JP2008174661A - カルバゾール系ランダム共重合体 - Google Patents

カルバゾール系ランダム共重合体 Download PDF

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Abstract

【課題】溶解性に優れ、安定性が高く発光効率の高い、高分子系の有機発光材料の提供。
【解決手段】下記一般式(1)で表される成分(a)と、これと異なる一般式(2)で表される成分(b)を含有するカルバゾール系ランダム共重合体。
Figure 2008174661

〔式中、R1a及びR1bは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30の芳香族環式基等、R2a及びR2bは、それぞれ独立して、置換基を有してもよい炭素数1〜30のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜30の芳香族環式基等。〕
【選択図】なし

Description

本発明は、有機発光素子の材料として有用な高分子化合物及びこれを用いた発光素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(以下、「有機EL」という)素子は、低電圧駆動で、高輝度な発光が得られることから近年盛んに研究されている。そして、当該有機EL素子を用いた発光装置の研究も急速に進歩し、表示素子、ディスプレイ、バックライト、照明、インテリア、看板等、様々な応用が期待されている。
有機EL素子は、低分子系材料を用いたものと高分子系材料を用いたものに大きく分けられる。低分子系材料を用いた素子は、主に真空蒸着法を用いて作製される。低分子系材料は精製による材料の高純度化が容易にできるため、材料の持つ性能を引き出しやすいという特徴があるが、薄膜から結晶が析出してしまう問題や、素子作製プロセスが真空蒸着であるため高い製造コストがかかるという問題がある。真空蒸着法での材料利用効率は数%程度である。これに対して、高分子系材料を用いた素子は、塗布製膜が可能であるため、インクジェット法などを用いれば材料をほとんど無駄にすることなく活用でき、製造工程が簡単であるため、低コストとなるという利点がある。
有機EL素子は陰極と陽極で発光材料を挟み、陰極からは電子が、陽極からは正孔が注入され、発光層で再結合することにより発光するが、電極から電子や正孔が注入されるためには、電極の仕事関数と発光材料のHOMO、LUMOレベルが近くなければならず、この差が大きいほどエネルギー障壁が生じキャリアが注入されにくくなる。
低分子系材料を用いる有機EL素子では、エネルギー障壁を小さくするため、陽極と発光層の間に、正孔注入層や正孔輸送層などを挟み、陰極と発光層の間に、電子注入層や電子輸送層などを挟む多層構造とする場合が多い。一方、高分子系材料を用いる有機EL素子では、素子製造プロセスの特徴から、低分子系のような多層構造ではなく、単層構造に近い素子構成をとる場合が多い。
低分子系有機EL素子は素子構成を工夫することで発光材料のバンドギャップ、HOMO、LUMOレベルに合わせ込むことができるが、高分子有機EL素子は塗布法に用いることのできる電荷注入、輸送材料の選択肢が少ないこともあり、発光材料のバンドギャップ、HOMO、LUMOレベルを素子構成に合わせることが必要となる。つまり、高分子系材料は、製膜性が良く、安定性が高く、薄膜状態での発光効率が高いことはもちろん、正孔と電子の注入、輸送性があるという性能が求められることになる。
これまでに開発されている高分子発光材料として、ポリフルオレン誘導体がある。斯かるポリフルオレン誘導体は、高重合度で熱安定性が高く、製膜性にも優れる材料であるが、薄膜状態でエキシマーを形成し、発光効率が低下する現象が起こるという問題があった。また、キャリア輸送性や、キャリア注入効率が乏しいため、有機EL素子の発光効率は高くない。
また、2,7位結合のポリカルバゾール誘導体は、ポリフルオレン誘導体よりも高い蛍光量子収率をもつ高分子青色発光材料であることが知られている(特許文献1、非特許文献3)。しかし、有機溶媒に対する溶解性に乏しく、重合度が小さい、収率が低い、塗布製膜による薄膜形成が困難などの問題点がある。これらの問題点を解決するために、カルバゾールのN位にアルキル基、分岐したアルキル基、フェニル基などを導入した重合体が検討されているが、溶解性や重合度の大幅な改善には至っていない(特許文献2、非特許文献1)。
また、カルバゾールの3,6位にメチル基を置換した重合体が検討され、これにより重合度、溶解性は改善されたが(特許文献3、非特許文献2)、当該ポリマーは、3,6位のメチル基によりカルバゾール主鎖がねじれた状態になり、π共役系が広がらず、またバンドギャップが広がるため、電荷注入障壁が大きく有機EL素子特性は向上していない。またこの報告では、N−アルキルカルバゾールと3,6位にメチル基を置換したN−アルキルカルバゾールとの交互共重合体が検討されているが、当該ポリマーの有機EL素子特性に関する記載はなく、LUMOレベルが高いため、電子の注入が悪くなり、発光効率は上がらないと予想される。
米国特許出願公開第2003/008172 米国特許出願公開第2005/119491 特開2004−339432号公報 Chemistry Letters, Vol. 34, p. 900, 2005 Chemistry of Materials, Vol. 18, p. 1007, 2006 Chemistry of Materials, Vol. 16, p. 442, 2004
本発明は、溶解性に優れ、安定性が高く発光効率の高い、高分子系の有機発光材料を提供することに関する。
本発明者らは、高分子系の有機発光材料について種々検討したところ、特定のカルバゾール誘導体を構成単位とするランダム共重合体が、製膜性が良く、重合度、安定性、発光効率が高く、さらに電荷注入、輸送性を改善でき、バンドギャップ、HOMO、LUMOレベルを任意に調節でき、有機発光素子における発光材料として有用であることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
1)下記一般式(1)で表される成分(a)と、これと異なる一般式(2)で表される成分(b)を含有するカルバゾール系ランダム共重合体。
Figure 2008174661
〔式中、R1a及びR1bは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30の芳香族環式基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基又はハロゲン原子を示し、R2a及びR2bは、それぞれ独立して、置換基を有してもよい炭素数1〜30のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜30の芳香族環式基又は電荷注入・輸送基を示す。〕
2)更に、成分(a)及び(b)とは異なる下記一般式(3)で表される成分(c)を含有する上記1)に記載のカルバゾール系ランダム共重合体。
Figure 2008174661
〔式中、R1cは、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30の芳香族環式基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基又はハロゲン原子を示し、R2cは、置換基を有してもよい炭素数1〜30のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜30の芳香族環式基又は電荷注入・輸送基を示す。〕
3)更に、成分(a)〜(c)とは異なる下記一般式(4)で表される成分(d)を含有する上記2)に記載のカルバゾール系ランダム共重合体。
Figure 2008174661
〔式中、R1dは、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30の芳香族環式基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基又はハロゲン原子を示し、R2dは、置換基を有してもよい炭素数1〜30のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜30の芳香族環式基又は電荷注入・輸送基を示す。〕
4)上記1)〜3)のいずれかに記載のランダム共重合体を含有する発光材料。
5)上記4)に記載の発光材料を発光層として有する有機発光素子。
6)上記5)に記載の発光素子を用いた有機発光装置。
本発明によれば、溶解性が良く、安定性に優れ、バンドギャップ、HOMO、LUMOレベルを任意に調節でき、電荷注入性及び/又は電荷輸送性が改善された高分子発光材料を提供することができる。そして、本発明の高分子発光材料を用いることにより、優れた特性を有する種々の有機電界発光素子を作製することができる。
一般式(1)〜(4)で表される成分において、R1a〜R1dで示される炭素数1〜25のアルキル基としては、直鎖状、分岐状又は環状のいずれでもよく、直鎖状又は分岐状のアルキル基としては炭素数1〜15のものが好ましく、炭素数1〜8のものがより好ましい。また、環状のアルキル基としては炭素数3〜6のものが好ましい。
炭素数1〜20の直鎖、分岐状又は環状のアルキル基としては、具体的に、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−ノナデシル、n−エイコシル、n−ヘネイコシル、n−ドコシル、n−トリコシル、n−テトラコシル、1−メチルエチル、1−メチルプロピル、1−エチルプロピル、1−n−プロピルプロピル、1−メチルブチル、1−エチルブチル、1−プロピルブチル、1−n−ブチルブチル、1−メチルペンチル、1−エチルペンチル、1−n−プロピルペンチル、1−n−ペンチルペンチル、1−メチルヘキシル、1−エチルヘキシル、1−n−プロピルヘキシル、1−n−ブチルヘキシル、1−n−ペンチルヘキシル、1−n−ヘキシルヘキシル、1−メチルヘプチル、1−エチルヘプチル、1−n−プロピルヘプチル、1−n−ブチルヘプチル、1−n−ペンチルヘプチル、1−n−ヘプチルヘプチル、1−メチルオクチル、1−エチルオクチル、1−n−プロピルオクチル、1−n−ブチルオクチル、1−n−ペンチルオクチル、1−n−ヘキシルオクチル、1−n−ヘプチルオクチル、1−n−オクチルオクチル、1−メチルノニル、1−エチルノニル、1−n−プロピルノニル、1−n−ブチルノニル、1−n−ペンチルノニル、1−n−ヘキシルノニル、1−n−ヘプチルノニル、1−n−オクチルノニル、1−n−ノニルノニル、1−メチルデシル、iso−プロピル、t−ブチル、2−メチルブチル、2−エチルブチル、2−n−プロピルペンチル、2−メチルヘキシル、2−エチルヘキシル、2−n−プロピルヘキシル、2−n−ブチルヘキシル、2−メチルヘプチル、2−エチルヘプチル、2−n−プロピルヘプチル、2−n−ブチルヘプチル、2−n−ペンチルヘプチル、2−メチルオクチル、2−エチルオクチル、2−n−プロピルオクチル、2−n−ブチルオクチル、2−n−ペンチルオクチル、2−n−ヘキシルオクチル、2−メチルノニル、2−エチルノニル、2−n−プロピルノニル、2−n−ブチルノニル、2−n−ペンチルノニル、2−n−ヘキシルノニル、2−n−ヘプチルノニル、2−メチルデシル、2,3−ジメチルブチル、2,3,3−トリメチルブチル、3−メチルブチル、3−メチルペンチル、3―エチルペンチル、4−メチルペンチル、4−エチルヘキシル、2,3−ジメチルペンチル、2,4−ジメチルペンチル、2,4,4−トリメチルペンチル、2,3,3,4−テトラメチルペンチル、3−メチルヘキシル、2,5−ジメチルヘキシル、3−エチルヘキシル、3,5,5−トリメチルヘキシル、4−メチルヘキシル、6−メチルヘプチル、3,7−ジメチルオクチル、6−メチルオクチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル等が挙げられ、このうち、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等が好ましく、特にメチルが好ましい。
1a〜R1dで示される炭素数2〜30の芳香族環式基としては、炭素数6〜30の芳香族炭化水素環基、炭素数2〜30の芳香族複素環基が挙げられる。
ここで、炭素数6〜30の芳香族炭化水素環基としては、6π電子系、10π電子系、12π電子系、14π電子系の芳香族炭化水素環基が挙げられ、具体的には、フェニル、ビフェニル、ナフチル、テルフェニル、アンスリル、アズレニル、フルオレニル、ピレニル、フェナンスリル、ナフスリル等が挙げられ、このうち特にフェニル、ナフチルが好ましい。
また、炭素数2〜30の芳香族複素環基としては、6π電子系、10π電子系、12π電子系、14π電子系の芳香族複素環基が挙げられ、具体的には、チエニル、フリル、ピロリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキゾリル、ピリジル、ピリダジル、オキサジアゾリル、イミダゾリル、トリアジル、チアジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾセレナジアゾリル、チエノ[2,3−b]チエニル、チエノ[3,2−b]チエニル、チエノ[3,4−b]チエニル、9−オキソフルオレニル、カルバゾリル、シラフルオレニル、セレノフルオレニル、キサンテニル、フェナントロリル、フェナジリル、フェニキサジリル等が挙げられ、このうち、チエニル、オキサジアゾリル、トリアゾリル等が好ましい。
1a〜R1dで示されるハロゲン原子としては、ヨウ素、臭素、塩素、フッ素原子が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
一般式(1)〜(4)で表される成分においては、R1a〜R1dが水素以外の置換基を有する場合、主鎖部位が適度にねじれるため、分子同士の相互作用が適度に弱まり、有機溶媒に対する溶解性を向上させることができる。また同時に安定性の向上や、カルバゾール主鎖の電気的な特性を任意に変化させることも可能となる。従って、R1a〜R1dは、そのいずれか一つが水素原子であり、その他が水素原子以外の置換基とするのが好ましい。当該水素原子以外の置換基としては、炭素数1〜8のアルキル基であるのが好ましく、薄膜状態での発光強度を特異的に強めることができる点で、特にメチル基であるのが好ましい。
2a〜R2dで示される置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルキル基としては、直鎖状、分岐状又は環状のいずれでもよく、直鎖状又は分岐状のアルキル基としては炭素数1〜25のものが好ましく、炭素数1〜15のものがより好ましい。また、環状のアルキル基としては炭素数3〜6のものが好ましい。
炭素数1〜30の直鎖、分岐状又は環状のアルキル基としては、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−ノナデシル、n−エイコシル、n−ヘネイコシル、n−ドコシル、n−トリコシル、n−テトラコシル、1−メチルエチル、1−メチルプロピル、1−エチルプロピル、1−n−プロピルプロピル、1−メチルブチル、1−エチルブチル、1−プロピルブチル、1−n−ブチルブチル、1−メチルペンチル、1−エチルペンチル、1−n−プロピルペンチル、1−n−ペンチルペンチル、1−メチルヘキシル、1−エチルヘキシル、1−n−プロピルヘキシル、1−n−ブチルヘキシル、1−n−ペンチルヘキシル、1−n−ヘキシルヘキシル、1−メチルヘプチル、1−エチルヘプチル、1−n−プロピルヘプチル、1−n−ブチルヘプチル、1−n−ペンチルヘプチル、1−n−ヘプチルヘプチル、1−メチルオクチル、1−エチルオクチル、1−n−プロピルオクチル、1−n−ブチルオクチル、1−n−ペンチルオクチル、1−n−ヘキシルオクチル、1−n−ヘプチルオクチル、1−n−オクチルオクチル、1−メチルノニル、1−エチルノニル、1−n−プロピルノニル、1−n−ブチルノニル、1−n−ペンチルノニル、1−n−ヘキシルノニル、1−n−ヘプチルノニル、1−n−オクチルノニル、1−n−ノニルノニル、1−メチルデシル、iso−プロピル、t−ブチル、2−メチルブチル、2−エチルブチル、2−n−プロピルペンチル、2−メチルヘキシル、2−エチルヘキシル、2−n−プロピルヘキシル、2−n−ブチルヘキシル、2−メチルヘプチル、2−エチルヘプチル、2−n−プロピルヘプチル、2−n−ブチルヘプチル、2−n−ペンチルヘプチル、2−メチルオクチル、2−エチルオクチル、2−n−プロピルオクチル、2−n−ブチルオクチル、2−n−ペンチルオクチル、2−n−ヘキシルオクチル、2−メチルノニル、2−エチルノニル、2−n−プロピルノニル、2−n−ブチルノニル、2−n−ペンチルノニル、2−n−ヘキシルノニル、2−n−ヘプチルノニル、2−メチルデシル、2−エチルデシル,3−ジメチルブチル、2,3,3−トリメチルブチル、3−メチルブチル、3−メチルペンチル、3―エチルペンチル、4−メチルペンチル、4−エチルヘキシル、2,3−ジメチルペンチル、2,4−ジメチルペンチル、2,4,4−トリメチルペンチル、2,3,3,4−テトラメチルペンチル、3−メチルヘキシル、2,5−ジメチルヘキシル、3−エチルヘキシル、3,5,5−トリメチルヘキシル、4−メチルヘキシル、6−メチルヘプチル、3,7−ジメチルオクチル、6−メチルオクチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル等が挙げられ、このうち、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプタン、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ドデシル、2−エチルペンチル、2−エチルヘキシル、2−エチルヘプチル、2−エチルオクチル、2−エチルノニル、2−エチルデシル等が好ましく、特に、n−デシル、2−エチルヘキシル等が好ましい。
当該アルキル基に置換し得る置換基としては、例えばハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
2a〜R2dで示される置換基を有していてもよい炭素数2〜30の芳香族環式基における芳香族環式基としては、R1a〜R1dで示したものと同様のものが挙げられ、このうち、炭素数6〜25の芳香族炭化水素環基が好ましく、特に6〜15がより好ましい。
当該芳香族環式基に置換し得る置換基としては、具体的には、炭素数1〜15のアルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ドデシル、2−エチルペンチル、2−エチルヘキシル、2−エチルヘプチル、2−エチルオクチル、2−エチルノニル、2−エチルデシル等)、炭素数1〜15のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、n−ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、n−ノニルオキシ、n−デシルオキシ、n−ドデシルオキシ、2−エチルペンチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、2−エチルヘプチルオキシ、2−エチルオクチルオキシ、2−エチルノニルオキシ、2−エチルデシルオキシ等)、水酸基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子等が挙げられ、このうち炭素数1〜15のアルコキシ基としては、特に、n−オクチルオキシ、n−デシルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、2−エチルオクチルオキシ等が好ましい。
2a〜R2dで示される置換基を有していてもよい炭素数2〜30の芳香族環式基としては、溶解性、安定性、光学特性および電気的特性の点から、特に、4−(n−オクチル)オキシフェニル、4−(n−デシル)オキシフェニル、4−(2−エチルヘキシル)オキシフェニル、4−(2−n−オクチル)オキシフェニル等が好ましい。
2a〜R2dで示される電荷注入・輸送基とは、ポリマー主鎖への電荷輸送・注入を促進する官能基を意味し、正孔注入・輸送基と電子注入・輸送基が包含される。
正孔注入・輸送基としては、例えば、電子供与基が置換した芳香族環、アリールアミン、カルバゾール類等を含有する官能基が挙げられる。
ここで、芳香族環としては、例えば、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、アントラセン、アズレン、フルオレン、チオフェン、フラン、ピロール、ピラゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、チエノ[2,3−b]チオフェン、チエノ[3,2−b]チオフェン、チエノ[3,4−b]チオフェン、9−オキソフルオレン、カルバゾール、シラフルオレン、セレノフルオレン等が挙げられ、これに置換する電子供与基としては、アルキル基(例えば、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ドデシル、iso−プロピル、t−ブチル、2−エチルペンチル、2−エチルヘキシル、2−エチルヘプチル、2−エチルオクチル、2−エチルノニル、2−エチルデシル等)、ヒドロキシ基、アルコキシ基(例えば、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、n−ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、n−ノニルオキシ、n−デシルオキシ、n−ドデシルオキシ、2−エチルペンチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、2−エチルヘプチルオキシ、2−エチルオクチルオキシ、2−エチルノニルオキシ、2−エチルデシルオキシ等)、アミノ基等が挙げられる。
また、アリールアミンとしては、トリフェニルアミン、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジジン、N,N’−ビス(4−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジジン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(α−ナフチル)ベンジジン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(β−ナフチル)ベンジジン、4,4’,4’’−トリス[3−メチルフェニル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン、4,4’,4’’−トリス[1−ナフチル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン、4,4’,4’’−トリス[2−ナフチル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン、4,4’,4’’−トリス[ビフェニル−4−イル−(3−メチルフェニル)アミノ]トリフェニルアミン、4,4’,4’’−トリス[9,9−ジメチル−2−フルオレニル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン、4,4’,4’’−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)フェニルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス{4−メチルフェニル(フェニル)アミノ]フェニル}ベンゼン、N,N’−ジ(ビフェニル−4−イル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(9,9−ジメチル−2−フルオレニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン等が挙げられ、カルバゾール類としては、1,3−ビス(N−カルバゾリル)ベンゼン、4,4’−ビス(N−カルバゾリル)−3−メチルビフェニル、4,4’,N,N’−ジフェニルカルバゾール、4,4’,4’’−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン等が挙げられる。
正孔注入・輸送基としては、好適には、アルコキシフェニル、トリフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(β−ナフチル)ベンジジン、4,4’−ビス(N−カルバゾリル)−2−メチルビフェニル、4,4’,N,N’−ジフェニルカルバゾール等の主要骨格を有する基が挙げられる。
電子注入・輸送基としては、電子吸引基が置換した芳香族環や、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等の異項原子を核内にもつ複素環を含有する官能基が挙げられる。
ここで、芳香族環としては、例えば、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、テルフェニル、アントラセン、アズレン、フルオレン、ピレン、フェナントレン、ナフタセン等が挙げられ、これに置換する電子吸引基としては、ハロゲン基、シアノ基、ニトロ基、アルデヒド基、エステル基(例えばメチルエステル、エチルエステル、iso−プロピルエステル、n−ブチルエステル、t−ブチルエステル、フェニルエステル等)、カルボキシル基等が挙げられる。
複素環としては、例えば、チオフェン、フラン、ピロール、チアゾール、イソチアゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピリダジン、オキサジアゾール、イミダゾール、トリアジン、トリアゾール、チアジアゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾチアジアゾール、ベンゾセレナジアゾール、チエノ[2,3−b]チオフェン、チエノ[3,2−b]チオフェン、チエノ[3,4−b]チオフェン、9−オキソフルオレン、カルバゾール、シラフルオレン、セレノフルオレン、キサンテン、フェナントレン、フェナジン、フェノキサジン等が挙げられ、このうち、ピリミジン、オキサジアゾール、トリアゾール、トリアジン、イミダゾール等が挙げられる。
電子注入・輸送基としては、好適には、フルオロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、パーフルオロベンゼン、ナフタレン、フルオロナフタレン、フルオロピリジン、パーフルオロピリジン、フェニルナフタレン、フェニルピリミジン、1−フェニル−2−フェニル−ビフェニル−2,3,4−トリアゾール、1−ナフチル−2−フェニル−フェニル−2,3,4−トリアゾール、2−フェニル−5−ビフェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−(ビスフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(ナフチル)−5−(フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニル−アントラセン、2,4,6−トリフェニル−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(N−フェニル−ベンゾイミダゾリル)ベンゼン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン等の主要骨格を有する基が挙げられる。
斯かる電荷注入・輸送基のうち、発光部位である主鎖のエネルギーレベルを考慮すると、主鎖のエネルギーレベルよりも高い以下の(X1)〜(X5)で示される基が好適に挙げられる。
Figure 2008174661
〔式中、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜15のアルコキシ基又はハロゲン原子を示す。〕
ここで、炭素数1〜30のアルキル基としてはR2a〜R2dで示したものと同様のものが挙げられ、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、iso−プロピル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプタン、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ドデシル、2−エチルペンチル、2−エチルヘキシル、2−エチルヘプチル、2−エチルオクチル、2−エチルノニル、2−エチルデシル等が好ましい。
炭素数1〜30のアルコキシ基としては、直鎖状又は分岐状のいずれでもよく、炭素数1〜15であるものが好ましい。具体的にはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、n−ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、n−ノニルオキシ、n−デシルオキシ、n−ドデシルオキシ、iso−プロポキシ、2−エチルペンチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、2−エチルヘプチルオキシ、2−エチルオクチルオキシ、2−エチルノニルオキシ、2−エチルデシルオキシ等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素が好ましい。
当該電荷注入・輸送基を導入することにより、発光材料のバンドギャップの調節と共にHOMO、LUMOレベルの調節も可能となり、有機発光素子の特性向上を図ることができる。従って、本発明のランダム共重合体においては、R2a〜R2dの少なくとも1つが電荷注入・輸送基であるのが好ましい。
成分(a)及び(b)により構成される本発明のカルバゾール系ランダム共重合体において、成分(a)及び(b)の含有量は、特に制限はなく任意の比率であってよく、それぞれ1〜99モル%の範囲とすることができるが、成分(a)のR1a又は成分(b)のR1bのいずれか一方が水素原子であり、他方が水素原子以外の置換基(例えばメチル基)である場合には、水素原子以外の置換基を有する成分を30〜70モル%含有するのが好ましい。
尚、成分(a)及び(b)は、繰り返しの構成単位であってもよく、その場合の繰り返し数は、1〜6000程度が好ましく、10〜1500程度が好ましい。
成分(c)及び(d)は、任意の構成単位であり、それらの含有量も特に制限されるものでなく任意の比率であってよい。成分(c)は、成分(a)及び(b)とは異なるものであり、成分(d)は、成分(a)〜(c)とは異なるものである。また、成分(c)及び(d)は、繰り返しの構成単位であってもよい。斯かる成分(a)〜(c)又は(a)〜(d)を含む本発明のカルバゾール系ランダム共重合体において、少なくとも1つの成分のR1a〜R2dが水素原子以外の置換基(例えばメチル基)であり、残余の成分のR1a〜R2dが水素原子である場合には、水素原子以外の置換基を有する成分の含有率の合計が30〜70モル%であるのが好ましい。
また、R2a〜R2dは、少なくとも一つが電荷注入・輸送基であるのが好ましく、この場合、電荷注入・輸送基を有する成分の含有率の合計が1〜70モル%であるのが好ましい。
成分(a)〜(c)を含有する場合であって、それぞれが繰り返しの構成単位である場合、その繰り返し数は、1〜4000程度が好ましく、10〜1000程度がより好ましい。
また、繰り返し単位(a)〜(d)を含有する場合であって、それぞれが繰り返しの構成単位である場合、その繰り返し数は、1〜3000程度が好ましく、10〜750程度がより好ましい。
本発明のランダム共重合体における末端の置換基(エンドキャップ)は、水素原子、ハロゲン原子や、R2a〜R2dで示した置換基を有してもよい炭素数1〜30のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜30の芳香族環式基又は電荷注入・輸送基が挙げられる。
本発明のランダム共重合体の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミネーションクロマトグラフィー(以下、GPCという)で測定した換算値で、通常2000000〜1000であり、溶解性と製膜性の点から、1000000〜10000が好ましく、より好ましくは750000〜30000である。
本発明のランダム共重合体は、少なくとも成分(a)及び成分(b)が、重合体主鎖内にランダムに配列している共重合体である。ランダムに結合していることは、共重合体の二次元NMRスペクトル分析を行うことにより確認できる。
本発明における成分(a)〜(d)を供給するためのカルバゾール誘導体の単量体は、例えば、下記反応式に示すように、Macromolecles, Vol. 34, p. 4680, 2001に記載の方法を用いて、2,7−ジクロロカルバゾールを合成し<反応式1>、一般的なN−アルキル化、N−アリール化、ハロゲン化、炭素−炭素結合生成反応を行うことにより合成することができる。一般式(1)〜(4)中、R1(R1a〜R1d)及びR2(R2a〜R2d)が、それぞれ炭素数1〜30のアルキル基及び/又は炭素数2〜30の芳香族環式基である化合物についてその合成を示す<反応式2>。
Figure 2008174661
〔式中、R'1及びR'2は炭素数1〜30のアルキル基、R’’1及びR’’2は炭素数2〜30の芳香族環式基又は電荷注入・輸送基を示す。〕
尚、THFとはテトラヒドロフランを、DMFとはN,N−ジメチルホルムアミドを、DMEとはエチレングリコールジメチルエーテルを、NBSとはN−ブロモスクシンイミドを、CHDAとはトランス−1,2−シクロヘキサンジアミンを示す。
Ni(cod)2とはビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を示す。
すなわち、2,7−ジクロロカルバゾール(IV)をブロモ化して化合物(V)を得、次いでこれをアルキル化して化合物(VI)とし、次いでこれをN−アルキル化又はN−アリール化すことにより、化合物(VIII)及び(IX)を得ることができる。また、化合物(V)をアリール化して化合物(VII)とし、次いでこれをN−アルキル化又はN−アリール化すことにより、化合物(X)及び(XI)を得ることができる。
ここで、ブロモ化反応は、例えばDMF等の溶媒中でNBSを反応させることにより行うことができる。
アルキル化反応は、例えばTHF等の溶媒中、パラジウム触媒存在下でアルキルグリニャール試薬を反応させることにより行うことができる。
アリール化反応は、スズキカップリング反応を用いて行うことができ、例えば、DME等の溶媒中、炭酸カリウム、パラジウム触媒存在下、アリールボロン酸を反応させることにより行うことができる。
また、N−アルキル化反応は、例えば、炭酸カリウム存在下、DMF等の溶媒中、臭化アルキルを反応させて行えばよく、N−アリール化反応は、例えば1,4−ジオキサン等の溶媒中で、ヨウ化銅、炭酸カリウム、CHDA存在下、臭化アリール又はヨウ化アリールを反応させることにより行うことができる。
ランダム共重合体を与えうる重合法としては、特に制限されるものではないが、脱ハロゲン化重縮合による山本重合法を用いて行うのが好ましい。
すなわち、成分(a)及び(b)を構成する単量体、所望により更に成分(c)及び/又は(d)を構成する単量体を用いて、Ni(0)触媒の存在下、混合して、反応させることにより製造することができる。
Ni(0)触媒(ゼロ価ニッケル錯体)としては、例えば、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、(エチレン)ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケルなどが例示され、中でも、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)が、汎用性で安価という観点で好ましい。
ゼロ価のニッケル錯体の使用量は、通常、モノマー1.0モルに対して、1.0〜5.0モルが好ましく、1.2〜2.5モルがより好ましい。
当該重合反応においては、アニオンやカチオンを有していない中性配位子を添加することが、収率向上の観点から好ましい。中性配位子としては、2,2’−ビピリジル、1,10−フェナントロリン、メチレンビスオキサゾリン、N,N’−テトラメチルエチレンジアミン等の含窒素配位子;トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェノキシホスフィン等の第三ホスフィン配位子などが例示され、汎用性、安価の点で含窒素配位子が好ましく、2,2’−ビピリジルが高反応性、高収率の点で特に好ましい。
特に、重合体の収率向上の点から、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を含む系に2,2’−ビピリジルを加えた系が好ましい。
中性配位子の使用量としては、反応収率とコストの点から、ゼロ価のニッケル錯体1.0モルに対して、1.0〜5.0モル程度が好ましく、1.2〜2.5モルがより好ましい。
重合溶媒としては、重合を阻害しないものであれば特に限定されないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、ブチルベンゼン、ナフタリン、テトラリン等の芳香族炭化水素系溶媒、例えば、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、ジフェニルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒が挙げられ、これを1種以上用いるのが好ましく、THFとDMFの混合溶媒を用いるのが特に好ましい。
重合時間は、通常0.5〜100時間程度であるが、目的物の重合度、溶解性の点から、4〜80時間が好ましい。重合温度は、通常0〜200℃程度であるが、高収率、低加熱費の点から、60〜80℃が好ましい。
尚、ランダム共重合体の純度は発光特性に影響を与えるため、重合前のモノマーを蒸留、昇華精製、再結晶等の方法で精製したのちに重合することが好ましく、また合成後、再沈精製、クロマトグラフィーによる分別等の純化処理をすることが好ましい。
斯くして得られる本発明のランダム共重合体は、後記実施例に示すように、薄膜状態での発光強度が特異的に強くなり、さらに、任意に成分を調節できるため、発光材料のバンドギャップの調節が可能となる。従って、これらのカルバゾール誘導体系ランダム共重合体は、有機ELなどの有機発光素子における発光材料として有効に利用でき、特に、青色発光素子としての利用価値が高い。
有機EL素子は陰極と陽極で発光材料を挟んだ構造が基本であり(図1参照)、陰極からは電子が、陽極からは正孔が注入され、発光層で再結合することにより発光する。電子や正孔を発光層へ輸送、注入し、再結合させる効率を上げるために、陰極と発光層の間に電子注入、輸送層、陽極と発光層の間に正孔注入、輸送層などを積層することがある。本発明のランダム共重合体は薄膜状態での発光効率が高く、電荷注入・輸送性を兼ね備えているため、高輝度、高効率の有機EL素子や、それを用いた発光装置を形成することができる。
本発明の有機発光素子における発光層は、本発明のランダム共重合体(高分子発光材料)を含む層であるが、発光層の電荷輸送性を補う目的で正孔輸送材料や電子輸送材料が含まれていてもよい。これらの電荷輸送材料として低分子化合物だけでなく高分子化合物も用いることができる。
本発明のランダム共重合体は他の発光材料のホストとしても用いることができる。この場合、本発明のランダム共重合体よりも低いエネルギーレベルで発光する、例えば緑色や赤色などの発光材料に有効である。
本発明のランダム共重合体を用いる有機EL素子の構成例を次に示す。
すなわち、陽極/発光層/陰極、陽極/正孔注入層/発光層/陰極、陽極/正孔輸送層/発光層/陰極、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極、陽極/発光層/電子注入層/陰極、陽極/発光層/電子輸送層/陰極、陽極/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極、陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極、陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極、陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極などの構造で形成されるが、これに限定されるものではない。
ここで、正孔注入層、正孔輸送層を形成する材料は、陽極から正孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、陰極から注入された電子を障壁する機能のいずれかを有しているものであればよい。具体的には、カルバゾール、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、ポリアリールアルカン、ピラゾリン、ピラゾロン、フェニレンジアミン、アリールアミン、アミノ置換カルコン、スチリルアントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベン、シラザン、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物及びこれらの誘導体、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、カーボン膜等が挙げられる。
正孔注入層、正孔輸送層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜1000nmの範囲のものが好ましく、10nm〜500nmがさらに好ましい。正孔注入層、正孔輸送層は上述した材料の1種または2種以上からなる単層構造であっても良いし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であっても良い。
正孔注入層、正孔輸送層の作製には粉末からの真空蒸着法や、前記正孔注入・輸送材料を溶媒に溶解又は分散させて塗布する方法(LB法、インクジェット法、印刷法、転写法、電子写真法、スピンコート法、キャスト法、ディップコート法、ロールコート法など)などが用いられる。塗布法の場合、樹脂成分と共に溶解又は分散することができ、樹脂成分としては例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などが挙げられる。
電子注入層、電子輸送層を形成する材料は、陰極から電子を注入する機能、電子を輸送する機能、陽極から注入された正孔を障壁する機能のいずれか有しているものであればよい。具体的には、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、フルオレノン、アントラキノジメタン、アントロン、ジフェニルキノン、チオピランジオキシド、カルビジイミド、フルオレニリデンメタン、ジスチリルピラジン、トリアジン、ベンズイミダゾール、イミダゾピリジン、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン及びこれらの誘導体、8−キノリノール及びこれらの誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体等が挙げられる。
電子注入層、電子輸送層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜1000nmの範囲のものが好ましく、10nm〜500nmがさらに好ましい。正孔注入層、正孔輸送層は上述した材料の1種または2種以上からなる単層構造であっても良いし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であっても良い。
電子注入層、電子輸送層の作製には粉末からの真空蒸着法や、前記正孔注入・輸送材料を溶媒に溶解又は分散させて塗布する方法(LB法、インクジェット法、印刷法、転写法、電子写真法、スピンコート法、キャスト法、ディップコート法、ロールコート法など)などが用いられる。塗布法の場合、樹脂成分と共に溶解又は分散することができ、樹脂成分としては例えば、正孔注入輸送層の場合に例示したものが適用できる。
陽極は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層などに正孔を供給するものであり、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、又はこれらの混合物などを用いることができ、好ましくは仕事関数が4eV以上の材料である。具体例としては酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性金属酸化物、あるいは金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、及びこれらとITOとの積層物などが挙げられ、好ましくは、導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からITOが好ましい。
陽極の膜厚は、材料により適宜選択可能であるが、通常10nm〜5000nmの範囲のものが好ましく、50nm〜1000nmがさらに好ましい。
陽極は、通常、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、透明樹脂基板などの上に層形成したものが用いられる。ガラスを用いる場合、その材質については、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アルカリガラスを用いることが好ましい。また、ソーダライムガラスを用いる場合、シリカなどのバリアコートを施したものを使用することが好ましい。基板の厚みは、機械的強度を保つのに十分であれば特に制限はないが、ガラスを用いる場合には、通常0.2mm以上、好ましくは0.7mm以上のものを用いる。
陽極の作製には材料によって種々の方法が用いられるが、例えばITOの場合、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、化学反応法(ゾル−ゲル法など)、酸化インジウムスズの分散物の塗布などの方法で膜形成される。陽極は洗浄その他の処理により、素子の駆動電圧を下げたり、発光効率を高めることも可能である。例えばITOの場合、UV−オゾン処理、プラズマ処理などが効果的である。
陰極は、電子注入層、電子輸送層、発光層などに電子を供給するものであり、電子注入層、電子輸送層、発光層などの陰極と隣接する層との密着性やイオン化ポテンシャル、安定性等を考慮して選ばれる。陰極の材料としては金属、合金、金属ハロゲン化物、金属酸化物、電気伝導性化合物、又はこれらの混合物を用いることができ、具体例としてはアルカリ金属(例えばLi、Na、K、Cs等)、アルカリ土類金属(例えばMg、Ca、Ba等)、金、銀、鉛、アルニウム、ナトリウム−カリウム合金又はそれらの混合金属、リチウム−アルミニウム合金又はそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金又はそれらの混合金属、インジウム、イッテルビウム等の希土類金属等が挙げられ、好ましくは仕事関数が4eV以下の材料である。
陰極の膜厚は、材料により適宜選択可能であるが10nm〜1000nmが好ましく、50〜500nmがさらに好ましい。但し、陰極としてアルカリ金属やアルカリ土類金属などの活性の高い金属を使用する場合には、陰極の厚さとして0.1〜100nmが好ましく、0.5〜50nmがさらに好ましい。また、この場合には、これらの陰極金属を保護する目的で、この上にさらに大気に対して安定な金属層が積層される。この目的で、Al、Ag、Au、Pt、Cu、Ni、Crなどの金属が用いられる。その厚さとしては10nm〜1000nmが好ましく、50〜500nmがさらに好ましい。
陰極と、電子輸送層または陰極に隣接して積層される有機層との間には、電子注入効率を向上させる目的で、厚さ0.1〜10nmの絶縁層を挿入してもよい。絶縁層としては、具体例としてはアルカリ金属(例えばLi、Na、K、Cs等)のフッ化物、酸化物、アルカリ土類金属(例えばMg、Ca、Ba等)のフッ化物、酸化物、アルミナなどの既知の陰極材料が使用できる。
陰極の作製には電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、コーティング法などの方法が用いられ、金属を単体で蒸着することも、二成分以上を同時に蒸着することもできる。さらに、複数の金属を同時に蒸着して合金電極を形成することも可能であり、またあらかじめ調整した合金を蒸着させてもよい。
本発明の発光素子は、面状光源、セグメント表示装置、ドットマトリックス表示装置、液晶表示装置のバックライト等として用いることができる。画素の構成は、マトリックス方式、セグメント方式等の既知の方法で行うことができ、また画素を形成せずにバックライトとして用いることもできる。
以下に、本発明の実施例と物質特性を示す。
製造例1:2,7−ジクロロ−3,6−ジブロモカルバゾールの合成
Figure 2008174661
シュレンクに23.6g(100mmol)の2,7−ジクロロカルバゾールを入れ、容器をアルゴン置換し、そこに250mLのDMFを加え、溶解させた。容器を氷浴で冷却した後、35.6g(200mmol)のNBSを150mLのDMFに溶かした溶液を添加した。氷浴をはずし、室温で攪拌すると6時間ほどで沈殿物が生成した。そのまま24時間攪拌した後に、反応液を濃縮してDMFを取り除き、そこに500mLのエーテルを加え沈殿物を溶解させた。この溶液を500mLの水で3回洗浄した後、エーテル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過して硫酸ナトリウムを取り除き、沈殿物が生成するまでエーテル層を濃縮した。沈殿物を濾過し、エーテルで洗浄した後回収した。濾液は濃縮して、生成した沈殿物を再び濾過し、エーテルで洗浄した後回収した。この操作を繰り返し行い、白色粉末の目的物36.9g(93.7mmol)を回収した(収率94%)
1H−NMR(400MHz.CDCl3):δ8.22(s,2H),δ8.07(bs,1H),δ7.55(s,2H)
製造例2:2,7−ジクロロ−3,6−ジメチルカルバゾールの合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに12.6g(32.0mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−ジブロモカルバゾールと0.261g(0.32mmol)のPd(dppf)ジクロロメタン錯体を入れ、そこに100mLのTHFを加えた。シュレンクを−78℃まで冷却し、100mL(96.0mmol)の臭化メチルマグネシウム0.96M−THF溶液を少しずつ添加し、すべて加えた後、室温まで加温した。シュレンクに冷却管を取り付け、24時間還流した。反応液に300mLの水を加え、300mLのクロロホルムで3回抽出した。クロロホルム層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾過して硫酸ナトリウムを取り除き、沈殿物が生成するまでクロロホルム層を濃縮した。沈殿物を濾過し、クロロホルムで洗浄した後回収した。濾液は濃縮して、生成した沈殿物を再び濾過し、クロロホルムで洗浄した後回収した。この操作を繰り返し行い、白色粉末の目的物5.54g(22.5mmol)を回収した(収率70%)。
製造例3:2,7−ジクロロ−3,6−ジフェニルカルバゾールの合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに1.5g(3.8mmol)の3,6−ジブロモ−2,7−ジクロロカルバゾールおよび1.0g(8.3mmol)のフェニルボロン酸をアルゴン気流中に入れ、70mLのエチレングリコールジメチルエーテルを加え後、室温で30分間脱気操作を行った。そこに、1.78g(16.8mmol)の炭酸ナトリウムおよび96.8mg(0.084mmol)のテトラキストリフェニルフォスフィンパラジウムを加え、還流下、28時間攪拌した。反応混合物を水に注加し、塩化メチレンで抽出した後、有機層を分取し水洗した。次いで、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去し、得られた残留物をヘキサン:塩化メチレン(3:1)を溶出液としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、2,7−ジクロロ−3,6−ジフェニルカルバゾール1.38g(収率93.2%)を得た。
製造例4:2,7−ジクロロ−3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾールの合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに2.5g(9.5mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−ジメチルカルバゾールと2.6g(19mmol)の炭酸カリウムを入れ、20mLのDMFを加えた。さらに3.0g(11.4mmol)の1−ヨードデカンを加え、シュレンクを密閉し、80℃で24時間攪拌した。反応溶液に200mLの水を加え、200mLのエーテルで3回抽出した。エーテル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾過して、濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒ヘキサン)で単離し、白色固体の目的物2.7g(6.7mmol)を得た(収率71%)。
1H−NMR(400MHz.CDCl3):δ7.84(s,2H),δ7.35(s,2H),δ4.15(t,J=7.3,2H),δ2.52(s,6H),δ1.83−1.79(m,2H),δ1.32−1.24(m,15H),δ0.87(t,3H)
製造例5:2,7−ジクロロ−N−(4−メトキシフェニル)−3,6−ジメチルカルバゾールの合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに4.30g(16.3mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−ジメチルカルバゾール、3.19g(17.1mmol)の1−ブロモ−4−メトキシベンゼン、触媒量のヨウ化銅、10.36g(48.8mmol)のリン酸カリウム、1.86g(16.3mol)のCHDA、および40mLの1,4−ジオキサンを加え、容器を密閉し、115℃で60時間攪拌した。反応溶液に300mLの水を加え、300mLのエーテルで3回抽出し、エーテル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過して乾燥剤を取り除き、濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒ヘキサン:塩化メチレン=5:3)により単離生成し、白色粉末の目的物5.52g(14.9mmol)を得た(収率91 %)。
1H−NMR(400MHz.CDCl3):δ7.88(s,2H),δ7.39(d,2H),δ7.28(s,2H),δ7.11(d,2H),δ3.92(s,3H),δ2.53(s,6H)
製造例6:3,6−ジメチル−2,7−ジクロロ−N−(4−ヒドロキシフェニル)カルバゾールの合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに5.10g(13.8mmol)の2,7−ジクロロ−N−(4−メトキシフェニル)−3,6−ジメチルカルバゾール、塩化メチレン30mLを納め、0℃に冷却した。次いで6.76g(27.0mmol)の三臭化ホウ素を加え、容器を密閉し、0℃−室温で3時間攪拌した。反応溶液に300mLの水を加え、300mLのエーテルで3回抽出し、エーテル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過して乾燥剤を取り除き、濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒ヘキサン:塩化メチレン=1:1)により単離生成し、白色粉末の目的物4.68g(13.1mmol)を得た(収率97 %)。
1H−NMR(400MHz.CDCl3):δ7.88(s,2H),δ7.34(d,2H),δ7.27(s,2H),δ7.05(d,2H),δ4.95(s,1H),δ2.53(s,6H)
製造例7:2,7−ジクロロ−N−(4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル)カルバゾールの合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに3.00g(12.7mmol)の2,7−ジクロロカルバゾール、3.44g(12.1mmol)の1−ブロモ−4−(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゼン、触媒量のヨウ化銅、8.09g(38.1mmol)のリン酸カリウム、0.730g(6.35mmol)のCHDA、および40mLの1,4−ジオキサンを加え、容器を密閉し、115℃で60時間攪拌した。反応溶液に300mLの水を加え、300mLのエーテルで3回抽出し、エーテル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過して乾燥剤を取り除き、濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒ヘキサン:塩化メチレン=10:1)により単離生成し、無色透明粘稠液体の目的物4.32g(9.81mmol)を得た(収率81 %)。
1H−NMR(400MHz.CDCl3):δ7.98(d,2H),δ7.37(d,2H),δ7.27−7.24(m,4H),δ7.12(d,2H),δ3.95(d,2H),δ1.79(h,1H),δ1.57−1.51(m,4H),δ1.51−1.32(m,4H),δ0.99(t,3H),δ0.94(t,3H)
製造例8:2,7−ジクロロ−3,6−ジメチル−N−(4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル)カルバゾールの合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに1.50g(5.68mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−ジメチルカルバゾール、1.62g(5.68mmol)の1−ブロモ−4−(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゼン、触媒量のヨウ化銅、3.62g(17.04mmol)のリン酸カリウム、0.65g(5.68mmol)のCHDA、および20mLの1,4−ジオキサンを加え、容器を密閉し、115℃で60時間攪拌した。反応溶液に300mLの水を加え、300mLのエーテルで3回抽出し、エーテル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過して乾燥剤を取り除き、濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒ヘキサン:塩化メチレン=10:1)により単離生成し、白色粉末の目的物2.36g(5.04mmol)を得た(収率88 %)。
1H−NMR(400MHz.CDCl3):δ7.91(s,2H),δ7.37(d,2H),δ7.28(s,2H),δ7.11(d,2H),δ3.95(d,2H),δ2.53(s,6H),δ1.81(h,1H),δ1.61−1.42(m,4H),δ1.42−1.35(m,4H),δ0.98(t,3H),δ0.94(t,3H)
製造例9:2,7−ジクロロ−N−(4−ジフェニルアミノフェニル)カルバゾールの合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに3.54g(15.0mmol)の2,7−ジクロロカルバゾール、4.86g(15.0mmol)の4−ブロモトリフェニルアミン、触媒量のヨウ化銅、9.55g(45.0mmol)のリン酸カリウム、0.171g(1.50mmol)のCHDA、および75mLの1,4−ジオキサンを加え、容器を密閉し、115℃で60時間攪拌した。反応液に300mLの水を加え、300mLのエーテルで3回抽出し、エーテル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過して乾燥剤を取り除き、濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒ヘキサン)により単離生成し、白色粉末の目的物5.76g(12.0mmol)を得た(収率80%)
1H−NMR(400MHz.CDCl3):δ7.98(d,2H),δ7.37−7.22(m,16H),δ7.11(t,2H)
製造例10:2,7−ジクロロ−3,6−ジメチル−N−(4−ジフェニルアミノフェニル)カルバゾールの合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに2.64g(10.0mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−ジメチルカルバゾール、3.24g(10.0mmol)の4−ブロモトリフェニルアミン、触媒量のヨウ化銅、6.37g(30.0mmol)のリン酸カリウム、0.114g(1.0mmol)のCHDA、および50mLの1,4−ジオキサンを加え、容器を密閉し、115℃で60時間攪拌した。反応液に200mLの水を加え、200mLのエーテルで3回抽出し、エーテル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過して乾燥剤を取り除き、濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒ヘキサン)により単離生成し、白色粉末の目的物3.69g(7.27mmol)を得た(収率73%)
1H−NMR(400MHz.CDCl3):δ7.88(s,2H),δ7.38−7.20(m,14H),δ7.12−7.06(m,2H),δ2.53(s,6H)
製造例11:2,7−ジクロロ−N−(4−(5−(4−t−ブチルフェニル)−2−オキサジアゾリル)フェニル)カルバゾールの合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに0.236g(1.0mmol)の2,7−ジクロロカルバゾール、0.357g(1.0mmol)の1−ブロモ−4−(5−(4−t−ブチルフェニル)−2−オキサジアゾリル)ベンゼン、触媒量のヨウ化銅、0.637g(3.0mmol)のリン酸カリウム、0.114g(1.0mmol)のCHDA、および5mLの1,4−ジオキサンを加え、容器を密閉し、115℃で60時間攪拌した。反応液に100mLの水を加え、100mLのエーテルで3回抽出し、エーテル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過して乾燥剤を取り除き、濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:ジクロロメタン=2:1)により単離生成し、白色粉末の目的物0.23g(0.45mmol)を得た(収率45%)
1H−NMR(400MHz.CDCl3):δ8.43(d,2H),δ8.12(d,2H),δ8.05(dd,2H),δ7.73(d,2H),δ7.59(d,2H),δ7.42(d,2H),δ7.30(dd,2H),δ1.40(s,9H)
製造例12:2,7−ジクロロ−3,6−ジメチル−N−(4−(5−(4−t−ブチルフェニル)−2−オキサジアゾリル)フェニル)カルバゾールの合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに2.64g(10mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−ジメチルカルバゾール、3.57g(10mmol)の1−ブロモ−4−(5−(4−t−ブチルフェニル)−2−オキサジアゾリル)ベンゼン、触媒量のヨウ化銅、6.37g(30mmol)のリン酸カリウム、0.114g(1.0mmol)のCHDA、および50mLの1,4−ジオキサンを加え、容器を密閉し、115℃で60時間攪拌した。反応液に300mLの水を加え、300mLのエーテルで3回抽出し、エーテル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過して乾燥剤を取り除き、濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:ジクロロメタン=3:1)により単離生成し、白色粉末の目的物3.07g(5.67mmol)を得た(収率57%)。
1H−NMR(400MHz.CDCl3):δ8.40(d,2H),δ8.11(d,2H),δ7.91(s,2H),δ7.72(d,2H),δ7.59(d,2H),δ7.45(s,2H),δ2.55(s,6H),δ1.39(s,9H)
製造例13:2,7−ジクロロ−3,6−ジフェニル−N−デシルカルバゾールの合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに0.60g(1.5mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−ジフェニルカルバゾールおよびDMFをアルゴン気流中に入れ、氷冷し、0.09g(2.2mmol)の60%水素化ナトリウムを加え、30分間攪拌した。そこに、0.54g(2.01mmol)のヨウ化デシルを加え、室温に上げて27時間攪拌した。反応混合物を氷水に注加し、塩化メチレンで抽出した後、有機層を分取し水洗した。次いで、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去し、得られた残留物をヘキサン:塩化メチレン=2:1を溶出液としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、2,7−ジクロロ−3,6−ジフェニル−N−デシルカルバゾール0.73g(収率89%)を得た。
製造例14:2,7−ジクロロ−3,6−ジフェニル−N−(4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル)−カルバゾールの合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに0.60g(1.55mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−ジフェニルカルバゾール、0.48g(1.70mmol)の4−ブロモ−(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゼン、2.9mg(0.015mmol)のヨウ化銅(I)および0.98g(4.63mmol)のK3PO4をアルゴン気流中に入れ、6.0mLのジオキサン、0.18g(1.58mmol)の1,2−シクロヘキサンジアミンおよび0.26g(1.53mmol)のドデカンを加えた後、還流下、54時間攪拌した。反応混合物を水に注加し、塩化メチレンで抽出した後、有機層を分取し、水洗した。さらに、有機層を乾燥し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去し、得られた残留物をヘキサン:塩化メチレン=4:1を溶出液としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、2,7−ジクロロ−3,6−ジフェニル−N−(2−エチルヘキシルオキシフェニル)−カルバゾール0.82g(収率87%)を得た。
製造例15:トリフルオロメチル−4−(2,7−ジクロロ‐3,6−ジメチルカルバゾール−9−イル)ベンゼンスルホネートの合成
Figure 2008174661
ナスフラスコに1.5g(4.21mmol)の3,6−ジメチル−2,7−ジクロロ−N−(4−ヒドロキシフェニル)−カルバゾールをピリジン15mLに溶かした後、氷冷した。そこに、1.55mL(9.26mmol)のトリフルオロメタンスルホン酸無水物を加え、徐々に室温に戻しながら、20時間攪拌した。反応液を氷水に注加し、イソプロピルエーテルで抽出した。有機層を分取し、飽和食塩水、希塩酸水溶液、および飽和食塩水で順次洗浄した。洗浄した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去し、トリフルオロメチル−4−(2,7−ジクロロ‐3,6−ジメチルカルバゾール−9−イル)ベンゼンスルホネート2.0gを得た(粗収率100%)。このものを、そのまま次工程に用いた。
製造例16:9−ブロモ−10−(2−メチルベンゼン−1−イル)アントラセンの合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに32.8g(97.6mmol)の9,10−ジブロモアントラセン、6.0g(44.1mmol)の2−メチルフェニルボロン酸、11.9g(112.3mmol)の炭酸ナトリウムをアルゴン気流中に入れ、900mLのエチレングリコールジメチルエーテルと60mLの水を加えた後、シュレンク内を脱気した、そこに、0.60g(0.52mmol)のテトラキストリフェニルフォスフィンパラジウム(0)を加え、還流下18時間攪拌した。反応混合物を室温まで放冷し、黄色沈殿物を濾過により除いた後、トルエンで抽出、水洗を行い、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた残留物をヘキサンを溶出液としたシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、9−ブロモ−10−(2−メチルベンゼン−1−イル)アントラセン4.7g(収率30%)を得た。
製造例17:9−(2−メチルベンゼン−1−イル)アントラセン−10−ボロン酸メチルエステルの合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに1.28g(3.69mmol)の9−ブロモ−10−(2−メチルフェニル)アントラセンをアルゴン気流中で入れ、15mLのTHFを加えた後、−70℃以下に冷却した。そこに、攪拌下、2.4mL(3.65mmol)の1.52Mブチルリチウムを滴下し、さらに−70〜−60℃で1時間攪拌した。アニオン化終了後、0.48mL(4.26mmol)のボロン酸トリメチルエステルを加え、徐々に室温に戻しながら、14時間攪拌した。反応終了後、溶媒を留去し、9−(2−メチルベンゼン−1−イル)アントラセン−10−ボロン酸メチルエステル1.25gを得た。この粗生成物をそのまま次反応に用いた。
製造例18:2,7−ジクロロ−3,6−ジメチル−N−(4−(9−オルトトリルアントラセン−10−イル)−フェニル)カルバゾールの合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに1.5g(3.07mmol)のトリフルオロメチル−4−(2,7−ジクロロ‐3,6−ジメチルカルバゾール−9−イル)ベンゼンスルホネート、1.25g(3.69mmol)の9−(2−メチルベンゼン−1−イル)アントラセン−10−ボロン酸メチルエステル、0.78g(7.37mmol)の炭酸ナトリウムをアルゴン気流中に入れ、35.0mLのエチレングリコールジメチルエーテルと5.0mLの水を加えた後、シュレンク内を脱気した、そこに、0.14g(0.09mmol)のテトラキストリフェニルフォスフィンパラジウム(0)を加え、還流下、18時間攪拌した。反応混合物を水に注加し塩化メチレンで抽出した後、有機層を分取し、水洗した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、得られた残留分をn−ヘキサン:塩化メチレン(4:1)を溶出液としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、2,7−ジクロロ−3,6−ジメチル−N−(4−(9−オルトトリルアントラセン−10−イル)−フェニル)カルバゾール1.2g(収率65%)を得た。
製造例19:2−(10−(4−ブロモフェノキシ)デシルオキシ)−6−(4−オクチルフェニル)ナフタレンの合成
Figure 2008174661
アルゴン雰囲気下、4−ブロモフェノール2.14g、10−(6−(4−オクチルフェニル)ナフタレン−2−イルオキシ)デカン−1−オール5.5g、トリフェニルホスフィン3.54g、及び100mLのテトラヒドロフランからなる溶液を0℃で攪拌し、6.11mLのアゾジカルボン酸ジエチルエステル40%トルエン溶液を滴下した。室温まで昇温し、20時間攪拌した。反応溶液を濃縮し、得られた粗生成物をヘキサン:ジクロロメタン(2:1)を溶出液としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、2−(10−(4−ブロモフェノキシ)デシルオキシ)−6−(4−オクチルフェニル)ナフタレン5.72gを得た。
1H−NMR(400MHz.CDCl3):δ7.95(d,1H),δ7.73(d,2H),δ7.70(dd,1H),δ7.61(d,2H),δ7.35(d,2H),δ7.28(d,2H),δ7.17−7.14(m,2H),δ6.77(d,2H),δ4.09(t,2H),δ3.91(t,2H),δ2.66(t,2H),δ1.89−1.82(m,2H),δ1.80−1.73(m,2H),δ1.70−1.62(m,2H),δ1.51(t,2H),δ1.45−1.28(m,20H),δ0.89(t,3H)
製造例20:2,7−ジクロロ−N−(4−(10−(6−(4−オクチルフェニル)ナフタレン−2−イルオキシ)デシルオキシ)フェニル)カルバゾールの合成
Figure 2008174661
アルゴン雰囲気下、リン酸カリウム0.54g、2,7−ジクロロカルバゾール0.2g、2−(10−(4−ブロモフェノキシ)デシルオキシ)−6−(4−オクチルフェニル)ナフタレン0.6g、ヨウ化銅2mg、1,4−ジオキサン4mL、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミン10mg及びドデカン1mLからなる溶液を120℃で3日間攪拌した。反応液に水を加えジクロロメタンで抽出し、有機層を水洗した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を除去して得られた粗生成物をジクロロメタン:ヘキサン(1:5)を溶出液としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより単離し、2,7−ジクロロ−N−(4−(10−(6−(4−オクチルフェニル)ナフタレン−2−イルオキシ)デシルオキシ)フェニル)カルバゾール0.57gを得た。
1H−NMR(400MHz.CDCl3):δ7.95(d,1H),δ7.73(d,1H),δ7.70(dd,1H),δ7.61(d,2H),δ7.35(d,2H),δ7.28(d,2H),δ7.17−7.14(m,2H),δ6.77(d,2H),δ4.09(t,2H),δ1.89−1.82(m,2H),δ1.80−1.73(m,2H),δ1.70−1.62(m,2H),δ1.51(t,2H),δ1.45−1.28(m,20H),δ0.89(t,3H)
製造例21:2,7−ジクロロ−3,6−ジメチル−N−(4−(10−(6−(4−オクチルフェニル)ナフタレン−2−イルオキシ)デシルオキシ)フェニル)カルバゾールの合成
Figure 2008174661
冷却管を備えたナス型フラスコに0.53g(1.50mmol)の4−(2,7−ジクロロ−3,6−ジメチルカルバゾール−9−イル)フェノール、0.90g(1.50mmol)の2−(10−ブロモデシルオキシ)−6−(4−オクチルフェニル)ナフタレン、0.63g(4.56mmol)の炭酸カリウムおよび40mLのメチルエチルケトンを加え、還流下72時間攪拌した。反応溶液に300mLの水を加え、300mLのエーテルで3回抽出し、エーテル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過して乾燥剤を取り除き、濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒ヘキサン:塩化メチレン=5:3)により単離生成し、白色粉末の目的物1.10g(1.33mmol)を得た(収率89%)。
1H−NMR(400MHz.CDCl3):δ7.94(s,1H),δ7.88(s,2H),δ7.77(d,2H),δ7.69(dd,1H),δ7.61(d,2H),δ7.36(d,2H),δ7.29−δ7.23(m,4H),δ7.16(d,2H),δ7.09(d,2H),δ4.08(tt,4H),δ2.65(t,2H),δ2.53(s,6H),δ1.89−1.84(m,4H),δ1.66(t,2H),δ1.39−1.28(m,22H),δ0.89(t,3H)
製造例22:2,7位結合ポリ−N−デシルカルバゾールの合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに0.3g(0.8mmol)の2,7−ジクロロ−N−デシルカルバゾール、0.34g(1.28mmol)のトリフェニルホスフィン、0.29g(4.4mmol)の亜鉛粉末、10.5mg(0.067mmol)の2,2’−ビピリジル、8.7mg(0.067mmol)の塩化ニッケルおよび2.4mLのDMFを加え80℃で72時間攪拌した。反応液をメタノール500mL、濃塩酸20mLの混合溶媒に滴下し、16時間攪拌した。沈殿物を濾取してクロロホルムに溶解させ、クロロホルム溶液を濾過により不溶成分を除いた後、濃縮し500mLのメタノール中に滴下して、再沈澱処理した。沈殿物を濾取し、ポリマー0.0374gを得た(回収率13%)。GPC:Mw=4,019; Mn=2,606; Mw/Mn=1.54
実施例1:2,7位結合−3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾールと2,7位結合−N−デシルカルバゾール、(モル比10:90)ランダム共重合体の合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに0.33g(1.2mmol)のビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、0.19g(1.2mmol)の2,2’−ビピリジルをアルゴン気流中で入れ、2.5mLのDMFを加えた後、室温で30分間攪拌した。そこに、0.020g(0.05mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾールと、0.169g(0.45mmol)の2,7−ジクロロ−N−デシルカルバゾールを、6.25mLのTHFで溶かした溶液を加え、容器を密閉し、65℃で72時間攪拌した。反応液をメタノール500mL、濃塩酸20mLの混合溶媒に滴下し、12時間攪拌した。沈殿物を濾取してクロロホルムに溶解させ、溶け残ったものは濾過により取り除いた。濾液が1mL程度になるまで濃縮し、メタノール500mL中に滴下して、再沈澱処理した。沈殿物を濾取し、ポリマー0.0176gを得た(回収率9.3%)。GPC:Mw=24,689; Mn=9,519; Mw/Mn=2.59
実施例2:2,7位結合−3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾールと2,7位結合−N−デシルカルバゾール、(モル比30:70)ランダム共重合体の合成
実施例1と同様に合成した。収量0.138g(回収率71%)。GPC:Mw=168,223; Mn=65,217; Mw/Mn=2.58
実施例3:2,7位結合−3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾールと2,7位結合−N−デシルカルバゾール、(モル比40:60)ランダム共重合体の合成
実施例1と同様に合成した。収量0.126g(回収率65%)。GPC:Mw=490,920; Mn=102,884; Mw/Mn=4.77
実施例4:2,7位結合−3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾールと2,7位結合−N−デシルカルバゾール、(モル比50:50)ランダム共重合体の合成
実施例1と同様に合成した。収量0.140g(回収率72%)。GPC:Mw=156,574; Mn=39,809; Mw/Mn=3.93
実施例5:2,7位結合−3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾールと2,7位結合−N−デシルカルバゾール、(モル比60:40)ランダム共重合体の合成
実施例1と同様に合成した。収量0.113g(回収率57%)。GPC:Mw=724,763; Mn=48,807; Mw/Mn=14.8
実施例6:2,7位結合−3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾールと2,7位結合−N−デシルカルバゾール、(モル比70:30)ランダム共重合体の合成
実施例1と同様に合成した。収量0.135g(回収率68%)。GPC:Mw=754,552; Mn=38,798; Mw/Mn=19.4
実施例7:2,7位結合−3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾールと2,7位結合−N−デシルカルバゾール、(モル比90:10)ランダム共重合体の合成
実施例1と同様に合成した。収量0.107g(回収率53%)。GPC:Mw=139,440; Mn=27,700; Mw/Mn=5.03
製造例23:2,7位結合ポリ−3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾールの合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに1.96g(7.13mmol)のビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、1.11g(7.13mmol)の2,2’−ビピリジルをアルゴン気流中で入れ、15mLのDMFを加えた後、室温で30分間攪拌した。そこに、1.20g(2.97mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾールを、15mLのDMFで溶かした溶液を加え、容器を密閉し、65℃で72時間攪拌した。反応液をメタノール2000mL、濃塩酸100mLの混合溶媒に滴下し、16時間攪拌した。沈殿物を濾取して150mLのトルエンに溶解させ、150mLの3N−HClで2回洗浄し、さらに超純水で中性になるまで繰り返し洗浄した。続いて150mLのアンモニア水で2回洗浄し、超純水で中性になるまで洗浄した。トルエン溶液を濃縮し、2000mLのメタノール中に滴下して、再沈澱処理した。沈殿物を濾取し、ポリマー0.90gを得た(回収率75%)。GPC:Mw=266,353; Mn=79,814; Mw/Mn=3.33
実施例1〜7までの物質特性を下記表1に示す。
Figure 2008174661
実施例8:2,7位結合3,6−ジメチル−N−(4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル)カルバゾールと2,7位結合−N−(4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル)カルバゾール、(モル比50:50)ランダム共重合体の合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに1.41g(5.11mmol)のビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、0.80g(5.11mmol)の2,2’−ビピリジルをアルゴン気流中で入れ、6.6mLのDMFを加えた後、室温で30分間攪拌した。そこに0.50g(1.07mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−ジメチル−N−(4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル)カルバゾールと0.47g(1.07mmol)の2,7−ジクロロ−N−(4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル)カルバゾールを16.5mLのTHFに溶解した溶液を加え、容器を密閉し、65℃で72時間攪拌した。次いで、エンドキャップ剤として0.48g(4.26mmol)のクロロベンゼンを反応溶液に加え、容器を密閉し、65℃で8時間攪拌した。反応液をメタノール2000mL、濃塩酸80mLの混合媒に滴下し、12時間攪拌した。沈殿物を瀘取して、トルエンに溶解させ、メタノール2000mL中に滴下して、再沈殿処理をした。沈殿物を瀘取し、ポリマー0.44gを得た(回収率45%)。
GPC:Mw=1,079,080; Mn=180,266; Mw/Mn=5.90
実施例9:2,7位結合3,6−ジメチル−N−(4(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル)カルバゾールと2,7位結合−N−(4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル)カルバゾール、(モル比40:60)ランダム共重合体の合成
実施例8と同様に合成した。収量0.145g(回収率73%)。GPC:Mw=506,418; Mn=80,619; Mw/Mn=6.28
実施例10:2,7位結合3,6−ジメチル−N−(4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル)カルバゾールと2,7位結合−N−(4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル)カルバゾール、(モル比30:70)ランダム共重合体の合成
エンドキャップ剤に4−クロロトリフェニルアミンを用いた他は実施例8と同様に合成した。収量0.732g(回収率77%)。GPC:Mw=991,081; Mn=203,407; Mw/Mn=4.87
実施例11:2,7位結合3,6−ジメチル−N−(4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル)カルバゾールと2,7位結合−N−(4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル)カルバゾール、(モル比20:80)ランダム共重合体の合成
実施例8と同様に合成した。収量0.130g(回収率65%)。GPC:Mw=71,775; Mn=25,017; Mw/Mn=2.87
実施例8〜11までの物質特性を下記表2に示す。
Figure 2008174661
実施例12:2,7位結合−3,6−ジメチル−N−(4−ジフェニルアミノフェニル)カルバゾールと2,7位結合−N−デシルカルバゾール、(モル比70:30)ランダム共重合体の合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに0.33g(1.2mmol)のビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、0.19g(1.2mmol)の2,2’−ビピリジルをアルゴン気流中で入れ、2.5mLのDMFを加えた後、室温で30分間攪拌した。そこに、0.178g(0.35mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−ジメチル−N−(4−ジフェニルアミノフェニル)カルバゾールと、0.0565g(0.15mmol)の2,7−ジクロロ−N−デシルカルバゾールを、6.25mLのTHFで溶かした溶液を加え、容器を密閉し、65℃で72時間攪拌した。反応液をメタノール500mL、濃塩酸20mLの混合溶媒に滴下し、12時間攪拌した。沈殿物を濾取して、トルエンに溶解させ、メタノール500mL中に滴下して、再沈澱処理した。沈殿物を濾取し、ポリマー0.145gを得た(回収率62%)。GPC:Mw=173,012; Mn=28,994; Mw/Mn=5.79
実施例13:2,7位結合−3,6−ジメチル−N−(4−ジフェニルアミノフェニル)カルバゾールと2,7位結合−N−デシルカルバゾール、(モル比50:50)ランダム共重合体の合成
実施例12と同様に合成した。収量0.111g(回収率63%)。GPC:Mw=103,839; Mn=25,445; Mw/Mn=4.08
実施例14:2,7位結合−3,6−ジメチル−N−(4−ジフェニルアミノフェニル)カルバゾールと2,7位結合−N−デシルカルバゾール、(モル比30:70)ランダム共重合体の合成
実施例12と同様に合成した。収量0.0774g(回収率37%)。GPC:Mw=169,423; Mn=34,222; Mw/Mn=4.95
実施例12〜14までの物質特性を下記表3に示す。
Figure 2008174661
実施例15:2,7位結合カルバゾール−N−(4−ジフェニルアミノフェニル)と2,7位結合3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾール、(モル比70:30)ランダム共重合体の合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに0.33g(1.2mmol)のビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、0.19g(1.2mmol)の2,2’−ビピリジルをアルゴン気流中で入れ、4.5mLのDMFを加えた後、室温で30分間攪拌した。そこに、0.168g(0.35mmol)の2,7−ジクロロ−N−(4−ジフェニルアミノフェニル)カルバゾールと、0.0606g(0.15mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾールを、4.5mLのTHFで溶かした溶液を加え、容器を密閉し、65℃で72時間攪拌した。反応液をメタノール500mL、濃塩酸20mLの混合溶媒に滴下し、12時間攪拌した。沈殿物を濾取して、トルエンに溶解させ、メタノール500mL中に滴下して、再沈澱処理した。沈殿物を濾取し、ポリマー0.105gを得た(回収率46%)。GPC:Mw=21,325; Mn=9,530; Mw/Mn=2.24
実施例16:2,7位結合カルバゾール−N−(4−ジフェニルアミノフェニル)と2,7位結合3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾール、(モル比50:50)ランダム共重合体の合成
実施例15と同様に合成した。収量0.113g(回収率64%)。GPC:Mw=262,780; Mn=28,727; Mw/Mn=9.15
実施例17:2,7位結合カルバゾール−N−(4−ジフェニルアミノフェニル)と2,7位結合3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾール、(モル比30:70)ランダム共重合体の合成
実施例15と同様に合成した。収量0.133g(回収率63%)。GPC:Mw=64,610; Mn=22,947; Mw/Mn=2.82
実施例15〜17までの物質特性を下記表4に示す。
Figure 2008174661
実施例18:2,7位結合3,6−ジメチル−N−(4−ジフェニルアミノフェニル)カルバゾールと2,7位結合3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾール、(モル比50:50)ランダム共重合体の合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに0.26g(0.96mmol)のビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、0.15g(0.96mmol)の2,2’−ビピリジルをアルゴン気流中で入れ、2.0mLのDMFを加えた後、室温で30分間攪拌した。そこに、0.101g(0.20mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−ジメチル−N−(4−ジフェニルアミノフェニル)カルバゾールと、0.0808g(0.20mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾールを、THF5.0mLで溶かした溶液を加え、容器を密閉し、65℃で72時間攪拌した。反応液をメタノール500mL、濃塩酸20mLの混合溶媒に滴下し、12時間攪拌した。沈殿物を濾取して、トルエンに溶解させ、メタノール500mL中に滴下して、再沈澱処理した。沈殿物を濾取し、ポリマー0.115gを得た(回収率63%)。GPC:Mw=22,411; Mn=5,763; Mw/Mn=3.89
実施例19:2,7位結合カルバゾール−N−(4−(5−(4−t−ブチルフェニル)−2−オキサジアゾリル)フェニル)と2,7位結合3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾール、(モル比70:30)ランダム共重合体の合成
Figure 2008174661
実施例18と同様に合成した。収量0.0952g(回収率40%)。GPC:Mw=16,908; Mn=4,476; Mw/Mn=3.78
実施例20:2,7位結合カルバゾール−N−(4−(5−(4−t−ブチルフェニル)−2−オキサジアゾリル)フェニル)と2,7位結合3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾール、(モル比50:50)ランダム共重合体の合成
実施例18と同様に合成した。収量0.169g(回収率74%)。GPC:Mw=53,797; Mn=7,494; Mw/Mn=7.17
実施例21:2,7位結合カルバゾール−N−(4−(5−(4−t−ブチルフェニル)−2−オキサジアゾリル)フェニル)と2,7位結合3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾール、(モル比30:70)ランダム共重合体の合成
実施例18と同様に合成した。収量0.145g(回収率67%)。GPC:Mw=31,052; Mn=8,487; Mw/Mn=3.66
実施例19〜21までの物質特性を下記表5に示す。
Figure 2008174661
実施例22:2,7位結合3,6−ジメチル−N−(4−(5−(4−t−ブチルフェニル)−2−オキサジアゾリル)フェニル)カルバゾールと2,7位結合N−デシルカルバゾール、(モル比70:30)ランダム共重合体の合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに0.33g(1.2mmol)のビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、0.19g(1.2mmol)の2,2’−ビピリジルをアルゴン気流中で入れ、2.5mLのDMFを加えた後、室温で30分間攪拌した。そこに、0.189g(0.35mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−ジメチル−N−(4−(5−(4−t−ブチルフェニル)−2−オキサジアゾリル)フェニル)カルバゾールと、0.0565g(0.15mmol)の2,7−ジクロロ−N−デシルカルバゾールを、THF2.5mLとDMF5.0mLで溶かした溶液を加え、容器を密閉し、65℃で72時間攪拌した。反応液をメタノール500mL、濃塩酸20mLの混合溶媒に滴下し、3時間攪拌した。沈殿物を濾取して、クロロホルムに溶解させた後、メタノール500mL中に滴下して、再沈澱処理した。沈殿物を濾取し、ポリマー0.0857gを得た(回収率35%)。GPC:Mw=105,054; Mn=14,990; Mw/Mn=7.01
実施例23:2,7位結合3,6−ジメチル−N−(4−(5−(4−t−ブチルフェニル)−2−オキサジアゾリル)フェニル)カルバゾールと2,7位結合N−デシルカルバゾール、(モル比50:50)ランダム共重合体の合成
実施例22と同様に合成した。収量0.172g(回収率75%)。GPC:Mw=50,740; Mn=6,129; Mw/Mn=8.28
実施例24:2,7位結合3,6−ジメチル−N−(4−(5−(4−t−ブチルフェニル)−2−オキサジアゾリル)フェニル)カルバゾールと2,7位結合N−デシルカルバゾール、(モル比30:70)ランダム共重合体の合成
実施例22と同様に合成した。収量0.0373g(回収率18%)。GPC:Mw=95,113; Mn=17,073; Mw/Mn=5.57
実施例22〜24までの物質特性を下記表6に示す。
Figure 2008174661
実施例25:2,7位結合3,6−ジメチル−N−(4−(10−(6−(4−オクチルフェニル)ナフタレン−2−イルオキシ)デシルオキシ)フェニル)カルバゾールと2,7結合N−(4−(10−(6−(4−オクチルフェニル)ナフタレン−2−イルオキシ)デシルオキシ)フェニル)カルバゾール(モル比50:50)ランダム共重合体の合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに0.64g(2.32mmol)の(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、0.36g(2.32mmol)の2,2’−ビピリジルをアルゴン気流中で入れ、5mLのDMFを加えた後、室温で30分間攪拌した。そこに0.400 g(0.484mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−ジメチル−N−(4−(10−(6−(4−オクチルフェニル)ナフタレン−2−イルオキシ)デシルオキシ)フェニル)カルバゾールと0.386g(0.484mmol)の2,7−ジクロロ−N−(4−(10−(6−(4−オクチルフェニル)ナフタレン−2−イルオキシ)デシルオキシ)フェニル)カルバゾールを12.5mLのTHFに溶解した溶液を加え、容器を密閉し、65℃で72時間攪拌した。次いで、エンドキャップ剤として0.135g(0.484mmol)の4−クロロトリフェニルアミンを反応溶液に加え、容器を密閉し、65℃で8時間攪拌した。反応液をメタノール2000mL、濃塩酸80mLの混合媒に滴下し、12時間攪拌した。沈殿物を瀘取して、トルエンに溶解させ、メタノール500mL中に滴下して、再沈殿処理をした。沈殿物を瀘取し、ポリマー0.670gを得た(回収率85%)。GPC:Mw=185,864; Mn=43,218; Mw/Mn=4.30
実施例25の物質特性を下記表7に示す。
Figure 2008174661
実施例26:2,7位結合3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾール、2,7位結合N−デシルカルバゾールおよび2,7位結合N−(4−ジフェニルアミノフェニル)カルバゾール(モル比50:10:40)ランダム共重合体の合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに0.33g(1.2mmol)のビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、0.19g(1.2mmol)の2,2’−ビピリジルをアルゴン気流中で入れ、2.5mLのDMFを加えた後、室温で30分間攪拌した。そこに、0.101g(0.25mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾール、0.0188g(0.05mmol)の2,7−ジクロロ−N−デシルカルバゾールおよび0.0959g(0.20mmol)の2,7−ジクロロ−N−(4−ジフェニルアミノフェニル)カルバゾールを、THF5.0mLで溶かした溶液を加え、容器を密閉し、65℃で72時間攪拌した。反応液をメタノール500mL、濃塩酸20mLの混合溶媒に滴下し、12時間攪拌した。沈殿物を濾取して、クロロホルムに溶解させた後、メタノール500mL中に滴下して、再沈澱処理した。沈殿物を濾取し、ポリマー0.139gを得た(回収率65%)。GPC:Mw=156,715; Mn=42,470; Mw/Mn=3.69
実施例27:2,7位結合3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾール、2,7位結合N−デシルカルバゾールおよび2,7位結合N−(4−ジフェニルアミノフェニル)カルバゾール(モル比50:25:25)ランダム共重合体の合成
実施例26と同様に合成した。収量0.121g(回収率58%)。GPC:Mw=109,667; Mn=32,715; Mw/Mn=3.35
実施例28:2,7位結合3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾール、2,7位結合N−デシルカルバゾールおよび2,7位結合N−(4−ジフェニルアミノフェニル)カルバゾール(モル比50:40:10)ランダム共重合体の合成
実施例26と同様に合成した。収量0.135g(回収率67%)。GPC:Mw=160,951; Mn=35,072; Mw/Mn=4.59
実施例26〜28までの物質特性を下記表8に示す。
Figure 2008174661
実施例29:2,7位結合3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾール、2,7位結合N−デシルカルバゾールおよび2,7位結合3,6−ジメチル−N−(4−ジフェニルアミノフェニル)カルバゾール(モル比25:50:25)ランダム共重合体の合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに0.33g(1.2mmol)のビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、0.19g(1.2mmol)の2,2’−ビピリジルをアルゴン気流中で入れ、2.5mLのDMFを加えた後、室温で30分間攪拌した。そこに、0.0505g(0.125mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾール、0.0941g(0.25mmol)の2,7−ジクロロ−N−デシルカルバゾールおよび0.0634g(0.125mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−N−(4−ジフェニルアミノフェニル)カルバゾールを、THF5.0mLで溶かした溶液を加え、容器を密閉し、65℃で72時間攪拌した。反応液をメタノール500mL、濃塩酸20mLの混合溶媒に滴下し、12時間攪拌した。沈殿物を濾取して、クロロホルムに溶解させた後、メタノール500mL中に滴下して、再沈澱処理した。沈殿物を濾取し、ポリマー0.140gを得た(回収率67%)。GPC:Mw=337,543; Mn=66,112; Mw/Mn=5.11
実施例30:2,7位結合3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾール、2,7位結合N−デシルカルバゾールおよび2,7位結合3,6−ジメチル−N−(4−ジフェニルアミノフェニル)カルバゾール(モル比40:50:10)ランダム共重合体の合成
実施例29と同様に合成した。収量0.0914g(回収率46%)。GPC:Mw=215,921; Mn=39,615; Mw/Mn=5.45
実施例29〜30までの物質特性を下記表9に示す。
Figure 2008174661
実施例31:2,7位結合N−(4−ジフェニルアミノフェニル)カルバゾールおよび2,7位結合3,6−ジメチル−N−(4−(5−(4−t−ブチルフェニル)−2−オキサジアゾリル)フェニル)カルバゾール(モル比50:50)ランダム共重合体の合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに0.25g(0.96mmol)のビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、0.15g(0.96mmol)の2,2’−ビピリジルをアルゴン気流中で入れ、2.0mLのDMFを加えた後、室温で30分間攪拌した。そこに、0.0959g(0.20mmol)の2,7−ジクロロ−N−(4−ジフェニルアミノフェニル)カルバゾールと、0.1081g(0.20mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−ジメチル−N−(4−(5−(4−t−ブチルフェニル)−2−オキサジアゾリル)フェニル)カルバゾールを、THF5.0mLで溶かした溶液を加え、容器を密閉し、65℃で72時間攪拌した。反応液をメタノール500mL、濃塩酸20mLの混合溶媒に滴下し、3時間攪拌した。沈殿物を濾取して、クロロホルムに溶解させた後、メタノール500mL中に滴下して、再沈澱処理した。沈殿物を濾取し、ポリマー0.124gを得た(回収率61%)。GPC:Mw=64,476; Mn=14,443; Mw/Mn=4.46
実施例31の物質特性を下記表10に示す。
Figure 2008174661
実施例32:2,7位結合3,6−ジメチル−N−(4−ジフェニルアミノフェニル)カルバゾールおよび2,7位結合N−(4−(5−(4−t−ブチルフェニル)−2−オキサジアゾリル)フェニル)カルバゾール(モル比50:50)ランダム共重合体の合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに0.25g(0.96mmol)のビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、0.15g(0.96mmol)の2,2’−ビピリジルをアルゴン気流中で入れ、2.0mLのDMFを加えた後、室温で30分間攪拌した。そこに、0.1015g(0.20mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−ジメチル−N−(4−ジフェニルアミノフェニル)カルバゾールと、0.1025g(0.20mmol)の2,7−ジクロロ−N−(4−(5−(4−t−ブチルフェニル)−2−オキサジアゾリル)フェニル)カルバゾールを、THF5.0mLで溶かした溶液を加え、容器を密閉し、65℃で72時間攪拌した。反応液をメタノール500mL、濃塩酸20mLの混合溶媒に滴下し、3時間攪拌した。沈殿物を濾取して、クロロホルムに溶解させた後、メタノール500mL中に滴下して、再沈澱処理した。沈殿物を濾取し、ポリマー0.131gを得た(回収率64%)。GPC:Mw=29,296; Mn=11,539; Mw/Mn=2.54
実施例32の物質特性を下記表11に示す。
Figure 2008174661
実施例33:2,7位結合3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾール、2,7位結合N−デシルカルバゾールおよび2,7位結合N−(4−(5−(4−t−ブチルフェニル)−2−オキサジアゾリル)フェニル)カルバゾール(モル比40:50:10)ランダム共重合体の合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに0.33g(1.2mmol)のビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、0.19g(1.2mmol)の2,2’−ビピリジルをアルゴン気流中で入れ、2.5mLのDMFを加えた後、室温で30分間攪拌した。そこに、0.1010g(0.25mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾール、0.0753g(0.20mmol)の2,7−ジクロロ−N−デシルカルバゾールおよび0.0256g(0.05mmol)の2,7−ジクロロ−N−4−(5−(4−t−ブチルフェニル)−2−オキサジアゾリル)フェニル)カルバゾールを、THF5.0mLで溶かした溶液を加え、容器を密閉し、65℃で72時間攪拌した。反応液をメタノール500mL、濃塩酸20mLの混合溶媒に滴下し、3時間攪拌した。沈殿物を濾取して、クロロホルムに溶解させた後、メタノール500mL中に滴下して、再沈澱処理した。沈殿物を濾取し、ポリマー0.134gを得た(回収率66%)。GPC:Mw=115,518; Mn=34,576; Mw/Mn=3.34
実施例33の物質特性を下記表12に示す。
Figure 2008174661
実施例34:2,7位結合3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾール、2,7位結合N−デシルカルバゾールおよび2,7位結合3,6−ジメチル−N−(4−(5−(4−t−ブチルフェニル)−2−オキサジアゾリル)フェニル)カルバゾール(モル比50:40:10)ランダム共重合体の合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに0.33g(1.2mmol)のビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、0.19g(1.2mmol)の2,2’−ビピリジルをアルゴン気流中で入れ、2.5mLのDMFを加えた後、室温で30分間攪拌した。そこに、0.0808g(0.20mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾール、0.0941g(0.25mmol)の2,7−ジクロロ−N−デシルカルバゾールおよび0.0270g(0.05mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−ジメチル−N−4−(5−(4−t−ブチルフェニル)−2−オキサジアゾリル)フェニル)カルバゾールを、THF5.0mLで溶かした溶液を加え、容器を密閉し、65℃で72時間攪拌した。反応液をメタノール500mL、濃塩酸20mLの混合溶媒に滴下し、3時間攪拌した。沈殿物を濾取して、クロロホルムに溶解させた後、メタノール500mL中に滴下して、再沈澱処理した。沈殿物を濾取し、ポリマー0.140gを得た(回収率69%)。GPC:Mw=126,137; Mn=32,351; Mw/Mn=3.90
実施例34の物質特性を下記表13に示す。
Figure 2008174661
実施例35:2,7位結合N−デシルカルバゾール、2,7位結合3,6−ジメチル−(4−ジフェニルアミノフェニル)カルバゾールおよび2,7位結合3,6−ジメチル−N−(4−(5−(4−t−ブチルフェニル)−2−オキサジアゾリル)フェニル)カルバゾール(モル比80:10:10)ランダム共重合体の合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに0.33g(1.2mmol)のビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、0.19g(1.2mmol)の2,2’−ビピリジルをアルゴン気流中で入れ、2.0mLのDMFを加えた後、室温で30分間攪拌した。そこに、0.151g(0.40mmol)の2,7−ジクロロ−N−デシルカルバゾール、0.0254g(0.05mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−ジメチル−N−(4−ジフェニルアミノフェニル)カルバゾールおよび0.0270g(0.05mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−ジメチル−N−4−(5−(4−t−ブチルフェニル)−2−オキサジアゾリル)フェニル)カルバゾールを、THF1.0mLおよびDMF4.0mLで溶かした溶液を加え、容器を密閉し、65℃で12時間攪拌した。反応液をメタノール500mL、濃塩酸20mLの混合溶媒に滴下し、3時間攪拌した。沈殿物を濾取して、クロロホルムに溶解させた後、不溶成分を濾過により除去した。濾液を濃縮し、メタノール500mL中に滴下して、再沈澱処理した。沈殿物を濾取し、ポリマー0.0269gを得た(回収率13%)。GPC:Mw=42,689; Mn=6,859; Mw/Mn=6.22
実施例36:
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに0.80g(2.90mmol)のビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、0.45g(2.90mmol)の2,2’−ビピリジルをアルゴン気流中で入れ、3mLのDMFを加えた後、室温で30分間攪拌した。そこに0.400g(0.485mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−ジメチル−N−(4−(10−(6−(4−オクチルフェニル)ナフタレン−2−イルオキシ)デシルオキシ)フェニル)カルバゾールと0.373g(0.485mmol)の2,7−ジクロロ−N−(4−(10−(6−(4−オクチルフェニル)ナフタレン−2−イルオキシ)デシルオキシ)フェニル)−カルバゾールおよび0.116g(0.242mmol)の2,7−ジクロロ−N−(4−ジフェニルアミノフェニル)カルバゾールを10mLのTHFに溶解した溶液を加え、容器を密閉し、65℃で72時間攪拌した。次いで、エンドキャップ剤として0.169g(0.605mmol)の4−クロロトリフェニルアミンを反応溶液に加え、容器を密閉し、65℃で8時間攪拌した。反応液をメタノール2000mL、濃塩酸80mLの混合溶媒に滴下し、12時間攪拌した。沈殿物を瀘取して、トルエンに溶解させ、メタノール500mL中に滴下して、再沈殿処理をした。沈殿物を瀘取し、ポリマー0.683gを得た(回収率73%)。GPC:Mw=226,043; Mn=47,020; Mw/Mn=4.81
実施例37:
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに0.62g(2.26mmol)のビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、0.35g(2.26mmol)の2,2’−ビピリジルをアルゴン気流中で入れ、3mLのDMFを加えた後、室温で30分間攪拌した。そこに0.350g(0.424mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−ジメチル−N−(4−(10−(6−(4−オクチルフェニル)ナフタレン−2−イルオキシ)デシルオキシ)フェニル)カルバゾールと0.338g(0.424mmol)の2,7−ジクロロ−N−(4−(10−(6−(4−オクチルフェニル)ナフタレン−2−イルオキシ)デシルオキシ)フェニル)−カルバゾールおよび0.048g(0.0942mmol)の2,7−ジクロロ−N−(4−(5−(4−t−ブチルフェニル)−2−オキサジアゾリル)フェニル)カルバゾールを7.5mLのTHFに溶解した溶液を加え、容器を密閉し、65℃で72時間攪拌した。次いで、エンドキャップ剤として0.147g(0.471mmol)の2−(4−t−ブチルフェニル)−5−(4−クロロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールを反応溶液に加え、容器を密閉し、65℃で8時間攪拌した。反応液をメタノール2000mL、濃塩酸80mLの混合溶媒に滴下し、12時間攪拌した。沈殿物を瀘取して、トルエンに溶解させ、メタノール500mL中に滴下して、再沈殿処理をした。沈殿物を瀘取し、ポリマー0.625gを得た(回収率85%)。GPC:Mw=283,491; Mn=49,348; Mw/Mn=5.74
実施例36〜37までの物質特性を下記表14に示す。
Figure 2008174661
実施例38:2,7位結合N−デシルカルバゾール、2,7位結合3,6−ジメチル−(4−ジフェニルアミノフェニル)カルバゾールおよび2,7位結合3,6−ジメチル−N−(4−(5−(4−t−ブチルフェニル)−2−オキサジアゾリル)フェニル)カルバゾール(モル比80:10:10)ランダム共重合体の合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに0.33g(1.2mmol)のビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、0.19g(1.2mmol)の2,2’−ビピリジルをアルゴン気流中で入れ、2.0mLのDMFを加えた後、室温で30分間攪拌した。そこに、0.151g(0.40mmol)の2,7−ジクロロ−N−デシルカルバゾール、0.0254g(0.05mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−ジメチル−N−(4−ジフェニルアミノフェニル)カルバゾールおよび0.0270g(0.05mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−ジメチル−N−4−(5−(4−t−ブチルフェニル)−2−オキサジアゾリル)フェニル)カルバゾールを、DMF4.0mLで溶かした溶液を加え、容器を密閉し、65℃で12時間攪拌した。反応液をメタノール500mL、濃塩酸20mLの混合溶媒に滴下し、3時間攪拌した。沈殿物を濾取して、クロロホルムに溶解させた後、不溶成分を濾過により除去した。濾液を濃縮し、メタノール500mL中に滴下して、再沈澱処理した。沈殿物を濾取し、ポリマー0.0269gを得た(回収率13%)。GPC:Mw=42,689; Mn=6,859; Mw/Mn=6.22
実施例39:2,7位結合N−デシルカルバゾール、2,7位結合3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾール、2,7位結合3,6−ジメチル−(4−ジフェニルアミノフェニル)カルバゾールおよび2,7位結合3,6−ジメチル−N−(4−(5−(4−t−ブチルフェニル)−2−オキサジアゾリル)フェニル)カルバゾール(モル比70:10:10:10)ランダム共重合体の合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに0.33g(1.2mmol)のビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、0.19g(1.2mmol)の2,2’−ビピリジルをアルゴン気流中で入れ、2.0mLのDMFを加えた後、室温で30分間攪拌した。そこに、0.132g(0.35mmol)の2,7−ジクロロ−N−デシルカルバゾール、0.0202g(0.05mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾール、0.0254g(0.05mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−ジメチル−N−(4−ジフェニルアミノフェニル)カルバゾールおよび0.0270g(0.05mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−ジメチル−N−4−(5−(4−t−ブチルフェニル)−2−オキサジアゾリル)フェニル)カルバゾールを、THF2.0mLおよびDMF3.0mLで溶かした溶液を加え、容器を密閉し、65℃で12時間攪拌した。反応液をメタノール500mL、濃塩酸20mLの混合溶媒に滴下し、3時間攪拌した。沈殿物を濾取して、クロロホルムに溶解させた後、不溶成分を濾過により除去した。濾液を濃縮し、メタノール500mL中に滴下して、再沈澱処理した。沈殿物を濾取し、ポリマー0.0735gを得た(回収率36%)。GPC:Mw=99,553; Mn=13,174; Mw/Mn=7.56
実施例40:2,7位結合N−デシルカルバゾール、2,7位結合3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾール、2,7位結合3,6−ジメチル−(4−ジフェニルアミノフェニル)カルバゾールおよび2,7位結合3,6−ジメチル−N−(4−(5−(4−t−ブチルフェニル)−2−オキサジアゾリル)フェニル)カルバゾール(モル比60:20:10:10)ランダム共重合体の合成
実施例39と同様に合成した。収量0.161g(回収率78%)。GPC:Mw=226,380; Mn=40,135; Mw/Mn=5.64
実施例41:2,7位結合N−デシルカルバゾール、2,7位結合3,6−ジメチル−N−デシルカルバゾール、2,7位結合3,6−ジメチル−(4−ジフェニルアミノフェニル)カルバゾールおよび2,7位結合3,6−ジメチル−N−(4−(5−(4−t−ブチルフェニル)−2−オキサジアゾリル)フェニル)カルバゾール(モル比50:30:10:10)ランダム共重合体の合成
実施例39と同様に合成した。収量0.153g(回収率74%)。GPC:Mw=216,415; Mn=33,376; Mw/Mn=6.48
実施例38〜41までの物質特性を下記表15に示す。
Figure 2008174661
実施例42:2,7位結合N−(4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル)カルバゾールと2、7位結合3,6−ジメチル−N−(4−(9−オルトトリルアントラセン−10−イル)−フェニル)カルバゾール(モル比50:50)ランダム共重合体の合成
Figure 2008174661
アルゴン置換したシュレンクに0.25g(0.92mmol)のビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、0.14g(0.92mmol)の2,2’−ビピリジルをアルゴン気流中で入れ、2.0mLのDMFを加えた後、室温で30分間攪拌した。そこに、0.116g(0.19mmol)の2,7−ジクロロ−3,6−ジメチル−N−(4−(9−オルトトリルアントラセン−10−イル)−フェニル)カルバゾールと、85mg(0.19mmol)の2,7−ジクロロ−N−(4−(2−エチルヘキシルフェニル)−カルバゾールを5.0mLで溶かした溶液を加え、容器を密栓し、65℃で56時間攪拌した。反応液をメタノール500mL、濃塩酸20mLの混合溶媒に滴下し、24時間攪拌した。沈殿物を濾取して、クロロホルムに溶解させた。不溶部分を濾別して、濾液を濃縮した後、メタノール500mL中に滴下して、再沈殿処理した。沈殿物を濾取し、ポリマー0.15g(回収率75%)を得た。
実施例43:電界発光素子の作製
ガラス基板上にITOを150nmの厚さで製膜したもの(ジオマテック(株)製)を透明電極付基板とする。それをフォトリソグラフィー及びウェットエッチングによりITOをストライプ状に加工した。パターン形成したITO基板をアルカリ洗浄液による超音波洗浄、純水による超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥した後、酸素プラズマ洗浄を施した。このITOガラス基板上に、正孔輸送層のBaytron P(PEDOT−PSS溶液(ポリエチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルホン酸ドープ体)/バイエル社製)を膜厚が約80nmとなるように調節してスピンコートした後、180℃で10分間真空乾燥し、正孔輸送層とした。この上に高分子発光材料をトルエンに溶解した溶液をスピンコートにて製膜し、100℃で10分間真空乾燥をおこない、発光層とした。発光層の膜厚は前記高分子溶液濃度とスピンコートの条件を調節することにより60〜80nmとなるように調節した。発光層を製膜したITO基板を真空蒸着層内に設置し、発光部が4mm×4mmとなるようにパターニングされたメタルマスクを介して、Baを約5nm、Alを約150nm蒸着し、陰極とした。最後にアルゴン雰囲気中、乾燥剤を貼った封止ガラスを貼りあわせて封止し、実施例Xの高分子有機発光素子を得た。
比較例1:電界発光素子の作製
製造例23によって製造されたポリマーを実施例43の発光層に各々用いてEL素子を作製した。
上記した実施例の中から、発光材料を選出し、電界発光素子を作製した。
実施例44〜51:電界発光素子の作製
実施例6、8、10、13、25、36、37および40によって製造されたポリマーを実施例43の発光層に各々用いてEL素子を作製した。
実施例52:電界発光素子の作製
実施例36および37で製造されたポリマーを各々50%ずつ混合したものを、実施例43の発光層に用いてEL素子を作製した。
以上のような工程によって形成された高分子有機発光素子はITO/正孔輸送層/高分子発光層/Ba/Alの構造を有する素子であって、概略的な構造は図1に示された通りである。得られた高分子有機発光素子において、ITOを正側に、Alを負側にして電圧を印加して電流を流すと、発光素子から青色の光が発光し、その光はITOおよびガラス基板を透過して外に出射された。なお、上記した高分子有機発光素子では、ガラス基板側から光を出力するような構造となっているが、電極の構成を逆にして上側に光透過導電膜を形成して、上側から光を出力するようにしてもよい。
比較例1および実施例44〜52によって作製されたEL素子の特性評価の結果を下記表16に示した。
Figure 2008174661
比較例1で示した発光材料はバンドギャップが広く、HOMO、LUMOレベルが素子構成に合っていないため、素子特性は良くない。実施例45で示したように、バンドギャップを調節することで、素子特性は向上した。また、実施例46〜52までに示したように、側鎖やエンドキャップにトリフェニルアミン、オキサジアゾール、フェニルナフタレン基などの電荷注入、輸送材料を導入し、バンドギャップ、HOMO、LUMOレベルを調節することで、素子特性はさらに向上した。
有機EL素子の基本構成図。
符号の説明
1.陰極
2.高分子発光層
3.正孔輸送層
4.ITO
5.ガラス基板

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表される成分(a)と、これと異なる一般式(2)で表される成分(b)を含有するカルバゾール系ランダム共重合体。
    Figure 2008174661
    〔式中、R1a及びR1bは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30の芳香族環式基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基又はハロゲン原子を示し、R2a及びR2bは、それぞれ独立して、置換基を有してもよい炭素数1〜30のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜30の芳香族環式基又は電荷注入・輸送基を示す。〕
  2. 更に、成分(a)及び(b)とは異なる下記一般式(3)で表される成分(c)を含有する請求項1記載のカルバゾール系ランダム共重合体。
    Figure 2008174661
    〔式中、R1cは、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30の芳香族環式基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基又はハロゲン原子を示し、R2cは、置換基を有してもよい炭素数1〜30のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜30の芳香族環式基又は電荷注入・輸送基を示す。〕
  3. 更に、成分(a)〜(c)とは異なる下記一般式(4)で表される成分(d)を含有する請求項2記載のカルバゾール系ランダム共重合体。
    Figure 2008174661
    〔式中、R1dは、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30の芳香族環式基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基又はハロゲン原子を示し、R2dは、置換基を有してもよい炭素数1〜30のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜30の芳香族環式基又は電荷注入・輸送基を示す。〕
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載のランダム共重合体を含有する発光材料。
  5. 請求項4項記載の発光材料を発光層として有する有機発光素子。
  6. 請求項5記載の発光素子を用いた有機発光装置。
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