JP2010099816A - 切削インサート - Google Patents

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Abstract

【課題】切屑を充分に丸めて容易に分断させることができ、円滑かつ確実に切屑処理を行えるとともに、寿命を延長できる切削インサートを提供する。
【解決手段】軸状をなすインサート本体1の長手方向の端部に切刃部2が形成され、切刃部2には、長手方向に沿って延びる一対の横切刃3と、これらの横切刃3の先端同士の間に配されて長手方向に直交する幅方向に延びる正面切刃4とを有するとともに、長手方向及び幅方向に直交する厚さ方向を向く四角形状のすくい面6が形成され、すくい面6の幅方向の両端部分には、長手方向に沿ってインサート本体1の内側から外側へ向かうに連れ漸次厚さ方向に後退する傾斜面14が夫々形成され、すくい面6の傾斜面14同士の間には、これらの傾斜面14よりも厚さ方向に後退する凹部12が形成され、傾斜面14の幅方向に沿った内側部分には、長手方向に向けて延びる直線状の稜部14Aが夫々形成されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、旋削加工において被削材の溝入れ加工や突っ切り加工に用いられる切削インサートに関する。
従来、被削材の溝入れ加工や突っ切り加工に使用される軸状の切削インサートとしては、例えば特許文献1〜3に開示されたものが知られている。
このような切削インサートは、その長手方向の端部に切刃部が形成されている。切刃部は、前記長手方向に沿って延びる一対の横切刃と、これらの横切刃の先端同士の間に配されて前記長手方向に直交する幅方向に延びる正面切刃とを有している。また、切刃部には、これらの横切刃及び正面切刃を辺稜部に備え、前記長手方向及び前記幅方向に直交する厚さ方向を向く四角形状のすくい面が形成される。
一般に、正面切刃は、前記幅方向に沿った中央部分が両端部分よりも窪んで形成されている。また、すくい面には、この正面切刃から前記長手方向に連なるとともに、前記幅方向に沿って窪む凹部が形成されている。このような構成により、正面切刃を用いて被削材を切り込んでいく際、切削部位から生じる略帯状の切屑が、正面切刃及びすくい面の形状に対応して、その前記幅方向の中央部分を両端部分よりも窪ませるように曲げられて、丸められる。このように切屑が丸められると、切屑は、外力を受けて分断されやすくなる。
特許第3391787号公報 特表2006−502874号公報 特許第3803549号公報
しかしながら、このような切削インサートにおいては、未だ切屑の分断が確実に行われているとは言えない。すなわち、切屑が、前記幅方向の中央部分を両端部分よりも窪ませるように曲げられてはいるものの、外力を受けて容易に分断されるほど充分には曲げられておらず、分断されなかった切屑が、切屑詰まりを生じたり被削材の切削部位に損傷を与えたりして、切削加工に影響を与えることがあった。
また、切屑を充分に曲げるため、例えば、すくい面の前記幅方向の両端部分に、角錐状や円錐状の突起部を夫々形成して、これらの突起部に切屑を当てて丸める手法も考えられるが、このような突起部には切屑が精度よく当たらなかったり、突起部が切屑の接触により早期に磨耗したりするという課題が生じる。従って、精度の高い切削加工を安定して行うことができず、また、切削インサートの寿命を確保することが難しかった。
また、特に、切削インサートを前記長手方向に高送りする場合には、切屑が比較的厚く形成されることから、前記幅方向に丸まりにくくなり、切屑を確実に分断することが難しかった。
本発明は、このような事状に鑑みてなされたものであって、切屑を充分に丸めて容易に分断させることができ、円滑かつ確実に切屑処理を行えるとともに、寿命を延長できる切削インサートを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明に係る切削インサートは、軸状をなすインサート本体の長手方向の端部に切刃部が形成され、前記切刃部には、前記長手方向に沿って延びる一対の横切刃と、これらの横切刃の先端同士の間に配されて前記長手方向に直交する幅方向に延びる正面切刃とを有するとともに、前記長手方向及び前記幅方向に直交する厚さ方向を向く四角形状のすくい面が形成され、前記すくい面の前記幅方向の両端部分には、前記長手方向に沿って前記インサート本体の内側から外側へ向かうに連れ漸次前記厚さ方向に後退する傾斜面が夫々形成され、前記すくい面の前記傾斜面同士の間には、これらの傾斜面よりも前記厚さ方向に後退する凹部が形成され、前記傾斜面の前記幅方向に沿った内側部分には、前記長手方向に向けて延びる直線状の稜部が夫々形成されていることを特徴とする。
本発明に係る切削インサートによれば、切削加工を行う際、正面切刃で削られて生じる略帯状の切屑が、その前記幅方向の両端部分を稜部に確実に摺接させつつ曲げられて、充分に丸められる。すなわち、傾斜面が、前記長手方向に沿ってインサート本体の内側から外側へ向かうに連れ漸次前記厚さ方向に後退して形成されているので、切屑は、前記長手方向に沿ってインサート本体の外側から内側へ向けて流出していく際に、傾斜面に確実に当接させられる。ここで、傾斜面に形成された稜部は、前記長手方向に向けて直線状に形成されているので、切屑が接触する部位を充分に長く確保できることから、切屑は、稜部に確実に摺接するとともに、その前記幅方向の断面形状を略直線状から前記幅方向の中央部分を窪ませた略円弧状へと変化させるように曲げられていき、充分に丸められる。このように切屑が丸められると、切屑は外力を受けて容易に分断されやすくなることから、円滑かつ確実な切屑処理を行うことが可能となる。
また、一般に、インサート本体を前記長手方向に高送りする場合には、切屑が比較的厚く形成されることから、前記幅方向に丸まりにくいことが知られているが、本発明によれば、切屑が稜部に確実に当たって、分断しやすくされている。従って、インサート本体の被削材に対する送り速度に係わらず、高精度かつ高品位な切削加工が安定して行える。
また、稜部が前記長手方向に向けて直線状に形成されていることから、例えば、稜部の代わりに角錐状や円錐状の突起部を形成するような場合に対比して、切屑の接触による摩耗が進行しにくくされており、切削インサートの寿命が延長される。
また、すくい面の傾斜面同士の間に凹部が形成されているので、切屑は、前記幅方向の中央部分を凹部に対応して窪ませ、より確実に丸められる。ここで、切屑は、稜部に摺接する一方、凹部からは離間されていて、切屑の前記幅方向における中央部分の摩擦抵抗が大幅に減少することから、切削抵抗が低減されて切削加工がより円滑に行われる。また、この凹部には切削油剤を貯留することができることから、凹部から切削部位に切削油剤を確実に供給でき、切削部位を効果的に潤滑・冷却できるとともに、切削抵抗をより確実に抑制できる。
また、本発明に係る切削インサートにおいて、前記凹部の前記長手方向に沿った内側の端部には、該凹部の底部よりも前記厚さ方向に前進して立ち上がる壁部が形成されていることとしてもよい。
本発明に係る切削インサートによれば、前述のように丸められた切屑が凹部の壁部に当たって確実に外力を受けるので、切屑を容易かつ確実に分断することができる。
本発明に係る切削インサートによれば、切削加工で生じる切屑を充分に丸めて容易に分断させることができ、円滑かつ確実に切屑処理を行えるとともに、高精度かつ高品位な切削加工が行える。また、切削インサートの寿命が延長される。
図1は本発明の一実施形態に係る切削インサートを示す概略斜視図、図2は本発明の一実施形態に係る切削インサートをすくい面側から見た概略平面図、図3は本発明の一実施形態に係る切削インサートを示す概略側面図、図4は本発明の一実施形態に係る切削インサートをすくい面とは反対側から見た概略平面図、図5は本発明の一実施形態に係る切削インサートを示す概略正面図、図6は本発明の一実施形態に係る切削インサートの切刃部を拡大して示す概略部分斜視図、図7は図2の断面a−a(a)、断面b−b(b)及び断面c−c(c)を夫々示す概略正断面図、図8は切屑が外力を受けて変形する過程を説明する図である。
本実施形態の切削インサート10は、超硬合金等の硬質材料により形成されている。図1乃至図5に示すように、切削インサート10は、軸線Lに沿って延びる略方形軸状又は略方形柱状のインサート本体1を有している。インサート本体1の長手方向に沿った両端部には、切刃部2が夫々形成されている。
尚、以下の説明では、図2、図4において前記長手方向に直交する方向をインサート本体1の幅方向、図3において前記長手方向に直交する方向(すなわち前記長手方向及び前記幅方向に直交する方向)をインサート本体1の厚さ方向と呼ぶ。また、インサート本体1の前記長手方向に沿った切刃部2側(すなわち外側)を単に先端側と呼び、前記長手方向に沿った切刃部2とは反対側(すなわち内側)を単に中央側と呼ぶ。
インサート本体1は、前記長手方向の中央に位置するとともに軸線Lに垂直な平面Mに関して、略対称に形成されている。また、インサート本体1は、前記幅方向の中央に位置するとともに軸線Lを含み、前記長手方向及び前記厚さ方向に沿う平面Nに関しても、対称な形状とされている。
また、切刃部2には、前記長手方向に延びる一対の横切刃3と、これらの横切刃3の前記先端側の端部同士の間に配されて前記幅方向に延びる正面切刃4と、横切刃3及び正面切刃4を繋ぐ一対のコーナ刃5とが形成されている。図2に示すように、コーナ刃5は、前記厚さ方向から見た平面視において、正面切刃4と横切刃3とに滑らかに接する凸円弧状に形成されている。
図2に示すように、一対の横切刃3は、コーナ刃5から前記中央側に向かうに従い前記幅方向の内側へ向かって互いに接近するように僅かに傾斜して形成され、バックテーパが与えられている。また、図3に示すように、横切刃3は、前記長手方向に沿った中央部分を前記厚さ方向に窪ませて形成されている。すなわち、横切刃3は、前記先端側の端部から前記中央側へ向かうに連れ漸次前記厚さ方向に後退した後、さらに前記中央側の端部へ向かうに連れ漸次前記厚さ方向に前進して夫々形成されている。
また、図2の平面視において、正面切刃4は直線状に延びるように形成される一方、図5の正面視において、正面切刃4はそのコーナ刃5側の両端部が前記厚さ方向に垂直な平面上に延びるように形成されているとともに、前記幅方向の中央部分は凹曲線状をなして前記厚さ方向に僅かに窪んで形成されている。
また、平面視において、コーナ刃5の内側には、図示しない幅の極小さなランドが該コーナ刃5に並行するように形成されている。
また、切刃部2には、横切刃3、正面切刃4及びコーナ刃5を辺稜部に備えた略長方形状をなし前記長手方向に延在するとともに、前記厚さ方向を向くすくい面6が形成されている。すくい面6は、横切刃3、正面切刃4、及びコーナ刃5から離間してその内側に向かうに従い漸次前記厚さ方向に後退するように傾斜するポジすくい面とされている。
また、インサート本体1の切刃部2同士の間には、これらの切刃部2よりも前記厚さ方向の外側に向けて突出する上面部7が形成されている。また、インサート本体1において、前記厚さ方向のうち上面部7とは反対側を向く面には、下面部8が形成されている。
また、上面部7には、前記長手方向に沿って延びる取付溝部7Aが形成されている。取付溝部7Aは、軸線Lに直交する断面が略V字状に形成されている。また、上面部7において、取付溝部7Aの前記先端側に連なる部分には、前記厚さ方向の外側及び前記先端側を向く傾斜面からなる端面7Bが夫々形成されている。詳しくは、端面7Bは、前記中央側から前記先端側へ向かうに従い漸次前記厚さ方向の上面部7側から下面部8側へ向け傾斜して形成されている。
また、下面部8には、前記長手方向に沿って延びる取付溝部8Aが形成されている。取付溝部8Aは、軸線Lに直交する断面が略V字状に形成されている。
切削インサート10は、インサート本体1の取付溝部7A,8Aを、図示しないインサート着脱式旋削工具のインサート取付座に挟み込ませることにより、このインサート着脱式旋削工具に保持されて、被削材の溝入れ加工や突っ切り加工に使用される。
また、インサート本体1の切刃部2には、前記先端側を向く先端面と、前記幅方向の外側を向く一対の側面と、先端面及び一対の側面を繋ぐ一対のコーナ面とが夫々形成されている。また、前記先端面には正面切刃4の逃げ面9が、前記側面には横切刃3の逃げ面9が、前記コーナ面にはコーナ刃5の逃げ面9が夫々形成されている。
また、これらの逃げ面9は、前記厚さ方向の上面部7側から下面部8側に向かうに従い漸次前記幅方向の内側又は前記中央側に向けて後退するように傾斜して形成されている。このような構成により、切削インサート10は、所謂ポジティブタイプのインサートとされている。
また、インサート本体1の前記先端面、前記側面、及び前記コーナ面における逃げ面9以外の部分は、前記厚さ方向に平行な平面状又は曲面状に夫々形成されている。
また、図6に示すように、すくい面6には、前記幅方向の両端部分に配されて前記長手方向に沿って延びる帯状の一対の捩れ面11と、これらの捩れ面11同士の間に配されて該捩れ面11よりも前記厚さ方向に後退して窪む凹部12とが形成されている。また、捩れ面11は、前記幅方向の外側部分に横切刃3を夫々備えている。
また、図3に示すように、捩れ面11は、前記先端側から前記中央側へ向かうに連れ漸次前記厚さ方向に後退して形成されている。また、図7に示すように、捩れ面11は、前記先端側から前記中央側へ向かうに連れ漸次その前記幅方向の内側部分を外側部分よりも前記厚さ方向に後退させるように捩れて形成されている。
詳しくは、図7(a)において、捩れ面11のうち前記先端側の端部に形成された捩れ面11Aと前記厚さ方向に垂直な平面とがなす角度θ1は、図7(b)において、捩れ面11Aよりも僅かに前記中央側に位置する捩れ面11Bと前記厚さ方向に垂直な平面とがなす角度θ2よりも小さく設定されている。また、角度θ2は、図7(c)において、捩れ面11のうち前記中央側の端部に形成された捩れ面11Cと前記厚さ方向に垂直な平面とがなす角度θ3よりも小さく設定されている。
尚、本実施形態では、例えば、角度θ1=0°、角度θ2=1〜5°、角度θ3=5〜10°程度に夫々設定されている。
また、図2の平面視において、捩れ面11は、前記先端側から前記中央側へ向かうに連れ漸次その前記幅方向の幅寸法を減少させるように形成されている。詳しくは、捩れ面11において、前記幅方向の内側部分のエッジが、前記先端側から前記中央側へ向かうに連れ漸次前記幅方向の内側から外側へ向かって延びている。
また、図6において、凹部12の前記中央側の端部には、凹部12の底部分の底部12Aよりも前記厚さ方向に前進して立ち上げられた略凹曲面状の壁部12Bが形成されている。壁部12Bにおいて、前記厚さ方向の上面部7側の端部には、略円弧状の稜部12Cが形成されている。稜部12Cは、前記厚さ方向に垂直な平面からなり略C字状をなす基端面13に連なっている。
基端面13は、その前記幅方向の両端部分における前記先端側の端部が、前記先端側に向けて夫々延びて形成されている。また、基端面13の前記中央側の端部は、上面部7の端面7Bに連なっている。また、基端面13には、前記厚さ方向の上面部7側を向く略長丸穴状の目印部13Aが形成されている。目印部13Aは、インサート本体1の両端部に形成された一対の切刃部2を識別するための表示であり、一対の切刃部2のうち一方の切刃部2にのみ形成されている。
また、基端面13の前記先端側には、帯状の傾斜面14が一対形成されている。傾斜面14は、すくい面6における前記幅方向の両端部分に夫々形成されて、前記長手方向に延びている。また、傾斜面14は、前記中央側から前記先端側へ向かうに連れ漸次前記厚さ方向に後退するように傾斜して形成されている。傾斜面14は、前記中央側の端部が基端面13の前記幅方向の両端部分における前記先端側の端部に滑らかに連なり、前記先端側の端部が捩れ面11の前記中央側の端部に滑らかに連なっている。
また、傾斜面14は、前記幅方向の外側部分に横切刃3を夫々備えている。また、傾斜面14の前記幅方向の内側部分には、前記長手方向に向けて延びる直線状の稜部14Aが夫々形成されている。稜部14Aは、傾斜面14の形状に対応して、前記中央側から前記先端側へ向かうに連れ漸次前記厚さ方向に後退するように傾斜して形成されている。稜部14Aの前記幅方向の内側は、凹部12に連なっている。また、稜部14Aの前記中央側の端部は、稜部12Cの前記先端側の端部に連なっている。また、稜部14Aの前記先端側の端部は、捩れ面11の前記幅方向の内側部分の前記中央側の端部に連なっている。
また、詳しくは、傾斜面14における前記先端側の部分は、前記中央側の部分よりも前記長手方向に沿った単位長さあたりの前記厚さ方向の変形量が大きく形成されている。すなわち、傾斜面14において、前記先端側の部分は、前記中央側の部分よりも急勾配に傾斜して形成されている。また、稜部14Aにおいて、傾斜面14の前記先端側の部分と前記中央側の部分との間の部分に対応する位置には、頂部14Bが形成されている。稜部14Aは、図2の平面視に示すように、その前記先端側の端部から前記中央側へ向かうに連れ漸次前記幅方向の内側へ向かうように延びて頂部14Bを経た後、前記長手方向に略平行に前記中央側に向けて延びている。
以上説明したように、本実施形態の切削インサート10によれば、インサート本体1を軸線L方向の前記先端側に前進させつつ、切刃部2の正面切刃4とその両端のコーナ刃5とにより被削材に溝入れ加工や突っ切り加工を行う場合に、これら正面切刃4とコーナ刃5によって生成されて軸線L方向に流れ出る略帯状の切屑は、まず正面切刃4の形状に対応して、その前記幅方向の中央部分を両端部分よりも僅かに窪ませるように曲げられる。すなわち、図8(a)に示すように、切屑は、軸線L方向に沿う符号F方向(以下「切屑流出方向」とする)に向けて生成されて、前記幅方向に沿う符号W方向(以下「切屑幅方向」とする)の中央部分を窪ませるように曲げられる。
次いで、正面切刃4からすくい面6に流れ出た切屑は、その切屑幅方向Wの両端部分を捩れ面11に夫々摺接させつつ、前記先端側から前記中央側へ向かって案内されていくに従い、漸次その切屑幅方向Wの断面形状を略直線状から切屑幅方向Wの中央部分を窪ませた略円弧状へと変化させるように曲げられる。
捩れ面11を擦過した後、図8(b)に示すように、切屑はさらに切屑流出方向Fに向けて流出していき、その切屑幅方向Wの両端部分を稜部14Aに確実に摺接させつつ曲げられて、充分に丸められる。すなわち、傾斜面14が、前記長手方向に沿ってインサート本体1の前記中央側から前記先端側へ向かうに連れ漸次前記厚さ方向に後退して形成されているので、切屑は、前記長手方向に沿ってインサート本体1の前記先端側から前記中央側へ向けて流出していく際に、傾斜面14に確実に当接させられる。ここで、傾斜面14に形成された稜部14Aは、前記長手方向に向けて直線状に形成されているので、切屑が接触する部位を充分に長く確保できることから、切屑は、稜部14Aに確実に摺接するとともに、その切屑幅方向Wの断面形状を略直線状から切屑幅方向Wの中央部分を窪ませた略円弧状へと変化させるように曲げられていき、充分に丸められる。このように切屑が丸められると、切屑は外力を受けて容易に分断されやすくなることから、円滑かつ確実な切屑処理を行うことが可能となる。
また、インサート本体1を前記長手方向に高送りして切削加工を行う場合には、切屑が比較的厚く形成されて、切屑が捩れ面11に充分に摺接せず切屑幅方向Wに丸まりにくくなることが考えられるが、本実施形態の切削インサート10によれば、切屑が捩れ面11を越えた後、稜部14Aに確実に当たって、分断しやすくされている。従って、インサート本体1の被削材に対する送り速度に係わらず、高精度かつ高品位な切削加工が安定して行える。
また、稜部14Aが前記長手方向に向けて直線状に形成されていることから、例えば、稜部14Aの代わりに角錐状や円錐状の突起部を形成するような場合に対比して、切屑の接触による摩耗が進行しにくくされており、切削インサート10の寿命が延長される。
また、すくい面6の傾斜面14同士の間に凹部12が形成されているので、切屑は、切屑幅方向Wの中央部分を凹部12に対応して窪ませ、より確実に丸められる。ここで、切屑は、稜部14Aに摺接する一方、凹部12からは離間されていて、切屑の切屑幅方向Wにおける中央部分の摩擦抵抗が大幅に減少することから、切削抵抗が低減されて切削加工がより円滑に行われる。
また、通常、このように被削材に溝入れ加工や突っ切り加工を行う際には、正面切刃4やコーナ刃5による切削部位の潤滑や冷却のため、切刃部2の前記中央側からすくい面6に向けて切削油剤を供給するが、凹部12には切削油剤を貯留することができることから、凹部12から切削部位に切削油剤を確実に供給でき、切削部位を効果的に潤滑・冷却できるとともに、切削抵抗をより確実に抑制できる。
また、切屑は、前述のように切屑幅方向Wに充分に丸められた後、凹部12の壁部12Bに当たって確実に外力を受けることとなるので、切屑を容易かつ確実に分断することができる。すなわち、図8(c)に示すように、切屑は、切屑幅方向Wに丸められた状態で、さらに切屑流出方向Fにも丸められることとなり、大きな応力を生じさせられるとともに分断させられて、処理される。
また、横切刃3が、前記先端側の端部から前記中央側へ向かうに連れ漸次前記厚さ方向に後退した後、さらに前記中央側の端部へ向かうに連れ漸次前記厚さ方向に前進して形成されているので、インサート本体1を前記幅方向に送り出して被削材の溝幅を拡げるような切削加工を行う場合に、横切刃3で削られて生じる略帯状の切屑が、横切刃3の形状に対応して、その前記長手方向の中央部分を窪ませるように曲げられて、丸められる。尚、この場合には、切屑流出方向Fがインサート本体1における前記幅方向に相当し、切屑幅方向Wがインサート本体1における前記長手方向に相当している。このように切屑が丸められると、切屑は外力を受けて容易に分断されやすくなることから、インサート本体1を前記幅方向に送り出す切削加工においても、円滑かつ確実な切屑処理を促すことが可能である。
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
例えば、本実施形態では、凹部12の壁部12Bが略凹曲面状に形成されていることとしたが、壁部12Bの形状はこれに限定されるものではなく、例えば、それ以外の複数の平面からなる略凹多角面状等であっても構わない。
また、本実施形態では、横切刃3が、前記先端側の端部から前記中央側へ向かうに連れ漸次前記厚さ方向に後退した後、さらに前記中央側へ向かうに連れ漸次前記厚さ方向に前進して形成されていることとしたが、横切刃3の形状は本実施形態に限定されるものではない。すなわち、例えば、横切刃3が、前記先端側の端部から前記中央側の端部へ向かうに連れ漸次前記厚さ方向に前進して形成されていても構わない。また、横切刃3が、前記厚さ方向に垂直な平面に沿うように形成されていても構わない。
本発明の一実施形態に係る切削インサートを示す概略斜視図である。 本発明の一実施形態に係る切削インサートをすくい面側から見た概略平面図である。 本発明の一実施形態に係る切削インサートを示す概略側面図である。 本発明の一実施形態に係る切削インサートをすくい面とは反対側から見た概略平面図である。 本発明の一実施形態に係る切削インサートを示す概略正面図である。 本発明の一実施形態に係る切削インサートの切刃部を拡大して示す概略部分斜視図である。 図2の断面a−a(a)、断面b−b(b)及び断面c−c(c)を夫々示す概略正断面図である。 切屑が外力を受けて変形する過程を説明する図である。
符号の説明
1 インサート本体
2 切刃部
3 横切刃
4 正面切刃
6 すくい面
10 切削インサート
12 凹部
12A 底部
12B 壁部
14 傾斜面
14A 稜部

Claims (2)

  1. 軸状をなすインサート本体の長手方向の端部に切刃部が形成され、
    前記切刃部には、前記長手方向に沿って延びる一対の横切刃と、これらの横切刃の先端同士の間に配されて前記長手方向に直交する幅方向に延びる正面切刃とを有するとともに、前記長手方向及び前記幅方向に直交する厚さ方向を向く四角形状のすくい面が形成され、
    前記すくい面の前記幅方向の両端部分には、前記長手方向に沿って前記インサート本体の内側から外側へ向かうに連れ漸次前記厚さ方向に後退する傾斜面が夫々形成され、
    前記すくい面の前記傾斜面同士の間には、これらの傾斜面よりも前記厚さ方向に後退する凹部が形成され、
    前記傾斜面の前記幅方向に沿った内側部分には、前記長手方向に向けて延びる直線状の稜部が夫々形成されていることを特徴とする切削インサート。
  2. 請求項1に記載の切削インサートであって、
    前記凹部の前記長手方向に沿った内側の端部には、該凹部の底部よりも前記厚さ方向に前進して立ち上がる壁部が形成されていることを特徴とする切削インサート。
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