JP2008178790A - 超硬合金部材の取付構造およびtダイ - Google Patents
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Abstract
【課題】加熱された状態で使用された場合でも、超硬合金部材を強固に固定することが可能な超硬合金部材の取付構造を提供する。
【解決手段】概略板状をなす超硬合金部材30を保持部材10の取付面21に固定するための超硬合金部材30の取付構造であって、超硬合金部材30には、裏面31から取付面21側に向けて突出するように、ネジ孔34が穿設された連結部材33がろう付けされ、取付部20には、貫通孔23が穿設されるとともに、貫通孔23の取付面21とは反対側の開口部に貫通孔23よりも大径のワッシャ部材24を介して締結ボルト27が挿入され、締結ボルト27をネジ孔34に螺合することにより、超硬合金部材30が取付部20に取り付けられ、ワッシャ部材24は、締結ボルト27よりも熱膨張係数の大きな材料で形成されている。
【選択図】図2
【解決手段】概略板状をなす超硬合金部材30を保持部材10の取付面21に固定するための超硬合金部材30の取付構造であって、超硬合金部材30には、裏面31から取付面21側に向けて突出するように、ネジ孔34が穿設された連結部材33がろう付けされ、取付部20には、貫通孔23が穿設されるとともに、貫通孔23の取付面21とは反対側の開口部に貫通孔23よりも大径のワッシャ部材24を介して締結ボルト27が挿入され、締結ボルト27をネジ孔34に螺合することにより、超硬合金部材30が取付部20に取り付けられ、ワッシャ部材24は、締結ボルト27よりも熱膨張係数の大きな材料で形成されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、概略板状をなす超硬合金部材を保持部材の取付面に取り付けるためのものであり、より詳しくは、ダイ本体に設けられたスリットの開口端縁に超硬合金製のリップ部を取り付けることで構成され、加熱された溶融材料がスリットを通じてリップ部から吐出されるTダイに適した超硬合金部材の取付構造に関するものである。
概略板状をなす超硬合金部材を保持部材の取付面に取り付けることで構成されるものとしては、シート状部材の表面に塗布液を塗布して塗膜層を形成するスロットダイや加熱された溶融樹脂材料を吐出して樹脂フィルム類を溶融押し出しにより製造するTダイなどがある。これらスロットダイおよびTダイにおいては、2つの保持部材をその取付面が互いに対向するように並列させることによりスリットが画成されたダイ本体を構成し、このスリットの開口端縁の取付部にそれぞれ概略板状をなす超硬合金製のリップ部が取り付けられている。
従来、概略板状をなす超硬合金部材の取付構造としては、例えば特許文献1に記載されているように、保持部材の取付面に対向配置される超硬合金部材の裏面に、この裏面から前記取付面側に向けて突出するボス部を有する連結部材がろう付けされ、保持部材に設けられた収容部に連結部材が収容され、この連結部材のボス部に設けられたネジ孔に、取付面とは反対側から挿入された締結ボルトを締めこむことにより、超硬合金部材が保持部材に取り付けられて固定されるものが開示されている。
特許第2616033号公報
ところで、加熱された溶融材料がスリットを通じてリップ部から吐出されるTダイにおいては、リップ部や取付部は例えば500〜600Kといった高温になるため、前述の取付構造では、締結ボルトおよび連結部材に熱膨張による伸びが生じてネジ孔と締結ボルトとの螺合が緩み、リップ部(超硬合金部材)を強固に固定することができなくなるおそれがあった。この場合、リップ部の真直度を確保することが困難となり、このTダイによって製造される成形物の膜厚を均一に成形することができなくなってしまう。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、加熱された状態で使用された場合でも、超硬合金部材を強固に固定することが可能な超硬合金部材の取付構造、およびこの取付構造によって超硬合金製のリップ部が取り付けられ、使用時においてもリップ部の真直度を確保することが可能なTダイを提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明に係る超硬合金部材の取付構造は、概略板状をなす超硬合金部材を、保持部材に備えられた取付部の取付面に取り付けて固定するための超硬合金部材の取付構造であって、前記超硬合金部材には、前記取付面に対向配置される裏面に、該裏面から前記取付面側に向けて突出するように、突出方向に向けて延びるネジ孔が穿設された連結部材がろう付けされており、前記取付部には、貫通孔が前記取付面に開口して前記取付部を貫通するように穿設されるとともに、前記貫通孔の前記取付面とは反対側の開口部からは、前記貫通孔よりも大径のワッシャ部材を介して締結ボルトが挿入されており、前記締結ボルトを前記ネジ孔に螺合することにより、前記超硬合金部材が前記取付部に取り付けられる構成とされ、前記ワッシャ部材は、前記締結ボルトよりも熱膨張係数の大きな材料で形成されていることを特徴としている。
この構成の超硬合金部材の取付構造によれば、保持部材および超硬合金部材が加熱された場合、締結ボルトおよびワッシャ部材にはそれぞれ熱膨張によって伸びが生じるが、ワッシャ部材の熱膨張係数が締結ボルトよりも大きいので、ワッシャ部材の伸びが締結ボルトよりも大きくなる。ここで、ワッシャ部材は、その取付面側を向く面が貫通孔の開口部周縁に密着して固定されているため、締結ボルト側に向けて伸びることになり、締結ボルトは取付面から離間する方向に押圧されることになる。したがって、締結ボルトと連結部材のネジ孔との螺合が緩むことを防止できるとともに、超硬合金部材を取付面に密着するように引き込んで固定することができ、保持部材および超硬合金部材が加熱された場合でも超硬合金部材を強固に固定することができる。
ここで、前記ワッシャ部材を、前記連結部材よりも熱膨張係数の大きな材料で形成してもよい。
この場合、連結部材の伸びによってこの連結部材に螺合されている締結ボルトの位置も移動することになるが、ワッシャ部材の伸びが連結部材の伸びよりも大きいために、やはり、締結ボルトを取付面から離間する方向に押圧することになり、超硬合金部材を強固に固定することができる。
この場合、連結部材の伸びによってこの連結部材に螺合されている締結ボルトの位置も移動することになるが、ワッシャ部材の伸びが連結部材の伸びよりも大きいために、やはり、締結ボルトを取付面から離間する方向に押圧することになり、超硬合金部材を強固に固定することができる。
さらに、前記連結部材を、前記締結ボルトよりも熱膨張係数の大きな材料で形成してもよい。
この場合、熱膨張係数は、締結ボルト<連結部材<ワッシャ部材の順、あるいは、締結ボルト<ワッシャ部材<連結部材の順に大きくなり、加熱時の伸びもこの順に大きくなる。締結ボルトの伸びが連結部材よりも小さく、かつ、ワッシャ部材の伸びによって締結ボルトが取付面から離間する方向に移動するため、連結部材のネジ孔と締結ボルトとの間に隙間が生じることがなく、超硬合金部材をさらに強固に固定することができる。
この場合、熱膨張係数は、締結ボルト<連結部材<ワッシャ部材の順、あるいは、締結ボルト<ワッシャ部材<連結部材の順に大きくなり、加熱時の伸びもこの順に大きくなる。締結ボルトの伸びが連結部材よりも小さく、かつ、ワッシャ部材の伸びによって締結ボルトが取付面から離間する方向に移動するため、連結部材のネジ孔と締結ボルトとの間に隙間が生じることがなく、超硬合金部材をさらに強固に固定することができる。
また、前記取付部を、前記取付面と交差するとともに前記超硬合金部材の端面が当接される当接面を備えたものとし、前記連結部材の前記ネジ孔を、前記取付部に配置された状態において、前記取付面に対して直交、あるいは、前記取付面から離間するにしたがい漸次前記当接面に近づくように斜交するように設けて、前記ネジ孔の軸線と前記取付面に直交する基準線とのなす角度θを、0°≦θ≦45°の範囲内に設定してもよい。
この場合、前記連結部材の前記ネジ孔が、前記取付面に対して直交、あるいは、前記取付面から離間するにしたがい漸次前記当接面に近づくように斜交するように設けられており、前記角度θが、θ≧0°とされているので、このネジ孔に締結ボルトを螺合した際に超硬合金部材を当接面に密着した状態で固定することができ、超硬合金部材を強固に固定することができる。特に、θ>0°とした場合には、超硬合金部材は取付面に密着するように、かつ、当接面にも密着するように引き込まれて固定されることになり、超硬合金部材をより一層強固に固定することができる。また、前記角度θが、θ≦45°とされているので、超硬合金部材を取付面に密着させることができるとともに、連結部材および締結ボルトに大きな曲げ応力が負荷されるのを防止して連結部材および締結ボルトの変形を防止できる。
この場合、前記連結部材の前記ネジ孔が、前記取付面に対して直交、あるいは、前記取付面から離間するにしたがい漸次前記当接面に近づくように斜交するように設けられており、前記角度θが、θ≧0°とされているので、このネジ孔に締結ボルトを螺合した際に超硬合金部材を当接面に密着した状態で固定することができ、超硬合金部材を強固に固定することができる。特に、θ>0°とした場合には、超硬合金部材は取付面に密着するように、かつ、当接面にも密着するように引き込まれて固定されることになり、超硬合金部材をより一層強固に固定することができる。また、前記角度θが、θ≦45°とされているので、超硬合金部材を取付面に密着させることができるとともに、連結部材および締結ボルトに大きな曲げ応力が負荷されるのを防止して連結部材および締結ボルトの変形を防止できる。
また、本発明に係るTダイは、一対の前記保持部材が並列されてスリットが画成されたダイ本体と、このスリットの開口端縁に配設される前記超硬合金部材としてのリップ部とを備えたTダイであって、前記スリットの開口端縁に前記取付部が設けられ、前述の超硬合金部材の取付構造により、前記リップ部が前記ダイ本体に取り付けられていることを特徴としている。
この構成のTダイによれば、加熱された溶融材料がダイ本体のスリットを通ってリップ部から吐出することによりダイ本体およびリップ部が加熱された場合でも、リップ部がダイ本体に強固に固定され、リップ部の位置ずれを確実に防止できる。したがって、リップ部の真直度の低下を防止でき、このTダイによって製造される成形物の膜厚を均一にすることができる。
この構成のTダイによれば、加熱された溶融材料がダイ本体のスリットを通ってリップ部から吐出することによりダイ本体およびリップ部が加熱された場合でも、リップ部がダイ本体に強固に固定され、リップ部の位置ずれを確実に防止できる。したがって、リップ部の真直度の低下を防止でき、このTダイによって製造される成形物の膜厚を均一にすることができる。
本発明によれば、加熱された状態で使用された場合でも、超硬合金部材を強固に固定することが可能な超硬合金部材の取付構造、およびこの取付構造によって超硬合金製のリップ部が取り付けられ、使用時においてリップ部の真直度を確保することが可能なTダイを提供することができる。
本発明の実施形態について添付した図面を参照して説明する。図1および図2に、本発明の実施形態である超硬合金部材の取付構造を備えたTダイを示す。
このTダイ1は、鋼材等により形成されたダイ本体2と、超硬合金により形成されたリップ部30とを備えている。
このTダイ1は、鋼材等により形成されたダイ本体2と、超硬合金により形成されたリップ部30とを備えている。
ダイ本体2は、一対の保持部材10によって構成されている。保持部材10は、長手方向(図1および図2において紙面に直交する方向)に延びる概略板状をなし、対向配置される他の保持部材10側を向く内側面11と、内側面11とは反対側を向く外側面12とを備えている。
外側面12のうち保持部材10の先端側(図1において上側)部分は、先端側に向かうにしたがい漸次内側面11に向かうような傾斜面13とされている。この傾斜面13が設けられた部分、すなわち、保持部材10の先端部分に、リップ部30を取り付けるための取付部20が設けられている。また、この傾斜面13には、内側面11に向けて延びるガイド孔14が開口している。
外側面12のうち保持部材10の先端側(図1において上側)部分は、先端側に向かうにしたがい漸次内側面11に向かうような傾斜面13とされている。この傾斜面13が設けられた部分、すなわち、保持部材10の先端部分に、リップ部30を取り付けるための取付部20が設けられている。また、この傾斜面13には、内側面11に向けて延びるガイド孔14が開口している。
内側面11の後端側(図1において下側)部分は、対向配置される他の保持部材10と密着させられる密着面11Aとされている。この密着面11Aの先端側には、外側面12に向けて凹んだ凹溝11Bが、前記長手方向に沿うように設けられている。この凹溝11Bよりもさらに先端側には、密着面11Aよりも一段外側面12に向けて後退したスリット面11Cを介して、このスリット面11Cよりもさらに一段後退した取付面21が設けられている。これら密着面11A、スリット面11Cおよび取付面21は、互いに平行に配置されている。
また、取付面21とスリット面11Cとの段差部分には、取付面21に直交するとともに先端側を向く当接面22が形成されている。
また、取付面21とスリット面11Cとの段差部分には、取付面21に直交するとともに先端側を向く当接面22が形成されている。
取付部20には、前記取付面21に開口するとともに前記傾斜面13のガイド孔14に連通された貫通孔23が穿設されている。詳述すると、この貫通孔23は、取付面21に開口する座ぐり孔23Aと、座ぐり孔23Aよりも一段小径とされた摺動孔23Bとが連設されて構成されている。ここで、座ぐり孔23Aおよび摺動孔23B(貫通孔23)は取付面21に直交する方向に延びるように設けられており、前記ガイド孔14は、外側面12に向かうにしたがい漸次後端側に向けて後退するように、座ぐり孔23Aおよび摺動孔23B(貫通孔23)に対して僅かに傾斜させられている。座ぐり孔23Aおよび摺動孔23B(貫通孔23)の軸線と前記ガイド孔14の軸線とがなす角度は、0°〜45°の範囲内に設定されており、本実施形態では5°に設定されている。
ガイド孔14には、摺動孔23Bの内径よりも大径でガイド孔14の内径と略同一の外径とされたワッシャ部材24が配設されている。このワッシャ部材24の内周孔25は、前記ガイド孔14の軸線に沿って延びるように設けられており、外側面12を向く側の端面部分に座ぐり部26が設けられている。この内周孔25には、後述するリップ部30を固定するための締結ボルト27が挿通可能とされている。
このような保持部材10が、互いの密着面11Aを密着させて固定部材(図示なし)で固定されることでダイ本体2が構成される。
ダイ本体2の先端側には、密着面11Aよりも一段後退したスリット面11Cおよびこのスリット面11Cよりもさらに後退した取付面21とがそれぞれ対向配置されることで、前記長手方向に延びるスリット3が画成される。また、このスリット3の後端部分には、前記凹溝11B同士が対向配置されることで前記長手方向に延びるマニホールド4がスリット3と連通するように画成される。
ダイ本体2の先端側には、密着面11Aよりも一段後退したスリット面11Cおよびこのスリット面11Cよりもさらに後退した取付面21とがそれぞれ対向配置されることで、前記長手方向に延びるスリット3が画成される。また、このスリット3の後端部分には、前記凹溝11B同士が対向配置されることで前記長手方向に延びるマニホールド4がスリット3と連通するように画成される。
取付部20に取り付けられるリップ部30は、超硬合金からなり、前記長手方向に向けて延びる概略板状をなしている。このリップ部30を取付部20に取り付けた状態において、取付面21と対向配置されるリップ部30の裏面31に、この裏面31から前記取付面21側に向けて突出するように連結部材33がろう付けにより固定されている。
この連結部材33のろう付け面とは反対側を向く端面は、図1および図2に示すように、リップ部30の裏面31に対して傾斜するように切り欠かれており、この端面には、前記裏面31に直交する方向に対して僅かに傾斜する方向に延びるネジ孔34が穿設されている。
この連結部材33のろう付け面とは反対側を向く端面は、図1および図2に示すように、リップ部30の裏面31に対して傾斜するように切り欠かれており、この端面には、前記裏面31に直交する方向に対して僅かに傾斜する方向に延びるネジ孔34が穿設されている。
そして、ワッシャ部材24は、締結ボルト27および連結部材33よりも熱膨張係数の大きな材料で形成され、連結部材33は、締結ボルト27よりも熱膨張係数の大きな材料で構成されている。詳述すると、ワッシャ部材24は真ちゅう、締結ボルト27はチタン、連結部材33は鋼材(S45C)でそれぞれ形成されている。これらの材料の熱膨張係数は、温度293K、500K、800Kにおいて、熱膨張係数は、チタン(締結ボルト27)<S45C(連結部材33)<真ちゅう(ワッシャ部材24)の順に大きくなっている。
次に、取付部20にリップ部30を取り付ける手順について説明する。リップ部30を、その裏面31を取付面21に対向配置して裏面31から突出した連結部材33を貫通孔23に挿入するように配置する。すると、連結部材33の前記端面が貫通孔23を通じてガイド孔14へと露呈され、ネジ孔34の軸線Lと前記ガイド孔14の軸線方向と略一致するように配置される。ここで、取付面21に直交する基準線Sとネジ孔34の軸線Lとの交差角度θは、0°≦θ≦45°の範囲内となり、より具体的にはθ=5°とされる。
締結ボルト27が、ガイド孔14に配設されているワッシャ部材24を介して貫通孔23の前記取付面21とは反対側の開口部から挿入され、連結部材33のネジ孔34に螺合されることにより、リップ部30が取付部20に取り付けられて固定される。このとき、リップ部30の裏面31が取付面21に密着させられるとともに、前記裏面31と直交する後端面32が当接面22に当接される。
こうして、ダイ本体2のスリット3の開口端縁に超硬合金製のリップ部30が取り付けられることにより、Tダイ1が構成される。
こうして、ダイ本体2のスリット3の開口端縁に超硬合金製のリップ部30が取り付けられることにより、Tダイ1が構成される。
このように構成されたTダイ1は、供給口(図示なし)からマニホールド4へと加熱された溶融樹脂が供給され、溶融樹脂がマニホールド4に沿って前記長手方向に広がり、前記スリット3を介してリップ部30から吐出され、樹脂フィルム類を押し出し加工により成形するものである。
この構成のTダイ1によれば、加熱された溶融材料がダイ本体2のスリット3を通ってリップ部30から吐出することによってダイ本体2およびリップ部30が加熱された際に、締結ボルト27およびワッシャ部材24にそれぞれ熱膨張によって伸びが生じることになるが、ワッシャ部材24の熱膨張係数が締結ボルト27よりも大きいので、ワッシャ部材24の伸びによって締結ボルト27が取付面21から離間する方向に押圧されることになる。よって、締結ボルト27と連結部材33のネジ孔34との螺合が緩むことを防止できるとともに超硬合金部材を取付面21に密着するように引き込んで固定してリップ部30の位置ずれを確実に防止できるので、リップ部30の真直度の低下を防止でき、このTダイ1によって製造される樹脂フィルム類の膜厚を均一にすることができる。
また、ワッシャ部材24の熱膨張係数が連結部材33よりも大きく、かつ、連結部材33の熱膨張係数が締結ボルト27よりも大きくされているので、ワッシャ部材24の伸びが連結部材33の伸びよりも大きくなり、連結部材33の伸びによってこの連結部材33に螺合されている締結ボルト27の位置が移動しても締結ボルト27を取付面21から離間する方向に押圧することが可能となる。また、連結部材33のネジ孔34と締結ボルト27との間に隙間が生じることがなくなり、リップ部30をさらに強固に固定することができる。
また、本実施形態では、取付部20に、取付面21と直交する当接面22が設けられており、リップ部30の後端面32がこの当接面22に当接されられている。ここで、連結部材33のネジ孔34の軸線Lが、取付面21に直交する基準線Sとなす角度θが、0°≦θ≦45°の範囲内に、より具体的にはθ=5°となるように配置されているので、連結部材33がろう付けされたリップ部30は、締結ボルト27によってその裏面31が取付面21に密着するように、かつ、後端面32が当接面22に強く密着するようにして固定される。したがって、リップ部30をより強固に固定することができる。また、連結部材33に設けられたネジ孔34の軸線Lと取付面21に直交する基準線Sとの交差角度θがθ≦45°とされているので、連結部材33および締結ボルト27に大きな曲げ応力が負荷されることがなくなり、連結部材33および締結ボルト27の変形を防止できる。
以上、本発明の実施形態である超硬合金部材の取付構造を備えたTダイについて説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、加熱された溶融材料を吐出するTダイに取付構造を適用したものとして説明したが、これに限定されることはなく、塗布液を吐出するスロットダイに適用してもよい。
例えば、加熱された溶融材料を吐出するTダイに取付構造を適用したものとして説明したが、これに限定されることはなく、塗布液を吐出するスロットダイに適用してもよい。
また、締結ボルト、ワッシャ部材、連結部材を形成する材料は、本実施形態に記載したものに限定されることはなく、任意の材料を選択することができる。ただし、ワッシャ部材の熱膨張係数が締結ボルトよりも大きいものでなければならない。
さらに、密着面、スリット面及び取付面を互いに平行に配置したものとして説明したが、これに限定されることはなく、これら密着面、スリット面及び取付面を使用目的等に応じて任意に配置してもよい。
さらに、密着面、スリット面及び取付面を互いに平行に配置したものとして説明したが、これに限定されることはなく、これら密着面、スリット面及び取付面を使用目的等に応じて任意に配置してもよい。
1 Tダイ
2 ダイ本体
3 スリット
10 保持部材
20 取付部
21 取付面
23 貫通孔
24 ワッシャ部材
27 締結ボルト
30 リップ部(超硬合金部材)
31 裏面
33 連結部材
34 ネジ孔
2 ダイ本体
3 スリット
10 保持部材
20 取付部
21 取付面
23 貫通孔
24 ワッシャ部材
27 締結ボルト
30 リップ部(超硬合金部材)
31 裏面
33 連結部材
34 ネジ孔
Claims (5)
- 概略板状をなす超硬合金部材を、保持部材に備えられた取付部の取付面に取り付けて固定するための超硬合金部材の取付構造であって、
前記超硬合金部材には、前記取付面に対向配置される裏面に、該裏面から前記取付面側に向けて突出するように、突出方向に向けて延びるネジ孔が穿設された連結部材がろう付けされており、
前記取付部には、貫通孔が前記取付面に開口して前記取付部を貫通するように穿設されるとともに、前記貫通孔の前記取付面とは反対側の開口部からは、前記貫通孔よりも大径のワッシャ部材を介して締結ボルトが挿入されており、
前記締結ボルトを前記ネジ孔に螺合することにより、前記超硬合金部材が前記取付部に取り付けられる構成とされ、
前記ワッシャ部材は、前記締結ボルトよりも熱膨張係数の大きな材料で形成されていることを特徴とする超硬合金部材の取付構造。 - 前記ワッシャ部材は、前記連結部材よりも熱膨張係数の大きな材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の超硬合金部材の取付構造。
- 前記連結部材は、前記締結ボルトよりも熱膨張係数の大きな材料で形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超硬合金部材の取付構造。
- 前記取付部は、前記取付面と交差するとともに前記超硬合金部材の端面が当接される当接面を備えており、
前記連結部材の前記ネジ孔は、前記取付部に配置された状態において、前記取付面に対して直交、あるいは、前記取付面から離間するにしたがい漸次前記当接面に近づくように斜交するように設けられており、
前記ネジ孔の軸線と前記取付面に直交する基準線とのなす角度θが、0°≦θ≦45°の範囲内に設定されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の超硬合金部材の取付構造。 - 一対の前記保持部材が並列されてスリットが画成されたダイ本体と、このスリットの開口端縁に配設される前記超硬合金部材としてのリップ部とを備えたTダイであって、
前記スリットの開口端縁に前記取付部が設けられ、請求項1から請求項4のいずれかに記載の超硬合金部材の取付構造により、前記リップ部が前記ダイ本体に取り付けられていることを特徴とするTダイ。
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