JP2008174935A - 戸当り材および建具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】扉体と枠体2と戸当り材10とを備えた建具において、枠体2の内周面に凹溝部24を形成し、戸当り材10には枠体2の内周面から突出される戸当り本体部30と、凹溝部24に挿入される挿入部40とを備えた。戸当り本体部30には、扉体3に当接する戸当り部35を備え、挿入部40には、第1側壁部41と、これよりも戸当り部35側に配置された第2側壁部42と、各側壁部を連結する底面部43とを備える硬質樹脂製の荷重支持部40Aと、第2側壁部42から突設される軟質樹脂製のヒレ部44とを備えた。ヒレ部44が弾性変形することで、挿入部40および凹溝部24の見込み方向の各寸法のバラツキがあっても、戸当り材10を容易に凹溝部24に装着でき、かつ、脱落しにくくできる。
【選択図】図5
Description
この特許文献1の戸当り材は、硬質樹脂製であり、扉体が当る頭部と、この頭部の下方に延出する支持用脚部片と、この支持用脚部片の下端に設けられる底片とを有して構成されている。支持用脚部片は、枠体に設けられる凹溝部に嵌合され、頭部は、枠体から突出して設けられている。
また、特許文献2の戸当り材は、扉体が当るストッパー部材と、このストッパー部材に一体的に形成された装着部材とを有して構成されている。装着部材は、硬質部材で形成され、枠体に設けられる凹溝部に嵌合されている。また、装着部材の側面には軟質部材からなる鉤状突起が設けられている。
このように、戸当り材を凹溝部に容易に装着させることができ、かつ、戸当り材が容易に脱落しないようにするために、戸当り材および枠体の凹溝部の寸法に関して、厳しい公差管理が必要となり、製造工程に時間が掛かる等、問題であった。
一方、特許文献2に記載の戸当り材では、枠体の凹溝部に装着部材を装入する際に、軟質部材からなる鉤状突起が変形するので、装着部材の装着性がよい。しかしながら、鉤状突起が凹溝部の両側面に当接するように設けられているので、戸当り材に扉体が当った際に、その荷重が鉤状突起に加わり、鉤状突起が変形する。特に、扉体が急激に閉じられる場合には大きな荷重が作用するので、装着部材の幅寸法が凹溝部の幅寸法よりも小さくなって戸当り材が緩んでしまい、戸当り材が凹溝部から脱落してしまうという問題があった。
また、軟質樹脂としては、例えば、シリコーン系ゴム、軟質PVC、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、各種エラストマー(PVC系、エチレン‐プロピレン系、エチレン酢酸ビニル系、塩素化PE、スチレンブタジエン、ウレタン系)等の素材が挙げられる。
また、荷重支持部の第1側壁部を凹溝部の内側面に当接させることができるので、扉体が閉じられた際に戸当り部に加わる荷重を、荷重支持部で確実に受けることができる。また、荷重支持部は硬質樹脂製なので、荷重を受けても、当該荷重支持部が変形することを防止できる。従って、挿入部の見込み方向の寸法が変化しないので、戸当り材が枠体から脱落しにくくすることができる。
このような構成によれば、挿入部の底面部に複数の溝部が形成されているので、底面部と凹溝部とが接着剤によって接着される際に、底面部が平面状である場合と比べて、接着剤との接触面積が広くなり、接着性を向上させることができる。
このような構成によれば、挿入部の第1側壁部に抜け止め用の鋸歯が形成されているので、挿入部が凹溝部から外れる方向に移動すると、鋸歯の先端部が凹溝部の内側面に引っ掛かるので、挿入部が移動しにくくなり、これによって、挿入部が凹溝部から外れにくくすることができる。
ここで、戸当り本体部が延設部を備えていない場合には、扉体が閉じられた際に戸当り本体部に対して見込み方向に加わる荷重によって、挿入部を中心として、戸当り部を作用点とするモーメントが戸当り材に作用して、挿入部が凹溝部から抜けてしまう可能性がある。
これに対して、本発明によれば、戸当り本体部は、延設部を備え、挿入部が凹溝部に挿入された状態で、延設部が枠体の内周面と当接するので、扉体が閉じられる際に戸当り本体部に見込み方向の荷重が加わっても、挿入部を中心として戸当り部を作用点とするモーメントの荷重を延設部が受けることができるので、戸当り材が枠体から脱落しにくくすることができる。
このような構成の建具によれば、前述と同様に、例えば、枠体の凹溝部に戸当り材を挿入する際の装着性を向上させることができるとともに、戸当り材が枠体から脱落しにくくすることができる。
このような構成によれば、戸当り材が凹溝部に沿って連続して取り付けられているので、扉体が閉じた状態で、扉体と枠材との隙間が戸当り材で覆われることにより、隙間からの光漏れを減少させることができる。
図1は、本実施形態に係る開き戸形式の建具としてのドア1を示す外観姿図である。図2および図3は、ドア1を示す縦断面図および横断面図である。図4および図5は、ドア1の戸当り材10を拡大して示す断面図であり、図4は、ドア1の枠体2に戸当り材10を取り付けた状態を示し、図5は、枠体2に戸当り材10を取り付ける前の状態を示す。
ドア1は、図1に示すように、建物の内部空間を仕切る壁の開口部に固定されたいわゆる開き戸形式の建具であり、上枠21および左右の縦枠22,23を三方に組み合わされた枠体(三方枠)2と、この枠体2内に配置される扉体3と、扉体3を枠体2に対して開閉自在に支持するヒンジ4とを備えて構成されている。なお、5は把手(ドアノブ)である。扉体3の下方には、床材(フローリング)6が設けられ、床面に段差のないドア1が構成されている。
枠体2の各内周面の凹溝部24には、戸当り材10が取り付けられている。戸当り材10は、図2および図3に示すように、凹溝部24に沿った長尺状の樹脂製で、枠体2の内周面から突出して設けられる戸当り本体部30と、凹溝部24に挿入される挿入部40とを備え、これらが一体的に成形されている。
第1本体片31は、凹溝部24から見込み方向の扉体3とは反対側に向かって枠体2の内周面に沿って配置されている。第1本体片31は、挿入部40が凹溝部24に挿入された際に、当該第1本体片31における扉体3とは反対側の端部が枠体2の内周面に当接するように傾斜して設けられている。これによって、第1本体片31の形状のバラツキがあっても、確実に先端部を枠体2に当接させることができるようになっている。
第1弾性部351は、第4本体片34の端部から見込み方向に沿って直状に延設されている。また、第2弾性部352は、第1弾性部351よりも枠体2側に近い位置に設けられ、見込み方向に延設されている。この第2弾性部352は、先端部が枠体2に接近するように滑らかな曲状に形成されている。この曲状部分は、図2および図3に示すように、扉体3が閉状態の場合に扉体3の角部と当接する位置に設けられ、扉体3の角部と当接することによって曲率半径が小さくなる方向に弾性変形するように設けられている。
第1側壁部41には、抜け止め用の鋸歯47が形成されている。この鋸歯47は、挿入部40が凹溝部24から外れる方向に移動する際に、先端部が凹溝部24の第1側面242に引っ掛かり、抜けにくいように形成されている。
これら第1側壁部41および第2側壁部42の各長さ寸法は、挿入部40が凹溝部24に挿入される際に、底面部43が凹溝部24の底面241と当接する少し手前で、第1本体片31および鍔部361の先端部が枠体2の内周面に当接するように設定されている。
なお、本実施形態では、第1側壁部41、第2側壁部、底面部43によって本発明の略コ字状の荷重支持部40Aが構成されており、荷重支持部40Aは、硬質樹脂で成形されているので、扉体3が閉じて戸当り部35に当接する際に加わる見込み方向の荷重を受けても変形しにくくなっている。
また、戸当り材10の戸当り本体部30には、第1〜第3本体片31〜33によって略コ字状に形成された本発明の延設部30Aを備えている。この延設部30Aは、挿入部40の第1側壁部41よりも戸当り部35とは反対側に向かって延設され、枠体2の内周面に沿って配置されている。
まず、図5に示すように、凹溝部24の底面241に接着剤7を塗布する。
次に、挿入部40を凹溝部24に挿入する。この際に、第1側壁部41を凹溝部24の第1側面242に当接させながら凹溝部24に挿入すると、ヒレ部44も凹溝部24の第2側面243に当接されて弾性変形する。このため、挿入部40の寸法Aおよび凹溝部24の寸法Bのバラツキをヒレ部44の変形量で吸収できるとともに、挿入部40を容易に凹溝部24に挿入することができる。そして、ヒレ部44の反対側に設けられた第1側壁部41が凹溝部24の第1側面242に確実に当接される。
そして、挿入部40は、戸当り本体部30の第1本体片31の先端部および鍔部361の先端部がともに枠体2の内周面に当接するまで凹溝部24に挿入され、これによって戸当り材10の挿入位置が決められる。
また、挿入部40が挿入された状態では、図5に示すように、底面部43と凹溝部24の底面241との間に接着剤7が充填された状態となり、底面部43に形成された複数の溝部46によって、接着剤7との接着面積が大きくなるので接着剤7が戸当り材10に確実に定着する。さらに、第1側壁部41に設けられた抜け止め用の鋸歯47によって、戸当り材10は凹溝部24から脱落しにくくなる。
このようにして、戸当り材10が枠体2の凹溝部24に容易に、かつ確実に取り付けられる。
(1)挿入部40の第2側壁部42にヒレ部44が設けられ、挿入部40が凹溝部24に挿入される際に、ヒレ部44が弾性変形するように形成されているので、挿入部40および凹溝部24の見込み方向の各幅寸法のバラツキが吸収される。これによって、挿入部40および凹溝部24の見込み方向の各寸法の公差を大きくすることができるので、戸当り材10の製造および凹溝部24の加工の簡略化を図ることができる。さらに、戸当り材10を凹溝部24に容易に挿入させることができる。従って、戸当り材10を凹溝部24に挿入する際の装着性を向上できる。
例えば、前記実施形態において、戸当り材10は、硬質樹脂製の部分と軟質樹脂製の部分とを2色押出成形によって一体的に製造されると説明したが、これに限らず、例えば、硬質樹脂製の部分と軟質樹脂製の部分を別々に成形して、これらを接着剤や両面テープ等を用いて接着してもよい。
また、前記実施形態では、戸当り材10は、上および左右の3方向の枠材において、各枠材の長手方向に沿って設けると説明したが、これに限らず、少なくともいずれかの枠材に戸当り材が設けられていればよく、また、枠材の長手方向において所定の長さの範囲のみに戸当り材を設けてもよい。
また、前記実施形態では、戸当り材は、開き戸形式の建具としてのドア1に用いられると説明したが、これに限らず、物入れの扉等のように、少なくとも枠体と、この枠体に開閉自在に支持される扉体とを備えるものに用いられるものであればよい。
また、前記実施形態では、第1側壁部41に抜け止め用の鋸歯47が形成されているが、本発明では、第1側壁部に鋸歯が形成されていなくてもよく、別の手段、例えば、接着剤で第1側壁部と凹溝部の内側面とを接着することによって、抜け止めを防止するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、戸当り本体部30に延設部30Aを設けたが、本発明では、延設部が設けられていなくてもよい。
従って、上記に開示した形状、材質等を限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質等の限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (6)
- 扉体を開閉自在に支持するとともに、内周面に凹溝部が形成された枠体の前記凹溝部に取り付けられる戸当り材であって、
前記枠体の内周面から突出して設けられる戸当り本体部と、
前記凹溝部に挿入される挿入部とを備えて構成され、
前記戸当り本体部は、前記扉体が閉じられた状態で当該扉体に当接する戸当り部を有し、
前記挿入部は、
第1側壁部と、
この第1側壁部よりも前記戸当り部側に配置された第2側壁部と、各側壁部を連結する
底面部とを備えて略コ字状に形成された硬質樹脂製の荷重支持部と、
前記第2側壁部から突設され、かつ軟質樹脂製のヒレ部とを備えている戸当り材。 - 前記底面部は、複数の溝部が形成され、かつ、前記凹溝部に接着剤で接着されている請求項1に記載の戸当り材。
- 前記第1側壁部には、前記凹溝部の内側面に係止される抜け止め用の鋸歯が形成されている請求項1または請求項2に記載の戸当り材。
- 前記戸当り本体部は、前記第1側壁部よりも前記戸当り部とは反対側に延設される延設部を備え、
この延設部は、前記挿入部が前記凹溝部に挿入された状態で前記枠体の内周面と当接する請求項1から請求項3のいずれかに記載の戸当り材。 - 扉体と、
この扉体を開閉自在に支持する枠体とを備える建具であって、
前記枠体の内周面には、凹溝部が形成され、
この凹溝部には、請求項1から請求項4のいずれかに記載の戸当り材が取り付けられている建具。 - 前記凹溝部は、前記枠体の内周面の長手方向に沿って連続して形成され、
前記戸当り材は、前記凹溝部に沿って連続して取り付けられている請求項5に記載の建具。
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