JP2008172270A - プラズマ露出部品及びプラズマ処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】処理チャンバー内に配置されるプラズマ露出部品について、長時間のエージングをしなくてもパーティクル放出の問題が無いようにする。
【解決手段】プラズマに晒される位置に配置するためのプラズマ露出部品であって、
前記プラズマ露出部品は、第一ピッチの主凹凸面及び該主凹凸面内の該第一ピッチより小さい第二ピッチのサブ凹凸面を重畳した構造の凹凸面を有し、
該凹凸面は、マイクロクラックを除去した面によって構成されている。
【選択図】 図5
【解決手段】プラズマに晒される位置に配置するためのプラズマ露出部品であって、
前記プラズマ露出部品は、第一ピッチの主凹凸面及び該主凹凸面内の該第一ピッチより小さい第二ピッチのサブ凹凸面を重畳した構造の凹凸面を有し、
該凹凸面は、マイクロクラックを除去した面によって構成されている。
【選択図】 図5
Description
本願の発明は、プラズマによって基板の表面に所定の処理を施すプラズマ処理装置に関し、特に、処理チャンバー内のプラズマに晒される位置に配置される部品に関するものである。
プラズマによって基板の表面に所定の処理を施すことは、各種半導体デバイスや液晶ディスプレイ等の製造において盛んに行われている。例えば、基板の表面に微細な回路を形成する場合には、レジストパターンをマスクとしたエッチング工程において、プラズマによって基板をエッチングするプラズマエッチングが行われている。また、各種導電膜や絶縁膜の作成においては、プラズマ中での気相反応を利用したプラズマCVD(化学蒸着)の手法が実用化されている。プラズマ処理装置では、処理チャンバー内に高周波放電や直流二極放電によってプラズマを形成し、所定位置に基板を配置しながら、プラズマの作用によって処理を行う。
このようなプラズマ処理装置では、プラズマに晒される状態で特定の部品がしばしば配置される。例えば、処理チャンバー内の所定位置に基板を保持する基板ホルダーが一方の電極を形成している場合、基板ホルダーの表面の一部をセラミックス製の部品で覆い、不要な場所で放電が生じないようにしている。この部品は、基板と同様にプラズマに晒される。以下、処理チャンバー内でプラズマに晒される部品をプラズマ露出部品と呼ぶ。
このようなプラズマ処理装置では、処理チャンバー内の露出面において、イオン照射によるエッチングと競合するようにして膜堆積の現象が生じていることが多い。多くの場合、これは、プラズマ中の反応生成物が露出面に付着して堆積することによる。例えば、フッ化炭素系ガスを使用したプラズマエッチングでは、炭素系重合膜が露出面に堆積し易い。エッチングが支配的となるか膜堆積が支配的となるかは、プラズマ形成時の処理チャンバー内の圧力、プラズマ形成の際の投入電力、ガスの種類等による。
膜堆積が支配的となった場合の問題として、堆積した膜が剥離してパーティクルを発生させる問題がある。堆積膜は、ある程度の厚さになると、内部応力や自重により剥離し易い。剥離した膜は、基板を汚損する微粒子(本明細書でパーティクルと総称する)を発生させる。
膜剥離によるパーティクル発生を防止するため、露出面を粗くする、即ち細かな凹凸面とすることがよく行われる。細かな凹凸面にしておくと、膜が凹凸に捉えられて剥離することが抑えられる。凹凸面の形成は、サンドブラスト法のようなブラスト処理により行われる。
上述したプラズマ露出部品についても、そのプラズマに晒される表面は、凹凸面とされることが多い。ここで、発明者の研究によると、ブラスト処理されたプラズマ露出部品は、表面状態が不安定であり、そのままではプラズマ処理の際に用いることができない。多くの場合、セラミックス部品は、数時間(例えば5時間)のエージングの後に用いなければならない。エージングは、処理チャンバー内にそのセラミックス部品を配置し、ダミー基板を使用して実際のプラズマ処理と同じ処理を所定時間行う動作である。発明者が確認したところによると、もしエージングを行わずにプラズマ露出部品を用いると、そのプラズマ露出部品から放出されたと見られるパーティクルが多量に発生する。数時間のエージングを行えばこのような問題は少なくなるが、高価な装置を無駄に数時間も運転することはコストや生産性の面で問題であるし、特に、多くの枚数(例えば100枚)のダミー基板が必要になる点も、コスト上問題である。
本願の発明は、かかる課題を解決するために成されたものであり、ブラスト処理されて処理チャンバー内に配置されるプラズマ露出部品について、長時間のエージングをしなくてもパーティクル放出の問題が無いようにできる技術的意義を有するものである。
上記課題を解決するため、本発明のプラズマ露出部品は、
プラズマに晒される位置に配置するためのプラズマ露出部品であって、
前記プラズマ露出部品は、第一ピッチの主凹凸面及び該主凹凸面内の該第一ピッチより小さい第二ピッチのサブ凹凸面を重畳した構造の凹凸面を有し、
該凹凸面は、マイクロクラックを除去した面によって構成されている、
ことを特徴とする。
プラズマに晒される位置に配置するためのプラズマ露出部品であって、
前記プラズマ露出部品は、第一ピッチの主凹凸面及び該主凹凸面内の該第一ピッチより小さい第二ピッチのサブ凹凸面を重畳した構造の凹凸面を有し、
該凹凸面は、マイクロクラックを除去した面によって構成されている、
ことを特徴とする。
また、上記課題を解決するため、本発明のプラズマ処理装置は、
プラズマに晒される位置に配置するためのプラズマ露出部品を用いたプラズマ処理装置であって、
前記プラズマ処理装置は、プラズマが晒される箇所にプラズマ露出部品を配備するための構造を備え、
該プラズマ露出部品は、第一ピッチの主凹凸面及び該主凹凸面内の該第一ピッチより小さい第二ピッチのサブ凹凸面を重畳した構造の凹凸面を有し、該凹凸面をマイクロクラック除去面によって構成した、
ことを特徴とする。
プラズマに晒される位置に配置するためのプラズマ露出部品を用いたプラズマ処理装置であって、
前記プラズマ処理装置は、プラズマが晒される箇所にプラズマ露出部品を配備するための構造を備え、
該プラズマ露出部品は、第一ピッチの主凹凸面及び該主凹凸面内の該第一ピッチより小さい第二ピッチのサブ凹凸面を重畳した構造の凹凸面を有し、該凹凸面をマイクロクラック除去面によって構成した、
ことを特徴とする。
本発明によれば、長時間のエージングを行わなくても、充分にパーティクルの発生量を低減させることができる。
以下、本願発明の実施の形態(以下、実施形態)について説明する。
図1は、本願発明の実施形態であるプラズマ処理装置の正面断面概略図である。図1に示す装置は、プラズマエッチングを行う装置となっている。具体的に説明すると、図1に示す装置は、排気系11を備えた処理チャンバー1と、処理チャンバー1内に設定されたプラズマ形成領域に所定のガスを導入するガス導入系2と、導入されたガスにエネルギーを与えてプラズマ形成領域にプラズマを形成するプラズマ形成手段3と、形成されたプラズマによって処理される処理チャンバー内1の位置に基板9を保持する基板ホルダー4とを備えている。
処理チャンバー1は、気密な真空容器である。処理チャンバー1には、図1に示すように、不図示のゲートバルブ等を介して不図示の搬送チャンバーが気密に接続されている。搬送チャンバー内には、不図示の搬送ロボットが設けられている。搬送チャンバーには、不図示のゲートバルブを介して不図示のロードロックチャンバーが気密に接続されている。基板9は、搬送ロボットによりロードロックチャンバーを経由して大気側から処理チャンバー1に搬送され、処理後に大気側に戻されるようになっている。
処理チャンバー1は、電気的には接地されている。そして、処理チャンバー1は排気系11により10-6〜10-7Torr程度に排気されるよう構成されている。排気系11はターボ分子ポンプ等の真空ポンプを備えており、不図示の排気速度調整器が設けられている。
本実施形態では、ガス導入系2は、図1に示すように、四フッ化炭素ガス、水素ガス及び酸素ガスを処理チャンバー1内に導入することができるものとなっている。ガス導入系2は、これらのガスをそれぞれ溜めた不図示のガスボンベと、各ガスボンベと処理チャンバー1とをつなぐ配管21に設けられたバルブ22や流量調整器23等によって構成されている。
プラズマ形成手段3は、基板ホルダー4に対向するようにして処理チャンバー1内に設けられた対向電極31と、対向電極31に電圧を印加して放電を生じさせてプラズマを形成するプラズマ用電源32とから主に構成されている。
対向電極31は、絶縁部33を介して処理チャンバー1の上壁部に取り付けられている。対向電極31は、電極本体311と、電極本体311に取り付けた表面板312等から形成されている。
本実施形態では、対向電極31は、ガス導入系2によるガス導入の経路に兼用されている。即ち、電極本体311と表面板312との間には空洞が形成されている。表面板312は、多数のガス吹き出し孔310が貫通して設けられている。ガス導入系2は、空洞内に一旦ガスを導入し、ガス吹き出し孔310から下方に吹き出させるようにしている。
また、表面板312は、クランプ機構により電極本体311に取り付けられている。クランプ機構は、電極本体311とともに表面板312を挟む挟み板313と、挟み板313をねじ止めする固定ネジ314等から構成されている。図1に示すように、固定ネジ314は、絶縁部33に挟み板313をねじ止めするようになっている。また、固定ネジ314を覆うようして保護カバー315が設けられている。固定ネジ314は、アルミニウムのような金属製であり、保護カバー315が無いと、プラズマによってエッチングされてパーティクルを生ずるからである。
表面板312は、プラズマによりエッチングされ易いため、エッチングされても問題とならないようシリコン(例えば多結晶シリコン)で形成されている。シリコン製の表面板312は脆いため、直接ねじ止めせず、クランプ機構でクランプすることで電極本体311に取り付けている。
基板ホルダー4は、上面(基板保持面)に載置された基板9を保持する台状のような構成となっている。基板ホルダー4は、金属製のホルダー本体41と、ホルダー本体41に固定された誘電体ブロック42とから主に構成されている。基板ホルダー4は、対向電極31に対して平行に対向するよう設けられており、対向電極31と基板ホルダー4とは平行平板電極構造を成すようになっている。
プラズマ用電源32には、本実施形態では、周波数60MHzで出力2.3kW程度の高周波電源が採用されている。プラズマ用電源32が対向電極31に印加する高周波電圧により、対向電極31と基板ホルダー4との間に高周波放電が生じ、高周波エネルギーが与えられたガスがプラズマ化してプラズマPが形成されるようになっている。プラズマ用電源32は、本実施形態では高周波電源であり、不図示の整合器を介して対向電極31に接続されている。
本実施形態の装置では、上記エッチング処理の際、基板9を所定の温度に冷却しながら温度調節する基板温度調節手段が設けられている。基板温度調節手段は、具体的には、基板ホルダー4を介して基板9を冷却する冷却機構43となっている。冷却機構43は、基板ホルダー4内に設けられた空洞40内に冷媒を流通させて冷却するものとなっている。冷却機構43は、空洞40内に冷媒を導入する冷媒導入管431と、空洞40から冷媒を排出する冷媒排出管432と、冷媒を所定温度に再冷却して空洞40に戻すサーキュレータ433等から構成されている。
また、冷却機構43による冷却の効率や精度、再現性等を高めるため、本実施形態の装置は、基板9と基板ホルダー4との間の熱交換用ガスを導入する熱交換用ガス導入系5が設けられている。基板9と基板ホルダー4との面接触させた場合でも、両者の表面は完全な平坦面ではなく微小な凹凸があるので、界面に微小な空間が形成される。この空間は真空圧力であって熱伝達効率が悪い。そこで、ヘリウムのような熱伝達効率を良い熱交換用ガスを導入して圧力を高め、熱伝達効率を良くしている。そして、熱交換用ガスが導入された比較的圧力の高い空間を基板9と基板ホルダー4との間に確保するため、図1に示すように、基板ホルダー4の基板保持面に凹部420を設け、この凹部420内に熱交換用ガスを導入するようにしている。
また、本実施形態の装置は、上記基板温度調節手段による温度調節の効率や精度、再現性等をさらに高めるため、基板9を基板ホルダー4に静電吸着する静電吸着機構6を備えている。静電吸着機構6は、誘電体ブロック42内に設けられた吸着用電極61と、吸着用電極61に吸着用の電圧を印加する吸着用電源62とから主に構成されている。吸着用電源62が与える電圧により誘電体ブロック42が誘電分極し、基板保持面に静電気が誘起される。これにより、基板9が基板保持面に静電吸着されるようになっている。尚、吸着用電源62には、吸着用電源62に高周波が到達するのを防止する不図示のフィルタ回路が設けられている。
また、本実施形態では、プラズマPからイオンを引き出して基板9に垂直に入射させるためバイアス用電源44が基板ホルダー4に接続されている。バイアス用電源44は、周波数1.6MHzで出力1.8kW程度の高周波電源であり、不図示の整合器を介して基板ホルダー4に接続されている。プラズマPが形成されている状態でバイアス用電源44が基板ホルダー4に高周波電圧を印加すると、高周波とプラズマPとの相互作用により基板9に負の直流分の電圧である自己バイアス電圧が与えられる。これにより、プラズマPからイオンが引き出され、イオンの衝撃エネルギーの利用等により、上記エッチング処理が効率良く行われる。
尚、基板ホルダー4に保持された基板9を取り囲むようにして補正リング45が設けられている。補正リング45は、誘電体ブロック42の表面の保護や、基板9の周辺部での処理の不均一化防止のために設けられている。補正リング45は、基板9に近い位置にあり、基板9と同様にエッチングされる。このため、エッチングされても問題とならないよう、基板9と同様の材料(例えばシリコン)で形成されている。
また、補正リング45を取り囲むようにして、リング状の外側リング48が設けられている。外側リング48は、補正リング45よりも外側の領域において、基板ホルダー4の表面を着脱自在の部材で覆うという趣旨で設けられている。補正リング45の外側では、補正リング45ほどではないにしてもエッチングがされたり、または膜堆積が生じたりする。このため、エッチングされる場合には摩耗により交換の必要が生じるし、膜堆積が生じる場合にも、ある程度の大きな厚さにならないうちに交換する必要がある。このため、外側リング48を着脱自在に設けている。
尚、基板ホルダー4と、接地電位に維持される処理チャンバー1との間を絶縁するため、絶縁部46が設けられている。基板ホルダー4は、絶縁部46を介して処理チャンバー1の底壁部に気密に取り付けられている。また、基板ホルダー4の周囲を取り囲むようにして、別の絶縁部46が設けられている。
また、絶縁部46を取り囲むようにして放電シールド47が設けられている。放電シールド47は、基板ホルダー4の周囲での不要な放電を防止するものであり、接地電位に維持される金属製の部材である。
さて、このプラズマ処理装置は、処理チャンバー1内にセラミックス部品を備えている。例えば、幾つかの絶縁部33,46はアルミナのようなセラミックス製である。また、クランプ機構の固定ネジ314を覆う保護カバー315や、基板ホルダー4上の基板9の外側に位置する外側リング48は、石英製である。
本実施形態では、このうち、表面が処理チャンバー1内に露出し、プラズマによって膜堆積やエッチングがその表面に生じる可能性のある部材について、特別の表面処理を施したものを採用している。本実施形態では、保護カバー315と外側リング48について特別の表面処理を施している。以下、プラズマ露出部品の発明の実施形態やプラズマ露出部品の表面処理方法の発明の実施形態の説明も兼ねて、保護カバー315及び外側リング48の製造方法について、図2を使用して説明する。図2は、実施形態のプラズマ露出部品の製造方法について概略的に示した図である。
図2に示すように、まず、バルク状のものを用意した後、機械加工(切断や切削加工等)により所定の形状に仕上げる。次に、#500のブラスト処理する。尚、「#500」は、ブラスト処理の際の網の目の大きさであり、JIS(日本工業規格)にある表現である。このブラスト処理により、表面は、19μm程度凹凸(粗さ)となる。この後、水(好ましくは純水)にて表面を洗浄した後、エッチング液を用いたウェットエッチング処理を施す。具体的には、5%程度のフッ酸(HF)溶液(溶媒は水)をエッチング液として用い、このエッチング液中に15〜30分程度、表面を浸ける。即ち、ディップ法によりエッチングする。これにより、表面は0.6〜1μm程度エッチングされる。その後、表面を純水に浸し、30分程度の超音波洗浄を行い、乾燥させる。
プラズマ露出部品について、このような表面処理を施しておくと、長時間のエージングをしなくても、パーティクルの放出は問題にならないほど少量になる。この点を確認した実験の結果について、以下に説明する。
図3は、プラズマ露出部品の表面のウェットエッチング処理の効果について確認した実験の結果について示した図である。この実験では、二つの外側リングを用意した。二つの外側リングは、同様にブラスト処理した後、一つはウェットエッチング処理を施し、もう一つはウェットエッチング処理をしなかった。そして、同じように処理チャンバー1内の基板ホルダー4上(補正リング45の外側)に配置し、同様にプラズマPに晒されるようにした。
この実験では、アルゴンガスを処理チャンバー1内に導入し、高周波放電によりプラズマを形成した。そして、パーティクルカウンタ(この場合の“パーティクル”の用語の意味は単に微粒子一般の意)を用い、処理チャンバー1内に浮遊するパーティクルの数を計測した。計測時間は60秒に設定し、この時間内に検出されたパーティクル数を計測した。この結果を示したのが図3である。図3の横軸は、プラズマ形成の積算時間であり、縦軸はパーティクルの数である。
図3に示すように、従来のウェットエッチング処理無しの外側リング48を使用した場合、プラズマ形成開始後、パーティクル数は1000個を越え、プラズマ形成の積算時間が多くなるにつれて少なくなるものの、必要とされる20個以下のパーティクル数になるには、6時間もの時間を要していることが判る。一方、ウェットエッチング処理された外側リング48を使用した場合、プラズマ形成開始当初から20個以下であり、良好な結果であった。
このようなウェットエッチング処理の追加により何故パーティクル低減の効果が得られるか、一概に明らかではないが、次のように考えられる。図4及び図5は、ウェットエッチング処理をプラズマ露出部品に施すことによるパーティクル低減のメカニズムについて示した図である。このうち、図4は、ウェットエッチング処理をしない場合のパーティクル発生のメカニズムについて模式的に示した図、図5は、ウェットエッチングをした場合のプラズマ露出部品の表面状態について模式的に示した図である。
図4(1)に示すように、プラズマ露出部品の表面Sをブラスト処理すると、表面に不規則な凹凸が形成される。この際、ブラスト処理の際の衝撃で、表面Sに小さなクラック(以下、マイクロクラック)MCが生ずるものと考えられる。また、ブラスト処理された表面は、マイクロクラックMCが生じた部分も含め、比較的大きな内部応力が残留し、強度的に不安定な状態であると考えられる。
このような状態のまま、プラズマ露出部品が処理チャンバー1内に配置されてプラズマPに晒されると、プラズマPからのイオン照射の際のエネルギー等により、図4(2)に示すよう、表面Sに欠けや剥がれが生じ易く、これが原因で大量のパーティクルが発生するものと考えられる。従来のプラズマ露出部品において、長時間のエージングによりパーティクルが低減するのは、エージング時のプラズマPによって表面がエッチングされ、マイクロクラックMCも含めて表面がある程度削られるためと、プラズマPからの熱によって内部応力が緩和されるためと考えられる。
一方、図5(1)に示すようなブラスト処理したプラズマ露出部品の表面Sをウェットエッチング処理すると、図5(2)に示すように、表面Sが薄く溶出し、凹凸形状を維持しながら、「一皮剥けた」ような状態となる。このように表面Sを薄く溶出させると、表面Sに形成されていたマイクロクラックMCが取り除かれる他、内部応力が大きく強度的に不安定な表面S付近が溶出され、内部応力が小さく強度的に安定した表面が露出する。このため、長時間のエージングをしなくても、パーティクルの発生が極めて少なくなるものと考えられる。
ウェットエッチング処理によるパーティクル低減は、上記以外にも理由が考えられる。例えば、ブラスト処理された表面は、凸の部分の先端が極めて鋭利になっていることがあり、鋭利な先端では欠けが生じやすいとも考えられる。ウェットエッチング処理によると、先端を少し丸めて滑らかにするので、欠けが少なくなる。また、ブラスト処理すると、表面に微細な粒状の残留物が生じることもあると考えられる。残留物は、ブラスト処理の際に吹き付けた粒状物が欠けて生じた場合と、プラズマ露出部品の表面が削られて生じた破片が残留した場合が考えられる。このような残留物は、ブラスト処理後の洗浄で大部分が除去されるが、それでも表面に固着した場合など、洗浄後も残留してしまう場合がある。残留物は、プラズマからのエネルギーを受けた際に剥離してパーティクルを生じる可能性があるが、上述したようにウェットエッチング処理をすることで除去される。このため、残留物によるパーティクル発生も無くなる。
発明者が500倍の光学顕微鏡で確認したところによれば、ウェットエッチング処理無しのプラズマ露出部品の表面には、所々に明るく輝く点(輝点)の存在が確認された。一方、ウェットエッチング処理を行ったプラズマ露出部品の表面には、輝点は確認されなかった。輝点は、上述したマイクロクラック又は残留物によるものと考えられる。
尚、図3に示す結果から、本実施形態によればエージング無しでもパーティクル発生量を充分に少なくすることができるが、1時間程度のエージングをするようにしても良い。
また、ウェットエッチング処理をあまり多く行うと、表面の凹凸形状が無くなって平坦面になってしまうことも考えられる。このようになると、堆積した膜を捉えて剥離しないようにする効果が薄れてしまうので、凹凸形状が維持される範囲内でウェットエッチング処理することが好ましい。例えば、平均表面粗さ(凹凸の山と谷の距離の平均値)をRaとし、ウェットエッチング処理後の平均表面粗さをRa’とすると、Ra’≧Ra/2の範囲でウェットエッチング処理することが好ましい。
本実施形態では、石英製のプラズマ露出部品に対してフッ酸溶液をエッチング液としてウェットエッチング処理を施したが、アルミナ製のプラズマ露出部品についても同様にフッ酸溶液を用いてウェットエッチング処理することができる。一般的に、ガラスについてはフッ酸溶液で良い。
尚、ウェットエッチング処理の際、エッチングが不要な場所については、レジストを塗布してエッチングされないようにする場合がある。
また、ウェットエッチング処理するプラズマ露出部品は、上述した保護カバー315や外側リング48に限らず、処理チャンバー2内に配置される他のプラズマ露出部品でも良い。例えば、処理チャンバー2の壁面への膜堆積を防止するために配置される防着シールドや、プラズマの拡散を防止する拡散防止板等について、それらがプラズマに晒される場合、上述したように表面をブラスト処理した後、ウェットエッチング処理する場合がある。尚、プラズマ露出部品が石英又はアルミナ製である場合、前述した通りエッチング液としてはフッ酸溶液が有効であるが、他のセラミックス材料の場合にフッ酸溶液が使用される場合もあるし、他のエッチング液が使用される場合もある。さらに、セラッミクス以外で形成されたプラズマ露出部品の場合、その材料に併せて適宜エッチング液を選定する。エッチング液の選定は、プラズマに晒される表面の材料に適合して行われれば足りる。つまり、例えばエッチング液としてフッ酸溶液を選定する場合、プラズマに晒される表面が石英やアルミナ等のセラミックスであれば足り、すべてが石英やアルミナ等のセラミックス製である必要はない。
上述した説明では、プラズマ処理装置は、プラズマエッチングを行うものであったが、CVDやアッシング、表面酸化や表面窒化等の表面改質を行う装置であっても良い。
1 処理チャンバー
2 ガス導入系
3 プラズマ形成手段
31 対向電極
311 電極本体
312 表面板
313 挟み板
314 固定ネジ
315 保護カバー
32 プラズマ用電源
4 基板ホルダー
41 ホルダー本体
42 誘電体ブロック
43 冷却機構
44 バイアス用電源
45 補正リング
48 外側リング
6 静電吸着機構
7 主凹凸面
8 サブ凹凸面
2 ガス導入系
3 プラズマ形成手段
31 対向電極
311 電極本体
312 表面板
313 挟み板
314 固定ネジ
315 保護カバー
32 プラズマ用電源
4 基板ホルダー
41 ホルダー本体
42 誘電体ブロック
43 冷却機構
44 バイアス用電源
45 補正リング
48 外側リング
6 静電吸着機構
7 主凹凸面
8 サブ凹凸面
Claims (2)
- プラズマに晒される位置に配置するためのプラズマ露出部品であって、
前記プラズマ露出部品は、第一ピッチの主凹凸面及び該主凹凸面内の該第一ピッチより小さい第二ピッチのサブ凹凸面を重畳した構造の凹凸面を有し、
該凹凸面は、マイクロクラックを除去した面によって構成されている、
ことを特徴とするプラズマ露出部品。 - プラズマに晒される位置に配置するためのプラズマ露出部品を用いたプラズマ処理装置であって、
前記プラズマ処理装置は、プラズマが晒される箇所にプラズマ露出部品を配備するための構造を備え、
該プラズマ露出部品は、第一ピッチの主凹凸面及び該主凹凸面内の該第一ピッチより小さい第二ピッチのサブ凹凸面を重畳した構造の凹凸面を有し、該凹凸面をマイクロクラック除去面によって構成した、
ことを特徴とするプラズマ処理装置。
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Publication Number | Publication Date |
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2008
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Legal Events
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Effective date: 20080722 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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A521 | Written amendment |
Effective date: 20080922 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090630 |