する端末選択ステップと、
を含むことを特徴とする、無線通信方法。 - 複数の基地局と、該複数の基地局と無線通信を行う無線端末装置を用いた無線通信方法であって、
前記複数の基地局が、
前記中継サーバからの同一のデータをそれぞれ任意のタイミングでパケット化してパケットを生成するパケット生成ステップと、
前記無線端末装置に割り当てたタイムスロットの間、前記パケットを該無線端末装置に送信する基地局パケット送信ステップと、
前記無線端末装置が、
前記複数の基地局からパケットを受信する端末パケット受信ステップと、
前記パケットをデータに復号する端末復号ステップと、
前記複数の基地局それぞれのデータを所定時間分端末メモリに記憶する端末記憶ステップと、
前記所定時間分のデータを時間方向に相対的に推移させつつ相関値を計算し、相関値が所定の閾値以上となる場合のデータ間の時間差を導出する端末導出ステップと、
前記所定時間分のデータのタイミングが進んでいる基地局に前記時間差を送信する端末時間差送信ステップと、
前記基地局が
前記中継サーバからのデータを前記時間差分遅延させる基地局遅延ステップと、
前記無線端末装置が、
前記復号されたデータのうち、伝送品質の高いデータを選択する端末選択ステップと、
を含むことを特徴とする、無線通信方法。 - 複数の基地局と通信を行う中継サーバを用いた無線通信方法であって、
前記複数の基地局それぞれのデータを所定時間分サーバメモリに記憶するサーバ記憶ステップと、
前記所定時間分のデータを時間方向に相対的に推移させつつ相関値を計算し、相関値が所定の閾値以上となる場合のデータ間の時間差を導出するサーバ導出ステップと、
前記所定時間分のデータのタイミングが進んでいる基地局からのデータを前記時間差分遅延させるサーバ遅延ステップと、
前記遅延されたデータを含む前記基地局からのデータから、伝送品質の高いデータを選択するサーバ選択ステップと、
を含むことを特徴とする、無線通信方法。 - 複数の基地局と、該複数の基地局と通信を行う中継サーバを用いた無線通信方法であって、
前記複数の基地局が、
前記無線端末装置からのパケットをデータに復号する基地局復号ステップと、
前記復号されたデータを前記中継サーバに送信するデータ送信ステップと、
前記中継サーバが、
前記複数の基地局それぞれのデータを所定時間分サーバメモリに記憶するサーバ記憶ステップと、
前記所定時間分のデータを時間方向に相対的に推移させつつ相関値を計算し、相関値が所定の閾値以上となる場合のデータ間の時間差を導出するサーバ導出ステップと、
前記所定時間分のデータのタイミングが進んでいる基地局に前記時間差を送信するサーバ時間差送信ステップと、
前記基地局が、
前記復号したデータを該時間差分遅延させる基地局遅延ステップと、
前記中継サーバが、
前記基地局からのデータから、伝送品質の高いデータを選択するサーバ選択ステップと、
を含むことを特徴とする、無線通信方法。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010109776A (ja) * | 2008-10-30 | 2010-05-13 | Kyocera Corp | 無線通信装置および無線通信方法 |
JP2011508985A (ja) * | 2007-11-02 | 2011-03-17 | ノヴァテル インコーポレイテッド | 正確な時間および周波数をネットワークにわたって分配するためのシステムおよび方法 |
JP2014529953A (ja) * | 2011-08-24 | 2014-11-13 | サムスン エレクトロニクスカンパニー リミテッド | 移動端末機及びその通信方法、基地局制御装置及びその制御方法、及びそれを利用する多重協力送受信システム及びその方法 |
-
2006
- 2006-11-27 JP JP2006318625A patent/JP2008135831A/ja active Pending
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