JP2008175740A - 湿分分離器 - Google Patents

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Abstract

【課題】湿分分離器において、湿分分離エレメント内での湿分の滞留を抑制して湿分排出性能を向上することで湿分分離性能の向上を図る。
【解決手段】胴体40の一端部から加熱管群44を挿通し、他端部に蒸気入口41を設け、内部に蒸気入口41に連通するマニホールド49を配設し、マニホールド49の側部に蒸気の吹出口50を複数設け、胴体40内の下部に第1支持板51及び下支持枠56を固定することで蒸気流動空間S1とドレン通路52を区画し、マニホールド49に対応して湿分分離エレメント53を設け、湿分分離エレメント53により湿分が除去された蒸気を加熱管群44により加熱して高温再熱蒸気として蒸気出口42に流動させる一方、蒸気入口41側の湿分分離エレメント53aに、湿分を流下流路P1及びU字流路P2からドレン通路52に排出するように構成し、U字流路P2にループシール60を設けている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、蒸気から湿分を除去する湿分分離器に関するものであり、特に、原子力発電プラントなどに適用して好適である。
例えば、加圧水型原子力発電プラントでは、原子炉にて、軽水を原子炉冷却材及び中性子減速材として使用し、炉心全体にわたって沸騰しない高温高圧水とし、この高温高圧水を蒸気発生器に送って熱交換により蒸気を発生させ、この蒸気をタービン発電機へ送って発電するものである。そして、この加圧水型原子炉は、高温高圧の一次冷却水の熱を蒸気発生器を介して二次冷却水に伝え、二次冷却水で水蒸気を発生させるものである。また、蒸気発生器は、多数の細い伝熱管の内側を一次冷却水が流れ、外側を流れる二次冷却水に熱を伝えて水蒸気を生成し、この水蒸気をタービン発電機に送給している。
一方、このタービン発電機では、高圧タービン及び低圧タービンを有する蒸気タービンと、この蒸気タービンの出力により発電する発電機を有している。この場合、高圧タービンと低圧タービンとの間には、一般的に、湿分分離器が設けられている。この湿分分離器は、高圧タービン〜排出される低圧蒸気に含まれる湿分を分離すると共に、低圧蒸気を再加熱して過熱蒸気として低圧タービンに供給することで、この低圧タービンの出口湿り度を低減させてエロージョンを防止すると共に、タービンプラントの熱効率を向上させている。
図11は、従来の湿分分離器を表す概略図、図12は、従来の湿分分離器の要部断面図である。
従来の湿分分離器において、図11及び図12に示すように、円筒形状をなす胴体001は、一端部から加熱管002が挿通され、他端部から2つのマニホールド003が加熱管002の下方両側に挿通されている。そして、加熱管002には、蒸気発生器からの高圧加熱蒸気が供給される一方、各マニホールド003には、高圧タービンからの湿分を含む低温再熱蒸気が供給され、側部に形成された多数の吹出口004から蒸気を胴体001内へ吹き出し可能となっている。
胴体内の下部には、水平な仕切底板005が固定されることでその下方にドレン通路006が区画され、胴体001にこのドレン通路006のドレン(湿分)を排出するドレン出口007が形成されている。また、この仕切底板005上に、各マニホールド003に対応して左右一対の湿分分離エレメント008がそれぞれ固定されている。この湿分分離エレメント008は、波形をなすセパレータベーン008aが所定間隔で多数積層された状態で、上下の支持枠008b,008cにより支持されて構成され、下支持枠008cにドレンスリット008dが形成されている。
そして、各湿分分離エレメント008の上部には、左右一対の仕切側板009が固定されており、この一対の仕切側板009の間の上方には、上述した加熱管002が位置しており、加熱管002の上方に位置する胴体001に、湿分が分離された蒸気を排出する蒸気出口010が形成されている。なお、この蒸気出口010から排出された高温再熱蒸気は、低圧タービンに送られる。
従って、高圧タービンからの低温再熱蒸気は、各マニホールド003を通って多数の吹出口004から胴体001内へ吹き出され、内壁面にガイドされながら各湿分分離エレメント008に導入される。すると、蒸気が湿分分離エレメント008を通過するときに、湿分がセパレータベーン008aに衝突することで分離される。そして、湿分が分離された蒸気は、左右一対の仕切側板009の間を通って上昇し、加熱管に接触することで加熱され、高温再熱蒸気となって蒸気出口010から排出される。一方、湿分分離エレメント008で分離された湿分は、ドレンスリット008dを通ってドレン通路006に流下し、ドレン出口007から外部に排出される。
このような湿分分離器としては、下記特許文献1、2、3に記載されたものがある。
特開2002−130609号公報 実開平04−082505号公報 特開2000−310401号公報
上述した従来の湿分分離器では、低温再熱蒸気がマニホールド003を通り、多数の吹出口004から胴体001内へ吹き出され、湿分分離エレメント008を通過するときに蒸気から湿分が分離される。そして、湿分が分離された蒸気は、上昇して蒸気出口010から排出される一方、分離された湿分は、ドレンスリット008dを通ってドレン通路006に流下し、ドレン出口007から外部に排出される。この場合、湿分分離エレメント008は、セパレータベーン008aが多数積層された状態で支持枠008b,008cにより支持され、下部にドレンスリット008dが形成されて構成されることから、湿分分離エレメント008の内部に淀み部が形成される。すると、積層されたセパレータベーン008aに導入された蒸気は、この淀み部で渦となり、ドレンスリット008dからの湿分(ドレン)の排出を阻害してしまい、ドレン排出性能が低下し、その結果、蒸気の湿分分離性能が低下してしまうという問題がある。
また、上述した湿分分離器では、装置のコンパクト化が望まれており、そのためには胴体やマニホールドを小径化する必要がある。上述した従来の湿分分離器では、低温再熱蒸気がマニホールド003を通り、多数の吹出口004から胴体001内へ吹き出され、湿分分離エレメント008を通過するときに蒸気から湿分が分離される。この場合、マニホールド003を小径化すると、このマニホールド003内を流動する蒸気の流速が増大し、吹出口004から吹き出された蒸気が胴体001の先端側の隔壁に衝突して静圧回復することから、胴体001内で圧力分布が生じてしまう。即ち、胴体001内の圧力は、マニホールド003の基端部側で低圧となり、先端部側で高圧となる。
このようにマニホールド003内で圧力差が発生すると、ドレン通路006の圧力は、マニホールド003の先端部側の高圧に支配されることから、マニホールド003における基端部側の圧力が低くなる。すると、ドレン通路006内の蒸気がドレン(湿分)を伴ってドレンスリット008dから湿分分離エレメント008側へ吹き上がり、分離した湿分をドレン通路006に排出することができないばかりか、湿分を分離した蒸気がドレンスリット008dから吹き上がったドレンを持ち去ってしまい、湿分分離エレメント008での湿分分離性能が低下してしまうという問題がある。
本発明は上述した課題を解決するものであり、湿分分離エレメント内での湿分の滞留を抑制して湿分排出性能を向上することで湿分分離性能の向上を図った湿分分離器を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための請求項1の発明の湿分分離器は、中空形状をなす胴体と、該胴体の内部に湿分を含む蒸気を導入する蒸気入口と、前記胴体の内部に設けられて前記蒸気入口から供給された蒸気が通過することで湿分を分離する湿分分離エレメントと、前記胴体の上部に設けられて前記湿分分離エレメントにより湿分が分離された蒸気を排出する蒸気出口と、前記胴体の下部に設けられて前記湿分分離エレメントにより蒸気から分離された湿分を一時的に貯留するドレン通路と、前記湿分分離エレメントと前記ドレン通路とを連通する連通開口と、前記ドレン通路に貯留する湿分を排出するドレン出口とを具えた湿分分離器において、前記湿分分離エレメント内における蒸気の通過方向における両側に蒸気から分離した湿分を前記連通開口に導くガイド部材を設けることを特徴とするものである。
請求項2の発明の湿分分離器では、前記湿分分離エレメントを通過して前記蒸気出口に流動する蒸気流動空間と前記ドレン通路を区画する第1仕切壁が設けられ、該第1仕切壁に前記湿分分離エレメントにより分離された湿分を前記連通開口を通して前記ドレン通路に流すドレン流通路が設けられ、該ドレン流通路に前記ドレン通路の湿分が該ドレン流通路を通して前記蒸気流動空間側に吹き上がるのを抑制する吹き上がり抑制手段が設けられることを特徴としている。
請求項3の発明の湿分分離器では、前記湿分分離エレメントは、複数のエレメントが直線状に列設して構成され、前記エレメントに対してヘダーが固定され、前記エレメントと前記ヘダーとが前記連通開口により連通する一方、前記ドレン通路と前記ヘダーとが前記ドレン流通路により連通し、該ドレン流通路に前記吹き上がり抑制手段としてのループシールが設けられることを特徴としている。
請求項4の発明の湿分分離器では、前記エレメントは、波形をなす複数のセパレータベーンが所定間隔で積層され、この積層状態にあるセパレータベーンが上支持枠及び下支持枠により支持されてなり、前記ガイド部材は、前記セパレータベーンの端部により形成される前記下支持枠の隅部を埋めるように配置されることを特徴としている。
請求項5の発明の湿分分離器では、前記連通開口は、前記下支持枠の水平方向に沿って複数設けられることを特徴としている。
請求項6の発明の湿分分離器では、前記ガイド部材は、前記連通開口のない領域に設けられることを特徴としている。
請求項7の発明の湿分分離器では、前記ドレン流通路は、仕切板により複数の通路に分割され、該複数の通路に対応して前記連通開口が設けられることを特徴としている。
請求項8の発明の湿分分離器では、前記ループシールは、前記湿分分離エレメントの下方における前記第1仕切壁を貫通する流下流路と、該流下流路における前記ドレン通路側の端部に設けられたU字流路とを有することを特徴としている。
請求項9の発明の湿分分離器では、前記湿分分離エレメントと前記ドレン通路とを連通するガス抜き孔が前記連通開口より上方側に設けられることを特徴としている。
請求項10の発明の湿分分離器では、前記吹き上がり抑制手段は、前記蒸気入口の近傍に位置する前記ドレン流通路に対して設けられることを特徴としている。
請求項11の発明の湿分分離器では、前記胴体は横置き円筒形状をなし、長手方向における一端部に前記蒸気入口が形成され、内部に該蒸気入口に連通する2つのマニホールドが挿通され、該マニホールドの側部に前記胴体内へ蒸気を吹き出す複数の吹出口を有し、前記胴体内の下部に前記第1仕切壁が固定されることで前記蒸気流動空間と前記ドレン通路が区画され、該第1仕切壁上に前記2つのマニホールドに対応して前記湿分分離エレメントがそれぞれ設けられ、前記各マニホールドの吹出口から吹出された蒸気は、前記各湿分分離エレメントを通過することで湿分が除去され、湿分が除去された蒸気は前記蒸気出口に流動する一方、湿分は前記ドレン流通路から前記ドレン通路を通ってドレン出口に導かれることを特徴としている。
請求項12の発明の湿分分離器では、前記胴体の長手方向における他端部から前記各マニホールドの上方に加熱管が挿通され、前記胴体内の両側部に前記湿分分離エレメントを境界とする第2仕切壁が固定されることで蒸気供給空間と蒸気排出空間とが区画され、前記各湿分分離エレメントを通過することで湿分が除去され蒸気は、前記蒸気排出空間から前記加熱管に接触して加熱されてから前記蒸気出口に流動することを特徴としている。
請求項1の発明の湿分分離器によれば、中空形状をなす胴体に対して内部に湿分を含む蒸気を導入する蒸気入口を設け、胴体の内部に蒸気入口から供給された蒸気が通過することで湿分を分離する湿分分離エレメントを設け、胴体の上部に湿分分離エレメントにより湿分が分離された蒸気を排出する蒸気出口を設ける一方、胴体の下部に湿分分離エレメントにより蒸気から分離された湿分を一時的に貯留するドレン通路を設け、湿分分離エレメントとドレン通路とを連通開口により連通し、ドレン通路に貯留する湿分を排出するドレン出口を設けて構成し、湿分分離エレメント内における蒸気の通過方向における両側に蒸気から分離した湿分を連通開口に導くガイド部材を設けている。
従って、蒸気入口から胴体内に導入された蒸気は、湿分分離エレメントを通過することで湿分が分離され、湿分が分離された蒸気は蒸気出口から排出される一方、蒸気から分離された湿分は、連通開口を通ってドレン通路に移動して一時的に貯留され、ドレン出口から排出されることとなり、このとき、湿分分離エレメント内で蒸気から分離された湿分は、ガイド部材により適正に連通開口に導かれることとなり、湿分分離エレメント内での湿分の滞留が抑制され、湿分排出性能を向上することで湿分分離性能の向上を図ることができる。
請求項2の発明の湿分分離器によれば、湿分分離エレメントを通過して蒸気出口に流動する蒸気流動空間とドレン通路を区画する第1仕切壁を設け、第1仕切壁に湿分分離エレメントにより分離された湿分を前記連通開口を通して前記ドレン通路に流すドレン流通路を設け、ドレン流通路にドレン通路の湿分がドレン流通路を通して蒸気流動空間側に吹き上がるのを抑制する吹き上がり抑制手段を設けるので、湿分がドレン流通路からドレン通路に移動してドレン出口から排出されるとき、蒸気流動空間にて蒸気の圧力分布が発生し、蒸気流動空間とドレン通路との間に圧力差が生じたとしても、吹き上がり抑制手段によりドレン通路の湿分がドレン流通路を通して蒸気流動空間側に吹き上がる現象が抑制されることとなり、ドレン通路から湿分分離エレメント側への湿分の逆流を抑制して湿分分離性能の向上を図ることができる。
請求項3の発明の湿分分離器によれば、前記湿分分離エレメントを複数のエレメントを直線状に列設して構成し、各エレメントに対してヘダーを固定し、エレメントとヘダーとを連通開口により連通する一方、ドレン通路とヘダーとを前記ドレン流通路により連通し、ドレン流通路に吹き上がり抑制手段としてのループシールを設けるので、ループシールという簡易な構成でドレン通路から湿分分離エレメント側への湿分の逆流を抑制することができる。
請求項4の発明の湿分分離器によれば、エレメントを、波形をなす複数のセパレータベーンを所定間隔で積層し、この積層状態にあるセパレータベーンを上支持枠及び下支持枠により支持して構成し、ガイド部材をセパレータベーンの端部により形成される下支持枠の隅部を埋めるように配置するので、ガイド部材により下支持枠の隅部が埋められることで、この隅部での渦の発生が抑制され、湿分排出性能を向上することができる。
請求項5の発明の湿分分離器によれば、連通開口を下支持枠の水平方向に沿って複数設けるので、湿分分離エレメント内で蒸気から分離された湿分は、ガイド部材により適正に連通開口に導かれ、複数連通開口からドレン通路へ移動することとなり、湿分分離エレメント内での湿分の滞留が抑制され、湿分排出性能を向上することができる。
請求項6の発明の湿分分離器によれば、ガイド部材を連通開口のない領域に設けるので、ガイド部材により適正に連通開口に導かれ、連通開口からドレン通路へ移動することとなり、湿分の流量が損減したときにも、湿分分離エレメント内での湿分の滞留が抑制され、湿分排出性能を向上することができる。
請求項7の発明の湿分分離器によれば、ドレン流通路を仕切板により複数の通路に分割し、この複数の通路に対応して連通開口を設けるので、湿分分離エレメント内で蒸気から分離された湿分は、ガイド部材により適正に連通開口に導かれ、通路ごとに連通開口からドレン通路へ移動することとなり、湿分分離エレメント内での湿分の滞留が抑制され、湿分排出性能を向上することで湿分分離性能の向上を図ることができる。
請求項8の発明の湿分分離器によれば、ループシールとして、湿分分離エレメントの下方における第1仕切壁を貫通する流下流路と、流下流路におけるドレン通路側の端部に設けられたU字流路とを設けるので、湿分分離エレメントにより分離された湿分は、流下流路からU字流路を通ってドレン通路に移動することとなり、このU字流路がここに貯留される湿分によりループシールを構成することで、このループシールにより湿分の吹き上がりを適正に抑制することができる。
請求項9の発明の湿分分離器によれば、湿分分離エレメントとドレン通路とを連通するガス抜き孔を連通開口より上方側に設けるので、流下流路内に圧力勾配が発生したとき、内部の圧力をガス抜き孔から開放することで内部の圧力を均一に維持することができると共に、起動直後に湿分の吹き上がりを湿分飛散防止壁により抑制することができる。
請求項10の発明の湿分分離器によれば、吹き上がり抑制手段を蒸気入口の近傍に位置するドレン流通路に対して設けるので、湿分を含む蒸気が蒸気入口から胴体の内部に導入されるとき、胴体内にて、蒸気の流速により蒸気入口の近傍と奥部との間に圧力分布が発生しやすく、この場合、蒸気入口の近傍で蒸気流動空間とドレン通路との間に圧力差が生じるため、吹き上がり抑制手段により湿分の吹き上がりを適正に抑制することができる。
請求項11の発明の湿分分離器によれば、胴体を横置き円筒形状とし、長手方向における一端部に蒸気入口を形成し、内部に蒸気入口に連通する2つのマニホールドを挿通し、マニホールドの側部に蒸気の吹出口を複数設け、胴体内の下部に第1仕切壁を固定することで蒸気流動空間とドレン通路を区画し、第1仕切壁上に2つのマニホールドに対応して湿分分離エレメントをそれぞれ設け、各マニホールドの吹出口から吹出された蒸気を各湿分分離エレメントを通過させることで湿分を除去し、湿分が除去された蒸気を蒸気出口に流動させる一方、湿分をドレン流通路からドレン通路を通ってドレン出口に導くので、胴体内に蒸気を効率的に流動して適性に湿分を分離することができる。
請求項12の発明の湿分分離器によれば、胴体の長手方向における他端部から各マニホールドの上方に加熱管を挿通し、胴体内の両側部に湿分分離エレメントを境界とする第2仕切壁を固定することで蒸気供給空間と蒸気排出空間とを区画し、各湿分分離エレメントを通過させることで湿分が除去され蒸気を蒸気排出空間から加熱管に接触して加熱してから蒸気出口に流動するので、湿分を分離した蒸気を加熱してから排出することで、蒸気の有効利用を図ることができる。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る湿分分離器の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る湿分分離器を表す蒸気入口側の要部断面図、図2は、図1のII−II断面図、図3は、実施例1の湿分分離器におけるヘダーを表す概略図、図4は、実施例1の湿分分離器を表すドレン出口側の要部断面図、図5は、実施例1の湿分分離器を表す概略図、図6は、実施例1の湿分分離器を表す縦断面図、図7は、実施例1の湿分分離器の内部構造を表す切欠斜視図、図8は、実施例1の湿分分離器が適用された発電プラントの概略構成図である。
実施例の発電プラントは、例えば、軽水を原子炉冷却材及び中性子減速材として使用し、炉心全体にわたって沸騰しない高温高圧水とし、この高温高圧水を蒸気発生器に送って熱交換により蒸気を発生させ、この蒸気をタービン発電機へ送って発電する加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)やこれを改良した改良型加圧水型原子炉(APWR:Advanced Pressurized Water Reactor)に適用することができるが、他の発電プラントにも適用可能である。
即ち、本実施例の発電プラントにおいて、図8に示すように、蒸気発生器11は、蒸気タービン12と冷却水配管13を介して連結されており、この蒸気タービン12は高圧タービン14及び低圧タービン15を有すると共に、発電機16が接続されている。また、高圧タービン14と低圧タービン15との間には、湿分分離器17が設けられており、高圧タービン14と湿分分離器17は低温再熱管18により連結され、湿分分離器17と低圧タービン15は高温再熱管19により連結されている。更に、蒸気タービン12は、復水器20を有しており、冷却水配管21を介して蒸気発生器11に連結されており、この冷却水配管21には復水ポンプ22が設けられている。
従って、蒸気発生器11にて、高圧高温の軽水と熱交換を行って生成された蒸気は、冷却水配管13を通して蒸気タービン12(高圧タービン14から低圧タービン15)に送られ、この蒸気により蒸気タービン12を駆動して発電機16により発電を行う。この場合、蒸気発生器11からの蒸気は、高圧タービン14を駆動した後、湿分分離器17で蒸気に含まれる湿分が除去されると共に加熱されてから低圧タービン15を駆動する。そして、蒸気タービン12を駆動した蒸気は、復水器20で冷却された後、冷却水配管21を通して蒸気発生器11に戻される。
上述した本実施例の湿分分離器17において、図5乃至図7に示すように、胴体40は、横置きの中空円筒形状をなし、一端部が閉塞されて他端部に湿分を含む蒸気(低温再熱蒸気)を導入する蒸気入口41が形成されると共に、上部に湿分が分離されて加熱された蒸気(高温再熱蒸気)を排出する蒸気出口42が形成される一方、下部に蒸気から分離された湿分(ドレン)を排出するドレン出口43が形成されている。そして、図8に示すように、蒸気入口41は、低温再熱管18を介して高圧タービン14に連結され、蒸気出口42は、高温再熱管19を介して低圧タービン15に連結され、ドレン出口43は、図示しないドレン配管を介してドレンタンクに連結されている。
この胴体40は、図5乃至図7に示すように、その長手方向における一端部から加熱管群44が挿通されている。この加熱管群44は、胴体40の外部に位置する蒸気室45と、この蒸気室45から胴体40内に延出されたU字形状をなす複数の加熱管46とから構成されている。この複数の加熱管46は、胴体40の内部に固定された一対の隔壁47及びその間に固定された複数の支持壁48により支持されている。そして、蒸気室45は、内部が上下に分割され、複数の加熱管46の一端部が連結される上側の入口管台45aに、蒸気発生器11の冷却水配管13から分岐された配管が連結される一方、複数の加熱管46の他端部が連結される下側の出口管台45bにドレンタンクに延出されるドレン配管が連結されている。
また、胴体40は、その長手方向における他端部から、加熱管群44の下方の両側に位置して左右一対のマニホールド49が挿通されている。このマニホールド49は、複数の支持壁48を貫通すると共に、先端部が一方の隔壁47に固定されて閉塞している。そして、マニホールド49は、基端部が他方の隔壁47に固定されると共に貫通し、蒸気入口41に連通している。また、マニホールド49は、胴体40の壁面に対向する側部にこの胴体40内へ蒸気を吹き出す複数の吹出口50が形成されている。
胴体40内の下部には、水平な第1支持板51が固定され、この第1支持板51の両側には、2つのマニホールド49に対応して左右一対の湿分分離エレメント53が設けられている。湿分分離エレメント53は、マニホールド49の各吹出口50に対向して位置し、蒸気が通過することで湿分を分離することができる。即ち、この湿分分離エレメント53は、波形をなすセパレータベーン54が所定間隔で多数積層された状態で、上下の支持枠55,56により支持されて構成されている。本実施例では、下支持枠56が第1支持板51の両側部に一体に固定されると共に、胴体40の内壁面に固定されることで、ドレン通路52が区画されており、このドレン通路52の下方に上述したドレン出口43が設けられている。即ち、第1支持板51と下支持枠56により本発明の第1仕切壁が構成されることとなる。
この各湿分分離エレメント53の上部には、左右一対の第2支持板57が立設され、加熱管群44の両側に沿って湾曲するように上方に延出され、上端部が胴体40に連結される一方、下端部が上支持枠55に連結されている。従って、胴体40の内部空間は、上述した第1支持板51と下支持枠56により構成された第1仕切壁により、マニホールド49の吹出口50から吹出された蒸気が湿分分離エレメント53を通過して蒸気出口42に流動する蒸気流動空間S1と、湿分分離エレメント53により分離された湿分をドレン出口43に導くドレン通路52とに区画されている。また、蒸気流動空間S1は、湿分分離エレメント53を境界とする第2支持板57及び上支持枠55により、吹出口50から吹出された蒸気が湿分分離エレメント53に流動する蒸気供給空間S21と、湿分分離エレメント53により湿分が分離された蒸気を蒸気出口42に流動する蒸気排出空間S22とに区画されている。即ち、第2支持板57と上支持枠55により本発明の第2仕切壁が構成されることとなる。
なお、上述した湿分分離エレメント53は、胴体40の長手方向に沿って配設されているが、マニホールド49の蒸気入口41側にて、メンテナンス空間S3により2つの湿分分離エレメント53a,53bの領域に分割されている。そして、各湿分分離エレメント53a,53bは、両者の間に複数のジャッキボルト58が介装されることで支持されている。
そして、この湿分分離エレメント53は、複数のエレメントが胴体40の長手方向に沿って直線状に列設して構成されている。この各エレメントにて、図1乃至図3に示すように、波形をなす複数のセパレータベーン54が所定間隔で積層され、上下の支持枠55,56により支持されており、マニホールド49の吹出口50から吹き出された蒸気がこの複数のセパレータベーン54の間を通過することで、蒸気に含まれる湿分が衝突して分離される。下支持枠56(第1仕切壁)は、蒸気供給空間S21側に立設する縦壁部56aと、蒸気排出空間S22側に立設する縦壁部56bとを有している。そして、ドレン出口43側に位置する湿分分離エレメント53bにて、図4に詳細に示すように、湿分分離エレメント53b(蒸気流動空間S1)とドレン通路52とを連通するドレン開口(ドレン流通路)59が形成されており、セパレータベーン54で分離した湿分、つまり、ドレンをこのドレン開口59を通してドレン通路52に排出し、一時的に貯留することができる。
一方、蒸気入口41側に位置する湿分分離エレメント53aにて、図1乃至図3に詳細に示すように、胴体40内の圧力変動により、ドレン通路52の湿分がドレン開口59を通して蒸気流動空間S1側に吹き上がるのを抑制する吹き上がり抑制手段として、ループシール60が設けられている。この場合、図5及び図6に示すように、胴体40内にてその長手方向で圧力変動が発生すると、マニホールド49の蒸気入口41側にて、蒸気流動空間S1の圧力がドレン通路52の圧力よりも低くなる現象が顕著となり、ドレン通路52の湿分がドレン開口59を通して蒸気流動空間S1側に吹き上がるおそれがある。そのため、マニホールド49の蒸気入口41側に位置する湿分分離エレメント53、つまり、メンテナンス空間S3により分割された一方の湿分分離エレメント53aが配設された領域Aにて、図1乃至図3に示すように、ループシール60を設けている。
即ち、第1支持板51の端部における湿分分離エレメント53aにて、下支持枠56における蒸気排出空間S22側の縦壁部56bには、第1支持板51上に箱型水平形状をなすヘダー61が固定されると共に、このヘダー61に対応する縦壁部56aに連通開口62が形成されている。また、ヘダー61の下部には、第1支持板51を貫通するようにダクト63が設けられ、上端部がヘダー61に連通する一方、下端部に上方に開口する貯留部64が形成され、この貯留部64にガス抜き孔65が形成されている。そして、ヘダー71及びダクト73により、ドレン流通路として、湿分分離エレメント53a(蒸気排出空間S22)の下方における第1支持板51を貫通する流下流路P1が設けられると共に、ダクト73及び貯留部74により、流下流路P1におけるドレン通路52側の端部にU字流路P2が設けられ、この流下流路P1とU字流路P2によりループシール60が構成されている。
また、湿分分離エレメント53aにて、ヘダー61に対応する縦壁部56bには、連通開口62の上方に位置してガス抜き孔66が形成されており、流下流路P3の上端部が湿分分離エレメント53a内に連通している。
なお、上述したヘダー61は、その箱型形状の上部にガスを貯める空間を確保して、ドレンの円滑な流れを確保することを目的としている。即ち、箱型形状の上部にガスを貯める空間を確保する十分な高さを取り、且つ、ガス抜き孔66を設けることで、ヘダー61内の胴体40の長手方向に均圧なガス空間を確保して、連通開口62におけるドレン逆流を抑制するためである。また、湿分分離器17の運転開始時において、貯留部64にドレンが溜まるまでの間、貯留部64内のガスをガス貯め空間に抜いて、連通開口62からドレンが流入し易くするためでもある。
このヘダー61の高さが十分に取れない場合、ヘダー61内でドレンがガス抜き穴66を閉塞し、ヘダー61内の圧力が上昇するため、ダクト63内を流下するドレンの流れを乱すことになる。また、連通開口62から円滑なドレンの流入を阻害する原因にもなる。
また、連通開口62は、胴体40の長手方向で一対の隔壁47の間に一定間隔で配置され、ヘダー61は胴体40の長手方向に連通開口62が配置されている範囲に設けられる。ダクト63は、ヘダー61の長手方向の全長に渡って設ける必要はない。複数の連通開口62に対応した位置に1つのヘダー61を設置することが望ましい。胴体40の長手方向に幅広のダクト63を設けると、ダクト63内で長手方向にドレンの液勾配が付いてシール高さが不均一となり、湿分(ドレン)を伴った蒸気が、ドレン通路52側からダクト63を経由してヘダー61側へ吹き上がり易くなるからである。
更に、湿分分離エレメント53aにて、下支持枠56における蒸気排出空間S22側に立設する縦壁部56bには、複数(本実施例では、3つ)の連通開口62がこの下支持枠56の水平方向に沿って形成されている。そして、この下支持枠56内にて、湿分分離エレメント53a内における蒸気の通過方向(図2にて、矢印方向)におけるその両側に、蒸気から分離した湿分を各連通開口62に導くガイド部材として、渦防止ブロック67が設けられている。この渦防止ブロック67は、三角断面形状をなし、セパレータベーン54の端部により形成される下支持枠56の隅部を埋めるように、連通開口62のない領域に所定高さまで配置されている。そして、渦防止ブロック67は、下支持枠56内の湿分を連通開口62に導入する傾斜ガイド面67aを有している。
ここで、本実施例の湿分分離器17による湿分分離の作用について、図1乃至図8を用いて詳細に説明する。
本実施例の湿分分離器17による湿分分離において、図8に示すように、蒸気発生器11で生成された加熱蒸気は、冷却水配管13を通して蒸気タービン12を構成する高圧タービン14に送られると共に、湿分分離器17に送られる。そして、高圧タービン14を駆動した低温再熱蒸気は、低温再熱管18を通して湿分分離器17に送られ、ここで、蒸気に含まれる湿分が除去されると共に加熱されて高温再熱蒸気となり、高温再熱管19を通して低圧タービン15に送られる。
この湿分分離器17では、図5乃至図7に示すように、蒸気発生器11で生成された加熱蒸気が蒸気室45の入口管台45aから加熱管群44に供給され、胴体40内に配設された複数の加熱管46を通って蒸気室45に戻され、出口管台45bからドレンとして排出される。
一方、高圧タービンからの低温再熱蒸気は、各蒸気入口41からマニホールド49内に供給され、多数の吹出口50から胴体40の蒸気供給空間S21へ吹き出される。この胴体40の蒸気供給空間S21内に吹き出された蒸気は、内壁面に沿って各湿分分離エレメント53に案内される。すると、この湿分分離エレメント53にて、蒸気が波形をなす複数のセパレータベーン54の間を通過することで、この蒸気に含まれる湿分がセパレータベーン54に衝突することで、ドレンとなって分離される。
そして、湿分分離エレメント53により湿分が分離された蒸気は、左右の第2支持板57により区画された蒸気排出空間S22を通って上昇し、複数の加熱管46の間を通過する際に、各加熱管46内を通る加熱蒸気により加熱され、高温再熱蒸気となって蒸気出口42から排出される。一方、湿分分離エレメント53で蒸気から分離された湿分(ドレン)は、図4に示すように、ドレン開口59を通ってドレン通路52に流下し、ドレン出口43から外部に排出される。
ところで、本実施例の湿分分離器17では、装置のコンパクト化のために胴体40やマニホールド49の小径化が図られており、マニホールド49内を流動する蒸気の流速が増大し、各吹出口50から吹き出された蒸気がマニホールド49の先端側、つまり、蒸気室45側(図5にて左側)の隔壁47に衝突して静圧回復することから、胴体40内の長手方向で圧力分布が生じる。そして、胴体40の長手方向にて、マニホールド49の蒸気入口41側の圧力に比べて、蒸気が多く流れる先端側の圧力が高くなり、この圧力が多数のドレン開口59を通してドレン通路52に作用する。そのため、胴体40内におけるマニホールド49の蒸気入口41側では、高圧側となるドレン通路52の蒸気が湿分(ドレン)を伴ってドレン開口59から低圧側となる湿分分離エレメント53側へ吹き上がり、この湿分分離エレメント53による湿分分離性能を低下させてしまう。
しかし、本実施例では、図1乃至図2に示すように、胴体40内におけるマニホールド49の蒸気入口41側に湿分分離エレメント53aにて、流下流路P1とU字流路P2により構成されるループシール60が設けられている。従って、マニホールド49の蒸気入口41側に位置する湿分分離エレメント53aでは、ドレン開口59がないため、流下流路P1及びU字流路P2を通ってドレン通路52に流下し、ドレン出口43から外部に排出される。即ち、マニホールド49の蒸気入口41側に位置する湿分分離エレメント53aにて、蒸気から分離された湿分(ドレン)は、連通開口62からヘダー61及びダクト63内の流下流路P1に流れ、この流下流路P1から下方の貯留部64に一時的に貯留された後、この貯留部64の開口部からドレン通路52に流下し、ドレン出口43から外部に排出される。このとき、ダクト63及び貯留部64におけるU字流路P2には、ループシール50が形成され、本実施例での吹き上がり抑制手段が構成される。
そのため、マニホールド49の各吹出口50から胴体40に吹き出された蒸気により圧力分布が生じ、胴体40内におけるマニホールド49の蒸気入口41側にて、ドレン通路52の蒸気が湿分分離エレメント53a側へ吹き上がろうとしても、U字流路P2及び流下流路P1を通って湿分分離エレメント53a側に吹き上がるのは困難であり、湿分を伴った蒸気の吹き上がりが阻止され、湿分分離エレメント53aによる湿分分離性能の低下が抑制される。そして、湿分分離エレメント53aで蒸気から分離された湿分は、連通開口72から流下流路P1及びU字流路P2を通ってドレン通路52に流下することとなり、ドレン出口43から適正に排出される。この場合、U字流路P2にループシールが形成されることで、ドレン通路52の蒸気がU字流路P2及び流下流路P1を通って湿分分離エレメント53側へ吹き上がることが阻止され、湿分分離エレメント53aによる湿分分離性能の低下が抑制される。
また、貯留部64にドレンが溜まるまでは、U字流路P2にループシールを形成することができず、ドレン通路52の蒸気がU字流路P2及び流下流路P1を通って湿分分離エレメント53側へ吹き上がるおそれがある。ところが、本実施例では、流下流路P1の上方に位置するヘダー61に湿分分離エレメント53aに連通するガス抜き孔66が形成されている。そのため、ドレン通路52の蒸気がU字流路P2及び流下流路P1を通って上昇しても、湿分分離エレメント53aに供給されて再び湿分が分離されることとなる。また、ガス抜き孔66によりヘダー61の内部の圧力を開放することで、U字流路P2及び流下流路P1の圧力を常時均一に維持することができる。
更に、本実施例では、胴体40内におけるマニホールド49の蒸気入口41側に湿分分離エレメント53aにて、下支持枠56内の左右の隅部に蒸気から分離した湿分を連通開口62に導く渦防止ブロック67が設けられ、淀み部がない形状となっている。従って、マニホールド49の各吹出口50から蒸気供給空間S21へ吹き出された蒸気が、湿分分離エレメント53aを通過するとき、蒸気が各セパレータベーン54に衝突することで、含有する湿分がドレンとなって分離され、下支持枠56内に流れ落ち、各連通開口62を通ってヘダー61及びダクト63内の流下流路P1に流れる。このとき、下支持枠56内のドレンは、左右の渦防止ブロック67の各傾斜面67aにガイドされながら連通開口62に導入されることとなり、下支持枠56内の隅部で渦が発生することが抑制され、ドレンが滞留することなく、通開口62から適正に流下流路P1に流れる。
このように実施例1の湿分分離器17にあっては、胴体40の長手方向における一端部から加熱管群44を挿通し、他端部に低温再熱蒸気の蒸気入口41を設け、内部に蒸気入口41に連通するマニホールド49を配設し、このマニホールド49の側部に蒸気の吹出口50を複数設け、胴体40内の下部に第1支持板51及び下支持枠56を固定することで蒸気流動空間S1とドレン通路52を区画し、マニホールド49に対応して湿分分離エレメント53を設け、湿分分離エレメント53により湿分が除去された蒸気を加熱管群44により加熱して高温再熱蒸気として蒸気出口42に流動させる一方、ドレン出口43側の湿分分離エレメント53bでは、湿分をドレン開口59からドレン通路52に排出し、蒸気入口41側の湿分分離エレメント53aでは、湿分を流下流路P1及びU字流路P2からドレン通路52に排出するように構成し、U字流路P2にループシール60を設けている。
従って、マニホールド49の吹出口50から胴体40内に導入された湿分を含む蒸気は、湿分分離エレメント53を通過することで湿分が分離され、この湿分が分離された蒸気は加熱後に蒸気出口42から排出される一方、湿分は、ドレン開口59、流下流路P1及びU字流路P2からドレン通路52に流下してドレン出口43から排出される。このとき、胴体40の蒸気流動空間S1にて蒸気の圧力分布が発生し、蒸気流動空間S1とドレン通路52との間に圧力差が生じたとしても、蒸気入口41側の湿分分離エレメント53aでは、ループシール60が設けられていることから、ドレン通路52から湿分分離エレメント53a側への湿分を伴った蒸気の逆流を抑制することができ、湿分分離性能を向上することができる。
即ち、マニホールド49の吹出口50から胴体40内に導入された湿分を含む蒸気は、湿分分離エレメント53を通過することで湿分が分離され、この湿分が分離された蒸気は加熱後に蒸気出口42から排出される一方、湿分は、ドレン開口59からドレン通路52に流下してドレン出口43から排出される。この場合、マニホールド49の蒸気入口41側にある湿分分離エレメント53aでは、ドレン開口59がないため、湿分は、流下流路P1及びU字流路P2からドレン通路52に流下してドレン出口43から排出される。そのため、胴体40の蒸気流動空間S1にて蒸気の圧力分布が発生し、蒸気流動空間S1とドレン通路52との間に圧力差が生じたとしても、U字流路P2にループシール60が形成されていることから、ドレン通路52から湿分分離エレメント53側への湿分を伴った蒸気の逆流を抑制することができ、湿分分離性能を向上することができる。また、分離された湿分は、連通開口62から流下流路P1及びU字流路P2を通ってドレン通路52に排出されることとなり、湿分分離エレメント53a内に滞留して湿分分離性能を低下させることもない。
また、湿分分離エレメント53aで分離した湿分をドレン通路52に排出する流下流路P1及びU字流路P2を、湿分分離エレメント53aより蒸気排出空間S22側に設けている。従って、第1支持板51から胴体40の内壁面までに十分な高さを確保することで、貯留部64の貯留されるドレンの高さを確保することができ、ドレン通路52からU字流路P2及び流下流路P1を通って湿分分離エレメント53側へ吹き上がる蒸気の逆流を確実に阻止することができる。
更に、マニホールド49の蒸気入口41側の湿分分離エレメント53aにて、流下流路P1の上方に湿分分離エレメント53aに連通するガス抜き孔67を設けている。従って、湿分分離器17の運転開始時には、ループシール60が形成されておらず、ドレン通路52の蒸気がU字流路P2及び流下流路P1を通ってガス抜き孔66から湿分分離エレメント53aに戻されることとなり、再び、蒸気から湿分を分離して処理することができ、このとき、流下流路P1及びU字流路P2の圧力も開放されることで、U字流路P2及び流下流路P1の圧力を常時均一に維持することができる。
そして、本実施例の湿分分離器17では、胴体40内におけるマニホールド49の蒸気入口41側に湿分分離エレメント53aにて、下支持枠56内の左右の隅部に蒸気から分離した湿分を連通開口62に導く渦防止ブロック67を設けている。従って、この渦防止ブロック67により下支持枠56には淀み部がない形状となり、湿分分離エレメント53aで蒸気から分離された湿分がドレンとして下支持枠56内に流れ落ち、連通開口62を通って流下流路P1に流れるとき、下支持枠56内のドレンは、左右の渦防止ブロック67の各傾斜面67aにガイドされながら連通開口62に導入されることとなり、下支持枠56内の隅部で渦が発生することが抑制され、ドレンが滞留することなく、連通開口62から適正に流下流路P1に流れることとなり、ドレン排出性能を向上することができる。
また、本実施例では、胴体40を横置き円筒形状とし、内部に2つのマニホールド49を配設すると共に、このマニホールド49に対応して2つの湿分分離エレメント53を配設し、胴体40内に各マニホールド49の上方に加熱管群44を配設し、各マニホールド49の吹出口50から吹出された低温再熱蒸気を各湿分分離エレメント53を通過させることで湿分を除去し、湿分が除去された蒸気を加熱してから蒸気出口42に流動させる一方、湿分をドレン開口59からドレン通路52を通ってドレン出口43に導くようにしている。従って、胴体40内に蒸気を効率的に流動して適性に湿分を分離することができると共に、湿分を分離した蒸気を加熱してから排出することで、蒸気の有効利用を図ることができる。
図9は、本発明の実施例2に係る湿分分離器を表す蒸気入口側の水平断面図である。なお、本実施例の湿分分離器における全体構成は、上述した実施例1とほぼ同様であり、図1、図3乃至図8を用いて説明すると共に、この実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例2において、図1及び図5乃至図9に示すように、湿分分離器17は、胴体40の一端部に蒸気入口41を形成し、上部に蒸気出口42を形成する一方、下部にドレン出口43を形成し、この胴体40の一端部から加熱管群44が挿通され、内部に加熱管群44の下方に2つのマニホールド49が挿通され、胴体40内の下部に第1支持板51及び下支持枠56が固定されることで蒸気流動空間S1とドレン通路52が区画され、各マニホールド49の吹出口50に対応して湿分分離エレメント53が設けられ、各湿分分離エレメント53における上支持枠55の上部に第2支持板57が立設されることで、上支持枠55と第2支持板57により蒸気流動空間S1が蒸気供給空間S21と蒸気排出空間S22とに区画されて構成されている。
この湿分分離エレメント53は、波形をなす複数のセパレータベーン54が所定間隔で積層され、上下の支持枠55,56により支持されており、ドレン出口43側にて、図4に示すように、下支持枠56に湿分分離エレメント53bとドレン通路52とを連通するドレン開口59が形成されており、セパレータベーン54で分離した湿分をこのドレン開口59を通してドレン通路52に排出することができる。
一方、マニホールド49の蒸気入口41側に位置する湿分分離エレメント53aにおいて、下支持枠56にドレン開口が形成されていない。そして、この湿分分離エレメント53aにおいて、ドレン流通路として、湿分分離エレメント53a(蒸気排出空間S22)の下方における第1支持板51を貫通する流下流路P1と、流下流路P1におけるドレン通路52側の端部に設けられたU字流路P2とを設け、ここにループシール60を設けている。
即ち、図1及び図9に示すように、第1支持板51の端部における湿分分離エレメント53aにて、下支持枠56における蒸気排出空間S22側の縦壁部56bには、第1支持板51上に箱型水平形状をなすヘダー61が固定されると共に、このヘダー61に対応する縦壁部56aに連通開口71が形成されている。また、ヘダー61の下部には、第1支持板51を貫通するダクト63が設けられ、上端部がヘダー61に連通する一方、下端部に上方に開口する貯留部64が形成され、この貯留部64にガス抜き孔65が形成されている。そして、ヘダー61及びダクト63により流下流路P1が構成される一方、ダクト63及び貯留部64によりU字流路P2が構成され、U字流路P2にループシール60が設けられている。また、ヘダー61に対応する縦壁部56bに、連通開口71の上方に位置してガス抜き孔66が形成されており、流下流路P3の上端部が湿分分離エレメント53a内に連通している。
更に、湿分分離エレメント53aにて、下支持枠56における縦壁部56bに形成された連通開口71は、縦壁部56bの幅方向におけるほぼ全域にわたって形成されている。そして、この下支持枠56内にて、湿分分離エレメント53a内における蒸気の通過方向(図9にて、矢印方向)におけるその両側に、蒸気から分離した湿分を連通開口71に導く渦防止ブロック67が設けられている。この渦防止ブロック67は、セパレータベーン54の端部により形成される下支持枠56の隅部を埋めるように、連通開口71のない領域に配置されており、渦防止ブロック67の傾斜ガイド面67aが連通開口71の端面に連続するように位置している。
従って、胴体40内に供給された蒸気は、湿分分離エレメント53aを通過することで、この蒸気に含まれる湿分がドレンとなって分離される。そして、湿分分離エレメント53aにより湿分が分離された蒸気は、蒸気排出空間S22を通って上昇し、複数の加熱管46の間を通過する際に加熱され、高温再熱蒸気となって蒸気出口42から排出される。一方、湿分分離エレメント53aで蒸気から分離された湿分は、ドレンとなって連通開口71からヘダー61及びダクト63内の流下流路P1に流れ、この流下流路P1から下方の貯留部64に一時的に貯留された後、この貯留部64の開口部からドレン通路52に流下し、ドレン出口43から外部に排出される。
このとき、マニホールド49の各吹出口50から胴体40に吹き出された蒸気により圧力分布が生じ、胴体40内におけるマニホールド49の蒸気入口41側にて、ドレン通路52の蒸気が湿分分離エレメント53側へ吹き上がろうとしても、U字流路P2にループシール60が設けられているため、このU字流路P2及び流下流路P1を通って蒸気が湿分分離エレメント53a側に吹き上がるのは困難であり、湿分を伴った蒸気の吹き上がりが阻止され、湿分分離エレメント53aによる湿分分離性能の低下が抑制される。そして、湿分分離エレメント53で蒸気から分離された湿分は、連通開口71から流下流路P1及びU字流路P2を通ってドレン通路52に流下することとなり、ドレン出口43から適正に排出される。
また、湿分分離エレメント53aにて、下支持枠56における縦壁部56bに形成された連通開口71は、その幅方向におけるほぼ全域にわたって形成されており、その両側に、蒸気から分離した湿分を連通開口71に導く渦防止ブロック67が設けられ、淀み部がない形状となっている。従って、マニホールド49の各吹出口50から蒸気供給空間S21へ吹き出された蒸気が、湿分分離エレメント53aを通過するとき、蒸気が各セパレータベーン54に衝突することで、含有する湿分がドレンとなって分離され、下支持枠56内に流れ落ち、連通開口71を通ってヘダー61及びダクト63内の流下流路P1に流れる。このとき、下支持枠56内のドレンは、左右の渦防止ブロック67の各傾斜面67aにガイドされながら連通開口71に確実に導入されることとなり、下支持枠56内の隅部で渦が発生することが抑制され、ドレンが滞留することなく、連通開口71から適正に流下流路P1に流れる。
このように実施例2の湿分分離器17にあっては、マニホールド49の蒸気入口41側の湿分分離エレメント53aにて、湿分分離エレメント53aの下方における第1支持板51を貫通する流下流路P1と、流下流路P1におけるドレン通路52側の端部に位置するU字流路P2を設け、U字流路P2にループシール60を設けて構成し、連通開口71を縦壁部56bの幅方向におけるほぼ全域にわたって形成し、下支持枠56内の左右の隅部に蒸気から分離した湿分を連通開口71に導く渦防止ブロック67を設けている。
従って、胴体40内におけるマニホールド49の蒸気入口41側に湿分分離エレメント53aにて、渦防止ブロック67により下支持枠56には淀み部がない形状となり、湿分分離エレメント53aで蒸気から分離された湿分がドレンとして下支持枠56内に流れ落ち、連通開口71を通って流下流路P1に流れるとき、下支持枠56内のドレンは、左右の渦防止ブロック67の各傾斜面67aにガイドされながら連通開口71に導入されることとなり、下支持枠56内の隅部で渦が発生することが抑制され、ドレンが滞留することなく、連通開口71から適正に流下流路P1に流れることとなり、ドレン排出性能を向上することができる。
図10は、本発明の実施例3に係る湿分分離器を表す蒸気入口側の水平断面図である。なお、本実施例の湿分分離器における全体構成は、上述した実施例1とほぼ同様であり、図1、図3乃至図8を用いて説明すると共に、この実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例2において、図1及び図10に示すように、マニホールド49の蒸気入口41側に位置する湿分分離エレメント53aにおいて、下支持枠56における蒸気排出空間S22側の縦壁部56bには、第1支持板51上に箱型水平形状をなすヘダー61が固定されると共に、このヘダー61に対応する縦壁部56aに連通開口62が形成されている。また、ヘダー61の下部には、第1支持板51を貫通するダクト63が設けられ、上端部がヘダー61に連通する一方、下端部に上方に開口する貯留部64が形成され、この貯留部64にガス抜き孔65が形成されている。そして、ヘダー61及びダクト63により流下流路P1が構成される一方、ダクト63及び貯留部64によりU字流路P2が構成され、U字流路P2にループシール60が設けられている。また、ヘダー61に対応する縦壁部56bに、連通開口62の上方に位置してガス抜き孔66が形成されており、流下流路P3の上端部が湿分分離エレメント53a内に連通している。
更に、湿分分離エレメント53aにて、下支持枠56における縦壁部56bに形成された3つの連通開口62に対向して、3つのヘダー61及びダクト63により流下流路P1とU字流路P2が形成されており、隔壁81により分割したドレン流通路として構成されている。そして、この下支持枠56内にて、湿分分離エレメント53a内における蒸気の通過方向(図10にて、矢印方向)におけるその両側に、蒸気から分離した湿分を連通開口71に導く渦防止ブロック67が設けられている。この渦防止ブロック67は、セパレータベーン54の端部により形成される下支持枠56の隅部を埋めるように、連通開口62のない領域に配置されており、渦防止ブロック67の傾斜ガイド面67aが連通開口62の端面に連続するように位置している。
従って、胴体40内に供給された蒸気は、湿分分離エレメント53aを通過することで、この蒸気に含まれる湿分がドレンとなって分離される。そして、湿分分離エレメント53aにより湿分が分離された蒸気は、蒸気排出空間S22を通って上昇し、複数の加熱管46の間を通過する際に加熱され、高温再熱蒸気となって蒸気出口42から排出される。一方、湿分分離エレメント53aで蒸気から分離された湿分は、ドレンとなって連通開口62からヘダー61及びダクト63内の流下流路P1に流れ、この流下流路P1から下方の貯留部64に一時的に貯留された後、この貯留部64の開口部からドレン通路52に流下し、ドレン出口43から外部に排出される。
このとき、マニホールド49の各吹出口50から胴体40に吹き出された蒸気により圧力分布が生じ、胴体40内におけるマニホールド49の蒸気入口41側にて、ドレン通路52の蒸気が湿分分離エレメント53側へ吹き上がろうとしても、U字流路P2にループシール60が設けられているため、このU字流路P2及び流下流路P1を通って蒸気が湿分分離エレメント53a側に吹き上がるのは困難であり、湿分を伴った蒸気の吹き上がりが阻止され、湿分分離エレメント53aによる湿分分離性能の低下が抑制される。そして、湿分分離エレメント53で蒸気から分離された湿分は、連通開口62から流下流路P1及びU字流路P2を通ってドレン通路52に流下することとなり、ドレン出口43から適正に排出される。
また、湿分分離エレメント53aにて、下支持枠56における縦壁部56bに形成された連通開口62は、流下流路P1及びU字流路P2に対応して形成され、且つ、仕切板81により分割されており、その両側に、蒸気から分離した湿分を連通開口62に導く渦防止ブロック67が設けられ、淀み部がない形状となっている。従って、マニホールド49の各吹出口50から蒸気供給空間S21へ吹き出された蒸気が、湿分分離エレメント53aを通過するとき、蒸気が各セパレータベーン54に衝突することで、含有する湿分がドレンとなって分離され、下支持枠56内に流れ落ち、各連通開口62を通って各流下流路P1に流れる。このとき、下支持枠56内のドレンは、左右の渦防止ブロック67の各傾斜面67aにガイドされながら連通開口62に確実に導入されることとなり、下支持枠56内の隅部で渦が発生することが抑制され、ドレンが滞留することなく、連通開口62から適正に流下流路P1に流れる。
このように実施例3の湿分分離器17にあっては、マニホールド49の蒸気入口41側の湿分分離エレメント53aにて、湿分分離エレメント53aの下方における第1支持板51を貫通する流下流路P1と、流下流路P1におけるドレン通路52側の端部に位置するU字流路P2を設け、U字流路P2にループシール60を設けて構成し、各連通開口62に対応して流下流路P1及びU字流路P2を設け、仕切板81により分割し、下支持枠56内の左右の隅部に蒸気から分離した湿分を連通開口62に導く渦防止ブロック67を設けている。
従って、胴体40内におけるマニホールド49の蒸気入口41側に湿分分離エレメント53aにて、渦防止ブロック67により下支持枠56には淀み部がない形状となり、湿分分離エレメント53aで蒸気から分離された湿分がドレンとして下支持枠56内に流れ落ち、各連通開口62を通って対応する流下流路P1に流れるとき、下支持枠56内のドレンは、左右の渦防止ブロック67の各傾斜面67aにガイドされながら連通開口62に導入されることとなり、下支持枠56内の隅部で渦が発生することが抑制され、ドレンが滞留することなく、連通開口62から適正に流下流路P1に流れることとなり、ドレン排出性能を向上することができる。
なお、上述した各実施例では、第1支持板51と下支持枠56により第1仕切壁を構成し、第1支持板51に湿分分離エレメント53を連結し、ドレン流通路としてのドレン開口59を下支持枠56に形成して説明したが、第1支持板51に対する湿分分離エレメント53の支持構造に応じて第1支持板51にドレン開口59を形成してもよい。また、上述した各実施例では、マニホールド49の蒸気入口41側の領域Aに位置する湿分分離エレメント53aに対して、本発明の吹き上がり抑制手段としてのループシール60を設けたが、ドレン開口59をなくして湿分分離エレメント53bが設けられた全ての領域にループシール60を設けてもよい。
また、上述した各実施例では、本発明の湿分分離器を湿分分離器として説明したが、胴体40内に加熱管群44を有しない湿分分離器であってもよい。更に、上述した各実施例では、本発明の湿分分離器を、胴体40の一端部から2つのマニホールド49を挿通し、このマニホールド49の基端部に蒸気の蒸気入口41を形成し、側部に吹出口50を形成して構成したが、この構成に限定されるものではない。例えば、胴体における長手方向中間位置の下部に蒸気の蒸気入口を形成し、その上部に湿分分離エレメントを配設して構成してもよく、この場合であっても、胴体の小径化を図ると、胴体内を流動する蒸気の流速が増大し、蒸気が胴体の奥側の隔面に衝突して静圧回復することから、蒸気の蒸気入口の近傍と奥側で圧力分布が生じ、ドレン通路の蒸気が湿分(ドレン)を伴って湿分分離エレメント側へ吹き上がることが考えられ、本発明が有効的である。
本発明に係る湿分分離器は、湿分分離エレメント内での湿分の滞留を抑制して湿分排出性能を向上することで湿分分離性能の向上を図ったものであり、各種プラントの湿分分離器に適用することができる。
本発明の実施例1に係る湿分分離器を表す要部断面図である。 図1のII−II断面図である。 実施例1の湿分分離器におけるヘダーを表す概略図である。 実施例1の湿分分離器を表すドレン出口側の要部断面図である。 実施例1の湿分分離器を表す概略図である。 実施例1の湿分分離器を表す縦断面図である。 実施例1の湿分分離器の内部構造を表す切欠斜視図である。 実施例1の湿分分離器が適用された発電プラントの概略構成図である。 本発明の実施例2に係る湿分分離器を表す蒸気入口側の水平断面図である。 本発明の実施例3に係る湿分分離器を表す蒸気入口側の水平断面図である。 従来の湿分分離器を表す概略図である。 従来の湿分分離器の要部断面図である。
符号の説明
11 蒸気発生器
12 蒸気タービン
13 冷却水配管
14 高圧タービン
15 低圧タービン
16 発電機
17 湿分分離器
40 胴体
41 蒸気入口
42 蒸気出口
43 ドレン出口
44 加熱管群
46 加熱管
49 マニホールド
50 吹出口
51 第1支持板(第1仕切壁)
52 ドレン通路
53,53a,53b 湿分分離エレメント
55 上支持枠
56 下支持枠
57 第2支持板
59 ドレン開口(ドレン流通路)
60 ループシール(吹き上がり抑制手段)
61 ヘダー
62,71 連通開口
63 ダクト
64 貯留部
65 ガス抜き孔
66 ガス抜き孔
81 仕切板
1 流下流路(ドレン流通路)
2 U字流路(ドレン流通路)
1 蒸気流動空間
21 蒸気供給空間
22 蒸気排出空間

Claims (12)

  1. 中空形状をなす胴体と、該胴体の内部に湿分を含む蒸気を導入する蒸気入口と、前記胴体の内部に設けられて前記蒸気入口から供給された蒸気が通過することで湿分を分離する湿分分離エレメントと、前記胴体の上部に設けられて前記湿分分離エレメントにより湿分が分離された蒸気を排出する蒸気出口と、前記胴体の下部に設けられて前記湿分分離エレメントにより蒸気から分離された湿分を一時的に貯留するドレン通路と、前記湿分分離エレメントと前記ドレン通路とを連通する連通開口と、前記ドレン通路に貯留する湿分を排出するドレン出口とを具えた湿分分離器において、前記湿分分離エレメント内における蒸気の通過方向における両側に蒸気から分離した湿分を前記連通開口に導くガイド部材を設けることを特徴とする湿分分離器。
  2. 請求項1に記載の湿分分離器において、前記湿分分離エレメントを通過して前記蒸気出口に流動する蒸気流動空間と前記ドレン通路を区画する第1仕切壁が設けられ、該第1仕切壁に前記湿分分離エレメントにより分離された湿分を前記連通開口を通して前記ドレン通路に流すドレン流通路が設けられ、該ドレン流通路に前記ドレン通路の湿分が該ドレン流通路を通して前記蒸気流動空間側に吹き上がるのを抑制する吹き上がり抑制手段が設けられることを特徴とする湿分分離器。
  3. 請求項2に記載の湿分分離器において、前記湿分分離エレメントは、複数のエレメントが直線状に列設して構成され、前記エレメントに対してヘダーが固定され、前記エレメントと前記ヘダーとが前記連通開口により連通する一方、前記ドレン通路と前記ヘダーとが前記ドレン流通路により連通し、該ドレン流通路に前記吹き上がり抑制手段としてのループシールが設けられることを特徴とする湿分分離器。
  4. 請求項3に記載の湿分分離器において、前記エレメントは、波形をなす複数のセパレータベーンが所定間隔で積層され、この積層状態にあるセパレータベーンが上支持枠及び下支持枠により支持されてなり、前記ガイド部材は、前記セパレータベーンの端部により形成される前記下支持枠の隅部を埋めるように配置されることを特徴とする湿分分離器。
  5. 請求項4に記載の湿分分離器において、前記連通開口は、前記下支持枠の水平方向に沿って複数設けられることを特徴とする湿分分離器。
  6. 請求項4に記載の湿分分離器において、前記ガイド部材は、前記連通開口のない領域に設けられることを特徴とする湿分分離器。
  7. 請求項4に記載の湿分分離器において、前記ドレン流通路は、仕切板により複数の通路に分割され、該複数の通路に対応して前記連通開口が設けられることを特徴とする湿分分離器。
  8. 請求項2から7のいずれか一つに記載の湿分分離器において、前記ループシールは、前記湿分分離エレメントの下方における前記第1仕切壁を貫通する流下流路と、該流下流路における前記ドレン通路側の端部に設けられたU字流路とを有することを特徴とする湿分分離器。
  9. 請求項8に記載の湿分分離器において、前記湿分分離エレメントと前記ドレン通路とを連通するガス抜き孔が前記連通開口より上方側に設けられることを特徴とする湿分分離器。
  10. 請求項1から9のいずれか一つに記載の湿分分離器において、前記吹き上がり抑制手段は、前記蒸気入口の近傍に位置する前記ドレン流通路に対して設けられることを特徴とする湿分分離器。
  11. 請求項1から10のいずれか一つに記載の湿分分離器において、前記胴体は横置き円筒形状をなし、長手方向における一端部に前記蒸気入口が形成され、内部に該蒸気入口に連通する2つのマニホールドが挿通され、該マニホールドの側部に前記胴体内へ蒸気を吹き出す複数の吹出口を有し、前記胴体内の下部に前記第1仕切壁が固定されることで前記蒸気流動空間と前記ドレン通路が区画され、該第1仕切壁上に前記2つのマニホールドに対応して前記湿分分離エレメントがそれぞれ設けられ、前記各マニホールドの吹出口から吹出された蒸気は、前記各湿分分離エレメントを通過することで湿分が除去され、湿分が除去された蒸気は前記蒸気出口に流動する一方、湿分は前記ドレン流通路から前記ドレン通路を通ってドレン出口に導かれることを特徴とする湿分分離器。
  12. 請求項11に記載の湿分分離器において、前記胴体の長手方向における他端部から前記各マニホールドの上方に加熱管が挿通され、前記胴体内の両側部に前記湿分分離エレメントを境界とする第2仕切壁が固定されることで蒸気供給空間と蒸気排出空間とが区画され、前記各湿分分離エレメントを通過することで湿分が除去され蒸気は、前記蒸気排出空間から前記加熱管に接触して加熱されてから前記蒸気出口に流動することを特徴とする湿分分離器。
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