JP2008182132A - 熱伝導性シートおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱伝導率の高い熱伝導性シートおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】熱伝導性フィラー、フィブリル化セルロース、非フィブリル化繊維を含有する多孔質シートからなる熱伝導性シート。熱伝導性フィラー、フィブリル化セルロース、非フィブリル化繊維を分散させた水性スラリーに凝集剤を添加して凝集体を形成させた後、湿式抄紙して多孔質シートを作製し、熱伝導性シートとする熱伝導性シートの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体部品、電子部品、電子機器、照明器具などに使用される熱伝導性シートに関する。
トランジスタ、ICチップ、サイリスタ、CPU回路、マイクロプロセッサー(MPU)、大規模集積回路(LSI)、発光ダイオード、有機EL素子、無機EL素子、プラズマディスプレー、陰極線管、コンデンサ、有機EL照明、無機EL照明、白熱電球、LED照明、などの半導体部品、電子部品、電子機器、照明器具から発生する熱を効率良く放熱するために、これらに熱伝導性シート(放熱シートと呼ばれることもある)が接して配備される。従来、熱伝導性シートとしては、有機マトリックス樹脂に熱伝導性フィラーを混合してシート状にプレス成型してなるもの(例えば、特許文献1、2参照)、汎用樹脂中にカーボンナノチューブを分散させ、これを離型紙上に塗工してシート化したもの(例えば、特許文献3参照)、マトリックスエラストマー中に水酸化アルミニウムを分散含有させてなるもの(例えば、特許文献4参照)などが挙げられる。これらの熱伝導性シートは、マトリックスに対して熱伝導性フィラーを多くすると熱伝導性フィラーを均一に分散させることが難しく、シートが硬く脆くなりやすく、シート成型が困難になるため、熱伝導性フィラーを含有できる量に制限がある。また、熱伝導性フィラーやカーボンナノチューブが樹脂で覆われるため、熱伝導性フィラー同士やカーボンナノチューブ同士の接触が不十分になり、熱伝導性フィラーやカーボンナノチューブの持つ本来の熱伝導率を十分に発揮できておらず、高性能化によってますます発熱量が増加している半導体部品、電子部品、電子機器においては、より熱伝導性の高い熱伝導性シートが切望されている。
特開2003−60134号公報 特開2001−110960号公報 特開2005−150362号公報 特開2004−342758号公報
本発明は、上記実情を鑑みたものであって、熱伝導率の高い熱伝導性シートに関するものである。
本発明者らは、この課題を解決するために鋭意研究を行った結果、熱伝導性フィラー同士の接触性を確保することによって、高い熱伝導率の熱伝導性シートを実現できることを見出し、本発明に至ったものである。
即ち、本発明は、熱伝導性フィラー、フィブリル化セルロース、非フィブリル化繊維を含有する多孔質シートからなる熱伝導性シートである。
本発明は、熱伝導性フィラー、フィブリル化セルロース、非フィブリル化繊維を分散させた水性スラリーに凝集剤を添加して凝集体を形成させた後、湿式抄紙して多孔質シートを作製し、熱伝導性シートとする熱伝導性シートの製造方法である。
本発明の熱伝導性シートの製造方法においては、熱伝導性フィラー、フィブリル化セルロース、非フィブリル化繊維を分散させた水性スラリーに凝集剤を添加した後に増粘剤を添加することが好ましい。
本発明により、熱伝導性フィラー、フィブリル化セルロース、非フィブリル化繊維を含有する多孔質シートからなることにより、熱伝導性フィラー同士の接触が十分になされ、熱伝導性フィラーが持つ本来の熱伝導率を発揮できるため、熱伝導率の高い熱伝導性シートが得られる。本発明により、熱伝導性シートの製造方法において、熱伝導性フィラー、フィブリル化セルロース、非フィブリル化繊維を分散させた水性スラリーに凝集剤を添加して凝集体を形成させた後、湿式抄紙して多孔質シートを作製し、熱伝導性シートとすることにより、熱伝導性フィラーの歩留まりを良くできて、熱伝導性フィラーを高充填とすることができるので、熱伝導性シートの熱伝導率を高くすることができる。また、凝集剤を添加した後に増粘剤を添加することにより、凝集体同士が結合して凝集体が壊れにくくなり、熱伝導性フィラーの歩留まりがさらに良くなるため、さらに熱伝導率の高い熱伝導性シートが得られる。
本発明における熱伝導性フィラーとしては、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化チタン、炭化ケイ素、炭化チタン、ホウ素化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化バナジウム、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化銅、酸化銀、酸化ニッケル、酸化チタン、酸化ベリリウム、ホウ酸亜鉛、アルミン酸カルシウム、ハイドロタルサイト、銅、ニッケル、アルミニウム、チタン、金、銀、ステンレス、モリブデン、タングステン、ダイヤモンド、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンブラック、炭素繊維、活性炭などが挙げられる。熱伝導性シートに電気絶縁性が要求される場合には、これらの中でも窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素が好ましい。
本発明に用いられる熱伝導性フィラーは、熱伝導率が30W/m・K以上であることが好ましく、50W/m・K以上がより好ましく、100W/m・K以上がさらに好ましい。本発明に用いられる熱伝導性フィラーの平均一次粒子径は、0.01〜30μmが好ましく、0.1〜20μmがより好ましく、0.5〜10μmがさらに好ましい。平均一次粒子径が0.01μmより小さいと多孔質シートから脱落しやすくなる場合があり、30μmより大きいと熱伝導性シートの表面がざらつき、熱伝導性シートと被接触体との密着性が悪くなる場合がある。ここで、平均一次粒子径とは、市販のレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて粒度分布を測定したときの、質量比で積算50%のときの粒子径、すなわちD50を意味する。
本発明の熱伝導性シート中の熱伝導性フィラーの含有率は、50〜97質量%が好ましく、70〜95質量%がより好ましい。熱伝導性フィラーの含有率が50質量%未満では、熱伝導性シートの熱伝導率が不十分になる場合があり、95質量%より多いと熱伝導性シートの機械的強度が不十分になる場合がある。
本発明の熱伝導性シートの熱伝導率は、レーザーフラッシュ法、熱線法(プローブ法ともいう)、定常熱流計法、平板熱流計法、温度傾斜法で測定することができる。本発明の熱伝導性シートの熱伝導率は、0.1W/m・K以上が好ましく、1W/m・K以上がより好ましく、4W/m・K以上がさらに好ましい。
本発明におけるフィブリル化セルロースとしては、溶剤紡糸セルロース、木材繊維や木材パルプ、リンター、リント、麻、柔細胞繊維などの非木材繊維や非木材パルプをフィブリル化したものやバクテリアセルロースなどが挙げられる。柔細胞繊維とは、植物の茎、葉、根、果実等に存在する柔細胞を主体とした部分を、アルカリで処理する等して得られるセルロースを主成分とし、水に不溶な繊維を指す。
本発明の熱伝導性シート中のフィブリル化セルロースの含有率は、1〜49質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。フィブリル化セルロースの含有率が1質量%未満では、熱伝導性フィラーの歩留まりが悪くなる場合があり、49質量%より多いと熱伝導性フィラー同士の接触面積が不十分になる場合がある。
本発明におけるフィブリルとは、フィルム状ではなく、主に繊維軸と平行な方向に非常に細かく分割された部分を有する繊維状で、少なくとも一部が繊維径1μm以下になっている繊維を指す。長さと巾のアスペクト比は約20〜約100000の範囲に分布するものが好ましい。カナディアンスタンダードフリーネスは0〜500ml以下の範囲にあることが好ましく、0〜200mlの範囲にあることがより好ましい。さらに質量平均繊維長が0.1〜2mmの範囲にあるものが好ましい。
本発明におけるフィブリル化は、リファイナー、ビーター、ミル、摩砕装置、高速の回転刃により剪断力を与える回転刃式ホモジナイザー、高速で回転する円筒形の内刃と固定された外刃との間で剪断力を生じる二重円筒式の高速ホモジナイザー、超音波による衝撃で微細化する超音波破砕器、繊維懸濁液に少なくとも20MPaの圧力差を与えて小径のオリフィスを通過させて高速度とし、これを衝突させて急減速することにより繊維に剪断力、切断力を加える高圧ホモジナイザー等を用いて行うが、特に高圧ホモジナイザーで処理すると細かいフィブリルが得られるため好ましい。
本発明に用いられる非フィブリル化繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、それらの誘導体などのポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体などのポリビニルアルコール系樹脂、アクリル系樹脂、ナイロン6やナイロン6,6などの脂肪族ポリアミド樹脂、半芳香族ポリアミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、パラ系アラミド樹脂、メタ系アラミド樹脂、全芳香族ポリエステル樹脂、全芳香族ポリエステルアミド樹脂、全芳香族ポリエーテル樹脂、全芳香族ポリアゾメチン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリ(パラ−フェニレンベンゾビスチアゾール)樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリ(パラ−フェニレン−2,6−ベンゾビスオキサゾール)樹脂などからなる単繊維や複合繊維、セルロース繊維、ガラス繊維、マイクロガラス繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリウム繊維、ステンレス繊維、金属繊維が挙げられ、これら単独でも良いし、2種類以上の組み合わせでも良い。半芳香族とは、主鎖の一部に例えば、脂肪鎖などを有するものを指す。これらの中でもポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、アクリル系樹脂からなる非フィブリル化繊維は、熱伝導性シートの柔軟性と機械的強度を両立させやすいため好ましい。
本発明に用いられる非フィブリル化繊維の繊維長は1〜15mmが好ましく、2〜6mmがより好ましい。繊維長が1mmより短いと熱伝導性シートから脱落しやすく、15mmより長いと、繊維がもつれてダマになりやすく、熱伝導性シートに厚みむらが生じやすい。
本発明に用いられる非フィブリル化繊維の平均繊維径は0.0002〜20μmが好ましく、0.01〜10μmがより好ましい。非フィブリル化繊維の繊度は0.0001〜2dtexが好ましく、0.005〜1dtex以下がより好ましい。非フィブリル化繊維の平均繊維径が0.0002μm未満、又は繊度が0.0001dtex未満では繊維が細すぎて熱伝導性シートの機械的強度が不十分になる場合があり、平均繊維径が20μmより太いと、又は繊度が2dtexより太いと、熱伝導性シートから熱伝導性フィラーが脱落する場合や、熱伝導性シートの厚みが不均一になる場合がある。
本発明に用いられる非フィブリル化繊維の断面形状は、円形、楕円形、正方形、長方形、星形、Y形、その他の異形形状の何れでも良い。
本発明の熱伝導性シート中の非フィブリル化繊維の含有率は、1〜49質量%が好ましく、3〜40質量%がより好ましく、3〜30質量%がさらに好ましい。非フィブリル化繊維の含有率が、1質量%未満では熱伝導性シートの機械的強度が不十分になる場合があり、49質量%より多いと熱伝導性フィラーの歩留まりが悪くなり、熱伝導性シートの熱伝導率が不十分になる場合がある。
本発明における多孔質シートは、熱伝導性フィラー、フィブリル化セルロース、非フィブリル化繊維を分散させてなる原料スラリーを湿式抄紙して製造される。熱伝導性フィラーは、セルロースや有機の非フィブリル化繊維よりも比重が重いため、平均一次粒子径が大きくなる程、水中で沈降しやすい。また、熱伝導性フィラーの平均一次粒子径が小さくなる程、繊維構造体に担持されずに水と一緒に流出しやすい。そこで、凝集剤を用いて熱伝導性フィラーと繊維との凝集体を形成させることにより、熱伝導性フィラーの沈降や流出を抑制し、熱伝導性フィラーの歩留まりを上げることができる。具体的には、熱伝導性フィラー、フィブリル化セルロース、非フィブリル化繊維を水に分散させた後、凝集剤を添加して凝集体を形成させ、原料スラリーの固形分濃度を5〜0.001質量%に調製する。この原料スラリーをさらに所定の濃度に希釈して抄紙する。抄紙機には、円網抄紙機、長網抄紙機、短網抄紙機、傾斜型抄紙機、傾斜短網抄紙機、これらの中から同種または異種の抄紙機を組み合わせてなるコンビネーション抄紙機などを用いる。本発明においては、凝集剤を添加した後に増粘剤を添加すると凝集体同士が結合してさらに大きな凝集体が形成され、壊れにくくなり、さらに歩留まりが向上するため好ましい。原料スラリーには、凝集剤と増粘剤の他にも必要に応じて分散剤や消泡剤などを添加しても良い。
本発明に用いられる凝集剤としては、ポリアミン、ポリアクリルアミド、アルギン酸ナトリウム、ジシアンアミドなどの有機系凝集剤、硫酸バンド、硫酸第二鉄、ポリ硫酸第二鉄、硫酸カルシウム、塩化第二鉄、ポリ塩化アルミニウムなどの無機系凝集剤が挙げられ、有機系凝集剤単独でも無機系凝集剤単独でも良く、有機系と無機系凝集剤を併用しても良い。これらの中でも、凝集の効き目が原料スラリーのpHに依存しにくく、添加した後の原料スラリーのpHを変動させにくい有機系凝集剤やポリ塩化アルミニウムが好ましい。凝集剤の添加量としては、固形分に換算して原料スラリーの全固形分に対して0.1〜30質量%が好ましく、0.4〜20質量%がより好ましい。凝集剤の添加量が、固形分に換算して0.1質量%未満では、原料スラリーの凝集が不十分になる場合があり、30質量%より多いと熱伝導性シートに残存する凝集剤の影響により熱伝導性シートの熱伝導率が低下する場合がある。
本発明に用いられる増粘剤としては、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルブミン、カゼイン、でんぷん、多糖類、寒天、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキメチルセルロースカルシウム、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸/アクリル酸アルキル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸共重合体、カルボキシビニルポリマー、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、ビニル系化合物、ビニリデン系化合物、ポリエステル系化合物、ポリエーテル系化合物、ポリグリコール系化合物などが挙げられる。増粘剤の添加量としては、固形分に換算して原料スラリーの全固形分に対して0.1〜10質量%が好ましく、0.3〜5質量%がより好ましい。増粘剤の添加量が、固形分に換算して0.1質量%未満では、凝集体同士の結合が弱い場合があり、10質量%を超えると凝集体が大きくなりすぎて熱伝導性シートの地合が不均一になる場合がある。
本発明の熱伝導性シートは多孔質であり、そのガーレー透気度は0.1〜1000s/100mlが好ましく、0.5〜500s/100mlがより好ましく、1.0〜100s/100mlがさらに好ましい。ここで、ガーレー透気度とは、JIS P8117に規定されるガーレー透気度を意味し、外径28.6mmの円孔から送り出される100mlの空気が、円孔に密着した熱伝導性シートを通過する時間を計測して求められる。ガーレー透気度が0.1s/100ml未満では、熱伝導性シートの空隙率が大きすぎて熱伝導率が不十分になる場合があり、1000s/100mlを超えると、熱伝導性フィラーが繊維に覆われてしまい、熱伝導率が不十分になる場合がある。熱伝導性シートの厚みは10μm以上が好ましく、50μm以上がより好ましい。厚みが10μm未満では取り扱い時に熱伝導性シートが破れたり、破断する場合がある。厚みの上限は特にないが、製造のしやすさから1000μm以下が好ましく、500μm以下がより好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
表1に示した原材料、凝集剤、増粘剤を使用した。凝集剤PAMは、固形分濃度0.15質量%の水溶液にして使用した。増粘剤PNSは、固形分濃度0.1質量%の水溶液にして使用した。
Figure 2008182132
表2に示した原材料と配合率に従って、原料スラリーを調製し、表3に示した凝集剤と増粘剤の添加量に従って熱伝導性シートを作製した。
Figure 2008182132
Figure 2008182132
実施例1〜37
スラリー1〜21を湿式抄紙して多孔質シート1〜37を作製し、熱伝導性シート1〜37とした。実施例2、5、8、12、15、20、25、32は、原料スラリーに凝集剤を添加して凝集体を形成させて抄紙した。実施例3、6、9、10、13、16〜18、21〜23、26〜30、33〜37は、原料スラリーに凝集剤を添加して凝集体を形成させた後、増粘剤を添加して凝集体同士を結合させて抄紙した。抄紙機は円網抄紙機と円網抄紙機のコンビネーション抄紙機を用いた。
(比較例1)
スラリー22を湿式抄紙したが、非フィブリル化繊維を含有しないため連続シートとして取り出すことができなかったため、熱伝導性シート38を得ることができなかった。抄紙機は円網抄紙機と円網抄紙機のコンビネーション抄紙機を用いた。
(比較例2)
スラリー23を湿式抄紙して多孔質シートを作製し、熱伝導性シート39とした。原料スラリーに凝集剤を添加して凝集体を形成させた後、増粘剤を添加して凝集体同士を結合させて抄紙した。抄紙機は円網抄紙機と円網抄紙機のコンビネーション抄紙機を用いた。
(比較例3)
2液性付加反応型の液状シリコーンゲル(東レ・ダウコーニング製、商品名:CY52−285A/B)15質量%、2液性付加反応型液状シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング製、商品名:CY52−287A/B)15質量%、ALNを70質量%の割合で混練し、シート状にプレス成型して熱伝導性シート40を作製した。
(比較例4)
ひまし油変性ポリオール(豊国製油製、商品名:2T−5008S)34質量%とBN2を66質量%の割合で混合した。得られた混合液を100℃で1時間静置した後、この混合液に対して触媒(サンアブロ製、商品名:U−cat2030)0.14質量%、イソシアネート(日本ポリウレタン製、商品名:ミリオネートMT)1.63質量%の割合で添加した。この混合液を2枚の剥離紙で挟んで、カレンダー処理し、ポリウレタンエラストマーに窒化ホウ素が分散されてなる熱伝導性シート41を作製した。
熱伝導性シート1〜37、39〜41について、下記の試験方法により測定し、その結果を表4に示した。
<厚み>
熱伝導性シート1〜37、39〜41の厚みをJIS P8118に準拠して測定し、その結果を表4に示した。
<ガーレー透気度>
JIS P8117に準拠して、外径28.6mmの円孔を有するガーレー透気度計を用いて、100mlの空気が熱伝導性シート試料を通過する時間を計測し、10箇所の平均値を表4に示した。
<熱伝導率>
温度傾斜法で、λ=λ(dT/dx)(L/ΔT)より熱伝導率λを求め、表4に示した。ここで、λは標準試料の熱伝導率、(dT/dx)は標準試料の温度傾斜、Lは熱伝導性シート試料の厚み、ΔTは熱伝導性シート試料の上下面の温度差を表す。標準試料には銅を用いた。
<歩留まり>
熱伝導性シート1〜37、39〜41を600℃で焼成し、残った無機分の質量を計測し、無機分の歩留まりを算出し、その結果を表4に示した。このときの歩留まりとは、無機分の設定含有量に対しての歩留まりとした。例えば、無機分の設定含有量が80質量%のとき、焼成後の無機分の質量が焼成前の熱伝導性シートの質量の80%であれば、歩留まりは100%である。
<耐摩耗性>
熱伝導性シート1〜37、39〜41を指でこすり、粉落ちや剥けが発生するかどうかを判定した。粉落ちや剥けが発生し、熱伝導性シートとして使用に耐えない場合を×、粉落ちや剥けが発生するが、支障がない程度の場合を△、粉落ちや剥けが発生しない場合を○とし、表4に示した。
Figure 2008182132
表4に示した通り、実施例1〜37で作製した熱伝導性シートは、熱伝導性フィラー、フィブリル化セルロース、非フィブリル化繊維を含有する多孔質シートからなるため、熱伝導率の高い熱伝導性シートが得られた。
実施例1、4、7、11、14、19、24、31で作製した熱伝導性シートの製造方法は、原料スラリーに凝集剤を添加せずに湿式抄紙して多孔質シートを作製し、熱伝導性シートとする製造方法であり、ここでは「M1」と表記する。実施例2、5、8、12、15、20、25、32で作製した熱伝導性シートの製造方法は、原料スラリーに凝集剤を添加して凝集体を形成させた後、湿式抄紙して多孔質シートを作製し、熱伝導性シートとする製造方法であり、ここでは「M2」と表記する。実施例3、6、9、10、13、16〜18、21〜23、26〜30、33〜37で作製した熱伝導性シートの製造方法は、原料スラリーに凝集剤を添加して凝集体を形成させた後、増粘剤を添加して湿式抄紙して多孔質シートを作製し、熱伝導性シートとする製造方法であり、ここでは「M3」と表記する。
例えば、実施例4、5、6のように原材料と各原材料の配合率が同一だが、熱伝導性シートの製法が異なる場合を比較すると、製造方法M2で製造した熱伝導性シートは、製造方法M1で製造した熱伝導性シートよりも熱伝導性フィラーの歩留まりが高く、熱伝導性シートの熱伝導率が高かった。さらに製造方法M3で製造した熱伝導性シートは、製造方法M2で製造した熱伝導性シートよりも熱伝導性フィラーの歩留まりが高く、熱伝導性シートの熱伝導率が高かった。同様の結果は実施例1〜3、11〜13、14〜16、19〜21、24〜26、31〜33においても得られた。
一方、比較例1では、非フィブリル化繊維を含有しないため、連続シートとして取り出すことができなかった。
比較例2で作製した熱伝導性シートは、フィブリル化セルロースを含有しないため耐摩耗性が悪く、使用に耐えなかった。
比較例3で作製した熱伝導性シートは、シリコーンゲルとシリコーンゴムと熱伝導性フィラーの混練物であるため、熱伝導性フィラーの歩留まりは高かったが、熱伝導性フィラーがシリコーンマトリックスで覆われているため、熱伝導性フィラー同士の接触が不十分であり、熱伝導率が低めであった。
比較例4で作製した熱伝導性シートは、熱伝導性フィラーがポリウレタンエラストマーに分散されてなるため、熱伝導性フィラーの歩留まりは高かったが、熱伝導性フィラー同士の接触が不十分であり、熱伝導率が低かった。
本発明の活用例としては、半導体部品、電子部品、電子機器、照明器具などに使用される放熱シートなどが好適である。

Claims (3)

  1. 熱伝導性フィラー、フィブリル化セルロース、非フィブリル化繊維を含有する多孔質シートからなる熱伝導性シート。
  2. 熱伝導性フィラー、フィブリル化セルロース、非フィブリル化繊維を分散させた水性スラリーに凝集剤を添加して凝集体を形成させた後、湿式抄紙して多孔質シートを作製し、熱伝導性シートとする熱伝導性シートの製造方法。
  3. 凝集剤を添加した後に増粘剤を添加する請求項2記載の熱伝導性シートの製造方法。
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