JP2008169093A - ガラス素子の成形用金型及び成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】金型とガラス素子との間にエア溜りができるのを防止し、かつ成形サイクルが短く品質が安定したガラス素子の成形に適した成形用金型と、該金型を用いたガラス素子の成型方法を提供する。
【解決手段】成形面11の中央に気体の逃げ穴12が設けられ、該気体の逃げ穴が金型を貫通しており、さらに気体の逃げ穴の、成形面と反対側の口に吸引装置が設けられている。該ガラス素子成型用金型を用いて、常圧下でガラス素子を成形する。
【選択図】図1
【解決手段】成形面11の中央に気体の逃げ穴12が設けられ、該気体の逃げ穴が金型を貫通しており、さらに気体の逃げ穴の、成形面と反対側の口に吸引装置が設けられている。該ガラス素子成型用金型を用いて、常圧下でガラス素子を成形する。
【選択図】図1
Description
本発明は、金型とガラス素子との間にエア溜りができるのを防止し、かつ成形サイクルが短く品質が安定したガラス素子の成形用金型及び成形方法に関する。
デジタルカメラ、光ディスク等の光学機器に用いられるピックアップレンズ等のガラス素子の製造方法として、加熱軟化したガラス素材を金属やセラミック等からなる金型により高温でプレス成形する方法が挙げられる。この場合、ガラス素材(予備成形したプリフォーム)としては球形、ロッド状、扁平球形等の種々の形状のものが用いられる。
近年、光学機器の小型化・高精度化に伴い、使用されるガラス素子の中央厚みが大きく、曲率半径が小さくなる高NA化の傾向にある。そのため、プレス成形において、ガラス素材の曲率半径が金型の成形面の曲率半径よりも大きくなり、図4(a) に示すように、金型100とガラス素材101との間に空間Sが生じてしまう。空間S内に存在する気体が排出されないまま成形が行われると、図4(b) に示すように、気体の残留部分のガラス素子表面に凹みが生じてしまう。それにより、成形された光学素子の光学性能の劣化等の問題が生じる。
特開平6-9228号(特許文献1)は、加熱しながら加圧する途中において、少なくとも一回減圧するか加圧しない状態で約半分を加圧成形した後、冷却中に残りの加圧を行う成形方法を開示している。この方法では、加熱途中に減圧又は常圧にすることで、成形面とガラス素子との間に閉じこめられた気体を常圧に戻しているが、空間の形状や体積によっては気体が空間に残留しやすく、すべての気体を排出するには、圧力の増減を繰り返す必要があり、成形時間が長くなる。またプレス温度下で離型するので、ガラスの融着や成形された光学素子の外観不良を起こすことがある。
特開2005-255513号(特許文献2)は、成形型を構成する上型及び下型と、これら上下型を保持するスリーブとを有し、上型とスリーブの上部は相対移動可能に収納されており、下型とスリーブの下部は固定されており、さらに上型の上部には圧縮ばねが設けられているガラス光学素子の製造装置を開示している。上型の自重で空間Sが密閉されないように成形室内を真空にしたとき空間内外のガスの圧力差により上型がわずかに持ち上がる程度にし、この圧縮ばねの圧縮力を加えてプレス成形を行っている。しかしながら、圧縮ばねの経時変化や劣化によるガス除去の不安定化を招くおそれがある。
従って本発明の目的は、金型とガラス素子との間にエア溜りができるのを防止し、かつ成形サイクルが短く品質が安定したガラス素子の成形用金型を提供することである。
本発明のもう1つの目的は、かかるガラス素子成形用金型を用いてガラス素子を製造する方法を提供することである。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、金型の成形面の中央に気体の逃げ穴を設けることにより、金型とガラス素子との間にエア溜りができるのを防止しつつ、短い成形サイクルで安定した品質のガラス素子が得られることを発見し、本発明に想到した。
すなわち、本発明は以下の手段により達成される。
(1) 成形面の中央に気体の逃げ穴が設けられていることを特徴とするガラス素子成形用金型。
(2) 上記(1) に記載のガラス素子成形用金型において、前記逃げ穴が金型を貫通していることを特徴とする金型。
(3) 上記(2) に記載のガラス素子成形用金型において、前記逃げ穴の成形面と反対側の口に吸引装置が設けられていることを特徴とする金型。
(4) 上記(1)〜(3) のいずれかに記載のガラス素子成形用金型を用いてガラス素子を成形する方法。
(5) 上記(4) に記載のガラス素子の成形方法において、常圧下で成形することを特徴とする方法。
(1) 成形面の中央に気体の逃げ穴が設けられていることを特徴とするガラス素子成形用金型。
(2) 上記(1) に記載のガラス素子成形用金型において、前記逃げ穴が金型を貫通していることを特徴とする金型。
(3) 上記(2) に記載のガラス素子成形用金型において、前記逃げ穴の成形面と反対側の口に吸引装置が設けられていることを特徴とする金型。
(4) 上記(1)〜(3) のいずれかに記載のガラス素子成形用金型を用いてガラス素子を成形する方法。
(5) 上記(4) に記載のガラス素子の成形方法において、常圧下で成形することを特徴とする方法。
本発明のガラス素子成形用金型は、成形面の中央に気体の逃げ穴が設けられているので、金型とガラス素子との間にエア溜りができるのを防止しつつ、短い成形サイクルで安定した品質のガラス素子を製造することができる。
[1] ガラス素子成形用金型
図1に示すように、本発明の成形用金型は、所望のガラス素子の反転形状の成形面11を有し、成形面11の中央に気体の円筒状の逃げ穴12が設けられている。逃げ穴12の底面は逃げ穴12より径の大きい穴13と連結しており、全体として金型を貫通している。逃げ穴12の直径は5〜500μmが好ましく、30〜100μmであるのがより好ましい。逃げ穴12の直径が5μm未満であると気体が逃げ穴12に逃げきらずに成形面11とガラス素子との間にエア溜りが形成され、逃げ穴12の直径が500μmを超えると成形されたガラス素子の光学特性が劣化する。
図1に示すように、本発明の成形用金型は、所望のガラス素子の反転形状の成形面11を有し、成形面11の中央に気体の円筒状の逃げ穴12が設けられている。逃げ穴12の底面は逃げ穴12より径の大きい穴13と連結しており、全体として金型を貫通している。逃げ穴12の直径は5〜500μmが好ましく、30〜100μmであるのがより好ましい。逃げ穴12の直径が5μm未満であると気体が逃げ穴12に逃げきらずに成形面11とガラス素子との間にエア溜りが形成され、逃げ穴12の直径が500μmを超えると成形されたガラス素子の光学特性が劣化する。
ガラス素子のプレス成形に使用するため、金型は高温高圧下で高い機械的強度を有する材料からなる。かかる材料としては、WC粒子とCo金属バインダとの焼結体である超硬合金、WC粒子を焼結してなる超硬、SiC,ZrO2,TiC等のセラミックス、及びWC以外のセラミック(Cr2O3,Al2O3等)の粒子とNi金属等のバインダとの焼結体であるサーメット等が好ましい。また成形面11にPt,Ru,Rh,Pd,Re,Os又はこれらの合金等の保護層を設けても良い。さらに、本発明の成形用金型は、逃げ穴12が設けられた成形面11と反対側の口に吸引装置が設けられていても良い。吸引装置は通常用いられるもので良く、例えば真空ポンプや集塵装置が挙げられる。このように吸引装置を設けることにより、金型とガラス素子との間にエア溜りができるのを効率的に防止することができる。
[2] ガラス素子成形用金型の製造方法
ガラス素子の反転形状のニアネットシェイプに焼結した金型の一面を研削した後、ダイヤモンド研磨材により研磨することにより、高精度な成形面11を形成する。
ガラス素子の反転形状のニアネットシェイプに焼結した金型の一面を研削した後、ダイヤモンド研磨材により研磨することにより、高精度な成形面11を形成する。
放電加工等を用いて、金型の成形面11の反対側から穴12より径の大きい穴13を形成した後、成形面11又はその反対側の面から穴12を形成する。また図1に示す例では穴12,13は全体として金型を貫通しているが、成形面11とガラス素材との間の空気の逃げる空間があれば、金型を貫通していなくても良い。その際、逃げ穴12の深さは0.5 mm以上であるのが好ましい。逃げ穴12の直径が5μm未満であると気体が成形面11に残ってしまう恐れがある。
[3] ガラス素子の成形方法
本発明の金型を用いたガラス素子の成形方法を以下説明する。図2に示すように、成形するガラス素子の一面の反転形状の成形面111を有する金型1を、円筒状の胴型3の中に挿入し、ガラス素子の原料である球状のガラス素材Gを金型1の成形面111に載置する。成形するガラス素材Gの反対面の反転形状の成形面211を有する金型2を胴型3に成形面が向かい合うように挿入する。金型1の成形面111の中央には気体の逃げ穴112が設けられている。ガラス素材Gの曲率半径が金型1の成形面111の曲率半径よりも大きいため、プレス成形の前の時点でガラス素材Gと成形面111との間に空間Sが形成されている。
本発明の金型を用いたガラス素子の成形方法を以下説明する。図2に示すように、成形するガラス素子の一面の反転形状の成形面111を有する金型1を、円筒状の胴型3の中に挿入し、ガラス素子の原料である球状のガラス素材Gを金型1の成形面111に載置する。成形するガラス素材Gの反対面の反転形状の成形面211を有する金型2を胴型3に成形面が向かい合うように挿入する。金型1の成形面111の中央には気体の逃げ穴112が設けられている。ガラス素材Gの曲率半径が金型1の成形面111の曲率半径よりも大きいため、プレス成形の前の時点でガラス素材Gと成形面111との間に空間Sが形成されている。
金型2を上から押圧してガラス素材Gのプレス成形を行う。ガラス素材Gと成形面111との間に空間Sに溜まっている気体は逃げ穴112に流れるため、ガラス素材Gと成形面111とが密着した状態でプレス成形を行うことができる。そのため、表面に凹みのないガラス素子が得られる。また成形の際、図3に示すように、成形面111の逃げ穴112がある部分のガラス素材Gが、逃げ穴112に僅かに食い込むため、得られたガラス素子の中央部に膨らみができる。しかしながら、逃げ穴112の径が非常に小さいため、出来る膨らみも小さく、得られたガラス素子の光学特性に特に影響を及ぼさない。なお、本発明の金型を用いて製造するのが好適なガラス素子としては、レーザー光等の単色光源を対象とした光学系に用いるレンズが挙げられ、特に光ディスクのピックアップレンズが挙げられる。
本発明の金型を用いたプレス成形は、常圧下で行うことができる。したがって、プレス成形中に圧力の増減を行う必要がないため、成形サイクルが短く安定した品質でガラス素子を成形することができる。
図2の例では逃げ穴112は下金型1にのみ設けられているが、上下金型1,2はいずれにも逃げ穴112を設けても良いし、上金型のみに設けても良い。また逃げ穴112の断面形状はガラス素材の寸法及び形状、成形条件等に合わせて、円形以外にも楕円形状、多角形状等を適宜選択することができる。逃げ穴112の径は、その貫通方向において拡大または縮小していてもよい。プリフォーム状のガラス素材の形状は、成形するガラス素子の形状に合わせて適宜選択できるが、球形、ロッド状及び扁平球形が好ましい。
1,2・・・金型
11,111,211・・・成形面
12,112・・・逃げ穴
13・・・穴
3・・・胴型
G・・・ガラス素材
S・・・空間
11,111,211・・・成形面
12,112・・・逃げ穴
13・・・穴
3・・・胴型
G・・・ガラス素材
S・・・空間
Claims (5)
- 成形面の中央に気体の逃げ穴が設けられていることを特徴とするガラス素子成形用金型。
- 請求項1に記載のガラス素子成形用金型において、前記逃げ穴が金型を貫通していることを特徴とする金型。
- 請求項2に記載のガラス素子成形用金型において、前記逃げ穴の成形面と反対側の口に吸引装置 が設けられていることを特徴とする金型。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のガラス素子成形用金型を用いてガラス素子を成形する方法。
- 請求項4に記載のガラス素子の成形方法において、常圧下で成形することを特徴とする方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007005152A JP2008169093A (ja) | 2007-01-12 | 2007-01-12 | ガラス素子の成形用金型及び成形方法 |
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JP2007005152A Pending JP2008169093A (ja) | 2007-01-12 | 2007-01-12 | ガラス素子の成形用金型及び成形方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101738413B1 (ko) * | 2015-04-03 | 2017-05-23 | (주)대호테크 | 진공 성형시 흡착성형자국이 발생하지 않도록 한 유리성형용 금형장치 |
KR101738411B1 (ko) * | 2015-04-03 | 2017-05-24 | (주)대호테크 | 진공흡착이동식 유리성형장치 |
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2007
- 2007-01-12 JP JP2007005152A patent/JP2008169093A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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