JP2008177504A - 半導体パッケージ - Google Patents
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Abstract
【課題】既存インフラを利用し、かつ低コストに、機能素子が三次元的に配置された高信頼性の積層型半導体パッケージを提供する。
【解決手段】複数の半導体チップ7,8とインターポーザ6を積層した積層型半導体パッケージにおいて、インターポーザとして、ガラス転移温度が300℃以上、引張弾性率が5GPa〜20GPa、線膨張係数が−3〜+8ppm/℃、厚さが2.5〜40μmの高分子フィルムに導電性材料による配線層が形成されたプリント配線板を用いる。
【選択図】図2
【解決手段】複数の半導体チップ7,8とインターポーザ6を積層した積層型半導体パッケージにおいて、インターポーザとして、ガラス転移温度が300℃以上、引張弾性率が5GPa〜20GPa、線膨張係数が−3〜+8ppm/℃、厚さが2.5〜40μmの高分子フィルムに導電性材料による配線層が形成されたプリント配線板を用いる。
【選択図】図2
Description
本発明は、機能素子が三次元的に配置された高密度半導体パッケージに関し、さらに詳しくは貫通電極を有する半導体チップを複数積層して3次元実装構造を実現した高密度半導体パッケージに関する。
近年の電子機器の高密度化に伴い、半導体パッケージにおいても半導体チップが三次元的に積層された所謂チップ積層型パッケージが開発されている(特許文献1参照)。
チップ積層型半導体パッケージにおいて、大なる半導体チップの上に小なる半導体チップを重ねる場合は、従来の方法でワイヤボンドが可能であるが、同じ大きさのチップを重ねる場合や下段のチップよりも上段のチップが大きい場合は、ダミーチップをインターポーザとして用いる必要があった(特許文献2参照)。
ダミーチップは半導体素子としての機能がないにもかかわらず高価なシリコンウエハを用い、また、通常のチップと同様にバックグラインド、ダイアタッチフィルムの貼り付け、ダイシングといった余計な製造工程を必要としていた。
かかるチップ積層型パッケージは、半導体パッケージの小型化には有力な技術であるが、チップ間の配線を個別に行う必要があり、配線を集約するパッケージ基板側の配線パッドの配置による積層枚数の限界があった。すなわち、多段にチップを積み重ねると、上段チップからはより離れた箇所までボンディングワイヤを伸ばす必要が生じ、ボンディングワイヤの信頼性が損なわれ、またワイヤどうしの接触短絡の可能性も生じ、自ずと積層されるチップの枚数に限界が生じていた。また基本的にワイヤボンディングを前提にした構造であるため、チップ側の電極配置にも制約があり高密度化の妨げとなっていた。
一方、フリップチップボンディングは電極配置の自由度が高く、半導体チップ側のパッド密度を上げることが可能となり、多入出力チップを搭載可能である。しかしながら、フリップチップボンディングでは面/面間の接続しか行えないため、通常の片面に機能素子が形成された半導体チップを用いる限りに於いては、3枚以上の半導体チップを積層した場合には電気的に接続することができなくなる。
かかる問題を解決する手段として、半導体チップに貫通電極を設け、複数チップを積層した場合でも半導体チップ間を、あたかもプリント配線板におけるスルーホールの様に接続する技術が開発されている。(特許文献3参照)
チップ積層型半導体パッケージにおいて、大なる半導体チップの上に小なる半導体チップを重ねる場合は、従来の方法でワイヤボンドが可能であるが、同じ大きさのチップを重ねる場合や下段のチップよりも上段のチップが大きい場合は、ダミーチップをインターポーザとして用いる必要があった(特許文献2参照)。
ダミーチップは半導体素子としての機能がないにもかかわらず高価なシリコンウエハを用い、また、通常のチップと同様にバックグラインド、ダイアタッチフィルムの貼り付け、ダイシングといった余計な製造工程を必要としていた。
かかるチップ積層型パッケージは、半導体パッケージの小型化には有力な技術であるが、チップ間の配線を個別に行う必要があり、配線を集約するパッケージ基板側の配線パッドの配置による積層枚数の限界があった。すなわち、多段にチップを積み重ねると、上段チップからはより離れた箇所までボンディングワイヤを伸ばす必要が生じ、ボンディングワイヤの信頼性が損なわれ、またワイヤどうしの接触短絡の可能性も生じ、自ずと積層されるチップの枚数に限界が生じていた。また基本的にワイヤボンディングを前提にした構造であるため、チップ側の電極配置にも制約があり高密度化の妨げとなっていた。
一方、フリップチップボンディングは電極配置の自由度が高く、半導体チップ側のパッド密度を上げることが可能となり、多入出力チップを搭載可能である。しかしながら、フリップチップボンディングでは面/面間の接続しか行えないため、通常の片面に機能素子が形成された半導体チップを用いる限りに於いては、3枚以上の半導体チップを積層した場合には電気的に接続することができなくなる。
かかる問題を解決する手段として、半導体チップに貫通電極を設け、複数チップを積層した場合でも半導体チップ間を、あたかもプリント配線板におけるスルーホールの様に接続する技術が開発されている。(特許文献3参照)
かかる貫通電極を有する半導体チップを積層する実装方法に寄れば、3次元実装を効率よく簡便に実施可能である。特に同じ構成の半導体チップを複数並列接続して用いる半導体メモリー等にとっては非常に有用な技術であるといえる。反面、かかる三次元配列を行うためには、あらかじめ三次元配列を行う前提に於いて半導体チップを設計する必要があるため、システムの設計自由度という点では必ずしも効率的なものとは云えない
特に同一規格のメモリーチップだけでなく、プロセッサや入出力制御チップ等を混載する場合に於いては、必ずしも望んだ電極配列のチップが入手出来るわけではないため、かかるチップ間の再配線が必要となる場合には、チップ間にインターポーザを挿入する必要が生じる。
かかる再配線用のインターポーザは、半導体チップと近接して実装されるために、半導体チップと同じ材質を用いて作製されるのが通例である。しかしながら再配線の機能を得るために、半導体チップと同じウエハを用い、同様に半導体プロセスにより再配線パターンを形成し、バックグラインドによる薄板化、ダイシング工程などプロセスを用いることは非常に非効率であり、より簡便に作製出来るインターポーザが求められていた。
半導体チップと同じ材質であるシリコンウエハ(シリコン基板)への貫通電極形成は、シリコン基板に異方性のエッチング、あるいはレーザー加工などにより深い穴を掘り、穴の中を満たすように金属を充填ないし、めっきした後にシリコン基板を裏側より削り、穴の底をシリコン基板の裏面から露出させることにより形成することが開示されている特許文献4参照)。
しかしながら一般のプリント配線板材料(ポリイミドフィルムなど)を用いて作製したインターポーザでは、半導体チップとの間の熱膨張係数差が大きく、チップを搭載した際に基板とチップがバイメタル効果によりソリを生じ、パッケージの信頼性を著しく落とす結果につながる場合があった。特に昨今、チップを薄型化し、パッケージ全体の厚さを薄化する方向に於いては、かかる問題はより顕在化する方向にある。従来の基板材料では、薄型化すると材料の剛性が不足してパッケージの形状保持が困難となり、また剛性が不足するが故に、チップとパッケージ基板間の熱膨張係数差による基板反りがさらに顕著になり、パッケージそのものの信頼性自体に問題が指摘されていた。
特開2000−349228号公報
特開2002−141459号公報
特開2003−046057号公報
特開2003−243396号公報
特に同一規格のメモリーチップだけでなく、プロセッサや入出力制御チップ等を混載する場合に於いては、必ずしも望んだ電極配列のチップが入手出来るわけではないため、かかるチップ間の再配線が必要となる場合には、チップ間にインターポーザを挿入する必要が生じる。
かかる再配線用のインターポーザは、半導体チップと近接して実装されるために、半導体チップと同じ材質を用いて作製されるのが通例である。しかしながら再配線の機能を得るために、半導体チップと同じウエハを用い、同様に半導体プロセスにより再配線パターンを形成し、バックグラインドによる薄板化、ダイシング工程などプロセスを用いることは非常に非効率であり、より簡便に作製出来るインターポーザが求められていた。
半導体チップと同じ材質であるシリコンウエハ(シリコン基板)への貫通電極形成は、シリコン基板に異方性のエッチング、あるいはレーザー加工などにより深い穴を掘り、穴の中を満たすように金属を充填ないし、めっきした後にシリコン基板を裏側より削り、穴の底をシリコン基板の裏面から露出させることにより形成することが開示されている特許文献4参照)。
しかしながら一般のプリント配線板材料(ポリイミドフィルムなど)を用いて作製したインターポーザでは、半導体チップとの間の熱膨張係数差が大きく、チップを搭載した際に基板とチップがバイメタル効果によりソリを生じ、パッケージの信頼性を著しく落とす結果につながる場合があった。特に昨今、チップを薄型化し、パッケージ全体の厚さを薄化する方向に於いては、かかる問題はより顕在化する方向にある。従来の基板材料では、薄型化すると材料の剛性が不足してパッケージの形状保持が困難となり、また剛性が不足するが故に、チップとパッケージ基板間の熱膨張係数差による基板反りがさらに顕著になり、パッケージそのものの信頼性自体に問題が指摘されていた。
本発明は、上記のような状況に鑑みてなされたものであり、機能素子が三次元的に配置された高密度半導体パッケージに関し、さらに詳しくは貫通電極を有する半導体チップを複数積層して3次元実装構造を実現した高密度半導体パッケージにおいて、チップ間の再配線を、既存インフラを利用して、かつ低コストに実現出来るインターポーザを提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを
見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
1. シリコン基板に穿った貫通孔を通してシリコン基板の両方の面を電気的に接続した構造を有する複数の半導体チップを積層して搭載する半導体パッケージにおいて、半導体チップ間の再配線を行うインターポーザとして、ガラス転移温度が300℃以上、引張弾性率が5GPa〜20GPa、線膨張係数が−3ppm/℃〜+8ppm/℃、厚さが2.5〜40μmの高分子フィルムに導電性材料による配線層が形成されたプリント配線板を用いることを特徴とする半導体パッケージ。
2. 高分子フィルムが、(A)ピロメリット酸二無水物を70モル%以上含むテトラカルボン酸二無水物、(B)パラフェニレンジアミン及び/又はベンゾオキサゾール骨格を有するジアミンを70モル%以上含むジアミン、の(A)と(B)とを反応させて得られるポリイミドフィルムである1.の半導体パッケージ。
3. 高分子フィルムが、分子内にエーテル結合を有するテトラカルボン酸無水物を1〜30モル%含むテトラカルボン酸二無水物類と、分子内にエーテル結合を有するジアミンを1〜30モル%含むジアミンとを反応させて得られるポリイミドフィルムである2.の半導体パッケージ。
4. ポリイミドフィルムに含まれる高温揮発分(残sol、残分解物)が1%以下である2.又は3.いずれかの半導体パッケージ。
5. ポリイミドフィルムのカール度が10%以下である2.〜4.いずれかの半導体パッケージ。
6. インターポーザと半導体チップ間に、硬化物の引張弾性率が0.8〜8GPaである接着剤層を有する1.〜5.の半導体パッケージ。
見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
1. シリコン基板に穿った貫通孔を通してシリコン基板の両方の面を電気的に接続した構造を有する複数の半導体チップを積層して搭載する半導体パッケージにおいて、半導体チップ間の再配線を行うインターポーザとして、ガラス転移温度が300℃以上、引張弾性率が5GPa〜20GPa、線膨張係数が−3ppm/℃〜+8ppm/℃、厚さが2.5〜40μmの高分子フィルムに導電性材料による配線層が形成されたプリント配線板を用いることを特徴とする半導体パッケージ。
2. 高分子フィルムが、(A)ピロメリット酸二無水物を70モル%以上含むテトラカルボン酸二無水物、(B)パラフェニレンジアミン及び/又はベンゾオキサゾール骨格を有するジアミンを70モル%以上含むジアミン、の(A)と(B)とを反応させて得られるポリイミドフィルムである1.の半導体パッケージ。
3. 高分子フィルムが、分子内にエーテル結合を有するテトラカルボン酸無水物を1〜30モル%含むテトラカルボン酸二無水物類と、分子内にエーテル結合を有するジアミンを1〜30モル%含むジアミンとを反応させて得られるポリイミドフィルムである2.の半導体パッケージ。
4. ポリイミドフィルムに含まれる高温揮発分(残sol、残分解物)が1%以下である2.又は3.いずれかの半導体パッケージ。
5. ポリイミドフィルムのカール度が10%以下である2.〜4.いずれかの半導体パッケージ。
6. インターポーザと半導体チップ間に、硬化物の引張弾性率が0.8〜8GPaである接着剤層を有する1.〜5.の半導体パッケージ。
本発明において規定される物性を有する高分子フィルムとくにポリイミドフィルムに配線層を形成し、貫通電極を有するシリコン基板と組み合わせて利用することにより、既存インフラを用いて、再配線機能付きのチップ間インターポーザを実現可能であり、三次元実装パッケージにおけるチップの選択自由度を飛躍的に高めることができる。本発明に用いられる高分子フィルムは熱寸法安定性がシリコン基板に近いため、配線層とシリコン基板の貫通電極との位置あわせが容易であり、パッドの微細化に十分対応可能である。また薄く脆いシリコン基板にかかる高分子フィルムが組み合わされることによりインターポーザ自体のハンドリング性が大幅に改善され、またインターポーザ自体のソリ歪みも解消される。さらにはかかるインターポーザとの組み合わせによれば、バーンインや温度サイクル試験時にも半導体チップ上の機能素子にストレスを加えることなく安定した動作を保証することが出来、高い信頼性を有する半導体パッケージを提供可能となる。
以下、本発明を詳述する。
本発明における半導体チップとは、シリコン、ゲルマニウム、あるいはガリウムアセナイト等の単結晶ウエハ、ないし、これらの基板表面に薄膜的に形成したアモルファス、ないし多結晶の半導体薄膜に、機能素子を形成し、所定のサイズにダイシングしたものを云う。
本発明のインターポーザにおけるシリコン基板とは単結晶、ないし多結晶のシリコンウエハ、ならびに該ウエハをダイシングして得られるチップの双方を示すものとする。
本発明の貫通電極を有するシリコン基板は、シリコン基板には貫通電極が形成されたものである。シリコン基板への貫通電極形成は、たとえば前記特許文献4(特開2003−243396号公報)に示されるように、シリコン基板に異方性のエッチング、あるいはレーザー加工などにより深い穴を掘り、穴の中を満たすように金属を充填ないし、めっきした後にシリコン基板を裏側より削り、穴の底をシリコン基板の裏面から露出させることにより形成することが出来る。
またかかる貫通電極を形成するに際してシリコン基板表面に配線層を形成することも出来る、さらにはシリコン基板表面にキャパシタ、インダクタ、抵抗素子などの受動部品を作製することも可能である。
かかる貫通電極が形成されたシリコン基板の厚さは150μm以下が好ましく90μm以下がなお好ましく65μm以下がなお好ましく、35μm以下がなおさらに好ましい。
本発明における半導体チップとは、シリコン、ゲルマニウム、あるいはガリウムアセナイト等の単結晶ウエハ、ないし、これらの基板表面に薄膜的に形成したアモルファス、ないし多結晶の半導体薄膜に、機能素子を形成し、所定のサイズにダイシングしたものを云う。
本発明のインターポーザにおけるシリコン基板とは単結晶、ないし多結晶のシリコンウエハ、ならびに該ウエハをダイシングして得られるチップの双方を示すものとする。
本発明の貫通電極を有するシリコン基板は、シリコン基板には貫通電極が形成されたものである。シリコン基板への貫通電極形成は、たとえば前記特許文献4(特開2003−243396号公報)に示されるように、シリコン基板に異方性のエッチング、あるいはレーザー加工などにより深い穴を掘り、穴の中を満たすように金属を充填ないし、めっきした後にシリコン基板を裏側より削り、穴の底をシリコン基板の裏面から露出させることにより形成することが出来る。
またかかる貫通電極を形成するに際してシリコン基板表面に配線層を形成することも出来る、さらにはシリコン基板表面にキャパシタ、インダクタ、抵抗素子などの受動部品を作製することも可能である。
かかる貫通電極が形成されたシリコン基板の厚さは150μm以下が好ましく90μm以下がなお好ましく65μm以下がなお好ましく、35μm以下がなおさらに好ましい。
本発明における高分子フィルムとしてはポリイミド、芳香族ポリアミド、ポリベンザゾール、芳香族ポリエステル、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリファニレンエーテル、ポリベンゾシクロブテン、ポリアリルエーテル、などの耐熱性有機高分子フィルムからのフィルムであり、これらのフィルムは、ガラス転移温度が300℃以上、引張弾性率が5〜25GPa、線膨張係数が−3〜+8ppm/℃、厚さが2.5〜40μmであれば特に限定されるものではない。本発明では特にフィルム物性に優れた前記物性を保有するポリイミドフィルム、ポリベンザゾールフィルムを用いることが好ましい。以下ポリイミドフィルムについて詳述するがこれに限定されるものではない。
本発明におけるポリイミドフィルムとは、主鎖にイミド結合を有する耐熱性有機高分子フィルムである。ポリイミドフィルムは一般的には、テトラカルボン酸無水物とジアミンを溶液中にて重合してポリアミド酸を得、得られたポリアミド酸をフィルム状に成形した後、ポリアミド酸部位を脱水閉環することによりポリイミドフィルムを得る。
本発明では、芳香族テトラカルボン酸二無水物と、芳香族ジアミンとを反応させて得られるポリイミドからのフィルムが好ましく、より好ましくはピロメリット酸二無水物を70mol%以上含むテトラカルボン酸二無水物と、パラフェニレンジアミン及び/又はベンゾオキサゾール骨格を有する芳香族ジアミンを70mol%以上含むジアミンとを反応させて得られるポリイミドフィルムであり、また分子内にエーテル結合を有するテトラカルボン酸二無水物を1〜30mol%含むテトラカルボン酸二無水物類と、分子内にエーテル結合を有するジアミンを1〜30mol%含む芳香族ジアミンとを反応させて得られるポリイミドフィルムである。
本発明におけるベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類として、下記の化合物が例示できる。
本発明では、芳香族テトラカルボン酸二無水物と、芳香族ジアミンとを反応させて得られるポリイミドからのフィルムが好ましく、より好ましくはピロメリット酸二無水物を70mol%以上含むテトラカルボン酸二無水物と、パラフェニレンジアミン及び/又はベンゾオキサゾール骨格を有する芳香族ジアミンを70mol%以上含むジアミンとを反応させて得られるポリイミドフィルムであり、また分子内にエーテル結合を有するテトラカルボン酸二無水物を1〜30mol%含むテトラカルボン酸二無水物類と、分子内にエーテル結合を有するジアミンを1〜30mol%含む芳香族ジアミンとを反応させて得られるポリイミドフィルムである。
本発明におけるベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類として、下記の化合物が例示できる。
これらの中でも、合成のし易さの観点から、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールの各異性体が好ましい。ここで、「各異性体」とは、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールが有する2つアミノ基が配位位置に応じて定められる各異性体である(例;上記「化1」〜「化4」に記載の各化合物)。これらのジアミンは、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明においては、前記ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミンを70モル%以上使用することが好ましい。
本発明においては、前記ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミンを70モル%以上使用することが好ましい。
本発明は、前記事項に限定されず下記の芳香族ジアミンを使用してもよいが、好ましくは全芳香族ジアミンの30モル%未満であれば下記に例示されるベンゾオキサゾール構造を有しないジアミン類を一種又は二種以上、併用してのポリイミドフィルムである。
そのようなジアミン類としては、例えば、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、
そのようなジアミン類としては、例えば、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、
3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、
1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノシ)フェニル]ブタン、2,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、
1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス[(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、
2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−フルオロフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−メチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−シアノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−ビフェノキシベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、2,6−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾニトリル及び上記芳香族ジアミンにおける芳香環上の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシル基、シアノ基、又はアルキル基又はアルコキシル基の水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基又はアルコキシル基で置換された芳香族ジアミン等が挙げられる。
本発明で用いられる芳香族テトラカルボン酸類は例えば芳香族テトラカルボン酸無水物類である。芳香族テトラカルボン酸無水物類(酸、無水物、アミド結合性誘導体などを示す)としては、好ましくは化14に示すピロメリット酸無水物であり、全カルボン酸の70モル%以上使用することが好ましいが、これに限定されるものではない。その他の芳香族テトラカルボン酸として、具体的には、以下のものが挙げられる。
これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明においては、全テトラカルボン酸二無水物の30モル%未満好ましくは10モル%未満であれば下記に例示される非芳香族のテトラカルボン酸二無水物類を一種又は二種以上、併用しても構わない。そのようなテトラカルボン酸無水物としては、例えば、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサ−1−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−エチルシクロヘキサン−1−(1,2),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、
本発明においては、全テトラカルボン酸二無水物の30モル%未満好ましくは10モル%未満であれば下記に例示される非芳香族のテトラカルボン酸二無水物類を一種又は二種以上、併用しても構わない。そのようなテトラカルボン酸無水物としては、例えば、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサ−1−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−エチルシクロヘキサン−1−(1,2),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明では、ベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン類を70モル%以上、芳香族テトラカルボン酸二無水物を70モル%以上用いることが好ましい。使用量がこの範囲に満たないと、フィルム強度と耐熱性が低下し所望の効果を得ることができなくなる場合が多い。
本発明では、ベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン類を70モル%以上、芳香族テトラカルボン酸二無水物を70モル%以上用いることが好ましい。使用量がこの範囲に満たないと、フィルム強度と耐熱性が低下し所望の効果を得ることができなくなる場合が多い。
前記芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸(無水物)類とを重縮合(重合)してポリアミド酸を得るときに用いる溶媒は、原料となるモノマー及び生成するポリアミド酸のいずれをも溶解するものであれば特に限定されないが、極性有機溶媒が好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックアミド、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、スルホラン、ハロゲン化フェノール類等があげられる。 これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。溶媒の使用量は、原料となるモノマーを溶解するのに十分な量であればよく、具体的な使用量としては、モノマーを溶解した溶液に占めるモノマーの質量が、通常5〜40質量%、好ましくは10〜30質量%となるような量が挙げられる。
ポリアミド酸を得るための重合反応(以下、単に「重合反応」ともいう)の条件は従来公知の条件を適用すればよく、具体例として、有機溶媒中、0〜80℃の温度範囲で、10分〜30時間連続して撹拌及び/又は混合することが挙げられる。必要により重合反応を分割したり、温度を上下させてもかまわない。この場合に、両モノマーの添加順序には特に制限はないが、芳香族ジアミン類の溶液中に芳香族テトラカルボン酸無水物類を添加するのが好ましい。重合反応によって得られるポリアミド酸溶液に占めるポリアミド酸の質量は、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%であり、前記溶液の粘度はブルックフィールド粘度計による測定(25℃)で、送液の安定性の点から、好ましくは10〜2000Pa・sであり、より好ましくは100〜1000Pa・sである。
本発明におけるポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)は、特に限定するものではないが3.0dl/g以上が好ましく、4.0dl/g以上がさらに好ましい。
これらの還元粘度とすることで、得られるポリイミドベンゾオキサゾールの300℃でのカール度が10%以下となす制御が容易となる。
本発明におけるポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)は、特に限定するものではないが3.0dl/g以上が好ましく、4.0dl/g以上がさらに好ましい。
これらの還元粘度とすることで、得られるポリイミドベンゾオキサゾールの300℃でのカール度が10%以下となす制御が容易となる。
重合反応中に真空脱泡することは、良質なポリアミド酸の有機溶媒溶液を製造するのに有効である。また、重合反応の前に芳香族ジアミン類に少量の末端封止剤を添加して重合を制御することを行ってもよい。末端封止剤としては、無水マレイン酸等といった炭素−炭素二重結合を有する化合物が挙げられる。無水マレイン酸を使用する場合の使用量は、芳香族ジアミン類1モル当たり好ましくは0.001〜1.0モルである。
高温処理によるイミド化方法としては、従来公知のイミド化反応を適宜用いることが可能である。例えば、閉環触媒や脱水剤を含まないポリアミド酸溶液を用いて、加熱処理に供することでイミド化反応を進行させる方法(所謂、熱閉環法)やポリアミド酸溶液に閉環触媒及び脱水剤を含有させておいて、上記閉環触媒及び脱水剤の作用によってイミド化反応を行わせる、化学閉環法を挙げることができる。
熱閉環法の加熱最高温度は、100〜500℃が例示され、好ましくは200〜480℃である。加熱最高温度がこの範囲より低いと充分に閉環されづらくなり、またこの範囲より高いと劣化が進行し、複合体が脆くなりやすくなる。より好ましい態様としては、150〜250℃で3〜20分間処理した後に350〜500℃で3〜20分間処理する2段階熱処理が挙げられる。
化学閉環法では、ポリアミド酸溶液をイミド化反応を一部進行させて自己支持性を有する前駆体複合体を形成した後に、加熱によってイミド化を完全に行わせることができる。
この場合、イミド化反応を一部進行させる条件としては、好ましくは100〜200℃による3〜20分間の熱処理であり、イミド化反応を完全に行わせるための条件は、好ましくは200〜400℃による3〜20分間の熱処理である。
この場合、イミド化反応を一部進行させる条件としては、好ましくは100〜200℃による3〜20分間の熱処理であり、イミド化反応を完全に行わせるための条件は、好ましくは200〜400℃による3〜20分間の熱処理である。
閉環触媒をポリアミド酸溶液に加えるタイミングは特に限定はなく、ポリアミド酸を得るための重合反応を行う前に予め加えておいてもよい。閉環触媒の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどといった脂肪族第3級アミンや、イソキノリン、ピリジン、ベータピコリンなどといった複素環式第3級アミンなどが挙げられ、中でも、複素環式第3級アミンから選ばれる少なくとも一種のアミンが好ましい。ポリアミド酸1モルに対する閉環触媒の使用量は特に限定はないが、好ましくは0.5〜8モルである。
脱水剤をポリアミド酸溶液に加えるタイミングも特に限定はなく、ポリアミド酸を得るための重合反応を行う前に予め加えておいてもよい。脱水剤の具体例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸などといった脂肪族カルボン酸無水物や、無水安息香酸などといった芳香族カルボン酸無水物などが挙げられ、中でも、無水酢酸、無水安息香酸あるいはそれらの混合物が好ましい。また、ポリアミド酸1モルに対する脱水剤の使用量は特に限定はないが、好ましくは0.1〜4モルである。脱水剤を用いる場合には、アセチルアセトンなどといったゲル化遅延剤を併用してもよい。
脱水剤をポリアミド酸溶液に加えるタイミングも特に限定はなく、ポリアミド酸を得るための重合反応を行う前に予め加えておいてもよい。脱水剤の具体例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸などといった脂肪族カルボン酸無水物や、無水安息香酸などといった芳香族カルボン酸無水物などが挙げられ、中でも、無水酢酸、無水安息香酸あるいはそれらの混合物が好ましい。また、ポリアミド酸1モルに対する脱水剤の使用量は特に限定はないが、好ましくは0.1〜4モルである。脱水剤を用いる場合には、アセチルアセトンなどといったゲル化遅延剤を併用してもよい。
本発明のポリイミドフィルムの厚さは特に限定されないが、通常2.5〜40μm、好ましくは5〜30μmである。この厚さはポリアミド酸溶液などのフィルム原料液を支持体に塗布する際の塗布量や、ポリアミド酸溶液などののフィルム原料液における原料濃度によって容易に制御し得る。 本発明の(ポリイミド)フィルムには、滑剤を(ポリイミド)フィルム中に添加含有せしめるなどしてフィルム表面に微細な凹凸を付与しフィルムの滑り性を改善することが好ましい。
滑剤としては、無機や有機の0.03〜3μm程度の平均粒子径を有する微粒子が使用でき、具体例として、酸化チタン、アルミナ、シリカ、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、燐酸水素カルシウム、ピロ燐酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、粘土鉱物などが挙げられる。
本発明のポリイミドフィルムは、無延伸フィルムであっても延伸フィルムであってもよく、ここで無延伸フィルムとは、テンター延伸、ロール延伸、インフレーション延伸などによってフィルムの面拡張方向に機械的な外力を意図的に加えずに得られるフィルムをいう。
滑剤としては、無機や有機の0.03〜3μm程度の平均粒子径を有する微粒子が使用でき、具体例として、酸化チタン、アルミナ、シリカ、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、燐酸水素カルシウム、ピロ燐酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、粘土鉱物などが挙げられる。
本発明のポリイミドフィルムは、無延伸フィルムであっても延伸フィルムであってもよく、ここで無延伸フィルムとは、テンター延伸、ロール延伸、インフレーション延伸などによってフィルムの面拡張方向に機械的な外力を意図的に加えずに得られるフィルムをいう。
本発明における高分子フィルム(ポリイミドフィルム)の引張弾性率が5GPa以上20GPa以下であり、引張弾性率がこの範囲に満たないと、バーンインや温度サイクル試験時にも半導体チップ上の機能素子にストレスを加えることなく安定した動作を保証することが出来なくなり、また薄葉化されたウエハから得られるチップの補強効果が発揮出来ない。
引張弾性率がこの範囲を超えると、逆に半導体チップにストレスがかかりやすくなる場合が多くなる。本発明における引張弾性率とは、引張試験における応力−歪み曲線より得られる初期弾性率と定義する。
本発明における線膨張係数とは単位温度あたりの材料の面方向での伸縮率を意味し、縦方向と横方向の線膨張係数の平均値である。
線膨張係数は後述の方法で測定される。本発明においては高分子フィルムの線膨張係数が−3〜8ppm/℃であることが好ましく、−1〜6ppmがなお好ましく1〜5ppmであることがなおさらに好ましい。線膨張係数がこの範囲を逸脱すると積層されたチップ、並びにチップとインターポーザ界面に余分な応力が加わり、界面剥離ややチップストレスの原因となり易く、また半導体チップや半導体パッケージが高熱を受けた場合や過熱冷却を受けた場合に、半導体チップのウエハとインターポーザとしての本発明の高分子フィルム(ポリイミドフィルム)との線膨張係数の乖離が大きくなり、半導体チップにストレスがかかりやすくなり半導体チップ、半導体パッケージとしての信頼性の低下につながる。
本発明における高分子フィルム(ポリイミドフィルム)のガラス転移温度は、インターポーザとしての耐熱性の観点から、300℃以上であることが必須であり、より好ましくは330℃以上、なお好ましくは370℃以上なおさらに好ましくは400℃以上である。
なお、本発明におけるガラス転移温度とは、固体粘弾性測定(レオメトリックス社製、RSA−II、周波数:10Hz)にて観測されるtanδピーク温度である。
引張弾性率がこの範囲を超えると、逆に半導体チップにストレスがかかりやすくなる場合が多くなる。本発明における引張弾性率とは、引張試験における応力−歪み曲線より得られる初期弾性率と定義する。
本発明における線膨張係数とは単位温度あたりの材料の面方向での伸縮率を意味し、縦方向と横方向の線膨張係数の平均値である。
線膨張係数は後述の方法で測定される。本発明においては高分子フィルムの線膨張係数が−3〜8ppm/℃であることが好ましく、−1〜6ppmがなお好ましく1〜5ppmであることがなおさらに好ましい。線膨張係数がこの範囲を逸脱すると積層されたチップ、並びにチップとインターポーザ界面に余分な応力が加わり、界面剥離ややチップストレスの原因となり易く、また半導体チップや半導体パッケージが高熱を受けた場合や過熱冷却を受けた場合に、半導体チップのウエハとインターポーザとしての本発明の高分子フィルム(ポリイミドフィルム)との線膨張係数の乖離が大きくなり、半導体チップにストレスがかかりやすくなり半導体チップ、半導体パッケージとしての信頼性の低下につながる。
本発明における高分子フィルム(ポリイミドフィルム)のガラス転移温度は、インターポーザとしての耐熱性の観点から、300℃以上であることが必須であり、より好ましくは330℃以上、なお好ましくは370℃以上なおさらに好ましくは400℃以上である。
なお、本発明におけるガラス転移温度とは、固体粘弾性測定(レオメトリックス社製、RSA−II、周波数:10Hz)にて観測されるtanδピーク温度である。
本発明におけるもう一つの好ましいポリイミド(フィルム)として、分子内にエーテル結合を有するテトラカルボン酸無水物を1〜30モル%含むテトラカルボン酸二無水物類と、分子内にエーテル結合を有するジアミンを1〜30モル%含むジアミンから得られるポリイミドフィルムが挙げられる、この場合の残部のテトラカルボン酸無水物とジアミンとは前記したところのピロメリット酸二無水物を70mol%以上含むテトラカルボン酸二無水物と、パラフェニレンジアミン及び/又はベンゾオキサゾール骨格を有する芳香族ジアミンを70mol%以上含むジアミンとを反応させて得られるポリイミド(フィルム)である。
分子内にエーテル結合を有するテトラカルボン酸無水物とは、ベンゼン核2個を酸素原子が橋架けした骨格、ベンゼン核3個を酸素原子がそれぞれのベンゼン核を橋架けした骨格、などを有するもののそれぞれの末端ベンゼン核に2個のカルボン酸基が結合したものが挙げられ、例えば下記式化20で示す構造を分子内に有するテトラカルボン酸の無水物を示し、好ましくは4,4’−オキシジフタル酸である。本発明においてはかかるテトラカルボン酸無水物をテトラカルボン酸成分全体の1〜30モル%使用することが好ましい。
かかる成分を1〜30モル%の範囲で加えることにより、ポリイミドフィルムの弾性率、引張強度を大きく損なうことなく、ポリイミドフィルムの接着性を改善することができる。
分子内にエーテル結合を有するテトラカルボン酸無水物とは、ベンゼン核2個を酸素原子が橋架けした骨格、ベンゼン核3個を酸素原子がそれぞれのベンゼン核を橋架けした骨格、などを有するもののそれぞれの末端ベンゼン核に2個のカルボン酸基が結合したものが挙げられ、例えば下記式化20で示す構造を分子内に有するテトラカルボン酸の無水物を示し、好ましくは4,4’−オキシジフタル酸である。本発明においてはかかるテトラカルボン酸無水物をテトラカルボン酸成分全体の1〜30モル%使用することが好ましい。
かかる成分を1〜30モル%の範囲で加えることにより、ポリイミドフィルムの弾性率、引張強度を大きく損なうことなく、ポリイミドフィルムの接着性を改善することができる。
本発明のインターポーザにおいて好ましい態様である、ポリイミドフィルムを主材として使用する場合のポリイミドフィルムの好ましい態様として、そのカール度が10%以下であるものである。
本発明におけるカール度とは、フィルムに所定の熱処理を行った後のフィルムの面方向に対する厚さ方向への変形度合を意味し、具体的には、図1に示すように、50mm×50mmの試験片を、400℃で10分間熱風処理した後に、平面上に試験片を凹状となるように静置し、四隅の平面からの距離(h1、h2、h3、h4:単位mm)の平均値をカール量(mm)とし、試験片の各頂点から中心までの距離(35.36mm)に対するカール量の百分率(%)で表される値である。
試料片は、フィルムの全長に対して5分の1の長さピッチで幅方向に2点(幅長の1/3と2/3の点)を試験片の中心点として計10点をサンプリングし、測定値は10点の平均値とする。
但し、10点のサンプリングをするに十分なフィルムがない場合は、可能な限り等間隔でサンプリングする。
具体的には、次式によって算出される。
カール量(mm)=(h1+h2+h3+h4)/4
カール度(%)=100×(カール量)/35.36
本発明におけるカール度は10%以下であることが好ましく、7%以下がなお好ましく4%以下がなおさらに好ましい。カール度が所定の範囲を超えると、ボンディングの際にインターポーザの変形が生じ、ボンディングアライメントが来るって接続不良を生じる場合がある。
本発明におけるカール度とは、フィルムに所定の熱処理を行った後のフィルムの面方向に対する厚さ方向への変形度合を意味し、具体的には、図1に示すように、50mm×50mmの試験片を、400℃で10分間熱風処理した後に、平面上に試験片を凹状となるように静置し、四隅の平面からの距離(h1、h2、h3、h4:単位mm)の平均値をカール量(mm)とし、試験片の各頂点から中心までの距離(35.36mm)に対するカール量の百分率(%)で表される値である。
試料片は、フィルムの全長に対して5分の1の長さピッチで幅方向に2点(幅長の1/3と2/3の点)を試験片の中心点として計10点をサンプリングし、測定値は10点の平均値とする。
但し、10点のサンプリングをするに十分なフィルムがない場合は、可能な限り等間隔でサンプリングする。
具体的には、次式によって算出される。
カール量(mm)=(h1+h2+h3+h4)/4
カール度(%)=100×(カール量)/35.36
本発明におけるカール度は10%以下であることが好ましく、7%以下がなお好ましく4%以下がなおさらに好ましい。カール度が所定の範囲を超えると、ボンディングの際にインターポーザの変形が生じ、ボンディングアライメントが来るって接続不良を生じる場合がある。
また本発明における、インターポーザとしての積層体の一成分としてのポリイミドフィルムの高温揮発分は、1.0%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.2%以下であり、少なければ少ないほど好ましいが、製造の容易性、コスト等を考慮すれば、実質的に不具合が生じない程度にすればよく、その下限としては、具体的には0.01%である。
本発明における、「高温揮発分」の測定は、下記のようにして実施した。
キューリーポイント型熱分解装置を用いて、GCMS法より、ポリマー分解物量を求めた。あらかじめ加熱乾燥処理した日本分析工業製500℃用パイロホイルに、試料(目安4mg)を精秤し(秤量値をA(mg)とする。)、熱分解装置内保温温度を170℃にセットして、試料ホイルを導入、3分間ヘリウムパージした。その後、直ちに発振操作により500℃で10秒間加熱した。その500℃での10秒間の加熱中にフィルムから揮発する残溶媒やポリマー分解物を、GCMSで検出した。この全イオン(TIC)ピーク面積を求め、アニリン換算による絶対検量線法によりポリマー分解物量B(μg)を求めた。ポリイミドフィルムに対する高温揮発分は次式により算出した。
ポリマー分解物量(ppm)=B(μg)/A(mg)×1000
(熱分解GCMS条件)
装置 : HP5973N(HP社製GCMS)
JHS−3(日本分析工業社製熱分解装置)
カラム : HP−1(アジレントテクノロジー社製)、φ0.25mm×25m、膜厚1μm
カラム温度 : 40℃/2分保持 ⇒ 10℃/分で260℃まで昇温 ⇒ 260℃/5分保持
流量 : He 0.7ml/min、スプリット導入
質量操作範囲 : m/z=30〜550
本発明における、「高温揮発分」の測定は、下記のようにして実施した。
キューリーポイント型熱分解装置を用いて、GCMS法より、ポリマー分解物量を求めた。あらかじめ加熱乾燥処理した日本分析工業製500℃用パイロホイルに、試料(目安4mg)を精秤し(秤量値をA(mg)とする。)、熱分解装置内保温温度を170℃にセットして、試料ホイルを導入、3分間ヘリウムパージした。その後、直ちに発振操作により500℃で10秒間加熱した。その500℃での10秒間の加熱中にフィルムから揮発する残溶媒やポリマー分解物を、GCMSで検出した。この全イオン(TIC)ピーク面積を求め、アニリン換算による絶対検量線法によりポリマー分解物量B(μg)を求めた。ポリイミドフィルムに対する高温揮発分は次式により算出した。
ポリマー分解物量(ppm)=B(μg)/A(mg)×1000
(熱分解GCMS条件)
装置 : HP5973N(HP社製GCMS)
JHS−3(日本分析工業社製熱分解装置)
カラム : HP−1(アジレントテクノロジー社製)、φ0.25mm×25m、膜厚1μm
カラム温度 : 40℃/2分保持 ⇒ 10℃/分で260℃まで昇温 ⇒ 260℃/5分保持
流量 : He 0.7ml/min、スプリット導入
質量操作範囲 : m/z=30〜550
本発明における高温揮発分(ポリマー由来の分解物など)は、上記測定条件に即して、主としてかかる雰囲気下でポリイミドフィルムから分解・揮発するものと考えられ、分子量が50以上200以下、かつ分子骨格に1個以上の窒素原子を有する、ポリマー由来の分解物や残溶媒である。かかるポリマー由来の分解物は、下記化合物が代表的具体例であり、これらの少なくとも1つを含むものである。
アニリン、ベンゾニトリル、1−メチル−2,5−ピロリジンジオン、メチルイソシアノベンゼン、1,2−ベンゾジニトリル、ジメチルベンズアミド、2−メチルイソインドール−1,3−ジオン、4−シアノフェニルグリオキザール−1−オキシム。
本発明において前記ポリイミドフィルムに含まれるの高温揮発分量を所定の範囲内に納めるには、さらにポリイミドフィルムの熱処理後に、熱処理炉から出てきたフィルムを直ちに巻き取らず、フィルム両面をフリーの状態にして5分以上、好ましくは7分以上、さらに好ましくは10分以上、なお好ましくは16分以上、大気中ないし不活性気体中に保持した後に巻き取ることが好ましい。両面フリーの状態とは大気ないし不活性気体にフィルムが直接触れている状態を意味する。もちろん、その間には、複数のロール等を用いてフィルムを搬送することができる。フィルムに含まれる低分子量物質が拡散によりフィルム外に排出されるに十分な時間を確保する意味合いである保持時間が短いとポリマー由来の分解物、溶媒、反応副生成物などの低分子量物質の残存量が多くなる場合がある。また時間が長すぎる場合には、フィルムハンドリンが困難となり生産性が低下する場合がある。
また、本発明においては、ポリイミドフィルムの表面に、大気中ないし不活性気体中において超音波、好ましくは30〜250kHzの広帯域超音波をかけ、さらにフィルムないし接着シート表面近傍の大気ないし不活性気体を流速0.5m/秒以上、好ましくは3m/秒以上、なお好ましくは15m/秒以上、なおさらに好ましくは30m/秒の流速において更新させることが好ましい。かかる処理はポリイミドフィルムに行う場合には熱処理炉からでた直後から、5分以内、好ましくは7分以内、なお好ましくは15分以内に行うことが好ましい。かかる処理は熱処理炉内においてフィルム近傍に存在した、ポリマー由来分解物を含む低分子物質が冷却凝縮によりフィルム表面に付着することを防止する物である。
アニリン、ベンゾニトリル、1−メチル−2,5−ピロリジンジオン、メチルイソシアノベンゼン、1,2−ベンゾジニトリル、ジメチルベンズアミド、2−メチルイソインドール−1,3−ジオン、4−シアノフェニルグリオキザール−1−オキシム。
本発明において前記ポリイミドフィルムに含まれるの高温揮発分量を所定の範囲内に納めるには、さらにポリイミドフィルムの熱処理後に、熱処理炉から出てきたフィルムを直ちに巻き取らず、フィルム両面をフリーの状態にして5分以上、好ましくは7分以上、さらに好ましくは10分以上、なお好ましくは16分以上、大気中ないし不活性気体中に保持した後に巻き取ることが好ましい。両面フリーの状態とは大気ないし不活性気体にフィルムが直接触れている状態を意味する。もちろん、その間には、複数のロール等を用いてフィルムを搬送することができる。フィルムに含まれる低分子量物質が拡散によりフィルム外に排出されるに十分な時間を確保する意味合いである保持時間が短いとポリマー由来の分解物、溶媒、反応副生成物などの低分子量物質の残存量が多くなる場合がある。また時間が長すぎる場合には、フィルムハンドリンが困難となり生産性が低下する場合がある。
また、本発明においては、ポリイミドフィルムの表面に、大気中ないし不活性気体中において超音波、好ましくは30〜250kHzの広帯域超音波をかけ、さらにフィルムないし接着シート表面近傍の大気ないし不活性気体を流速0.5m/秒以上、好ましくは3m/秒以上、なお好ましくは15m/秒以上、なおさらに好ましくは30m/秒の流速において更新させることが好ましい。かかる処理はポリイミドフィルムに行う場合には熱処理炉からでた直後から、5分以内、好ましくは7分以内、なお好ましくは15分以内に行うことが好ましい。かかる処理は熱処理炉内においてフィルム近傍に存在した、ポリマー由来分解物を含む低分子物質が冷却凝縮によりフィルム表面に付着することを防止する物である。
本発明では、好ましい態様として、以上述べてきた高分子フィルム特にポリイミドフィルムをインターポーザの1成分として用いる。
本発明ではかかるインターポーザを半導体チップに接着するための接着剤が必要である場合がある。接着剤には熱可塑性接着剤、熱硬化性接着剤のいずれを用いることも可能である。熱可塑接着剤としては、熱可塑性のポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、全芳香族ポリエステルなどを用いることが出来る。本発明では耐熱性の観点ならびに半導体チップにインターポーザを接着する際に低圧力で接着しやすいとの観点より熱硬化性接着剤を使用することが好ましい。
本発明で用いられる熱硬化性接着剤としては、熱硬化性であって耐熱性、接着性に優れたものであれば特に限定されるものではない。本発明では硬化物の引張弾性率が0.8〜8GPaである接着剤層を用いることが好ましい。接着剤の引張弾性率がこの範囲より高いと線膨張係数の離れた基材フィルムと金属箔の応力歪みを接着剤層で緩和吸収することが出来なくなり、結果として半導体と金属箔層との接続信頼性が発現されなくなるので好ましくない。また、引張弾性率がこの範囲を下回ると、ボンディングの際に接着剤層が変形し、ボンディングアライメントが狂って接続不良となる場合がある。
本発明ではかかるインターポーザを半導体チップに接着するための接着剤が必要である場合がある。接着剤には熱可塑性接着剤、熱硬化性接着剤のいずれを用いることも可能である。熱可塑接着剤としては、熱可塑性のポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、全芳香族ポリエステルなどを用いることが出来る。本発明では耐熱性の観点ならびに半導体チップにインターポーザを接着する際に低圧力で接着しやすいとの観点より熱硬化性接着剤を使用することが好ましい。
本発明で用いられる熱硬化性接着剤としては、熱硬化性であって耐熱性、接着性に優れたものであれば特に限定されるものではない。本発明では硬化物の引張弾性率が0.8〜8GPaである接着剤層を用いることが好ましい。接着剤の引張弾性率がこの範囲より高いと線膨張係数の離れた基材フィルムと金属箔の応力歪みを接着剤層で緩和吸収することが出来なくなり、結果として半導体と金属箔層との接続信頼性が発現されなくなるので好ましくない。また、引張弾性率がこの範囲を下回ると、ボンディングの際に接着剤層が変形し、ボンディングアライメントが狂って接続不良となる場合がある。
本発明に用いられる熱硬化性接着剤としてはエポキシ系、ウレタン系、アクリル系、シリコーン系、ポリエステル系、イミド系、ポリアミドイミド系等を用いることができ、またさらに詳しくは、例えば、主としてポリアミド樹脂等のフレキシブルな樹脂とフェノール等の硬質の材料とを主成分として、エポキシ樹脂、イミダゾール類等を含むものが例示される。さらに具体的には、ダイマー酸ベースのポリアミドイミド樹脂、常温固体のフェノール、常温液状のエポキシ等を適度に混合したもの等を例示できる、適度な軟らかさ、硬さ、接着性等を有し、半硬化状態を容易にコントロールできる。また、ポリアミドイミド樹脂としては重量平均分子量が5000〜100000のものが好適である。さらに、ポリアミドイミド樹脂原料のカルボン酸とアミンとによりアミドイミド樹脂の凝集力も変化するため、適宜フェノールやエポキシ樹脂の分子量、軟化点等を選択することが好ましい。また、ポリアミドイミド樹脂の代わりにポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリルブタジエン樹脂、ポリイミド樹脂、ブチラール樹脂等が使用できる。さらにこれらのシリコーン変性された材料なども耐久性の観点から好ましい。
また、フェノール樹脂やエポキシ樹脂だけでなく、マレイミド樹脂、レゾール樹脂、トリアジン樹脂等も使用できる。またニトリルブタジエンゴムなどを配合、共重合する事も可能である。
本発明の熱硬化性接着剤は硬化状態を半硬化状態にコントロールされるが、硬化状態をコントロールする方法としては、例えば、接着剤を基材上に塗布、乾燥させる際の温風による加熱、遠/近赤外線による加熱、電子線の照射などが挙げられる。加熱によるコントロールでは、100〜200℃で、1〜60分加熱することが好ましく、130〜160℃で、5〜10分加熱することがさらに好ましい。
本発明の熱硬化性接着剤は硬化状態を半硬化状態にコントロールされるが、硬化状態をコントロールする方法としては、例えば、接着剤を基材上に塗布、乾燥させる際の温風による加熱、遠/近赤外線による加熱、電子線の照射などが挙げられる。加熱によるコントロールでは、100〜200℃で、1〜60分加熱することが好ましく、130〜160℃で、5〜10分加熱することがさらに好ましい。
また、長尺品をロール状に巻回した状態で、例えば40〜90℃程度の比較的低温で数時間〜数百時間熱処理することにより硬化状態をコントロールすることもできる。なお、硬化状態をコントロールする際の条件は、接着剤の組成や硬化機構、硬化速度を考慮して決定することが好ましい。このようにして、硬化状態をコントロールすることにより、半硬化状態の接着剤を得ることが可能となる。本発明の熱硬化性接着剤は、いったん半硬化状態とされた状態で用いることができる。
なお、接着剤を塗布する前にフィルム表面をプラズマ処理、コロナ処理、アルカリ処理することは、接着力を高めるために好ましい方法である。かかるプラズマ処理は真空プラズマ、常圧プラズマいずれを使用することも可能である。
上記の高分子フィルム好ましくはポリイミドフィルムと熱硬化性接着剤を用いる方法は特に制限はなく、例えば、該熱硬化性樹脂組成物を有機溶媒に溶解させた樹脂溶液を耐熱性樹脂層の両面に塗布した後、加熱して溶媒を揮発させフィルム化する方法や、あるいは、予めフィルム化しておいた熱硬化性樹脂層を耐熱性樹脂層の両面にラミネートするといった方法等が挙げられる。
接着剤層の厚さは、基材となるフィルムの厚さ未満であることが好ましく、両面の接着剤層厚さの合計がフィルム基材の厚さの60%以下であることが好ましく、40%以下であることがさらに好ましく、25%以下であることがなおさらに好ましい。
なお、接着剤を塗布する前にフィルム表面をプラズマ処理、コロナ処理、アルカリ処理することは、接着力を高めるために好ましい方法である。かかるプラズマ処理は真空プラズマ、常圧プラズマいずれを使用することも可能である。
上記の高分子フィルム好ましくはポリイミドフィルムと熱硬化性接着剤を用いる方法は特に制限はなく、例えば、該熱硬化性樹脂組成物を有機溶媒に溶解させた樹脂溶液を耐熱性樹脂層の両面に塗布した後、加熱して溶媒を揮発させフィルム化する方法や、あるいは、予めフィルム化しておいた熱硬化性樹脂層を耐熱性樹脂層の両面にラミネートするといった方法等が挙げられる。
接着剤層の厚さは、基材となるフィルムの厚さ未満であることが好ましく、両面の接着剤層厚さの合計がフィルム基材の厚さの60%以下であることが好ましく、40%以下であることがさらに好ましく、25%以下であることがなおさらに好ましい。
本発明のインターポーザの使用例を以下に示す。
図2は本発明の半導体パッケージの一例を示す概念図である。
本例では二枚の半導体チップが、間にインターポーザを介して電気的に相互接続され、さらに半導体チップに設けられた貫通電極を通じて多層基板に搭載、接続されて半導体パッケージを構成している。
上段の5.半導体チップは、7.チップ接続用バンプ電極を通じて6.インターポーザに接続され、該インターポーザはさらに下段の8.半導体チップにバンプ電極を介して相互に接続されている。下段の.半導体チップには9.貫通電極が形成されており、かかる貫通電極を通じて1.多層基板に実装され、半導体パッケージを構成している。図では煩雑となるために省略してあるが、半導体チップとインターポーザの間に接着層を設けることは好ましい態様である。また全体を封止樹脂で覆うことも好ましい態様と云える。かかる接着層は電気的な相互接続を阻害しないように配置されなければならない。このようにして相互接続され、多層基板上に3次元的に配置された半導体チップを有する半導体パッケージは2.ハンダボールによりマザーボードなどに実装される。
図3は本発明における他の半導体パッケージ例を示す概念図である。
本例においては、さらに4枚の半導体チップが貫通電極により三次元的に積層実装されている。
図2は本発明の半導体パッケージの一例を示す概念図である。
本例では二枚の半導体チップが、間にインターポーザを介して電気的に相互接続され、さらに半導体チップに設けられた貫通電極を通じて多層基板に搭載、接続されて半導体パッケージを構成している。
上段の5.半導体チップは、7.チップ接続用バンプ電極を通じて6.インターポーザに接続され、該インターポーザはさらに下段の8.半導体チップにバンプ電極を介して相互に接続されている。下段の.半導体チップには9.貫通電極が形成されており、かかる貫通電極を通じて1.多層基板に実装され、半導体パッケージを構成している。図では煩雑となるために省略してあるが、半導体チップとインターポーザの間に接着層を設けることは好ましい態様である。また全体を封止樹脂で覆うことも好ましい態様と云える。かかる接着層は電気的な相互接続を阻害しないように配置されなければならない。このようにして相互接続され、多層基板上に3次元的に配置された半導体チップを有する半導体パッケージは2.ハンダボールによりマザーボードなどに実装される。
図3は本発明における他の半導体パッケージ例を示す概念図である。
本例においては、さらに4枚の半導体チップが貫通電極により三次元的に積層実装されている。
以下、本発明を、実施例によりさら詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の各物性値は以下の方法により測定した。
1.ポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により30℃で測定した。
1.ポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により30℃で測定した。
2.ポリイミドフィルムのフィルム厚さ
フィルムの厚さは、マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン1254D)を用いて測定した。
3.ポリイミドフィルムの引張弾性率、引張破断強度及び引張破断伸度
測定対象のポリイミドフィルムを、流れ方向(MD方向)及び幅方向(TD方向)にそれぞれ100mm×10mmの短冊状に切り出したものを試験片とした。引張試験機(島津製作所製、オートグラフ(商品名)、機種名AG−5000A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmの条件で、MD方向、TD方向それぞれについて、引張弾性率、引張破断強度及び引張破断伸度を測定した。
フィルムの厚さは、マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン1254D)を用いて測定した。
3.ポリイミドフィルムの引張弾性率、引張破断強度及び引張破断伸度
測定対象のポリイミドフィルムを、流れ方向(MD方向)及び幅方向(TD方向)にそれぞれ100mm×10mmの短冊状に切り出したものを試験片とした。引張試験機(島津製作所製、オートグラフ(商品名)、機種名AG−5000A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmの条件で、MD方向、TD方向それぞれについて、引張弾性率、引張破断強度及び引張破断伸度を測定した。
4.フィルムの線膨張係数(CTE)
下記条件で伸縮率を測定し、30〜300℃までを15℃間隔で分割し、各分割範囲の伸縮率/温度の平均値より求めた。MD方向、TD方向のことわりがない場合は、MD方向、TD方向の平均値である。
装置名 ; MACサイエンス社製TMA4000S
試料長さ ; 20mm
試料幅 ; 2mm
昇温開始温度 ; 25℃
昇温終了温度 ; 400℃
昇温速度 ; 5℃/min
雰囲気 ; アルゴン
下記条件で伸縮率を測定し、30〜300℃までを15℃間隔で分割し、各分割範囲の伸縮率/温度の平均値より求めた。MD方向、TD方向のことわりがない場合は、MD方向、TD方向の平均値である。
装置名 ; MACサイエンス社製TMA4000S
試料長さ ; 20mm
試料幅 ; 2mm
昇温開始温度 ; 25℃
昇温終了温度 ; 400℃
昇温速度 ; 5℃/min
雰囲気 ; アルゴン
実施例などで使用する化合物の略称を下記する。
PMDA :ピロメリット酸二無水物
BPDA :3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
ODPA :4,4’−オキシジフタル酸
DAMBO:5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール
ODA :4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
PDA :パラフェニレンジアミン
BAPB :1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン
DMF :ジメチルホルムアミド
DMAC :ジメチルアセトアミド
また、略称GFはポリイミド前駆体フィルム(グリーンフィルム)を、略称IFはポリイミドフィルムを示す。
PMDA :ピロメリット酸二無水物
BPDA :3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
ODPA :4,4’−オキシジフタル酸
DAMBO:5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール
ODA :4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
PDA :パラフェニレンジアミン
BAPB :1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン
DMF :ジメチルホルムアミド
DMAC :ジメチルアセトアミド
また、略称GFはポリイミド前駆体フィルム(グリーンフィルム)を、略称IFはポリイミドフィルムを示す。
<重合及びフィルムの製造>
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後,5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール(DAMBO)320質量部を仕込んだ。次いで,N,N−ジメチルアセトアミド4400質量部を加えて完全に溶解させた後,ピロメリット酸二無水物327質量部を加え,25℃の反応温度で17時間攪拌すると,褐色で粘調なポリアミド酸溶液が得られた。このもののηsp/Cは3.9であった。
続いてこのポリアミド酸溶液をステンレスベルトに、スキージ/ベルト間のギャップを920μmとしてコーティングし、110℃にて15分間乾燥した。乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムをステンレスベルトから剥離し厚さ72μmのグリーンフィルムを得た。このときのグリーンフィルムの残溶媒量は34%であった。
得られた各グリーンフィルムを、ピンテンターのピンにフィルム両端が均一に突き刺さるようにして両端を把持した状態で連続式の熱処理炉に通し、第1段が150℃で3分、第2段が210℃で3分、第3段として495℃で6分の条件で3段階の加熱を施して、イミド化反応を進行させた。熱処理炉から出たフィルムは約3分間かけてほぼ室温まで冷却され、さらにクリーン度1000以下に調整された大気中を5分間搬送された。さらにその後に、フィルム幅方向はフィルム幅+40mm、フィルム進行方向には50mmの区間にて30〜150kHzの広帯域超音波を照射し、同エリアの境界において流速30m/秒となるように気流制御してフィルム表面近傍の大気を更新した。フィルムはさらに2分間の搬送後に、イオン式除電器にて表面電位が0.3kV以下となるように除電され、静電気除去能を有する6インチのプラスチック製コアにロール状に巻き取り、褐色を呈する各IF(ポリイミドフィルム)であるフィルムAを得た。得られたポリイミドフィルムの特性値を評価した。結果を表1に示す。以下、同様にして表1に示す原料を使用して同様に操作し、表1に示すポリイミドフィルムを得た。
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後,5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール(DAMBO)320質量部を仕込んだ。次いで,N,N−ジメチルアセトアミド4400質量部を加えて完全に溶解させた後,ピロメリット酸二無水物327質量部を加え,25℃の反応温度で17時間攪拌すると,褐色で粘調なポリアミド酸溶液が得られた。このもののηsp/Cは3.9であった。
続いてこのポリアミド酸溶液をステンレスベルトに、スキージ/ベルト間のギャップを920μmとしてコーティングし、110℃にて15分間乾燥した。乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムをステンレスベルトから剥離し厚さ72μmのグリーンフィルムを得た。このときのグリーンフィルムの残溶媒量は34%であった。
得られた各グリーンフィルムを、ピンテンターのピンにフィルム両端が均一に突き刺さるようにして両端を把持した状態で連続式の熱処理炉に通し、第1段が150℃で3分、第2段が210℃で3分、第3段として495℃で6分の条件で3段階の加熱を施して、イミド化反応を進行させた。熱処理炉から出たフィルムは約3分間かけてほぼ室温まで冷却され、さらにクリーン度1000以下に調整された大気中を5分間搬送された。さらにその後に、フィルム幅方向はフィルム幅+40mm、フィルム進行方向には50mmの区間にて30〜150kHzの広帯域超音波を照射し、同エリアの境界において流速30m/秒となるように気流制御してフィルム表面近傍の大気を更新した。フィルムはさらに2分間の搬送後に、イオン式除電器にて表面電位が0.3kV以下となるように除電され、静電気除去能を有する6インチのプラスチック製コアにロール状に巻き取り、褐色を呈する各IF(ポリイミドフィルム)であるフィルムAを得た。得られたポリイミドフィルムの特性値を評価した。結果を表1に示す。以下、同様にして表1に示す原料を使用して同様に操作し、表1に示すポリイミドフィルムを得た。
<接着剤の製造>
有機極性溶媒としてのN,N−ジメチルアセトアミド、ジアミン化合物として1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンと3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニルとをモル比で7:3、エステルテトラカルボン酸として3,3’,4,4’−エチレングリコールベンゾエートテトラカルボン酸二無水物を使用してポリアミド酸重合体の溶液を得た。このポリアミド酸重合体溶液を減圧加熱し、熱可塑性ポリイミドを得た。
この熱可塑性ポリイミドを80質量部、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)としてのエピコート1032H60を100質量部、硬化剤としての4,4’−ジアミノジフェニルエーテル30質量部を、有機溶媒としてのジオキソラン900質量部に添加し、攪拌して溶解させた。これにより、接着剤(a)溶液を得た。
接着剤溶液(a)にNBRを固形分換算にて15質量%配合し、接着剤(b)溶液を得た。同様にNBRを30質量%配合し、接着剤(c)溶液を、同様にNBRを60%配合し接着剤(d)溶液を得た。得られた接着剤溶液をテフロン(登録商標)板上にコーティングし、乾燥硬化させた後に剥離し接着剤硬化物のフィルムを得た。得られた接着剤硬化物の特性を表2に示す。
有機極性溶媒としてのN,N−ジメチルアセトアミド、ジアミン化合物として1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンと3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニルとをモル比で7:3、エステルテトラカルボン酸として3,3’,4,4’−エチレングリコールベンゾエートテトラカルボン酸二無水物を使用してポリアミド酸重合体の溶液を得た。このポリアミド酸重合体溶液を減圧加熱し、熱可塑性ポリイミドを得た。
この熱可塑性ポリイミドを80質量部、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)としてのエピコート1032H60を100質量部、硬化剤としての4,4’−ジアミノジフェニルエーテル30質量部を、有機溶媒としてのジオキソラン900質量部に添加し、攪拌して溶解させた。これにより、接着剤(a)溶液を得た。
接着剤溶液(a)にNBRを固形分換算にて15質量%配合し、接着剤(b)溶液を得た。同様にNBRを30質量%配合し、接着剤(c)溶液を、同様にNBRを60%配合し接着剤(d)溶液を得た。得られた接着剤溶液をテフロン(登録商標)板上にコーティングし、乾燥硬化させた後に剥離し接着剤硬化物のフィルムを得た。得られた接着剤硬化物の特性を表2に示す。
<実施例1〜9、比較例1〜3>
上記で得られた各フィルムを50cm幅のロールサイズにスリットし、ロールからの巻き出し/巻き取り部を有する連続式の真空装置にて以下の条件でプラズマ処理した。
プラズマ処理条件は酸素ガス中で、周波数13.56MHz、出力150W、ガス圧0.7Paの条件であり、処理時の温度は25℃、処理時間は5分間であった。次いで、周波数13.56MHz、出力500W、ガス圧0.7Paの条件、ニッケル−クロム(15質量%)合金のターゲットを用い、アルゴン雰囲気下にてRFスパッタ法により、10Å/秒のレートで厚さ120Åのニッケル−クロム合金被膜(下地層)を形成し、次いで、150Å/秒のレートで銅を蒸着し、厚さ0.25μmの銅薄膜を形成させて真空中にて巻き取った。得られた片面金属化フィルムを再度同じ装置に仕込み、裏面に同様に金属薄膜を形成し、両面金属化フィルムとした。
得られた両面金属薄膜付きフィルムをロールトゥロール方式の縦型の連続式電気めっき装置を用い、硫酸銅めっき浴をもちいて、厚さ3μmの厚付け銅めっき層(厚付け層)を形成し、目的とする金属化ポリイミドフィルムを得た。得られた金属化ポリイミドフィルムを、幅48mmにスリットし、スプロケット孔を形成した後、連続式のCOF加工装置を用いて所定位置に両面スルーホール用の孔明けを行い、無電解メッキ後に最大厚さ6μmとなるように両面スルーホールめっきを行い、その後、フォトレジスト:FR−200、シプレー社製を塗布・乾燥後にガラスフォトマスクで密着露光し、さらに1.2質量%KOH水溶液にて現像した。次に、HClと過酸化水素を含む塩化第二銅のエッチングラインで、40℃、2kgf/cm2のスプレー圧でエッチングし、チップ間接続用インターポーザ基板を作製した。
各インターポーザ基板を使用して、貫通電極を有するシリコンチップを積層したチップ積層型半導体パッケージを試作した。なおインターポーザ基板とシリコンチップの接続においては、パッド間は金属/金属接合、パッドの無い部分に関しては、表3に示す各接着剤を併用して接着して、図2に示したように個々の(積層型)高密度半導体パッケージを作製した。得られた(積層型)高密度半導体パッケージにおいて、PCT耐久性試験後の目視不良、ヒートサイクル耐久性試験後の目視不良、リフローハンダ耐熱試験後の目視不良を評価した。
PCT耐久性は121℃、2気圧の飽和蒸気環境下に96時間暴露された後の目視検査である。ヒートサイクル耐久性試験は、−25℃〜+60℃(各30分)の温度サイクル試験を1000サイクル後の目視検査である。リフローハンダ耐熱試験は260℃、50秒間のIR炉通過後の目視検査である。目視検査ではいずれも試験後にダミーチップ/インターポーザ基板間の剥離、割れ、変形など異常の有無を検査し、全個数256個に対する不良率を示した。結果を表3、4に示す。
上記で得られた各フィルムを50cm幅のロールサイズにスリットし、ロールからの巻き出し/巻き取り部を有する連続式の真空装置にて以下の条件でプラズマ処理した。
プラズマ処理条件は酸素ガス中で、周波数13.56MHz、出力150W、ガス圧0.7Paの条件であり、処理時の温度は25℃、処理時間は5分間であった。次いで、周波数13.56MHz、出力500W、ガス圧0.7Paの条件、ニッケル−クロム(15質量%)合金のターゲットを用い、アルゴン雰囲気下にてRFスパッタ法により、10Å/秒のレートで厚さ120Åのニッケル−クロム合金被膜(下地層)を形成し、次いで、150Å/秒のレートで銅を蒸着し、厚さ0.25μmの銅薄膜を形成させて真空中にて巻き取った。得られた片面金属化フィルムを再度同じ装置に仕込み、裏面に同様に金属薄膜を形成し、両面金属化フィルムとした。
得られた両面金属薄膜付きフィルムをロールトゥロール方式の縦型の連続式電気めっき装置を用い、硫酸銅めっき浴をもちいて、厚さ3μmの厚付け銅めっき層(厚付け層)を形成し、目的とする金属化ポリイミドフィルムを得た。得られた金属化ポリイミドフィルムを、幅48mmにスリットし、スプロケット孔を形成した後、連続式のCOF加工装置を用いて所定位置に両面スルーホール用の孔明けを行い、無電解メッキ後に最大厚さ6μmとなるように両面スルーホールめっきを行い、その後、フォトレジスト:FR−200、シプレー社製を塗布・乾燥後にガラスフォトマスクで密着露光し、さらに1.2質量%KOH水溶液にて現像した。次に、HClと過酸化水素を含む塩化第二銅のエッチングラインで、40℃、2kgf/cm2のスプレー圧でエッチングし、チップ間接続用インターポーザ基板を作製した。
各インターポーザ基板を使用して、貫通電極を有するシリコンチップを積層したチップ積層型半導体パッケージを試作した。なおインターポーザ基板とシリコンチップの接続においては、パッド間は金属/金属接合、パッドの無い部分に関しては、表3に示す各接着剤を併用して接着して、図2に示したように個々の(積層型)高密度半導体パッケージを作製した。得られた(積層型)高密度半導体パッケージにおいて、PCT耐久性試験後の目視不良、ヒートサイクル耐久性試験後の目視不良、リフローハンダ耐熱試験後の目視不良を評価した。
PCT耐久性は121℃、2気圧の飽和蒸気環境下に96時間暴露された後の目視検査である。ヒートサイクル耐久性試験は、−25℃〜+60℃(各30分)の温度サイクル試験を1000サイクル後の目視検査である。リフローハンダ耐熱試験は260℃、50秒間のIR炉通過後の目視検査である。目視検査ではいずれも試験後にダミーチップ/インターポーザ基板間の剥離、割れ、変形など異常の有無を検査し、全個数256個に対する不良率を示した。結果を表3、4に示す。
本発明の構成の半導体パッケージは高い信頼性を具備することができ、具体的には、システムインパッケージ、モジュール基板、インターポーザなどと呼ばれる、複数の半導体チップが搭載された半導体パッケージ、さらに詳しくは、電気信号、又は光信号を用いて、通信、画像処理、情報処理、音声処理、演算、記録、表示、制御などを行う電子機器において用いられる、CPU、ASIC、メモリー、I/O制御等を行う半導体チップが搭載された半導体パッケージに適用できる。さらに、本発明の半導体パッケージは、半導体チップ形態が挿入実装型のDIP(Dual inline package),SIP(Single.inline package),PGA(Pin grid array)ZIP(Zigzag Inline Package),V−DIP(Vertical Dual Inline Package)、表面実装型のSOP(Small outline package),TSOP(Thin Small Outline Package),QFP(Quad flat package),SOJ(Small outline J−lead package),QFJ(Quad flat J−lead package),QFN(Quad flat non−leaded package),TCP(Tape carrier package),BGA(Ball grid array)などの形態のものが使われた半導体パッケージである。半導体チップがアナログチップとデジタルチップとの混載である半導体パッケージ、半導体チップが電子デバイスチップと光デバイス(発光/受光)チップとの混載である半導体パッケージ、半導体チップがシリコンチップと化合物半導体チップとの混載である半導体パッケージ、半導体チップと受動部品が混載された半導体パッケージ、複数の半導体チップが併置された半導体パッケージ、複数の半導体チップ及びその他デバイスが表裏両面に搭載された半導体パッケージ、半導体チップとプリント配線の間隙が80μm以下である半導体パッケージ、電子回路の基本クロックが2.4GHz以上である半導体パッケージ、電気信号のキャリア周波数が250MHz以上である地上波デジタル放送受信機などに使用できる半導体パッケージ、電気信号のキャリア周波数が2.4GHz以上であるデジタル通信機器に使用できる半導体パッケージ、半田ボールに鉛フリー半田が用いられた半導体パッケージ、プリント配線板が内層に受動部品を内蔵したものである半導体パッケージに適用できる。
また、本発明の半導体パッケージを適用し得る具体的製品例として、薄型テレビジョン、壁掛けテレビジョン、ハンドヘルドテレビジョン、据置型パーソナルコンピュータの半導体パッケージ、モバイル型パーソナルコンピュータ、携帯型表示機器、音響機器の半導体パッケージ、携帯型音楽再生機の半導体パッケージ、車載用アミューズメント機器の半導体パッケージ、携帯型通信機器の半導体パッケージ、たとえば携帯電話、自動車などの移動車両、船舶、航空機などのコクピットにおける半導体パッケージ、カーナビゲーションシステムの半導体パッケージ、公共交通機関での案内表示、広告、広報媒体、腕時計、ヘッドマウントディスプレイ、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラなど、電子辞書、PDA、電子手帳、GPS、携帯型ゲーム機、携帯型カラオケ機、玩具の半導体パッケージ、デジタル及び銀塩カメラ半導体パッケージ及び状態表示・コントロール部の半導体パッケージ、コンピューターディスプレーや、テレビモニターの状態表示・コントロール部の半導体パッケージ、腕時計、腕時計以外の時計で電子表示機器を用いているもの。各種家電機器などのリモコンの半導体パッケージ、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、電気釜、ジャーポット、食器洗い乾燥機、電気冷蔵庫、クッキングヒーター、換気扇、電気温水器、自然冷媒ヒートポンプ式給湯機、家庭用電気井戸ポンプ、空気清浄機、電気洗濯機、洗濯機(全自動式・二槽式)、洗濯乾燥機、電気掃除機、温水洗浄便座、電気かみそり、家庭用生ゴミ処理機、クーラーなどの家電製品の半導体パッケージ、電気照明器具の半導体パッケージ、ビデオレコーダー、DVDレコーダー、HDレコーダー、ステレオ、ホームシアターシステム、ラジオなどのAV機器の半導体パッケージ、複写機、プリンター、FAX、電話などの事務機器の半導体パッケージ、プリンター、CDドライブ、FDドライブ、MOドライブ、DVDドライブ、ハードディスク、ICカード、磁気カード、クレジットカードなどの半導体パッケージ、メモリーカードリーダー・ライター、モデム、ルーター、ハブ等のコンピューター周辺機器、及びコンピューター本体の半導体パッケージ、ドアホン、火災報知システム、ガス検知、セキュリティーシステムなどの住宅、建物設備の半導体パッケージ、ヘルスメーター、血圧測定器、電気マッサージ器具、などの健康増進機器の半導体パッケージ、土木建設機械、鉱山機械、化学機械及び貯蔵槽、パルプ・製紙機械、プラスチック加工機械、ポンプ、圧縮機及び送風機、油圧機械及び空気圧機器、動力伝導機器、農業用機械器具及び木材加工機械、金属工作機械、金属加工機械及び鋳造機器、食料品加工機械、包装機械及び荷造機械、ミシン及び繊維機械、冷凍機及び冷凍機応用製品、自動販売機、自動改札機・自動入場機、回転電気機械、静止電気機械器具、開閉制御機器、半導体関連、家電関係、自動車、など諸産業での生産設備、工作機械の半導体パッケージ、電子交換機、デジタル伝送機器、通信設備内の半導体パッケージ、現金自動預払機(支払機を含む)などの端末機器、電気計測器及び電子応用機器、計測機器などに用いられる、機器・設備における半導体パッケージや表示機器が挙げられる。
図1において
1 ポリイミドフィルムの試験片
2 アルミナ・セラミック板
図2及び図3において
1 多層基板
2 ハンダボール
3 スルーホール
4 バンプ接続電極
5 半導体チップ
6 インターポーザ
7 チップ接続用バンプ電極
8 半導体チップ
9 貫通電極
10 半導体チップ
1 ポリイミドフィルムの試験片
2 アルミナ・セラミック板
図2及び図3において
1 多層基板
2 ハンダボール
3 スルーホール
4 バンプ接続電極
5 半導体チップ
6 インターポーザ
7 チップ接続用バンプ電極
8 半導体チップ
9 貫通電極
10 半導体チップ
Claims (6)
- シリコン基板に穿った貫通孔を通してシリコン基板の両方の面を電気的に接続した構造を有する複数の半導体チップを積層して搭載する半導体パッケージにおいて、半導体チップ間の再配線を行うインターポーザとして、ガラス転移温度が300℃以上、引張弾性率が5〜20GPa、線膨張係数が−3〜+8ppm/℃、厚さが2.5〜40μmの高分子フィルムに導電性材料による配線層が形成されたプリント配線板を用いることを特徴とする半導体パッケージ。
- 高分子フィルムが、(A)ピロメリット酸二無水物を70モル%以上含むテトラカルボン酸二無水物、(B)パラフェニレンジアミン及び/又はベンゾオキサゾール骨格を有するジアミンを70モル%以上含むジアミン、の(A)と(B)とを反応させて得られるポリイミドフィルムである請求項1記載の半導体パッケージ。
- 高分子フィルムが、分子内にエーテル結合を有するテトラカルボン酸無水物を1〜30モル%含むテトラカルボン酸二無水物類と、分子内にエーテル結合を有するジアミンを1〜30モル%含むジアミンとを反応させて得られるポリイミドフィルムである請求項2記載の半導体パッケージ。
- ポリイミドフィルムに含まれる高温揮発分(残sol、残分解物)が1%以下である請求項2又は3いずれかに記載の半導体パッケージ。
- ポリイミドフィルムのカール度が10%以下である請求項2〜4いずれかに記載の半導体パッケージ。
- インターポーザと半導体チップ間に、硬化物の引張弾性率が0.8〜8GPaである接着剤層を有する請求項1〜5の半導体パッケージ。
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JP2007011796A JP2008177504A (ja) | 2007-01-22 | 2007-01-22 | 半導体パッケージ |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20100243299A1 (en) * | 2009-03-27 | 2010-09-30 | Ibiden Co., Ltd. | Multilayer printed wiring board |
CN102422415A (zh) * | 2009-05-07 | 2012-04-18 | 高通股份有限公司 | 用于薄半导体的平板化背侧处理 |
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2007
- 2007-01-22 JP JP2007011796A patent/JP2008177504A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8829355B2 (en) * | 2009-03-27 | 2014-09-09 | Ibiden Co., Ltd. | Multilayer printed wiring board |
CN102422415A (zh) * | 2009-05-07 | 2012-04-18 | 高通股份有限公司 | 用于薄半导体的平板化背侧处理 |
JP2012526400A (ja) * | 2009-05-07 | 2012-10-25 | クアルコム,インコーポレイテッド | 薄い半導体のためのパネル化裏面処理 |
US9252128B2 (en) | 2009-05-07 | 2016-02-02 | Qualcomm Incorporated | Panelized backside processing for thin semiconductors |
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