JP5783112B2 - 塗布工具 - Google Patents

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Description

本発明は、シート状部材やパネル状部材などの被塗布物の表面に、塗布液を塗布する際に使用される塗布工具に関する。
従来、この種の塗布工具として、例えば下記特許文献1に示されるような、一対のヘッド部材から構成される塗布ヘッドを有し、一対のヘッド部材の互いに間隔をあけて対向する内側面同士の間に、前記塗布ヘッドの先端に開口して該塗布ヘッドの長手方向に延びる溝状のスロットが画成され、塗布液が前記スロット内を流通して前記塗布ヘッドの先端から吐出されるものが知られている。
この塗布工具は、塗布ヘッドの先端を被塗布物に対向配置させるとともに、塗布ヘッドの長手方向(スロットの長手方向)を被塗布物の幅方向に一致させるようにして塗布装置に装着される。
そして、塗布液タンクから供給ポンプによって塗布ヘッドのポケット内に供給された塗布液が、スロット内を流通して塗布ヘッドの先端から吐出されることにより、この塗布ヘッドの先端に対して相対的に移動する被塗布物の表面に塗布液が塗布されるようになっている。
また、近年では、塗布工具のヘッド部材の先端に、超硬合金からなるエッジ部材をろう付けにより配設して、スロットを形成することが行われている。すなわち、高硬度、高剛性の超硬合金によって塗布液を塗布するエッジ(刃先)部分を形成することにより、このエッジの耐摩耗性や真直度などの精度を高めると同時に、該エッジをシャープに形成して塗布液の液離れ性を向上させ、均一な層厚でより薄い層を塗布できるようにしている。
特開2004−66016号公報
しかしながら、前述した従来の塗布工具においては、前記エッジ部材が、ヘッド部材のエッジ支持体に対してろう付けにより取り付けられているために、塗布精度を確保することが難しかった。
すなわち、超硬合金からなるエッジ部材と、ステンレス鋼等の鋼材からなるエッジ支持体との互いの熱膨張係数の違いから、ろう付け時にはエッジ部材がエッジ支持体先端に真っ直ぐに取り付けられていたとしても、当該塗布工具の使用時においては、エッジ部材にその長手方向(被塗布物においては幅方向)に沿って反りや曲がりが生じてしまい、これによって被塗布物に塗布される塗布物の層厚が不均一になることがあった。
このため、上記特許文献1では、エッジ部材とエッジ支持体とを直接ろう付けすることなく、該エッジ部材にクランプ駒をろう付け又は接着により設けるとともに、該クランプ駒にエッジ支持体を挿通するクランプネジを螺着して、エッジ支持体にエッジ部材を取り付けている。
しかしながら、エッジ部材とクランプ駒とをろう付けで接合した場合には、ろう付け領域を低減しているとはいえ、やはりエッジ部材に変形が生じる可能性があり、またエッジ部材とクランプ駒とを接着剤で接着した場合には、前述のような変形を防止できるとはいえ、クランプネジの締め付け具合や経時的な変質などにより当該接着部分に剥離が生じる可能性がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、エッジ部材とエッジ支持体との取り付け剛性を十分に確保しつつも、該エッジ部材の変形を防止でき、塗布精度を安定して高めることができる塗布工具を提供することを目的としている。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明は、複数のヘッド部材から構成される塗布ヘッドを有し、これらヘッド部材の互いに間隔をあけて対向する内側面同士の間に、前記塗布ヘッドの先端に開口して該塗布ヘッドの長手方向に延びる溝状のスロットが画成され、塗布液が前記スロット内を流通して前記塗布ヘッドの先端から吐出される塗布工具であって、前記ヘッド部材は、超硬合金からなり、前記スロットを形成するエッジ部材と、前記エッジ部材が先端に取り付けられるとともに、該エッジ部材の少なくとも前記内側面とは反対側を向く外側面を支持するエッジ支持体と、前記エッジ部材を前記エッジ支持体に取り付ける取付部材と、を備え、前記エッジ部材の前記外側面には、前記長手方向に延びる溝部が形成され、前記溝部の溝幅は、その開口部よりも底部が大きくされており、前記取付部材は、前記長手方向に延び、前記溝部に係合されることにより、前記エッジ部材に対して該溝部の底部から開口部側へ向けた移動が規制される係合部と、前記係合部に設けられ、前記エッジ支持体を挿通するネジ部材が螺着されるとともに、このネジ部材をねじ回すことで該係合部を前記溝部の底部から開口部側へ引き込み可能な螺着部と、を備えることを特徴とする。
本発明の塗布工具によれば、ヘッド部材においてスロットを形成するエッジ部材が、超硬合金からなるので、このような高硬度、高剛性の超硬合金によって塗布液を塗布するエッジ(刃先)部分を形成することにより、このエッジの耐摩耗性や真直度などの精度が高められると同時に、該エッジをシャープに形成して塗布液の液離れ性を向上でき、均一な層厚でより薄い層を被塗布物に塗布可能である。
そして、このエッジ部材において、スロットを画成する内側面とは反対側を向く外側面には、溝部が形成されており、この溝部には、取付部材の係合部が係合されるようになっている。溝部に係合部が係合されることによって、エッジ部材に対して、取付部材が溝部の底部から開口部側(つまり内側面から外側面へ向かう方向)へ移動することが規制され、さらに当該取付部材の螺着部に、エッジ支持体を挿通してネジ部材が螺着されることで、係合部が前記開口部側へ引き込まれるとともに、エッジ部材がエッジ支持体に強固に取り付けられる。
すなわち、本発明では、例えば従来のようにエッジ部材とエッジ支持体とを直接ろう付けしたり、該エッジ部材にクランプ駒等をろう付けしたりする必要はなく、よってエッジ部材に熱応力による負荷が生じないので、該エッジ部材の反りや曲がり等の変形を効果的に防止できる。つまり、ろう付けを用いるようなことなく、前述した係合によって、エッジ支持体に対するエッジ部材の取り付け剛性を確保できるのである。
そして、これら溝部と係合部との係合については、ネジ部材を緩めることで容易に解除できるから、例えば、エッジ(刃先)の再研磨等によりエッジ部材が寿命となったときに、該エッジ部材を簡単に新しいものに交換することができる。またこの際、エッジ部材のみを交換すればよく、エッジ支持体、取付部材及びネジ部材などはそのまま使用可能であるから、設備費用が削減される。
このように、本発明によれば、エッジ部材とエッジ支持体との取り付け剛性を十分に確保しつつも、該エッジ部材の変形を防止でき、塗布精度を安定して高めることができるのである。
また、本発明の塗布工具において、前記溝部と前記係合部とが互いに当接する当接面同士は、接着剤により接着されていることとしてもよい。
この場合、溝部と係合部とは、互いの当接面同士が接着剤で接着されているので、前述した溝部と係合部との係合によって規制される相対移動とは異なる向きへの相対移動(例えば、溝部と係合部との前記長手方向に沿うスライド移動など)も確実に規制されることになり、エッジ支持体に対するエッジ部材の取り付け剛性がより高められている。
また、このように溝部と係合部の当接面同士が接着されていることで、エッジ部材と取付部材とが一体化されて該エッジ部材の剛性が高められることになり、さらにエッジ部材の変形が抑制されている。そして、取付部材の螺着部に対してネジ部材をねじ込んでいく(係合部を溝部の開口部側へ引き込んでいく)にあたっては、これら当接面同士はより強く互いに押し付けられることになるため、これら当接面同士の接着部分に剥離が生じるおそれはない。
また、溝部と係合部との接着については、例えば接着剤の接着強度の設定や溶剤等により容易に解除(取り外し)可能であるから、前述のようにエッジ部材を交換することが可能である。
また、本発明の塗布工具において、前記溝部と前記係合部とが互いに当接する当接面同士のうち、前記溝部の当接面は、該溝部の溝幅方向に対向して一対形成されており、前記溝部における一対の当接面同士は、前記溝部の底部から開口部側へ向かうに従い漸次互いの距離を接近させるように傾斜して形成されていることとしてもよい。
また、本発明の塗布工具において、前記係合部の当接面は、前記溝幅方向に背向して一対形成されており、前記係合部における一対の当接面同士は、前記溝部の当接面の傾斜形状に対応して、前記溝部の底部から開口部側へ向かうに従い漸次互いの距離を接近させるように傾斜して形成されていることとしてもよい。
この場合、溝部の当接面及び係合部の当接面の形成が容易である。また、溝部と係合部との当接面同士の密着性、ひいては接着面積を確保しやすくなり、これらの接着強度がより高められる。
また、本発明の塗布工具において、前記溝部の底部と前記係合部との間には、空間が設けられているとともに、前記溝部と前記係合部との係合による固定前の状態において、前記溝部に対する前記係合部の少なくとも前記長手方向へ向けた移動が許容されていることとしてもよい。
この場合、溝部に係合部が係合された固定状態で、該溝部の底部と係合部との間に空間が設けられているので、この空間を利用して、これら溝部及び係合部の固定前の状態(溝部内に係合部が配設されつつも、これらが互いに固定されていない状態)において、溝部に対する係合部の前記長手方向に沿うスライド移動等が簡単に行える。従って、溝部内の所定位置に係合部を容易に取り付けることができる。
本発明の塗布工具によれば、エッジ部材とエッジ支持体との取り付け剛性を十分に確保しつつも、該エッジ部材の変形を防止でき、塗布精度を安定して高めることができる。
本発明の一実施形態に係る塗布工具の要部を示す断面図である。 図1の塗布工具のエッジ部材と取付部材との係合を説明する(a)側面図、(b)下面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る塗布工具1について、図面を参照して説明する。
図1に示されるように、本実施形態の塗布工具1は、例えば可撓性を有するシート状部材やパネル状部材などの被塗布物Sの表面に、塗布液を所定の層厚となるように塗布するものである。
塗布工具1は、複数のヘッド部材2から構成される塗布ヘッド3を有し、これらヘッド部材2の互いに間隔をあけて対向する内側面4同士の間に、塗布ヘッド3の先端に開口して該塗布ヘッド3の長手方向に延びる溝状のスロット5が画成され、塗布液がスロット5内を流通して塗布ヘッド3の先端から吐出されるようになっている。
塗布工具1は、塗布ヘッド3の先端を被塗布物Sに対向配置させるとともに、塗布ヘッド3の長手方向(スロット5の長手方向)を被塗布物Sの幅方向に一致させるようにして不図示の塗布装置に装着される。そして、塗布液タンクから供給ポンプによって塗布ヘッド3のポケット内に供給された塗布液は、スロット5内を流通して塗布ヘッド3の先端から吐出されることにより、この塗布ヘッド3の先端に対して図中の移動方向Aに移動する被塗布物Sの表面に、塗布液が塗布される。
尚、本明細書では、塗布ヘッド3から被塗布物Sへ向けて塗布液が吐出される向き(図1における下側)を先端側といい、前記先端側とは反対へ向かう方向(図1における上側)を基端側という。また、前記長手方向とは、図1の紙面に垂直な方向である。
具体的に、図1において、被塗布物Sは、帯状をなして連続的に送り出されつつ移動方向Aに移動しており、塗布工具1は、この被塗布物Sの幅方向(図1の紙面に垂直な方向)に延びる長尺の塗布ヘッド3が、その先端部を下向きにして該被塗布物Sに対向するようにこの被塗布物S上に配置されており、この塗布ヘッド3は一対のヘッド部材2(2A、2B)が間に幅狭スリット状のスロット5をあけて移動方向Aに隣接するように配設されて構成されている。
尚、例えば特開2004−66016号公報の図2及び図3に示されるように、本実施形態の塗布ヘッド3は、移動方向Aに隣接する3つ以上のヘッド部材2から構成されるとともに、これらヘッド部材2同士の間にそれぞれスロット5が形成されていて、被塗布物Sの表面に塗布液が複数の層をなすように同時に塗布可能な構成とされていてもよい。
ヘッド部材2は、超硬合金からなり、スロット5を形成するエッジ部材6と、エッジ部材6が先端に取り付けられるとともに、該エッジ部材6の少なくとも内側面4とは反対側を向く外側面7を支持するエッジ支持体8と、エッジ部材6をエッジ支持体8に取り付ける取付部材9と、を備えている。
エッジ部材6は、矩形板状をなしており、ヘッド部材2A、2Bの先端部に互いに対向してそれぞれ配設されている。ヘッド部材2A、2Bに装着されたエッジ部材6は、前記長手方向に延びているとともに、その厚さ方向が移動方向Aに沿うように配置されている。エッジ部材6の先端部は、ヘッド部材2A、2Bから先端側に向けて突出しており、その先端面10が被塗布物Sの上面に所定の間隔をあけて対向配置されている。
また、ヘッド部材2A、2Bのエッジ部材6同士は、互いに対向する内側面11(4)間に前記厚さ方向に所定の隙間をあけてスロット5を画成しているとともに、これらエッジ部材6の隣り合う先端面10同士の間で前記隙間が先端側に向けて開口されることにより、スロット5は先端側に開口された溝状となっている。
エッジ部材6の外側面7には、前記長手方向に延びる溝部12が形成されている。
図2(a)(b)に示されるように、溝部12は、エッジ部材6の前記長手方向に沿う全長に亘って形成されているとともに、該長手方向の両端面及び外側面7にそれぞれ開口されている。
図1において、溝部12は、該溝部12の溝幅方向(図1における上下方向)に間隔をあけて対向する一対の内壁13と、これら内壁13同士を溝部12の底部側で繋ぐ底壁14と、を備えている。溝部12の溝幅は、その外側面7側に位置する開口部よりも、底壁14側の底部が大きくされている。溝部12の内壁13は、取付部材9の後述する係合部22の外壁25に当接される、溝部12の当接面となっている。
溝部12における一対の内壁13同士は、該溝部12の底部から開口部側へ向かうに従い漸次互いの距離を接近させるように傾斜して形成されている。具体的に、図1に示される縦断面視において、一対の内壁13のうち、基端側に位置する内壁13は、その隣接する底壁14から離間するに従い漸次先端側に向かって傾斜している。また、一対の内壁13のうち、先端側に位置する内壁13は、その隣接する底壁14から離間するに従い漸次基端側に向かって傾斜している。また、底壁14は、外側面7に平行な面とされている。
エッジ支持体8は、ステンレス鋼等の鋼材からなり、直方体状又は矩形板状をなしている。ヘッド部材2A、2Bのエッジ支持体8同士は、移動方向Aに隣接して対向配置されており、前記長手方向に沿ってそれぞれ延びている。
エッジ支持体8の先端部には、矩形穴状に切り欠かれて先端側及び内側面4側に開口する凹部15が形成されており、該凹部15には、エッジ部材6が配設される。エッジ支持体8の凹部15において、移動方向A(又はその反対側)を向く側面16は、該凹部15に取り付けられるエッジ部材6の外側面7に当接される。また、エッジ支持体8の凹部15において、先端側を向く壁面17は、該凹部15に取り付けられるエッジ部材6の基端面18に当接される。図示の例では、側面16と壁面17との繋ぎ部分に、凹状のぬすみ部が形成されている。
エッジ支持体8において、凹部15より基端側に位置してスロット5を画成する内側面19と、エッジ部材6の内側面11とは、互いに面一とされている。これら内側面19及び11が平滑に連なっていることで、ヘッド部材2の内側面4が平坦に形成されている。
また、凹部15の側面16において、エッジ部材6の溝部12に対応する位置には、取付孔20が開口されている。取付孔20は、取付部材9の後述する螺着部23に対応して、エッジ支持体8に前記長手方向に間隔をあけて複数穿設されているとともに、該エッジ支持体8を移動方向Aに貫通して形成されている。
取付孔20において、該取付孔20が穿設される向き(移動方向A)に沿う中央部は、他の部位よりも小径とされた小径部21となっている。取付孔20において、小径部21よりエッジ部材6側に位置する部位は、少なくとも取付部材9の後述する係合部22を収容可能に前記長手方向に溝状に延びて形成されているとともに、隣り合う他の取付孔20に連通している。
取付部材9は鋼材等からなり、矩形板状をなして前記長手方向に延びる係合部22と、該係合部22の厚さ方向を向く両面のうち、エッジ部材6とは反対側を向く一面に前記長手方向に間隔をあけてろう付けや溶接、ねじ止め及び接着等により配設される複数の螺着部23とを備えている。
係合部22は、エッジ部材6の溝部12に係合可能であり、この溝部12に係合されることによって、該エッジ部材6に対して溝部12の底部から開口部側へ向けた移動が規制されるようになっている。
また、係合部22の厚さ方向を向く両面のうち、エッジ部材6とは反対側を向く一面は、エッジ部材6側を向く他面よりも幅(溝部12の溝幅方向に沿う長さ)が小さくされている。またこれにより、係合部22の前記一面と前記他面とを繋ぎ前記溝幅方向に背向される(背中合わせに配置される)一対の外壁25同士は、前記他面から前記一面側へ向かうに従い漸次互いの距離を接近させるように傾斜して形成されている。
係合部22の外壁25は、溝部12の内壁(当接面)13に当接される係合部22の当接面となっている。具体的に、係合部22における一対の外壁25は、溝部12における一対の内壁13の傾斜形状にそれぞれ対応して形成されており、該係合部22が溝部12に係合された状態で、これら外壁25同士は、溝部12の底部から開口部側へ向かうに従い漸次互いの距離を接近させている。
そして、溝部12と係合部22とが互いに当接する当接面同士、すなわち溝部12及び係合部22において互いに当接される内壁13と外壁25とは、接着剤により接着されている。これら当接面13、25同士を接着する接着剤としては、例えば、嫌気性接着剤やエポキシ系接着剤等が挙げられる。
尚、これら当接面13、25同士を接着する際においては、エッジ部材6及び係合部22ひいては取付部材9の温度、並びに好ましくは当該接着剤の温度を、塗布ヘッド3の使用温度、すなわち被塗布物Sへの薄層の形成時にスロット5を通って吐出される塗布液の温度にまで昇温させた状態で、接着を行うことが望ましい。
また、このように係合部22が溝部12内に係合された状態(図1に示されるように、溝部12と係合部22とが係合により固定された状態)で、該係合部22の前記他面(溝部12の底壁14側を向く面)と、溝部12の底部すなわち底壁14との間には、若干の空間が設けられている。
また、螺着部23は、円筒状をなしており、その内周面には雌ネジ加工が施されて、雌ネジ部が形成されている。螺着部23は、係合部22に一体に設けられており、エッジ支持体8の取付孔20に挿通されたネジ部材24がその前記雌ネジ部に螺着されるとともに、このネジ部材24をねじ回す(ねじ込む)ことで、該係合部22を溝部12の底部から開口部側へ引き込み可能とされている。また図示の例では、前記雌ネジ部は、螺着部23のみならず係合部22にまで穿設されているとともに、これら螺着部23及び係合部22を貫通して形成されている。従って、図示の例ではネジ部材24の先端が螺着部23内に位置しているが、この代わりに、該先端が係合部22内に位置していてもよく、この場合、係合部22と螺着部23とがたとえ接着されているのみであっても、これらがより強固に一体化されて、取付部材9全体の剛性が高められることになる。
ネジ部材24は、例えばクランプネジ等からなり、その螺着部23に螺着される端部とは反対側の端部が、取付孔20の小径部21よりも大径の頭部とされている。図示の例では、ネジ部材24はその頭部も含めて、取付孔20内に収容されている。
以上説明した本実施形態の塗布工具1によれば、ヘッド部材2においてスロット5を形成するエッジ部材6が、超硬合金からなるので、このような高硬度、高剛性の超硬合金によって塗布液を塗布するエッジ(刃先)部分を形成することにより、このエッジの耐摩耗性や真直度などの精度が高められると同時に、該エッジをシャープに形成して塗布液の液離れ性を向上でき、均一な層厚でより薄い層を被塗布物Sに塗布可能である。
そして、このエッジ部材6において、スロット5を画成する内側面11(4)とは反対側を向く外側面7には、溝部12が形成されており、この溝部12には、取付部材9の係合部22が係合されるようになっている。溝部12に係合部22が係合されることによって、エッジ部材6に対して、取付部材9が溝部12の底部から開口部側(つまり内側面11から外側面7へ向かう方向)へ移動することが規制され、さらに当該取付部材9の螺着部23に、エッジ支持体8を挿通してネジ部材24が螺着されることで、係合部22が前記開口部側へ引き込まれるとともに、エッジ部材6がエッジ支持体8に強固に取り付けられる。
すなわち、本実施形態では、例えば従来のようにエッジ部材とエッジ支持体とを直接ろう付けしたり、該エッジ部材にクランプ駒等をろう付けしたりする必要はなく、よってエッジ部材6に熱応力による負荷が生じないので、該エッジ部材6の反りや曲がり等の変形を効果的に防止できる。つまり、ろう付けを用いるようなことなく、前述した係合によって、エッジ支持体8に対するエッジ部材6の取り付け剛性を確保できるのである。
そして、これら溝部12と係合部22との係合については、ネジ部材24を緩めることで容易に解除できるから、例えば、エッジ(刃先)の再研磨等によりエッジ部材6が寿命となったときに、該エッジ部材6を簡単に新しいものに交換することができる。またこの際、エッジ部材6のみを交換すればよく、エッジ支持体8、取付部材9及びネジ部材24などはそのまま使用可能であるから、設備費用が削減される。
このように、本実施形態によれば、エッジ部材6とエッジ支持体8との取り付け剛性を十分に確保しつつも、該エッジ部材6の変形を防止でき、塗布精度を安定して高めることができるのである。
さらに、溝部12と係合部22とは、互いの当接面13、25同士が接着剤で接着されているので、前述した溝部12と係合部22との係合によって規制される相対移動とは異なる向きへの相対移動(例えば、溝部12と係合部22との前記長手方向に沿うスライド移動など)も確実に規制されることになり、エッジ支持体8に対するエッジ部材6の取り付け剛性がより高められている。
また、このように溝部12と係合部22の当接面13、25同士が接着されていることで、エッジ部材6と取付部材9とが一体化されて該エッジ部材6の剛性が高められることになり、さらにエッジ部材6の変形が抑制されている。そして、取付部材9の螺着部23に対してネジ部材24をねじ込んでいく(係合部22を溝部12の開口部側へ引き込んでいく)にあたっては、これら当接面13、25同士はより強く互いに押し付けられることになるため、これら当接面13、25同士の接着部分に剥離が生じるおそれはない。
また、溝部12と係合部22との接着については、例えば接着剤の接着強度の設定や溶剤等により容易に解除(取り外し)可能であるから、前述のようにエッジ部材6を交換することが可能である。
また、溝部12及び係合部22において互いに当接される当接面13と当接面25のうち、溝部12における一対の当接面13同士は、該溝部12の底部から開口部側へ向かうに従い漸次互いの距離を接近させるように傾斜して形成されており、係合部22における一対の当接面25同士は、溝部12の当接面13の傾斜形状に対応して、該溝部12の底部から開口部側へ向かうに従い漸次互いの距離を接近させるように傾斜して形成されているので、下記の効果を奏する。
すなわち、この場合、例えば後述するようにこれら当接面13、25を多段状に形成する場合に比べて、溝部12の当接面13及び係合部22の当接面25の形成が容易である。すなわち、これら当接面13、25が図1に示されるような傾斜面とされていることで、該当接面13、25を加工する工程を少なくでき、また、特に溝部12の当接面13を加工する際においても特殊な切削工具等を必要としない。また、溝部12と係合部22との当接面13、25同士の密着性、ひいては接着面積を確保しやすくなり、これらの接着強度がより高められる。
また、溝部12に係合部22が係合された固定状態で、該溝部12の底部と係合部22との間に空間が設けられているので、この空間を利用して、これら溝部12及び係合部22の固定前の状態(溝部12内に係合部22が配設されつつも、これらが互いに固定されていない状態)において、溝部12に対する係合部22の前記長手方向に沿うスライド移動等が簡単に行える。従って、溝部12内の所定位置に係合部22を容易に取り付ることができる。
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、取付部材9は、係合部22に螺着部23がろう付けや溶接、ねじ止め及び接着等により設けられることとしたが、これら係合部22及び螺着部23が一体に形成されていてもよい。
また、前述の実施形態では、溝部12の当接面13と係合部22の当接面25とが、接着剤により接着されていることとしたが、これに限定されるものではなく、例えばこれらが接着されておらず、ネジ部材24の引き込みのみによって溝部12に係合部22が強固に係合されて固定されていることとしても構わない。ただし、当接面13、25同士が接着されていることで、前述したように溝部12に対する係合部22の前記長手方向に沿うスライド移動などが確実に規制されることになり、エッジ支持体8に対するエッジ部材6の取り付け剛性がより高められるとともに、エッジ部材6と取付部材9とが一体化されて該エッジ部材6の剛性が高められ、エッジ部材6の変形が効果的に抑制されることから、好ましい。
また、前述の実施形態では、溝部12及び係合部22の当接面13、25が、ともに傾斜面であることとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、これら当接面13、25が、互いに対応する多段状に形成されたり、曲面状に形成されたりして係合する形状とされていてもよい。この場合も、溝部12は、その底部が開口部よりも溝幅が大きくなるように形成される。
1 塗布工具
2(2A、2B) ヘッド部材
3 塗布ヘッド
4 内側面
5 スロット
6 エッジ部材
7 外側面
8 エッジ支持体
9 取付部材
11 エッジ部材の内側面
12 溝部
13 内壁(溝部の当接面)
14 底壁(溝部の底部)
19 エッジ支持体の内側面
22 係合部
23 螺着部
24 ネジ部材
25 外壁(係合部の当接面)

Claims (5)

  1. 複数のヘッド部材から構成される塗布ヘッドを有し、これらヘッド部材の互いに間隔をあけて対向する内側面同士の間に、前記塗布ヘッドの先端に開口して該塗布ヘッドの長手方向に延びる溝状のスロットが画成され、塗布液が前記スロット内を流通して前記塗布ヘッドの先端から吐出される塗布工具であって、
    前記ヘッド部材は、
    超硬合金からなり、前記スロットを形成するエッジ部材と、
    前記エッジ部材が先端に取り付けられるとともに、該エッジ部材の少なくとも前記内側面とは反対側を向く外側面を支持するエッジ支持体と、
    前記エッジ部材を前記エッジ支持体に取り付ける取付部材と、を備え、
    前記エッジ部材の前記外側面には、前記長手方向に延びる溝部が形成され、前記溝部の溝幅は、その開口部よりも底部が大きくされており、
    前記取付部材は、
    前記長手方向に延び、前記溝部に係合されることにより、前記エッジ部材に対して該溝部の底部から開口部側へ向けた移動が規制される係合部と、
    前記係合部に設けられ、前記エッジ支持体を挿通するネジ部材が螺着されるとともに、このネジ部材をねじ回すことで該係合部を前記溝部の底部から開口部側へ引き込み可能な螺着部と、を備えることを特徴とする塗布工具。
  2. 請求項1に記載の塗布工具であって、
    前記溝部と前記係合部とが互いに当接する当接面同士は、接着剤により接着されていることを特徴とする塗布工具。
  3. 請求項1又は2に記載の塗布工具であって、
    前記溝部と前記係合部とが互いに当接する当接面同士のうち、前記溝部の当接面は、該溝部の溝幅方向に対向して一対形成されており、
    前記溝部における一対の当接面同士は、前記溝部の底部から開口部側へ向かうに従い漸次互いの距離を接近させるように傾斜して形成されていることを特徴とする塗布工具。
  4. 請求項3に記載の塗布工具であって、
    前記係合部の当接面は、前記溝幅方向に背向して一対形成されており、
    前記係合部における一対の当接面同士は、前記溝部の当接面の傾斜形状に対応して、前記溝部の底部から開口部側へ向かうに従い漸次互いの距離を接近させるように傾斜して形成されていることを特徴とする塗布工具。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の塗布工具であって、
    前記溝部の底部と前記係合部との間には、空間が設けられているとともに、前記溝部と前記係合部との係合による固定前の状態において、前記溝部に対する前記係合部の少なくとも前記長手方向へ向けた移動が許容されていることを特徴とする塗布工具。
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