JP2008176239A - 光クロージャ - Google Patents

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Abstract

【課題】小型で、充分長い余長収納が可能であり、防滴性に優れ、クロージャの開封、封止作業、光ファイバの接続収納作業も容易であり、さらに、光ファイバに損傷を与える恐れの少ない光クロージャを提供する。
【解決手段】光ファイバケーブル2を導入可能な開口を有するベース3と、このベース3に一端側が取り付けられた概ね棒状の接続部支持部材4と、接続部支持部材4を囲むようにベース3に取り付けられてクロージャ内部空間を形成するキャップ状の蓋5とを有する。ベース3の開口からクロージャ内部に導入された光ファイバケーブル2の光接続部が接続部支持部材4に固定され、その接続余長2a’が、樹脂フイルム製でシート状をなし少なくとも一方が開口する余長収納袋18に収納され、このシート状の余長収納袋18が接続部支持部材4に巻き付けられる。
【選択図】図2

Description

この発明は、光ファイバケーブルが光クロージャの片側端において導入、導出される構造のいわゆるポット型の光クロージャ、特にユーザ宅への引き落とし線に用いて好適な小型の光クロージャに関する。
一般的な光クロージャは、例えばクロージャスリーブの両側の端面板に光ファイバケーブル導入孔を備えて、光ファイバケーブルの配線方向に添うように、光ファイバケーブルが両端から内部に導入される構造である。
これに対して、いわゆるポット型光クロージャは、光ファイバケーブルが光クロージャの片側端から内部に導入される構造であり、主に地下配線の立ち上げ部等に用いられており、光ファイバケーブルは底面から導入される。この構造は欧米では主流になっている。
例えば、特許文献1のポット型光クロージャは、接続余長を、筒内側の巻き付けフレームに添って巻回している構造である。
特許文献2のポット型光クロージャは、複数のアダプタを列状に設けた細長い光ファイバ固定部(アダプタマウント)をベース部材に固定して筒内に収容した構造で、光ファイバのコネクタ端を前記光ファイバ固定部のアダプタに接続するもので、接続余長の処理はあまり考慮されていない。
特許文献3のポット型光クロージャは、内部に複数の可倒式の余長収納カセットを収納した構造である。
特許文献4のポット型光クロージャは、光ファイバ端がクロージャ内の光ファイバ配線棚で固定されている構造である。
USP6014490 USP5790739 USP5553186 USP5323480
ところで、ユーザ宅にドロップケーブルを引き落とす場合一般に、小型キャビネットをユーザ宅の壁に取り付け、この小型キャビネットにおいて、ドロップケーブルと宅内配線とを融着、あるいはメカニカルスプライス、あるいは、外被把持光コネクタ(いわゆるFAコネクタ)などで接続する。しかし、ユーザによっては壁面に穴を開けることを嫌う場合もあるのでキャビネットを取り付けることができない事態も生ずる。
そこで、光クロージャの支持物がなく、光接続部の補強部材上で光ファイバケーブルのテンションメンバを固定する、空中接続方式(ないし空中浮遊方式)の小型光クロージャが開発されている。
両端から光ファイバケーブルを導入する方式の従来の一般的な光クロージャは、十分な余長収納スペースを確保しつつ小型化することが困難であり、取付金物に取り付けることができない。
また、空中接続方式の場合は、十分な余長収納スペースを確保すること自体ができないが、スペースの問題以外にさらに、クロージャが回転してしまうため、ベースと蓋との接合部の向きが定まらず雨滴が浸入し易い向きになる恐れがあり、防滴性に問題がある。
また、光クロージャが固定されていないので、クロージャの開封、封止作業、光ファイバの接続収納作業がしにくいという問題もある。
また、上記特許文献1〜4の各ポット型光クロージャは構造が複雑であり、必ずしも小型化が容易でないので、地下配線の立ち上げ部には好適であっても、例えば家屋外部に通常存在する規格の取付金物に簡単に取り付けることは困難である。
ところで、光接続部の両側の光ファイバケーブルをリールに巻き取る構造とすれば、接続余長のスペースを別途設ける必要がないので、光クロージャを容易に小型化することができ、したがって、家屋外部に通常存在する規格の取付金物に簡単に取り付けることが可能となる。
しかし、このリール方式の場合、現場で光ファイバをリールに巻き取り、巻き戻しするため、光ファイバに損傷を与える恐れがある。
本発明は上記従来の欠点を解消するためになされたもので、ユーザ家屋の一般的な金物に取付けることができる程度に小型化することが容易であり、充分長い余長収納が可能であり、防滴性に優れ、クロージャの開封、封止作業、光ファイバの接続収納作業も容易であり、さらに、光ファイバに損傷を与える恐れの少ない光クロージャを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の光クロージャは、光ファイバケーブルを導入可能な開口を有するベースと、このベースに一端側が取り付けられた概ね棒状の接続部支持部材と、前記接続部支持部材を囲むようにベースに取り付けられてクロージャ内部空間を形成するキャップ状の蓋とを有し、
前記ベースの開口からクロージャ内部に導入された光ファイバケーブルの光接続部が前記接続部支持部材に間接的に又は直接に固定され、光ファイバケーブルの前記光接続部の接続余長が、樹脂フイルム製でシート状をなし少なくとも一方が開口する余長収納袋に収納され、この余長収納袋が接続部支持部材に巻き付けられたことを特徴とする。
請求項2は、請求項1の光クロージャにおいて、ベースが光ファイバケーブルを導入可能な円筒状の開口を有し、接続部支持部材の少なくとも一端側が円柱状をなすとともにその外周面に光ファイバケーブル導入用溝を有しかつ前記円筒状の開口に嵌合して取り付けられていることを特徴とする。
請求項3は、請求項1又は2の光クロージャにおいて、ベースが少なくとも細径部と大径部とが段差を介して連接されている多段円筒状をなし、蓋がベースの前記大径部に嵌合可能な開口端を持つ概略円錐キャップ状をなし、ベースの細径部内に棒状の接続部支持部材の基端部が嵌合して固定され、接続部支持部材の外周に設けた光ファイバ収容溝が光ファイバケーブル導入孔を形成する構造であることを特徴とする。
請求項4は、請求項1〜3の光クロージャにおいて、細長い光接続部固定用部材が接続部支持部材の外面に、接続部支持部材の長手方向をなして固定されていることを特徴とする。
請求項5は、請求項1〜4の光クロージャにおいて、余長収納袋の開口側の端縁が接続部支持部材に貼り付けられていることを特徴とする。
本発明によれば、ベースに取り付けられてキャップ状の蓋内に収容される棒状の接続部支持部材の外周に光接続部があり、接続余長が樹脂フィルム製のシート状の余長収納袋に収納されて、そのシート状の余長収納袋とともに棒状の接続部支持部材に巻き付けられる構成なので、充分な小型化が可能である。したがって、ユーザ家屋の一般的な金物に取付けることが可能で、壁面に別途取付穴をあける等の必要がなくなり、ユーザの要求を満たすことができる。
また、接続余長は樹脂フィルム製のシート状の余長収納袋に入れて棒状の接続部支持部材に巻き取る構成なので、巻き付け回数を増減することにより、余長増減に容易に対応でき、かつ充分長い接続余長を確保することができる。
また、家屋の通常の金物に取り付けることが可能なので、従来の空中接続方式と異なって、回転する恐れはなく、したがって、回転してしまうことに起因する防滴性上の問題はない。
また、空中接続方式と異なりクロージャが動かないので、また、キャップ状の蓋をベースから外すのは簡単であり、したがって、クロージャの開封、封止作業、光ファイバの接続収納作業は容易である。
また、接続余長は接続部支持部材に巻き付ける際に、シート状の余長収納袋内にありこの余長収納袋で保護されるので、光ファイバが損傷する恐れは少ない。
以下、本発明を実施した光クロージャについて、図面を参照して説明する。
図1〜図7において、符号1は本発明の一実施例の光クロージャを示す。この光クロージャ1は、光ファイバケーブル2が片側端からのみ導入されるいわゆるポット型光クロージャであり、光ファイバケーブル2を導入可能な開口7aを有するベース3と、このベース3に一端側が取り付けられた概ね棒状の接続部支持部材4と、前記接続部支持部材4を囲むようにベース3に取り付けられてクロージャ内部空間を形成するキャップ状の蓋5とを備えている。ベース3及び蓋5は例えばポリプロピレン等の樹脂成形品である。
前記ベース3は、細径部7とテーパ状中径部8と大径部9とが段差を介して連接された多段円筒状をなしており、細径部7に接続部支持部材4の円柱状の基部12が嵌合することで、接続部支持部材4がベース3に固定される。細径部7の内部が光ファイバケーブルを導入可能な開口7aとなっている。この開口7aには防水のためのゴムシールが設けられている。
前記キャップ状の蓋5は頭部を切り落とした円錐状をなし、開口端部11がベース3の大径部9の外周に嵌合して取り付けられ、クロージャ内部空間を形成する。
前記接続部支持部材4は、全体として概ね円柱状であるが、2つの光ファイバケーブル収容溝12aを持つ前記円柱状の基部12と、円柱を面取りして平坦部13aを形成した本体部13とからなっている。
前記接続部支持部材4の本体部13に、実施例では2本の光ファイバケーブル2の口出し端被覆部を保持する口出し端被覆部保持部材15を固定し、その前方に、光接続部17を固定する光接続部固定用部材16を固定している。図示例の光接続部固定用部材16は、リブ16aで形成される光接続部挟持溝16bを2つ備えており、2心の光ファイバケーブルに対応可能な構成である(但し図示例の光ファイバケーブル2は1心である)。なお、光接続部17が接続部支持部材4に直接固定される構成とすることも可能である。
光ファイバケーブル2の一方はドロップケーブル、他方はユーザ家屋側ケーブルであり、両ケーブルの光接続部(実施例では融着接続部)17の両側の接続余長2a’は、例えばポリエチレン等の樹脂フイルム製でシート状をなす余長収納袋18に例えば8の字形に収納され、接続余長2a’を収容したこの余長収納袋18が接続部支持部材4に巻き付けられる。余長収納袋18の開口端は接続部支持部材4に例えば接着固定されている。
ドロップケーブル引落しの際の光クロージャ封止作業の要領を簡単に説明すると、ドロップケーブル及びユーザ家屋側配線の先端の被覆を除去して光ファイバ心線2aの口出しを行い、両者を例えば融着接続する。融着接続部(光接続部17)は光接続部固定用部材16に固定し、融着接続部17の両側の接続余長2a’は、シート状の余長収納袋18内に開口側から8の字形に収納し、次いで、接続余長2a’を収納したこの余長収納袋18を接続部支持部材4に巻き付ける。
次いで、キャップ状の蓋3を接続部支持部材4を囲むようにしてベース3に取り付けると、光クロージャ1の組み立てが完成する。なお、図示は省略するが、接続部支持部材4が嵌合しかつ光ファイバケーブル2が導入される開口7aには防水のためのゴムシールが設けられている。
次いで、この光クロージャ1を適宜手段により、ユーザ家屋側に通常設けられている取付金物に取り付ける。なお、取付金物に予めベース3を取り付けておき、その状態で上述の接続作業、余長収納作業を行うことも可能である。
その後、接続替えや故障点検などが必要になった時は、キャップ状の蓋5を外して、光接続部を取り出し、必要な作業を行うが、蓋5を外すのは容易であり、かつその蓋5を外せば直ちに光接続部を取り出すことができるので、接続替えや故障点検作業などの作業性は良好である。
上記の光クロージャ1は、ベース3に取り付けられてキャップ状の蓋5内に収容される棒状の接続部支持部材4の外周に光接続部があり、接続余長2a’が樹脂フィルム製のシート状の余長収納袋18に収納されて、そのシート状の余長収納袋18とともに棒状の接続部支持部材4に巻き付けられる構成なので、両端から光ファイバケーブルを導入する方式の光クロージャや特許文献1〜4の各光クロージャ等の従来の光クロージャと比べて、構造が極めてシンプルであり、充分な小型化が可能である。したがって、ユーザ家屋に通常備わっている一般的な取付金物に取付けることが可能で、壁面に別途取付穴をあける等の必要がなくなり、ユーザの要求を満たすことができる。
また、接続余長2a’は樹脂フィルム製のシート状の余長収納袋18に入れて棒状の接続部支持部材4に巻き取る構成なので、巻き付け回数を増減することにより、余長増減に容易に対応でき、かつ充分長い接続余長を確保することができる。
また、家屋の通常の取付金物に取り付けることが可能なので、従来の空中接続方式と異なって、回転する恐れはなく、したがって、回転してしまうことに起因する防滴性上の問題はない。
また、空中接続方式と異なりクロージャが動かないので、また、キャップ状の蓋5をベース3から外すのは簡単であり、したがって、クロージャの開封、封止作業、光ファイバの接続収納作業は容易である。
また、接続余長は接続部支持部材4に巻き付ける際に、シート状の余長収納袋18内にありこの余長収納袋18で保護されるので、光ファイバが損傷する恐れは少ない。
光接続部は、実施例では融着接続によるものとして説明したが接続方式は任意であり、例えばメカニカルスプライスあるいは光コネクタ接続によるものであってもよい。そして、その光接続部の種類に対応して適切な光接続部固定用部材を設ける。
また、実施例では、ベースが概略多段円筒状であるが、単なる円筒状とすることも可能である。円筒以外に角筒その他の筒状でもよい。また、単なる円板等の底板をベースとすることもできる。ベースを底板にした場合は、蓋は実施例の蓋5より深いものを用いるとよい。また、棒状の接続部支持部材は底板の内面側に直接固定し、光ファイバケーブルは底板に個別にあけた光ファイバケーブル導入孔から導入する。
ベースとキャップ状の蓋とからなるクロージャケースの外形はその他種々の外形が可能である。
また、実施例の接続部支持部材4は、基部12が円柱状で本体部13は面取りして平坦面13aを形成しているが、全体を円柱状とすることも可能であり、特にその具体的形状は限定されない。要するに、ベースから延出するように取付可能な棒状をなして、シート状の余長収納袋18を巻き付けることができるものであればよい。
また、本発明の光クロージャの設置場所は実施例で述べたユーザ家屋に限らず、例えば電柱上その他種々の箇所に設置することができる。
本発明の一実施例の光クロージャの断面図である。 図1の光クロージャの分解図である。 図2において接続部支持部材をベースに取り付けた状態で示した図である。 図3において蓋をベースに装着して光クロージャを完成させた状態の図である。 上記光クロージャにおける接続部支持部材を拡大して示した斜視図である。 図1のA−A断面図である。 図1のB−B断面図である。
符号の説明
1 光クロージャ(ポット型光クロージャ)
2 光ファイバケーブル
2a 光ファイバ心線
2a’ 接続余長
3 ベース
4 接続部支持部材
5 蓋
7 細径部
7a (光ファイバケーブルを導入可能な)開口
8 テーパ状中径部
9 大径部
12 (接続部支持部材の)基部
12a 光ファイバ収容溝(光ファイバケーブル導入孔)
13 (接続部支持部材の)本体部
13a 平坦部
15 口出し端被覆部保持部材
16 光接続部固定用部材
16a リブ
16b 光接続部挟持溝
18 余長収納袋

Claims (5)

  1. 光ファイバケーブルを導入可能な開口を有するベースと、このベースに一端側が取り付けられた概ね棒状の接続部支持部材と、前記接続部支持部材を囲むようにベースに取り付けられてクロージャ内部空間を形成するキャップ状の蓋とを有し、
    前記ベースの開口からクロージャ内部に導入された光ファイバケーブルの光接続部が前記接続部支持部材に間接的に又は直接に固定され、光ファイバケーブルの前記光接続部の接続余長が、樹脂フイルム製でシート状をなし少なくとも一方が開口する余長収納袋に収納され、この余長収納袋が接続部支持部材に巻き付けられたことを特徴とする光クロージャ。
  2. 前記ベースが光ファイバケーブルを導入可能な円筒状の開口を有し、前記接続部支持部材の少なくとも一端側が円柱状をなすとともにその外周面に光ファイバケーブル導入用溝を有しかつ前記円筒状の開口に嵌合して取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の光クロージャ。
  3. 前記ベースが少なくとも細径部と大径部とが段差を介して連接されている多段円筒状をなし、前記蓋がベースの前記大径部に嵌合可能な開口端を持つ概略円錐キャップ状をなし、前記ベースの細径部内に棒状の接続部支持部材の基端部が嵌合して固定され、接続部支持部材の外周に設けた光ファイバ収容溝が光ファイバケーブル導入孔を形成する構造であることを特徴とする請求項1又は2記載の光クロージャ。
  4. 細長い光接続部固定用部材が接続部支持部材の外面に、接続部支持部材の長手方向をなして固定されていることを特徴とする請求項1〜3記載の光クロージャ。
  5. 前記余長収納袋の開口側の端縁が接続部支持部材に貼り付けられていることを特徴とする請求項1〜4記載の光クロージャ。
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