JP2008169437A - 製膜装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 大面積の基板に均一な厚さの膜を安定して製膜することができる製膜装置を提供する。
【解決手段】 基板9に製膜される膜の原料ガスを吹き付けるノズル11A,11B,11Cを有するインジェクタ3と、吹き付けられた原料ガスを基板9とインジェクタ3との間から排気する流路であって、対向する一対の面13、15の間に形成された排気流路17と、が設けられ、排気流路17における原料ガスが流れる流れ方向に沿った長さをLとし、一対の面13,15の間の間隔方向の長さをWとすると、L/W2に係る関数である排気流路17の圧力損失の値が、所定の閾値以上であることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 基板9に製膜される膜の原料ガスを吹き付けるノズル11A,11B,11Cを有するインジェクタ3と、吹き付けられた原料ガスを基板9とインジェクタ3との間から排気する流路であって、対向する一対の面13、15の間に形成された排気流路17と、が設けられ、排気流路17における原料ガスが流れる流れ方向に沿った長さをLとし、一対の面13,15の間の間隔方向の長さをWとすると、L/W2に係る関数である排気流路17の圧力損失の値が、所定の閾値以上であることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、製膜装置、特にCVD法(化学気相成長法)を用いて基板上に膜を製膜する製膜装置に関する。
従来、SnO2(酸化スズ)を主成分とする透明導電膜を基板の上に製膜する方法として、主原料のSnCl4(四塩化スズ)とH2O(水)を高温基板(500℃程度)に吹き付ける製膜方法が知られている。また、製膜する際に、透明導電膜の導電性を高めるために主原料の中にHFガス(フッ化水素ガス)を添加する製膜方法も知られている。
近年では、太陽電池に用いられる均一な膜特性を有する透明導電膜等が形成された大面積なガラス基板や、ガラス窓等に用いられる均一な膜特性を有する熱線反射膜や反射防止膜等などの光学膜が形成された大面積なガラス板などの需要が高まっている。このような大面積基板の上に均一な膜を形成するためには、膜の主原料であるSnCl4などのガスを均一に基板に吹き付け、基板上で主原料ガスの濃度分布の偏りが生じないようにする必要があった。
上述の濃度分布の偏りを発生させないために、基板上に吹き付けられた主原料ガスなどを外部へ排気する排気流路に、スリットや絞り等の圧力差を生じさせる圧力差発生部を設ける方法が知られている。このようにすることで、排気されるガス流量分布の均一化が図られ、基板上における主原料ガスの濃度分布の偏りの発生が防止される。
しかしながら、従来の装置では上述の排気流路に圧力差発生部としてその隙間が数mm、多くの場合は5mm以下になるような絞りを設けている。この方法では、圧力差発生部を含む排気流路の壁面に膜が付着した場合に、膜が付着した領域における流路面積が狭くなり、ガス流量分布が不均一になるという問題があった。特に、大面積基板に製膜する場合においては、不均一に膜が付着し、数時間の製膜処理で膜の付着による影響が顕著となることが判った。また、圧力差発生部では最初から流路面積が狭いため、さらに流路面積が狭くなることでガス流量分布が不均一になりやすくなる問題があった。また、圧力差発生部で発生する圧力差も変わることから、主原料ガスを均一に供給したとしても、排気流路からの排気流れにアンバランスが生じると、主原料ガス流れのバランスも変化し、ガス流量分布が不均一になる問題があった。
すると、基板上における主原料ガスの濃度分布の偏りが発生し、初期に製膜された膜の膜厚分布とは異なる膜厚分布を有する膜が製膜されることとなっていた。
つまり、製膜される膜の膜厚分布などの膜特性は、膜が製膜された時期により変化してしまい、製品歩留まりが低下するという問題があった。
つまり、製膜される膜の膜厚分布などの膜特性は、膜が製膜された時期により変化してしまい、製品歩留まりが低下するという問題があった。
上述の問題を解決する方法として、排気流路の壁面等に付着した膜に振動や打撃を与えて除去する方法が考えられる。また、膜が付着した壁面等を装置の外部に取り出して、薬剤を用いて膜を除去したり、研磨により膜を削り落としたりする方法も考えられる。
連続式常圧CVD装置に対しては、排気流路の壁面等と主原料ガスとの間にN2ガス(窒素ガス)によるスクリーンを形成して排気流路の壁面等への膜の付着を防止する方法も知られている。
また、基板に吹き付けられる主原料ガスに臭化水素を添加することにより、上記壁面等への膜の付着率を低下させて、上述の問題発生を防止する方法も知られている。
さらに、主原料ガスの吹出部であるインジェクタや上記壁面等の温度を下げて、膜の付着率を低下させて上述の問題発生を防止する方法も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2000−064050号公報
さらに、主原料ガスの吹出部であるインジェクタや上記壁面等の温度を下げて、膜の付着率を低下させて上述の問題発生を防止する方法も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、装置内部で膜に振動を加えることによる膜の除去や、打撃を与えることによる膜の除去等では、膜の壁面等に対する付着力が強いため、これらの方法による膜の除去は困難であった。また、薬剤よる膜の除去では薬剤を用いることにより費用が高くなるという問題があり、更には薬剤による膜質への影響も懸念される。研磨による膜の除去では、膜の除去に時間がかかるという問題があった。
N2ガスのスクリーンを形成する方法では、N2ガスを吹き付ける機能をCVD装置に新たに付加する必要があり、膜の製膜コストや、製品である太陽電池や窓ガラスなどの製品コストが上昇するという問題があった。
主原料ガスに臭化水素を添加する方法では、膜の付着防止のために臭化水素ガスを用いる必要があり、膜の製膜コストや、製品である太陽電池や窓ガラスなどの製品コストが上昇するという問題があった。
インジェクタ等の温度を下げる方法では、基板に対向して接近配置されたインジェクタの温度が下がると輻射冷却により基板温度も低下し、製膜に必要な基板温度の維持が困難になっていた。
製膜に必要な基板温度を維持する方法として、インジェクタに接近する前の基板温度をより高く設定し、基板がインジェクタに接近して温度が低下しても製膜に必要な温度を維持する方法が考えられる。しかしながら、このようにすると基板の温度変化が大きくなり、温度変化による基板のそりが発生しやすくなり、生産に支障をきたしやすくなっていた。特に、大面積の基板へ製膜を行なう際には、温度変化による基板の反りが顕著になり製膜分布にばらつきが生じ、均一な膜厚を安定して製膜することできず、製膜装置の歩留を低下させる等の大きな問題となっている。
基板の搬送速度を早くすることにより、上述の基板温度の変化幅は小さくなるが、製膜量が低下したり、搬送設備への負担が増加したりする問題があった。
基板の搬送速度を早くすることにより、上述の基板温度の変化幅は小さくなるが、製膜量が低下したり、搬送設備への負担が増加したりする問題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、大面積の基板に均一な厚さの膜を安定して製膜することができる製膜装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の製膜装置は、基板に製膜される膜の原料ガスを吹き付けるノズルを有するインジェクタと、前記吹き付けられた原料ガスを前記基板と前記インジェクタとの間から排気する流路であって、対向する一対の面の間に形成された排気流路と、が設けられ、前記排気流路における前記原料ガスが流れる流れ方向に沿った長さをLとし、前記一対の面の間の間隔方向の長さをWとすると、L/W2に係る関数である前記排気流路の圧力損失の値が、所定の閾値以上であることを特徴とする製膜装置。
本発明の製膜装置は、基板に製膜される膜の原料ガスを吹き付けるノズルを有するインジェクタと、前記吹き付けられた原料ガスを前記基板と前記インジェクタとの間から排気する流路であって、対向する一対の面の間に形成された排気流路と、が設けられ、前記排気流路における前記原料ガスが流れる流れ方向に沿った長さをLとし、前記一対の面の間の間隔方向の長さをWとすると、L/W2に係る関数である前記排気流路の圧力損失の値が、所定の閾値以上であることを特徴とする製膜装置。
本発明によれば、排気流路全体により所定の閾値以上の圧力損失が発生しているため、排気流路の幅方向の長さWは、排気流路に付着する膜の膜厚と比較して長くすることができる。そのため、本発明の製膜装置において長期間の製膜を行い、排気流路に膜が付着しても排気流路の圧力損失の変動幅が抑えられ、基板とインジェクタとの間における原料ガスの濃度分布の偏りの発生が抑えられる。
ここで、圧力損失の所定の閾値とは、排気流路に流入する原料ガスの流れ方向に抵抗を持たすことにより、基板とインジェクタとの間の原料ガス流量分布を均一化し、原料ガス濃度分布の偏りの発生を防止するために必要最小限な値のことである。
上記発明においては、前記排気流路の形状を変更することにより、前記圧力損失の値を一定の値に調節する圧損調節部が設けられていることが望ましい。
本発明によれば、排気流路の圧力損失の値が変動しても、圧損調節部により排気流路の形状を変更することで、元の値に戻すことができる。具体的には、排気流路の圧力損失の値が変動する程度の厚さの膜が付着しても、圧損調節部により膜の影響を除去して圧力損失の値を一定に保つことができる。
上記発明においては、前記圧損調節部は、前記流れ方向と前記間隔方向とから構成される面に対して交差する方向に前記排気流路を分割して、前記排気流路の形状を変更することが望ましい。
本発明によれば、上記流れ方向と上記間隔方向とから構成される面に対して交差する方向について、排気流路の圧力損失の値の分布が一定でない(不均一な)場合には、分割された排気流路ごとに形状が変更されることにより、圧力損失の値の分布は一定に調節される。
例えば、圧力損失値の分布の不均一が、上記交差する方向における排気流路への膜の付着の不均一によるものであっても、分割された排気流路ごとに形状が変更されることにより、圧力損失の値の分布は一定に調節される。
例えば、圧力損失値の分布の不均一が、上記交差する方向における排気流路への膜の付着の不均一によるものであっても、分割された排気流路ごとに形状が変更されることにより、圧力損失の値の分布は一定に調節される。
上記発明においては、前記圧損調節部は、前記排気流路の上流側の領域における圧力損失よりも、下流側の領域における圧力損失を大きくすることが望ましい。
前記一対の面の少なくとも一方の面の傾きを変更して、前記排気流路における前記原料ガスの上流側の流路面積を、下流側の流路面積より広げることが望ましい。
前記一対の面の少なくとも一方の面の傾きを変更して、前記排気流路における前記原料ガスの上流側の流路面積を、下流側の流路面積より広げることが望ましい。
本発明によれば、原料ガスは、排気流路の下流側の領域と比較して膜が付着しやすい上流側の領域を短い時間で通過することができる。そのため、排気流路の上流側の領域における膜の付着を軽減し、膜の付着による圧力損失値の変化を抑えることができる。
上記発明においては、前記圧損調節部は、前記排気流路内に着脱可能に配置された前記原料ガスの流れ方向に延在する板状部材であることが望ましい。
本発明によれば、板状部材を排気流路内に着脱させることにより、排気流路の上記間隔方向の長さWが変更され、排気流路の圧力損失の値が変更される。例えば、排気流路内に膜が付着した場合に、板状部材を取り除くことにより、膜の付着による圧力損失の変化が抑えられる。
上記発明においては、前記排気流路には、前記流れ方向と前記間隔方向とから構成される面に対して交差する方向への前記原料ガスの流れを妨げる阻害手段が設けられていることが望ましい。
本発明によれば、排気流路内における上記交差する方向への原料ガスの流れが妨げられるため、排気流路内では原料ガスは上記流れ方向に沿って流れ、基板とインジェクタとの間の原料ガスは均一に排気される。
上記発明においては、前記基板に製膜された膜の膜特性を検出する検出部と、検出された膜特性に基づいて、前記圧損調節部を制御する制御部と、が設けられたことが望ましい。
本発明によれば、検出された膜特性の変化に基づいて排気流路の圧力損失の値を一定に保つように調節が行われる。そのため、排気流路内に膜が付着しても略同一な膜特性を有する膜が製膜される。
本発明の製膜装置によれば、排気流路の幅方向の長さWを排気流路に付着する膜の膜厚と比較して長くすることで、基板とインジェクタとの間における原料ガスの濃度分布の偏りの発生を防止し、大面積の基板に均一な厚さの膜を安定して製膜することができるという効果を奏する。
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の第1の実施形態に係る常圧CVD装置ついて図1から図6を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る常圧CVD装置の構成を説明する模式図である。
本実施形態では、本発明の製膜装置を太陽電池におけるSnO2を主成分とする透明導電膜を製膜する常圧CVD装置(以下、CVD装置と表記する。)に適用して説明する。
以下、本発明の第1の実施形態に係る常圧CVD装置ついて図1から図6を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る常圧CVD装置の構成を説明する模式図である。
本実施形態では、本発明の製膜装置を太陽電池におけるSnO2を主成分とする透明導電膜を製膜する常圧CVD装置(以下、CVD装置と表記する。)に適用して説明する。
CVD装置(製膜装置)1には、図1に示すように、ガラス板などの基板9に透明導電膜の原料ガス等を吹き付けるインジェクタ3と、基板9を搬送するコンベヤ5と、原料ガスを排気する排気部7とが設けられている。
インジェクタ3は、ステンレス鋼などの耐薬品性を有する金属(例えば、SUS304など)から形成され、基板9と対向するとともにY方向に延びるように配置されている。
インジェクタ3に対して求められる耐薬品性としては、例えば、塩素(Cl)や、フッ素(F)や、水蒸気(H2O)などに対する耐薬品性が挙げられる。
インジェクタ3に対して求められる耐薬品性としては、例えば、塩素(Cl)や、フッ素(F)や、水蒸気(H2O)などに対する耐薬品性が挙げられる。
インジェクタ3の基板9と対向する面には、原料ガスであるSnCl4ガスを供給するスリット状の第1吹出口(ノズル)11Aと、N2ガスおよびHFガス、または、N2ガスのみを供給する一対のスリット状の第2吹出口(ノズル)11Bと、水蒸気(H2O)およびN2ガスを供給する一対のスリット状の第3吹出口(ノズル)11Cが形成されている。
これらの第1吹出口11A,第2吹出口11Bおよび第3吹出口11Cは、Y方向に延びるように形成され、第1吹出口11Aから+X方向および−X方向に向かって第2吹出口11B,第3吹出口11Cの順に並んで配置されている。
これらの第1吹出口11A,第2吹出口11Bおよび第3吹出口11Cは、Y方向に延びるように形成され、第1吹出口11Aから+X方向および−X方向に向かって第2吹出口11B,第3吹出口11Cの順に並んで配置されている。
コンベヤ5は、基板9をインジェクタ3および排気部7と対向するように支持し、基板9を例えば+X方向に搬送するものである。
排気部7は、ステンレス鋼などの耐薬品性を有する金属(例えば、SUS304など)等から形成され、基板9と対向するとともにインジェクタ3を挟むように配置されている。
排気部7には、一対の壁面(面)13,15と、壁面13,15の間に形成された排気流路17と、壁面13,15の間隔を保持する板状のスペーサ19と、が設けられている。壁面13,15はY−Z平面に沿うように配置され、スペーサ19はZ−X平面に沿うように配置されている。
排気部7における透明導電膜(膜)21が付着する面(例えば壁面13,15)には、付着した透明導電膜21の剥落を防止するため粗面処理が施されている。粗面処理としてはサンドブラスト、例えば、粒子粗さが60番から300番の粒子を用いたサンドブラストなどが挙げられる。あるいは、400℃の熱に耐えられる耐熱布や、ガラス繊維や、開口率が1%以下の金網や、無機材が塗布された金網などを壁面13,15に配置してもよい。
排気部7における透明導電膜(膜)21が付着する面(例えば壁面13,15)には、付着した透明導電膜21の剥落を防止するため粗面処理が施されている。粗面処理としてはサンドブラスト、例えば、粒子粗さが60番から300番の粒子を用いたサンドブラストなどが挙げられる。あるいは、400℃の熱に耐えられる耐熱布や、ガラス繊維や、開口率が1%以下の金網や、無機材が塗布された金網などを壁面13,15に配置してもよい。
排気流路17の圧力損失の値ΔPは、下記の式(1)により求められ、本実施形態では圧力損失ΔPが0.3Paとなるように排気流路17の形状が決定されている。
ΔP=12μvL/W2 ・・・(1)
ここで、μは粘性係数であって3.0×10−5Pa・sである。vは排気流路17内を流れる原料ガス等の流速である。Lは排気流路17におけるZ方向(流れ方向)の長さである。Wは排気流路17におけるX方向(間隔方向)の長さ(幅)である。
ΔP=12μvL/W2 ・・・(1)
ここで、μは粘性係数であって3.0×10−5Pa・sである。vは排気流路17内を流れる原料ガス等の流速である。Lは排気流路17におけるZ方向(流れ方向)の長さである。Wは排気流路17におけるX方向(間隔方向)の長さ(幅)である。
例えば、流速vが0.2m/sに設定されている場合には、排気流路17の幅Wを10mm、排気流路17の長さLを400mmとすることで、圧力損失ΔPが0.3Paとなる。
また、排気流路17の幅Wは、排気流路17に透明導電膜21が付着したことによる原料ガス等の流量低下が、所定の範囲内(例えば20%)に収まる長さに設定されている。例えば、付着する透明導電膜21の膜厚が最大で1mmの場合には、幅Wを10mmとすることで原料ガスの流量が、透明導電膜21の付着がない場合と比較して19%減少し、上述の所定の範囲内に収まる。
図2は、従来のCDV装置の構成を説明する模式図である。
圧力損失ΔPの最小値(所定の値)としては、図2に示す従来のCVD装置1Cで使用されている圧力損失ΔPの値(0.06Pa程度)が挙げられる。この程度の圧力損失ΔPの値に設定することで、基板9に製膜される透明導電膜21における奥行き方向(Y方向)の膜厚分布に偏りが発生することを防止できる。
本実施形態の排気流路17において、圧力損失ΔPの値を上述の最小値とする場合には、例えば、排気流路17の幅Wが17mm、長さLが400mmとなる。
圧力損失ΔPの最小値(所定の値)としては、図2に示す従来のCVD装置1Cで使用されている圧力損失ΔPの値(0.06Pa程度)が挙げられる。この程度の圧力損失ΔPの値に設定することで、基板9に製膜される透明導電膜21における奥行き方向(Y方向)の膜厚分布に偏りが発生することを防止できる。
本実施形態の排気流路17において、圧力損失ΔPの値を上述の最小値とする場合には、例えば、排気流路17の幅Wが17mm、長さLが400mmとなる。
従来のCVD装置1Cでは、図2に示すように、排気流路の上流端に絞り23が設けられ、絞り23の幅は約4mmに設定されている。また、従来のCVD装置1Cの他の部分の寸法としては、基板9と各吹出口11A,11B,11Cとの距離が約9mm、排気流路17の幅が約25mm、排気流路17同士の配置間隔が約370mm、排気流路17や各吹出口11A,11B,11Cの奥行き方向の長さ(Y方向長さ)が約1200mmである。
なお、上述のCVD装置1Cの寸法は、太陽電池の透明導電膜21を製膜する装置に適用した際の一例であって、特にこの値に限定されるものではない。
なお、上述のCVD装置1Cの寸法は、太陽電池の透明導電膜21を製膜する装置に適用した際の一例であって、特にこの値に限定されるものではない。
一方、本実施形態のCVD装置1においては、基板9と各吹出口11A,11B,11Cとの距離と、排気流路17同士の配置間隔と、排気流路17や各吹出口11A,11B,11Cの奥行き方向の長さとが、従来のCVD装置1Cにおける値を略同一であり、排気流路17の長さと幅が異なる。
図3は、図1の壁面における基板端部の形状を説明する部分拡大図である。図4は、図1の壁面における基板端部の別の形状を説明する部分拡大図である。
なお、壁面13,15の基板9側の端部は、図3に示すように曲面(R形状)に形成されてもよいし、図4に示すように斜面形状に形成されてもよいし、略直角の角部とされてもよく、特に限定するものではない。
端部の形状をR形状や斜面形状に形成することにより、原料ガスが排気流路17内へ流入する際に、流れの剥離の発生や、渦の発生や、原料ガスの滞留の発生などが防止される。
図3に示すR形状としては、約15mm程度の半径に形成されたR形状を例示することができる。
なお、壁面13,15の基板9側の端部は、図3に示すように曲面(R形状)に形成されてもよいし、図4に示すように斜面形状に形成されてもよいし、略直角の角部とされてもよく、特に限定するものではない。
端部の形状をR形状や斜面形状に形成することにより、原料ガスが排気流路17内へ流入する際に、流れの剥離の発生や、渦の発生や、原料ガスの滞留の発生などが防止される。
図3に示すR形状としては、約15mm程度の半径に形成されたR形状を例示することができる。
次に、上記の構成からなるCVD装置1における製膜について説明する。
コンベヤ5は、図1に示すように、製膜に必要な温度に加熱された基板9を+X方向に搬送し、基板9をインジェクタ3と対向する位置に搬送する。
インジェクタ3の各吹出口11A,11B,11Cからは、透明導電膜21の材料となる原料ガス、つまりSnCl4ガスと、HFガスが混入されたN2ガスまたはN2ガスと、N2ガスに希釈された水蒸気とがそれぞれ基板9に向けて吹き付けられる。
コンベヤ5は、図1に示すように、製膜に必要な温度に加熱された基板9を+X方向に搬送し、基板9をインジェクタ3と対向する位置に搬送する。
インジェクタ3の各吹出口11A,11B,11Cからは、透明導電膜21の材料となる原料ガス、つまりSnCl4ガスと、HFガスが混入されたN2ガスまたはN2ガスと、N2ガスに希釈された水蒸気とがそれぞれ基板9に向けて吹き付けられる。
基板9には、原料ガスからSnO2を主成分とする透明導電膜21が形成される。透明導電膜21が形成された後の副生成物を含むガスや、未反応の原料ガスなどは、基板9とインジェクタ3との間を+X方向および−X方向に流れ、排気流路17に流入してCVD装置1の外部に排気される。
このとき、排気流路17には0.3Pa程度の圧力損失ΔPがあるため、排気流路17に流入する副生成物を含むガス等の排気流路に向かう流れが阻害される。その結果、CVD装置1の奥行き方向(Y方向)における原料ガスの濃度分布の偏りの発生が防止される。
このとき、排気流路17には0.3Pa程度の圧力損失ΔPがあるため、排気流路17に流入する副生成物を含むガス等の排気流路に向かう流れが阻害される。その結果、CVD装置1の奥行き方向(Y方向)における原料ガスの濃度分布の偏りの発生が防止される。
排気流路17に流入するガスには未反応の原料ガスが含まれるため、排気流路17の壁面13,15や、インジェクタ3における基板9の対向面にも透明導電膜21が形成される(付着する)。特に、インジェクタ3の対向面や排気流路17の上流側(基板9側)の壁面13,15等は、透明導電膜21の製膜温度に近い温度となっているため、透明導電膜21が付着しやすい。
壁面13,15に付着する透明導電膜21の膜厚は、最大約1mm程度と予測され、排気流路17の幅Wが約10mmの場合には、透明導電膜21が付着していない場合と比較して、ガスの流量が約19%低下する。
これは、図2に示した従来のCVD装置1Cにおける幅が約4mmの絞り23に、約1mmの透明導電膜21が付着した際のガス流量の低下(44%)と比較して、流量低下が大幅に抑えられている。
これは、図2に示した従来のCVD装置1Cにおける幅が約4mmの絞り23に、約1mmの透明導電膜21が付着した際のガス流量の低下(44%)と比較して、流量低下が大幅に抑えられている。
次に、本実施形態のCVD装置1において、排気流路17の幅Wと、長さLとを変更した際の圧力損失(圧損)について説明する。
図5は、図1のCVD装置における排気流路の幅Wと長さLとを変更した際の圧力損失の変化を説明する計算値のグラフである。図5において、実線は排気流路17の長さLが300mmの時の圧力損失を示すグラフであり、破線は排気流路17の長さLが400mmの時の圧力損失を示すグラフであり、一点差線は排気流路17の長さが200mmの時の圧力損失を示すグラフである。
計算に用いた排気流路17内の流量は約2.8×10−3m3/s(124SLM(standard liter/min))、排気流路17の奥行き方向(Y方向)の長さは約1350mmである。
図5は、図1のCVD装置における排気流路の幅Wと長さLとを変更した際の圧力損失の変化を説明する計算値のグラフである。図5において、実線は排気流路17の長さLが300mmの時の圧力損失を示すグラフであり、破線は排気流路17の長さLが400mmの時の圧力損失を示すグラフであり、一点差線は排気流路17の長さが200mmの時の圧力損失を示すグラフである。
計算に用いた排気流路17内の流量は約2.8×10−3m3/s(124SLM(standard liter/min))、排気流路17の奥行き方向(Y方向)の長さは約1350mmである。
排気流路17の圧力損失は、図5に示すように、排気流路17の幅Wが長くなるに伴い減少する。圧力損失は、排気流路17の長さLが長くなるに伴い増加している。
従来のCVD装置1Cにおける圧力損失は、図5に現状圧力損失PLとして示され、設計目標は線D(0.3Pa)として示されている。
従来のCVD装置1Cにおける圧力損失は、図5に現状圧力損失PLとして示され、設計目標は線D(0.3Pa)として示されている。
図5から本実施形態の排気流路17では、排気流路17の長さLが300mmであっても、400mmであっても、排気流路17の幅Wを10mm以下とすることで、従来の圧力損失よりも高い圧力損失を実現できることが判る。
なお、排気流路17の幅Wは、圧損が高すぎても排気流量が不足し、インジェクタから供給したガスを排気できなくなるという不具合が生じるため、1mm以上10mm以下とすることが好ましい。また、製膜設備の排気圧力、流速、流量の観点から圧力損失を0.1から0.3Paに設定するのが良く、排気流路の幅Wを5mm以上10mm以下とすることが特に望ましい。
なお、排気流路17の幅Wは、圧損が高すぎても排気流量が不足し、インジェクタから供給したガスを排気できなくなるという不具合が生じるため、1mm以上10mm以下とすることが好ましい。また、製膜設備の排気圧力、流速、流量の観点から圧力損失を0.1から0.3Paに設定するのが良く、排気流路の幅Wを5mm以上10mm以下とすることが特に望ましい。
図6は、図1のCVD装置における排気流路の圧力損失を従来のCVD装置と同等とした場合の排気流路の長さLと幅Wを示すグラフである。
図6において、細実線は圧力損失が現状圧力損失PLと同等な排気流路17の長さLと幅Wを示すグラフであり、太実線は圧力損失が設計目標Dと同等な排気流路17の長さLと幅Wを示すグラフである。
計算に用いた排気流路17内の流量は約2.8×10−3m3/s(124SLM)、排気流路17の奥行き方向(Y方向)の長さは約1350mmである。
図6において、細実線は圧力損失が現状圧力損失PLと同等な排気流路17の長さLと幅Wを示すグラフであり、太実線は圧力損失が設計目標Dと同等な排気流路17の長さLと幅Wを示すグラフである。
計算に用いた排気流路17内の流量は約2.8×10−3m3/s(124SLM)、排気流路17の奥行き方向(Y方向)の長さは約1350mmである。
上記の構成によれば、排気流路17全体により所定の閾値以上の圧力損失が発生しているため、排気流路17の幅Wは、排気流路17に付着する透明導電膜21の膜厚と比較して長くなる。そのため、本実施形態のCVD装置1において長期間の製膜を行い、排気流路17に透明導電膜21が付着しても排気流路17の圧力損失の変動幅が抑えられ、基板9とインジェクタ3との間における原料ガスの濃度分布の偏りの発生が抑えられ、大面積の基板9に均一な厚さの透明導電膜21を安定して製膜することができる。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について図7を参照して説明する。
本実施形態のCVD装置の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、排気部の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図7を用いて排気部周辺の構成を説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図7は、本実施形態に係るCVD装置の構成を説明する模式図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
次に、本発明の第2の実施形態について図7を参照して説明する。
本実施形態のCVD装置の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、排気部の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図7を用いて排気部周辺の構成を説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図7は、本実施形態に係るCVD装置の構成を説明する模式図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
CVD装置(製膜装置)101には、図7に示すように、ガラス板などの基板9に透明導電膜の原料ガス等を吹き付けるインジェクタ3と、基板9を搬送するコンベヤ5と、原料ガスを排気する排気部107とが設けられている。
排気部107は、ステンレス鋼などの耐薬品性を有する金属(例えば、SUS304など)等から形成され、基板9と対向するとともにインジェクタ3を挟むように配置されている。
排気部107には、一対の壁面(面)13,115と、壁面13,115の間に形成された排気流路117と、壁面115の傾きを調節する傾き機構(圧損調節部)119と、が設けられている。
壁面115には、Y方向と平行な回動軸周りに壁面115を回動可能に支持する支持部121が設けられている。支持部121は、壁面115の下流側(+Y方向)の端部近傍であって、排気流路117とは反対側の面に設けられている。
傾き機構119には、壁面115に接続されたL字形状のロッド123と、ロッド123の端部に設けられたスライド部125と、スライド部125が内部を移動可能に形成されたスライド溝127が形成されたスライド板129とが設けられている。
傾き機構119には、壁面115に接続されたL字形状のロッド123と、ロッド123の端部に設けられたスライド部125と、スライド部125が内部を移動可能に形成されたスライド溝127が形成されたスライド板129とが設けられている。
ロッド123の一方の端部は、壁面115の排気流路117とは反対側の面であって、支持部121より上流側(−Y方向)に接続されている。ロッド123の他方の端部には、スライド部125が設けられている。
スライド板129はZ方向に移動可能に配置され、スライド溝127は、+Z方向に向かって+X方向に傾いた溝、または、+Z方向に向かって−X方向に傾いた溝として形成されている。
スライド板129はZ方向に移動可能に配置され、スライド溝127は、+Z方向に向かって+X方向に傾いた溝、または、+Z方向に向かって−X方向に傾いた溝として形成されている。
次に、上記の構成からなるCVD装置101における特徴である、傾き機構119の作用について説明する。
CVD装置101による透明導電膜21の製膜初期には、排気流路117に透明導電膜21が付着していない、または、付着していても膜厚が薄いため、傾き機構119は、壁面115の傾きを壁面13に合わせている。具体的には、スライド板129を+Z方向に移動させ、スライド溝127内のスライド部125およびロッド123を−X方向、または、+X方向に移動させる。ロッド123に接続された壁面115の上流側端部は−X方向、または、+X方向に押され、壁面115は支持部121を中心に、壁面13と略平行になるまで回動する。
CVD装置101による透明導電膜21の製膜初期には、排気流路117に透明導電膜21が付着していない、または、付着していても膜厚が薄いため、傾き機構119は、壁面115の傾きを壁面13に合わせている。具体的には、スライド板129を+Z方向に移動させ、スライド溝127内のスライド部125およびロッド123を−X方向、または、+X方向に移動させる。ロッド123に接続された壁面115の上流側端部は−X方向、または、+X方向に押され、壁面115は支持部121を中心に、壁面13と略平行になるまで回動する。
かかる状態では、排気流路117は第1の実施形態と同様な特性(例えば、圧力損失の値)を有している。そのため、この状態における製膜方法については説明を省略する。
CVD装置101による透明導電膜21の製膜が長期(例えば、数ヶ月)にわたると、壁面13,115に透明導電膜21が付着する。傾き機構119は、壁面13,115に付着した透明導電膜21の膜厚だけ、壁面115の下端を移動させ排気流路117の面積を広げる。
なお、透明導電膜21は、温度が製膜温度に近い壁面115の下端(上流側)に付着する。
なお、透明導電膜21は、温度が製膜温度に近い壁面115の下端(上流側)に付着する。
具体的には、スライド板129を−Z方向に移動させ、スライド溝127内のスライド部125およびロッド123を+X方向、または、−X方向に移動させる。ロッド123に接続された壁面115の上流側端部は+X方向、または、−X方向に牽引され、壁面115は支持部121を中心に、排気流路117の流路面積が広がる方向に回動する。
壁面115が回動することにより、透明導電膜21が付着して流路面積減少した排気流路117の下流側の圧力損失が上流側の圧力損失よりも大きくなる(上流側の面積が広くなる)。壁面115の回動幅は、排気流路117の幅Wが約4mmの場合、基板9側の端部において約1mm程度であればよい。
壁面115が回動することにより、透明導電膜21が付着して流路面積減少した排気流路117の下流側の圧力損失が上流側の圧力損失よりも大きくなる(上流側の面積が広くなる)。壁面115の回動幅は、排気流路117の幅Wが約4mmの場合、基板9側の端部において約1mm程度であればよい。
傾き機構119による壁面115の傾きの調節は、CVD装置101の稼働時間に基づいて行われてもよいし、製膜された透明導電膜21の膜厚などに基づいて行われてもよく、特に限定するものではない。
上記の構成によれば、排気流路117の圧力損失の値ΔPが変動しても、傾き機構119により排気流路117の形状を変更することで、元の圧力損失の値ΔPに戻すことができる。具体的には、排気流路117の圧力損失の値ΔPが変動する程度の厚さの膜が付着しても、排気流路における圧力損失の値は、排気流路117における上流側の流路面積を、下流側の流路面積よりも広げることにより透明導電膜21の影響を除去して圧力損失の値ΔPを一定に保つことができる。
原料ガスは、排気流路117の下流側の領域と比較して透明導電膜21が付着しやすい上流側の領域を短い時間で通過することができる。そのため、排気流路117の上流側の領域における透明導電膜21の付着を軽減し、透明導電膜21の付着による圧力損失値の変化を抑えることができる。
言い換えると、排気流路117の上流側の流路面積を広げることにより、透明導電膜21の付着による圧力損失値の変化を容易に抑えることができる。その結果、排気流路117に付着した透明導電膜21を除去する間隔を延ばすことができ、CVD装置101の連続稼働時間を延ばすことができる。
言い換えると、排気流路117の上流側の流路面積を広げることにより、透明導電膜21の付着による圧力損失値の変化を容易に抑えることができる。その結果、排気流路117に付着した透明導電膜21を除去する間隔を延ばすことができ、CVD装置101の連続稼働時間を延ばすことができる。
〔第2の実施形態の第1変形例〕
次に、本発明の第2の実施形態の第1変形例について図8から図11を参照して説明する。
本変形例のCVD装置の基本構成は、第2の実施形態と同様であるが、第2の実施形態とは、排気部の構成が異なっている。よって、本変形例においては、図8から図11を用いて排気部周辺の構成を説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図8は、本変形例に係るCVD装置の構成を説明する模式図である。
なお、第2の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
次に、本発明の第2の実施形態の第1変形例について図8から図11を参照して説明する。
本変形例のCVD装置の基本構成は、第2の実施形態と同様であるが、第2の実施形態とは、排気部の構成が異なっている。よって、本変形例においては、図8から図11を用いて排気部周辺の構成を説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図8は、本変形例に係るCVD装置の構成を説明する模式図である。
なお、第2の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
CVD装置(製膜装置)201には、図8に示すように、ガラス板などの基板9に透明導電膜の原料ガス等を吹き付けるインジェクタ3と、基板9を搬送するコンベヤ5と、原料ガスを排気する排気部207とが設けられている。
排気部207は、ステンレス鋼などの耐薬品性を有する金属(例えば、SUS304など)等から形成され、基板9と対向するとともにインジェクタ3を挟むように配置されている。
排気部207には、一対の壁面(面)13,215と、壁面13,215の間に形成された排気流路217と、壁面215の傾きを調節する傾き機構(圧損調節部)119と、が設けられている。
図9は、図8における壁面の構成を説明する模式図である。
壁面215は、奥行き方向(Y方向:流れ方向と間隔方向とから構成される面に対して交差する方向)に複数(図9では3つ)に分割され、分割された各壁面215には、Y方向と平行な回動軸周りに壁面215を回動可能に支持する支持部121が設けられている。支持部121は、壁面115の下流側(+Y方向)の端部近傍であって、排気流路217とは反対側の面に設けられている。
壁面215は、奥行き方向(Y方向:流れ方向と間隔方向とから構成される面に対して交差する方向)に複数(図9では3つ)に分割され、分割された各壁面215には、Y方向と平行な回動軸周りに壁面215を回動可能に支持する支持部121が設けられている。支持部121は、壁面115の下流側(+Y方向)の端部近傍であって、排気流路217とは反対側の面に設けられている。
次に、上記の構成からなるCVD装置201における特徴である、壁面215の傾きの調節方法について説明する。
なお、傾き機構119の作用については、第2の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
なお、傾き機構119の作用については、第2の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
各壁面215は、付着した透明導電膜21の膜厚に応じて異なる回動角で回動される。傾き機構119は、壁面215ごとに設けられているため、各壁面215を異なる回動角で回動させることができる。
なお、各壁面215の回動角は、CVD装置201における透明導電膜21の付着特性が判っている場合には、付着特性および稼働時間に基づいて決定してもよいし、製膜された透明導電膜21の膜特性(例えば、膜厚など)の分布に基づいて決定してもよく、特に限定するものではない。
なお、各壁面215の回動角は、CVD装置201における透明導電膜21の付着特性が判っている場合には、付着特性および稼働時間に基づいて決定してもよいし、製膜された透明導電膜21の膜特性(例えば、膜厚など)の分布に基づいて決定してもよく、特に限定するものではない。
上記の構成によれば、奥行き方向について、排気流路217の圧力損失の値ΔPの分布が一定でない(不均一な)場合には、分割された壁面215ごとに、壁面215の傾きを変更することにより、分割された排気流路217ごとに流路面積が変更され、圧力損失の値ΔPの分布を一定に調節することができる。
圧力損失値ΔPの分布の不均一が、奥行き方向における排気流路217への透明導電膜21の付着の不均一によるものあっても、分割された排気流路217ごとに流路面積が変更されることにより、圧力損失の値ΔPの分布は一定に調節される。
あるいは、変形などの排気流路217の個体差による圧力損失の値ΔPの分布のばらつきを、割された壁面215ごと調整し、圧力損失の値ΔPの分布を均一とすることができる。
あるいは、変形などの排気流路217の個体差による圧力損失の値ΔPの分布のばらつきを、割された壁面215ごと調整し、圧力損失の値ΔPの分布を均一とすることができる。
複数の同形状の壁面215を用いているため、一枚の大面積な壁面を用いる場合と比較して、CVD装置201の製作費用を削減することができる。一枚の大面積な壁面を用いる場合と比較して、壁面215の面積が小さくなるため、温度分布による壁面215の変形を抑えることができる。
図10は、図9における壁面の別の構成を説明する模式図である。
なお、上述の実施形態のように壁面215をY方向に3つに分割したものとしてもよいし、図9に示すように、さらにZ方向に2つ(壁面215A,215B)に分割し、基板9側(−Z方向側)の壁面215Aのみを回動可能としてもよく、特に限定するものではない。この場合、支持部121は壁面215Aの上端(+Z側端部)に配置される。
このような構成とすることで、壁面215A,215Bの面積がより小さくなり、CVD装置201の製作費用の削減を図りやすくなり、温度分布による壁面215A,215Bの変形を抑えやすくなる。
なお、上述の実施形態のように壁面215をY方向に3つに分割したものとしてもよいし、図9に示すように、さらにZ方向に2つ(壁面215A,215B)に分割し、基板9側(−Z方向側)の壁面215Aのみを回動可能としてもよく、特に限定するものではない。この場合、支持部121は壁面215Aの上端(+Z側端部)に配置される。
このような構成とすることで、壁面215A,215Bの面積がより小さくなり、CVD装置201の製作費用の削減を図りやすくなり、温度分布による壁面215A,215Bの変形を抑えやすくなる。
図11は、図9における壁面の更に別の構成を説明する模式図である。
さらに、壁面215をZ方向に2つ(壁面215A,215B)に分割した際に、上述のように、壁面215Aを回動可能に支持してもよいし、図11に示すように、X方向にスライド移動するように支持してもよく、特に限定するものではない。
さらに、壁面215をZ方向に2つ(壁面215A,215B)に分割した際に、上述のように、壁面215Aを回動可能に支持してもよいし、図11に示すように、X方向にスライド移動するように支持してもよく、特に限定するものではない。
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について図12および図13を参照して説明する。
本実施形態のCVD装置の基本構成は、第2の実施形態と同様であるが、第2の実施形態とは、排気部の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図12および図13を用いて排気部周辺の構成を説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図12は、本実施形態に係るCVD装置の構成を説明する模式図である。
なお、第2の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
次に、本発明の第3の実施形態について図12および図13を参照して説明する。
本実施形態のCVD装置の基本構成は、第2の実施形態と同様であるが、第2の実施形態とは、排気部の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図12および図13を用いて排気部周辺の構成を説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図12は、本実施形態に係るCVD装置の構成を説明する模式図である。
なお、第2の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
CVD装置(製膜装置)301には、図12に示すように、ガラス板などの基板9に透明導電膜の原料ガス等を吹き付けるインジェクタ3と、基板9を搬送するコンベヤ5と、原料ガスを排気する排気部307とが設けられている。
排気部307には、一対の壁面(面)13,315と、壁面13,315の間に形成された排気流路317と、壁面315の傾きを調節する傾き機構(圧損調節部)119と、が設けられている。
壁面13はステンレス鋼などの耐薬品性を有する金属(例えば、SUS304など)等から形成された板材であり、壁面315は、同様に耐薬品性を有する金属等から形成された薄板(例えば厚さが0.5mm程度の板)から形成されている。
なお、壁面315は、上述のように薄板から構成されてもよいし、フィルムから構成されてもよく、特に限定するものではない。
壁面13はステンレス鋼などの耐薬品性を有する金属(例えば、SUS304など)等から形成された板材であり、壁面315は、同様に耐薬品性を有する金属等から形成された薄板(例えば厚さが0.5mm程度の板)から形成されている。
なお、壁面315は、上述のように薄板から構成されてもよいし、フィルムから構成されてもよく、特に限定するものではない。
図13は、図12における壁面の構成を説明する模式図である。
壁面315には、奥行き方向(Y方向)に複数(図12では3つ)の傾き機構119のロッド123が、壁面315の下流側(+Y方向)の端部近傍であって、排気流路317とは反対側の面に設けられている。
なお、ロッド123の数は、上述の3つに限定されることなく、ロッド123の数を増やしても減らしてもよく、数を限定するものではない。特に、ロッド123の数を増やすと壁面315の形状をより細かく調節することができる。
壁面315には、奥行き方向(Y方向)に複数(図12では3つ)の傾き機構119のロッド123が、壁面315の下流側(+Y方向)の端部近傍であって、排気流路317とは反対側の面に設けられている。
なお、ロッド123の数は、上述の3つに限定されることなく、ロッド123の数を増やしても減らしてもよく、数を限定するものではない。特に、ロッド123の数を増やすと壁面315の形状をより細かく調節することができる。
次に、上記の構成からなるCVD装置301における特徴である、壁面315の傾きの調節方法について説明する。
なお、傾き機構119の作用については、第2の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
なお、傾き機構119の作用については、第2の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
壁面315は、付着した透明導電膜21の膜厚に応じて傾き機構119により変形される。具体的には、ロッド123が排気流路317から離れる方向(+X方向および−X方向)に平行移動すると、壁面315におけるロッド123の取り付け部の近傍領域が変形し、排気流路317の流路面積が広がる。
傾き機構119の制御方法などは、第2の実施形態と同様であるのでその説明を省略する。
傾き機構119の制御方法などは、第2の実施形態と同様であるのでその説明を省略する。
上記の構成によれば、排気流路317に段差が生じないため、未反応の原料ガスなどを滑らかに排出することができる。
図14は、図13の壁面の別の構成を説明する模式図である。
なお、上述の実施形態のように1枚の薄板から壁面315を構成してもよいし、図14に示すように、Z方向に2つの薄板(壁面315A,315B)を並べて、基板9側(−Z方向側)の壁面315Aのみを変形させてもよく特に限定するものではない。
なお、上述の実施形態のように1枚の薄板から壁面315を構成してもよいし、図14に示すように、Z方向に2つの薄板(壁面315A,315B)を並べて、基板9側(−Z方向側)の壁面315Aのみを変形させてもよく特に限定するものではない。
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態について図15を参照して説明する。
本実施形態のCVD装置の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、排気部の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図15を用いて排気部周辺の構成を説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図15は、本実施形態に係るCVD装置の構成を説明する模式図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
次に、本発明の第4の実施形態について図15を参照して説明する。
本実施形態のCVD装置の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、排気部の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図15を用いて排気部周辺の構成を説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図15は、本実施形態に係るCVD装置の構成を説明する模式図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
CVD装置(製膜装置)401には、図15に示すように、ガラス板などの基板9に透明導電膜の原料ガス等を吹き付けるインジェクタ3と、基板9を搬送するコンベヤ5と、原料ガスを排気する排気部407とが設けられている。
排気部407は、ステンレス鋼などの耐薬品性を有する金属(例えば、SUS304など)等から形成され、基板9と対向するとともにインジェクタ3を挟むように配置されている。
排気部407には、一対の壁面(面)13,15と、壁面13,15の間に形成された排気流路17と、壁面15の排気流路17側の面に配置される複数の薄板(圧損調整部,板状部材)419とが設けられている。
薄板419は、厚さが0.5mmまたは1.0mm程度の薄板で、Y方向の長さが約50mmで、Z方向の長さは壁面15と同程度の長さを有する薄板である。薄板419は、壁面15に1枚ずつ貼られていてもよいし、複数枚貼られていてもよいし、特に限定するものではない。
薄板419は、厚さが0.5mmまたは1.0mm程度の薄板で、Y方向の長さが約50mmで、Z方向の長さは壁面15と同程度の長さを有する薄板である。薄板419は、壁面15に1枚ずつ貼られていてもよいし、複数枚貼られていてもよいし、特に限定するものではない。
CVD装置401が稼動されると、壁面15に貼られた薄板419に薄膜導電膜21が付着する。薄板419は薄膜導電膜21が付着すると、薄膜導電膜21とともに壁面15から剥がされる。
薄板419が剥がされた後は、壁面15あるいは新たな薄板419が露出する。
薄板419が剥がされた後は、壁面15あるいは新たな薄板419が露出する。
上記の構成によれば、薄板419を排気流路17内の壁面15から剥がすことにより、排気流路17の幅Wが変更され、排気流路17の圧力損失の値ΔPが変更される。具体的には、排気流路17内に薄膜導電膜21が付着した場合に、薄板419を取り除くことにより、薄膜導電膜21の付着による圧力損失の値ΔPの変化を容易に抑えることができる。
さらに、薄板419を剥がす位置を調節することで、Y方向における圧力損失の値ΔPの変化を容易に抑えることができる。
さらに、薄板419を剥がす位置を調節することで、Y方向における圧力損失の値ΔPの変化を容易に抑えることができる。
薄板419を剥がすだけなので、構造が簡素となり設備コストを抑えることができる。
CVD装置401の稼動中における排気流路17の変形に対しても、薄板419を剥がすだけなので容易に対応することができる。CVD装置401の排気流路17の個体差(圧力損失の値ΔPの差)に対しても、薄板419を剥がすことにより容易に対応することができる。
CVD装置401の稼動中における排気流路17の変形に対しても、薄板419を剥がすだけなので容易に対応することができる。CVD装置401の排気流路17の個体差(圧力損失の値ΔPの差)に対しても、薄板419を剥がすことにより容易に対応することができる。
〔第5の実施形態〕
次に、本発明の第5の実施形態について図16から図19を参照して説明する。
本実施形態のCVD装置の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、排気部の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図16から図19を用いて排気部周辺の構成を説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図16は、本実施形態に係るCVD装置の構成を説明する模式図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
次に、本発明の第5の実施形態について図16から図19を参照して説明する。
本実施形態のCVD装置の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、排気部の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図16から図19を用いて排気部周辺の構成を説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図16は、本実施形態に係るCVD装置の構成を説明する模式図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
CVD装置(製膜装置)501には、図16に示すように、ガラス板などの基板9に透明導電膜の原料ガス等を吹き付けるインジェクタ3と、基板9を搬送するコンベヤ5と、原料ガスを排気する排気部507とが設けられている。
排気部507は、ステンレス鋼などの耐薬品性を有する金属(例えば、SUS304など)等から形成され、基板9と対向するとともにインジェクタ3を挟むように配置されている。
排気部507には、一対の壁面(面、阻害手段)513,515と、壁面513,515の間に形成された排気流路517とが設けられている。
排気部507には、一対の壁面(面、阻害手段)513,515と、壁面513,515の間に形成された排気流路517とが設けられている。
図17は、図16の壁面および排気流路の形状を説明する模式図である。
壁面513,515は、図17に示すように排気流路517と対向する面が山型に形成されている。
そのため、ガスは排気流路517内をZ方向に流れやすく、Y方向に流れにくくなる。
壁面513,515は、図17に示すように排気流路517と対向する面が山型に形成されている。
そのため、ガスは排気流路517内をZ方向に流れやすく、Y方向に流れにくくなる。
上記の構成によれば、排気流路517内におけるY方向への未反応の原料ガス等の流れが妨げられるため、排気流路517内では未反応の原料ガス等はZ方向に沿って流れ、基板9とインジェクタ3との間の未反応の原料ガス等原料ガスは均一に排気される。
図18は、図17の壁面および排気流路の別の形状を説明する模式図である。
なお、上述のように、壁面513,515における排気流路517と対向する面を山型に形成してもよいし、図18に示すように波型に形成してもよく、特に限定するものではない。
なお、上述のように、壁面513,515における排気流路517と対向する面を山型に形成してもよいし、図18に示すように波型に形成してもよく、特に限定するものではない。
図19は、図17の壁面のさらに別の形状を説明する模式図である。
なお、上述のように、壁面513,515における排気流路517と対向する面を山型に形成してもよいし、図19に示すように、平面として壁面513,515の間にガスがY方向に流れるのを妨げる板状のスペーサ519を配置してもよく、特に限定するものではない。
なお、上述のように、壁面513,515における排気流路517と対向する面を山型に形成してもよいし、図19に示すように、平面として壁面513,515の間にガスがY方向に流れるのを妨げる板状のスペーサ519を配置してもよく、特に限定するものではない。
〔第6の実施形態〕
次に、本発明の第6の実施形態について図20を参照して説明する。
本実施形態のCVD装置の基本構成は、第2の実施形態と同様であるが、第2の実施形態とは、排気部の制御方法が異なっている。よって、本実施形態においては、図20を用いて排気部の制御方法のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図20は、本実施形態に係るCVD装置の構成を説明する模式図である。
なお、第2の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
次に、本発明の第6の実施形態について図20を参照して説明する。
本実施形態のCVD装置の基本構成は、第2の実施形態と同様であるが、第2の実施形態とは、排気部の制御方法が異なっている。よって、本実施形態においては、図20を用いて排気部の制御方法のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図20は、本実施形態に係るCVD装置の構成を説明する模式図である。
なお、第2の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
CVD装置(製膜装置)601には、図16に示すように、原料ガスを排気する排気部607と、排気部607を制御する制御部609と、が設けられている。
制御部609には、基板9に製膜された透明導電膜21の膜特性を検出する検出部611と、排気部607の傾き機構119を制御する制御器(制御部)613とが設けられている。
制御部609には、基板9に製膜された透明導電膜21の膜特性を検出する検出部611と、排気部607の傾き機構119を制御する制御器(制御部)613とが設けられている。
検出部611が検出する膜特性としては、透明導電膜21の膜厚が挙げられる。検出方法としては、透明導電膜21の画像を取得して、透明導電膜21の色の変化から膜厚の変化を検出する方法や、透明導電膜21の特定の検査点における色や、光透過率の変化を検出する方法や、透明導電膜21の特定の検査点における電気抵抗の変化を検出する方法などが挙げられる。
画像を取得する方法としては、荷電結合素子を用いる方法や、赤色光を透明導電膜21に照明し、白黒画像を取得する方法なども挙げられる。
画像を取得する方法としては、荷電結合素子を用いる方法や、赤色光を透明導電膜21に照明し、白黒画像を取得する方法なども挙げられる。
制御器613は、複数の検出部611からの検出信号に基づいて、透明導電膜21の膜厚が変化した領域を推定する。制御器613は、推定した領域に対応した傾き機構119に対して、膜厚が薄くなった場合には、排気流路107の流路面積を広げる制御信号を出力する。
上記の構成によれば、検出された膜厚の変化に基づいて排気流路107の圧力損失の値ΔPを一定に保つように、流路面積の調節が行われる。そのため、CVD装置601が稼動している間に、排気流路107内に透明導電膜21が付着しても略同一な膜厚を有する透明導電膜21を製膜することができる。
排気流路107の個体差があっても、制御部609により排気流路107の圧力損失の値ΔPの分布を一定に保つように、流路面積の調節が行われる。
排気流路107の個体差があっても、制御部609により排気流路107の圧力損失の値ΔPの分布を一定に保つように、流路面積の調節が行われる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記の実施の形態においては、この発明を太陽電池の透明導電膜を製膜する常圧CVD装置に適応して説明したが、ガラス板に熱線反射膜や反射防止膜等などの光学膜を製膜する開放型の熱CVD装置に適用することもでき、特に限定するものではない。
例えば、上記の実施の形態においては、この発明を太陽電池の透明導電膜を製膜する常圧CVD装置に適応して説明したが、ガラス板に熱線反射膜や反射防止膜等などの光学膜を製膜する開放型の熱CVD装置に適用することもでき、特に限定するものではない。
1,101,201,301,401,501,601 CVD装置(製膜装置)
3 インジェクタ
9 基板
11A 第1吹出口(ノズル)
11B 第2吹出口(ノズル)
11C 第3吹出口(ノズル)
13,15,115,215,315 壁面(面)
17,117,217,317,517 排気流路
21 透明導電膜(膜)
119 傾き機構(圧損調節部)
419 薄板(圧損調整部,板状部材)
513,515 壁面(面、阻害手段)
611 検出部
613 制御器(制御部)
3 インジェクタ
9 基板
11A 第1吹出口(ノズル)
11B 第2吹出口(ノズル)
11C 第3吹出口(ノズル)
13,15,115,215,315 壁面(面)
17,117,217,317,517 排気流路
21 透明導電膜(膜)
119 傾き機構(圧損調節部)
419 薄板(圧損調整部,板状部材)
513,515 壁面(面、阻害手段)
611 検出部
613 制御器(制御部)
Claims (7)
- 基板に製膜される膜の原料ガスを吹き付けるノズルを有するインジェクタと、
前記吹き付けられた原料ガスを前記基板と前記インジェクタとの間から排気する流路であって、対向する一対の面の間に形成された排気流路と、
が設けられ、
前記排気流路における前記原料ガスが流れる流れ方向に沿った長さをLとし、前記一対の面の間の間隔方向の長さをWとすると、L/W2に係る関数である前記排気流路の圧力損失の値が、所定の閾値以上であることを特徴とする製膜装置。 - 前記排気流路の形状を変更することにより、前記圧力損失の値を一定の値に調節する圧損調節部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の製膜装置。
- 前記圧損調節部は、前記流れ方向と前記間隔方向とから構成される面に対して交差する方向に前記排気流路を分割して、前記排気流路の形状を変更することを特徴とする請求項2記載の製膜装置。
- 前記圧損調節部は、前記排気流路の上流側の領域における圧力損失よりも、下流側の領域における圧力損失を大きくすることを特徴とする請求項2または3に記載の製膜装置。
- 前記圧損調節部は、前記排気流路内に着脱可能に配置された前記原料ガスの流れ方向に延在する板状部材であることを特徴とする請求項2または3に記載の製膜装置。
- 前記排気流路には、前記流れ方向と前記間隔方向とから構成される面に対して交差する方向への前記原料ガスの流れを妨げる阻害手段が設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の製膜装置。
- 前記基板に製膜された膜の膜特性を検出する検出部と、
検出された膜特性に基づいて、前記圧損調節部を制御する制御部と、
が設けられたことを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載の製膜装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010089459A1 (en) * | 2009-02-09 | 2010-08-12 | Beneq Oy | Reaction chamber |
Citations (3)
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JPS58114726A (ja) * | 1981-12-22 | 1983-07-08 | ソチエタ・イタリア−ナ・ベトロ−エスアイブイ−ソチエタ・ペル・アツィオニ | 高温の基板面に固体物質層を連続的に沈着させる装置 |
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-
2007
- 2007-01-11 JP JP2007003845A patent/JP2008169437A/ja active Pending
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CN102308022A (zh) * | 2009-02-09 | 2012-01-04 | Beneq有限公司 | 反应室 |
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