JP2008180196A - 燃料ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料ポンプの部品点数を減らすことができ、且つシャフト軸受部の耐摩耗性および耐食性を確保することができる燃料ポンプを提供する。
【解決手段】駆動モータ12と、駆動モータ12により駆動されるインペラ16と、ポンプボデー30とポンプカバー22とで構成されるケーシングとを備え、インペラ16がケーシング20内に配された燃料ポンプ10において、アルミニウム合金製の基材52と、基材52の表面を酸化処理し、基材52よりも硬度の高い酸化皮膜層50とを有するポンプボデー30に、駆動モータ12のシャフト軸受部40を一体形成し、酸化皮膜層50を、少なくともシャフト軸受部40に形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータにより駆動されるインペラがケーシング内に配された燃料ポンプに関する。より具体的には、駆動モータのシャフトの軸受構造に特徴を有する燃料ポンプに関する。
この種の燃料ポンプは、一般に、図4に示されるように、駆動モータ100と、その駆動モータ100によって駆動されるインペラ104と、インペラ104を収容するケーシング96とで構成されている。ケーシング96は、インペラ104の下方に配されるポンプボデー92と、インペラ104の上方を覆うポンプカバー94とで構成されている。駆動モータ100のシャフト102は、インペラ104の中心部に挿通されており、駆動モータ100が駆動されるとインペラ104が回転し、それによりポンプボデー92の吸込流路92aから燃料が吸入される。吸入された燃料はボデー溝92bからインペラ104の羽溝104aを経て昇圧され、カバー溝94aを経て最終的に吐出口(図示省略)から外部へ吐出される。
このような構成の燃料ポンプ90では、シャフト102を受ける軸受部はスラスト加重により摩耗しやすく、軸受部には高硬度が要求される。従来、このような燃料ポンプ90のポンプボデー92はアルミあるいは樹脂製であるため、駆動モータ100のシャフト102を直接支持するのは硬度の観点から問題があった。そこでポンプボデー92に別体として形成された硬度の高い軸受ピン98が取り付けられているものがあった。このような燃料ポンプは例えば、特許文献1に開示されている。なお、一般に、軸受ピン98には鉄鋼材料を熱処理して高硬度化されたものが用いられる。また、図4および図5に示されるように軸受位置が凹部93として形成されている場合はポンプボデー92とインペラ104との対向面の僅かな隙間から軸受位置に燃料の一部が入り込んで凹部93に燃料が保持されるため潤滑油として作用し、軸受ピン98の摩耗が緩和される。
また、特許文献2には他の軸受構造が開示されている。すなわち、ポンプボデーが樹脂製であり、インペラとポンプボデーとの間にセラミック製でプレート状の挿入体が配置されてインペラ対向面が形成されているとともに、その挿入体の中央で駆動モータのシャフトが支持される燃料ポンプが開示されている。
特開平8−182243号公報 特表平11−506817号公報
上記特許文献1に記載されている燃料ポンプによれば、硬度の高い軸受ピンを設けることによりポンプボデーのスラスト荷重に対する問題が改善されている。しかしながら、別体として形成された軸受ピンをポンプボデーに取り付けなければならず、部品点数が多くなっていた。また、鉄鋼製の軸受ピンでは燃料が劣化燃料やアルコールである場合には軸受ピンが腐食する可能性もあった。
また、上記特許文献2に記載されている燃料ポンプによれば、樹脂製のポンプボデーにセラミック製の挿入体が設けられることにより耐摩耗性の問題と腐食の問題が改善されているが、やはり部品点数が多くなる問題があった。また、挿入体とポンプボデーとの隙間に燃料が入り込むことで樹脂製のポンプボデーが膨張する可能性があった。そしてその挿入体がセラミック製であるため以下の問題点もあった。すなわち、複雑形状の形成が困難であったり、表面平滑性に劣るという問題点があった。更に、ポンプボデーと挿入体とに孔を開けて連通する流入路を形成する場合にはポンプボデーと挿入体の孔の位置合わせが煩雑となる。
そこで、本発明では、燃料ポンプの部品点数を減らすことができ、且つシャフト軸受部の耐摩耗性および耐食性を確保することができる燃料ポンプを提供することを目的とした。
上記目的を達成するための第1の発明は、駆動モータと、該駆動モータにより駆動されるインペラと、ポンプボデーとポンプカバーとで構成されるケーシングとを備え、前記インペラが前記ケーシング内に配された燃料ポンプであり、前記ポンプボデーには、前記駆動モータのシャフト軸受部が一体に形成されており、該ポンプボデーは、アルミニウム合金製の基材と、前記基材の表面を酸化処理し、該基材よりも硬度の高い酸化皮膜層とを有し、前記酸化皮膜層が、少なくとも前記シャフト軸受部に形成されていることを特徴とする燃料ポンプである。
ここでの酸化皮膜層とは、基材中のアルミニウムが酸化されて生成したアルミナからなる硬度の高い皮膜である。また、シャフト軸受部は、その形状が必ずしも特別な形状に形成されているわけではなく、平坦な場合も含まれる。
次に、第2の発明は、上記第1の発明に記載の燃料ポンプであって、前記酸化皮膜層は、アルマイト処理により形成されていることを特徴とする。
アルマイト処理とは、電解液中で基材を陽極として電解することにより基材表面を酸化させて酸化皮膜層を形成させる処理であり、陽極酸化処理とも称される。
次に、第3の発明は、上記第1又は第2の発明に記載の燃料ポンプであって、前記ポンプボデーの前記インペラと対向するインペラ対向面にも酸化皮膜層が形成されており、前記シャフト軸受部の酸化皮膜層は、前記インペラ対向面の酸化皮膜層よりも硬度が高いことを特徴とする。
次に、第4の発明は、上記第3の発明に記載の燃料ポンプであって、前記インペラ対向面の酸化皮膜層は、アルマイト処理により形成されており、前記シャフト軸受部の酸化皮膜層は、アルマイト処理により形成した後、さらにレーザー加工が施されていることを特徴とする。
レーザー処理とは、酸化皮膜層を加熱することにより酸化皮膜層の硬度を向上させる処理である。
次に、第5の発明は、上記第1の発明に記載の燃料ポンプであって、前記酸化皮膜層は、プラズマ電解酸化処理により形成されていることを特徴とする。
プラズマ電解酸化処理とは、基材を陽極として電解液中に配置した状態で基材に高電圧を印加し、電解液との接触界面でプラズマ放電を発生させて基材の表面を酸化皮膜層に転化する方法である。
次に、第6の発明は、上記第1から第5の発明のうちいずれか1項に記載の燃料ポンプであって、前記シャフト軸受部の酸化皮膜層は、前記駆動モータのシャフトよりも硬度が低いことを特徴とする。
次に、第7の発明は、駆動モータと、ボデーとカバーとで構成されるケーシングを備えたモータ装置であり、前記ボデーには、前記駆動モータのシャフト軸受部が一体に形成されており、該ボデーは、アルミニウム合金製の基材と、前記基材の表面を酸化処理し、該基材よりも硬度の高い酸化皮膜層とを有し、前記酸化皮膜層が少なくとも前記シャフト軸受部に形成されていることを特徴とするモータ装置である。
本発明によれば、燃料ポンプの部品点数を減らすことができ、且つシャフト軸受部の耐摩耗性および耐食性を確保することができる燃料ポンプを提供することができる。
すなわち第1の発明によれば、駆動モータのシャフト軸受部がポンプボデーに一体に形成されているため、燃料ポンプの部品点数を減らすことができる。更に、このシャフト軸受部の表面は、酸化皮膜層からなるため耐食性に優れる。また、当該酸化皮膜層は基材よりも硬度が高く、耐摩耗性に優れる。
第2の発明によれば、アルマイト処理により、基材に対する密着性がよく、均一性に優れた酸化皮膜層を形成することが可能である。
第3の発明によれば、インペラの回転による摩擦や燃料をくみ上げる際のキャビテーションの影響をまともに受けるインペラ対向面にも酸化皮膜層が形成されているため、摩擦やキャビテーションの衝撃に耐えることができる。ここで、負荷の大きさに対応して相対硬度を設定し、スラスト荷重によりインペラ対向面よりも更に大きな負荷のかかるシャフト軸受部の硬度をインペラ対向面の硬度よりも高くすることにより、各所が効率よく負荷に耐えることが可能となる。
第4の発明によれば、酸化皮膜層を加熱することにより酸化皮膜層を容易に高硬度化できる。また、高硬度の要求される部分のみを局所的に熱処理をすることが可能であり、無駄なく高硬度の酸化皮膜層を形成することができる。
第5の発明によれば、プラズマ電解酸化処理により接触界面が高温高圧状態となるためより高硬度で均一な酸化皮膜層の形成が可能である。したがって、後処理としての熱処理をしなくても高品質な酸化皮膜層の形成が可能である。
第6の発明によれば、シャフト軸受部の酸化皮膜層は、駆動モータのシャフトよりも硬度が低く形成されているため、シャフトの摩耗を低減することができる。シャフト軸受部の酸化皮膜層が摩耗することで凹部が形成された場合でも、燃料を潤滑油として保持する機能を果たすものとして利用できる。
第7の発明によれば、駆動モータのシャフト軸受部がボデーに一体に形成されているため、モータ装置の部品点数を減らすことができる。更に、このシャフト軸受部の表面は、酸化皮膜層からなるため耐食性に優れる。また、当該酸化皮膜層は基材よりも硬度が高く、耐摩耗性に優れる。
以下、図面を参照しながら本発明の燃料ポンプの実施の形態を説明する。図1に示されるように、燃料ポンプ10は、ポンプボデー30とポンプカバー22とで構成されるケーシング20が略円筒形のポンプハウジング18内下部に装備されており、そのケーシング20内に駆動モータ12により駆動される略円盤状のインペラ16が配されている。駆動モータ12は、ポンプハウジング18の上部に配置されており、駆動モータ12のシャフト14がインペラ16の中央に挿通されてポンプボデー30のシャフト軸受部40に回転可能に支持されている。シャフト14とインペラ16が一体回転する構成とされており、駆動モータ12によるシャフト14の回転に伴いインペラ16が回転する。
インペラ16は、略円盤形状の外周に沿って複数の羽溝17が形成されている。インペラ16を収容するケーシング20のポンプボデー30の上面にはボデー溝32が形成されている。このボデー溝32は平面視で略C字状に形成されており、下方に開口する吸込流路34に連通している。また、ポンプカバー22の下面にはボデー溝32と対向する平面視で略C字状のカバー溝24が形成されている。駆動モータ12を駆動させるとインペラ16の回転により昇圧作用が生じ、吸込流路34から燃料が吸入され、ボデー溝32から羽溝17を通ってカバー溝24へ導入され、さらにカバー溝24に連通するポンプハウジング18の内部空間を経て吐出口(図示略)から吐出される。なお、このような燃料ポンプ10は、自動車の燃料タンクの内部空間に略垂直に設置される。
この燃料ポンプ10は、ポンプボデー30にシャフト軸受部40が一体に形成されている。ポンプボデー30は、上面の略中央が凹部として形成されており、その凹部がシャフト軸受部40である。このシャフト軸受部40で駆動モータ12のシャフト14を直接支持している。ポンプボデー30は、アルミニウム合金製の基材52と、基材52の表面を酸化処理して形成された基材52よりも硬度の高い酸化皮膜層50とを有している。シャフト軸受部40は、その表面に酸化皮膜層50aが形成されており、基本的にこの酸化皮膜層50aの硬度により耐摩耗性を発揮するものである。そして、外形が凹部形状とされていることにより燃料を潤滑油として保持することができ、酸化皮膜層50への負荷が軽減されている。本実施形態の燃料ポンプ10においては、図1に示されるように、シャフト軸受部40及び、インペラ16と対向するインペラ対向面36を含むポンプボデー30の上面全体に酸化皮膜層50が形成された形態をとっている。
ポンプボデー30の基材52を構成するアルミニウム合金としては、JIS規格によって規格されているアルミニウム鋳造品やアルミニウムダイカスト品などを好ましく挙げることができ、例えば、Al−Mg系合金、Al−Mn系合金、A−Si系合金、Al−Mg−Si系合金、Al−Zn−Mg系合金等を用いることができる。その他にもJIS規格外のアルミニウム合金を使用することもできる。なお、これらのアルミニウム合金の硬度は高くてもHV130程度である。
酸化皮膜層50は、基材52に酸化処理を施すことにより、基材52の表面が酸化されて形成される。この酸化皮膜層50は、基材52中のアルミニウムが酸化されて生成したアルミナであり、基材52よりも硬度の高い皮膜である。このような酸化皮膜層を形成することのできる好適な酸化処理として、例えばアルマイト処理およびプラズマ電解酸化処理が挙げられる。以下、酸化皮膜層の形成方法について具体的な実施形態を挙げて説明する。
先ず、酸化皮膜層を形成する第1の実施形態としてアルマイト処理を用いた酸化皮膜層の形成方法を説明する。アルマイト処理によれば、基材表面で基材中のアルミニウムが酸化されてアルミナが生成され、基材に対する密着性がよく、均一性に優れた酸化皮膜層を形成することが可能である。一般に、アルミナは酸化アルミニウム(Al23)の結晶形の違いにより複数種知られており、コランダム型のα−アルミナ、スピネル型のγ−アルミナなどがある。また、Na2・11Al23で示されるナトリウム酸化物を含むアルミン酸塩もβ−アルミナとして知られている。アルマイト処理により形成される酸化皮膜層の組成は電解条件や基材の構成により異なるものの、通常はγ−アルミナが生成されやすい。なお、アルマイト処理により生成された酸化皮膜層には、アルミナの他に酸化アルミニウム1水和物や酸化アルミニウム3水和物など酸化アルミニウムの水和物、あるいは水酸化アルミニウムなどの副生成物が含まれる場合もある。アルマイト処理によれば、γ−アルミナを主成分とした硬度がHV約300〜400の酸化皮膜層を形成することができるが、スラスト荷重耐性は必ずしも十分とは言い切れない。
そこで、必要に応じてアルマイト処理により形成された酸化皮膜層にさらにレーザー処理を施すのが好ましい。ここで言うレーザー処理とは、酸化皮膜層を加熱することにより酸化皮膜層の硬度を向上させる処理である。レーザー種は特に限定されないが、例えばYAGレーザー、炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)、エキシマレーザー、フェムト秒レーザー等を用いることができる。酸化皮膜層を加熱することによりアルマイト処理により副次的に生成された酸化アルミニウムの水和物や水酸化アルミニウムを脱水して無水物であるアルミナを生成し、酸化皮膜層の硬度を向上させることができる。レーザー処理の加熱温度や処理時間等の処理条件は、酸化皮膜層を所望の硬度へ向上させることができ、且つ基材へ悪影響を与えない範囲で適宜設定可能であるが、加熱温度は、好ましくは約800℃以上、より好ましくは約1200℃以上に設定するのがよい。各種アルミナの硬度は、α型、β型、γ型の順で硬度が高く、約800℃以上に加熱するとγ−アルミナが生成され、約1200℃以上に加熱すると、最も安定で硬度の高いα−アルミナが生成される。したがって、約1200℃以上に加熱すると、酸化アルミニウムの水和物や水酸化アルミニウムが脱水されて無水物としてのアルミナが生成されるのみならず、他の結晶形のアルミナをα−アルミナに変態させることができる。レーザー処理条件によっては酸化皮膜層の硬度をHV約1000程度まで高めることも可能である。
シャフト軸受部40以外の部分にも酸化皮膜層が形成されている場合は、必ずしも酸化皮膜層全体をレーザー処理する必要はなく、シャフト軸受部のみをレーザー処理して硬度を向上させてもよい。
この第1の実施形態を図1に示される燃料ポンプ10で説明すると、先ず、インペラ対向面36及びシャフト軸受部40を同時にアルマイト処理して基材よりも硬度の高い酸化皮膜層50(50a、50b)を形成する。次に、スラスト荷重耐性の観点からより高硬度が要求されるシャフト軸受部40の酸化皮膜層50aのみにレーザー処理を施して、インペラ対向面36の酸化皮膜層50bよりも硬度を高める。このようにすれば、無駄なくシャフト軸受部40の硬度を高めることができる。そして、インペラ対向面36及びシャフト軸受部40に酸化皮膜層が形成されており、シャフト軸受部40の酸化皮膜層50aがインペラ対向面36の酸化皮膜層50bよりも硬度の高い燃料ポンプ10を得ることができる。
次に、酸化皮膜層を形成する第2の実施形態としてプラズマ電解酸化処理を用いた酸化皮膜層の形成方法を説明する。プラズマ電解酸化処理では、基材と電解液との接触界面は温度約1000〜10000℃、圧力100MPa程度の高温高圧状態となり、基材成分が酸化されて酸化皮膜層が形成される。このとき酸化皮膜層の厚い部分は抵抗が大きくなり、膜厚の薄い部分ではプラズマ放電が活発化されて酸化皮膜層の成長が促進されるので、全体として均一で緻密な皮膜を得ることができる。
プラズマ電解酸化処理によれば、接触界面が高温高圧状態となるため、酸化アルミニウムの水和物や水酸化アルミニウムなどの副生成物が生じにくく、基材中のアルミニウム成分が効率よくアルミナに転化される。また、接触界面が高温高圧になることにより、α−アルミナが生成されやすく、アルマイト処理した場合と比較して硬度の高い酸化皮膜層を得ることが可能である。形成される酸化皮膜層の硬度は基材の構成により異なるが、例えばAl−Mg−Si系合金を基材として、膜厚30〜50μmで硬度がHV500〜1500の酸化皮膜層を形成することができる。
また、電解質の組成を調整することにより、電解質の成分を巻き込んで酸化皮膜層を形成することが可能である。例えば、電解質中のジルコニウムを巻き込ませてジルコニア(酸化ジルコニウム)を含有するアルミナ−ジルコニア系の酸化皮膜層を形成することができる。この場合、膜厚2〜8μmで硬度HV800〜1800の酸化皮膜を形成することができる。
この第2の実施形態を図2に示されるポンプボデー60で説明すると、基材66の上面全体にプラズマ電解酸化処理が施される。それにより、シャフト軸受部62及びインペラ対向面68を含むポンプボデー60の上面全体に酸化皮膜層64が形成される。この場合、シャフト軸受部62とインペラ対向面68に形成される酸化皮膜層64の硬度は同じである。
シャフト軸受部40,62の酸化皮膜層50a,64の硬度は基材52,66より高い範囲で適宜設定可能であるが、シャフト14の硬度よりも低く設定するのが好ましい。それによりシャフト14の摩耗を防止することができ、インペラ16の円滑な回転を維持することができる。
以上の第1及び第2の実施形態ではシャフト軸受部の形状が凹部形状として形成されている例を説明したが、シャフト軸受部の形状は特に限定されるものではない。次に、第3の実施形態として、シャフト軸受部が平坦形状として形成されている場合について図3を参照しながら説明する。
図3に示されるポンプボデー70は、下方に開口する吸い込み流路77と、それに連通し上面に形成されたボデー溝78を有しており、その点については図1に示されるポンプボデー30と同様である。このポンプボデー70では、上面のボデー溝78以外の部分が平坦面として形成されており、その上面略中央がシャフト軸受部72となる。そして、シャフト軸受部72及びインペラ対向面73を含む上面全体に酸化皮膜層74が形成されている。
酸化皮膜層74の形成には、シャフト軸受部の形状が凹部形状とされている場合と同様の方法を用いることができる。例えば、アルマイト処理により酸化皮膜層74を形成する場合には、先ず、シャフト軸受部72及びインペラ対向面73を含む上面全体をアルマイト処理して基材76よりも硬度の高い酸化皮膜層74(74a,74b)を形成する。それから、シャフト軸受部72の酸化皮膜層74aにレーザー処理を施して、インペラ対向面73の酸化皮膜層74bよりも高硬度化する。これにより、平坦で潤滑油としての燃料を保持できない形状でも十分にスラスト荷重に耐え得るシャフト軸受部72を形成することができる。
また、プラズマ電解酸化処理により酸化皮膜層74を形成してもよい。その場合には、基材76の上面全体にプラズマ電解酸化処理が施され、シャフト軸受部72及びインペラ対向面73を含むポンプボデー70の上面全体に酸化皮膜層74が形成される。プラズマ電解酸化処理によれば、後処理なしでより高硬度の酸化皮膜層を得ることができるため、平坦形状でもスラスト荷重に耐え得るシャフト軸受部72を形成することができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内でその他種々の実施形態が考えられるものである。例えば、上記実施形態では、シャフト軸受部以外のインペラ対向面にも酸化皮膜層が形成された例を示したが、シャフト軸受部のみに酸化皮膜層が形成されていてもよい。図1及び図3を参照して説明すると、インペラ対向面36,73の酸化皮膜層50b,74bを形成せずに、シャフト軸受部40,72にのみ酸化皮膜層50a,74aを形成してもよい。
また、上記実施形態では、燃料ポンプを例示したが、燃料ポンプの他に、ウォーターポンプ等のケーシング内にスラスト荷重を受ける軸受部を有する種々のポンプ装置に適用することも可能である。また、ケーシング内にスラスト軸受及びケーシング外に被駆動部を備えた各種モータ装置に適用することも可能である。
本発明の第1の実施形態の燃料ポンプの一部破断正面図である。 本発明の第2の実施形態に関するポンプボデーの縦断正面図である。 本発明の第3の実施形態に関するポンプボデーの縦断正面図である。 従来の燃料ポンプの一部破断正面図である。 図4に示される燃料ポンプのポンプボデーの縦断正面図である。
符号の説明
10 燃料ポンプ
12 駆動モータ
14 シャフト
16 インペラ
18 ポンプハウジング
20 ケーシング
22 ポンプカバー
30 ポンプボデー
36 インペラ対向面
40 シャフト軸受部
50 酸化皮膜層
52 基材
60 ポンプボデー
62 シャフト軸受部
64 酸化皮膜層
66 基材
68 インペラ対向面
70 ポンプボデー
72 シャフト軸受部
73 インペラ対向面
74 酸化皮膜層
76 基材

Claims (7)

  1. 駆動モータと、該駆動モータにより駆動されるインペラと、ポンプボデーとポンプカバーとで構成されるケーシングとを備え、前記インペラが前記ケーシング内に配された燃料ポンプであり、
    前記ポンプボデーには、前記駆動モータのシャフト軸受部が一体に形成されており、
    該ポンプボデーは、アルミニウム合金製の基材と、前記基材の表面を酸化処理し、該基材よりも硬度の高い酸化皮膜層とを有し、
    前記酸化皮膜層が、少なくとも前記シャフト軸受部に形成されていることを特徴とする燃料ポンプ。
  2. 前記酸化皮膜層は、アルマイト処理により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料ポンプ。
  3. 前記ポンプボデーの前記インペラと対向するインペラ対向面にも酸化皮膜層が形成されており、
    前記シャフト軸受部の酸化皮膜層は、前記インペラ対向面の酸化皮膜層よりも硬度が高いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料ポンプ。
  4. 前記インペラ対向面の酸化皮膜層は、アルマイト処理により形成されており、
    前記シャフト軸受部の酸化皮膜層は、アルマイト処理により形成した後、さらにレーザー加工が施されていることを特徴とする請求項3に記載の燃料ポンプ。
  5. 前記酸化皮膜層は、プラズマ電解酸化処理により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料ポンプ。
  6. 前記シャフト軸受部の酸化皮膜層は、前記駆動モータのシャフトよりも硬度が低いことを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の燃料ポンプ。
  7. 駆動モータと、ボデーとカバーとで構成されるケーシングを備えたモータ装置であり、
    前記ボデーには、前記駆動モータのシャフト軸受部が一体に形成されており、該ボデーは、アルミニウム合金製の基材と、前記基材の表面を酸化処理し、該基材よりも硬度の高い酸化皮膜層とを有し、前記酸化皮膜層が少なくとも前記シャフト軸受部に形成されていることを特徴とするモータ装置。
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