JP2008174526A - アレルゲン不活化剤、及びそれを含有する皮膚外用剤、又はアレルゲン不活化用製品 - Google Patents

アレルゲン不活化剤、及びそれを含有する皮膚外用剤、又はアレルゲン不活化用製品 Download PDF

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Kazuhiro Suetsugu
一博 末次
Ayako Nagano
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Abstract

【課題】食用植物抽出物を有効成分とするアレルゲン不活性化剤を提供すると共にそれを配合した皮膚外用剤又はアレルゲン不活化用製品を提供すること。
【解決手段】アレルゲン不活性化効果を有するキンミズヒキ(Agrimonia pilosa var.japonica)、オトギリソウ(Hypericum erectum)、紅茶(Camellia sinensis)、サラシア(Salacia oblonga)、ブドウ(Vitis spp.)、夏枯草(Prunellae spica)、サンシュユ(Cornus officinalis)、ボケ(Chaenomeles speciosa)の植物群より選ばれた1種又は2種以上の抽出物を有効成分とするアレルゲン不活性化剤、および該抽出物を含有する皮膚外用剤、化粧料、シート、屋内用スプレー。
【選択図】なし

Description

本発明は、アレルゲンを不活性化させる食用植物抽出物に関し、それを配合する皮膚外用剤又はアレルゲン不活化用製品に関する。
現在、日本全国の花粉症の有症患者数は2,000万人以上に及ぶとも言われ、日本国民のおよそ5人に1人が花粉症と言われている。患者数増加の背景には、アレルゲンとなる花粉の飛散量の増加、住環境の変化等が考えられる。
花粉自体の飛散量が増えた背景には、戦後の日本の植林が考えられる。スギは昭和33年〜47年にかけて植えられたものが杉人工林全体の47%を占める。30年程度の時間を経て、スギが花粉を盛んに生産するようになったことで飛散量が増えたと考えられる。
飛散する花粉を避ける方法として、マスクや眼鏡の使用により直接の接触を避けるという方法があるが、接触を完全に避けることは事実上無理であり、ゆえに花粉自体の無害化が最も望ましい花粉症の解決方法であると考えられる。
従来、花粉アレルゲンを不活性化する技術が種々提案されている。例えば、花粉アレルゲン不活性化用スプレー(特許文献1参照)、花粉アレルゲンを吸着し不活性化するフィルター(特許文献2参照)、熱、アルカリ、酸又はプロテアーゼの存在下に花粉アレルゲンを維持することにより花粉アレルゲンを不活性化する方法(特許文献3,4参照)、柿抽出物を含むハウスダスト処理剤(特許文献5参照)、イチョウの葉部、黄杞の葉部、茶の葉部、レモンバームの葉部及び茎部、キャベジローズの花部及び蕾部、並びにピーナッツの渋皮等を含むアレルゲン不活化剤(特許文献6参照)等が提案されている。
また、近年、室内環境の快適化と引き換えにダニ類の繁殖が助長されており、屋内でのダニ類の繁殖に伴い、コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)、ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pteronyssinus)等のチリダニ科ヒョウヒダニ属に属するダニをアレルゲンとするアレルギー性疾患が問題となっている。これらのダニは、アレルギー性喘息、鼻炎、結膜炎、アトピー性皮膚炎等のI型アレルギー性疾患の一因と考えられている。
ダニをアレルゲンとするアレルギー性疾患の対策としては、アレルゲンであるダニを駆除して、ダニを生活環境中から排除することが考えられる。しかしながら、ダニを駆除したとしても、ダニの死骸、ダニの糞からも強力なアレルゲン物質が生活環境中に放出されるため、ダニアレルゲンを根本的に排除することができず、ダニによるアレルギー性疾患を解決することは困難である。したがって、ダニアレルゲン(ダニ、ダニの死骸及び糞等)を根本的に排除する技術が求められている。従来、ダニアレルゲンを根本的に排除する技術として、ローズマリー抽出物を含浸させた多孔性吸着剤を屋内に散布し、数時間経過後に電気掃除機により吸引する技術(特許文献7参照)等が提案されている。
特開2002−128659号公報 特開2000−5531号公報 特開2003−180865号公報 特開2004−89673号公報 特開2002−128680号公報 特開2006−143700号公報 特開平6−256128号公報
本発明は、安全性の高い食用植物から、花粉アレルゲン及び/又はダニアレルゲンを不活性化する物質を見出し、それを利用したアレルゲン不活性化剤を提供し、それを配合した皮膚外用剤又はアレルゲン不活化用製品を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、発明者は鋭意検討の結果、キンミズヒキ(Agrimonia pilosa var. japonica)、オトギリソウ(Hypericum erectum)、紅茶(Camellia Sinensis)、サラシア(Salacia oblonga)、ブドウ(Vitis spp.)、夏枯草(Prunellae Spica)、サンシュユ(Cornus officinalis)、ボケ(Chaenomeles speciosa)にアレルゲン不活性化効果を有することを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、上記植物群より選ばれた1種又は2種以上の抽出物を有効成分として含有することにより、花粉アレルゲン及び/又はダニアレルゲンをアレルゲンとするアレルゲン不活性化剤の提供を可能とした。
本発明のアレルゲン不活性化剤は、花粉アレルゲン及び/又はダニアレルゲンを不活性化することにより、花粉アレルゲン及び/又はダニアレルゲンにより引き起こされる花粉症や喘息やアトピ―性皮膚炎といったアレルギー症状の原因を予防、治療又は改善することが可能である。
本発明に使用する「キンミズヒキ(Agrimonia pilosa
var. japonica)」は、バラ科ミズヒキ属の植物で、夏に黄花の小花を細長く穂のように咲かせる姿から「金色の水引」に見たてこの名前がついた。全草のエキスは、血小板増加による血液凝固促進と止血作用があるので、強壮収斂(しゅうれん)止血剤とされていて、喀血(かっけつ)、血便、子宮出血などの止血に用いる。また、抗菌、消炎、鎮痛作用もあり、健胃、下痢止めにも応用される。
本発明に使用する「オトギリソウ(Hypericum erectum)」は、オトギリソウ科オトギリソウ属 の多年生植物で、日本全土から朝鮮半島、中国大陸の草地や山野に自生する。高さ20cm〜60cmにまで生育し、夏に2cm程の黄色い花を咲かせる。また、オトギリソウにはタンニンが多く含まれており、全草を乾燥させたものを小連翹(しょうれんぎょう)と称して生薬として用いる。
本発明に使用する「紅茶(Camellia Sinensis)」は、摘み取った茶の葉と芽を乾燥させ、もみ込んで完全発酵させた茶葉である。なお、ここでいう発酵とは微生物による発酵ではなく、茶の葉に最初から含まれている酸化酵素による酸化発酵である。
本発明に使用する「サラシア(Salacia oblonga)」は、ニシキザ科サラシア属の植物で、インドやスリランカの熱帯地方に自生し、サラシアは、5000年も前からインドに伝えられている伝承医学「アーユルヴェーダ」の記録では、マハラジャ (王侯貴族)のダイエット薬として使用したとされる。サラシアには、血糖値の上昇を抑える有効成分サラシノールという成分が豊富に含まれる。
本発明に使用する「ブドウ(Vitis spp.)」は、ブドウ科の蔓(つる)性植物である。葉は両側に切れ込みのある15〜20cmほどの大きさで、穂状の花をつける。果実は緑または濃紫で、内部は淡緑であり、房状に生る。大きさは2〜8cm程度の物が一般的である。
本発明に使用する「夏枯草(Prunellae Spica)」は、シソ科ウツボグサ属の多年草で、日本各地の山野の道端や草地に生える。漢方では花穂を乾燥したものを薬用にする。
本発明に使用する「サンシュユ(Cornus officinalis)」は、ミズキ科のサンシュユの果肉である。サンシュユは中国原産の落葉低木で、わが国でも庭木として親しまれている。完熟の少し手前の頃に摘み取り、種子をとり除き、弱火であぶり、日干して作られる。
本発明に使用する「ボケ(Chaenomeles speciosa)」とは、バラ科のボケの果実である。漢方では、木瓜(モッカ)と呼ばれ,鎮痙、鎮咳、利尿薬に使用される。
以下、本発明について説明する。
本発明のアレルゲン不活性化剤は、キンミズヒキ(Agrimonia pilosa var. japonica)、オトギリソウ(Hypericum erectum)、紅茶(Camellia Sinensis)、サラシア(Salacia oblonga)、ブドウ(Vitis spp.)、夏枯草(Prunellae Spica)、サンシュユ(Cornus officinalis)、ボケ(Chaenomeles speciosa)からなる群より選ばれた1種又は2種以上の植物からの抽出物を有効成分として含有する。
本発明において「抽出物」には、キンミズヒキ(Agrimonia pilosa var. japonica)、オトギリソウ(Hypericum erectum)、紅茶(Camellia Sinensis)、サラシア(Salacia oblonga)、ブドウ(Vitis spp.)、夏枯草(Prunellae Spica)、サンシュユ(Cornus officinalis)、ボケ(Chaenomeles speciosa)からなる群それぞれの植物の全草又はそれらの葉、蔓、樹皮、幹、茎、根、果実、種子、地上部及び花のうち1又は2以上の箇所を乾燥し、又は乾燥することなく粉砕した後、低温又は室温ないし加温下に溶媒により抽出するか、又はソックスレー抽出器などの抽出器具を用いて抽出することにより得られる各種溶媒抽出液、その希釈液、その濃縮液、あるいはその乾燥末を意味するものである。抽出材料となる各植物の部位は特に限定されるものではない。
本発明において使用する抽出原料である植物は、キンミズヒキ(Agrimonia pilosa var. japonica)、オトギリソウ(Hypericum erectum)、紅茶(Camellia Sinensis)、サラシア(Salacia oblonga)、ブドウ(Vitis spp.)、夏枯草(Prunellae Spica)、サンシュユ(Cornus officinalis)、ボケ(Chaenomeles speciosa)である。
上記の抽出溶媒としては、例えば水、メタノール、エタノールなどの低級1価アルコール、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の液状多価アルコール、含水アルコール類等の1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましい抽出方法の例としては、含水濃度20〜80容量%のエタノール又は1,3−ブチレングリコールを用い、室温にて1〜5日間抽出又は60℃で3〜8時間抽出を行ったのち、濾過する方法が挙げられる。
本発明のアレルゲン不活性化剤は、植物抽出物が有する花粉アレルゲン不活性化作用を通じて、I型アレルギー性疾患を引き起こす花粉アレルゲンを不活性化し、スギ花粉等の花粉アレルゲンにより引き起こされる花粉症を予防、治療又は改善することができるとともに、植物抽出物が有するダニアレルゲン不活性化作用を通じて、I型アレルギー性疾患を引き起こすダニアレルゲンを不活性化し、ダニアレルゲンにより引き起こされるアレルギー性喘息、鼻炎、結膜炎、アトピー性皮膚炎等のI型アレルギー性疾患を予防、治療又は改善することができる。
花粉アレルゲンは、I型アレルギー性疾患を引き起こす作用を有する花粉であれば特に限定されるものではなく、例えば、スギ花粉、ヒノキ花粉、ブタクサ花粉、カモガヤ花粉等が挙げられ、本発明の花粉アレルゲン不活性化剤は、特にスギ花粉に対して有効である。また、ダニアレルゲンは、I型アレルギー性疾患を引き起こす作用を有するダニ等であれば特に限定されるものではなく、例えば、コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)、ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pteronyssinus)等のチリダニ科ヒョウヒダニ属に属するダニ、これらのダニの糞及び死骸等が挙げられる。
本発明の皮膚外用剤、家屋用スプレー、フィルター類等におけるキンミズヒキ(Agrimonia pilosa var. japonica)、オトギリソウ(Hypericum erectum)、紅茶(Camellia Sinensis)、サラシア(Salacia oblonga)、ブドウ(Vitis spp.)、夏枯草(Prunellae Spica)、サンシュユ(Cornus officinalis)、ボケ(Chaenomeles speciosa)の各抽出物の配合量は特に限定されるものではないが、乾燥固形物重量(複数の抽出物を含む場合はその合計量)で、総量を基準として0.001〜20.0重量%が好ましく、特に、0.01〜5.0重量%であることがより好ましい。配合量が0.001重量%未満であると、本発明の効果が充分に得られない場合があり、一方20.0重量%を超えても、その増量に見合った効果の向上は認められない場合がある。
本発明の皮膚外用剤及び家屋用スプレーは上記必須成分のほか、水性成分、油性成分、植物抽出物、動物抽出物、粉末、賦形剤、界面活性剤、油剤、アルコール、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤、増粘剤、色素、香料等を必要に応じて混合して適宜配合することにより調製される。本発明の化粧料、皮膚外用剤の剤型は特に限定されず、化粧水、乳液、クリーム、パック、パウダー、スプレー、軟膏、分散液、洗浄料、および液体状等種々の剤型とすることができるが、ここに挙げた例に限定されるものではない。また、家屋用スプレーは、家具や衣服等屋内設置物に飛散塗布させて使用するスプレーを指し、シ−トは処方例10に示す成分及び製法等にて作成される有効成分を含浸させた家具や床等を覆うシート状のものを指す。
(製造例1)
キンミズヒキ、オトギリソウ、紅茶、サラシア、ブドウ、夏枯草、サンシュユ、ボケの葉を乾燥させる。この乾燥物10重量部に水または50%(v/v)エタノール水溶液150重量部を加え、水の場合は60℃で3時間抽出し、濾過して、溶媒を留去し、抽出物を得た。これらを試料として試験例1の方法により、スギ花粉アレルゲン不活化作用を測定し、その結果を表1に示した。また、試験例2の方法によりダニアレルゲン不活化作用を測定し、その結果を表2に示した。
(試験方法及び評価方法)
〔試験例1〕スギ花粉アレルゲン不活性化試験
(1)スギ花粉アレルゲン不活性化反応
1%DMSOを含む0.1%ウシ血清アルブミン含有PBS溶液に、試料1〜8をそれぞれ表1に示す濃度で溶解し、各試料溶液を調製した。各試料溶液をそれぞれ100μLずつ96wellマイクロプレートに添加し、0.1%ウシ血清アルブミン含有PBS溶液にスギ花粉アレルゲン(製品名:精製花粉抗原Cry j 1,生化学工業社製)を溶解した2ng/mLのスギ花粉アレルゲン溶液を1wellあたり100μLずつ添加し、室温で2時間振とうした。また、対照として、試料を添加していない1%DMSOを含む0.1%ウシ血清アルブミン含有PBS溶液に花粉アレルゲン溶液を添加した溶液についても同様に振とうした。振とう後、マイクロプレートの各wellからスギ花粉アレルゲン溶液を100μLずつ採取し、当該溶液中に存在するスギ花粉アレルゲン濃度(ng/mL)を下記に示すサンドイッチELISA法により測定した。
(2)スギ花粉アレルゲン濃度の定量(サンドイッチELISA法)
10μg/mLのコーティング溶液(製品名:抗Cry j 1モノクローナル抗体013,生化学工業社製)100μLをELISAプレートの各wellに添加し、室温で2時間静置した。その後、コーティング溶液を除去し、0.1%ウシ血清アルブミン含有PBS溶液を250μL添加し、4℃で一晩静置した。一晩静置後、0.1%ウシ血清アルブミン含有PBS溶液を除去し、2時間振とうさせた上記スギ花粉アレルゲン溶液100μLを添加して、室温で2時間振とうした。
スタンダードとして、スギ花粉アレルゲン(製品名:精製花粉抗原Cry j 1,生化学工業社製)を0.1%ウシ血清アルブミン含有PBS溶液に溶解し、4ng/mL、2ng/mL、1ng/mL、0.5ng/mL、0.25ng/mLの検量線用標準溶液を調製した。各濃度の検量線用標準溶液100μLをELISAプレートに添加して、室温で2時間振とうした。振とう後、ELISAプレートを、0.05%Tween20を含むPBS溶液300μLで3度洗浄後、1000倍に希釈したスギ花粉アレルゲンモノクローナル抗体(製品名:西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗Cry j 1モノクローナル抗体053,生化学工業社製)を100μL添加して、室温で2時間振とうした。そして、ELISAプレートを、0.05%Tween20を含むPBS溶液300μLで3度洗浄後、0.5mg/mLの基質溶液100μLを添加して室温で発色させ、3〜5分間反応させた後に2N 硫酸を100μL加えて反応を停止させ、20分以内にマイクロプレートリーダーにより490nmの吸光度を測定した。
検量線用標準溶液の吸光度から得られる検量線を用いて、試料添加スギ花粉アレルゲン溶液中のスギ花粉アレルゲン濃度及び試料無添加スギ花粉アレルゲン溶液中のスギ花粉アレルゲン濃度を定量した。当該定量結果を用いて、下記の式に基づき、スギ花粉アレルゲン不活性化率(%)を算出した。
検量線用標準溶液の吸光度から得られる検量線を用いて、試料添加スギ花粉アレルゲン溶液中のスギ花粉アレルゲン濃度及び試料無添加スギ花粉アレルゲン溶液中のスギ花粉アレルゲン濃度を定量した。当該定量結果を用いて、下記の式に基づき、スギ花粉アレルゲン不活性化率(%)を算出した。
スギ花粉アレルゲン不活性化率(%)=(B−A)/B×100
ただし、式中、Aは「試料添加スギ花粉アレルゲン溶液中のスギ花粉アレルゲン濃度(ng/mL)」を表し、Bは「試料無添加スギ花粉アレルゲン溶液中のスギ花粉アレルゲン濃度(ng/mL)」を表す。
表1に植物抽出物の花粉アレルゲン不活化作用を示す。
Figure 2008174526
キンミズヒキ(Agrimonia pilosa var. japonica)、オトギリソウ(Hypericum erectum)、紅茶(Camellia Sinensis)、サラシア(Salacia oblonga)、ブドウ(Vitis spp.)、夏枯草(Prunellae Spica)、サンシュユ(Cornus officinalis)、ボケ(Chaenomeles speciosa)の抽出物は、アレルゲン不活化が強いとされるタンニン酸と同程度であり、特許文献3にあるイチョウ葉と比較するとその作用は強いことを確認した。
〔試験例2〕ダニアレルゲン不活性化試験
T−PBS溶液に試料を各濃度で溶解して調整後、35μLずつ96wellマイクロプレートに添加する。T−PBS溶液に抗原(精製ダニ抗原Der f II )を溶解した400ng/mLの抗原溶液を上記マイクロプレートに35μLずつ添加し、室温で2時間振とうする。また、対照として、試料を添加していない1%DMSOを含む0.1%ウシ血清アルブミン含有PBS溶液に花粉アレルゲン溶液を添加した溶液についても同様に振とうした。また、対照として、試料を添加していない1%DMSOを含む0.1%ウシ血清アルブミン含有PBS溶液に花粉アレルゲン溶液を添加した溶液についても同様に振とうした。振とう後、マイクロプレートの各wellからダニアレルゲン溶液を50μLずつ採取し、当該溶液中に存在するスギ花粉アレルゲン濃度(ng/mL)を下記に示すサンドイッチELISA法により測定した。
(2)ダニアレルゲン濃度の定量(サンドイッチELISA法)
2μg/mLのコーティング溶液(製品名:抗Derf IIモノクローナル抗体15E11,生化学工業社製)50μLをELISAプレートの各wellに添加し、室温で2時間静置した。その後、コーティング溶液を除去し、1%ウシ血清アルブミン含有PBS溶液を200μL添加し、室温で1時間放置した。一時間静置後、0.05%Tween20含有PBS300μLで各wellを3回洗浄、標準溶液、検液を50μLずつ添加し、室温で2時間静置した。
0.05%
Tween 20含有PBS
300μLで各wellを3回洗浄、800倍に希釈した西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗Der f IIモノクローナル抗体13A4pを50μL添加し、室温で2時間静置した。
0.05%
Tween 20含有PBS
300μLで各wellを3回洗浄後、基質溶液を1wellに100μLずつ加え、15分程度静置した後、2N
硫酸を1wellにつき100μLずつ加え、酵素反応を停止した。硫酸添加後30分以内にプレートリーダーでA490−650の吸光度を測定した。
検量線用標準溶液の吸光度から得られる検量線を用いて、試料添加ダニアレルゲン溶液中のダニアレルゲン濃度及び試料無添加ダニアレルゲン溶液中のダニアレルゲン濃度を定量した。当該定量結果を用いて、下記の式に基づき、ダニアレルゲン不活性化率(%)を算出した。
ダニアレルゲン不活性化率(%)=(B−A)/B×100
式中、Aは「試料添加ダニアレルゲン溶液中のダニアレルゲン濃度(ng/mL)」を表し、Bは「試料無添加ダニアレルゲン溶液中のダニアレルゲン濃度(ng/mL)」を表す。
上記試験の結果を表2に示す。
表2に植物抽出物のダニアレルゲン不活化作用を示す。
Figure 2008174526
キンミズヒキ(Agrimonia pilosa var. japonica)、オトギリソウ(Hypericum erectum)、紅茶(Camellia Sinensis)、サラシア(Salacia oblonga)、ブドウ(Vitis spp.)、サンシュユ(Cornus officinalis)、ボケ(Chaenomeles speciosa)の抽出物は、アレルゲン不活化が強いとされるタンニン酸と同程度であり、特許文献3にあるイチョウ葉と比較するとその作用は強いことを確認した。
以下に本発明の処方例を挙げる。なお、処方例10(シート)以外の製法は常法による。
<処方例1>化粧水1
(成分名) (質量%)
キンミズヒキ水抽出物 0.001
グリセリン 5.0
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.0) 1.5
エタノール 8.0
クエン酸トリエチル 2.0
防腐剤・酸化防止剤 適量
精製水 残部
<処方例2>化粧水2
(成分名) (質量%)
ボケ水抽出物 0.01
グリセリン 5.0
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.0) 1.5
エタノール 8.0
クエン酸トリエチル 2.0
防腐剤・酸化防止剤 適量
精製水 残部
<処方例3>化粧用クリーム1
(成分名) (質量%)
キンミズヒキエタノール抽出物 0.1
ミツロウ 2.0
ステアリルアルコール 5.0
ステアリン酸 8.0
スクワラン 10.0
自己乳化型グリセリルモノステアレート 3.0
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.0) 1.0
グリセリン 5.0
水酸化カリウム 0.3
香料 適量
防腐剤・酸化防止剤 適量
精製水 残部
<処方例4>化粧用クリーム2
(成分名) (質量%)
サンシュユエタノール抽出液 1.0
ミツロウ 2.0
ステアリルアルコール 5.0
ステアリン酸 8.0
スクワラン 10.0
自己乳化型グリセリルモノステアレート 3.0
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.0) 1.0
グリセリン 5.0
水酸化カリウム 0.3
香料 適量
防腐剤・酸化防止剤 適量
精製水 残部
<処方例5>乳液1
(成分名) (質量%)
サラシア水抽出物 5.0
スクワラン 8.0
ワセリン 2.0
ミツロウ 0.5
ソルビタンセスキオレエート 0.8
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.0) 1.2
カルボキシビニルポリマー 0.2
グリセリン 1.5
水酸化カリウム 0.1
エタノール 7.0
香料 適量
防腐剤・酸化防止剤 適量
精製水 残部
<処方例6>乳液2
(成分名) (質量%)
夏枯草エタノール抽出物 0.5
スクワラン 8.0
ワセリン 2.0
ミツロウ 0.5
ソルビタンセスキオレエート 0.8
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.0) 1.2
カルボキシビニルポリマー 0.2
グリセリン 1.5
水酸化カリウム 0.1
エタノール 7.0
香料 適量
防腐剤・酸化防止剤 適量
精製水 残部
<処方例7>軟膏
(成分名) (質量%)
紅茶水抽出物 0.1
ブドウ葉水抽出物 1.0
酢酸トコフェロール 0.5
パラジメチルアミノ安息香酸オクチル 4.0
ブチルメトキシベンゾイルメタン 4.0
ステアリルアルコール 18.0
モクロウ 20.0
グリセリンモノステアリン酸エステル 0.3
ワセリン 33.0
香料 適量
防腐剤・酸化防止剤 適量
精製水 残部
<処方例8>家屋用スプレー1
サンシュユ水抽出物 10.0
タンニン酸 0.1
1,3−ブチレングリコール 5.0
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.0) 1.5
エタノール 15.0
防腐剤・酸化防止剤 適量
精製水 残部
<処方例9>家屋用スプレー2
ボケエタノール抽出物 20.0
タンニン酸 0.1
1,3−ブチレングリコール 5.0
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.0) 1.5
エタノール 15.0
防腐剤・酸化防止剤 適量
精製水 残部
<処方例10>シート1
キンミズヒキ抽出物 15.0
タンニン酸 0.1
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.0) 1.5
エタノール 15.0
防腐剤・酸化防止剤 適量
精製水 残部
(製法)
1.常法にて上記処方より溶液を調製する。
2.調製した1の溶液に不織布やガーゼ等を1時間浸漬し、その後取り出し、乾燥させ、シートとする。
本発明のキンミズヒキ(Agrimonia pilosa var. japonica)、オトギリソウ(Hypericum erectum)、紅茶(Camellia Sinensis)、サラシア(Salacia oblonga)、ブドウ(Vitis spp.)、夏枯草(Prunellae Spica)、サンシュユ(Cornus officinalis)、ボケ(Chaenomeles speciosa)からなる群より選ばれた1種又は2種以上の抽出物を有効成分として含有するアレルゲン不活化用製品は、安全生が高く、皮膚外用剤に配合することにより、アレルゲンによる痒みや炎症を防ぎ、アレルギーの原因となるアレルゲンを直接捕捉し、花粉症や喘息やアトピ―性皮膚炎といったアレルギー症状の原因を予防、治療又は改善することが可能となるため、広く皮膚外用剤や家庭用製品に応用が期待できる。

Claims (5)

  1. キンミズヒキ(Agrimonia pilosa var. japonica)、オトギリソウ(Hypericum erectum)、紅茶(Camellia Sinensis)、サラシア(Salacia oblonga)、ブドウ(Vitis spp.)、夏枯草(Prunellae Spica)、サンシュユ(Cornus officinalis)、ボケ(Chaenomeles speciosa)からなる群より選ばれた1種又は2種以上の抽出物を有効成分として含有することを特徴とするアレルゲン不活性化剤。
  2. アレルゲンが、花粉アレルゲン及び/又はダニアレルゲンであることを特徴とする請求項1に記載のアレルゲン不活性化剤。
  3. 請求項1記載のアレルゲン不活性化剤の1種又は2種以上を配合することを特徴とする皮膚外用剤。
  4. 請求項1記載のアレルゲン不活化剤の1種又は2種以上を配合することを特徴とするアレルゲン不活化用スプレー。
  5. アレルゲン不活化剤の1種又は2種以上を配合することを特徴とするアレルゲン不活化用シート。
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