JP2008173923A - 積層発泡シートとその製造方法及び青果用トレー - Google Patents

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Abstract

【課題】成形品の保管時の融着を防止でき、成形品の強度にも優れる積層発泡シート及び積層発泡シート成形品の提供。
【解決手段】ポリスチレン系樹脂(a)、密度0.87〜0.92g/cmのポリエチレン系樹脂(b)及びスチレンと共役ジエンとの共重合体またはその水素添加物(c)を含む樹脂組成物(i)の押出発泡層であって、スチレンと共役ジエンとの共重合体またはその水素添加物(c)が、デュロメータタイプA硬度の値HDAが90以下であり、押出発泡層の密度が0.03〜0.2g/cmである第一発泡層と、ポリスチレン系樹脂発泡層とが積層されてなる積層発泡シートであって、積層発泡シートの加熱変形値が押出方向で90〜103、押出方向と垂直な方向で97〜117である積層発泡シート。
【選択図】 図1

Description

本発明は、特に緩衝材料として優れた緩衝性を有する積層発泡シートとその製造方法、そのシートを熱成形して得られた青果用トレーに関する。
従来、ポリスチレン系樹脂発泡シート、架橋ポリエチレン樹脂発泡シート、ポリプロピレン系樹脂発泡シートなどの熱可塑性樹脂発泡シートを熱形成し、りんご、梨、桃、トマトなど青果物の緩衝包装用に複数の収納用凹部を有する成形品トレー、あるいはパルプモールドによるトレー成形品が使用されてる。これらのトレーには、それぞれ収納する青果の種類や収納形態などによって長所、短所があるため、適宜に使い分けられている。例えば、ポリスチレン系樹脂発泡シートからなるトレーは、ある程度重さがあって表面の硬い梨の収納に多く使用され、また、架橋ポリエチレン樹脂発泡シートからなるトレーは、表面が柔らかく傷つきやすい桃の収納に使用される。さらにパルプモールドによるトレーは、りんごやトマトの収納に使用される。このように、青果用トレーとしては多種多様なものが必要である。
一方、このように多種多様なトレーを青果物の種類に応じて使い分ける場合、青果物の収穫時期よりも早い段階で、必要数量を見越して在庫を持たなければならないため、青果物の収穫量が予想よりも少なかった場合や、多くなった場合、異なる素材のトレーを融通し合うことが困難であった。さらに、ポリスチレン系樹脂発泡シートからなる青果用トレーは、その樹脂特性から耐衝撃性が低く、割れやすいという問題がある。また、ポリプロピレン系樹脂発泡シートからなる青果用トレーは、特定のポリプロピレン系樹脂を使用しなければ目的に合う発泡シートを得ることが難しく、その樹脂が高価であるために安価な青果用トレーを供給し難い問題がある。さらに架橋ポリエチレン樹脂発泡シートからなる青果用トレーは、架橋構造を有するために、リサイクルが困難であるという問題があり、また製造工程も複雑で、コストがかさむなどの問題がある。また、パルプモールドからなるトレーは、吸水時に強度が著しく低下する問題がある。
そこで青果用トレーの素材を統一し、それぞれの素材の持つ問題を解決し得る青果用トレーの開発が進められている。ポリスチレン系樹脂発泡シートは、リサイクルやコストの面で優れているため、この種のトレー素材として好ましく、青果用トレーの開発はポリスチレン系樹脂発泡シートの持つ問題を改善することに向けられており、例えば、通常のポリスチレンの衝撃性を改善するために、ゴム変性した耐衝撃性ポリスチレンの使用が試みられている。しかし、耐衝撃性ポリスチレンのみによる発泡体の柔軟性向上効果はそれほど大きいものではなく、耐衝撃性ポリスチレン成分が多くなると、発泡性や成形性の低下といった問題も生じるため、幅広い品種での青果用トレーとしては不十分である。
より高性能なポリスチレン系樹脂発泡シート及びその成型品を提供するため、これまでに種々の技術が提案されている。例えば、ポリスチレン系樹脂とエチレン−スチレン共重合体との混合樹脂の発泡シートから成形された青果用トレーが提案されている(特許文献1参照。)。
また、ポリスチレン系樹脂と、エチレン−スチレン共重合体と、ポリエチレン系樹脂との混合樹脂の発泡シートから成形された青果用トレーが提案されている(特許文献2参照。)。
更に、前記発泡シートの融着性の問題を改善したポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂及び特定の硬さのスチレンと共役ジエンとの共重合体またはその水素を含む樹脂組成物から得られた特定の硬さの押出発泡層が提案されている(特許文献3参照)。
特開2000−226020号公報 特開2001−151220号公報 特開2004−238413号公報
しかしながら、特許文献1〜3に開示された従来技術には、次のような問題がある。
特許文献1及び2に開示された青果用トレーは、柔軟性、緩衝性に優れるものの、エチレン−スチレン共重合体を含んでいるために耐熱性が低くなり、青果用トレー保管時に高温状態にさらされると、重ねてあったトレー同士が融着して剥離し難くなる問題がある。
特許文献3に開示された青果用トレーは、特許文献1及び2に開示された青果用トレーに比べ、トレーの融着に対して改善効果が見られるものの、スチレン樹脂に比べるとガラス転移温度の低い樹脂を含んでいるために、保管状態によっては青果用トレー同士が融着する場合があり、完全に課題を克服するには至らなかった。
さらに、特許文献1〜3に開示されたいずれの青果用トレーについても、表面の緩衝性に優れているものの、重い果実を収納するための青果用トレーとしては強度の面で不足していた。
本発明は、前記事情に鑑みてなされ、成形品の保管時の融着を防止でき、成形品の強度にも優れる積層発泡シートとその製造方法及び青果用トレーの提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、ポリスチレン系樹脂(a)、密度0.87〜0.92g/cmのポリエチレン系樹脂(b)及びスチレンと共役ジエンとの共重合体またはその水素添加物(c)を含む樹脂組成物(i)の押出発泡層であって、スチレンと共役ジエンとの共重合体またはその水素添加物(c)が、デュロメータタイプA硬度の値HDAが90以下であり、押出発泡層の密度が0.03〜0.2g/cmである第一発泡層と、ポリスチレン系樹脂発泡層とが積層されてなる積層発泡シートであって、該積層発泡シートの加熱変形値が押出方向で90〜103であり、押出方向と垂直な方向で97〜117であることを特徴とする積層発泡シートを提供する。
本発明の積層発泡シートにおいて、樹脂組成物(i)が、ポリスチレン系樹脂(a)50〜90質量%、ポリエチレン系樹脂(b)3〜20質量%、スチレンと共役ジエンとの共重合体またはその水素添加物(c)3〜47質量%(ただし、ポリエチレン系樹脂(b)+スチレンと共役ジエンとの共重合体またはその水素添加物(c)=10〜50質量%の範囲である)の組成を有することが好ましい。
本発明の積層発泡シートにおいて、積層シートの厚みが1.0mm〜5.0mmの範囲であり、坪量が80〜400g/mの範囲であり、且つ前記第一発泡層とポリスチレン系樹脂発泡層との厚み比率が10:1〜1:2の範囲であることが好ましい。
また本発明は、前記本発明に係る積層発泡シートを熱成形して得られた青果用トレーを提供する。
また本発明は、前記第一発泡層と前記ポリスチレン系樹脂発泡層とを共押出により製造して前記本発明に係る積層発泡シートを得ることを特徴とする積層発泡シートの製造方法を提供する。
本発明によれば、発泡シート及びその成形品の柔軟性が高く、さらに発泡シート及び成形品同士の剥離性を改善でき、耐候性も十分に兼ね備え、幅広い品種に対応できる柔軟性、緩衝性及び強度の高い積層発泡シート及び青果用トレーを提供できる。
図1は、本発明の積層発泡シートの一実施形態を示す概略断面図である。本実施形態の積層発泡シート1は、ポリスチレン系樹脂(a)、密度0.87〜0.92g/cmのポリエチレン系樹脂(b)及びスチレンと共役ジエンとの共重合体またはその水素添加物(c)を含む樹脂組成物(i)の押出発泡層であって、スチレンと共役ジエンとの共重合体またはその水素添加物(c)が、デュロメータタイプA硬度の値HDAが90以下であり、押出発泡層の密度が0.03〜0.2g/cmである第一発泡層2と、ポリスチレン系樹脂発泡層3(以下、PSP層と記す。)とが積層された構造になっており、該積層発泡シート1の加熱変形値が、押出方向(以下、MD方向と記す。)で90〜103の範囲であり、MD方向と直交する方向(以下、TD方向と記す。)で97〜117の範囲であることを特徴としている。
図1に示す本実施形態の積層発泡シート1は、それぞれ1層の第一発泡層2とPSP層3とが積層された構造を例示しているが、本発明の積層発泡シート1は、本実施形態にのみ限定されるものではなく、積層発泡シートの表面に非発泡樹脂フィルムを積層して積層発泡シートを構成することもできる。
[第一発泡層]
本発明の積層発泡シート1における第一発泡層2は、ポリスチレン系樹脂(a)、密度0.87〜0.92g/cmのポリエチレン系樹脂(b)及びスチレンと共役ジエンとの共重合体またはその水素添加物(c)を含む樹脂組成物(i)の押出発泡層であって、スチレンと共役ジエンとの共重合体またはその水素添加物(c)が、デュロメータタイプA硬度の値HDAが90以下であり、押出発泡層の密度が0.03〜0.2g/cmであることを特徴としている。
この第一発泡層2に用いられるポリスチレン系樹脂(a)は、ポリスチレン樹脂またはポリスチレン樹脂を主成分とするポリスチレン系樹脂混合物が用いられ、特にポリスチレンホモポリマー単体であるか、あるいはポリスチレンホモポリマー50〜90質量%と耐衝撃性ポリスチレンまたはスチレン−アクリル酸エステル共重合体10〜50質量%とからなる樹脂であることが好ましい。ポリスチレンホモポリマーに耐衝撃性ポリスチレンを加えると、柔軟性向上に効果があるが、耐衝撃性ポリスチレンの配合量が高くなると、発泡剤ガスの保持性が低下して成形性が悪くなったり、樹脂中に含まれるゴム成分のために耐候性が低下し、成形品を長期保管しておいた場合などに、柔軟性の低下、成形品の割れ欠けなどの問題が発生しやすくなる。このため、耐衝撃性ポリスチレンの配合量はポリスチレン系樹脂(a)全体の50質量%以下とするのが好ましく、40質量%以下とするのがより好ましく、30質量%以下とするのがさらに好ましい。
スチレン−アクリル酸エステル共重合体としては、スチレンモノマーとアクリル酸エステルとの共重合体が挙げられ、このアクリル酸エステルとしては、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどのアクリル酸と炭素数が1〜10のアルコールとのエステルが好ましい。このような共重合体は、スチレン−アクリル酸ブチルが柔軟性向上効果の上で好ましい。本発明で使用するスチレン−アクリル酸エステル共重合体中の、アクリル酸エステル含有量は1〜40質量%、好ましくは1〜30質量%である。スチレン−アクリル酸エステル共重合体は、アクリル酸エステルの含有量に応じて、樹脂の耐熱性が低下するため、原料としてスチレン−アクリル酸エステル共重合体を多量に配合すると、積層発泡シート1の耐熱性が低下しすぎる場合があり、その場合、積層発泡シート1同士の融着性の問題や、成形品の熱変形等の問題が生じやすくなる。そのため、総じてスチレン−アクリル酸エステル共重合体を配合する場合、その配合量は、ポリスチレン系樹脂(a)全体の50質量%以下とするのが好ましく、40質量%以下とするのがより好ましく、30質量%以下とするのがさらに好ましい。
この第一発泡層2に用いられるポリエチレン系樹脂(b)は、密度0.87〜0.92g/cmのポリエチレン系樹脂である。ポリエチレン系樹脂(b)の密度が0.87g/cmより低いと柔軟性向上効果に比べ、融着性の問題が大きくなるために好ましくない。密度が0.92g/cmを超えるようなポリエチレン系樹脂では、エチレン−酢酸ビニル共重合体などを除き、柔軟性向上効果が小さく、多量に配合しなくてはならなくなり、好ましくない。本発明で使用するポリエチレン系樹脂(b)の密度は、0.88〜0.92g/cmの範囲が好ましく、0.88〜0.91g/cmの範囲がより好ましい。本発明において好ましいポリエチレン系樹脂としては、例えば低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等、またはその他エチレンと共重合可能なビニル系モノマーと、エチレンとの共重合体が挙げられる。これらの内、エチレン−酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニル含有量が増えると柔軟性向上効果が高くなり、樹脂密度も上昇する。酢酸ビニル含有量が15質量%を超えるような樹脂は、柔軟性向上効果は高いが、臭気の問題や融着性の問題が生じやすくなり好ましくない。そのためエチレン−酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニル含有量が15質量%以下のものが好ましい。
この第一発泡層2に用いられる、スチレンと共役ジエンとの共重合体またはその水素添加物(c)は、デュロメータタイプA硬度の値HDAが90以下である。共重合体の種類としては、ブロック共重合体でもランダム共重合体でもよい。共役ジエンとしては、例えばブタジエン、イソプレン、2−エチルブタジエンなどの炭素数4〜10の共役ジエンが挙げられる。好ましいスチレン−共役ジエン共重合体またはその水素添加共重合体としては、スチレン−イソプレンブロック共重合体またはその水素添加物、スチレン−ブタジエンブロック共重合体またはその水素添加物である。これら共重合体の完全飽和型構造は、例えばスチレン−エチレン・ブチレン共重合体、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン・プロピレン共重合体、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体などである。また、積層発泡シート1及びその成形品の耐候性の悪化を防ぐためには、前記共重合体のうちでも特に水素添加され、分子鎖内にある二重結合の数がより少ない共重合体が好ましい。本発明の積層発泡シート1にあっては、前記スチレンと共役ジエンとの共重合体またはその水素添加物の1種単独でも、2種以上を混合しても良い。
さらに本発明においては、スチレンと共役ジエンとの共重合体またはその水素添加物(c)はデュロメータタイプA硬度の値HDAが90以下、好ましくは20〜80、より好ましくは20〜70の範囲のものを使用する。HDAの値が90より高いものは、柔軟性向上効果が小さく、第一発泡層2の柔軟性を満足させるためには多量に配合しなければならず、発泡性や融着性の問題が生じたり、コストが上昇するので好ましくない。HDAが20未満のものは、樹脂粘度が下がりすぎて発泡性が低下したり、発泡体の耐熱性が低下する可能性がある。
この第一発泡層2は、前記ポリスチレン系樹脂(a)と、ポリエチレン系樹脂(b)と、スチレンと共役ジエンとの共重合体またはその水素添加物(c)とを含む樹脂組成物(i)と、発泡剤(ii)とを混合した原料樹脂を押出発泡して得られ、前記樹脂組成物(i)は、ポリスチレン系樹脂(a)50〜90質量%、ポリエチレン系樹脂(b)3〜20質量%、スチレンと共役ジエンとの共重合体またはその水素添加物(c)3〜47質量%(ただし、ポリエチレン系樹脂(b)+スチレンと共役ジエンとの共重合体またはその水素添加物(c)=10〜50質量%の範囲である)の組成を有することが好ましい。
この樹脂組成物(i)中のポリエチレン系樹脂(b)の配合量は、3〜20質量%の範囲であり、4〜20質量%の範囲とするのが好ましく、4〜15質量%の範囲とするのがさらに好ましい。ポリエチレン系樹脂(b)の配合量が3質量%以下である場合、ポリエチレン系樹脂(b)による柔軟性向上効果が不十分となり、青果用トレー等の積層発泡シート成形品の柔軟性が不足する場合がある。一方ポリエチレン系樹脂(b)の配合量が20質量%を超えると、積層発泡シート内に残っている発泡剤ガスの大気中への逸散が早くなり、そのために熱成形時の二次発泡性が悪くなり、結果として成形性が悪くなるので好ましくない。
この樹脂組成物(i)中のスチレンと共役ジエンとの共重合体またはその水素添加物(c)の配合量は、3〜47質量%の範囲であり、5〜35質量%の範囲が好ましく、5〜25質量%の範囲がより好ましい。スチレンと共役ジエンとの共重合体またはその水素添加物(c)の配合量が3質量%より少ないと、ポリスチレン系樹脂(a)とポリエチレン系樹脂(b)との相溶性が低下し、またスチレンと共役ジエンとの共重合体またはその水素添加物(c)による柔軟性向上効果も小さくなり、好ましくない。一方、スチレンと共役ジエンとの共重合体またはその水素添加物(c)の配合量が47質量%を超えると、樹脂粘度の低下による連続気泡率の上昇や、成形性の悪化、積層発泡シートの耐熱性低下、剥離性悪化などの問題が生じるため、好ましくない。
好ましい実施形態において、前記ポリエチレン系樹脂(b)とスチレンと共役ジエンとの共重合体またはその水素添加物(c)とは、(b)と(c)との合計量が10〜50質量%の範囲、好ましくは20〜40質量%、より好ましくは25〜35質量%の範囲となるように、樹脂組成物(i)中に配合される。ポリエチレン系樹脂(b)とスチレンと共役ジエンとの共重合体またはその水素添加物(c)との合計量が10質量%より少ないと、柔軟性向上効果が小さくなり好ましくない。一方、合計量が50質量%を超えると、発泡性や熱成形性が悪くなったり、剥離性が悪くなったりするため、好ましくない。
この第一発泡層2の密度は、高いと柔軟性が不足し、より低密度にすることによって、積層発泡シート1の柔軟性を向上させることはできる。しかしながら、ポリスチレン系樹脂とポリエチレン系樹脂、さらにはスチレンと共役ジエンとの共重合体またはその水素添加物それぞれについて熱成形特性が異なるため、第一発泡層2が低密度になると熱成形時の成形性が悪くなることから、第一発泡層2の密度は0.03〜0.2g/cmの範囲とする。また、第一発泡層2の密度は、成形性と柔軟性、そして成形品の強度の点で、0.04〜0.1g/cmの範囲とすることがより好ましい。
[PSP層]
本発明の積層発泡シート1を構成するPSP層3に用いられるポリスチレン系樹脂は、は、ポリスチレン樹脂またはポリスチレン樹脂を主成分とするポリスチレン系樹脂混合物が用いられ、特にポリスチレンホモポリマー単体であるか、あるいはポリスチレンホモポリマー50〜90質量%と耐衝撃性ポリスチレンまたはスチレン−アクリル酸エステル共重合体10〜50質量%とからなる樹脂であることが好ましい。
ポリスチレンホモポリマーのPSP層3は、脆性があり、積層発泡シート1とした場合に割れる可能性がある。ポリスチレンホモポリマーにゴム分を加えると、脆性改善に効果があることから、PSP層3としてはポリスチレンホモポリマーにゴム分をブレンドしたポリスチレン系樹脂を用いることが好ましい。PSP層3を構成するポリスチレン系樹脂のゴム分は、1〜6質量%の範囲とすることが好ましい。ゴム分が前記範囲未満であると、ポリスチレン系樹脂の脆性改善効果が充分に得られなくなる。一方、ゴム分が前記範囲を超えると、発泡剤ガスの保持性が低下して成形性が悪くなったり、樹脂中に含まれるゴム成分のために耐候性が低下し、成形品を長期保管しておいた場合などに、柔軟性の低下、成形品の割れ欠けなどの問題が発生しやすくなる。なお、PSP層3を構成するポリスチレン系樹脂へのゴム分の添加は、スチレン−ブタジエン系共重合体をポリスチレンホモポリマーに適当量添加する形態で行うことが好ましい。
このPSP層3の密度は、成形性と柔軟性、そして成形品の強度の点で、0.03〜0.2g/cmの範囲とすることが好ましく、0.04〜0.1g/cmの範囲とすることがより好ましい。
[積層発泡シート]
本発明の積層発泡シート1は、前記樹脂組成物(i)を発泡させた第一発泡層2と前記PSP層3とを積層してなり、該積層発泡シート1の加熱変形値(測定方法は後で詳述する。)が、MD方向で90〜103の範囲であり、TD方向で97〜117の範囲であることを特徴としている。この積層発泡シート1の加熱変形値を前記範囲としたことによって、性質の大きく異なる発泡層が積層されていることから熱成形が難しい積層発泡シートでありながら、熱成形に優れ、積層発泡シート1を成形して青果用トレー等の成形品にした場合に、表面に亀裂などがない外観の良好な高強度の成形品を得ることができる。
より好ましい加熱変形値の範囲は、MD方向で93〜100の範囲であり、TD方向で99〜111の範囲である。さらにそれぞれの方向の値が前記の値を満足しつつ、MD/TDの値が0.84〜0.95であることが好ましく、0.86〜0.92であることがより好ましい。
ここで、該積層発泡シート1における加熱変形値の調整方法について記す。加熱変形値は、積層発泡シート1を押出発泡させる時の各押出条件を変更することによって調整することができる。すなわち、押出ダイの樹脂の出口直径と冷却用マンドレルの直径との比を変更したり、押出ダイの樹脂の出口の間隙(スリット)寸法を変更することなどで調整することができる。
本発明の積層発泡シート1の全体厚みは、1.0mm〜5.0mmの範囲が好ましく、1.5mm〜3.0mmの範囲がより好ましい。積層発泡シート1の全体厚みが前記範囲より薄いと、緩衝性や強度が低下し、一方、全体厚みが前記範囲より厚いと、成形性が低下する。
本発明の積層発泡シート1において、第一発泡層2とPSP層3の各層の厚み比率は、第一発泡層:PSP層=10:1〜1:2の範囲が好ましい。第一発泡層2が少ないと、緩衝性が不足する恐れがある。PSP層3の厚みは、0.2mm以上あれば、融着性の改善効果は十分に得られる。これら各層の厚み比率は、緩衝性と強度の要求品質において調整すればよい。
本発明の積層発泡シート1の坪量は、80〜400g/mの範囲が好ましく、100〜300g/mの範囲がより好ましい。積層発泡シート1の坪量が前記範囲未満であると、強度が不足し、一方、坪量が前記範囲を超えると、コストアップになるために好ましくない。
また、第一発泡層2とPSP層3の各層の坪量比率は、第一発泡層:PSP層=90:10〜50:50の範囲が好ましい。この各層の坪量は、緩衝性と強度の要求品質において調整すればよく特に制限はないが、第一発泡層2の坪量が小さいと、緩衝性が低下する。
なお、この積層発泡シート1を熱成形することによって、成形品厚みは厚くなる。
[積層発泡シートの製造方法]
本発明の積層発泡シート1は、第一発泡層2とPSP層3となるそれぞれの発泡シートを、個別に押出して得られた発泡シートを熱接着させたり、接着剤を用いて接着して積層することもできるが、生産性に優れ、積層発泡シート1の加熱変形値の調整が行いやすいことから、共押出で製造することが好ましい。
図2は、本発明に係る積層発泡シートの製造方法に用いられる製造装置の一例を示す構成図であり、図2中、符号11は第一押出機、12はホッパー、13は発泡剤供給口、14は第二押出機、15はシングル押出機、16はホッパー、17は発泡剤供給口、18は合流金型、19はダイ、20はプラグ、21はローラ、22は巻き取りローラである。
この製造装置を用い、共押出によって積層発泡シート1を製造するには、まず、第一押出機11のホッパー12から第一発泡層2の樹脂材料を投入し、且つシングル押出機15のホッパー16からPSP層3の樹脂材料を投入し、各押出機内で樹脂をその溶融温度以上の温度に加熱し、溶融・混合する。この時、各樹脂材料と共に、必要に応じて各種の添加剤を加えることができる。
第一押出機11とシングル押出機15内でそれぞれ溶融された樹脂材料には、発泡剤供給口13,17から発泡剤を圧入して、各押出機11,15内で溶融樹脂と発泡剤とを混合する。第一押出機11内で発泡剤と混合した第一発泡層2の樹脂材料は、第二押出機に送られて適当な押出発泡樹脂温度とされた後、合流金型18へと送られ、一方、シングル押出機15内で発泡剤と混合したPSP層3の樹脂材料は、適当な押出発泡樹脂温度とされた後、合流金型18の他の流路から送られる。合流金型18内で合流されたそれぞれの発泡剤混合樹脂は、ダイ19に設けられた円環状のスリットから押し出され、発泡し、直後に冷却用のプラグ20に導かれ、円筒状の発泡体となる。
この円筒状の発泡体は、プラグ20の後方に設けられたカッターによって2箇所切開され、それぞれ積層発泡シート1として、複数のローラ21を経て、巻き取りローラ22に巻き取られる。なお、本例示では、円筒状の発泡体を2箇所切開して2枚の積層発泡シートとしているが、これに限らず、円筒状の発泡体を1箇所切開して1枚の積層発泡シート1を製造してもよい。得られた積層発泡シート1をロール状に巻き取る場合は、巻き締まり防止のため、できるだけテンションをかけずに巻き取ることが望ましい。
本発明の製造方法で使用する発泡剤としては、公知の化学発泡剤、物理発泡剤のいずれも使用できる。化学発泡剤としては、例えばアゾジカルボンアミドなどの分解型のもの、重曹−クエン酸などの分解型のものが挙げられる。物理発泡剤としては、例えば、プロパン、ブタン、ペンタンなどの炭化水素、窒素、二酸化炭素などの不活性ガス、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルなどのエーテル、テトラフルオロエタン、クロオジフルオロエタン、ジフルオロエタンなどのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。
本発明の製造方法では、第一発泡層2の樹脂材料とPSP層3の樹脂材料との一方又は両方に、気泡調整剤、着色剤、収縮防止剤、難燃剤、滑剤、劣化防止剤など公知の添加剤を適宜加えることができる。気泡調整剤としては、タルク、雲母、マイカ、モンモリロナイトなどの無機フィラー、フッ素樹脂などの有機微粒子、またはアゾジカルボンアミドなどの分解型化学発泡剤、重曹−クエン酸などの反応型化学発泡剤、窒素や二酸化炭素などの不活性ガスなどが使用できる。収縮防止剤としては、ステアリン酸モノグリセライドなどの脂肪酸と多価アルコールとのエステル化合物などが、本発明におけるポリエチレン系樹脂成分や、スチレンと共役ジエンとの共重合体またはその水素添加物成分に対する発泡剤ガス逸散速度抑制効果が期待できるので好ましい。
本発明の製造方法によって得られる積層発泡シート1の連続気泡率は、20容量%以下とするのが好ましく、15容量%以下とするのがより好ましい。20容量%を超えたものは、積層発泡シート1の熱成形時における二次発泡性が悪くなり、成形性に劣るため好ましくない。
本発明の方法で得られる発泡シートの気泡径は、0.05〜1.0mmの範囲が好ましい。気泡径が0.05mm未満の場合、発泡シートの連続気泡率が上昇しやすく、また成形性も悪くなるため、好ましくない。気泡径が1.0mmを超える場合、発泡シートの柔軟性が悪くなるために好ましくない。
本発明の方法で得られる積層発泡シート1は、シート同士及び成形品同士の剥離性が良く、積層発泡シート成形時での原反ロールから積層発泡シートを引き取る際や、成形品を複数枚重ねて保管した後でも、1枚ずつ取り外しやすいため、作業性が良い。
[シート成形品・青果用トレー]
本発明の製造方法で得られる積層発泡シート1は、公知の成形方法により熱成形し、トレーなどの成形品とすることができる。特に本発明による積層発泡シート1は、その柔軟性により緩衝特性が良いため、複数の収納用凹部を有する青果用トレーなどに好適に利用できる。
図3及び図4は、本発明に係る青果用トレーの一例を示す図であり、図3は青果用トレー30の平面図、図4は図3中のI−I線断面図である。この青果用トレー30は、図1に示す積層発泡シート1を熱成形し、青果を収納するための複数の収納用凹部31を形成すると共に、所定の寸法に切断して形成されている。この青果用トレー30の複数の収納用凹部31…には、りんご、梨、桃、トマトなど青果物を収納可能になっている。
(実施例1)
配合A(三井住友ポリオレフィン社製VLDPE「エクセレンVL100」(密度0.90g/cm)8質量%、旭化成ケミカルズ社製スチレン−ブタジエン共重合体の水素添加物「SS9000」18質量%、東洋スチレン社製GPPS「HRM12」74質量%)100質量部に対して、気泡核剤としてタルク0.6質量部をφ115mm−φ150mmのタンデム型押出機のφ115mmの第一押出機に供給し、溶融した後、押出機途中から発泡剤としてイソブタン/ノルマルブタン=65/35を5.8質量部圧入し、混練した後、φ150mmの第二押出機で139℃まで冷却し、165kg/hrの割合で合流金型に供給した。一方、配合B(ポリスチレン系樹脂(東洋スチレン社製「HRM12」)93質量%とゴム成分として「タフプレン125」(旭化成ケミカルズ社製、スチレン−ブタチレン共重合体、スチレン成分:ブタジエン成分=40:60)7質量%)100質量部に対して、気泡核剤としてタルク1.0質量部をφ115mmのシングル押出機に供給し、溶融した後、押出機途中から発泡剤としてイソブタン/ノルマルブタン=65/35を4.3質量部圧入し、混練した後、148℃まで冷却し、71kg/hrの割合で合流金型に供給した。合流金型に供給された前記2種類の樹脂を、合流金型内で合流、積層させたのち口径190mmの環状ダイに供給し、ダイのスリット(0.30mm)を通して、外側が配合Aからなる発泡層、内側が配合Bのポリスチレン系樹脂発泡層となるように円筒状に押出した直後に、その内側と外側にエアーをかけて冷却しつつ、直径が670mmのプラグ上に沿わせて冷却成形し、冷却された円筒状発泡体を切り開いて積層発泡シートを製造した。積層発泡シートの物性は表1,2に示す。
保管熟成させた前記積層発泡シートを加熱炉で加熱した後、雄型と雌型の間に挟みプレスすることによって、青果用トレーに熱成形した。
(実施例2)
配合Bを配合C(ポリスチレン系樹脂(東洋スチレン社製「HRM12」)100質量%)と気泡核剤をタルク1.0質量部に変更した以外は、実施例1と同様に発泡シートを得た。積層発泡シートの物性は表1,2に示す。
保管熟成させた前記積層発泡シートを加熱炉で加熱した後、雄型と雌型の間に挟みプレスすることによって、青果用トレーに熱成形した。
(比較例1)
ポリスチレン系樹脂として東洋スチレン社製GPPS「HRM26」を75質量%と、ポリエチレン系樹脂として「エクセレンVL100」を10質量%、スチレンと共役ジエンとの共重合体またはその水素添加物として、「SS9000」を15質量%配合した樹脂原料100質量部に対して、気泡核剤としてタルク0.6質量部添加した樹脂組成物材料をφ115mm−φ150mmのタンデム型押出機のφ115mmの第一押出機に供給し、溶融した後、押出機途中から発泡剤としてイソブタン/ノルマルブタン=65/35を5.8質量部圧入し、混練した後、φ150mmの第二押出機で139℃まで冷却し205kg/hrで口径175mmの環状ダイスに供給し、ダイのスリット(0.40mm)を通して、円筒状に押出させた直後に、その内側と外側にエアーをかけて冷却しつつ、直径が670mmのプラグ上に沿わせて冷却成形し、冷却された円筒状発泡体を切り開いて単層の発泡シートを製造した。この発泡シートの物性は表1,2に示す。
保管熟成させた前記発泡シートを加熱炉で加熱した後、雄型と雌型の間に挟みプレスすることによって、青果用トレーに熱成形した。
(比較例2)
前記配合A100質量部に対して、気泡核剤としてタルク0.6部をφ115mm−φ150mmのタンデム型押出機のφ115mmの第一押出機に供給し、溶融した後、押出機途中から発泡剤としてイソブタン/ノルマルブタン=68/32を5.9質量部圧入し、混練した後、φ150mmの第二押出機で139℃まで冷却し、165kg/hrの割合で合流金型に供給した。一方、前記配合B100質量部に対して、気泡核剤としてタルク1.0部をφ115mmのシングル押出機に供給し、溶融した後、押出機途中から発泡剤としてイソブタン/ノルマルブタン=65/35を4.1質量部圧入し、混練した後、148℃まで冷却し、71kg/hrの割合で合流金型に供給した。合流金型に供給された前記2種類の樹脂を、合流金型内で合流、積層させたのち口径175mmの環状ダイに供給し、ダイのスリット(0.40mm)を通して、外側が配合Aからなる発泡層、内側が配合Bのポリスチレン系樹脂発泡層となるように円筒状に押出させた直後に、その内側と外側にエアーをかけて冷却した。
そして、冷却後の円筒を切り開いて積層発泡シートを製造した。積層発泡シートの物性は表1,2に示す。本例で製造した積層発泡シートは、加熱変形値が本発明の規定範囲から外れていた。
保管熟成させた前記積層発泡シートを加熱炉で加熱した後、雄型と雌型の間に挟みプレスすることによって、青果用トレーに熱成形した。
(比較例3)
環状ダイの口径を200mm、ダイのスリットを0.34mmに変更した以外は、実施例1と同様に発泡シートを得た。
積層発泡シートの物性は表1,2に示す。本例で製造した積層発泡シートは、加熱変形値が本発明の規定範囲から外れていた。
保管熟成させた前記積層発泡シートを加熱炉で加熱した後、雄型と雌型の間に挟みプレスすることによって、青果用トレーに熱成形した。
前述した実施例1〜2、比較例1〜3でそれぞれ製造した発泡シートについて、加熱変形値、発泡シート剥離性及び成形性を調べた。これらの各項目の測定方法及び評価基準は次の通りとした。
<加熱変形値測定方法>
加熱変形値は下記の要領で測定されたものをいう。先ず、試料(積層)発泡シートから一辺が10cmの平面正方形上の試験片を5個、各辺が発泡シートのMD方向又はTD方向に平行な状態となるように切り出す。
しかる後、各試験片の表裏面上に、互いに対向する辺の中央部同士を結ぶ直線を二本、十字状に描く。次に、各試験辺を125℃の雰囲気下に90秒間に亘って放置加熱した後、試験片を常温にて5分に亘って放置冷却する。
次に、試験片の表裏面に描いた直線の長さを測定し、それぞれの方向の表と裏の平均値をその試験片のMD方向とTD方向の加熱変形値とする。5個の試験片の相加平均値を、(積層)発泡シートの加熱変形値とする。
加熱変形値=加熱後の長さ/加熱前の長さ×100
<発泡シート剥離性>
まず、試料発泡シートを10cm×10cmに切り抜き5枚程度重ね、さらに厚さ1mm程度の同じ大きさのアルミ板で挟んだ状態で、その上から5kgの分銅をのせ、70℃に設定したオーブン中に水平に静置させる。その状態で12時間加熱し、その後一旦温度を下げて常温で1時間放置した後、さらに70℃で12時間加熱した。その後、オーブンより取り出し、常温で1時間放置後、発泡シート同士の剥離性を調べた。重ねあわせた発泡シートを1枚ずつ剥がしていき、4枚剥がした際の剥がれ具合で◎、○、×、××の五段階で評価した。これを3セット行った。
◎:4枚ともほとんど音がせず力もかからない。
○:1枚以上でパリパリ程度の音はするが、力はそれほどかからない。
△:4枚ともでパリパリ程度の音はするが、力はそれほどかからない。
×:1〜2枚でパリパリ音がし力をかけなければ剥がれない。
××:4枚ともパリパリ音がし力をかけなければ剥がれない。
<成形性>
単発熱成形機において、加熱炉内温度180℃に設定して、開口部100mm、深さ40mmのホールを16個持つ金型を用いて、得られた発泡シートを成形し、成形品表面の状態を観察した。裂けやクラックが発生した物しか得られないものには×、これらの不具合が認められなかったものを○とした。
Figure 2008173923
Figure 2008173923
表1,2の結果より、本発明に係る実施例1〜2の積層発泡シートは、MD方向及びTD方向の加熱変形値が本発明の規定範囲(MD方向で90〜103、TD方向で97〜117)に入っており、剥離性、成形性ともに良好であった。
一方、第一発泡層を単層とした比較例1は剥離性が悪かった。
比較例2及び比較例3は、加熱変形値が本発明の規定範囲から外れており、成形性が悪かった。
本発明の積層発泡シートの一実施形態を示す概略断面図である。 積層発泡シートの製造装置を例示する構成図である。 本発明の青果用トレーの一例を示す平面図である。 図3のI−I線断面図である。
符号の説明
1…積層発泡シート、2…第一発泡層、3…ポリスチレン系樹脂発泡層、11…第一押出機、12,16…ホッパー、13,17…発泡剤供給口、14…第二押出機、15…シングル押出機、18…合流金型、19…ダイ、20…プラグ、21…ローラ、22…巻取ローラ、30…青果用トレー、31…収納用凹部。

Claims (5)

  1. ポリスチレン系樹脂(a)、密度0.87〜0.92g/cmのポリエチレン系樹脂(b)及びスチレンと共役ジエンとの共重合体またはその水素添加物(c)を含む樹脂組成物(i)の押出発泡層であって、スチレンと共役ジエンとの共重合体またはその水素添加物(c)が、デュロメータタイプA硬度の値HDAが90以下であり、押出発泡層の密度が0.03〜0.2g/cmである第一発泡層と、ポリスチレン系樹脂発泡層とが積層されてなる積層発泡シートであって、積層発泡シートの加熱変形値が押出方向で90〜103、押出方向と垂直な方向で97〜117であることを特徴とする積層発泡シート。
  2. 樹脂組成物(i)が、ポリスチレン系樹脂(a)50〜90質量%、ポリエチレン系樹脂(b)3〜20質量%、スチレンと共役ジエンとの共重合体またはその水素添加物(c)3〜47質量%(ただし、ポリエチレン系樹脂(b)+スチレンと共役ジエンとの共重合体またはその水素添加物(c)=10〜50質量%の範囲である)の組成を有することを特徴とする請求項1に記載の積層発泡シート。
  3. 積層シートの厚みが1.0mm〜5.0mmの範囲であり、坪量が80〜400g/mの範囲であり、且つ前記第一発泡層とポリスチレン系樹脂発泡層との厚み比率が10:1〜1:2の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層発泡シート。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の積層発泡シートを熱成形して得られた青果用トレー。
  5. 前記第一発泡層と前記ポリスチレン系樹脂発泡層とを共押出により製造して請求項1〜3のいずれかに記載の積層発泡シートを得ることを特徴とする積層発泡シートの製造方法。
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