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Description
本発明は、特に学校、病院等の給食のように皿、お椀、トレイなどの被洗浄物である食器を比較的大量に使用する状況における食器の洗浄方法、食器の洗浄装置と、これに用いる食器の収納具に関するものである。
従来、被洗浄物である食器の洗浄装置に関しては、食器と収納具(食器篭)を分けて各々コンベアに乗せて洗浄を行うもの、または収納具に食器を収納したまま洗浄装置内で洗浄を行うものがある。近年、省力化、取り扱いの容易化、洗浄装置および食器の収納具のより小型化等の要望により収納具に食器を収納したまま洗浄装置内で洗浄を行うものが開発され、主に下記のものが知られている。
特許文献1に記載されているように、食器間に一定の間隔を与えて収納し、食器間に設けた一定の間隔に洗浄水を供給して食器篭ごと洗浄するものがある。複数の食器間に各々一定の間隔を設けるため、食器の中央部付近を支える折れ曲がりの仕切り用の金属棒を複数個数、長方形の食器収納篭の長手方向に有しているものである。
また特許文献2に記載されているように、隣接する食器同士の間隔を自在に拡縮することのできる食器収容具とし、洗浄時には隣接する食器同士の間隔を離間させることができ、その一方で搬送時や格納時など、小さな体積であることが望まれるときは、隣接する食器同士の間隔を狭めることのできる食器収容具としたものがある。
前記特許文献2においては、隣接する食器同士の間隔を自在に拡縮するために、次のように構成されている。互いに並置されて、複数の食器を収容するための食器収容空間を形成する複数のコ字状フレームと、コ字状フレームの各側部に連結され、隣接するコ字状フレームを離間接近可能に連結する対のリンク部材と、対のリンク部材間に延びる受けフレームと、コ字状フレームの上端部に設けられ、食器収容空間に向けて突出する対の突起とを有し、複数のコ字状フレームが接近した状態で、突起同士のピッチが、収容すべき複数の食器の外縁同士のピッチとほぼ同一に設定され、食器収容空間に収容された食器の外側面がこれに隣接する前記受けプレートの縁と係合し、突起が前記食器の外端縁部と係合し、食器の縁がこの食器の前方に位置する前記受けプレートの本体側面と係合することにより、コ字状フレーム同士を離間させたときには、食器収容空間に収容された食器が互いに離間し、コ字状フレーム同士が接近させたときには、食器収容空間に収容された食器が互いに接近するようにしたものである。
また特許文献3に記載されているように、食器収納部の周囲に食器の重ね方向に沿って配置された複数の支持棒と、食器の周縁を保持するためにこれらの各支持棒にそれぞれ複数個ずつ移動自在に装着された係止部を有する保持部材を備えており、保持部材の個数に対応した複数個の食器の内面を上向きにし、且つ各食器の間にそれぞれ保持部材を介在させた状態で食器収納部に重ねて収納した時に、最上部にある食器の上方に食器の形状と寸法に応じた所定距離だけ食器が保持部材と共に移動できる余地を生ずるように構成された食器篭がある。
前記特許文献3においては、食器篭の食器収納部に各食器の間に保持部材が介在している状態で複数個の食器を重ねて収納し、この食器篭を食器の内面が進行方向に向く姿勢で洗浄水の噴射ノズルを備えた洗浄装置内を移動させ、先頭の食器から順次洗浄水を当てることにより、洗浄水のエネルギーによって食器を1個ずつ保持部材と共に食器篭の進行方向に順送りに移動させ、この移動に伴って隣接する食器との間に洗浄に必要な間隔を生じさせながら洗浄水による洗浄を順次行う食器の洗浄方法としたものである。前記特許文献3に記載されたものは、特許文献2に記載されたものに対して、洗浄時以外、洗浄時においても、食器類収容具を小型化、軽量化できる特徴を有している。
特開平8−72872号公報
特開2000−201879号公報
特開平10−137172号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載されたものは、被洗浄物である食器同士が互いに所定の間隔を隔てて位置するように設定されている。したがって収容具の占める体積が、単に食器を積み重ねた状態で運ぶのに比べて大きなものとなり、複数の食器間に各々一定の間隔を設けるため洗浄装置内においてより長いスペースを必要とし、洗浄装置の小型化に限界がある。さらに食器を収容した収容具を搬送する過程で比較的大きなスペースが必要となり、また食器を一個ずつ食器篭にセットする必要があり省力化の点で課題がある。
また、前記特許文献2に記載されたものは、洗浄時以外においては収容具を小型化できるが、洗浄時においては特許文献1に記載されたものと同様に、被洗浄物である複数の食器間に各々一定の間隔を設けるため洗浄装置内においてより長いスペースを必要とし、洗浄装置の小型化に限界がある。また食器収容具を拡縮する手間を要するとともに構成が複雑となり重量の増加、コストアップとなる。
さらに、複数の食器の個々を支持する必要があるため、食器収容具のコ字状フレームの上端部に設けられた対の突起を、複数のコ字状フレームが接近した状態で、突起同士のピッチを収容すべき複数の食器の外縁同士のピッチとほぼ同一に設定する必要がある。しかしながら喫食後の食器の表面に残飯、肉片等の固形物が残りやすく、これらの有無によって食器を積み重ねた場合の食器の外縁同士のピッチがばらつきやすく、また残飯、肉片等の固形物が食器の中心部以外に残った場合、積み重ねた食器が傾斜することになる。したがって複数の食器の外縁同士のピッチと突起同士のピッチとが合わず食器収容具に収納できない恐れがある。
さらに、特に焼成製法による食器(磁器食器)の場合、個々の食器の高さおよび径方向の外縁寸法ばらつきが大きく、複数の食器の累積寸法ばらつきによって、複数の食器の外縁同士のピッチと突起同士のピッチとが合わず食器収容具に収納できない恐れがある。また喫食に使用する食器によっては、食器の外縁同士のピッチが小さく近接したものも含まれる。この場合には各食器を保持するための突起の形成が困難であり、また強度が著しく低下し破損しやすい。さらに食器収容具に収納する食器は、その種類を限定または選別したものを用いる必要があり、汎用性がない。また食器収容具の構成が複雑となるため、食器への洗浄水が十分に当たりにくく食器とともに食器収容具自体の確実な洗浄に時間を要する課題がある。
また、前記した特許文献3に記載のされたものは、被洗浄物である複数の食器の個々を支持する必要があるため、食器の重ね方向に沿って配置された複数の支持棒と、食器の周縁を保持するためにこれらの各支持棒にそれぞれ複数個ずつ移動自在に装着された係止部を有する保持部材を備えている。しかしながら前記特許文献2に記載されたものと同様に、喫食後の食器の表面に残飯、肉片等の固形物が残りやすく、これらの食器を積み重ねた場合には、複数の食器の外縁同士のピッチと保持部材同士のピッチとが合わず食器収容具に収納できない恐れがある。さらに特に焼成製法による食器の場合、個々の食器の高さおよび径方向の外縁寸法ばらつきが大きく、複数の食器の累積寸法ばらつきによって、複数の食器の外縁同士のピッチと保持部材同士のピッチとが合わず食器収容具に収納できない恐れがある。
また喫食に使用する食器によっては、食器の外縁同士のピッチが小さく近接したものも含まれる。この場合には各食器を保持するための保持部材の形成が困難であり、また強度が著しく低下し破損しやすい。さらに食器収容具に収納する食器は、その種類を限定または選別したものを用いる必要があり、汎用性がない。また、係止部を有する保持部材が異物の介在等により支持棒に対して自由な移動ができなくなる恐れがあり、これによって食器の離間ができず洗浄性能に悪影響を与える課題がある。さらに構成が複雑となるとともにコストアップとなる課題がある。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、収納具にコンパクトに収納した食器の汚れを確実にかつ効率的に除去することを目的とするものである。また食器の収納具の構成を簡素化するとともに食器の収納性を向上させることを目的とするものである。
前記従来の課題を解決するために本発明の食器の洗浄方法、食器の洗浄装置は、表面側と裏面側を水平方向に重ねた複数の食器の周端部を重ね方向に沿って複数の支持体により支持するとともに、前記複数の食器の内、先頭に位置する食器の表面側と最後尾に位置する食器の裏面側の位置を位置規制部材により規制して、複数の食器を重ね方向に沿った移動および姿勢変化を所定範囲内で自在となるようにして収納具に収納し、前記収納具に収納した複数の食器の周端部にノズルから洗浄水を重ね方向に沿って順次噴射し、前記ノズルから噴射した洗浄水により、接触した互いに隣り合う食器を離して離間させ、離間した間隔に流入した洗浄水の流動により複数の食器の洗浄を順次行うものである。
また、本発明の食器の収納具は、複数の食器の周端部を重ね方向に沿って支持する複数の支持体と、前記複数の食器の先頭に位置する食器の表面側と最後尾に位置する食器の裏面側の位置を規制する位置規制部材を有し、表面側と裏面側を水平方向に重ねた複数の食器を、重ね方向に沿った移動および姿勢変化を所定範囲内で自在となるように収納することを特徴とするものである。
本発明の食器の洗浄方法、食器の洗浄装置によれば、収納具にコンパクトに収納した食器の汚れを確実にかつ効率的に除去することができる。また本発明の食器の収納具によれば、複数の食器の個々の支持、拘束を不要として、構造の簡素化、小型化を図ることができるととともに、食器の収納および取り出しを容易にして収納性を向上させることができる。
第1の発明は、表面側と裏面側を水平方向に重ねた複数の食器の周端部を重ね方向に沿って複数の支持体により支持するとともに、前記複数の食器の内、先頭に位置する食器の表面側と最後尾に位置する食器の裏面側の位置を位置規制部材により規制して、複数の食器を重ね方向に沿った移動および姿勢変化を所定範囲内で自在となるようにして収納具に収納し、前記収納具に収納した複数の食器の周端部にノズルから洗浄水を重ね方向に沿って順次噴射し、前記ノズルから噴射した洗浄水により、接触した互いに隣り合う食器を離して離間させ、離間した間隔に流入した洗浄水の流動により複数の食器の洗浄を順次行うことを特徴とする食器の洗浄方法としたものである。
個々の食器の周端部を支持、拘束せずに、所定範囲内で重ね方向の移動および姿勢変化を自在にして収納し、この周端部に重ね方向に沿って洗浄水を順次噴射する。これによって個々の食器が洗浄水の流動に瞬時に追従して動いて揺動し、互いに隣り合う食器が接触状態と離れた非接触状態を順次繰り返しながら離間する。前記洗浄水が離間した間隔内を流動して汚れを確実に除去するとともに、離間した間隔の形成を保持することがでる。
また、互いに隣り合う食器が接触状態と離れた非接触状態を順次繰り返しながら、食器が複数の支持体に沿って移動、揺動し、さらに互いに隣り合う食器が早い速度で接触しあうことになる。この移動および接触時の反動によって食器に付着した汚れを除去することができ、残渣物の剥離を促進して洗浄性能をより高めることができる。さらに食器の周端部が移動することによって周端部部分および収納具の支持体の汚れも確実に除去することができる。
このように、個々の食器の周端部の支持、拘束を不要とし、且つ互いに隣り合う食器の間に洗浄水が流動するに必要な所定スペースを有して複数の食器を収納具に収納すればよく、収納具を小型化することができる。これにより洗浄装置に、同時により多くの収納具を投入して洗浄することができる。また前記したように互いに隣り合う食器が瞬時に離間し、且つ汚れを確実に除去することができる。したがって収納具にコンパクトに収納した被洗浄物である食器の汚れを確実にかつ効率的に除去することができるものである。
第2の発明は、第1の発明において、互いに隣り合う食器を接触させて鉛直面に対して所定角度傾斜した姿勢で収納具に収納した複数の食器の周端部に、ノズルから洗浄水を重ね方向に沿って順次噴射することを特徴とする洗浄方法としたものである。
これによって、収納具に収納した複数の食器の姿勢が安定し、ノズルと複数の食器の各々の周端部との相対位置をばらつきなく設定して、洗浄水を周端部に正確に順次噴射させることができる。したがって互いに隣り合う食器を確実に離間させて洗浄を行うことができる。
第3の発明は、第2の発明において、互いに隣り合う食器の下方側の周端部の間隔を、上方側の周端部の間隔よりも広くなるようにして収納具に収納したことを特徴とする洗浄方法としたものである。
これによって、複数の食器の姿勢をより安定化させた状態で洗浄装置に投入、搬送することができるとともに、洗浄後に保管する際、食器の表面側と裏面側に付着した洗浄水が流出しやすく乾燥をより早めることができる。またより広くした食器の下方側の周端部の間隔に洗浄水を噴射する場合には、広くした間隔に洗浄水がより確実に入り込むことができ、隣り合う食器を順次確実に離間させることができる。
第4の発明は、第2または第3の発明において、ノズルから噴射した洗浄水により、鉛直面に対して所定角度傾斜した姿勢で収納した食器を鉛直方向へ姿勢を変化させて、接触した互いに隣り合う食器を離して離間させることを特徴とする食器の洗浄方法としたものである。
これによって、互いに隣り合う食器を確実に離間させるとともに洗浄水が食器の表面および裏面に必ず接触して流動し、さらに鉛直方向へ姿勢を変化させることで汚れ成分の落下を促進して汚れを確実に除去することができる。
第5の発明は、第4の発明において、ノズルから噴射した洗浄水により、収納具に収納した複数の食器は略鉛直姿勢を維持したままで、接触した互いに隣り合う食器を離して離間させることを特徴とする食器の洗浄方法としたものである。
これによって、互いに隣り合う食器の上方側の周端部の間隔が広くなり、洗浄水がより互いに隣り合う食器の周端部の間隔に入りやすくなる。
第6の発明は、第4の発明において、ノズルから噴射した洗浄水により、収納具に収納した複数の食器は傾斜した姿勢のままで、接触した互いに隣り合う食器を離して離間させることを特徴とする請求項4に記載の食器の洗浄方法としたものである。
これによって、ノズルからの洗浄水を食器の周端部の間隔に入り込ませ、流動させて洗浄することができる。
第7の発明は、第1〜第6の発明のいずれかにおいて、食器の周端部に複数のノズルから洗浄水を重ね方向に沿って順次噴射することを特徴とする食器の洗浄方法としたものである。
これによって、食器の姿勢を安定させた状態で離間させるとともに、十分な洗浄水が離間した間隔に入り込み汚れを確実に除去することができる。
第8の発明は、第7の発明において、複数のノズルから食器の略中央部に向けて洗浄水を順次噴射することを特徴とする食器の洗浄方法としたものである。
これによって、複数のノズルからの洗浄水が衝突流となって拡散し、洗浄水の噴射の無い周端部側から外方に排出する高速の洗浄水流を形成し、汚れを確実に除去することができる。
第9の発明は、第1〜第8の発明のいずれかにおいて、食器の上半部側から前記食器の上方側の周端部に順次噴射した洗浄水により、接触した互いに隣り合う食器を離して離間させることを特徴とする食器の洗浄方法としたものである。
これによって、上方側の周端部の間隔に入り込んだ洗浄水の動圧および静圧が作用して互いに隣り合う食器を押し広げて離間させ、前記離間した間隔内を洗浄水が上部から下部方向および上部から横方向に流動し、汚れを確実に除去するとともに、離間した間隔の形成を保持することができる。
第10の発明は、第1〜第8の発明のいずれかにおいて、食器の下半部側から前記食器の下方側の周端部に順次噴射した洗浄水により、接触した互いに隣り合う食器を離して離間させることを特徴とする食器の洗浄方法としたものである。
これによって、洗浄水が食器の下方側の周端部の間隔に入り込み、互いに隣り合う食器を離間させ、食器の上方側に抜けるようにして洗浄水を流動させて洗浄することができる。
第11の発明は、第10の発明において、食器の下半部側より鉛直面に対して所定角度傾斜して洗浄水を噴射し、前記噴射した洗浄水が食器の下方側の周端部およびこの近傍の食器の表面に衝突し、食器を傾斜姿勢から鉛直方向の姿勢に移動させることを特徴とする請求項10に記載の食器の洗浄方法としたものである。
これによって、下半部側より噴射する洗浄水が食器の下方側の周端部およびこの近傍の食器の表面に衝突して、食器に対して速度エネルギーが作用することになり、食器が傾斜姿勢から鉛直方向の姿勢により瞬時に移動する。さらに洗浄水の跳ね返りによる反力が作用することになり、傾斜姿勢から鉛直方向の姿勢により瞬時に変化するものである。
第12の発明は、第1〜第8の発明のいずれかにおいて、食器の下半部側および上半部側から前記食器の下方側および上方側の周端部に順次噴射した洗浄水により、接触した互いに隣り合う食器を離して離間させることを特徴とする食器の洗浄方法としたものである。
これによって、食器の周端部の間隔に食器の下半部側および上半部側に配置したノズルからの十分な洗浄水が入り込み、洗浄水が衝突流となって拡散し、洗浄水の噴射の無い周端部側から外方に排出する高速の洗浄水流を形成し、汚れを確実に除去することができる。
第13の発明は、第12の発明において、食器の下半部側より噴射する洗浄水の量を、上半部側より噴射する洗浄水の水量よりも多くしたことを特徴とする食器の洗浄方法としたものである。
これによって、食器の下方側の周端部の間隔に食器の下半部側に配置したノズルからの洗浄水が入り込み、またこの洗浄水の入り込みによって広がった上方側の周端部の間隔に食器の上半部側に配置したノズルからの洗浄水が入り込んで、食器の裏面と食器の表面の洗浄を行うことができる。
第14の発明は、第12または第13の発明において、食器の下半部側より噴射する洗浄水の噴射速度を、上半部側より噴射する洗浄水の噴射速度よりも速くしたことを特徴とする食器の洗浄方法としたものである。
これによって、食器の下方側の周端部の間隔に食器の下半部側に配置したノズルからの洗浄水が入り込み、またこの洗浄水の入り込みによって広がった上方側の周端部の間隔に食器の上半部側に配置したノズルからの洗浄水が入り込んで、食器の裏面と食器の表面の洗浄を行うことができる。
第15の発明は、第12〜第14の発明のいずれかにおいて、食器の上半部側より略鉛直方向に洗浄水を噴射し、下半部側より鉛直面に対して所定角度傾斜して洗浄水を噴射し、前記下半部側より噴射する洗浄水が食器の下方側の周端部およびこの近傍の食器の表面に衝突し、食器を傾斜姿勢から鉛直方向の姿勢に移動させることを特徴とする請求項12〜14のいずれか1項に記載の食器の洗浄方法としたものである。
これによって、下半部側より噴射する洗浄水が食器の下方側の周端部およびこの近傍の食器の表面に衝突して、食器に対して速度エネルギーが作用することになり、食器が傾斜姿勢から鉛直方向の姿勢により瞬時に移動する。さらに洗浄水の跳ね返りによる反力が作用することになり、傾斜姿勢から鉛直方向の姿勢により瞬時に変化するものである。
第16の発明は、第12〜第15の発明のいずれかにおいて、食器の上半部側より噴射する洗浄水の食器の重ね方向における幅を、食器の下半部側より噴射する洗浄水の食器の重ね方向における幅よりも広くしたことを特徴とする食器の洗浄方法としたものである。
これによって、食器の下半部側より噴射する洗浄水の食器の下方側の周端部の間隔への入り込みによって、食器が傾斜した姿勢から鉛直方向の姿勢に変化し、広がった上方側の周端部の間隔に食器の上半部側より噴射する洗浄水が入り込んで接触した状態から離れて離間し、食器の裏面と表面の洗浄を行うことができる。
第17の発明は、第4〜第16の発明のいずれかにおいて、収納具を食器の重ね方向に移動させる搬送手段を備え、ノズルから噴射する洗浄水の量、ノズルから噴射する洗浄水の噴射速度、収納具の移動速度のうち、少なくともいずれかにより、鉛直面に対して所定角度傾斜した姿勢で収納した食器の鉛直方向への姿勢の変化角度を調節することを特徴とする食器の洗浄方法としたものである。
これによって、食器の形状、質量および汚れの程度によって、食器を所定角度傾斜した姿勢から鉛直方向への姿勢の変化角度を調節することができる。
第18の発明は、第1〜第17の発明のいずれかにおいて、収納具を食器の重ね方向に移動させる搬送手段と、前記収納具の移動方向にノズルを有する複数の洗浄ゾーンを備え、
前記複数の洗浄ゾーンにおいて、収納具に収納した複数の食器の周端部にノズルから洗浄水を重ね方向に沿って順次噴射することを特徴とする食器の洗浄方法としたものである。
前記複数の洗浄ゾーンにおいて、収納具に収納した複数の食器の周端部にノズルから洗浄水を重ね方向に沿って順次噴射することを特徴とする食器の洗浄方法としたものである。
これによって、洗浄動作を複数の洗浄ゾーンにおいて行い、収納具とともに収納した食器の洗浄を完了することができる。
第19の発明は、第1〜17の発明のいずれかにおいて、収納具を食器の重ね方向に往復移動させて、前記収納具に収納した複数の食器の周端部にノズルから洗浄水を順次噴射することを特徴とする食器の洗浄方法としたものである。
これによって、洗浄装置の小型化が可能となり、省スペース化を図ることができる。
第20の発明は、第1〜第16の発明のいずれかにおいて、ノズルを食器の重ね方向に往復移動させて、収納具に収納した複数の食器の周端部にノズルから洗浄水を順次噴射することを特徴とする食器の洗浄方法としたものである。
これによって、洗浄装置の小型化が可能となり、省スペース化を図ることができる
第21の発明は、表面側と裏面側を水平方向に重ねた複数の食器の周端部を重ね方向に沿って支持する複数の支持体と、前記複数の食器の内、先頭に位置する食器の表面側と最後尾に位置する食器の裏面側の位置を規制する位置規制部材を備えて前記複数の食器を重ね方向に沿った移動および姿勢変化を所定範囲内で自在となるように収納した収納具と、前記収納具に収納した複数の食器の周端部に洗浄水を重ね方向に沿って順次噴射するノズルを備え、前記ノズルから噴射した洗浄水により、接触した互いに隣り合う食器を離して離間させ、離間した間隔に流入した洗浄水の流動により複数の食器の洗浄を順次行うことを特徴とする食器の洗浄装置としたものである。
個々の食器の周端部を支持、拘束せずに、所定範囲内で重ね方向の移動および姿勢変化を自在にして収納し、この周端部に重ね方向に沿って洗浄水を順次噴射する。これによって個々の食器が洗浄水の流動に瞬時に追従して動いて揺動し、互いに隣り合う食器が接触状態と離れた非接触状態を順次繰り返しながら離間する。前記洗浄水が離間した間隔内を流動して汚れを確実に除去するとともに、離間した間隔の形成を保持することがでる。
また、互いに隣り合う食器が接触状態と離れた非接触状態を順次繰り返しながら、食器が複数の支持体に沿って移動、揺動し、さらに互いに隣り合う食器が早い速度で接触しあうことになる。この移動および接触時の反動によって食器に付着した汚れを除去することができ、残渣物の剥離を促進して洗浄性能をより高めることができる。さらに食器の周端部が移動することによって周端部部分および収納具の支持体の汚れも確実に除去することができる。
このように、個々の食器の周端部の支持、拘束を不要とし、且つ互いに隣り合う食器の間に洗浄水が流動するに必要な所定スペースを有して複数の食器を収納具に収納すればよく、収納具を小型化することができる。これにより洗浄装置に、同時により多くの収納具を投入して洗浄することができる。また前記したように互いに隣り合う食器が瞬時に離間し、且つ汚れを確実に除去することができる。したがって収納具にコンパクトに収納した被洗浄物である食器の汚れを確実にかつ効率的に除去することができるものである。
第22の発明は、第21の発明において、互いに隣り合う食器を接触させて鉛直面に対して所定角度傾斜した姿勢で収納した収納具を備え、前記収納具に収納した複数の食器の周端部に、ノズルから洗浄水を重ね方向に沿って順次噴射することを特徴とする食器の洗浄装置としたものである。
これによって、収納具に収納した複数の食器の姿勢が安定し、ノズルと複数の食器の各々の周端部との相対位置をばらつきなく設定して、洗浄水を周端部に正確に順次噴射させることができる。したがって互いに隣り合う食器を確実に離間させて洗浄を行うことができる。
第23の発明は、第22の発明において、ノズルから噴射した洗浄水により、鉛直面に対して所定角度傾斜した姿勢で収納した食器を鉛直方向の姿勢に変化させて接触した互いに隣り合う食器を離して離間させることを特徴とする食器の洗浄装置としたものである。
これによって、互いに隣り合う食器を確実に離間させるとともに洗浄水が食器の表面および裏面に必ず接触して流動し、さらに鉛直方向へ姿勢を変化させることで汚れ成分の落下を促進して汚れを確実に除去することができる。
第24の発明は、第21〜第23の発明のいずれかにおいて、洗浄水を食器の周端部に順次噴射する複数のノズルを備えたことを特徴とする食器の洗浄装置としたものである。
これによって、食器の姿勢を安定させた状態で離間させるとともに、十分な洗浄水が離間した間隔に入り込み汚れを確実に除去することができる。
第25の発明は、第24の発明において、複数のノズルから食器の略中央部に向けて洗浄水を順次噴射することを特徴とする食器の洗浄装置としたものである。
これによって、複数のノズルからの洗浄水が衝突流となって拡散し、洗浄水の噴射の無い周端部側から外方に排出する高速の洗浄水流を形成し、汚れを確実に除去することができる。
第26の発明は、第21〜第25の発明のいずれかにおいて、食器の上半部側および/または下半部側から洗浄水を食器の周端部に順次噴射するノズルを備えたことを特徴とする食器の洗浄装置としたものである。
これによって、ノズルからの洗浄水が食器の周端部の間隔に入り込み、互いに隣り合う食器を離間させ、離間した間隔に洗浄水を流動させて洗浄することができる。
第27の発明は、第21〜第26の発明のいずれかにおいて、収納具を食器の重ね方向に移動させる搬送手段と、前記収納具の移動方向にノズルを有する複数の洗浄ゾーンを備え、前記複数の洗浄ゾーンにおいて、収納具に収納した複数の食器の周端部にノズルから洗浄水を重ね方向に沿って順次噴射することを特徴とする食器の洗浄装置としたものである。
これによって、洗浄動作を複数の洗浄ゾーンにおいて行い、収納具とともに収納した食器の洗浄を完了することができる。
第28の発明は、複数の食器の周端部を重ね方向に沿って支持する複数の支持体と、
前記複数の食器の先頭に位置する食器の表面側と最後尾に位置する食器の裏面側の位置を規制する位置規制部材を有し、表面側と裏面側を水平方向に重ねた複数の食器を、重ね方向に沿った移動および姿勢変化を所定範囲内で自在となるように収納することを特徴とする第1〜第27の発明のいずれかの食器の洗浄方法または食器の洗浄装置に用いる食器の収納具としたものである。
前記複数の食器の先頭に位置する食器の表面側と最後尾に位置する食器の裏面側の位置を規制する位置規制部材を有し、表面側と裏面側を水平方向に重ねた複数の食器を、重ね方向に沿った移動および姿勢変化を所定範囲内で自在となるように収納することを特徴とする第1〜第27の発明のいずれかの食器の洗浄方法または食器の洗浄装置に用いる食器の収納具としたものである。
個々の食器の周端部を支持、拘束する必要がなく、寸法にばらつきのある食器、外縁同士のピッチが小さく近接した食器、喫食後の残飯、肉片等の固形物が付着した食器を、積み重ねてそのまま収納具に挿入、収納することができる。また複数の食器の個々の嵌め込み具合の確認も不要となり、複数の食器の収納および取り出しを極めて容易にして収納性を向上させることができる。
さらに、従来は個々の食器の周端部を支持、拘束するため、支持部材による食器へ応力がかかることがあり、収納および取り出し、持ち運び、車両による運搬等のときに食器を破損する恐れがあった。これに対して本発明の収納具は、個々の食器の周端部を支持する必要がないので前記のような破損を生じることがない。
また、積み重ねた食器の全長に対して所定スペースだけ与えて収納すればよく、複数の食器をコンパクトに収納して、収納具自体の小型化、軽量化を図ることができる。さらに構造の簡素化により、収納具に収納した複数の食器へ噴射する洗浄水の流れに対して妨げとなる構成要素が少なく、複数の食器の洗浄を確実に行うことができる。また収納具自体の洗浄も確実に行うことができるとともに、複数の食器の汚れ成分が引っかかり収納具に残ってしまうこともない。このように収納具の構成を簡素化するとともに食器の収納性を向上させることができる。
第29の発明は、第28の発明において、互いに隣り合う食器を接触させて鉛直面に対して所定角度傾斜した姿勢で複数の食器を収納することを特徴とする食器の収納具としたものである。
これによって、個々の食器を支持、拘束し、この支持機構を操作して複数の食器を傾斜させる必要がなく、収納具を水平方向にするだけで複数の食器が傾斜した姿勢となるので、洗浄時における操作作業を簡素化することができる。さらに複数の食器の姿勢を安定化させた状態で洗浄装置に投入、搬送することができる。
第30の発明は、第29の発明において、互いに隣り合う食器の下方側の周端部の間隔を、上方側の周端部の間隔よりも広くなるようにして複数の食器を収納することを特徴とする食器の収納具としたものである。
これによって、複数の食器の姿勢をより安定化させた状態で洗浄装置に投入、搬送することができる。また洗浄後に保管する際、食器の表面側と裏面側に付着した洗浄水が流出しやすく乾燥をより早めることができる。
第31の発明は、第29または第30の発明において、複数の互いに隣り合う食器を接触させて鉛直面に対して5〜10度傾斜させるとともに、10〜20ミリメートルの所定範囲内で複数の食器を重ね方向に沿った移動および姿勢変化を自在となるようにして収納具に収納することを特徴とする食器の収納具としたものである。
これによって、食器を収納具にコンパクトに収納し、この状態のまま洗浄することができる。
(実施例1)
以下、本発明の実施例1を図1〜図22を参照しながら説明する。先ず本発明の実施例1の内、丸形形状をした皿を食器例として図1〜図12を参照しながら説明する。図1は本発明の実施例1の食器である皿の洗浄方法を実施する洗浄装置の基本構成を示す正面構成図、図2は図1のA−A線における側断面図、図3は皿の収納具の概観斜視図、図4は図3の収納具の上面図、図5は複数の皿を鉛直方向に積み重ねた状態を示す概観図、図6は鉛直方向に積み重ねた皿を収納具に収納した状態を示す正面図、図7は収納具を鉛直方向から水平方向に倒した状態における皿の姿勢を示す図、図8は複数の皿を収納具に収納し、収納具を水平方向にしたときの先頭部に位置する皿の上方側の周端部および最後尾部に位置する皿の上方側の周端部の一部拡大図、図9〜12は洗浄時における皿の姿勢状態変化を示す図である。
以下、本発明の実施例1を図1〜図22を参照しながら説明する。先ず本発明の実施例1の内、丸形形状をした皿を食器例として図1〜図12を参照しながら説明する。図1は本発明の実施例1の食器である皿の洗浄方法を実施する洗浄装置の基本構成を示す正面構成図、図2は図1のA−A線における側断面図、図3は皿の収納具の概観斜視図、図4は図3の収納具の上面図、図5は複数の皿を鉛直方向に積み重ねた状態を示す概観図、図6は鉛直方向に積み重ねた皿を収納具に収納した状態を示す正面図、図7は収納具を鉛直方向から水平方向に倒した状態における皿の姿勢を示す図、図8は複数の皿を収納具に収納し、収納具を水平方向にしたときの先頭部に位置する皿の上方側の周端部および最後尾部に位置する皿の上方側の周端部の一部拡大図、図9〜12は洗浄時における皿の姿勢状態変化を示す図である。
図1に示すように、洗浄装置1は、搬送手段であるコンベア2と、コンベア2の下方に位置する仕切部材3により上下方向に区分され、下方部は下部外郭体4によって機器スペース5を構成している。上方部は上部外郭体6によって洗浄スペース7を構成している。また洗浄水を貯留するタンク8からポンプ9によって洗浄水を噴射するノズル10、11を備えている。複数の皿37を収納した収納具14がコンベア2に位置し、図1中の実線矢印方向に所定の速度で移動するものである。なおコンベア2は収納具14に収納した皿37に、ノズル10、11より噴射する洗浄水の妨げにならないようレール状に構成されている。タンク8、ポンプ9、ノズル10、11は配管12、13により接続されている。
図2に示すように、ノズル10、11は、鉛直中心を挟んで互いに所定角度(θ2)を有して配置し、皿37の上半部側より皿37の略中央部に向けて洗浄水を噴射する。またノズル10、11は、図1に示すように鉛直面に対して所定角度(θ1)を有して配置しているものである。さらにノズル10、11の各々と皿37との距離は、皿37の複数の大きさに対応させるため、最も外径の大きい皿37をベースにできるだけ皿37の周端部に近接した位置に配置している。なおノズル10、11の所定角度(θ1)は鉛直面に対して例えば略10度に設定しているものである。
洗浄スペース7には、収納具14の移動方向に沿って皿37を収納した複数の収納具14が所定間隔をおいてコンベア2上に位置し、収納具14に対応した位置に各々ノズル10、11を備えている。また洗浄スペース7は、収納具14の入口側から荒洗浄ゾーン7a、中間洗浄ゾーン7b、仕上げ洗浄ゾーン7cに区分されている。各々の洗浄ゾーンに、洗浄水を貯留する貯留するタンク8、ポンプ9、ノズル10、11を一つのユニットとして少なくとも一つ備えているものである。なお洗浄ゾーンの区分およびその数、各々の洗浄ゾーンにおけるタンク8、ポンプ9、ノズル10、11の各々の配置数は一例であって、これに限定されるものではない。
図3の皿37の収納具14の概観斜視図および図4の収納具14の上面図に示すように、収納具14は主に収納部15、保持部26により構成されている。収納部15はベース板16、枠17を有し、ベース板16と枠17は所定長さの支柱18、19、20、21により一体化されている。さらに断面が円形である棒状の支持体22、23がベース板16と枠17の間に固定されている。また保持部26はベース板27、枠28を有し、ベース板27と枠28は所定長さの支柱29、30、31、32により一体化されている。さらに断面が円形である棒状の支持体33、34がベース板27と枠28の間に固定されている。
収納部15の支柱21と保持部26の支柱31の複数個所に回動部材35を設け、収納部15と保持部26を回動自在に構成して保持部26の開閉を可能としてある。さらに保持部26の支柱32にフック部材36を設けて、保持部26を収納部15に対して閉状態したとき各々を固定するようにしたものである。枠17には取手24を設け、この取手24は回動部材25によって回転可能に構成されている。
収納部15の支柱21と保持部26の支柱31の複数個所に回動部材35を設け、収納部15と保持部26を回動自在に構成して保持部26の開閉を可能としてある。さらに保持部26の支柱32にフック部材36を設けて、保持部26を収納部15に対して閉状態したとき各々を固定するようにしたものである。枠17には取手24を設け、この取手24は回動部材25によって回転可能に構成されている。
図5、図6に示すように、喫食後における未洗浄の食器である皿37は、皿37の表面37aを上にして所定個数(例えば20〜40個)鉛直方向(縦方向)に積み重ねる。これを一単位として鉛直方向の姿勢にした収納具14の保持部26を開状態として収納部15に収納する。最下部の皿37の裏面37bの糸底37dがベース板16上に乗り、皿37の周端部37cが支持体22、23に接触するまで押し込んで収納する。この後保持部26を回動させて閉状態とする。このとき皿37の周端部37cが支持体33、34に接触または近接した状態なる。これによって所定個数、鉛直方向に積み重ねた皿37は、支持体22、23、33、34により周端部37cの複数個所が支持される。
また、積み重ねた皿37の先頭(最上部)に位置する皿37の表面37aと、最後尾(最下部)位置する皿37の裏面37bとの全長(L1)に対して、先頭(最上部)に位置する皿37の表面37aと枠17、28の内面とに所定のスペース(L2)を有するように収納具14に積み重ねた皿37を収納する。したがって収納具14のベース板16、27の内面と枠17、28の内面との全長(L3)は(L1)に(L2)を加えたものとなる。所定のスペース(L2)は、例えば10〜20ミリメートルに設定する。(S1)は互いに隣り合う皿37の周端部37cの間隔を示す。
皿37を鉛直方向に積み重ね、これを一単位として鉛直方向の姿勢にした収納具14に収納するようにしたが、収納部15を下にして収納具14を水平方向(横方向)の姿勢として、積み重ねた皿37を収納することもできる。収納具14を鉛直方向または水平方向の姿勢として、皿37を少数ごとに所定個数収納してもよい。
収納具14に複数の皿37を収納した後、収納具14を、収納部15を下にして水平方向の姿勢にして洗浄スペース7のコンベア2上に投入する。収納具14を鉛直方向から水平方向にした際の複数の皿37の姿勢状態を図7に示す。
また、収納具14を水平方向にした際には、先頭に位置する皿37の表面37a側の下部が枠17(位置規制部材)に接触し、最後尾に位置する皿37の裏面37b側の一部がベース板27(位置規制部材)に接触して、両端の位置が規制されている。また収納具14を鉛直方向にして複数の皿37を収納したときの先頭に位置する皿37の表面37aと枠17、28の内面との所定のスペース(L2)に相当する所定範囲において、複数の皿37の周端部37cが支持体22、23、33、34を自由に滑って重ね方向に沿って移動自在に支持されている。
さらに、前記した従来技術のように、支持部材により皿37の個々を支持固定せず、複数の皿37の周端部37cが支持体22、23、33、34を自由に滑って重ね方向に沿って移動自在に支持するとともに、複数の皿37全体の周端部37cおよび先頭に位置する皿37の表面37a側と最後尾に位置する皿37の裏面37b側のみを位置規制部材であるベース板16、27、枠17、28により支持して位置規制するものである。これによって所定のスペース(L2)に相当する所定範囲において、表面37a側と裏面37b側を水平方向に重ねた複数の皿37を、重ね方向に沿った移動および鉛直方向(縦方向)および水平方向(横方向)の姿勢変化を所定範囲内で自在となるようにして収納するものである。
収納具14を水平方向にした際に、皿37の重心が皿37の裏面37b側に位置することによって、複数の皿37は皿37の裏面37b側を下方として周端部37cが支持体22、23、33、34を滑って、複数の皿37は互いにその一部が接触し、折り重なるようにして同方向に所定角度(θ3)に傾斜した姿勢となっている。また、皿37の傾斜角度は、先頭に位置する皿37と最後尾に位置する皿37とで異なり、先頭に位置する皿37の傾斜角度(θ3)を最大とし、最後尾に位置する皿37側方向につれて傾斜角度が徐々に小さくなった状態となる。
また、傾斜した複数の皿37の下方側の周端部37cは支持体22、23に接触し、さらに先頭に位置する皿37の傾斜角度(θ3)を最大とし、最後尾に位置する皿37側方向につれて傾斜角度が徐々に小さくなった状態となっていることから、複数の皿37の上方側の周端部37cの高さは、最後尾に位置する皿37の周端部37cから先頭に位置する皿37の周端部37cにかけて徐々に低くなる状態となっている。この状態では複数の皿37の上方側の周端部37cは支持体33、34に接触せず離れているものである。なお複数の皿37の傾斜角度は、所定のスペース(L2)を一定とした場合、皿37の直径寸法によって異なり、皿37の直径がより大きい場合に傾斜角度(θ3)は小さくなることになる。また、互いに隣り合う皿37の下方側の周端部37cの間隔(S2)は、上方側の周端部37cの間隔(S3)よりも広くなった状態となる。
複数の皿37の上方側の周端部37cの高さは、最後尾に位置する皿37の周端部37cから先頭に位置する皿37の周端部37cにかけて徐々に低くなる状態となっている。これによって図8に示すように、互いに隣り合う皿37の周端部37cの高さ方向に段差(S5)が形成されるとともに、互いに隣り合う皿37は表面37a側と裏面37b側の一部(例えば糸底37d)が接触することによって、周端部37c間に間隔(S3)が形成される。また複数の皿37が折り重なるようにして同方向に所定角度(θ3)に傾斜した姿勢となっていることから、先頭に位置する皿37の上方側の周端部37cと収納具14の枠17との間に間隔(S4)が形成されている。また、図8に示すように、最後尾に位置する皿37の裏面37b側の一部(例えば糸底37d)がベース板16、27に接触することによって、最後尾に位置する皿37の上方側の周端部37cとベース板16および27との間に間隔(S6)が形成されている。
次に、図9〜13に基づいて、洗浄の動作、作用および洗浄における食器の姿勢状態変化を説明する。なお図中において、Wは噴射された洗浄水の流れを示す。
図9(a)は、移動方向における先頭に位置する収納具14に収納された皿37の表面37aの洗浄状態を示す。先頭に位置する皿37の表面37aに対し、ノズル10、11から間隔(S4)部分に洗浄水が噴射される。これによってノズル10、11からの洗浄水が皿37の表面37a部において衝突流となって拡散し汚れを除去するものである。特に皿37の表面37a部と枠17、28との間で洗浄水が跳ね返りながら表面37a部に当たることによって汚れを確実に除去するものである。
図9(a)の状態においては、複数の食器37は所定角度に傾斜した姿勢であるが、ノズル10、11からの洗浄水が皿37の表面37aへの動圧を与え、また皿37の表面37a部と枠17、28との間隔を上方から下方へ洗浄水が流動することによって、図9(b)に示すように、皿37の表面37aの下部が枠17、28から離れて離間し、先頭から最後尾に位置する複数の皿37が所定角度に傾斜した姿勢から略鉛直姿勢に変化する。さらに皿37の表面37a部と枠17、28との間隔を上方から下方へ洗浄水が流動し、皿37の表面37aの汚れを除去するものである。
図10(a)は、図9(b)の状態から固定配置したノズル10、11に対し、コンベア2により収納具14が移動して、洗浄水が先頭に位置する皿37の周端部37cに当たっている状態を示す。ノズル10、11から噴射する洗浄水は、所定の幅を有し、また洗浄水はその中央部の流速が外周部の流速よりも早い速度分布となっている。さらに周端部37cの厚さ(幅)は小さく、所定の曲率を有する構造となっている。これらによって洗浄水は皿37の周端部37cに当たるとき周端部37cの両側に分流され、この分流量の割合は収納具14の移動によりごく短時間に変化することになる。なおノズル10、11から噴射する洗浄水の収納具14の移動方向における幅は細く絞る必要はなく、例えば互いに隣り合う皿37の周端部37のピッチ寸法程度でよい。
したがって、収納具14の移動により先頭に位置する皿37の周端部37cから枠17、28側への洗浄水の分流成分の量が、先頭に位置する皿37の周端部37cから隣り合う二番目の皿37側への洗浄水の分流成分の量よりも多いときは、皿37の表面37a部と枠17、28は図9(b)に示す離間した状態にある。
さらに、収納具14の移動により先頭に位置する皿37の周端部37cから隣り合う二番目の皿37側への洗浄水の分流成分の量が、先頭に位置する皿37の周端部37cから枠17、28側への洗浄水の分流成分の量よりも多くなると、上方側の周端部37cの間隔(S3)に入り込んだ洗浄水の動圧および静圧が、先頭に位置する皿37の裏面37bおよび二番目の皿37の表面37aに作用してこれらを押し広げ、図10(b)に示すように先頭に位置する皿37は、枠17、28側へ支持体22、23、33、34を周端部37cが滑って移動して枠17、28へ接触し、同時に先頭に位置する皿37と隣り合う二番目の皿37とが接触した状態から離れて離間する。
前記離間した間隔内を洗浄水が上部から下部方向および上部から横方向に流動し、先頭に位置する食器37の裏面37bおよび二番目の食器37の表面37aの汚れを除去して洗浄するものである。洗浄水が離間した間隔内を流動するとき、食器37の表面37aおよび裏面37bの汚れを確実に除去するとともに、離間した間隔の形成を保持することができる。
前記したように、分流量の割合は収納具14の移動によりごく短時間に変化することから、図10(a)から図10(b)に示す状態の移行はほぼ瞬時に行われ、収納具14に収納した複数の皿37は略鉛直姿勢を維持したままの状態となる。図10(b)に示す状態において、洗浄水の流動により先頭に位置する皿37の裏面37bと隣り合う二番目の皿37の表面37aの汚れを除去するものである。
図10(a)、(b)に示す状態において、収納具14に収納した複数の皿37は略鉛直姿勢を維持したままの状態となることから、所定角度((θ3)傾斜して収納した状態での上方側の周端部37cの間隔(S3)は、皿37を鉛直方向に積み重ねて収納具14に収納したときの周端部37cの間隔(S1)とほぼ同一となる。これによって互いに隣り合う皿37の上方側の周端部37cの間隔が広くなり、洗浄水がより互いに隣り合う皿37の周端部37cの間隔に入りやすくなる。
図11(a)は、図10(b)の状態から固定配置したノズル10、11に対し、コンベア2により収納具14が移動して、洗浄水が二番目に位置する皿37の周端部37cに当たっている状態を示す。前記図10(a)、図10(b)における状態変化と同様に、収納具14の移動により二番目に位置する皿37の周端部37cから先頭に位置する皿37側への洗浄水の分流成分の量が、二番目から隣り合う三番目の皿37側への洗浄水の分流成分の量よりも多いときは、先頭に位置する皿37の裏面37bと二番目に位置する皿37の表面37aは図10(b)に示す離間した状態にある。
さらに、収納具14の移動により二番目に位置する皿37の周端部37cから隣り合う三番目の皿37側への洗浄水の分流成分の量が、二番目に位置する皿37の周端部37cから先頭に位置する皿37側への洗浄水の分流成分の量よりも多くなると、図11(b)に示すように二番目に位置する皿37は先頭に位置する皿37側へ支持体22、23、33、34を滑って移動して先頭に位置する皿37へ接触し、同時に二番目に位置する皿37と隣り合う三番目の皿37とが接触した状態から離れて離間する。
前記したように、分流量の割合は収納具14の移動によりごく短時間に変化することから、図11(a)から図11(b)に示す状態の移行はほぼ瞬時に行われ、収納具14に収納した複数の皿37は略鉛直姿勢を維持したままの状態となる。図11(b)に示す状態において、洗浄水の流動により二番目に位置する皿37の裏面37bと隣り合う三番目の皿37の表面37aの汚れを除去するものである。これ以降、収納具14の移動により前記した同様の動作、作用を繰り返し、収納具14に収納した食器37の洗浄を順次行うものである。
図12(a)は、収納具14の移動により、ノズル10、11からの洗浄水が、最後尾に位置する皿37の裏面37bの位置に移動したときの洗浄状態を示す。ノズル10、11の洗浄水は、最後尾に位置する皿37の裏面37bとベース板16、27との間隔(S6)に入り、収納具14のベース板16、27の面と最後尾に位置する皿37の裏面37bとの間で衝突を繰り返し最後尾に位置する皿37の裏面37bの汚れを除去し洗浄する。収納具14に収納した複数の皿37は、最後尾に位置する皿37の裏面37bが洗浄水に押されていることにより略鉛直方向の姿勢となっているものである。
一般的に食器の表面よりも食器の裏面の汚れは少ないが、前記作用により最後尾に位置する皿37の裏面37bの汚れを確実に除去するものである。なお図9〜12に示した洗浄動作時において、収納具14自体もノズル10、11から噴射した洗浄水および皿37からの洗浄水の流動によって洗浄されるものである
図12(b)は、図12(a)の状態から収納具14の移動により、ノズル10、11からの洗浄水が収納具14のベース板16、27より外れた位置に移動したときの洗浄状態を示す。このときはノズル10、11からの洗浄水が複数の皿37に当たらないので、図7に示すように複数の皿37は収納時と同様に所定角度(θ3)に傾斜した状態に戻ることになる。
以上のように、図9〜12に示した洗浄動作を、荒洗浄ゾーン7a、中間洗浄ゾーン7b、仕上げ洗浄ゾーン7cにおいて行い、収納具14とともに収納した皿37の洗浄を完了する。洗浄を終了した皿37は、収納具14に収納したまま、次工程で例えば乾燥、殺菌等を行い保管されるものである。なお一つの洗浄ゾーンにおいて、収納具14の一方向の移動により図9〜12に示した洗浄動作を複数回行うようにしてもよく、必要に応じて選択する。
また本実施例においては、断面が円形である棒状の支持体22、23、33、34と皿37の周端部37cとはほぼ点接触となり滑り抵抗を減少させることができる。支持体22、23および33、34は、平滑性のよい加工表面または少なくとも表面が樹脂等であることが好ましく、この場合には支持体22、23および33、34と皿37の周端部37cとの滑り性を良くして皿37の移動をスムーズにし、洗浄時における互いに隣り合う皿37の離間動作と姿勢変化をより確実に行うことができる。
なお、食器を収納した後の収納具は、容易に持ち運びができ、また洗浄装置への投入、搬出作業が容易にできるように考慮する必要がある。このため食器の種類、形状、質量等によって異なるが、特に総質量の面から収納具14へ収納する皿37の個数は例えば20〜40個程度が好ましい。
また、収納具14の支持体22、23および33、34の数、断面形状、配置位置等は、実施例に限定されるものではなく、食器の形状、大きさ、質量、材質等によって、洗浄時の食器の傾斜姿勢および傾斜姿勢から鉛直方向への移動の安定性を考慮して最適条件に設定すればよい。実施例においては、収納部15を下にして収納具14を水平方向(横方向)の姿勢にして洗浄を行うので、複数の食器の質量を収納部15の支持体22、23が受けて支持することになる。したがって収納部15の支持体22、23の数を保持部26の支持体33、34の数よりも多くしてもよく、この場合には安定性をより向上させることができる。
本発明の収納具14は、複数の皿37の周端部37cが支持体22、23、33、34を自由に滑って重ね方向に沿って移動自在に支持するとともに、先頭に位置する皿37の表面37a側と最後尾に位置する皿37の裏面37b側のみの位置を位置規制部材であるベース板16、27および枠17、28により規制して、表面37a側と裏面37b側を水平方向に重ねた複数の皿37を、重ね方向に沿った移動および鉛直方向の姿勢変化を所定範囲内で自在となるように収納するものである。
これによって、個々の食器の周端部を支持、拘束する必要がなく、寸法にばらつきのある食器、外縁同士のピッチが小さく近接した食器、喫食後の残飯、肉片等の固形物が付着した食器を、積み重ねてそのまま収納具に挿入、収納することができる。また複数の食器の個々の嵌め込み具合の確認も不要となり、複数の食器の収納および取り出しを極めて容易にして収納性を向上させることができる。
さらに、従来は個々の食器の周端部を支持、拘束するため、支持部材による食器へ応力がかかることがあり、収納および取り出し、持ち運び、車両による運搬等のときに食器を破損する恐れがあった。これに対して本発明の収納具は、個々の食器の周端部を支持、拘束する必要がないので前記のような破損を生じることがない。
また、積み重ねた食器の全長に対して所定スペースだけ与えて収納すればよく、複数の食器をコンパクトに収納して、収納具自体の小型化、軽量化を図ることができる。さらに構造の簡素化により、収納具に収納した複数の食器へ噴射する洗浄水の流れに対して妨げとなる構成要素が少なく、複数の食器の洗浄を確実に行うことができる。また収納具自体の洗浄も確実に行うことができるとともに、複数の食器の汚れ成分が引っかかり収納具に残ってしまうこともない。このように収納具の構成を簡素化するとともに食器の収納性を向上させることができる。
収納具14を水平方向(横方向)にした際に、皿37の重心が皿37の裏面37b側に位置することによって、複数の皿37は、裏面37b側を下方として周端部37cが支持体22、23、33、34を滑って、複数の皿37は互いにその一部が接触し、折り重なるようにして同方向に所定角度(θ3)に傾斜した姿勢となるものである。このように個々の皿37を支持し、この支持機構を操作して複数の皿37を傾斜させる必要がなく、収納具14を水平方向にするだけで複数の皿37が傾斜した姿勢となるので、洗浄時における操作作業を簡素化することができる。さらに複数の皿37の姿勢を安定化させた状態で洗浄装置に投入、搬送することができる。
また、互いに隣り合う皿37の下方側の周端部37cの間隔を、上方側の周端部37cの間隔よりも広くなるようにして複数の皿37を収納する。これによって、複数の皿37の姿勢をより安定化させた状態で洗浄装置に投入、搬送することができる。また洗浄後に保管する際、皿37の表面37a側と裏面37b側に付着した洗浄水が流出しやすく乾燥をより早めることができる。
さらに、本発明の洗浄方法は、表面37a側と裏面37b側を水平方向に重ねた複数の食器である皿37の周端部37cを重ね方向に沿って複数の支持体22、23、33、34により支持するとともに、前記複数の皿37の内、先頭に位置する皿37の表面37a側と最後尾に位置する皿37の裏面37b側の位置を位置規制部材であるベース板16、27および枠17、28により規制して、複数の皿37を重ね方向に沿った移動および姿勢変化を所定範囲内で自在となるようにして収納具14に収納し、前記収納具14に収納した複数の皿37の周端部にノズル10、11から洗浄水を重ね方向に沿って順次噴射し、前記ノズル10、11から噴射した洗浄水により、接触した互いに隣り合う皿37を離して離間させ、離間した間隔に流入した洗浄水の流動により複数の皿37の洗浄を順次行うものである。
前記したように、皿37の個々ごとに周端部37cを支持、拘束せずに所定範囲内で自由に重ね方向の移動、姿勢変化を自由にして収納し、この周端部37cに重ね方向に沿って順次噴射する。これによって個々の皿37が洗浄水の流動に瞬時に追従して動いて揺動し、互いに隣り合う皿37が接触状態と離れた非接触状態を順次繰り返しながら離間する。前記洗浄水が離間した間隔内を流動するとき、汚れを確実に除去するとともに離間した間隔の形成を保持することがでる。
また、互いに隣り合う皿37が接触状態と離れた非接触状態を順次繰り返しながら、皿37が複数の支持体22、23、33、34に沿って移動、揺動し、さらに互いに隣り合う皿37が早い速度で接触しあうことになる。この移動および接触時の反動によって皿37に付着した汚れを除去することができ、残渣物の剥離を促進して洗浄性能をより高めることができる。さらに皿37の周端部37cが移動することによって周端部37c部分および収納具14自体の汚れも確実に除去することができる。
このように、個々の皿37の周端部37cの支持、拘束を不要とし、且つ互いに隣り合う皿37の間に洗浄水が流動するに必要な所定スペースを有して複数の皿37を収納具14に収納すればよく、収納具14を小型化することができる。これにより洗浄装置に、同時により多くの収納具14を投入して洗浄することができる。また前記したように互いに隣り合う皿37が瞬時に離間し、且つ汚れを確実に除去することができる。したがって、収納具にコンパクトに収納した皿37の汚れを確実にかつ効率的に除去することができるものである。
また、本実施例においては、ノズル10、11から噴射した洗浄水により、所定角度傾斜した姿勢で収納した複数の皿37を略鉛直の姿勢に変化させて接触した互いに隣り合う皿37を離して離間させるものである。従来のように個々の皿37を支持、拘束して鉛直の姿勢にし、皿37の間に洗浄水を噴射して洗浄する場合には、洗浄水が皿37の表面37aおよび裏面37bに十分接触しないで流動するため、汚れを確実に除去できない恐れがある。これに対して、ノズル10、11からから噴射した洗浄水の流動により略鉛直の姿勢にまで変化させるもので、互いに隣り合う皿37を確実に離間させるとともに、洗浄水は、皿37の表面37aおよび裏面37bに必ず接触して流動することになり、さらに略鉛直の姿勢とすることで汚れ成分の落下を促進して汚れを確実に除去することができる。
また、皿37の周端部37cに複数のノズル10、11より洗浄水を重ね方向に沿って噴射することによって、皿37の姿勢を安定させた状態で離間させるとともに、十分な洗浄水が離間した間隔に入り込み汚れを確実に除去することができる。さらに皿37の周端部37cの間隔に複数のノズル10、11から皿37の略中央部へ洗浄水を噴射することによって、複数のノズル10、11からの洗浄水が離間した間隔内で衝突流となって拡散し、洗浄水の噴射の無い周端部37c側から外方に排出する高速の洗浄水流を形成し、汚れを確実に除去することができる。なお本実施例においては、各洗浄ゾーンにおいてノズル数を2個としたがこれに限定するものではなく、皿37の外形寸法、形状等により互いに隣り合う皿37の離間および洗浄状態に応じて選択すればよい。
なお、所定スペース(L2)の寸法は、複数の皿37の鉛直面に対する傾斜角度(θ3)、互いに隣り合う皿37の洗浄時における必要な離間距離を考慮し、最適条件に設定すればよい。傾斜角度(θ3)が大き過ぎると皿37の姿勢がばらつき、不安定となり好ましくない。離間距離は、洗浄水が互いに隣り合う皿37の表面37aおよび裏面37bの全面に流動する寸法でよく、大きな距離を必要としない。皿37の種類、形状、寸法、質量等によって異なるが、傾斜角度(θ3)は例えば5〜10度、離間距離は例えば10〜20ミリメートルに設定する。したがって皿37を収納具14にコンパクトに収納し、この状態まま洗浄することができる。
また、収納具14の移動速度は、洗浄水の噴射量および噴射速度、互いに隣り合う皿37が離間して洗浄水が流動している時間と相関し、皿37の汚れが多い場合には移動速度をより遅くし、汚れが少ない場合には移動速度をより早くすればよく、状況に応じて設定する。通常収納具14の移動速度は例えば分速0.5〜1メートルに設定する。
なお、前記した洗浄状態において、洗浄水により複数の皿37を所定角度傾斜した姿勢から略鉛直姿勢に変化させたが、所定角度(θ3)傾斜した姿勢を若干鉛直方向に変化させ、傾斜した姿勢のまま、互いに隣り合う皿37を接触状態から非接触状態として離間させて洗浄水を流動させて洗浄を行うようにしてもよい。この場合の非接触状態における互いに隣り合う皿37の上方側の間隔は、例えば10ミリメートル以下と狭くなるが、この状態においてもノズル10、11からの洗浄水を皿37の上方側の周端部37cの間隔に入り込ませ、さらに皿37の下方側に抜けるようにして流動させて洗浄することができる。
前記した皿37の所定角度(θ3)傾斜した姿勢から鉛直方向への姿勢の変化角度は、例えばノズル10、11からの洗浄水の量、噴射速度、洗浄スペース7内での収納具14の移動速度等によって調節することができる。ノズル10、11からの洗浄水の量を減少させること、噴射速度を遅くすること、洗浄スペース7内での収納具14の移動速度をより早くすることのうち、少なくともいずれかを調節することによって、鉛直方向への姿勢の変化角度は小さくなる傾向となり、互いに隣り合う食器の上方側の離間した間隔も狭くなる。これは、食器の形状、質量および汚れの程度によって最適条件に設定すればよい。
また皿37の所定角度(θ3)傾斜した姿勢から鉛直方向への姿勢の変化角度を少なくして傾斜したまま洗浄水を噴射する場合には、図7および図8に示すように、互いに隣り合う皿37の周端部37cの高さ方向に段差(S5)が形成されているとともに、ノズル10、11は鉛直面に対して所定角度(θ1)を有して設けていることによって、ノズル10、11から噴射された洗浄水は、段差(S5)部分に当たって捕捉され、皿37の上方側の周端部37cの間隔に入り込み易い状態となる。
前記した段差(S5)部分による洗浄水の捕捉作用により、傾斜した姿勢のまま複数の皿37を順次離間させて洗浄することができる。この場合には収納具14に収納した複数の皿37も傾斜した姿勢となっている。
なお、図示しないが、収納具14を一方向の移動から駆動手段により往復移動させて皿37の洗浄を行うか、または収納具14を固定し、駆動手段によりノズル10、11を往復移動させて皿37の洗浄を行うことによって、洗浄装置の小型化が可能となり、省スペース化を図ることができる。特に洗浄する皿37の個数の比較的少ない場合に最適である。
なお、丸形状の食器としてお椀があるが、収納具および洗浄方法は前記皿37と同様の構成、洗浄動作、作用、効果となるものである。
次に、食器である四角形状のトレイの洗浄方法について図13〜図22を参照しながら説明する。洗浄装置はトレイを収納した収納具以外は図1、図2に示したものと同様のものを用いるものである。なお四角形状の食器としては、仕切り皿もあるが洗浄方法としてはトレイとほぼ同様である。
図13はトレイの収納具の概観斜視図、図14は図13の収納具の上面図、図15は複数のトレイを鉛直方向(縦方向)に積み重ねた状態を示す概観図、図16は鉛直方向に積み重ねたトレイを収納具に収納した状態を示す正面図、図17は収納具を鉛直方向から水平方向(横方向)に倒した状態におけるトレイの姿勢を示す図、図18はトレイの周端部の一部拡大図、図19〜図22は洗浄時におけるトレイの姿勢状態変化を示す図である。
図13のトレイ51の収納具38の概観斜視図および図14の収納具38の上面図に示すように、収納具38は収納部39を構成している。収納部39はベース板40、枠41を有し、ベース板40と枠41は所定長さの支柱42、43、44、45により一体化されている。さらに断面が円形である棒状の支持体46、47、48、49がベース板40と枠41の間に固定されている。
図15、図16に示すように、喫食後における未洗浄の食器であるトレイ51は、トレイ51の表面51aを上にして所定個数(例えば20〜40個)鉛直方向(縦方向)に積み重ねる。これを一単位として縦方向の姿勢にした収納具38の収納部39に収納する。最下部のトレイ51の裏面51bがベース板40上に乗り、トレイ51の周端部51cが支持体48、49に接触するまで挿入口50部分から押し込んで収納する。所定個数縦方向に積み重ねたトレイ51は、支持体46、47、48、49により周端部51cの複数個所が支持され収納するものである。また収納具38に積み重ねたトレイ51を収納した際に、積み重ねたトレイ51の高さ(L4)に対して最上部のトレイ51と枠41とに所定のスペース(L5)を有するように設定しているものである。(S7)は隣り合うトレイ51の周端部51cの間隔を示す。所定のスペース(L5)は、例えば10〜20ミリメートルに設定する。
トレイ51を鉛直方向に積み重ね、これを一単位として鉛直方向の姿勢にした収納具38に収納するようにしたが、収納具38を水平方向の姿勢として、積み重ねたトレイ51を収納することもできる。収納具38を鉛直方向または水平方向の姿勢として、トレイ51を少数ごとに所定個数収納してもよい。
なお、収納具38は支柱42、43を手で持って移動させることができるが、取手(図示なし)を設けてもよい。また収納したトレイ51の収納具38からの抜けを防ぐ支持体を設けていないが、収納具14のように開閉する保持部(図示なし)を設けて全周から保持してもよい。
収納具38に複数のトレイ51を収納した後、収納具38を水平方向の姿勢にして洗浄スペース7のコンベア2上に投入する。収納具38を鉛直方向から水平方向にした際の複数のトレイ51の姿勢状態を図17に示す。
前記したように、鉛直方向の収納具38に積み重ねたトレイ51を収納した際に、積み重ねたトレイ51の高さ(L4)に対して最上部のトレイ51と枠41とに所定のスペース(L5)を有するように設定しているものである。先頭のトレイ51の表面51a側の下部が枠41(位置規制部材)に接触し、最後尾のトレイ51の裏面51b側の上部の周端部51cまたはトレイ51の一部がベース板40(位置規制部材)に接触して、両端の位置が規制される。これによって水平方向に重ねた複数のトレイ51を、重ね方向に沿った移動および鉛直方向の姿勢変化を所定範囲内で自在となるように収納するものである。
収納具38を水平方向にした際に、トレイ51の重心がトレイ51の裏面51b側に位置することによって、複数のトレイ51はトレイ51の裏面51b側を下方として周端部51cが支持体46、47、48、49を滑って、互いにその一部が接触し、折り重なるようにして同方向に所定角度(θ4)に傾斜した姿勢となっている。またトレイ51の傾斜角度は、先頭に位置するトレイ51と最後尾に位置するトレイ51とで異なり、先頭に位置するトレイ51の傾斜角度(θ4)を最大とし、最後尾に位置するトレイ51側方向につれて傾斜角度が徐々に小さくなった状態となる。
また、傾斜した複数のトレイ51の下方側の周端部51cは支持体48、49に接触し、さらに先頭に位置するトレイ51の傾斜角度(θ4)を最大とし、最後尾に位置するトレイ51側方向につれて傾斜角度が徐々に小さくなった状態となっていることから、複数のトレイ51の上方側の周端部51cの高さは、最後尾に位置するトレイ51の周端部51cから先頭に位置するトレイ51の周端部51cにかけて徐々に低くなる状態となっている。
また、図18に複数のトレイ51を収納具38に収納し、収納具38を水平方向にしたときの先頭部に位置するトレイ51の上方側の周端部51cおよび最後尾部に位置するトレイ51の上方側の周端部51cの一部拡大図を示す。
複数のトレイ51の上方側の周端部51cの高さは、最後尾に位置するトレイ51の周端部51cから先頭に位置するトレイ51の周端部51cにかけて徐々に低くなる状態となっている。これによって図18に示すように、互いに隣り合うトレイ51の周端部51cの高さ方向に段差(S10)が形成されるとともに、互いに隣り合うトレイ51は表面51a側と裏面51b側の一部が接触することによって、周端部51c間に間隔(S7)が形成される。
また、複数のトレイ51が折り重なるようにして同方向に所定角度(θ4)に傾斜した姿勢となっていることから、先頭に位置するトレイ51の上方側の周端部51cと収納具38の枠41との間に間隔(S9)が形成されている。また、図18に示すように、最後尾に位置するトレイ51の裏面51b側の一部がベース板40に接触することによって、最後尾に位置するトレイ51の上方側の周端部51cとベース板40との間に間隔(S11)が形成されている。
以下、図19〜22に基づいて、洗浄の動作、作用および洗浄におけるトレイ51の姿勢状態変化を説明する。洗浄装置は図1、図2と基本構成を同一とし、トレイ51を収納した収納具38を投入して洗浄を行う点のみ異なるものである。なお図中において、Wは噴射された洗浄水の流れを示す。
図19(a)は、移動方向における先頭に位置する収納具38に収納されたトレイ51の表面51aの洗浄状態を示す。先頭に位置するトレイ51の表面51aに対し、ノズル10、11から間隔(S9)部分に洗浄水が噴射される。これによってノズル10、11からの洗浄水がトレイ51の表面51aにおいて衝突流となって拡散し汚れを除去するものである。特にトレイ51の表面51aと枠41との間で洗浄水が跳ね返りながら表面51aに当たることによって汚れを確実に除去するものである。
図19(a)の状態においては、複数のトレイ51は所定角度に傾斜した姿勢であるが、ノズル10、11からの洗浄水がトレイ51の表面51aへ動圧を与え、またトレイ51の表面51aと枠41との間隔を上方から下方へ洗浄水が流動することによって、図19(b)に示すように、トレイ51の表面51aの下部が枠41から離れて離間し、先頭から最後尾に位置する複数のトレイ51が所定角度に傾斜した姿勢から略鉛直姿勢に変化する。さらにトレイ51の表面51aと枠41との間隔を上方から下方へ洗浄水が流動し、トレイ51の表面51aの汚れを除去するものである。
図20(a)は、図19(b)の状態から固定配置したノズル10、11に対し、コンベア2により収納具38が移動して、洗浄水が先頭に位置するトレイ51の周端部51cに当たっている状態を示す。ノズル10、11から噴射する洗浄水は、所定の幅を有し、また洗浄水はその中央部の流速が外周部の流速よりも早い速度分布となっている。さらに周端部51cの厚さ(幅)は小さく、所定の曲率を有する構造となっている。これらによって洗浄水はトレイ51の周端部51cに当たるとき周端部51cの両側に分流され、この分流量の割合は収納具38の移動によりごく短時間に変化することになる。
したがって、収納具38の移動により先頭に位置するトレイ51の周端部51cから枠41側への洗浄水の分流成分の量が、先頭に位置するトレイ51の周端部51cから隣り合う二番目のトレイ51側への洗浄水の分流成分の量よりも多いときは、トレイ51の表面51aと枠41は図19(b)に示す離間した状態にある。
さらに、収納具38の移動により先頭に位置するトレイ51の周端部51cから隣り合う二番目のトレイ51側への洗浄水の分流成分の量が、先頭に位置するトレイ51の周端部51cから枠41側への洗浄水の分流成分の量よりも多くなると、図20(b)に示すように周端部51cの間隔(S7)に入り込んだ洗浄水の動圧および静圧が、先頭に位置するトレイ51の裏面51bおよび二番
目のトレイ51の表面51aに作用してこれらを押し広げ、先頭に位置するトレイ51は枠41側へ支持体46、47、48、49を周端部51cが滑って移動して枠41へ接触し、同時に先頭に位置するトレイ51と隣り合う二番目のトレイ51とが接触した状態から離れて離間する。
目のトレイ51の表面51aに作用してこれらを押し広げ、先頭に位置するトレイ51は枠41側へ支持体46、47、48、49を周端部51cが滑って移動して枠41へ接触し、同時に先頭に位置するトレイ51と隣り合う二番目のトレイ51とが接触した状態から離れて離間する。
前記離間した間隔内を洗浄水が上部から下部方向および上部から横方向に流動し、先頭に位置するトレイ51の裏面51bおよび二番目のトレイ51の表面51aの汚れを除去して洗浄するものである。洗浄水が離間した間隔内を流動するとき汚れを確実に除去するとともに、離間した間隔の形成を保持することがでる。
前記したように、分流量の割合は収納具38の移動によりごく短時間に変化することから、図20(a)から図20(b)に示す状態の移行はほぼ瞬時に行われ、収納具38に収納した複数のトレイ51は略鉛直姿勢を維持したままの状態となる。図20(b)に示す状態において、洗浄水の流動により先頭に位置するトレイ51の裏面51bと隣り合う二番目のトレイ51の表面51aの汚れを除去するものである。
図21(a)は、図20(b)の状態から固定配置したノズル10、11に対し、コンベア2により収納具38が移動して、洗浄水が二番目に位置するトレイ51の周端部51cに当たっている状態を示す。前記図20(a)、図20(b)における状態変化と同様に、収納具38の移動により二番目に位置するトレイ51の周端部51cから先頭に位置するトレイ51側への洗浄水の分流成分の量が、二番目から隣り合う三番目のトレイ51側への洗浄水の分流成分の量よりも多いときは、先頭に位置するトレイ51の裏面51bと二番目に位置するトレイ51の表面51aは図20(b)に示す離間した状態にある。
さらに、収納具38の移動により二番目に位置するトレイ51の周端部51cから隣り合う三番目のトレイ51側への洗浄水の分流成分の量が、二番目に位置するトレイ51の周端部51cから先頭に位置するトレイ51側への洗浄水の分流成分の量よりも多くなると、図21(b)に示すように二番目に位置するトレイ51は先頭に位置するトレイ51側へ移動して先頭に位置するトレイ51へ接触し、同時に二番目に位置するトレイ51と隣り合う三番目のトレイ51とが接触した状態から離れて離間する。
前記したように、分流量の割合は収納具38の移動によりごく短時間に変化することから、図21(a)から図21(b)に示す状態の移行はほぼ瞬時に行われ、収納具38に収納した複数のトレイ51は略鉛直姿勢を維持したままの状態となる。図21(b)に示す状態において、洗浄水の流動により二番目に位置するトレイ51の裏面51bと隣り合う三番目のトレイ51の表面51aの汚れを除去するものである。これ以降、収納具38の移動により前記した同様の動作、作用を繰り返し、収納具38に収納したトレイ51の洗浄を順次行うものである。
図22(a)は、収納具38の移動により、ノズル10、11からの洗浄水が、最後尾に位置するトレイ51の裏面51bの位置に移動したときの洗浄状態を示す。ノズル10、11の洗浄水は、最後尾に位置するトレイ51の裏面51bとベース板40との間隔(S11)に入り、収納具38のベース板40の面と最後尾に位置するトレイ51の裏面51bとの間で衝突を繰り返し最後尾に位置するトレイ51の裏面51bの汚れを除去し洗浄する。収納具38に収納した複数のトレイ51は、最後尾に位置するトレイ51の裏面51bが洗浄水に押されていることにより鉛直方向の姿勢となっているものである。
一般的に食器の表面よりも裏面の汚れは少ないが、前記作用により最後尾に位置するトレイ51の裏面51bの汚れを確実に除去するものである。なお図19〜22に示した洗浄動作時において、収納具38自体もノズル10、11から噴射した洗浄水およびトレイ51からの洗浄水の流動によって洗浄されるものである。
図22(b)は、図22(a)の状態から収納具38の移動により、ノズル10、11からの洗浄水が収納具38のベース板40より外れた位置に移動したときの洗浄状態を示す。このときはノズル10、11からの洗浄水が複数のトレイ51に当たらないので、図17に示すように複数のトレイ51は収納時と同様に所定角度(θ4)に傾斜した状態に戻ることになる。
以上のように、図19〜22に示した洗浄動作を、荒洗浄ゾーン7a、中間洗浄ゾーン7b、仕上げ洗浄ゾーン7cにおいて行い、収納具38とともに収納したトレイ51の洗浄を完了する。洗浄を終了したトレイ51は、収納具38に収納したまま、次工程で例えば乾燥、殺菌等を行い保管されるものである。なお一つの洗浄ゾーンにおいて、収納具38の一方向の移動により図19〜22に示した洗浄動作を複数回行うようにしてもよく、必要に応じて選択する。
なお、トレイ51の収納具38およびこの洗浄方法は、先に説明した丸形形状をした皿37を食器例として説明した例と同様の作用、効果が得られるものである。
(実施例2)
以下、本発明の実施例2を図23〜図28を参照しながら説明する。図23は本発明の実施例2の食器である皿の洗浄方法を実施する洗浄装置の基本構成を示す正面構成図、図24は図23のB−B線における側断面図、図25〜28は洗浄時における皿の姿勢状態変化を示す図である。
以下、本発明の実施例2を図23〜図28を参照しながら説明する。図23は本発明の実施例2の食器である皿の洗浄方法を実施する洗浄装置の基本構成を示す正面構成図、図24は図23のB−B線における側断面図、図25〜28は洗浄時における皿の姿勢状態変化を示す図である。
実施例1においては、皿37の上半部から洗浄水を噴射するノズル10、11を配置して洗浄するようにしたが、本発明の実施例2おいては、皿37の下半部から洗浄水を噴射するノズル52、53および上半部から洗浄水を噴射するノズル54、55を配置して洗浄するようにしたものである。なお被洗浄物である食器としては、実施例1で説明した皿37とし、この収納具14も共通として説明する。実施例1と同一箇所は同一番号を付し説明を省略する。
図23、図24に示すように、ノズル52、53は、鉛直中心を挟んで所定角度(θ5)を有して配置し、皿37の下半部側より皿37の略中央部に向けて洗浄水を噴射する。またノズル52、53は、鉛直面に対して所定角度(θ6)を有して配置しているものである。またノズル54、55は、鉛直中心を挟んで所定角度(θ7)を有し、皿37の上半部側より略鉛直方向に食器37の略中央部に向けて洗浄水を噴射する位置に配置している。なお前記所定角度(θ5)は(θ7)よりも小さい角度に設定している。さらにノズル52、53、54、55の各々と皿37との距離は、皿37の複数の大きさに対応させるため、最も大きい皿37をベースにできるだけ皿37の周端部に近接した位置に配置している。
また、皿37の周端部37cに、ノズル52、53から皿37の下半部側より噴射する洗浄水の水量を、ノズル54、55から皿37の上半部側より噴射する洗浄水の水量よりも多く設定してある。また皿37の下半部側より噴射する洗浄水の噴射速度を、皿37の上半部側より噴射する洗浄水の噴射速度よりも速く設定しているものである。なおノズル52、53から噴射する洗浄水の収納具14の移動方向における幅は細く絞る必要はなく、例えば互いに隣り合う皿37の周端部37のピッチ寸法程度でよい。さらにノズル54、55から噴射する洗浄水の収納具14の移動方向における幅は、ノズル52、53から噴射する洗浄水の幅よりも広く(例えば2〜3倍程度)噴射するものである。
次に、図25〜28に基づいて、洗浄の動作、作用および洗浄における食器の姿勢状態変化を説明する。なお図中において、Wは噴射された洗浄水の流れを示す。図25は、収納具14の移動方向に対して先頭に位置する皿37の洗浄状態を示す。先頭に位置する皿37の表面37aに対し、ノズル54、55から洗浄水が噴射され、この表面の汚れを除去する。このときノズル54、55が所定角度(θ7)を有して配置されていることから皿37の上半部側より皿37の略中央部に向けて洗浄水を噴射する。
これによって、ノズル54、55からの洗浄水が皿37の表面37aにおいて衝突流となって拡散し汚れを確実に除去するものである。またこの状態においては、先頭に位置する皿37の表面37aに対し洗浄水の押し圧力が作用していることにより、複数の皿37は所定角度に傾斜したままの姿勢である。このとき、皿37の下半部側よりノズル52、53から噴射する洗浄水は、先頭に位置する皿37の下方部に到達していない状態である。
図26は、固定配置したノズル52、53、54、55に対し、コンベア2により収納具14が移動して先頭に位置する皿37とこれと隣り合う二番目の皿37の下方側の周端部37cの間隔(S2)にノズル52、53からの洗浄水が入り込み、またノズル52、53からの洗浄水の入り込みによって広がった上方側の周端部37cの間隔にノズル54、55からの洗浄水が入り込んで、先頭に位置する皿37の裏面37bと二番目の皿37の表面37aの洗浄を行う状態を示す。
図26において、収納具14の移動により、ノズル52、53からの洗浄水が、先頭に位置する皿37の下方側の周端部37cを過ぎて、先頭に位置する皿37とこれと隣り合う二番目の皿37の下方側の周端部37cの間隔(S2)の位置に移動する。このとき先頭に位置する皿37とこれと隣り合う二番目の皿37の下方側の周端部37cの間隔(S2)に、ノズル52、53から食器37の下半部側より皿37の略中央部に向けて噴射した洗浄水が入り込み洗浄水の上方への流動により、二番目以降の複数の皿37、および先頭に位置する皿37が傾斜した姿勢から鉛直方向の姿勢に変化し始める。
これによって、上方側の周端部37cの間隔(S3)も広くなり、ノズル54、55から皿37の上半部側より皿37の略中央部に向けて噴射した洗浄水が入り込む。これにより図26に示すように先頭に位置する皿37は枠17、28側へ支持体22、23、33、34を周端部37cが滑って移動して枠17、28へ接触し、同時に先頭に位置する皿37と隣り合う二番目の皿37とが接触した状態から離れて離間する。
前記した洗浄水の水量、噴射速度が複数のノズル52、53とノズル54、55間で異なることに加え、ノズル52、53は、図23に示すように鉛直面に対して所定角度(θ6)に傾斜して配置していることから、二番目の皿37の下方側の周端部37cおよびこの近傍の皿37の表面37aに衝突して、二番目の皿37に対して速度エネルギーが作用することになり、二番目以降の複数の皿37が、傾斜姿勢から鉛直方向の姿勢により瞬時に移動する。さらに先頭に位置する皿37の裏面37bに、二番目の皿37の表面37aからの洗浄水の跳ね返りにより、先頭に位置する皿37の裏面37bに反力が作用することになり、先頭に位置する皿37も傾斜姿勢から鉛直方向の姿勢により瞬時に変化する。
ノズル52、53からの洗浄水が、先頭に位置する皿37の下方側の周端部37cを過ぎると、図25から図26に示す状態の移行はほぼ瞬時に行われ、収納具14に収納した複数の皿37は略鉛直姿勢を維持したままの状態となる。
また、皿37の周端部37cの間隔に複数のノズル52、53、54、55から皿37の略中央部へ洗浄水を順次噴射することによって、十分な洗浄水が間隔に入り込み、隣り合う皿37を順次確実に離間させるとともに、皿37の表面37aと裏面37bの間隔において複数のノズル52、53、54、55からの洗浄水が衝突流となって拡散し、洗浄水の噴射の無い周端部37c側から外方に排出する高速の洗浄水流を形成し、汚れを確実に除去することができる。
図27(a)は、図26の状態から固定配置したノズル52、53に対し、コンベア2により収納具14が移動して、洗浄水が二番目に位置する皿37の周端部37cに当たっている状態を示す。収納具14の移動により二番目に位置する皿37の周端部37cから先頭に位置する皿37側への洗浄水の分流成分の量が、二番目から隣り合う三番目の皿37側への洗浄水の分流成分の量よりも多いときは、先頭に位置する皿37の裏面37bと二番目に位置する皿37の表面37aは図26に示す離間した状態にある。
さらに、収納具14の移動により二番目に位置する皿37の周端部37cから隣り合う三番目の皿37側への洗浄水の分流成分の量が、二番目に位置する皿37の周端部37cから先頭に位置する皿37側への洗浄水の分流成分の量よりも多くなると、図27(b)に示すように二番目に位置する皿37は先頭に位置する皿37側へ移動して先頭に位置する皿37へ接触し、同時に二番目に位置する皿37と隣り合う三番目の皿37とが接触した状態から離れて離間する。
前記したように、分流量の割合は収納具14の移動によりごく短時間に変化することから、図27(a)から図27(b)に示す状態の移行はほぼ瞬時に行われ、収納具14に収納した複数の皿37は略鉛直姿勢を維持したままの状態となる。図27(b)に示す状態において、洗浄水の流動により二番目に位置する皿37の裏面37bと隣り合う三番目の皿37の表面37aの汚れを除去するものである。これ以降、収納具14の移動により前記した同様の動作、作用を繰り返し、収納具14に収納した皿37の洗浄を順次行うものである。
図28(a)は、収納具14の移動により、ノズル52、53、54、55からの洗浄水が、最後尾に位置する皿37の裏面37bの位置に移動したときの洗浄状態を示す。ノズル52、53からの洗浄水は、最後尾に位置する皿37の裏面37bとベース板16、27との間隔(S6)に入り、収納具14のベース板16、27の面と最後尾に位置する皿37の裏面37bとの間で衝突を繰り返し最後尾に位置する皿37の裏面37bの汚れを除去し洗浄する。収納具14に収納した複数の皿37は、最後尾に位置する皿37の裏面37bが洗浄水に押されていることにより鉛直方向の姿勢となっているものである。
一般的に食器の表面よりも食器の裏面の汚れは少ないが、前記作用により最後尾に位置する皿37の裏面37bの汚れを確実に除去するものである。なお図25〜28に示した洗浄動作時において、収納具14自体もノズル52、53、54、55から噴射した洗浄水および皿37からの洗浄水の流動によって洗浄されるものである
図28(b)は、図28(a)の状態から収納具14の移動により、ノズル52、53、54、55からの洗浄水が収納具14のベース板16、27より外れた位置に移動したときの洗浄状態を示す。このときはノズル52、53からの洗浄水が複数の皿37に当たらないので、図7に示すように複数の皿37は収納時と同様に所定角度(θ3)に傾斜した状態に戻ることになる。
以上のように、図25〜28に示した洗浄動作を、荒洗浄ゾーン7a、中間洗浄ゾーン7b、仕上げ洗浄ゾーン7cにおいて行い、収納具14とともに収納した皿37の洗浄を完了する。洗浄を終了した皿37は、収納具14に収納したまま、次工程で例えば乾燥、殺菌等を行い保管されるものである。なお一つの洗浄ゾーンにおいて、収納具14の一方向の移動により図25〜28に示した洗浄動作を複数回行うようにしてもよく、必要に応じて選択する。なお実施例1において説明したトレイ51も同様にして洗浄することができるものである。
なお、図25〜28に示した洗浄動作においては、ノズル52、53から皿37の下半部側より皿37の略中央部に向けて洗浄水を噴射し、さらにノズル54、55から皿37の上半部側より皿37の略中央部に向けて洗浄水を噴射する構成として洗浄を行うようにしたが、ノズル52、53からのみ、皿37の下半部側より皿37の略中央部に向けて洗浄水を噴射して洗浄するようにしてもよい。この場合にはノズル52、53からの洗浄水が皿37の下方側の周端部37cの間隔に入り込み、互いに隣り合う皿37を離間させ、皿37の上方側に抜けるようにして洗浄水を流動させて洗浄することができる。なお先頭に位置する皿37の表面37aの洗浄を行うには、収納具14の枠17、28に開口(図示なし)を設け、この開口部をノズル52、53からの洗浄水を通過させて皿37の表面37aに噴射させればよい。
また、ノズル52、53からの洗浄水により互いに隣り合う皿37を離間させて、皿37の表面37aおよび裏面37bを洗浄水の流動により洗浄するとともに、ノズル54、55からシャワー状の洗浄水を皿37の上方側から噴射させるようにしてもよい。この場合には、洗浄済みの皿37への汚れの再付着を防止することができる。
また、前記した洗浄状態において、洗浄水により複数の皿37を所定角度傾斜した姿勢から略鉛直姿勢に変化させたが、所定角度(θ3)傾斜した姿勢を若干鉛直方向に変化させ、傾斜した姿勢のまま、互いに隣り合う皿37を接触状態から非接触状態として離間させて洗浄水を流動させて洗浄を行うようにしてもよい。この場合の非接触状態における互いに隣り合う皿37の上方側の間隔は、例えば10ミリメートル以下と狭くなるが、この状態においてもノズル52、53からの洗浄水を皿37の下方側の周端部37cの間隔に入り込ませ、さらに皿37の上方側に抜けるようにして流動させて洗浄することができる。
前記した皿37の所定角度(θ3)傾斜した姿勢から鉛直方向への姿勢の変化角度は、例えばノズル52、53からの洗浄水の量、噴射速度、洗浄スペース7内での収納具14の移動速度等によって調節することができる。ノズル52、53からの洗浄水の量を減少させること、噴射速度を遅くすること、洗浄スペース7内での収納具14の移動速度をより早くすることのうち、少なくともいずれかを調節することによって、鉛直方向への姿勢の変化角度は小さくなる傾向となり、互いに隣り合う食器の上方側の離間した間隔も狭くなる。これは、食器の形状、質量および汚れの程度によって最適条件に設定すればよい。
なお、実施例2における洗浄方法も実施例1と同様の作用、効果が得られるものである。
以上のように、本発明の食器の洗浄方法によれば、収納具にコンパクトに収納した食器の汚れを確実にかつ効率的に除去することができる。また本発明の食器の収納具によれば、複数の食器の個々の支持、拘束を不要として、構造の簡素化、小型化を図ることができるとともに、食器の収納および取り出しを容易にして収納性を向上させることができる。
食器に限らず、例えば機械加工部品等の被洗浄物の洗浄用途にも適用できる。
1 洗浄装置
2 コンベア(搬送手段)
3 仕切部材
4 下部外郭体
5 機器スペース
6 上部外郭体
7 洗浄スペース
7a 荒洗浄ゾーン
7b 中間洗浄ゾーン
7c 仕上げ洗浄ゾーン
8 洗浄水タンク
9 ポンプ
10、11 ノズル
12、13 配管
14 収納具
15 収納部
16 ベース板(位置規制部材)
17 枠(位置規制部材)
18、19、20、21 支柱
22、23 支持体
24 取手
25 回動部材
26 保持部
27 ベース板(位置規制部材)
28 枠(位置規制部材)
29、30、31、32 支柱
33、34 支持体
35 回動部材
36 フック部材
37 皿(食器、被洗浄物)
37a 皿の表面
37b 皿の裏面
37c 皿の周端部
37d 糸底
38 収納具
39 収納部
40 ベース板(位置規制部材)
41 枠(位置規制部材)
42、43、44、45 支柱
46、47、48、49 支持体
50 挿入口
51 トレイ(食器、被洗浄物)
51a トレイの表面
51b トレイの裏面
51c トレイの周端部
52、53、54、55 ノズル
2 コンベア(搬送手段)
3 仕切部材
4 下部外郭体
5 機器スペース
6 上部外郭体
7 洗浄スペース
7a 荒洗浄ゾーン
7b 中間洗浄ゾーン
7c 仕上げ洗浄ゾーン
8 洗浄水タンク
9 ポンプ
10、11 ノズル
12、13 配管
14 収納具
15 収納部
16 ベース板(位置規制部材)
17 枠(位置規制部材)
18、19、20、21 支柱
22、23 支持体
24 取手
25 回動部材
26 保持部
27 ベース板(位置規制部材)
28 枠(位置規制部材)
29、30、31、32 支柱
33、34 支持体
35 回動部材
36 フック部材
37 皿(食器、被洗浄物)
37a 皿の表面
37b 皿の裏面
37c 皿の周端部
37d 糸底
38 収納具
39 収納部
40 ベース板(位置規制部材)
41 枠(位置規制部材)
42、43、44、45 支柱
46、47、48、49 支持体
50 挿入口
51 トレイ(食器、被洗浄物)
51a トレイの表面
51b トレイの裏面
51c トレイの周端部
52、53、54、55 ノズル
Claims (31)
- 表面側と裏面側を水平方向に重ねた複数の食器の周端部を重ね方向に沿って複数の支持体により支持するとともに、前記複数の食器の内、先頭に位置する食器の表面側と最後尾に位置する食器の裏面側の位置を位置規制部材により規制して、複数の食器を重ね方向に沿った移動および姿勢変化を所定範囲内で自在となるようにして収納具に収納し、前記収納具に収納した複数の食器の周端部にノズルから洗浄水を重ね方向に沿って順次噴射し、前記ノズルから噴射した洗浄水により、接触した互いに隣り合う食器を離して離間させ、離間した間隔に流入した洗浄水の流動により複数の食器の洗浄を順次行うことを特徴とする食器の洗浄方法。
- 互いに隣り合う食器を接触させて鉛直面に対して所定角度傾斜した姿勢で収納具に収納した複数の食器の周端部に、ノズルから洗浄水を重ね方向に沿って順次噴射することを特徴とする請求項1に記載の食器の洗浄方法。
- 互いに隣り合う食器の下方側の周端部の間隔を、上方側の周端部の間隔よりも広くなるようにして収納具に収納したことを特徴とする請求項2に記載の食器の洗浄方法。
- ノズルから噴射した洗浄水により、鉛直面に対して所定角度傾斜した姿勢で収納した食器を鉛直方向の姿勢に変化させて接触した互いに隣り合う食器を離して離間させることを特徴とする請求項2または3に記載の食器の洗浄方法。
- ノズルから噴射した洗浄水により、収納具に収納した複数の食器は略鉛直姿勢を維持したままで、接触した互いに隣り合う食器を離して離間させることを特徴とする請求項4に記載の食器の洗浄方法。
- ノズルから噴射した洗浄水により、収納具に収納した複数の食器は傾斜した姿勢のままで、接触した互いに隣り合う食器を離して離間させることを特徴とする請求項4に記載の食器の洗浄方法。
- 食器の周端部に複数のノズルから洗浄水を重ね方向に沿って順次噴射することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の食器の洗浄方法。
- 複数のノズルから食器の略中央部に向けて洗浄水を順次噴射することを特徴とする請求項7に記載の食器の洗浄方法。
- 食器の上半部側から前記食器の上方側の周端部に順次噴射した洗浄水により、接触した互いに隣り合う食器を離して離間させることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の食器の洗浄方法。
- 食器の下半部側から前記食器の下方側の周端部に順次噴射した洗浄水により、接触した互いに隣り合う食器を離して離間させることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の食器の洗浄方法。
- 食器の下半部側より鉛直面に対して所定角度傾斜して洗浄水を噴射し、前記噴射した洗浄水が食器の下方側の周端部およびこの近傍の食器の表面に衝突し、食器を傾斜姿勢から鉛直方向の姿勢に移動させることを特徴とする請求項10に記載の食器の洗浄方法。
- 食器の下半部側および上半部側から前記食器の下方側および上方側の周端部に順次噴射した洗浄水により、接触した互いに隣り合う食器を離して離間させることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の食器の洗浄方法。
- 食器の下半部側より噴射する洗浄水の量を、上半部側より噴射する洗浄水の水量よりも多くしたことを特徴とする請求項12に記載の食器の洗浄方法。
- 食器の下半部側より噴射する洗浄水の噴射速度を、上半部側より噴射する洗浄水の噴射速度よりも速くしたことを特徴とする請求項12または13に記載の食器の洗浄方法。
- 食器の上半部側より略鉛直方向に洗浄水を噴射し、下半部側より鉛直面に対して所定角度傾斜して洗浄水を噴射し、前記下半部側より噴射する洗浄水が食器の下方側の周端部およびこの近傍の食器の表面に衝突し、食器を傾斜姿勢から鉛直方向の姿勢に移動させることを特徴とする請求項12〜14のいずれか1項に記載の食器の洗浄方法。
- 食器の上半部側より噴射する洗浄水の食器の重ね方向における幅を、食器の下半部側より噴射する洗浄水の食器の重ね方向における幅よりも広くしたことを特徴とする請求項12〜15のいずれか1項に記載の食器の洗浄方法。
- 収納具を食器の重ね方向に移動させる搬送手段を備え、ノズルから噴射する洗浄水の量、ノズルから噴射する洗浄水の噴射速度、収納具の移動速度のうち、少なくともいずれかにより、鉛直面に対して所定角度傾斜した姿勢で収納した食器の鉛直方向への姿勢の変化角度を調節することを特徴とする請求項4〜16のいずれか1項に記載の食器の洗浄方法。
- 収納具を食器の重ね方向に移動させる搬送手段と、前記収納具の移動方向にノズルを有する複数の洗浄ゾーンを備え、前記複数の洗浄ゾーンにおいて、収納具に収納した複数の食器の周端部にノズルから洗浄水を重ね方向に沿って順次噴射することを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の食器の洗浄方法。
- 収納具を食器の重ね方向に往復移動させて、前記収納具に収納した複数の食器の周端部にノズルから洗浄水を順次噴射することを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の食器の洗浄方法。
- ノズルを食器の重ね方向に往復移動させて、収納具に収納した複数の食器の周端部にノズルから洗浄水を順次噴射することを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の食器の洗浄方法。
- 表面側と裏面側を水平方向に重ねた複数の食器の周端部を重ね方向に沿って支持する複数の支持体と、前記複数の食器の内、先頭に位置する食器の表面側と最後尾に位置する食器の裏面側の位置を規制する位置規制部材を備えて前記複数の食器を重ね方向に沿った移動および姿勢変化を所定範囲内で自在となるように収納した収納具と、前記収納具に収納した複数の食器の周端部に洗浄水を重ね方向に沿って順次噴射するノズルを備え、前記ノズルから噴射した洗浄水により、接触した互いに隣り合う食器を離して離間させ、離間した間隔に流入した洗浄水の流動により複数の食器の洗浄を順次行うことを特徴とする食器の洗浄装置。
- 互いに隣り合う食器を接触させて鉛直面に対して所定角度傾斜した姿勢で収納した収納具を備え、前記収納具に収納した複数の食器の周端部に、ノズルから洗浄水を重ね方向に沿って順次噴射することを特徴とする請求項21に記載の食器の洗浄装置。
- ノズルから噴射した洗浄水により、鉛直面に対して所定角度傾斜した姿勢で収納した食器を鉛直方向の姿勢に変化させて接触した互いに隣り合う食器を離して離間させることを特徴とする請求項22に記載の食器の洗浄装置。
- 洗浄水を食器の周端部に順次噴射する複数のノズルを備えたことを特徴とする請求項21〜23のいずれか1項に記載の食器の洗浄装置。
- 複数のノズルから食器の略中央部に向けて洗浄水を順次噴射することを特徴とする請求項24に記載の食器の洗浄装置。
- 食器の上半部側および/または下半部側から洗浄水を食器の周端部に順次噴射するノズルを備えたことを特徴とする請求項21〜25のいずれか1項に記載の食器の洗浄装置。
- 収納具を食器の重ね方向に移動させる搬送手段と、前記収納具の移動方向にノズルを有する複数の洗浄ゾーンを備え、前記複数の洗浄ゾーンにおいて、収納具に収納した複数の食器の周端部にノズルから洗浄水を重ね方向に沿って順次噴射することを特徴とする請求項21〜26のいずれか1項に記載の食器の洗浄装置。
- 複数の食器の周端部を重ね方向に沿って支持する複数の支持体と、前記複数の食器の先頭に位置する食器の表面側と最後尾に位置する食器の裏面側の位置を規制する位置規制部材を有し、表面側と裏面側を水平方向に重ねた複数の食器を、重ね方向に沿った移動および姿勢変化を所定範囲内で自在となるように収納することを特徴とする請求項1〜27のいずれか1項に記載の食器の洗浄方法または食器の洗浄装置に用いる食器の収納具。
- 互いに隣り合う食器を接触させて鉛直面に対して所定角度傾斜した姿勢で複数の食器を収納することを特徴とする請求項28に記載の食器の収納具。
- 互いに隣り合う食器の下方側の周端部の間隔を、上方側の周端部の間隔よりも広くなるようにして複数の食器を収納することを特徴とする請求項29に記載の食器の収納具。
- 複数の互いに隣り合う食器を接触させて鉛直面に対して5〜10度傾斜させるとともに、10〜20ミリメートルの所定範囲内で複数の食器を重ね方向に沿った移動および姿勢変化を自在となるようにして収納具に収納することを特徴とする請求項29または30に記載の食器の収納具。
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