JP2008177529A - 半導体基板およびその製造方法 - Google Patents

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英二 豊田
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剛士 仙田
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明子 成田
Hiromichi Isogai
宏道 磯貝
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Abstract

【課題】半導体基板表面の{110}面に対する傾斜角(オフ角)を最適化することにより、表面粗さ(ラフネス)の低減される半導体基板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】表面が{110}面に対して、0度以上0.12度以下、または、5度以上11度以下の傾斜角(オフ角)、より望ましくは6度以上9度以下の傾斜角を有することを特徴とする半導体基板、および、半導体単結晶インゴットを{110}面に対して5度以上11度以下の傾斜角(オフ角)、より望ましくは6度以上9度以下の傾斜角でスライスする工程を有することを特徴とする半導体基板の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体基板およびその製造方法に関し、特に{110}結晶面方位を有する半導体基板およびその製造方法に関する。
現在の半導体製品の製造においては、特に、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET:Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)で構成されるLSI(Large Scale Integrated circuit)においては、結晶面方位が{100}のシリコンウェーハを使用することが主流となっている。
これは、主に、{100}面にLSIを形成することによって、その結晶構造上もっとも効果的に界面準位を減少させることができ、MOSFETの信頼性等を向上させることが可能だからである。
シリコンウェーハにおいては、MOSFETのキャリアのうち、電子は{100}結晶面方位で、正孔は{110}結晶面方位で高い移動度を有することが知られている。すなわち、{100}結晶面方位での正孔移動度は、電子移動度にくらべて1/2〜1/4になる。他方、{110}結晶面方位での<110>方向の正孔移動度は、{100}結晶面方位での正孔移動度に比べて約2倍になる。
そこで、正孔をキャリアとするpMOSFETのみによって構成される片チャンネル型のLSIや、pMOSFETの特性が性能を左右するようなCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)LSIの場合には、結晶面方位が{100}ではなく、{110}であるシリコンウェーハを適用することが考えられる。
また、トランジスタのチャネルを流れるキャリアの大部分は、チャネル最表面、すなわち、チャネル表面から深さ3nm程度の領域を流れていると考えられる。そして、従来、このキャリアの移動度を劣化させる要因として、チャネル不純物、フォノン、あるいはチャネル表面粗さ(ラフネス)によるキャリアの散乱が知られていた。
チャネル不純物による散乱を抑制する技術としては、例えば、SOI(Silocon On Insulator)層にトランジスタを形成し、チャネルの完全空乏化を可能にすることで、不純物濃度を下げる技術が提案されている。
また、フォノン散乱を抑制するためには、半導体の格子振動を抑制するため、トランジスタを低温で動作させることが有効である。
そして、表面粗さ(ラフネス)を改善する手段のひとつとして、シリコンウェーハ表面を、アルゴンガス雰囲気中でアニールして、ウェーハ表面のシリコン原子を最構成し、平坦面を形成する技術が開示されている(特許文献1)。
特開平8−264401号公報
もっとも、LSIの微細化が進行し、トランジスタのチャネル長が50nmをきるようになってくると、チャネル領域の面積が小さくなるため、チャネル中に存在する不純物は1個以下となってくる。したがって、もはや不純物によるキャリアの散乱は、キャリア移動度劣化の支配要因ではなくなってくる。また、フォノン散乱は、半導体材料とトランジスタの動作温度によって決定されてしまう。
そこで、さらに、キャリア移動度を改善し、微細トランジスタの特性を向上させるためには、特に、チャネル表面粗さ(ラフネス)を制御して平坦化することで、キャリアの散乱を抑制することが重要となってくる。
そこで、発明者らは、半導体表面粗さ(ラフネス)が、半導体基板表面の{110}面に対する傾斜角(オフ角)に依存する可能性に着目して検討を行った。
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その目的とするところは、半導体基板表面の{110}面に対する傾斜角(オフ角)を最適化することにより、表面粗さ(ラフネス)の低減される半導体基板およびその製造方法を提供することにある。
本発明の一態様の半導体基板は、
表面が{110}面に対して、0度以上0.12度以下、または、5度以上11度以下の傾斜角(オフ角)を有することを特徴とする。
ここで、前記表面が{110}面に対して、6度以上9度以下の傾斜角(オフ角)を有することが望ましい。
ここで、前記表面の、前記{110}面に対する傾斜方向の前記{110}面上の方位角が、<100>方向に対して±26度の範囲にあることが望ましい。
ここで、前記表面の、前記{110}面に対する傾斜方向の前記{110}面上の方位角が、<100>方向に対して±5度の範囲にあることが望ましい。
ここで、前記表面の、前記{110}面に対する傾斜方向の前記{110}面上の方位角が、<100>方向に対して±2度の範囲にあることが望ましい。
また、前記半導体基板が、SixGe1−x(0≦x≦1)で形成されていることが望ましい。
本発明の一態様の半導体基板の製造方法は、
半導体単結晶インゴットを{110}面に対して、0度以上0.12度以下、または、5度以上11度以下の傾斜角(オフ角)でスライスする工程を有することを特徴とする。
この製造方法において、前記スライスする工程によって得られた半導体基板を、900℃以上1350℃以下の温度、30分以上5時間以下の時間、還元性ガス、不活性ガス、または、還元性ガスと不活性ガスとの混合ガス雰囲気中で熱処理する工程を有することが望ましい。
また、この製造方法において、前記スライスする工程において、前記半導体基板の表面の、前記{110}面に対する傾斜方向の前記{110}面上の方位角が、<100>方向に対して±26度の範囲となるようにスライスすることが望ましい。
また、この製造方法において、前記スライスする工程において、前記半導体基板の表面の、前記{110}面に対する傾斜方向の前記{110}面上の方位角が、<100>方向に対して±5度の範囲となるようにスライスすることが望ましい。
また、この製造方法において、前記スライスする工程において、前記半導体基板の表面の、前記{110}面に対する傾斜方向の前記{110}面上の方位角が、<100>方向に対して±2度の範囲となるようにスライスすることが望ましい。
また、本発明の別の一態様の半導体基板は、
上記本導体基板の製造方法のいずれかによって製造され、半導体単結晶インゴットを{110}面に対して、0度以上0.12度以下、または、5度以上11度以下の傾斜角(オフ角)でスライスする工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、半導体基板表面の{110}面に対する傾斜角(オフ角)を最適化することにより、表面粗さ(ラフネス)の低減される半導体基板およびその製造方法を提供することが可能になる。
以下、本発明に係る半導体基板およびその製造方法についての実施の形態につき、添付図面に基づき説明する。
なお、実施の形態においては、半導体基板としてシリコンウェーハを用いる場合を例にして説明するが、本発明は必ずしもシリコンウェーハを用いた半導体基板の製造方法に限定されるわけではない。
また、本明細書中においては、(100)面、(110)面と結晶学的に等価な面を代表する表記として、それぞれ、{100}面、{110}面という表記を用いる。そして、〔100〕方向、〔110〕方向と結晶学的に等価な方向を代表する表記として、それぞれ<100>方向、<110>方向という表記を用いる。
〔実施の形態〕
本発明の実施の形態の半導体基板は、シリコンウェーハであって、表面が{110}面に対して、0度以上0.12度以下、または、5度以上11度以下の傾斜角(オフ角)を有することを特徴とする。
従来、pMOSFETのキャリアである正孔移動度を向上させるために、表面が{110}面を有するシリコンウェーハを用いる場合、傾斜角(オフ角)は0度とするのが、一般的であった。これは、シリコンウェーハ量産のもっとも一般的な手法であるチョクラルスキー法(CZ法)を用いる場合、{110}方位を有するシリコン単結晶インゴットから、もっとも、大面積のシリコンウェーハを効率よく切り出す上で、0度とすることが好適だからである。
図1に本実施の形態の半導体基板の模式図を示す。
図に示すように、シリコンウェーハ102の表面が、{110}面に対する傾斜角(オフ角)、すなわち、シリコンウェーハの{110}面に対する傾斜方向と、{110}面の間の角度αが0度以上0.12度以下、または、5度以上11度以下となっている。
本実施の形態の半導体基板によれば、後のウェーハ製造工程あるいは半導体デバイス製造工程で行われる表面平坦化熱処理後の表面粗さ(ラフネス)が向上し、この半導体基板上に形成されるMOSFETが高性能化するという作用・効果が得られる。これは、表面粗さが低減することにより、散乱によるキャリア移動度の劣化を防止できるからである。さらに、MOSFETの高性能化のみならず、絶縁膜−半導体界面のラフネスが低減することによるゲート絶縁膜の耐圧・信頼性向上も図ることができる。
なお、ここでいう表面平坦化熱処理とは、半導体基板表面の原子を最構成することにより、半導体表面を平坦化する熱処理をいい、例えば、900℃以上1350℃以下の温度、30分以上5時間以下の時間、還元性ガス、不活性ガス、または、還元性ガスと不活性ガスとの混合ガス雰囲気中で行われる熱処理を言う。
また、本実施の形態においては、半導体基板表面の{110}面に対する傾斜角を6度以上9度以下とすることがより望ましい。なぜなら、この範囲に傾斜角を限定することにより、熱処理後の一層の表面粗さ低減効果が得られるからである。
また、本実施の形態において、必ずしも、{110}面に対する傾斜方向の方位角については限定するものではない。ここで方位角とは、図2に示すβのように、シリコンウェーハの傾斜方向を{110}面上へ投影した方向と、同一の{110}面上にある<100>方向との間の角度をいう。
しかしながら、{110}面に対する傾斜方向の{110}面上の方位角が、<100>方向に対して±26度の範囲にあることが望ましい。すなわち、図2に示す方位角βが0度±26度の範囲にあることが望ましい。これは、この範囲を超えると、表面研磨後に、不活性ガス雰囲気中で1200℃程度の熱処理を加えると、シリコンウェーハ表面粗さの指標であるRMS(Root Mean Square:平均二乗根)が増大し、この表面に形成される酸化膜などの絶縁膜破壊耐圧や絶縁膜の信頼性が劣化するおそれがあるからである。
そして、{110}面に対する傾斜方向の{110}面上の方位角が、<100>方向に対して±2度の範囲にあることがより望ましい。なぜなら、このようなシリコンウェーハは、熱処理後もデバイス形成にとってより望ましいRMSが実現されることが期待できるからである。
また、トランジスタの移動度向上の観点からは、シリコンウェーハ表面の{110}面に対する傾斜方向の{110}面上の方位角が、<100>方向に対して±5度の範囲にあること、すなわち、図2に示す方位角βが0度±5度の範囲にあることが望ましい。なぜなら、方位角βを0度±5度の範囲にすることにより、シリコンウェーハ上に形成されるpMOSFETにおいて、正孔移動度の向上をもっとも享受できることになるからである。すなわち、正孔移動度がもっとも大きくなるのは<110>方向についてであるところ、<110>方向と垂直な<100>方向にシリコンウェーハ表面を傾斜させることにより、常に、pMOSFETの正孔移動方向を<110>方向に平行とすることが可能となる。したがって、チャネル中の正孔移動方向が、<110>方向と斜行することによる移動度劣化が生じない。また、インゴットからシリコンウェーハをスライスにより切り出す際の傾斜角がばらついても、常に、pMOSFETの正孔移動方向を<110>方向に平行とすることが可能となる。したがって、傾斜角のばらつきに起因する正孔移動度のばらつきも抑制されるという利点もある。
次に、本発明の実施の形態の半導体基板の製造方法について説明する。
本発明の実施の形態の半導体基板の製造方法は、半導体単結晶インゴットを{110}面に対して0度以上0.12度以下、または、5度以上11度以下の傾斜角(オフ角)でスライスする工程を有することを特徴とする。
より具体的には、まず、例えば、チョクラルスキー法(CZ法)により引上げた結晶方位{110}のシリコン単結晶インゴットを、{110}面に対し、0度以上0.12度以下、または、5度以上11度以下、より望ましくは、6度以上9度以下の傾斜角(オフ角)でスライスする。
上述のように、0度以上0.12度以下、または、5度以上11度以下とすることにより製造される半導体基板の熱処理後の表面粗さがより低減され、6度以上9度以下とすることによって、この表面粗さが一層低減されるからである。また、傾斜角が6度以上9度以下の範囲では、熱処理後の表面粗さの傾斜角依存性が小さく安定している。よってスライスする工程において、スライス角度がばらついても、熱処理後のウェーハ表面平坦性が安定するという利点もある。
ここで、CZ法による単結晶引上げの際に、種結晶の{110}面を、一般に行われるように、水平面に一致させる形で引上げを行うことも可能である。しかしながら、種結晶の{110}面を、あらかじめ、水平面に対して5度以上11度以下、より望ましくは6度以上9度以下、例えば8度程度に傾斜させて、単結晶引上げを行うことが望ましい。
なぜなら、あらかじめ、種結晶を所望の傾斜角相当に傾けてシリコン単結晶インゴットを引上げることにより、スライス工程では、シリコン単結晶インゴットの長さ方向に対し概ね垂直にスライスすることになる。したがって、スライス加工が容易となるからである。また、概ね垂直にスライスすることにより、シリコン単結晶インゴット中、シリコンウェーハとして利用できずに廃棄する単結晶体積を少なくすることが可能となり、製造コストの削減が実現できるからである。
また、本実施の形態において、シリコン単結晶インゴットをスライスする工程において、必ずしも、{110}面に対する傾斜方向の方位角については限定するものではない。
しかしながら、{110}面に対する傾斜方向の{110}面上の方位角が、<100>方向に対して±26度の範囲にあるようにスライスすることが望ましい。すなわち、図2に示す方位角βが0度±26度の範囲になるようにシリコン単結晶インゴットをスライスすることが望ましい。これは、上述のように、この範囲を超えると、表面研磨後に、不活性ガス雰囲気中で1200℃程度の熱処理を加える場合、シリコンウェーハ表面粗さの指標であるRMS(Root Mean Square:平均二乗根)が増大し、この表面に形成される酸化膜などの絶縁膜破壊耐圧や絶縁膜の信頼性が劣化するおそれがあるからである。
そして、{110}面に対する傾斜方向の{110}面上の方位角が、<100>方向に対して±2度の範囲にあるようにシリコン単結晶インゴットをスライスすることがより望ましい。なぜなら、上述のように、この範囲でスライスされたウェーハは、熱処理後もデバイス形成にとってより望ましいRMSを実現することが期待できるからである。
なお、ここでデバイス形成にとって、望ましいRMS値は、要求されるデバイス性能との関係で、必ずしも一意的に決定できるものではない。しかしながら、0.2nm程度以下のRMS値が実現されることが一般的には望ましい。
また、トランジスタの移動度向上の観点からは、切り出されるシリコンウェーハの表面の、{110}面に対する傾斜方向の{110}面上の方位角が、<100>方向に対して±5度の範囲となるように、すなわち、図2に示す方位角βが0度±5度の範囲になるようにシリコン単結晶インゴットをスライスすることが望ましい。なぜなら、このようにして製造された半導体基板は、上述のように、シリコンウェーハ上に形成されるpMOSFETにおいて、正孔移動度の向上をもっとも享受できることになるからである。また、上述のように、このようにして製造された半導体基板はインゴットからシリコンウェーハをスライスにより切り出す際の傾斜角のばらつきに起因する正孔移動度のばらつきも生じないという利点もあるからである。
次に、この面方位を保ったまま、ミラーポリッシング(鏡面研磨)を行い、スライスする工程によって生じたシリコンウェーハ表面の凹凸を除去する。
以上のようにして、後のウェーハ製造工程あるいは半導体デバイス製造工程で行われる表面平坦化熱処理後の表面粗さ(ラフネス)が向上し、このシリコンウェーハ上に形成されるMOSFETが高性能化するという作用・効果を有するシリコンウェーハを製造することが可能となる。
なお、本実施の形態の製造方法において、ミラーポリッシング(鏡面研磨)の後に、900℃以上1350℃以下の温度、30分以上5時間以下の時間、還元性ガス、不活性ガス、または、還元性ガスと不活性ガスとの混合ガス雰囲気中で平坦化熱処理を行ってもかまわない。
ここで、熱処理の雰囲気を、還元性ガス、不活性ガス、または、還元性ガスと不活性ガスとの混合ガス雰囲気中とするのは、これ以外の雰囲気では、シリコンウェーハ表面の原子の再構成が行われないため、シリコンウェーハ表面の平坦化されにくいためである。特に、酸化性ガスが混入すると、シリコンウェーハ表面が酸化されることにより、シリコン表面の原子の再構成が極めて困難になる。
また、熱処理を900℃以上1350℃以下の温度、30秒以上5時間以下の時間とするのは、これより低温または短時間の範囲では、熱処理による平坦化の実現が困難となるからである。また、これより高温または長時間の範囲では、シリコンウェーハの金属汚染が増大するからである。さらに、高温または長時間の範囲では、シリコンウェーハへのスリップ発生の可能性が高くなり、かつ、熱処理装置の部材寿命が短くなり現実的でないからである。
このようにシリコンウェーハ製造段階で平坦化のための熱処理を加えることにより、半導体デバイス製造工程において、追加的な平坦化熱処理が不要となる。したがって、シリコンウェーハ上に、平坦化熱処理なしに、優れた特性を有する、MOSFETやキャパシタの絶縁膜を形成することが可能となる。
ここで、用いられるシリコン単結晶インゴットは、必ずしも、チョクラルスキー法(CZ法)により引上げた単結晶でなくとも、例えば、フローティングゾーン法(FZ法)により引上げられたものであっても構わない。
また、本実施の形態の製造方法で使われる熱処理装置も特に限定されるものではなく、例えば、バッチ式の縦型熱処理炉を用いても、あるいは、枚葉式のRTP(Rapid Thermal Processing)装置を用いても構わない。
なお、本実施の形態においては半導体基板がシリコン(Si)である場合について記述したが、基本的にシリコン同様の結晶構造を有するSixGe1−x(0≦x<1)であっても同様の作用・効果を得ることが可能である。加えて、SixGe1−x(0≦x<1)を材料として用いることにより、キャリア、特に、pMOSFETのキャリアであるホールの移動度が向上する。よって、半導体基板上に形成されるLSIがより高性能化するという効果が得られる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。実施の形態の説明においては、半導体基板、半導体基板の製造方法等で、本発明の説明に直接必要としない部分等については記載を省略したが、必要とされる半導体基板、半導体基板の製造方法等に関わる要素を適宜選択して用いることができる。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての半導体基板およびその製造方法は、本発明の範囲に包含される。
以下、本発明の実施例について説明するが、これらによって本発明が限定されるものではない。
(実施例1)
チョコラルスキー法(CZ法)により、8インチの結晶面方位(110)のシリコン単結晶インゴットを製造した。引上げの際には、種結晶の(110)面を、水平にすることによって、シリコン単結晶インゴットの成長および引上げを行った。
このインゴットは、ボロンを不純物とするpタイプシリコン単結晶であり、抵抗率は9〜22Ωcmとした。
このシリコン単結晶インゴットを、切り出されるシリコンウェーハの表面の、(110)面に対する傾斜方向の(110)面上の方位角が、<100>方向に一致するように、すなわち、図2に示す方位角βが0度になるようにシリコン単結晶インゴットをスライスした。
また、(110)面に対し、0度から12度まで1度刻みの傾斜角(オフ角)の狙いでスライスすることにより、図2の角度αで示される傾斜角(オフ角)の異なるシリコンウェーハを準備した。
次に、スライスによって得られたシリコンウェーハを、フッ化水素−硝酸での洗浄を行った後に、ミラーポリッシングした。
その後に、バッチ式縦型熱処理炉で水素ガス雰囲気、1200℃、1時間の条件で平坦化熱処理を行った。
以上のシリコンウェーハについて、任意の10μm×10μmの測定領域についてAFM(Nano Scope IIIa)により表面粗さ(ラフネス)を評価した。表面粗さの指標としては、RMS(Root Mean Square:平均二乗根)を用いた。結果は、図3に示す。
図3から明らかなように、傾斜角(オフ角)αが、5度以上11度以下の範囲で表面粗さ(RMS値)が、0度近傍の場合以下となり、良好であることが明らかになった。さらに、6度以上9度以下の範囲において、0度近傍の場合のおおよそ半分以下の表面粗さで安定し、更に良好であることが明らかになった。
なお、上記0度狙いでスライスしたシリコンウェーハを高性能X線回折装置を用いて測定したところ0.45度の傾斜を有していることが明らかになった。
(実施例2)
チョコラルスキー法(CZ法)により、8インチの結晶面方位(110)のシリコン単結晶インゴットを製造した。引上げの際には、種結晶の(110)面を、水平にすることよって、シリコン単結晶インゴットの成長および引上げを行った。
このインゴットは、ボロンを不純物とするpタイプシリコン単結晶であり、抵抗率は9〜22Ωcmとした。
このシリコン単結晶インゴットを、切り出されるシリコンウェーハの表面の、(110)面に対する傾斜方向の(110)面上の方位角が、<110>方向に一致するように、すなわち、図2に示す方位角βが90度になるようにシリコン単結晶インゴットをスライスした。
また、それぞれの方位角について、(110)面に対し、0度から12度まで1度刻みの傾斜角(オフ角)でスライスすることにより、図2の角度αで示される傾斜角(オフ角)の異なるシリコンウェーハを準備した。
次に、スライスによって得られたシリコンウェーハを、フッ化水素−硝酸での洗浄を行った後に、ミラーポリッシングした。
その後に、バッチ式縦型熱処理炉で水素ガス雰囲気、1200℃、1時間の条件で平坦化熱処理を行った。
以上のシリコンウェーハについて、任意の10μm×10μmの測定領域についてAFM(Nano Scope IIIa)により表面粗さ(ラフネス)を評価した。表面粗さの指標としては、RMS(Root Mean Square:平均二乗根)を用いた。また比較のために、熱処理を行わないウェーハについても測定を行った。結果は、図3に示す。
図3から明らかなように、(110)表面のRMSは、熱処理を加えることで、劣化する傾向がある。そして、傾斜方向方位を<110>とした場合は、<100>とした場合に比べ、RMSが大きくなっており、LSI等の半導体デバイスの歩留まりを確保する上で望ましくない。
そして、結晶の連続的などの性質上、傾斜方向方位を<100>から<110>に変化させていった場合、RMSも連続的に劣化していくことが予想される。したがって、{110}面に対する傾斜方向の{110}面上の方位角が、<100>方向に対して±26度の範囲であれば、熱処理後もデバイス形成に望ましいRMS値を実現できることが期待できる。
(実施例3)
チョコラルスキー法(CZ法)により、8インチの結晶面方位(110)のシリコン単結晶インゴットを製造した。このインゴットは、ボロンを不純物とするpタイプシリコン単結晶であり、抵抗率は9〜22Ωcmとした。 このシリコン単結晶インゴットを、切り出されるシリコンウェーハの表面の、(110)面に対する傾斜方向の(110)面上の方位角が、<100>方向に一致するように、すなわち、図2に示す方位角βが0度になるようにシリコン単結晶インゴットをスライスした。 また、(110)面に対し、傾斜角(オフ角)が0〜0.5度となるようにスライスすることにより、図2の角度αで示される傾斜角(オフ角)の異なるシリコンウェーハを準備した。 次に、スライスによって得られたシリコンウェーハを、フッ化水素−硝酸での洗浄を行った後に、ミラーポリッシングした。
その後に、バッチ式縦型熱処理炉で水素ガス雰囲気、1200℃、1時間の条件で平坦化熱処理を行った。 以上のシリコンウェーハについて、任意の10μm×10μmの測定範領域についてAFM(Nano Scope IIIa)により表面粗さ(ラフネス)を評価した。表面粗さの指標としては、RMS(Root Mean Square:平均二乗根)を用いた。結果は、図4に示す。図4から明らかなように、傾斜角(オフ角)αが、0.0度以上0.12度以下の範囲で表面粗さが、RMS値で0.2以下となり、良好であることが明らかになった。
実施の形態の半導体基板の模式図。 実施の形態の半導体基板の傾斜角および方位角を説明する模式図。 実施例1及び2の傾斜角と表面熱処理後の表面粗さの関係を示す図。 実施例3の傾斜角と表面熱処理後の表面粗さの関係を示す図。
符号の説明
102 シリコンウェーハ

Claims (12)

  1. 表面が{110}面に対して、0度以上0.12度以下、または、5度以上11度以下の傾斜角(オフ角)を有することを特徴とする半導体基板。
  2. 前記表面が{110}面に対して、6度以上9度以下の傾斜角(オフ角)を有することを特徴とする請求項1記載の半導体基板。
  3. 前記表面の、前記{110}面に対する傾斜方向の前記{110}面上の方位角が、<100>方向に対して±26度の範囲にあることを特徴とする請求項1または請求項2記載の半導体基板。
  4. 前記表面の、前記{110}面に対する傾斜方向の前記{110}面上の方位角が、<100>方向に対して±5度の範囲にあることを特徴とする請求項1または請求項2記載の半導体基板。
  5. 前記表面の、前記{110}面に対する傾斜方向の前記{110}面上の方位角が、<100>方向に対して±2度の範囲にあることを特徴とする請求項1または請求項2記載の半導体基板。
  6. 前記半導体基板が、SixGe1−x(0≦x≦1)で形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5いずれか一項に記載の半導体基板。
  7. 半導体単結晶インゴットを{110}面に対して0度以上0.12度以下、または、5度以上11度以下の傾斜角(オフ角)でスライスする工程を有することを特徴とする半導体基板の製造方法。
  8. 前記スライスする工程によって得られた半導体基板を、900℃以上1350℃以下の温度、30分以上5時間以下の時間、還元性ガス、不活性ガス、または、還元性ガスと不活性ガスとの混合ガス雰囲気中で熱処理する工程を有することを特徴とする請求項7記載の半導体基板の製造方法。
  9. 前記スライスする工程において、前記半導体基板の表面の、前記{110}面に対する傾斜方向の前記{110}面上の方位角が、<100>方向に対して±26度の範囲となるようにスライスすることを特徴とする請求項7または請求項8記載の半導体基板の製造方法。
  10. 前記スライスする工程において、前記半導体基板の表面の、前記{110}面に対する傾斜方向の前記{110}面上の方位角が、<100>方向に対して±5度の範囲となるようにスライスすることを特徴とする請求項7または請求項8記載の半導体基板の製造方法。
  11. 前記スライスする工程において、前記半導体基板の表面の、前記{110}面に対する傾斜方向の前記{110}面上の方位角が、<100>方向に対して±2度の範囲となるようにスライスすることを特徴とする請求項7または請求項8記載の半導体基板の製造方法。
  12. 請求項7ないし請求項11いずれか一項に記載の半導体基板の製造方法によって製造され、表面粗さがRms値で0.2nm以下であることを特徴とする半導体基板。
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