JP2001230712A - 無線基地局及び移動局 - Google Patents

無線基地局及び移動局

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JP2001230712A JP2000035971A JP2000035971A JP2001230712A JP 2001230712 A JP2001230712 A JP 2001230712A JP 2000035971 A JP2000035971 A JP 2000035971A JP 2000035971 A JP2000035971 A JP 2000035971A JP 2001230712 A JP2001230712 A JP 2001230712A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は移動局におけるダイバーシティ受信に
よる通信品質の劣化を生じさせない無線基地局および移
動局を提供する。 【解決手段】無線基地局は、移動局から通信チャネルの
割当要求を受信したとき、通信チャネルの割当情報を作
成し、前記割当情報に停止指示を付加し、割当要求に対
する応答として停止指示付加後の割当情報を送信する。
また、移動局は、無線基地局からダイバーシティ受信の
停止指示があったか否かを判定し、停止指示があったと
判定したとき、ダイバーシティ受信を停止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の移動局を空
間多重により無線接続する無線基地局及び移動局に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、ディジタル方式の通信機器におい
ては、伝送の効率化のためディジタル情報信号(ベース
バンド信号)で搬送波を変調することにより、情報の伝
送が行われている。ディジタル通信では、伝送速度の向
上や時分割多重により同一周波数に複数の利用者を収容
する多チャンネル化により、周波数資源の有効利用が図
られている。さらに、アダプティブアレイ方式を利用し
て同一周波数で同一時刻に複数のチャネルを収容する空
間多重方式が注目されている。
【0003】アダプティブアレイ方式とは、複数のアン
テナにより適応的に指向性パターン(アレイアンテナパ
ターンとも呼ばれる。)を形成することにより、特定方
向の通信相手に対して電波を送受信する方式である。ア
ダプティブアレイ方式の詳細については「空間領域にお
ける適応信号処理とその応用技術論文特集」(電子通信
学会論文誌 VOL.J75-B-II NO.11 NOVEMBER)に記載され
ているので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0004】また、空間多重とはアダプティブアレイ方
式の無線基地局において同一周波数の搬送波上で同時刻
に複数の移動局に対して互いに異なる指向性パターンを
形成することにより複数の移動局を多重して同時に通信
することであり、パス分割多元接続(PDMA、Path D
ivision Multiple Access、以下パス多重と呼ぶ。)通
信とも呼ばれる。PDMAについては「パス分割多元接
続(PDMA)移動通信方式」(信学技報RCS93-84(199
4-01),pp37-44)に記載されているので、詳細について
は省略する。
【0005】携帯電話やPHS電話機等の移動体通信シ
ステムに空間多重を適用する場合には、無線基地局側に
おいて送受信ともにアレイアンテナパターンを形成する
ことになる。なぜなら、移動局にアレイアンテナを備え
ることは物理的に困難であるし、移動局の携帯性ゆえに
位置及び向きが大きく変化するからである。ところで、
近年の携帯電話やPHS電話機では、ホイップアンテナ
に加えて内蔵アンテナ(パターンアンテナやチップアン
テナ)を備えダイバーシティ受信を行なう機種が実用化
されている。ここでダイバーシティ受信とは、複数のア
ンテナのうち受信レベルの高い方の受信信号を選択して
受信すること(アンテナ選択ダイバーシティ)や、受信
レベルの比に応じてそれぞれのアンテナ信号を合成して
受信すること(最大比合成ダイバーシティ)をいう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】空間多重方式の無線基
地局がダイバーシティ受信を行なう移動局を空間多重す
る場合には、通信品質が劣化することがあるという問題
がある。これは、ホイップアンテナと内蔵小型アンテナ
との空間的な位置関係がアレイアンテナパターンにとっ
ては大きく異なるからであると考えられる。具体的に
は、移動局では送信にはホイップアンテナが使用される
ことが多く、無線基地局はホイップアンテナの空間的な
位置にアレイアンテナパターンを向けることになる。こ
の場合、内蔵アンテナの位置では他の移動局へのアレイ
アンテナパターンと干渉している場合であっても、ダイ
バーシティ受信では受信信号レベルでしか選択の判定を
していないので内蔵アンテナが誤って選択され、通信品
質が劣化する(ビット誤りの増加など)。
【0007】上記課題に鑑み本発明は、移動局における
ダイバーシティ受信による通信品質の劣化を生じさせな
い無線基地局および移動局を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の無線基地局は、複数の移動局を空間多重に
より無線接続する無線基地局であって、移動局から通信
チャネルの割当要求を受信したとき、通信チャネルの割
当情報を作成する作成手段と、前記割当情報に前記停止
指示を付加する付加手段と、前記割当要求に対する応答
として停止指示付加後の割当情報を送信する送信手段と
を備える。
【0009】また本発明の移動局は、複数のアンテナを
有しダイバーシティ受信を行なう移動局であって、無線
基地局からダイバーシティ受信の停止指示があったか否
かを判定する判定手段と、停止指示があったと判定され
たとき、ダイバーシティ受信を停止する停止手段とを備
える。
【0010】
【発明の実施の形態】本実施の形態における無線基地局
は、複数のアンテナを用いてアレイアンテナパターンを
形成して移動局と無線接続する無線基地局であって、P
HS規格にて定められている双方向時分割多重(TDM
A/TDD:Time Division MultipleAccess/Time Divi
sion Duplex)方式によりPHS電話機を無線接続する
PHS基地局として設置され、時分割多重に加えて空間
多重による無線接続も行なう。その際、無線基地局は新
たに空間多重すべき移動局に対してダイバーシティ受信
を停止するよう指示し、この指示を受けた移動局はダイ
バーシティ受信を停止する。 <無線基地局の構成>図1は、実施の形態における無線
基地局の構成を示すブロック図である。同図において無
線基地局は、ベースバンド部70、モデム部60、信号
処理部50、無線部11、21、31、41、アンテナ
10〜40、制御部80とを備える。
【0011】ベースバンド部70は、電話交換網を介し
て接続される複数の回線とモデム部60との間で、複数
の信号(音声又はデータを示すベースバンド信号)をT
DMA/TDDフレームに適合するよう多重及び分離す
るTDMA/TDD処理を、空間多重すべき信号毎に行
う。ここで、TDMA/TDDフレームとは、5mSの
周期を有し、8等分されてできる4つの送信タイムスロ
ットと4つの受信タイムスロットから構成される。具体
的には、ベースバンド部70は、複数の回線からモデム
部60に対しては、複数の回線からの信号を時分割多重
用にTDMA/TDDフレーム毎に4チャネルを多重
し、空間多重用に1送信タイムスロット当たり最大4つ
の信号をモデム部60に出力する。また、ベースバンド
部70は、モデム部60から複数の回線に対しては、モ
デム部60から1受信タイムスロット当たり最大4つの
信号を入力し、TDMA/TDDフレームの時分割多重
を分離して複数の回線に出力する。
【0012】モデム部60は、ベースバンド部70から
入力される信号を変調し、また、信号処理部50から入
力される信号を復調する。変調、復調の方式はπ/4シ
フトQPSKとする。信号処理部50は、4本のアンテ
ナ10〜40を1つのアレイアンテナとして、アレイ送
受信するためのパラメータを算出する。ここで、アレイ
送受信とは、アレイアンテナパターンを形成して送受信
することをいう。パラメータとは、空間多重すべき各信
号について、無線部11、21、31、41の各送受信
信号に与える振幅と位相とを調整するための重み係数で
ある。つまり、1つの信号に対するアレイアンテナパタ
ーンは、複数のアンテナから信号を同時に送信又は受信
するときに、無線部11、21、31、41の送受信信
号に重み付けすることにより形成される。具体的には、
信号処理部50は、受信時に無線部11、21、31、
41の各受信信号に基づいてパラメータを算出し、算出
したパラメータにより各受信信号を重み付けして合成す
る。これにより受信時の指向性パターンを形成すること
になる。また、信号処理部50は、受信時に算出したパ
ラメータを送信時にも利用して無線部11、21、3
1、41の各送受信信号に重み付けを行う。これにより
送信時のアレイアンテナパターンを形成することにな
る。
【0013】無線部11、21、31、41は、アレイ
送信時には信号処理部50により重み付けされた各信号
をRF信号まで変換してアンテナ10〜40から送信
し、アレイ受信時には、アンテナ10〜40からの信号
をベースバンド領域の信号に変換して信号処理部50に
出力する。また、オムニ送受信時には無線部11のみ同
様に動作し、無線部21、31、41は動作を停止す
る。
【0014】制御部80は、信号処理部50、モデム部
60、ベースバンド部70を制御することにより本無線
基地局全体を制御する。特に、制御部80は、無線部、
信号処理部50、モデム部60、ベースバンド部70を
介して移動局から通信チャネル(traffic channel:T
CHと呼ばれる。)の割当要求(リンクチャネル割当要
求と呼ばれる。)を受信したとき、空いている通信チャ
ネルを選択して、選択した通信チャネルを割り当てる旨
の割当情報(リンクチャネル割当と呼ばれる。)を送信
に際して、当該移動局に対してダイバーシティ受信の停
止指示をモデム部60、信号処理部50、無線部を介し
て送信する。
【0015】ここで、リンクチャネル(以下Lchと略
す)確立要求は、位置登録時、発呼時、着呼時、ハンド
オーバ時、チャネル切替時など通信チャネルに移行する
ために、移動局から無線基地局に制御チャネル(contro
l channel:CCHと呼ばれる。)上で送信され、通信
チャネルの割当及びリンクを要求するメッセージであ
る。これと同様のメッセージとしてLch再要求があ
る。Lch確立再要求は、Lch確立要求の後タイムア
ウト等の原因により、移動局から無線基地局に送信さ
れ、Lch確立要求と同様のメッセージである。Lch
割当は、無線基地局から移動局に送信され、割り当てる
べき通信チャネルを指定する周波数番号及びスロット番
号を含むメッセージである。
【0016】また、制御部80は、制御チャネルではオ
ムニ送受信を通信チャネルではアレイ送受信を行なうよ
う信号処理部50に指示する。ここでオムニ送受信と
は、アレイアンテナパターンを形成しないで1本のアン
テナを用いて無指向性(全方位)パターンによる送受信
をいう。 <信号処理部50の構成>図2は、信号処理部50の構
成を示すブロック図である。信号処理部50は、ユーザ
処理部51a〜51d、加算器551〜554、送受を
切り替えるスイッチ561〜564を備え、制御部80
からアレイ送受信を指示された場合には重み係数の算出
及び重み付けを行い、オムニ送受信を指示された場合に
はユーザ処理部51b〜51cを動作させずユーザ処理
部51aのみ動作させる。
【0017】ユーザ処理部51a〜51dは、各タイム
スロットにおいて空間多重される最大4つのユーザ信号
に対応する。各ユーザ処理部は、受信タイムスロットに
おいて上記した重み係数を算出して、この重み係数を用
いて、無線部11〜41からスイッチ561〜564を
介して入力される受信信号を合成することによりユーザ
信号を抽出し、送信タイムスロットにおいて直前の受信
タイムスロットで算出された重み係数を用いて重み付け
したユーザ信号を各無線部に出力する。
【0018】ただし、ユーザ処理部51aは、オムニ送
信の場合は重み付けしないでモデム部60からの制御信
号をそのままを加算器551、スイッチ561を介して
無線部11に出力する。加算器551は、無線部11に
対する各ユーザ送信信号の重み付けされた成分を合成す
る。加算器552〜553も加算器551と同様である
が、それぞれ無線部21〜41に対応する点のみ異なっ
ている。 <ユーザ処理部の構成>ユーザ処理部51a〜51dは
いずれも同じ構成でよいので、ここではユーザ処理部5
1aを代表として説明する。
【0019】図3は、ユーザ処理部51aの構成を示す
ブロック図である。ユーザ処理部51aは、ウェイト算
出部53、加算器54、参照信号発生部55、スイッチ
56乗算器521〜524、乗算器581〜584を備
える。ウェイト算出部53は、受信タイムスロット中の
各シンボル期間又は特定のシンボル期間において、各無
線部11〜41からの受信信号S1R〜S4Rそれぞれと、参
照信号発生部55により発生される参照信号との誤差の
総和が最小となるように重み係数を算出する。ここで参
照信号とは、制御チャネルにおける制御信号又は通信チ
ャネルにおける通信信号に含まれる既知の固定ビットパ
ターン(固定シンボル)の期間内のシンボルデータであ
る。参照信号の具体例としては、制御信号、通信信号と
もにR(Ramp bits)、SS(Start Symbol)、PR(Preamb
le)、UW(Unique Word)の各フィールドが既知の固定ビ
ットパターンであるので、参照信号として利用できる。
さらに制御信号では、発識別符号又は着識別符号の既知
であるので参照信号として利用できる。これらのは、P
HS規格に定められているので詳細な説明は省略する。
【0020】さらに、ウェイト算出部53は、受信タイ
ムスロット内の重み係数を算出したシンボル期間及びそ
れ以降のシンボル期間において、算出した重み係数を乗
算器521〜524に出力する。また、ウェイト算出部
53は、送信タイムスロットにおいて、対応する直前の
受信タイムスロットで算出された重み係数を乗算器58
1〜584に出力する。
【0021】参照信号発生部55は、制御チャネルの受
信タイムスロットである場合にはシンボルタイミングに
合せて参照信号となるシンボルデータを出力し、通信チ
ャネルの受信タイムスロットである場合にはシンボルタ
イミングに合せて参照信号となるシンボルデータをウェ
イト算出部53に出力する。乗算器521〜524及び
加算器54は、受信タイムスロットにおいて、無線部1
1〜41からの受信信号X1〜X4を、ウェイト算出部53
から出力される重み係数を用いて重み付けして合成す
る。合成結果は、空間多重された最大4つのユーザa〜
dの受信信号から抽出されたユーザaの受信シンボルを
意味する。
【0022】乗算器581〜584は、送信タイムスロ
ットにおいて、ユーザaの送信シンボルを無線部11〜
41個別に、ウェイト算出部53から出力される重み係
数を用いて重み付けする。 <Lch割当処理>図4は、無線基地局が移動局から制
御信号を受信したときになされるLch割当処理を示す
フローチャートである。同図の処理の後、割り当てた通
信チャネル(TCHともよぶ。)上での通信に移行す
る。
【0023】制御部80は制御チャネルの受信タイムス
ロットで、無線部11、信号処理部50、モデム部60
を介して移動局からの制御信号を受信する(ステップ7
0)。この受信は、オムニ受信でもアレイ受信でもよ
い。受信した制御信号がLch確立要求である場合又は
Lch確立再要求である場合には(ステップ71、7
8)、制御部80は、TDMA/TDDフレーム内に未
使用の時分割チャネル又は未使用の空間多重による通信
チャネルの候補を選択する(ステップ72)。
【0024】通信チャネルの候補を選択できなかった場
合には、制御部80は、信号処理部50にLch割当拒
否を送信させる(ステップ75)。通信チャネルの候補
を選択できた場合には、制御部80は、選択した通信チ
ャネルのキャリア番号とスロット位置を示すLch割当
メッセージを作成し(ステップ74)、作成したLch
割当メッセージに移動局に対するダイバーシティ受信の
停止指示を付加し(ステップ76)、付加後のLch割
当メッセージを送信する(ステップ77)。 <ダイバーシティ受信の停止指示>図5にLch割当メ
ッセージの具体例を示す。同図においてLch割当メッ
セージは5オクテット(ただしオクテット5は2ビッ
ト)からなる。図中のオクテット3のビット6(以下、
Dフラグと呼ぶ)以外は、PHS規格に則っているの
で、詳細な説明を省略する。Dフラグは、”1”であれ
ば移動局に対するダイバーシティ受信の停止指示を意味
する。”0”であればダイバーシティ受信可能つまりダ
イバーシティ受信でも1アンテナによる受信でもよいこ
とを意味する。
【0025】以上説明してきたように本実施の形態にお
ける無線基地局によれば、通信チャネルにて移動局の無
線接続を開始する際に、ダイバーシティ受信の停止指示
を当該移動局に送信するので、複数の移動局を空間多重
により無線接続する間それらの移動局に対してダイバー
シティ受信を停止させて一本のアンテナによる受信を行
なわせることができる。 <移動局の構成>図6は、本実施の形態における移動局
の構成を示すブロック図である。この移動局は、アンテ
ナ110a、110b、送受信切替部111、無線部1
20、モデム部113、TDMA/TDD(Time divisi
on multiple access / time division duplex:時分割
多重/時分割双方向)部114、音声処理部115、マ
イク116、スピーカ117、スイッチ119、制御部
180から構成され、ダイバーシティ受信の停止指示が
無線基地局から送信された場合には2本のアンテナによ
るダイバーシティ受信を停止して1本のアンテナによる
受信を行なう。
【0026】同図において、アンテナ110a、110
b、送受信切替部111、無線部112、モデム部11
3、TDMA/TDD部114、音声処理部115、マ
イク116、スピーカ117、スイッチ119からなる
回路部分は、TDMA/TDD方式の移動体通信機の一
般的な構成であり、例えばPHSの標準規格「RCRS
TD−28」で規定されているTDMA/TDD方式の
無線通信を行なう回路である。
【0027】アンテナ110a、110bはそれぞれホ
イップアンテナ、内蔵アンテナであるものとする。この
場合、送信はアンテナ110aにより、受信はアンテナ
110a、110bにより行われる。スイッチ119
は、制御部180の制御の下で、ダイバーシティ受信す
るときはアンテナ110aから受信部123を介して得
られる受信信号と、アンテナ110bから受信部125
を介して得られる受信信号のうち、レベルの高い方を選
択し、選択した受信信号をモデム部113に出力する。
また、ダイバーシティ受信を行なわない合には、受信部
123からの受信信号を固定的に選択してモデム部11
3に出力する。
【0028】制御部180は、メモリ181とCPU1
82からなり、メモリ181に格納されたプログラムを
CPU182が実行することにより本移動体通信機全般
の制御を行なう。特に、制御部180は、無線基地局か
らダイバーシティ受信の停止指示を受信したときスイッ
チ119を通話が終了するまで受信部123側に接続さ
せる。 <移動局のLch確立処理>図7は、移動局におけるL
ch確立処理を示すフローチャートである。リンクチャ
ネル確立処理は、制御チャネルから通信チャネルへ移行
する際に、基地局から通信チャネルの割り当てを受け
て、割り当てられた通信チャネル上で送受信する前段階
として同期を確立するまでの処理をいう。この処理は、
CCHの待ち受け受信状態から発呼する場合、待ち受け
受信状態において基地局からCCH上で着呼(呼び出
し)を受けた場合、ハンドオーバ先の基地局に切り替え
る場合、新たに位置登録する場合などに行われる。
【0029】これらの場合に、まず制御部180は、制
御チャネル上でLch確立要求を無線基地局に送信し
(ステップ101)、その応答として無線基地局から制
御チャネル上で送信されるLch割当を受信し(ステッ
プ102)、受信したLch割当にダイバーシティ受信
の停止指示を含むか否かを判定し(ステップ103)、
含む場合にはダイバーシティ受信を停止する(ステップ
104)。具体的には、制御部180は、停止指示の受
信から当該通話を終了するまでスイッチ119を受信部
123側に接続させる。
【0030】ダイバーシティ受信の停止後、又は停止指
示を含まないと判定された後、制御部180はLch割
当にて指定された通信チャネルに切り替えて(ステップ
105)通信チャネルの起動処理を行って(ステップ1
06)通信状態に移行する。以上説明したように本実施
の形態における移動局によれば、空間多重する無線基地
局との間で通信チャネル上で無線接続を開始する際に、
当該無線基地局から送信されるダイバーシティ受信の停
止指示に従ってダイバーシティ受信を停止させて一本の
アンテナによる受信を行なうことができる。 <その他変形例> (1)なお、上記実施形態ではダイバーシティ受信の停
止指示をLch割当に付加して無線基地局から移動局に
送信しているが、それよりも制御チャネルにおいて間欠
送信する制御情報に停止指示を付加して送信するように
してもよい。この場合、移動局は制御情報の間欠受信に
より停止指示を受信し、同じ無線基地局から通信チャネ
ルを割り当てられたときに、ダイバーシティ受信を停止
する構成とすればよい。あるいは、停止指示を受信した
ときからダイバーシティ受信を停止するようにしてもよ
い。 (2)また、停止指示を通信チャネル上で送信するよう
にしてもよい。例えば、無線基地局は、時分割タイムス
ロットで1台だけ無線接続している場合には移動局のダ
イバーシティ受信を停止させず、2台目以降の無線接続
を開始した時点で互いに空間多重している移動局のダイ
バーシティ受信を停止するようにしてもよい。
【0031】この場合制御部180は、図8に示すスロ
ット割当テーブルを参照して、図9に示す停止指示の送
信に関するフローチャートに従う処理を実行すればよ
い。図8のスロット割当テーブルは、時分割による送受
信タイムスロット毎に、割り当てられている移動局の識
別子を示している。同図の例では送受信タイムスロット
2、6には識別子PS1、PS4の2台の移動局が割り
当てられ、空間多重されている。また送受信タイムスロ
ット3、7には識別子PS2の1台が割り当てられてい
る。また、このスロット割当テーブルに記載される各識
別子は、図4のステップ72にて選択されたときに追加
され、通信の終了時に削除されるものとする。なお、図
8では送受信タイムスロット1、5は制御チャネルの送
受信タイムスロットとして使われることを前提にしてい
る。
【0032】図9に示すように、無線基地局は、Lch
割当を作成した(図4のステップ74)後、スロット割
当テーブルを参照して、選択された通信チャネルが送受
信タイムスロットにおいて1台目の割り当てである場合
には(ステップ91:yes)、停止指示を付加しない。こ
の場合は空間多重されていないので、ダイバーシティ受
信をあえて停止させなくてもよいからである。
【0033】2台目の割当である場合には(ステップ9
2:yes)、1台目の移動局の通信チャネル上のデータに
ダイバーシティ受信の停止指示を付加し(ステップ9
3)、図4のステップ74において作成されたLch割
当にダイバーシティ受信の停止指示を付加する(ステッ
プ94)。この場合、2台の移動局を空間多重するので
両移動局にダイバーシティ受信を停止させるためであ
る。
【0034】また、3台目以降である場合には(ステッ
プ92:no)、図4のステップ74において作成された
Lch割当にダイバーシティ受信の停止指示を付加する
(ステップ94)。この場合既に空間多重されている各
移動局はダイバーシティ受信を停止しているので、新た
な移動局に停止指示を送信することになる。図9のよう
に構成すれば、空間多重が開始したときにその対象とな
る移動局がダイバーシティ受信を停止することができ
る。
【0035】なお、無線基地局は、各移動局の通信終了
時に図8のスロット割当テーブルを参照して空間多重が
終了した場合すなわち送受信タイムスロットに1台残す
のみになった場合に、当該移動局に対してダイバーシテ
ィ受信の再開を指示するようにしてもい。 (3)上記実施の形態では、無線基地局が空間多重する
ことを前提にしているが、トラフィック量の大小、近隣
の無線基地局の設置密度、TCH切替の回数、ハンドオ
ーバされた回数等に応じて空間多重するかしないか(ア
レイ送受信するかオムニ送受信するか)を動的に変更し
てもよい。オムニ送信する場合には制御部180は、図
4に示したステップ76は省略すればよい。 (4)上記実施の形態では、無線基地局が4本アンテナ
からなるアレイアンテナを備える例を示したがこれ以外
の本数でもよい。 (5)上記実施の形態では、PHS方式の無線基地局に
本願発明を適用する場合を説明したが、他の移動体通信
システムに対しても本願発明を適用することができる。
【0036】
【発明の効果】本発明の無線基地局は、複数の移動局を
空間多重により無線接続する無線基地局であって、空間
多重される各移動局に対してダイバーシティ受信の停止
指示を送信するよう構成されている。この構成によれ
ば、無線基地局は空間多重される各移動局に対してダイ
バーシティ受信の停止指示を送信するので、停止指示を
受信した各移動局がダバーシティ受信を停止して1アン
テナにより受信することにより、移動局におけるダイバ
ーシティ受信による通信品質の劣化を生じさせないとい
う効果がある。
【0037】また、無線基地局から停止指示が送信され
たか否かに従って移動局は、空間多重を行なわない一般
の無線基地局からは上記停止指示が送信されないので、
一般の無線基地局に対してはダイバーシティ受信による
通信品質を向上を、本願発明の無線基地局に対しては1
アンテナの受信によりアレイアンテナパターンによる通
信品質の向上をともに得ることができる。
【0038】前記無線基地局は、移動局から通信チャネ
ルの割当要求を受信したとき、通信チャネルの割当情報
を作成する作成手段と、前記割当情報に前記停止指示を
付加する付加手段と、前記割当要求に対する応答として
停止指示付加後の割当情報を送信する送信手段とを備え
る構成としてもよい。この構成によれば、停止指示を通
信チャネル割当に付加して送信するので、移動局におけ
るダイバーシティ受信を、通信チャネルによる通信開始
と同時に停止させることができる。
【0039】前記無線基地局は、移動局から通信チャネ
ルの割当要求を受信したとき、当該移動局を既に無線接
続している移動局と空間多重するか否かを決定する決定
手段と、空間多重すると決定されたとき、その通信チャ
ネルの割当情報を作成する作成手段と、前記割当情報に
前記停止指示を付加する付加手段と、前記割当要求に対
する応答として停止指示付加後の割当情報を送信し、既
に無線接続している移動局に対して通信チャネル上で停
止指示を送信する送信手段とを備える。
【0040】この構成によれば、移動局におけるダイバ
ーシティ受信を、空間多重の開始と同時に停止させるこ
とができる。本発明の移動局は、複数のアンテナを有し
ダイバーシティ受信を行なう移動局であって、無線基地
局からダイバーシティ受信の停止指示があったか否かを
判定する判定手段と、停止指示があったと判定されたと
き、ダイバーシティ受信を停止する停止手段とを備え
る。
【0041】この構成によれば、無線基地局から送信さ
れるダイバーシティ受信の停止指示に従って、移動局は
ダバーシティ受信を停止して1アンテナにより受信する
ことにより、移動局におけるダイバーシティ受信による
通信品質の劣化を生じさせないという効果がある。ま
た、無線基地局から停止指示が送信されたか否かに従っ
て移動局は、空間多重を行なわない一般の無線基地局か
らは上記停止指示が送信されないので、一般の無線基地
局に対してはダイバーシティ受信による通信品質を向上
を、本願発明の無線基地局に対しては1アンテナの受信
によりアレイアンテナパターンによる通信品質の向上を
ともに得ることができる。
【0042】前記移動局は、通信チャネルの割当要求の
応答として通信チャネルの割当情報を受信する受信手段
を備え、前記判定手段は、受信された割当情報にダイバ
ーシティ受信の停止指示が付加されているか否かを判定
するよう構成してもよい。この構成によれば、停止指示
が通信チャネル割当に付加されているので、移動局にお
けるダイバーシティ受信を、通信チャネルによる通信開
始と同時に停止させることができる。
【0043】前記判定手段は、さらに、受信手段により
通信チャネル上で受信したデータに前記停止指示が含ま
れるか否かを判定するように構成してもよい。この構成
によれば、停止指示が通信チャネル上で送信されるの
で、無線基地局による停止指示の送信がより柔軟なタイ
ミングで行われ、状況に応じてダイバーシティ受信を停
止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態における無線基地局の構成を示すブ
ロック図である。
【図2】信号処理部50の構成を示すブロック図であ
る。
【図3】ユーザ処理部51aの構成を示すブロック図で
ある。
【図4】無線基地局におけるリンクチャネル割当処理を
示すフローチャートである。
【図5】リンクチャネル割当メッセージの具体例であ
る。
【図6】実施の形態における移動局の構成を示すブロッ
ク図である。
【図7】移動局におけるリンクチャネル確立処理を示す
フローチャートである。
【図8】無線基地局にて管理されるスロット割当テーブ
ルを示す図である。
【図9】無線基地局における停止指示の送信に関するフ
ローチャートである。
【符号の説明】
10〜40 アンテナ 11〜41 無線部 21〜41 無線部 50 信号処理部 51a〜51d ユーザ処理部 53 ウェイト算出部 54 加算器 55 参照信号発生部 56 スイッチ 60 モデム部 70 ベースバンド部 80 制御部 110a アンテナ 110b アンテナ 111 送受信切替部 112 無線部 113 モデム部 114 TDMA/TDD部 115 音声処理部 116 マイク 117 スピーカ 119 スイッチ 120 無線部 123 受信部 125 受信部 180 制御部 181 メモリ 182 CPU
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J021 AA05 CA06 DB02 DB03 EA04 FA14 FA15 FA16 FA17 FA20 FA21 FA32 GA02 HA05 HA06 HA10 5K059 CC03 CC04 DD32 DD37 5K067 AA23 BB04 CC01 CC24 DD27 DD34 EE02 EE10 KK02 KK03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の移動局を空間多重により無線接続
    する無線基地局であって、 空間多重される各移動局に対してダイバーシティ受信の
    停止指示を送信することを特徴とする無線基地局。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の無線基地局は、 移動局から通信チャネルの割当要求を受信したとき、通
    信チャネルの割当情報を作成する作成手段と、 前記割当情報に前記停止指示を付加する付加手段と、 前記割当要求に対する応答として停止指示付加後の割当
    情報を送信する送信手段とを備えることを特徴とする無
    線基地局。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の無線基地局は、 移動局から通信チャネルの割当要求を受信したとき、当
    該移動局を既に無線接続している移動局と空間多重する
    か否かを決定する決定手段と、 空間多重すると決定されたとき、その通信チャネルの割
    当情報を作成する作成手段と、 前記割当情報に前記停止指示を付加する付加手段と、 前記割当要求に対する応答として停止指示付加後の割当
    情報を送信し、既に無線接続している移動局に対して通
    信チャネル上で停止指示を送信する送信手段とを備える
    ことを特徴とする無線基地局。
  4. 【請求項4】 複数のアンテナを有しダイバーシティ受
    信を行なう移動局であって、 無線基地局からダイバーシティ受信の停止指示があった
    か否かを判定する判定手段と、 停止指示があったと判定されたとき、ダイバーシティ受
    信を停止する停止手段とを備えることを特徴とする移動
    局。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の移動局は、通信チャネル
    の割当要求の応答として通信チャネルの割当情報を受信
    する受信手段を備え、 前記判定手段は、受信された割当情報にダイバーシティ
    受信の停止指示が付加されているか否かを判定すること
    を特徴とする移動局。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の判定手段は、さらに、受
    信手段により通信チャネル上で受信したデータに前記停
    止指示が含まれるか否かを判定することを特徴とする移
    動局。
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