JP2008177924A - 端末通信用アドレス設定システム、端末通信用アドレス設定方法及び端末収容装置 - Google Patents

端末通信用アドレス設定システム、端末通信用アドレス設定方法及び端末収容装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 端末が配布されていた通信用アドレスを一旦解放し、その後、通信用アドレスの配布を要求した場合でも通信の失敗を少なくする。
【解決手段】 本発明のシステムは、外部ネットワークと配布された通信用アドレスで通信する端末と、通信用アドレスを配布するアドレス配布サーバと、端末及びアドレス配布サーバ間の各種メッセージを中継する端末収容装置とを有する。端末収容装置は、端末の通信用アドレスの配布情報を管理し、配布情報を管理している端末から、通信用アドレスの解放用メッセージが与えられたとき、所定期間を待って解放用メッセージをアドレス配布サーバに送信し、解放用メッセージの送信端末から、所定期間中に、通信用アドレスの配布要求メッセージが与えられると、管理情報に基づき、今までと同様な通信用アドレスを含む配布メッセージを形成して端末に送信し、送信待機中の解放用メッセージを破棄する。
【選択図】 図1

Description

本発明は端末通信用アドレス設定システム、端末通信用アドレス設定方法及び端末収容装置に関し、例えば、IEEE802.11仕様の無線LANにおけるクライアント端末のIPアドレスをDHCPサーバを利用して配布する場合に適用し得るものである。
一般に、IEEE802.11仕様の無線LANにおいて、クライアント端末がIP通信を行う際に、そのIPアドレスを、クライアント端末に前もつて設定しておくか、DHCPサーバを使用し、アクセスポイントに接続したときに自動的に設定するようになされている(非特許文献1参照)。
DHCPサーバを使用してIPアドレスの設定を行う場合、DHCPサーバの可用性のために、DHCPサーバを複数用意し、それぞれのサーバにおいて設定できるIPアドレスを重ならないような設定にするネットワークの構成が利用されることが多い。
http://www.atmarkit.co.jp/fnetwork/tokusyuu/28vlan/03.html
しかしながら、同一のネットワークにDHCPサーバが複数存在し、それぞれのサーバが別のIPアドレス範囲内のIPアドレスを指定する場合や、1台のDHCPサーバを利用するシステムであっても、同一の端末に対する配布IPアドレスを毎回変更するDHCPサーバを利用している場合などでは、無線LAN端末が再接続処理をする毎にIPアドレスが変更されてしまい、通信の継続が不可能になることも生じる。
図10は、このような課題が生じる場合のシーケンス図を表している。
無線LAN端末103が通信相手機器104からのデータフレームの受信が終了した後(S1)、例えば、ユーザがシャットダウン操作などを行ってIPアドレスが不要になると、無線LAN端末103がDHCPRELEASEメッセージを送信し、無線LANアクセスポイント101がこのDHCPRELEASEメッセージを中継してDHCPサーバ102に到達する(S2)。これにより、それまで無線LAN端末103に配布されていたIPアドレスが解放される。
その後、短時間の経過後に、例えば、無線LAN端末103が立ち上げられ、IPアドレスが再度必要となると、無線LAN端末103及びDHCPサーバ102間の、DHCPDISCOVERメッセージ及びDHCPOFFERメッセージの授受(ステップ3、ステップ4)、並びに、DHCPREQUESTメッセージ及びDHCPACKメッセージの授受(S5、S6)により、無線LAN端末103にIPアドレスが配布される。新たに配布されたIPアドレスは、大半の場合、前回のIPアドレスとは異なる。
このような状況では、通信相手機器104はIPアドレスの変更を認識しておらず、前回の通信からさほど間をおいていないため、前回のIPアドレスを用いて無線LAN端末103へのデータフレームを送信するが(S7)、そのデータフレームは無線LAN端末103には到達できず、通信は失敗となる。
そのため、端末が配布されていた通信用アドレスを一旦解放し、その後、通信用アドレスの配布を要求することがあり得る場合でも、通信の失敗を減少させることができる端末通信用アドレス設定システム、端末通信用アドレス設定方法及び端末収容装置が望まれている。
第1の本発明は、外部ネットワークとは配布された通信用アドレスを用いて通信を実行する端末と、上記端末へ通信用アドレスを配布するアドレス配布サーバと、上記端末を収容し、上記端末及び上記アドレス配布サーバ間の通信用アドレスの配布のための各種のメッセージを中継する端末収容装置とを有する端末通信用アドレス設定システムにおいて、(1)上記端末収容装置が、(1−1)収容している上記端末の通信用アドレスの配布情報を管理する配布情報管理記憶手段と、(1−2)上記配布情報管理記憶手段に配布情報が管理されている上記端末から、配布された通信用アドレスの解放用メッセージが与えられたとき、所定の待機期間を待って、上記解放用メッセージを上記アドレス配布サーバに送信する解放遅延化手段と、(1−3)上記解放用メッセージを送信した上記端末から、上記待機期間中に、通信用アドレスの配布を要求する配布要求メッセージが与えられたとき、上記配布情報管理記憶手段に記憶されている配布情報に基づき、今までと同様な通信用アドレスが配布されたことを示す、本来ならば、上記アドレス配布サーバが形成する配布メッセージを形成して上記端末に送信すると共に、送信を待機していた解放用メッセージを破棄する通信用アドレス配布手段とを有することを特徴とする。
第2の本発明は、外部ネットワークとは配布された通信用アドレスを用いて通信を実行する端末と、上記端末へ通信用アドレスを配布するアドレス配布サーバと、上記端末を収容し、上記端末及び上記アドレス配布サーバ間の通信用アドレスの配布のための各種のメッセージを中継する端末収容装置とを有するシステムにおける端末通信用アドレス設定方法において、(0)上記端末収容装置は、配布情報管理記憶手段、解放遅延化手段及び配布情報管理記憶手段を備え、(1)上記配布情報管理記憶手段は、収容している上記端末の通信用アドレスの配布情報を管理し、(2)上記解放遅延化手段は、上記配布情報管理記憶手段に配布情報が管理されている上記端末から、配布された通信用アドレスの解放用メッセージが与えられたとき、所定の待機期間を待って、上記解放用メッセージを上記アドレス配布サーバに送信し、(3)上記通信用アドレス配布手段は、上記解放用メッセージを送信した上記端末から、上記待機期間中に、通信用アドレスの配布を要求する配布要求メッセージが与えられたとき、上記配布情報管理記憶手段に記憶されている配布情報に基づき、今までと同様な通信用アドレスが配布されたことを示す、本来ならば、上記アドレス配布サーバが形成する配布メッセージを形成して上記端末に送信すると共に、送信を待機していた解放用メッセージを破棄することを特徴とする。
第3の本発明は、外部ネットワークとは配布された通信用アドレスを用いて通信を実行する端末と、上記端末へ通信用アドレスを配布するアドレス配布サーバと、上記端末を収容し、上記端末及び上記アドレス配布サーバ間の通信用アドレスの配布のための各種のメッセージを中継する端末収容装置とを有するシステムにおける上記端末収容装置において、(1)収容している上記端末の通信用アドレスの配布情報を管理する配布情報管理記憶手段と、(2)上記配布情報管理記憶手段に配布情報が管理されている上記端末から、配布された通信用アドレスの解放用メッセージが与えられたとき、所定の待機期間を待って、上記解放用メッセージを上記アドレス配布サーバに送信する解放遅延化手段と、(3)上記解放用メッセージを送信した上記端末から、上記待機期間中に、通信用アドレスの配布を要求する配布要求メッセージが与えられたとき、上記配布情報管理記憶手段に記憶されている配布情報に基づき、今までと同様な通信用アドレスが配布されたことを示す、本来ならば、上記アドレス配布サーバが形成する配布メッセージを形成して上記端末に送信すると共に、送信を待機していた解放用メッセージを破棄する通信用アドレス配布手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、端末が配布されていた通信用アドレスを一旦解放し、その短時間の経過後に、通信用アドレスの配布を要求した場合でも、通信を成功させることができる。
(A)主たる実施形態
以下、本発明による端末通信用アドレス設定システム、端末通信用アドレス設定方法及び端末収容装置を無線LANシステムに適用した一実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
(A−1)実施形態の構成
図1は、実施形態に係る無線LANシステムの構成を示すブロック図である。実施形態に係る無線LANシステムは、端末にIPアドレスの配布を必要とする、例えば、IEEE802.11仕様の無線LANシステムである。
図1において、無線LANシステム100は、無線LANアクセスポイント(以下、アクセスポイントと略す)101及び無線LANクライアント端末(以下、端末と略す)103を備え、有線LAN部分105、インターネット106などを介して、DHCPサーバ102にアクセス可能となされている。
この実施形態の場合、DHCPサーバ102及び端末103の構成及び機能は、従来と同様であるので、その説明は省略する。なお、DHCPサーバ102は、有線LAN部分105又は無線LAN部分の要素として設けられたものであっても良い(インターネット106を介することなく、アクセスポイント101がアクセスし得るものであっても良い)。また、図1では、DHCPサーバ102を1個だけ示しているが、複数設けられていても良い。
この実施形態の場合、IPアドレスの配布機能に関し、アクセスポイント101は、有線LANインタフェース部201、無線LANインタフェース部202、DHCPメッセージ制御部203及びDHCP管理テーブル204を有する。
有線LANインタフェース部201は、有線LAN部105と接続し、有線LAN部105を介して他の機器と通信を行うためのネットワークインタフェースである。
無線LANインタフェース部202は、無線LAN(無線回線)を介して当該アクセスポイント101の管轄エリア内の端末103と接続し、接続した端末103と通信を行うためのネットワークインタフェースである。
DHCPメッセージ制御部203は、例えば、CPU、ROM、RAMなどが該当し、CPUが所定のプログラムを実行することで、当該DHCPメッセージ制御部203としての機能を実行するものである。DHCPメッセージ制御部203は、無線LANインタフェース部202又は有線LANインタフェース部201から受信したDHCPメッセージ(DHCPパケット)に対する処理を行うものであり、処理によっては、適宜、DHCP管理テーブル204をアクセスする。なお、DHCPメッセージ制御部203によるDHCPメッセージの種類に応じた処理は、後述する動作の項で明らかにする。
DHCP管理テーブル204は、ハードウェア的には、例えば半導体メモリが該当し、DHCPメッセージ制御部203によってデータが格納されたり参照されたりするものである。DHCP管理テーブル204は、例えば、図2に示すように、当該アクセスポイント101が収容している端末103のMACアドレス、その端末103にDHCPサーバ102によって配布されたIPアドレス、IPアドレスを配布したDHCPサーバ102のIPアドレス、及び、配布されたIPアドレスのリース期限(lease time)を保持する。
(A−2)実施形態の動作
次に、実施形態に係る無線LANシステム100の動作、特に、端末103にIPアドレスを配布する際の動作について説明する。以下では、アクセスポイント101の動作に着目して、端末103にIPアドレスを配布する際の動作を説明する。
端末103は、IPアドレスの配布を求める一連の動作でも、一般的な通信の場合と同様に、データフレームをアクセスポイント101に対して送信する。但し、そのデータフレームには、IPアドレスの配布動作の段階に応じた所定のコマンド(DISCOVER、REQUEST又はRELEASE)が含まれている。
アクセスポイント101の無線LANインタフェース部202は、端末103からのデータフレームを受信した場合には、DHCPメッセージ制御部203に与える。
DHCPメッセージ制御部203は、端末103からのデータフレームが与えられると、図3に示すように、そのデータフレームの種類を判定する(ステップ300)。
受信データフレームがDHCPメッセージに係るものでない場合には、DHCPメッセージ制御部203は、そのデータフレームに対する編集や処理を何もせず、有線LANインタフェース部201(又は無線LANインタフェース部202)にデータフレームを引き渡して送信させる(ステップ301)。
データフレームがDHCPメッセージに係るものであった場合、DHCPメッセージ制御部203は、そのDHCPメッセージにおけるDHCPコマンドを判別し(ステップ302)、DHCPコマンドに応じた処理を行う(ステップ303〜ステップ305)。
図4は、DHCPコマンドが、DHCPサーバ102を捕捉するためのDISCOVERである場合の処理(ステップ303)の詳細を示すフローチャートであり、図5は、DHCPコマンドが、DHCPサーバ102に対してIPアドレスを要求するためのREQUESTである場合の処理(ステップ304)の詳細を示すフローチャートであり、図6は、DHCPコマンドが、DHCPサーバ102に対して配布されたIPアドレスを解放するためのRELEASEである場合の処理(ステップ305)の詳細を示すフローチャートである。
まず、DHCPコマンドがDISCOVERである場合の詳細処理を、図4を参照しながら詳述する。
DHCPメッセージ制御部203は、DHCPコマンドがDISCOVERであると、DHCP管理テーブル204に受信したDHCPメッセージ(データフレーム)の送信元の端末103に係るレコードがあって現在時刻がリース期限に満たないか否かを判別する(ステップ350)。
DHCP管理テーブル204に送信元端末103に係るレコードがない場合や、DHCP管理テーブル204に送信元端末103に係るレコードがあるが現在時刻がリース期限を超えている場合には、DHCPメッセージ制御部203は、有線LANインタフェース部201(又は無線LANインタフェース部202)に受信したデータフレームを引き渡して送信させる(ステップ351)。これにより、一般的なDHCPサーバ102の捕捉処理が実行されることになる。
DHCPメッセージ制御部203は、DHCP管理テーブル204に送信元の端末103に係るレコードがあって現在時刻がリース期限に満たない場合には、DHCP管理テーブル204の該当するレコードにおけるDHCPサーバ102のIPアドレス情報などを元にDHCPOFFERメッセージを作成し(ステップ352)、無線LANインタフェース部202から端末103に作成したDHCPOFFERメッセージを送信させる(ステップ353)。また、その際に、後述するようなDHCPRELEASEメッセージの受信によるタイマがセットされているか否かを判別し(ステップ354)、タイマがセットされている場合には、タイマを停止し、一時保持されているDHCPRELEASEメッセージを破棄する(ステップ355)。
上述のように、所定の条件下では、DHCPメッセージ制御部203は、DHCPサーバ102に代わって、DHCPOFFERメッセージを作成し、端末103に送信する。なお、OFFERは、本来ならば、DISCOVERに対するDHCPサーバ102の応答コマンドである。
図7は、DHCPメッセージ制御部203によるDHCPOFFERメッセージの作成方法の説明図である。
DHCPOFFERメッセージのフォーマット上、端末103のMACアドレスを挿入するフィールド(例えば、宛先MACアドレスのフィールド)には、DHCP管理テーブル204で管理されている端末103のMACアドレスを挿入する。また、DHCPOFFERメッセージのフォーマット上、DHCPサーバ102のMACアドレスを挿入する送信元MACアドレスのフィールドには、DHCP管理テーブル204で管理されているDHCPサーバ102のIPアドレスを利用したARPなどによってDHCPサーバ102のMACアドレスを取得して挿入する。DHCPOFFERメッセージのフォーマット上、DHCPサーバ102や端末103のIPアドレスを挿入するフィールドには、DHCP管理テーブル204で管理されているDHCPサーバ102や端末103のIPアドレスを挿入する。
次に、DHCPメッセージ制御部203が受信した端末103からのDHCPメッセージにおけるDHCPコマンドがREQUESTである場合の詳細処理を、図5を参照しながら詳述する。
DHCPメッセージ制御部203は、DHCPコマンドがREQUESTであると、DHCP管理テーブル204に受信したDHCPメッセージ(データフレーム)の送信元の端末103に係るレコードがあって現在時刻がリース期限に満たないか否かを判別する(ステップ400)。
DHCP管理テーブル204に送信元端末103に係るレコードがない場合や、DHCP管理テーブル204に送信元端末103に係るレコードがあるが現在時刻がリース期限を超えている場合には、DHCPメッセージ制御部203は、有線LANインタフェース部201(又は無線LANインタフェース部202)に受信したデータフレームを引き渡して送信させる(ステップ401)。これにより、一般的なDHCPサーバ102によるIPアドレスの配布処理が実行されることになる。
これに対して、DHCP管理テーブル204に送信元の端末103に係るレコードがあって現在時刻がリース期限に満たない場合には、DHCPメッセージ制御部203は、受信したREQUESTコマンドに係るDHCPメッセージの送信元IPアドレスを、DHCP管理テーブル204上の端末103のIPアドレスに変更すると共に(変更しても前と同じ場合もある)、宛先IPアドレスを、DHCP管理テーブル204上のDHCPサーバ102のIPアドレスに変更するなどし(ステップ402)、そのような変更後のREQUESTコマンドに係るDHCPメッセージを有線LANインタフェース部201から送信させる(ステップ403)。
このような有線LANインタフェース部201からの送信によって、そのREQUESTコマンドに係るDHCPメッセージは、最終的に、該当するDHCPサーバ102に到達することになる。
図8は、DHCPメッセージ制御部203によるDHCPREQUESTメッセージの変更方法の説明図である。
DHCPREQUESTメッセージのフォーマット上、DHCPサーバ102のMACアドレスを挿入する宛先MACアドレスのフィールドには、DHCP管理テーブル204で管理されているDHCPサーバ102のIPアドレスを利用したARPなどによってDHCPサーバ102のMACアドレスを取得して挿入する。DHCPREQUESTメッセージのフォーマット上、DHCPサーバ102(や端末103)のIPアドレスを挿入するフィールドには、DHCP管理テーブル204で管理されているDHCPサーバ102(や端末103)のIPアドレスを挿入する。
次に、DHCPメッセージ制御部203が受信した端末103からのDHCPメッセージにおけるDHCPコマンドがRELEASEである場合の詳細処理を、図6を参照しながら詳述する。
DHCPメッセージ制御部203は、DHCPコマンドがRELEASEであると、DHCP管理テーブル204に受信したDHCPメッセージ(データフレーム)の送信元の端末103に係るレコードがあるか否かを判別する(ステップ450)。
DHCP管理テーブル204に送信元端末103に係るレコードがない場合には、DHCPメッセージ制御部203は、DHCP管理テーブル204に対するレコードの設定処理を行い(ステップ451)、その後、受信したデータフレームを一時保持する(ステップ452)。レコードの設定処理では、例えば、受信したDHCPメッセージに含まれている端末103のIPアドレス、DHCPサーバ102のIPアドレスを記録すると共に、リース期限(lease time)を無期限(Infinity)に設定するなどの処理を行う。
これに対して、DHCP管理テーブル204に送信元端末103に係るレコードがある場合には、DHCPメッセージ制御部203は、DHCP管理テーブル204の該当レコードのリース期限を無期限に変更し(ステップ453)、その後、受信したデータフレームを一時保持する(ステップ452)。
受信したデータフレームを一時保持した後では、DHCPメッセージ制御部203は、送信元の端末103に関し、タイマをセットして起動させ(ステップ454)、そのタイムアップを待ち受ける(ステップ455)。ここで、タイマはソフトタイマでもハードウェアタイマでも良く、ソフトタイマの場合、DHCP管理テーブル204にタイマフィールドを設け、その値を更新させるものであっても良い。タイマの計時時間は固定時間(例えば10秒)であっても良く、上位装置や端末103からの指令によって設定可能なものであっても良い。
DHCPメッセージ制御部203は、タイマがタイムアップすると、有線LANインタフェース部201(又は無線LANインタフェース部202)から一時保持したDHCPRELEASEメッセージを送信させ(ステップ456)、DHCPテーブル204の該当するレコードを消去する(ステップ457)。
以上のような動作によって、端末101がIPアドレスを解放する指示を発してから、所定時間経過した後に、その指示がDHCPサーバ102に到達するようになり、この所定時間の間で、その端末103が再度IPアドレスを欲する場合には、後述するように、DHCPサーバ102の処理によらずに、アクセスポイント101だけで対応できるようになる。
以上では、端末103からDHCPメッセージが与えられた場合のアクセスポイント101の動作を説明したが、以下では、有線LANインタフェース部201(又は無線LANインタフェース部202)を介してDHCPサーバ102からのDHCPメッセージが与えられた場合のアクセスポイント101の動作を説明する。なお、この場合の動作はステップ数が少ない動作であるので、フローチャートの図示は省略する。
DHCPサーバ102からのDHCPメッセージは、それに含まれているDHCPコマンドによって分類できる。
DHCPサーバ102からOFFERに係るDHCPメッセージが与えられた場合には、DHCPメッセージ制御部203は、無線LANインタフェース部202から受信したDHCPメッセージを直ちに送信させる。
DHCPサーバ102から、REQUESTに対する肯定応答であるPACKに係るDHCPメッセージが与えられた場合には、DHCPメッセージ制御部203は、DHCP管理テーブル204に、宛先端末103に係るレコードを設定し(既に設定されている場合には以下のような情報の更新を行う)、端末103のIPアドレス、DHCPサーバ102のIPアドレス、リース期限などを記録し、また、無線LANインタフェース部202から受信したDHCPメッセージを送信させる。
DHCPサーバ102から、REQUESTに対する否定応答であるNACKに係るDHCPメッセージが与えられた場合には、DHCPメッセージ制御部203は、DHCP管理テーブル204に、宛先端末102についてのレコードがあればそれを削除した後、該当するレコードがなければ直ちに、無線LANインタフェース部202から受信したDHCPメッセージを送信させる。
図9は、従来では、通信失敗を引き起こすような端末103のIPアドレスの配布要求の流れ(図10参照)に対応した、上記実施形態でのDHCPメッセージの授受の様子を示すシーケンス図である。
端末103が通信相手機器104からのデータフレームの受信が終了した後(S501)、例えば、ユーザが誤ってシャットダウン操作などを行って端末103においてIPアドレスが不要になると、端末103がDHCPRELEASEメッセージを送信する(S502)。
しかし、この実施形態の場合、アクセスポイント101はDHCPRELEASEメッセージを直ちにDHCPサーバ102に送信するのではなく、タイマをセットし、そのタイムアップを待ち受ける。この待ち受け期間では、DHCPRELEASEメッセージがDHCPサーバ102に到達しないので、DHCPサーバ102がIPアドレスを解放することはない。
例えば、シャットダウン操作の後、上述したタイマがタイムアップする前に、ユーザによって端末103が立ち上げられ、IPアドレスが再度必要となると、端末103がDHCPDISCOVERメッセージを送信する(S503)。
アクセスポイント101のDHCPメッセージ制御部203は、タイムアップする前に、DHCPDISCOVERメッセージを受信したので、DHCP管理テーブル204の格納内容に基づき、今までと同一のIPアドレスを含むDHCPOFFERメッセージを形成して、端末103に返信する(S504)。
端末103は、そのIPアドレスを確定すべく、DHCPREQUESTメッセージを送信する(S505)。このようなDHCPREQUESTメッセージを受信したアクセスポイント101のDHCPメッセージ制御部203は、DHCP管理テーブル204の格納内容を参照し、該当するIPアドレスを当初配布したDHCPサーバ102にそのDHCPREQUESTメッセージが到達するように、宛先などの情報を変更し、DHCPREQUESTメッセージを送信する(S506)。
このようなDHCPREQUESTメッセージを受信したDHCPサーバ102は、IPアドレスの解放がなされていない端末103からのDHCPREQUESTメッセージが到達したので(DHCPサーバ102から見れば解放されていないように見える)、このDHCPREQUESTメッセージをリース期限の更新要求と捉えて、更新したリース期限を含むDHCPACKメッセージ(PACKコマンドのメッセージ)を送信する(S507)。
DHCPACKメッセージを受信すると、アクセスポイント101のDHCPメッセージ制御部203は、DHCP管理テーブル204に、宛先端末103に係るレコードを設定又は更新した後、受信したDHCPACKメッセージを送信する(S508)。
これにより、今回のDHCPDISCOVERメッセージの送信から始まる、端末103のIPアドレスの配布動作によって、端末103から見れば、前回と同一のIPアドレスが配布されたことになる。そのため、通信相手機器104が、端末103がDHCPRELEASEメッセージを送信する前のIPアドレスを用いて端末103へのデータフレームを送信しても、そのデータフレームを端末103は有効に受信することができる(S509)。
(A−3)実施形態の効果
上記実施形態によれば、無線LAN端末が短時間の切断から復帰した場合のDHCPサーバによるIPアドレスの再配布という動作を、アクセスポイントの動作により、DHCPサーバでのIPアドレスのリース期限の更新動作に置き換えるようにしたので、IPアドレスの変更を防止でき、IPアドレスの変更に伴う通信の失敗をなくすことができる。
(B)他の実施形態
上記実施形態によれば、端末やDHCPサーバからの所定のDHCPメッセージに対し、アクセスポイントが特殊な処理を実行するものを示したが、DHCPメッセージの授受経路上に介在する他の装置が、上述したような特殊な処理を実行するようにしても良い。例えば、全てのアクセスポイントを統括する上位装置がある場合には、このような上位装置が、上記実施形態でのアクセスポイントが実行していた動作を実行するようにしても良い。
また、上記実施形態によれば、DHCP管理テーブルは、当該テーブルが設けられているアクセスポイントが収容している端末の情報だけを管理するものを示したが、アクセスポイント間のハンドオーバを考慮し、あるアクセスポイントがDHCP管理テーブルを更新する際には、そのアクセスポイントの周辺のアクセスポイントも、自己のテーブルにおける同一の端末に関する情報を更新するようにしても良い。例えば、あるアクセスポイントが更新する場合には、更新情報を周辺のアクセスポイントに渡して更新させるようにする。
さらに、上記実施形態によれば、無線LANシステムの無線端末にIPアドレスを配布する場合を示したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、有線端末にIPアドレスを配布する場合に同様な状況、課題が生じるのであれば、本発明を適用することができる。また、通信システムがLANを構築していないものであっても良い。さらには、配布するアドレスもIPアドレスに限定されるものではなく、例えば、閉じたネットワークで用いられるアドレスであっても配布が実行されるものであれば良い。
実施形態に係る無線LANシステムの構成を示すブロック図である。 実施形態のDHCP管理テーブルの構成を示す説明図である。 実施形態のアクセスポイントが端末からのデータフレームを受信した際の処理を示すフローチャート(1)である。 実施形態のアクセスポイントが端末からのデータフレームを受信した際の処理を示すフローチャート(2)である。 実施形態のアクセスポイントが端末からのデータフレームを受信した際の処理を示すフローチャート(3)である。 実施形態のアクセスポイントが端末からのデータフレームを受信した際の処理を示すフローチャート(4)である。 実施形態のアクセスポイントにおけるDHCPOFFERメッセージの作成方法の説明図である。 実施形態のアクセスポイントにおけるDHCPREQUESTメッセージの変更方法の説明図である。 実施形態でのIPアドレスの配布動作を示すシーケンス図である。 通信失敗となる従来でのIPアドレスの配布動作を示すシーケンス図である。
符号の説明
100…無線LANシステム、101…無線LANアクセスポイント、102…DHCPサーバ、103…無線LANクライアント端末、105…有線LAN部分、106…インターネット、201…有線LANインタフェース部、202…無線LANインタフェース部、203…DHCPメッセージ制御部、204…DHCP管理テーブル。

Claims (6)

  1. 外部ネットワークとは配布された通信用アドレスを用いて通信を実行する端末と、上記端末へ通信用アドレスを配布するアドレス配布サーバと、上記端末を収容し、上記端末及び上記アドレス配布サーバ間の通信用アドレスの配布のための各種のメッセージを中継する端末収容装置とを有する端末通信用アドレス設定システムにおいて、
    上記端末収容装置が、
    収容している上記端末の通信用アドレスの配布情報を管理する配布情報管理記憶手段と、
    上記配布情報管理記憶手段に配布情報が管理されている上記端末から、配布された通信用アドレスの解放用メッセージが与えられたとき、所定の待機期間を待って、上記解放用メッセージを上記アドレス配布サーバに送信する解放遅延化手段と、
    上記解放用メッセージを送信した上記端末から、上記待機期間中に、通信用アドレスの配布を要求する配布要求メッセージが与えられたとき、上記配布情報管理記憶手段に記憶されている配布情報に基づき、今までと同様な通信用アドレスが配布されたことを示す、本来ならば、上記アドレス配布サーバが形成する配布メッセージを形成して上記端末に送信すると共に、送信を待機していた解放用メッセージを破棄する通信用アドレス配布手段とを有する
    ことを特徴とする端末通信用アドレス設定システム。
  2. 上記通信用アドレス配布手段は、上記解放用メッセージを送信した上記端末から、上記待機期間中に、通信用アドレスの配布を要求する配布要求メッセージが与えられたとき、上記アドレス配布サーバに対しては、配布メッセージを形成して送信した上記端末についての通信用アドレスのリース期限を更新させるメッセージの授受を実行することを特徴とする請求項1に記載の端末通信用アドレス設定システム。
  3. 外部ネットワークとは配布された通信用アドレスを用いて通信を実行する端末と、上記端末へ通信用アドレスを配布するアドレス配布サーバと、上記端末を収容し、上記端末及び上記アドレス配布サーバ間の通信用アドレスの配布のための各種のメッセージを中継する端末収容装置とを有するシステムにおける端末通信用アドレス設定方法において、
    上記端末収容装置は、配布情報管理記憶手段、解放遅延化手段及び配布情報管理記憶手段を備え、
    上記配布情報管理記憶手段は、収容している上記端末の通信用アドレスの配布情報を管理し、
    上記解放遅延化手段は、上記配布情報管理記憶手段に配布情報が管理されている上記端末から、配布された通信用アドレスの解放用メッセージが与えられたとき、所定の待機期間を待って、上記解放用メッセージを上記アドレス配布サーバに送信し、
    上記通信用アドレス配布手段は、上記解放用メッセージを送信した上記端末から、上記待機期間中に、通信用アドレスの配布を要求する配布要求メッセージが与えられたとき、上記配布情報管理記憶手段に記憶されている配布情報に基づき、今までと同様な通信用アドレスが配布されたことを示す、本来ならば、上記アドレス配布サーバが形成する配布メッセージを形成して上記端末に送信すると共に、送信を待機していた解放用メッセージを破棄する
    ことを特徴とする端末通信用アドレス設定方法。
  4. 上記通信用アドレス配布手段は、上記解放用メッセージを送信した上記端末から、上記待機期間中に、通信用アドレスの配布を要求する配布要求メッセージが与えられたとき、上記アドレス配布サーバに対しては、配布メッセージを形成して送信した上記端末についての通信用アドレスのリース期限を更新させるメッセージの授受を実行することを特徴とする請求項3に記載の端末通信用アドレス設定方法。
  5. 外部ネットワークとは配布された通信用アドレスを用いて通信を実行する端末と、上記端末へ通信用アドレスを配布するアドレス配布サーバと、上記端末を収容し、上記端末及び上記アドレス配布サーバ間の通信用アドレスの配布のための各種のメッセージを中継する端末収容装置とを有するシステムにおける上記端末収容装置において、
    収容している上記端末の通信用アドレスの配布情報を管理する配布情報管理記憶手段と、
    上記配布情報管理記憶手段に配布情報が管理されている上記端末から、配布された通信用アドレスの解放用メッセージが与えられたとき、所定の待機期間を待って、上記解放用メッセージを上記アドレス配布サーバに送信する解放遅延化手段と、
    上記解放用メッセージを送信した上記端末から、上記待機期間中に、通信用アドレスの配布を要求する配布要求メッセージが与えられたとき、上記配布情報管理記憶手段に記憶されている配布情報に基づき、今までと同様な通信用アドレスが配布されたことを示す、本来ならば、上記アドレス配布サーバが形成する配布メッセージを形成して上記端末に送信すると共に、送信を待機していた解放用メッセージを破棄する通信用アドレス配布手段と
    を有することを特徴とする端末収容装置。
  6. 上記通信用アドレス配布手段は、上記解放用メッセージを送信した上記端末から、上記待機期間中に、通信用アドレスの配布を要求する配布要求メッセージが与えられたとき、上記アドレス配布サーバに対しては、配布メッセージを形成して送信した上記端末についての通信用アドレスのリース期限を更新させるメッセージの授受を実行することを特徴とする請求項5に記載の端末収容装置。
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