JP2008168957A - エレベータのかごドア開閉装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】伝動索体による開閉駆動力の伝達を簡潔かつ調整容易な構成で的確に行えるエレベータのかごドア開閉装置を得る。
【解決手段】ラック・ピニオン機構により低速側ドア6と高速ドア5の開閉方向の移動量を1:2とする倍速機構を実現するエレベータのかごドア開閉装置において、低速側ドア6に回転自在に設置されたピニオン19と同軸かつ回転拘束された可動プーリー20を追加構成し、ドア開閉駆動力を伝達する伝動索体14を可動プーリー20と連結させることによりドア開閉駆動力を伝達させる。
【選択図】図3
【解決手段】ラック・ピニオン機構により低速側ドア6と高速ドア5の開閉方向の移動量を1:2とする倍速機構を実現するエレベータのかごドア開閉装置において、低速側ドア6に回転自在に設置されたピニオン19と同軸かつ回転拘束された可動プーリー20を追加構成し、ドア開閉駆動力を伝達する伝動索体14を可動プーリー20と連結させることによりドア開閉駆動力を伝達させる。
【選択図】図3
Description
この発明は、エレベータにおいて乗客が乗降するかごにおけるドア開閉装置の構造に関するものである。
エレベータのドア開閉方式は、ドアが中央から開閉するセンターオープン式と、ドアが左右片側一方向に開閉する片開き式に大別される。いずれの方式も、建物側と乗客が乗降するかご側との両方に、ドアが開いた時に開けられたドア自身を格納する空間が必要となる。
ここで、センターオープン式の場合には左右ドアがそれぞれ左右両端に動作するため、ドア1枚分の空間が左右それぞれに、全体として乗降口幅の2倍の左右方向空間が必要となる。一方、片開き式の場合には左右ドアが片側一方向に動作するため、ドア1枚分追加された空間が、全体として乗降口幅の1.5倍の左右方向空間が必要となる。これにより、乗降口幅が等しい場合には、センターオープン式では片開き式の4/3倍の左右方向空間が必要となるため、後者の片開き式が住宅用では多く適用されている。
ここで、センターオープン式の場合には左右ドアがそれぞれ左右両端に動作するため、ドア1枚分の空間が左右それぞれに、全体として乗降口幅の2倍の左右方向空間が必要となる。一方、片開き式の場合には左右ドアが片側一方向に動作するため、ドア1枚分追加された空間が、全体として乗降口幅の1.5倍の左右方向空間が必要となる。これにより、乗降口幅が等しい場合には、センターオープン式では片開き式の4/3倍の左右方向空間が必要となるため、後者の片開き式が住宅用では多く適用されている。
片開き式では、通常、左右2枚のドアを同時に動作開始および動作停止を行う。これは、ドア開閉を行う駆動系への負荷を一定にするためである。ここで、一方のドアはドア2枚分の移動量を、他方はドア1枚分の移動量を動作するため、低速で開閉するドアと高速で開閉するドアとでは1:2の移動速度比となる。これを実現するため、動滑車による倍速機構が一般的に利用される。回転軸間距離が一定である2つの滑車が低速ドアに動滑車として設置され、動滑車に巻き付けられたワイヤーロープなどの伝動索体両端をドア開閉装置の固定側に設置するとともに、所望の伝動索体位置にて高速ドアと連結することにより倍速機構が構成される。
一方、ドアの開閉は、乗客が乗降するかご側のかごドア開閉装置に設置された駆動源により実現される。かごが各階の所定位置に到着した際に、かご側のドアと乗場側のドアとにそれぞれ設置された係合装置によりお互いのドアが連結され、かご側のドア開閉動作に連動して乗場側のドアが同期開閉し、かごへの乗降が可能となる。つまり、駆動源はかご側のみでよく、乗場ドア開閉装置には上記の動滑車などを利用した倍速機構があればよい。
ここで、かごドアの開閉は、かごドア開閉装置の左右両端に設置されたプーリーにワイヤーロープやVベルト、歯付きベルトやチェーンなどの伝動索体をかけ、一方のプーリーを電動機などで回転させ、伝動索体の所望位置にて高速ドアと連結させることにより実現される。
しかし、動滑車を倍速機構として利用する場合、ワイヤーロープなどの伝動索体を引き回す必要があるとともに、張力調整・保持が必須となる。また、伝動索体と高速ドアとの締結を確実に実現する必要がある。以上のことより、組立性が良く、かつ、高い信頼性が容易に確保可能なドア開閉装置が求められていた。
ここで、かごドアの開閉は、かごドア開閉装置の左右両端に設置されたプーリーにワイヤーロープやVベルト、歯付きベルトやチェーンなどの伝動索体をかけ、一方のプーリーを電動機などで回転させ、伝動索体の所望位置にて高速ドアと連結させることにより実現される。
しかし、動滑車を倍速機構として利用する場合、ワイヤーロープなどの伝動索体を引き回す必要があるとともに、張力調整・保持が必須となる。また、伝動索体と高速ドアとの締結を確実に実現する必要がある。以上のことより、組立性が良く、かつ、高い信頼性が容易に確保可能なドア開閉装置が求められていた。
そこで、動滑車の倍速機構を除外し、かごドア開閉装置における駆動源に直結されたプーリーを工夫し同軸にて異なる径に巻き取られる伝動索体を追加し低速ドアと連結することにより、倍速機構を構成したもの(例えば、特許文献1参照)や、揺動アームの揺動支点から異なる距離にドアハンガーの連結部を持たせ倍速機構を構成したもの(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
また、倍速機構の1つであるラック・ピニオン機構を利用したものも多く提案されている(例えば、特許文献3および特許文献4参照)。この機構の特徴は1つのピニオンに対してラックを上下に2つ設置し、一方のラックを固定することにより、ピニオンは回転と移動を行い、ピニオン移動量に対して可動ラックが2倍の移動量となる。
また、倍速機構の1つであるラック・ピニオン機構を利用したものも多く提案されている(例えば、特許文献3および特許文献4参照)。この機構の特徴は1つのピニオンに対してラックを上下に2つ設置し、一方のラックを固定することにより、ピニオンは回転と移動を行い、ピニオン移動量に対して可動ラックが2倍の移動量となる。
異なる径のプーリーを利用した倍速機構の場合、動滑車は不要となるものの、従来高速ドア用だけであった伝動索体が低速ドア用にもう1本必要となる。
ここで、伝動索体が無端状の歯付きベルトなどで左右に配置したプーリーにて駆動される場合には、これらのプーリー間距離を変更することにより伝動索体の張力を調整し、歯付きベルトと移動体とは公知の締結方法(例えば、特許文献5参照)により所望の位置にて連結される。故に、同軸に異なる径のプーリーを2つ以上設置する場合には、2つの伝動索体の張力を同時に調整することは不可能となる。これより、個別にアイドラなどにより調整する。あるいは、一方の伝動索体が所望の張力になるまで軸間距離を広げて調整後、他方の伝動索体をアイドラなどで調整するなど、張力調整が容易ではない。
一方、伝動索体が無端状でない場合には、上記のアイドラによる調整は不要であるが、個別に伝動索体の両端の位置を移動させ張力を調整する必要がある。また、伝動索体と連結片との固定には、安価で信頼性が高いカシメ締結がよく利用されるが、伝動索体の張力調整後のカシメ締結は冶具が複雑となり困難なため、調整前に伝動索体単体にてカシメを行う必要がある。これより、位置調整を行うには、もう一方の固定端にも調整機構が必須となる。つまり、位置・張力調整用に伝動索体の両端に調整機構が必要となり、組立・調整に手間がかかる。
揺動アームを利用する場合、揺動アームと摺動ローラーなどの追加で倍速機構を実現するため、動滑車を利用した倍速機構よりも構成要素、調整個所が少なくなっている。ここで、揺動アームの円弧動作により直線動作を実現するため、揺動アームの必要長さと揺動アーム動作に必要となる駆動トルクとはドアが全開あるいは全閉時における揺動アームの初期倒れ角度に依存する。
2枚ドアの場合には、初期倒れ角度が45度とした場合に、揺動アームに必要となる駆動トルクが最小値になる。このとき揺動アーム寸法はドア幅の約1.4倍となる。また、揺動アーム寸法と駆動トルクの両方を考慮すると、初期倒れ角度を約55度とした場合にて、駆動トルクが上記の最小値よりも1.1倍増加するものの、揺動アーム寸法はドア幅の約1.22倍と先の約88%の寸法となる。しかし、ドア幅以上の揺動アーム寸法が必要となり、高さ方向に大きなかごドア開閉装置となってしまう。これより、建物側への占有高さ(オーバーヘッド)が大きくなり、建物屋上の突起部が必要、あるいは、高くなるとともに、建築空間の有効活用ができなくなってしまう。
一方、ラック・ピニオン機構を利用したかごドア開閉機構では、可動ラックとピニオン(あるいは、平歯車)、そして、固定ラックが、ドア上方にコンパクトに設置できるため、揺動アームを利用する方式よりも高さ方向の占有空間を小さくすることができる。
この方式では、伝動索体とドアとの連結は連結金具や接続金物にて実現されている。特許文献3では、伝動索体としてVベルト、チェーン、ロープ等が、特許文献4では歯付きベルトが例示されている。いずれの場合も確実な締結状態を確保する必要が有り、詳細な記載は無いが、伝動索体を挟んで最低2個所、図中では4個所にて伝動索体をボルト締結などにより固定していると考えられる。ここで、ボルト締結数は多くないものの、特許文献4では、伝動索体の裏側に締結個所があるため締結しにくく組立性が悪い。一方、特許文献3での伝動索体が金属製ロープの場合には、ボルト締結よりも更に生産性を向上させるため、締結方式をボルト締結からカシメ締結にすることも可能である。しかし、圧着では部分的な締結のため素線切れが発生する可能性があり伝動索体の引張強度が低下する欠点があり、より大きなロープ強度を確保する必要がある。引張強度低下を防止するために、圧着ではなく圧縮による締結方法もあるが、より高価な圧縮設備が必要となってしまう。
ここで、伝動索体が無端状の歯付きベルトなどで左右に配置したプーリーにて駆動される場合には、これらのプーリー間距離を変更することにより伝動索体の張力を調整し、歯付きベルトと移動体とは公知の締結方法(例えば、特許文献5参照)により所望の位置にて連結される。故に、同軸に異なる径のプーリーを2つ以上設置する場合には、2つの伝動索体の張力を同時に調整することは不可能となる。これより、個別にアイドラなどにより調整する。あるいは、一方の伝動索体が所望の張力になるまで軸間距離を広げて調整後、他方の伝動索体をアイドラなどで調整するなど、張力調整が容易ではない。
一方、伝動索体が無端状でない場合には、上記のアイドラによる調整は不要であるが、個別に伝動索体の両端の位置を移動させ張力を調整する必要がある。また、伝動索体と連結片との固定には、安価で信頼性が高いカシメ締結がよく利用されるが、伝動索体の張力調整後のカシメ締結は冶具が複雑となり困難なため、調整前に伝動索体単体にてカシメを行う必要がある。これより、位置調整を行うには、もう一方の固定端にも調整機構が必須となる。つまり、位置・張力調整用に伝動索体の両端に調整機構が必要となり、組立・調整に手間がかかる。
揺動アームを利用する場合、揺動アームと摺動ローラーなどの追加で倍速機構を実現するため、動滑車を利用した倍速機構よりも構成要素、調整個所が少なくなっている。ここで、揺動アームの円弧動作により直線動作を実現するため、揺動アームの必要長さと揺動アーム動作に必要となる駆動トルクとはドアが全開あるいは全閉時における揺動アームの初期倒れ角度に依存する。
2枚ドアの場合には、初期倒れ角度が45度とした場合に、揺動アームに必要となる駆動トルクが最小値になる。このとき揺動アーム寸法はドア幅の約1.4倍となる。また、揺動アーム寸法と駆動トルクの両方を考慮すると、初期倒れ角度を約55度とした場合にて、駆動トルクが上記の最小値よりも1.1倍増加するものの、揺動アーム寸法はドア幅の約1.22倍と先の約88%の寸法となる。しかし、ドア幅以上の揺動アーム寸法が必要となり、高さ方向に大きなかごドア開閉装置となってしまう。これより、建物側への占有高さ(オーバーヘッド)が大きくなり、建物屋上の突起部が必要、あるいは、高くなるとともに、建築空間の有効活用ができなくなってしまう。
一方、ラック・ピニオン機構を利用したかごドア開閉機構では、可動ラックとピニオン(あるいは、平歯車)、そして、固定ラックが、ドア上方にコンパクトに設置できるため、揺動アームを利用する方式よりも高さ方向の占有空間を小さくすることができる。
この方式では、伝動索体とドアとの連結は連結金具や接続金物にて実現されている。特許文献3では、伝動索体としてVベルト、チェーン、ロープ等が、特許文献4では歯付きベルトが例示されている。いずれの場合も確実な締結状態を確保する必要が有り、詳細な記載は無いが、伝動索体を挟んで最低2個所、図中では4個所にて伝動索体をボルト締結などにより固定していると考えられる。ここで、ボルト締結数は多くないものの、特許文献4では、伝動索体の裏側に締結個所があるため締結しにくく組立性が悪い。一方、特許文献3での伝動索体が金属製ロープの場合には、ボルト締結よりも更に生産性を向上させるため、締結方式をボルト締結からカシメ締結にすることも可能である。しかし、圧着では部分的な締結のため素線切れが発生する可能性があり伝動索体の引張強度が低下する欠点があり、より大きなロープ強度を確保する必要がある。引張強度低下を防止するために、圧着ではなく圧縮による締結方法もあるが、より高価な圧縮設備が必要となってしまう。
つぎに、低速ドアと高速ドアの組立性について言及する。
特許文献3では、低速ドア側の吊車を高速ドア側の吊車よりも下方に設置することにより段違いとし、高速ドア側の吊車の下側空きスペースにピニオン(あるいは、平歯車)を設置している。また、高速ドアに設置される移動ラックはピニオンよりも下方に、固定ラックはピニオンよりも上方にそれぞれ配置されている。これより、低速ドアの嵌合個所は、吊車の下方と、ピニオン(あるいは、平歯車)の上方となり、吊車の嵌合個所の斜め上方にピニオンの噛合個所が位置する。故に、まず、時計回りに傾け吊車の下方を案内レールに支持させ、固定ラックとピニオン(あるいは、平歯車)のギヤ歯が噛合するように微調整しながら低速ドアを反時計回りに回転させ組み付ける。一方、高速ドアの嵌合個所は同様にして、吊車の下方と、移動ラックの上方となり、これらで案内レールを上下方向にて挟み込む。故に、まず、反時計回りに傾け吊車の下方を案内レールに支持させ、ピニオン(あるいは、平歯車)と移動ラックのギヤ歯が噛合するように微調整しながら高速ドアを時計回りに回転させ組み付ける。
以上のことから、低速ドアと高速ドアの組立方向は同一で組立性が良い構造となっているが、このままの構造では、低速ドアおよび高速ドアの両方に対して、傾いた姿勢にて設置する必要があり、組立性の悪い構造となっている。
特許文献3では、低速ドア側の吊車を高速ドア側の吊車よりも下方に設置することにより段違いとし、高速ドア側の吊車の下側空きスペースにピニオン(あるいは、平歯車)を設置している。また、高速ドアに設置される移動ラックはピニオンよりも下方に、固定ラックはピニオンよりも上方にそれぞれ配置されている。これより、低速ドアの嵌合個所は、吊車の下方と、ピニオン(あるいは、平歯車)の上方となり、吊車の嵌合個所の斜め上方にピニオンの噛合個所が位置する。故に、まず、時計回りに傾け吊車の下方を案内レールに支持させ、固定ラックとピニオン(あるいは、平歯車)のギヤ歯が噛合するように微調整しながら低速ドアを反時計回りに回転させ組み付ける。一方、高速ドアの嵌合個所は同様にして、吊車の下方と、移動ラックの上方となり、これらで案内レールを上下方向にて挟み込む。故に、まず、反時計回りに傾け吊車の下方を案内レールに支持させ、ピニオン(あるいは、平歯車)と移動ラックのギヤ歯が噛合するように微調整しながら高速ドアを時計回りに回転させ組み付ける。
以上のことから、低速ドアと高速ドアの組立方向は同一で組立性が良い構造となっているが、このままの構造では、低速ドアおよび高速ドアの両方に対して、傾いた姿勢にて設置する必要があり、組立性の悪い構造となっている。
一方、特許文献4では、高速ドアの吊車と移動ラックが上側に配置されるため、低速ドアと高速ドアを傾けることなく設置可能であり、組立性が良い構造となっている。しかし、低速ドアと高速ドアに対する案内レールは、これらの移動領域においてその断面が略H字型の構造となっており、低速ドアと高速ドアの設置方向がドアの前後方向に対して同一でないため、組立方向の観点からは組立性が悪い構造となっている。
この発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、伝動索体による開閉駆動力の伝達を簡潔かつ調整容易な構成で的確に行えるエレベータのかごドア開閉装置を提供することを目的としている。
この発明に係るエレベータのかごドア開閉装置では、左右片側一方向に開閉される低速ドアおよび高速ドアを備えたエレベータの乗りかごに配設されるかごドア開閉装置において、前記乗りかごの所定個所に設けられる固定ラックと、前記固定ラックに噛合して回転自在に設けられ回転に応じて前記低速ドアを水平移動させるピニオンと、前記ピニオンと噛合し前記ピニオンの回転に応じて前記高速ドアを水平移動させる可動ラックと、前記ピニオンと回転力を伝達可能として同軸に結合される可動プーリーと、前記低速ドアおよび前記高速ドアの開閉動作を行うための駆動源と、前記駆動源によって付勢され前記可動プーリーを回転駆動することにより前記ピニオンを介して前記低速ドアおよび前記高速ドアを開閉駆動する伝動索体とを備え、前記低速ドアと前記高速ドアの開閉方向の移動量を1:2とすることを特徴とするエレベータのかごドア開閉装置を構成するものである。
また、この発明に係るエレベータのかごドア開閉装置では、左右片側一方向に開閉される低速ドアおよび高速ドアを備えたエレベータの乗りかごに配設されるかごドア開閉装置において、前記乗りかごの所定個所に設けられる固定ラックと、前記固定ラックに噛合して回転自在に設けられ回転に応じて前記低速ドアを水平移動させるピニオンと、前記ピニオンと回転力を伝達可能として同軸に結合される可動プーリーと、前記低速ドアおよび前記高速ドアの開閉動作を行うための駆動源と、前記駆動源によって付勢され前記可動プーリーを回転駆動することにより前記ピニオンを介して前記低速ドアを開閉駆動する伝動索体とを備え、前記高速ドアを前記伝動索体へ結合して水平移動することにより前記高速ドアを開閉駆動することによって、前記低速ドアと前記高速ドアの開閉方向の移動量を1:2とすることを特徴とするエレベータのかごドア開閉装置を構成するものである。
この発明によれば、伝動索体による開閉駆動力の伝達を簡潔かつ調整容易な構成で的確に行えるエレベータのかごドア開閉装置を得ることができる。
実施の形態1.
この発明による実施の形態1を図1から図18までについて説明する。図1は実施の形態1における乗りかごの全閉状態の正面図である。図2は実施の形態1における乗りかごの全開状態の正面図である。図3は図1におけるIII−III矢視図とドア開閉装置の部分拡大図である。図4は図1におけるIV−IV矢視図とドア開閉装置の部分拡大図である。図5は図1におけるV−V矢視図とドア開閉装置の部分拡大図である。図6は実施の形態1における伝動索体の可動プーリーへの巻き付け向きに関する説明図である。図7は実施の形態1における伝動索体の張力調整機構に関する説明図である。図8は実施の形態1における倍速機構の移動量に関する説明図である。図9は実施の形態1における伝動索体を巻き付けられた可動プーリー動作に関する説明図である。図10は実施の形態1における可動プーリーとラック・ピニオン機構の動作に関する説明図である。図11は実施の形態1におけるハンガープレート設置前の筐体に関する説明図である。図12は実施の形態1における低速側ハンガープレートの構成に関する説明図である。図13は実施の形態1におけるかごドア開閉装置への低速側ハンガープレート組立手順に関する説明図である。図14は実施の形態1におけるかごドア開閉装置への低速側ハンガープレート組立後の状態を示す説明図である。図15は実施の形態1における伝動索体設置手順に関する説明図である。図16は実施の形態1における筐体への低速側ハンガープレートの位置調整方法に関する説明図である。図17は実施の形態1における高速側ハンガープレートの構成に関する説明図である。図18は実施の形態1におけるかごドア開閉装置への高速側ハンガープレート組立手順に関する説明図である。
この発明による実施の形態1を図1から図18までについて説明する。図1は実施の形態1における乗りかごの全閉状態の正面図である。図2は実施の形態1における乗りかごの全開状態の正面図である。図3は図1におけるIII−III矢視図とドア開閉装置の部分拡大図である。図4は図1におけるIV−IV矢視図とドア開閉装置の部分拡大図である。図5は図1におけるV−V矢視図とドア開閉装置の部分拡大図である。図6は実施の形態1における伝動索体の可動プーリーへの巻き付け向きに関する説明図である。図7は実施の形態1における伝動索体の張力調整機構に関する説明図である。図8は実施の形態1における倍速機構の移動量に関する説明図である。図9は実施の形態1における伝動索体を巻き付けられた可動プーリー動作に関する説明図である。図10は実施の形態1における可動プーリーとラック・ピニオン機構の動作に関する説明図である。図11は実施の形態1におけるハンガープレート設置前の筐体に関する説明図である。図12は実施の形態1における低速側ハンガープレートの構成に関する説明図である。図13は実施の形態1におけるかごドア開閉装置への低速側ハンガープレート組立手順に関する説明図である。図14は実施の形態1におけるかごドア開閉装置への低速側ハンガープレート組立後の状態を示す説明図である。図15は実施の形態1における伝動索体設置手順に関する説明図である。図16は実施の形態1における筐体への低速側ハンガープレートの位置調整方法に関する説明図である。図17は実施の形態1における高速側ハンガープレートの構成に関する説明図である。図18は実施の形態1におけるかごドア開閉装置への高速側ハンガープレート組立手順に関する説明図である。
図1および図2は、この発明による実施の形態1における乗りかごを示す建物の乗場側から見た正面図である。図1はドアが全閉状態を、図2はドアが全開状態をそれぞれ示している。図3、図4、図5は図1のIII−III矢視図、IV−IV矢視図、V−V矢視図と上方のかごドア開閉装置3の拡大図をそれぞれ示している。ここでは簡単のため、建物の各階に設置される乗場側ドア開閉装置との係合装置、さらには、エレベータの安全を確保するためのドア開閉状態検出スイッチや制御盤などは図示していない。
図1から図5までにおいて、エレベータの利用者を乗せる乗りかご1は、箱状のかご枠2とかご枠2の乗場側(図中正面図の手前側)の上方に設置されたかごドア開閉装置3と、その下方に設置された敷居4、そして、高速ドア5と低速ドア6とから構成され、かご枠2の上方に接続されたワイヤーロープ(図示せず)と、建物側に設置された巻上機(図示せず)によって昇降路(図示せず)内を上下方向に移動可能となっている。
かごドア開閉装置3による高速ドア5、低速ドア6の開閉により、かご枠2の乗場側(図中正面図の手前側)に存在する開口部7が開け閉めされる。図2に示すように、全開状態では高速ドア5と低速ドア6とは重なり合う。
かごドア開閉装置3による高速ドア5、低速ドア6の開閉により、かご枠2の乗場側(図中正面図の手前側)に存在する開口部7が開け閉めされる。図2に示すように、全開状態では高速ドア5と低速ドア6とは重なり合う。
かごドア開閉装置3の筐体3aには、その下方に下側案内レール8aが、高さ方向の中央付近に固定ラック9が、それぞれ固定されている。固定ラック9はその上面に図示しない歯面が形成されている。また、上側案内レール8bが、支持ピン10により固定ラック9を介して固定ラック9とほぼ同じ高さに固定される。これより、2つの案内レール8a、8bは上下方向に段違いに設置される。ここで、下側案内レール8aは低速ドア6側の、上側案内レール8bは高速ドア5側の自重をそれぞれ支える。
また、高速ドア5および低速ドア6が開く方向(図中正面図の右側)に、電動機などの駆動源11が設置され、その回転軸にはプーリー12が回転拘束される。一方、高速ドア5および低速ドア6が閉まる方向(図中正面図の左側)には、回転自在に設置されたプーリー13がその回転軸が図示しない張力調整機構により図中左右方向に調整可能に設置される。これらプーリー12,13が、ワイヤーロープやVベルトなどの伝動索体14により接続される。
また、高速ドア5および低速ドア6が開く方向(図中正面図の右側)に、電動機などの駆動源11が設置され、その回転軸にはプーリー12が回転拘束される。一方、高速ドア5および低速ドア6が閉まる方向(図中正面図の左側)には、回転自在に設置されたプーリー13がその回転軸が図示しない張力調整機構により図中左右方向に調整可能に設置される。これらプーリー12,13が、ワイヤーロープやVベルトなどの伝動索体14により接続される。
高速ドア5および低速ドア6の上方にはハンガープレート15a,15bが固定される。ハンガープレート15a,15bの断面形状は、図3および図4に示すように、例えば、低速側ハンガープレート15aは略L字型、高速側ハンガープレート15bは略Z字型となる。低速側ハンガープレート15aは、上部に垂直延在部Vaを有し、下部に低速ドア6を接続する水平延在部Haを有している。高速側ハンガープレート15bは、上部に水平延在部Hb2および垂直延在部Vbを有し、下部に高速ドア5を接続する水平延在部Hb1を有している。ハンガープレート15a,15bには2つの吊車16a,16bと2つの支持ローラー17a,17bがそれぞれ設置される。これらで上側案内レール8bの上下間を挟み込んだり、固定ラック9と下側案内レール8a間を突張ったりして、ハンガープレート15a,15bを案内レール8a,8bに沿って移動可能に設置する。
ここで、案内レール8a,8bからの離脱を抑制するため、吊車16a,16bの断面は略円弧状に凹んだ形状であり、案内レール8a,8bの断面は略円弧状である。吊車16a,16bは案内レール8a,8b上で転動できるようにその周面を案内レール8a,8bに嵌合状態で係合する。また、支持ローラー17a,17bをハンガープレート15a,15bに対して高さ方向に調整可能な構造とする。つまり、ハンガープレート15a,15b側には略上下方向に伸ばされた長穴ahを設置する。これにより、案内レール8a,8bへの設置時には支持ローラー17a,17bをハンガープレート15a,15bの低い位置に仮設置し、ハンガープレート15a,15bを設置した後に、所定の高さまで支持ローラー17a,17bを移動させ固定する。支持ローラー17aは固定ラック9の下面にその周面を係合する。支持ローラー17bは案内レール8bの下面にその周面を係合する。
そして、高速ドア5側の高速側ハンガープレート15bと低速ドア6側の低速側ハンガープレート15aの案内レール8a,8bの高さが異なるため、低速側ハンガープレート15aの低速側吊車16aは、高速側ハンガープレート15bの高速側吊車16bよりも下方に設置される。また、吊車16a,16bと支持ローラー17a,17bとの上下関係も、低速側ハンガープレート15aでは低速側支持ローラー17aが、高速側ハンガープレート15bでは高速側吊車16bが上側に設置される。このような配置により、低速側吊車16a上方に空きスペースを確保する。
一方、高速ドア5および低速ドア6の下方にはそれぞれガイドシュー18が設置され、敷居4の溝4aに沿って拘束されるため、吊車16a,16bと支持ローラー17a,17bとあわせて、高速ドア5および低速ドア6の傾きを防止する役割を持たせている。
ここで、案内レール8a,8bからの離脱を抑制するため、吊車16a,16bの断面は略円弧状に凹んだ形状であり、案内レール8a,8bの断面は略円弧状である。吊車16a,16bは案内レール8a,8b上で転動できるようにその周面を案内レール8a,8bに嵌合状態で係合する。また、支持ローラー17a,17bをハンガープレート15a,15bに対して高さ方向に調整可能な構造とする。つまり、ハンガープレート15a,15b側には略上下方向に伸ばされた長穴ahを設置する。これにより、案内レール8a,8bへの設置時には支持ローラー17a,17bをハンガープレート15a,15bの低い位置に仮設置し、ハンガープレート15a,15bを設置した後に、所定の高さまで支持ローラー17a,17bを移動させ固定する。支持ローラー17aは固定ラック9の下面にその周面を係合する。支持ローラー17bは案内レール8bの下面にその周面を係合する。
そして、高速ドア5側の高速側ハンガープレート15bと低速ドア6側の低速側ハンガープレート15aの案内レール8a,8bの高さが異なるため、低速側ハンガープレート15aの低速側吊車16aは、高速側ハンガープレート15bの高速側吊車16bよりも下方に設置される。また、吊車16a,16bと支持ローラー17a,17bとの上下関係も、低速側ハンガープレート15aでは低速側支持ローラー17aが、高速側ハンガープレート15bでは高速側吊車16bが上側に設置される。このような配置により、低速側吊車16a上方に空きスペースを確保する。
一方、高速ドア5および低速ドア6の下方にはそれぞれガイドシュー18が設置され、敷居4の溝4aに沿って拘束されるため、吊車16a,16bと支持ローラー17a,17bとあわせて、高速ドア5および低速ドア6の傾きを防止する役割を持たせている。
ハンガープレート15a,15bには吊車16a,16bおよび支持ローラー17a,17bの他に、高速ドア5側と低速ドア6側とで異なる部品が設置される。
低速側ハンガープレート15aには、低速側吊車16a、低速側支持ローラー17aの上方に、ピニオン19が回転自在に固定されている。
さらに、このピニオン19と同軸、かつ、回転拘束されて、可動プーリー20が固定されている。後述するが、この可動プーリー20により、ピニオン19に駆動源11の回転力が伝達される。
一方、高速側ハンガープレート15bには、高速側吊車16bと高速側支持ローラー17bの上方に、高速ドア5とともに移動可能な可動ラック21が固定されている。このような構成とすることにより、ラック・ピニオン機構が、低速側吊車16aと低速側支持ローラー17aの上方の空きスペースに設置可能となり、スペース効率が良いコンパクトな構成が可能となる。ここで、固定ラック9は図中にて筐体3aの左右幅とほぼ同一長さで表現しているが、固定ラック9はピニオン19の可動範囲にて設置されれば良いため、ピニオン19が設置されている低速側ハンガープレート15aがドア開閉時に移動しない図1および図2における左端から左右幅1/3の範囲には固定ラック9を設置しなくても同様な機能が実現できる。このような場合には、上側案内レール8bを固定する支持ピン10の一部は、固定ラック9ではなく、筐体3aに固定されることとなる。
低速側ハンガープレート15aには、低速側吊車16a、低速側支持ローラー17aの上方に、ピニオン19が回転自在に固定されている。
さらに、このピニオン19と同軸、かつ、回転拘束されて、可動プーリー20が固定されている。後述するが、この可動プーリー20により、ピニオン19に駆動源11の回転力が伝達される。
一方、高速側ハンガープレート15bには、高速側吊車16bと高速側支持ローラー17bの上方に、高速ドア5とともに移動可能な可動ラック21が固定されている。このような構成とすることにより、ラック・ピニオン機構が、低速側吊車16aと低速側支持ローラー17aの上方の空きスペースに設置可能となり、スペース効率が良いコンパクトな構成が可能となる。ここで、固定ラック9は図中にて筐体3aの左右幅とほぼ同一長さで表現しているが、固定ラック9はピニオン19の可動範囲にて設置されれば良いため、ピニオン19が設置されている低速側ハンガープレート15aがドア開閉時に移動しない図1および図2における左端から左右幅1/3の範囲には固定ラック9を設置しなくても同様な機能が実現できる。このような場合には、上側案内レール8bを固定する支持ピン10の一部は、固定ラック9ではなく、筐体3aに固定されることとなる。
図6はワイヤーロープやVベルトなどの伝動索体14による可動プーリー20の駆動方法の説明図である。簡単のため、主要部品のみ示している。図6(a)は全体図、図6(b)は伝動索体14の可動プーリー20への巻き付け向きの説明図である。
低速側ハンガープレート15aに回転自在に固定された可動プーリー20に、伝動索体14が1回転以上巻き付けられている。これより、伝動索体14は可動プーリー20にて滑ることなく駆動源11からの駆動力を伝達可能となる。固定ラック9はピニオン19より下方に存在するため、図中矢印にて示すように伝動索体14の上方側を巻き付け、下方側は可動プーリー20の溝部20aに沿わせるのみとする。
伝動索体14はプーリー12,13により充分な張力が確保されるため、駆動源11の回転力を可動プーリー20に伝達することができる。ここで、ピニオン19は可動プーリー20と回転拘束されていることから、駆動源11の回転力は可動プーリー20を介してピニオン19に伝達される。
低速側ハンガープレート15aに回転自在に固定された可動プーリー20に、伝動索体14が1回転以上巻き付けられている。これより、伝動索体14は可動プーリー20にて滑ることなく駆動源11からの駆動力を伝達可能となる。固定ラック9はピニオン19より下方に存在するため、図中矢印にて示すように伝動索体14の上方側を巻き付け、下方側は可動プーリー20の溝部20aに沿わせるのみとする。
伝動索体14はプーリー12,13により充分な張力が確保されるため、駆動源11の回転力を可動プーリー20に伝達することができる。ここで、ピニオン19は可動プーリー20と回転拘束されていることから、駆動源11の回転力は可動プーリー20を介してピニオン19に伝達される。
図7はプーリー13側に設置された伝動索体14の張力調整機構22の1例である。簡単のため、かごドア開閉装置3の部分拡大図としている。筐体3aの側面に設置した調整用ボルト23の締付量によりプーリー13の回転軸位置が変動し、プーリー12とプーリー13との距離、ひいては、伝動索体14の張力調整が容易に実現できる。伝動索体14の張力調整後、固定用ボルト24で張力調整機構22を固定し、プーリー12,13の軸間距離を固定する。ここで、筐体3aの側面も利用しているが、側面を利用せず、筐体3aに固定された別部材を利用しても良く、筐体3aの両側面は開口されていても良い。
また、伝動索体14の長さ調整でも張力の調整はできるため、無端状でない伝動索体14の一方の位置を変更可能な構造としても調整は可能となる。
また、伝動索体14の長さ調整でも張力の調整はできるため、無端状でない伝動索体14の一方の位置を変更可能な構造としても調整は可能となる。
図8は、ラック・ピニオン機構を利用した倍速機構動作の説明図である。簡単のため、主要部品のみであり、上から順に閉状態から開状態への遷移状態を示している。
このラック・ピニオン機構は、かごドア開閉装置3に固定される固定ラック9と高速側ハンガープレート15bに固定される可動ラック21の2つのラックと低速側ハンガープレート15aに回転自在に固定されるピニオン19から構成される。固定ラック9はその上面に、可動ラック21はその下面に、それぞれ図示しない歯が形成されている。ピニオン19が回転すると、その回転量に応じて固定ラック9上をピニオン19が左右方向に移動する。この時の移動量をSとする。一方、可動ラック21は固定ラック9の上方に相対して設置されるため、ピニオン19から見た可動ラック21の相対移動量は左向きにSとなる。これより、固定ラック9から見た可動ラック21の移動量は2Sとなり、ピニオン19の移動量の2倍となる。以上のことから、ピニオン19に対して固定ラック9と可動ラック21を相対して設置し、ピニオン19を回転させることにより、倍速機構が実現できる。
ここで、ピニオン19と可動プーリー20は同軸、かつ、回転拘束されているため、伝動索体14とハンガープレート15a,15bとを直接締結する必要が無くなり、図6に示すように可動プーリー20に伝動索体14を巻き付ければ良い。これより、従来では必須であった締結部材が不要であるとともに、その締結部材を締結する作業も不要となるため、組立時間の短縮が容易に実現できる。
このラック・ピニオン機構は、かごドア開閉装置3に固定される固定ラック9と高速側ハンガープレート15bに固定される可動ラック21の2つのラックと低速側ハンガープレート15aに回転自在に固定されるピニオン19から構成される。固定ラック9はその上面に、可動ラック21はその下面に、それぞれ図示しない歯が形成されている。ピニオン19が回転すると、その回転量に応じて固定ラック9上をピニオン19が左右方向に移動する。この時の移動量をSとする。一方、可動ラック21は固定ラック9の上方に相対して設置されるため、ピニオン19から見た可動ラック21の相対移動量は左向きにSとなる。これより、固定ラック9から見た可動ラック21の移動量は2Sとなり、ピニオン19の移動量の2倍となる。以上のことから、ピニオン19に対して固定ラック9と可動ラック21を相対して設置し、ピニオン19を回転させることにより、倍速機構が実現できる。
ここで、ピニオン19と可動プーリー20は同軸、かつ、回転拘束されているため、伝動索体14とハンガープレート15a,15bとを直接締結する必要が無くなり、図6に示すように可動プーリー20に伝動索体14を巻き付ければ良い。これより、従来では必須であった締結部材が不要であるとともに、その締結部材を締結する作業も不要となるため、組立時間の短縮が容易に実現できる。
次に、伝動索体14を巻き付けられた可動プーリー20の動作について図9を用いて説明する。簡単のため、伝動索体14は上側のみとし、かつ、有限長としている。また、上側に移動前の状態を、下側に移動後の状態をそれぞれ示している。可動プーリー20の回転軸は、図中上下方向にのみ拘束され、図中左右方向には自由に移動可能、かつ、自転可能である。
伝動索体14が図中右側にAだけ移動する場合、可動プーリー20の回転軸が全く自転しない場合には図9(a)のように、伝動索体14の移動量Aと同じ量だけ、可動プーリー20の回転軸が右方向に移動する。また、可動プーリー20の回転軸が自転のみの場合には図9(b)のように、回転軸の位置は変動せず円弧長さがAとなるだけ自転することになる。
しかし、回転軸の回転摩擦トルクや回転軸の移動摩擦力により、上記図9(a)に示す状態となるか図9(b)に示す状態となるか、あるいは、これらの中間状態となるかは、一意に決定できない。
伝動索体14が図中右側にAだけ移動する場合、可動プーリー20の回転軸が全く自転しない場合には図9(a)のように、伝動索体14の移動量Aと同じ量だけ、可動プーリー20の回転軸が右方向に移動する。また、可動プーリー20の回転軸が自転のみの場合には図9(b)のように、回転軸の位置は変動せず円弧長さがAとなるだけ自転することになる。
しかし、回転軸の回転摩擦トルクや回転軸の移動摩擦力により、上記図9(a)に示す状態となるか図9(b)に示す状態となるか、あるいは、これらの中間状態となるかは、一意に決定できない。
一方、図10(a)に示すように、固定ラック9とピニオン19の関係は、ピニオン19の回転軸の移動量Bに対して、円弧長さがBとなる回転角度分だけピニオン19は自転するため、ピニオン19の回転量と回転軸の移動量は一意に決定される。ここで、可動プーリー20はピニオン19と同軸、かつ回転拘束されているため、伝動索体14がAだけ移動する場合には、可動プーリー20の回転軸の移動量はA/2、可動プーリー20の回転量は円弧長さでA/2と一意に決定される。
以上のことより、伝動索体14の移動量とピニオン19の移動量は2:1となり、伝動索体14を可動プーリー20に巻き付けるとともに、可動プーリー20をピニオン19と同軸、かつ、回転拘束することにより、伝動索体14と高速ドア5を直接接続すること無しに、倍速機構を実現することができる。
次に、組立手順について説明する。図11から図14までに低速ドア6の組立手順を、図15および図16に伝動索体14の組立を、図17および図18に高速ドア5の組立手順をそれぞれ示す。通常、ハンガープレート15a,15bへの高速ドア5および低速ドア6の組立は最後に行うため、ここでは、かごドア開閉装置3の組立手順に対して説明する。
図11は筐体3aへの初期組立における正面図と、A−A断面図とB−B矢視図を示している。図11(a)は図11(c)におけるA−A断面図を示し、図11(b)は図11(c)におけるB−B断面図を示し,図11(c)は正面図を示している。図11(c)に示す正面図において下方、および、前方の2方向が開口された筐体3aに、下側案内レール8a、固定ラック9、さらに、プーリー12を回転軸に拘束した駆動源11などが設置される。ここで、先に述べたように、上記2方向以外の左右両側面などが開口した構造であっても良い。
一方、図12に示すように低速側ハンガープレート15aには、これを構成する全要素、つまり、低速側吊車16a、低速側支持ローラー17a、および、ピニオン19、可動プーリー20を組み付けておく。この際、低速側支持ローラー17aは下方に仮固定しておく。このように全要素を組立状態にて筐体3aに組み付け可能なことから、低速側ハンガープレート15aのユニット組立が実現でき、低速側ハンガープレート15aの組み付け時間を短縮できる。また、低速側吊車16aの回転軸はカシメ締結による固定が可能であり、高い信頼性が確保できるとともに安価な構成にできる。
図13に、低速側ハンガープレート15aを筐体3aに設置する手順を示す。ここでは側面図のみ示している。筐体3aの前方向(図中左側)へ、最終組み付け姿勢である水平状態を保ちながら低速側ハンガープレート15aを所定位置付近まで接近させる〔図13(a)、(b)、(c)〕。このとき、低速側支持ローラー17aは下方に仮設置されているため、固定ラック9と下側案内レール8a間の隙間は、低速側吊車16aの下方と低速側支持ローラー17aの上面との寸法よりも大きい。さらに、低速側ハンガープレート15aは所定の位置よりも上方に位置した状態にて水平動作されるため、ピニオン19と固定ラック9との間には充分なスペースが存在する。
以上のことより、低速側ハンガープレート15aは、どことも干渉せずに容易に最終設置の上方位置に最終組み付け姿勢のまま移動可能となる。その後、低速側ハンガープレート15aをそのまま下方に移動させ、低速側吊車16aを下側案内レール8aに嵌合させる〔図13(d)〕。
以上の単純作業にて、低速側ハンガープレート15aの仮設置が完了するため、組立性が良い構造と言える。この仮設置の後、低速側支持ローラー17aを固定ラック9の下面に当接するまで上方に移動させ、固定する(図14)。このとき、低速側ハンガープレート15aの左右位置はどこでも良い。
以上の単純作業にて、低速側ハンガープレート15aの仮設置が完了するため、組立性が良い構造と言える。この仮設置の後、低速側支持ローラー17aを固定ラック9の下面に当接するまで上方に移動させ、固定する(図14)。このとき、低速側ハンガープレート15aの左右位置はどこでも良い。
以上にて、低速側ハンガープレート15aの組み付けが完了、次は伝動索体14の設置となる。図15に示すように、伝動索体14をプーリー12,13および可動プーリー20にかける。ここで、可動プーリー20には図6で示した向きにて伝動索体14を1回転以上巻き付ける。また、プーリー13は図示しない張力調整機構(図7参照)にて所望の張力になるように調整される。このとき、低速側ハンガープレート15aの左右位置はいずれでも良い。
次に、高速側ハンガープレート15bの組立に入る前に、支持ピン10を介して上側案内レール8bを固定ラック9に組立て、低速側ハンガープレート15aを低速ドア6の全開状態の位置まで移動させる(図16)。図16(b)は低速ドア6の全閉状態でのかごドア開閉装置3の構成を示す正面図である。図16(a)は図16(b)のA−A矢視図である。
以上の準備にて、図17に示す高速側ハンガープレート15bを設置可能となる。高速側ハンガープレート15bも低速側ハンガープレート15aと同様に、これを構成する全要素、つまり、高速側吊車16b、高速側支持ローラー17b、および、可動ラック21を組み付けておく。この際、高速側支持ローラー17bは下方に仮固定しておく。このように全要素を組立状態にて筐体3aに組み付け可能なことから、高速側ハンガープレート15bのユニット組立が実現でき、高速側ハンガープレート15bの組み付け時間を短縮できる。また、高速側吊車16bの回転軸はカシメ締結による固定が可能であり、高い信頼性が確保できるとともに安価な構成にできる。
図18に、高速側ハンガープレート15bを筐体3aに設置する手順を示す。ここでは側面図のみ示している。左右方向位置は、全開状態にあわせておき、筐体3aの前方向(図中左側)へ、最終組み付け姿勢である水平状態を保ちながら高速側ハンガープレート15bを所定位置付近まで接近させる〔図18(a)、(b)〕。このとき、高速側支持ローラー17bは下方に仮設置されているため、高速側吊車16bと高速側支持ローラー17b間の隙間は、上側案内レール8bよりも大きい。また、高速側ハンガープレート15bは所定の位置よりも上方に位置した状態にて水平動作されるため、可動ラック21とピニオン19との間には充分なスペースが存在する。ここで、この上方位置においても、筐体3aと固定ラック9とには十分な隙間を確保するものとする。これより、可動ラック21はどことも干渉せずに設置可能となる。
以上のことより、高速側ハンガープレート15bは、どことも干渉せずに容易に最終設置の上方位置に最終組み付け姿勢のまま移動可能となる。その後、高速側ハンガープレート15bをそのまま下方に移動させ、高速側吊車16bを下側案内レール8aに嵌合させる〔図18(c)〕。
以上の単純作業にて、高速側ハンガープレート15bの仮設置が完了するため、組立性が良い構造と言える。この仮設置の後、高速側支持ローラー17bを上側案内レール8bの下面に当接するまで上方に移動させ、固定する〔図18(d)〕。
以上のことより、高速側ハンガープレート15bは、どことも干渉せずに容易に最終設置の上方位置に最終組み付け姿勢のまま移動可能となる。その後、高速側ハンガープレート15bをそのまま下方に移動させ、高速側吊車16bを下側案内レール8aに嵌合させる〔図18(c)〕。
以上の単純作業にて、高速側ハンガープレート15bの仮設置が完了するため、組立性が良い構造と言える。この仮設置の後、高速側支持ローラー17bを上側案内レール8bの下面に当接するまで上方に移動させ、固定する〔図18(d)〕。
以上のように、筐体3aの同一方向(前方向)から2つのハンガープレート15を最終組み付け姿勢のまま組立可能であるとともに、高速ドア5、および、低速ドア6の組立と伝動索体14の設置が独立して実現可能であり、かつ、伝動索体14とドア5,6との締結部材が不要なため組立時間が短縮可能となる。
ここで、ハンガープレート15a,15bの断面形状として、略L字型、あるいは、略Z字型の場合を説明してきたが、ハンガープレート15a,15bに設置する構成要素の邪魔にならない限り、例えば略コ字型など、どのような断面形状を有していても同様な効果が得られることは言うまでもないことである。
以上のように、このような発明によると、1本の伝動索体14により可動プーリー20に伝達される回転力をピニオン19に直接伝達する構成のため、構造がコンパクト、かつ、従来必須部品であったボルト締結やカシメ締結などの伝動索体14とドア5、6の連結部材が不要となるとともに、これらを締結する作業が不要となる。さらに、低速側ハンガープレート15aの設置、伝動索体14の設置・調整、および、高速側ハンガープレート15bの設置がそれぞれ独立に実施でき組立が容易となり、安価な製品を提供できる。また、高速側ハンガープレート15bの上方に可動ラック21を設置することにより、高速側ハンガープレート15bが低速側ハンガープレート15aの設置方向と同じ方向から最終組み付け姿勢のまま設置できるため、ハンガープレート15a,15bは吊車16a,16bと支持ローラー17a,17bやピニオン19、あるいは可動ラック21が固定されたユニット化状態にて組立が可能となるため、安価な締結手段が利用でき、かつ、組立性を向上することが可能となる、などといった従来にない顕著な効果を奏するものである。
(1A)この発明による実施の形態1によれば、左右片側一方向に開閉される低速ドア6および高速ドア5を備えたエレベータの乗りかご1に配設されるかごドア開閉装置3において、乗りかご1の所定個所に設けられた固定ラック9と、前記固定ラック9に噛合して前記低速ドア6へ回転自在に設けられ回転に応じて前記低速ドア6を水平移動させるピニオン19と、前記高速ドア5に設けられて前記ピニオン19と噛合し前記ピニオン19の回転に応じて前記高速ドア5を水平移動させる前記固定ラック9および前記ピニオン19とともにラック・ピニオン機構を構成する可動ラック21と、前記ピニオン19と回転力を伝達可能として同軸に結合される可動プーリー20と、前記低速ドア6および前記高速ドア5の開閉動作を行うための駆動源11と、前記駆動源11によって付勢され前記可動プーリー20を回転駆動することにより前記ピニオン19を介して前記低速ドア6および前記高速ドア5をの開閉駆動する伝動索体14とを備え、前記低速ドア6と前記高速ドア5の開閉方向の移動量を1:2とすることが可能なエレベータのかごドア開閉装置3を構成したので、固定ラック9および可動ラック21と噛合するピニオン19に結合された可動プーリー20を伝動索体14により回転駆動し低速ドア6と高速ドア5とを開閉駆動することによって、伝動索体14による開閉駆動力の伝達を簡潔かつ調整容易な構成で的確に行えるエレベータのかごドア開閉装置3を得ることができる。
(1B)この発明による実施の形態1によれば、左右片側一方向に開閉される低速ドア6および高速ドア5からなる2枚ドア片開き式のエレベータの乗りかごに配設されるかごドア開閉装置3において、乗りかご1の上方に設置され少なくとも下方ならびに前方の2方向に開放された筐体3aと、前記筐体3aの後方下部に形成された下側案内レール8aと、前記筐体3aの後方中央部に形成され、歯面が上向きに形成された固定ラック9と、前記固定ラック9、あるいは、前記筐体3aに支持ピン10を介して固定された上側案内レール8bと、上部に垂直延在部Vaを有し下部に低速ドア6を接続する水平延在部Haを有する断面形状が略L字型である低速側ハンガープレート15aと、前記低速側ハンガープレート15aの垂直延在部Vaにおける正面下部に設置され、その下面が前記下側案内レール8aへ転動自在に嵌合状態で係合され、かつ、支持される1対の低速側吊車16aと、前記低速側ハンガープレート15aの垂直延在部Vaにおいて前記低速側吊車16aの回転軸よりも上方に形成された略上下方向の長穴ahに設置され、前記低速側吊車16aとともに、前記下側案内レール8aの上面と前記固定ラック9の下面との間を突っ張るように調整・固定される1対の低速側支持ローラー17aと、前記低速側ハンガープレート15aの垂直延在部Vaにおける正面上部に回転自在に設置され、前記固定ラック9と噛合するピニオン19と、前記ピニオン19と同軸、かつ、回転拘束された可動プーリー20と、上部に水平延在部Hb2および垂直延在部Vbを有し下部に高速ドア5を接続する水平延在部Hb1を有する断面形状が略Z字型、あるいは、略コ字型である高速側ハンガープレート15bと、前記高速側ハンガープレート15bの垂直延在部Vbにおける正面上部に設置され、その下面が前記上側案内レール8aへ転動自在に嵌合状態で係合され、支持される1対の高速側吊車16bと、前記高速側ハンガープレート15bの垂直延在部Vbにおいて前記高速側吊車16bの回転軸よりも下方に形成された略上下方向の長穴ahに設置され、前記高速側吊車16bとともに、前記上側案内レール8bを挟み込むように調整・固定される1対の高速側支持ローラー17bと、前記高速側ハンガープレート15bの垂直延在部Vbにおける上方後部に設置され、前記固定ラック9と前記ピニオン19とによりラック・ピニオン機構を構成する、歯面が下向きに形成された可動ラック21と、前記筐体3aの左右方向端部付近に設置され、低速ドア6および高速ドア5の開閉力を発生する駆動源11と、前記駆動源11により回転される可動プーリー20と、前記筐体3aの左右方向において前記駆動源11と反対側の端部付近に設置され、かつ、回転軸が回転拘束され、回転軸の左右方向位置を調整可能なプーリー13を含む張力調整機構22と、前記駆動源11により発生する開閉力を伝達する少なくとも1本の伝動索体14と、前記固定ラック9の歯面と同一方向である前記伝動索体14の上側と、前記可動プーリー20を連結する連結手段とから構成され、低速ドア6と高速ドア5の移動量を1:2とすることが可能なエレベータのかごドア開閉装置3を構成したので、最低1本の伝動索体14により可動プーリー20に伝達される回転力をピニオン19に直接伝達する構成のため、構造がコンパクト、かつ、従来必須部品であったボルト締結やカシメ締結などの伝動索体とドアの連結部材が不要となるとともに、これらを締結する作業が不要となる。さらに、低速側ハンガープレートの設置、伝動索体の設置・調整、および、高速側ハンガープレート15bの設置がそれぞれ独立に実施でき組立が容易となり、安価な製品を提供できる。また、高速側ハンガープレート15bの上方に可動ラックを設置することにより、高速側ハンガープレート15bが低速側ハンガープレート15aの設置方向と同じ方向から最終組み付け姿勢のまま設置できるため、低速ドア6および高速ドア5のハンガープレート15a,15bは吊車16a,16bや支持ローラー17a,17b、そして、ピニオン19、可動プーリー20、あるいは可動ラック21が固定されたユニット化状態にて組立が可能となるため、安価な締結手段が利用でき、かつ、組立性を向上することが可能となる。
(1C)この発明による実施の形態1によれば、前記(1B)項における構成において、前記伝動索体14が歯面の無い伝動索体であり、前記連結手段として、前記伝動索体14を前記可動プーリー20に1回転以上巻き付けた構成を利用したエレベータのかごドア開閉装置3としたので、特に、伝動索体14が歯面の無いワイヤーロープやVベルトなどの場合に、すべりを抑制する容易な手段であり、伝動索体14の設置が容易で、組立時間が短縮可能であるとともに、安価なかごドア開閉機構が提供できる。
実施の形態2.
この発明による実施の形態2を図19から図23までについて説明する。図19は実施の形態2におけるかごドア開閉装置の全閉状態の正面図である。図20は実施の形態2におけるかごドア開閉装置の全開状態での正面図である。図21は図19におけるA−A矢視図、B−B矢視図、C−C矢視図である。図22は実施の形態2における伝動索体の可動プーリーへの巻き付け向きに関する説明図である。図23は実施の形態2における可動プーリーとラック・ピニオン機構の動作に関する説明図である。
この実施の形態2において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1における構成と同一の構成内容を具備し同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
この発明による実施の形態2を図19から図23までについて説明する。図19は実施の形態2におけるかごドア開閉装置の全閉状態の正面図である。図20は実施の形態2におけるかごドア開閉装置の全開状態での正面図である。図21は図19におけるA−A矢視図、B−B矢視図、C−C矢視図である。図22は実施の形態2における伝動索体の可動プーリーへの巻き付け向きに関する説明図である。図23は実施の形態2における可動プーリーとラック・ピニオン機構の動作に関する説明図である。
この実施の形態2において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1における構成と同一の構成内容を具備し同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
図19および図20は、この発明による実施の形態2におけるかごドア開閉装置3を示す建物の乗場側から見た正面図である。図19はドアの全閉状態を、図20はドアの全開状態をそれぞれ示している。図21は図19のA−A矢視図、B−B矢視図、C−C矢視図、をそれぞれ示している。図21(a)は図19のA−A矢視図を示し、図21(b)は図19のB−B矢視図を示し、図21(c)は図19のC−C矢視図を示すものである。簡単のため、建物の各階に設置される乗場側ドア開閉装置との係合装置、さらには、エレベータの安全を確保するためのドア開閉状態検出スイッチや制御盤などは図示していない。
実施の形態1では低速ドア6と高速ドア5の自重を支持する案内レール8a、8bを上下方向に段違いに設置していたが、この実施の形態2ではほぼ同一高さに配置する。また、ラック・ピニオン機構を筐体3aに対して上下方向ではなく、前後方向に構成するように、ピニオン19と可動プーリー20の回転軸は略鉛直方向としている。つまり、歯面が前後方向の前向きになるように固定ラック9を、歯面が前後方向の後ろ向きになるように可動ラック21を、それぞれ筐体3aへ設置する。
伝動索体14の駆動態様は実施の形態1と同様である。図22はワイヤーロープやVベルトなどの伝動索体14による可動プーリー20の駆動態様に関する説明図であり、簡単のため、主要部品のみ示している。図22(a)は全体図、図22(b)は伝動索体14の可動プーリー20への巻き付け向きに関する説明図である。これらは筐体3aを上側から見た図であり、図中上下方向が筐体3aの前後方向であり、下側が前側である。
この実施の形態2では、図中矢印にて示すように伝動索体14の前方側を可動プーリー20に1回転以上巻き付け、後方側は単に可動プーリー20に沿わせる。つまり、固定ラック9の歯面の向きと同じ側の伝動索体14を巻き付ける。
この実施の形態2では、図中矢印にて示すように伝動索体14の前方側を可動プーリー20に1回転以上巻き付け、後方側は単に可動プーリー20に沿わせる。つまり、固定ラック9の歯面の向きと同じ側の伝動索体14を巻き付ける。
次に、図23に可動プーリー20と固定ラック9とピニオン19の動作に関する説明図を示す。簡単のため、伝動索体14の前側(図中上側)のみとし、かつ、有限長として示している。固定ラック9の歯面は図中下側である。また、上側に移動前の状態を、下側に移動後の状態をそれぞれ示している。可動プーリー20の回転軸は、図中上下方向にのみ拘束され、図中左右方向には自由に移動可能、かつ、自転可能である。
ラック・ピニオン機構により、自転回転量と水平移動量は従属関係であるため、伝動索体14が図中右方向にAだけ移動する場合、可動プーリー20は、回転軸回りにA/2の円弧長分だけ自転するとともに、その回転軸の位置は右にA/2移動する。これより、可動プーリー20の回転軸の移動量と伝動索体14の移動量は1:2の倍速関係となる。
ラック・ピニオン機構により、自転回転量と水平移動量は従属関係であるため、伝動索体14が図中右方向にAだけ移動する場合、可動プーリー20は、回転軸回りにA/2の円弧長分だけ自転するとともに、その回転軸の位置は右にA/2移動する。これより、可動プーリー20の回転軸の移動量と伝動索体14の移動量は1:2の倍速関係となる。
筐体3aへのハンガープレート15a,15bの組み付け、伝動索体14の設置手順はほぼ実施の形態1と同様である。この実施の形態2では、さらに、ラック・ピニオン機構を構成する固定ラック9、ピニオン19、可動ラック21の歯面が、2つのハンガープレート15a,15bの組み付け方向と同じ前後方向であるため、さらに組立性が向上する。
以上のように、筐体3aの同一方向(前方向)から2つのハンガープレート15a,15bを最終組み付け姿勢のまま組立可能であるとともに、高速ドア5、および、低速ドア6の組立と伝動索体14の設置が独立して実現可能であり、かつ、伝動索体14とドア5,6との締結部材が不要なため組立時間が短縮可能となる。
また、ハンガープレート15a,15bの断面形状として、略L字型の場合を説明してきたが、ハンガープレート15a,15bに設置する構成要素の邪魔にならない限り、どのような断面形状を有していても同様な効果が得られることは言うまでもないことである。
以上のように、このような発明によると、1本の伝動索体14により可動プーリー20に伝達される回転力をピニオン19に直接伝達する構成のため、構造がコンパクトになるとともに、低速側ハンガープレート15aの設置、伝動索体14の設置・調整、および、高速側ハンガープレート15bの設置がそれぞれ独立に実施でき組立が容易となり、安価な製品を提供できる。
また、ラック・ピニオン機構の歯面を前後方向とすることにより、2つのハンガープレート15,15bの設置方向を同一、かつ、最終設置姿勢のまま組み付け可能とするとともに、2つのハンガープレート15a,15bに吊車16a,16b、支持ローラー17a,17bやピニオン19、可動プーリー20が固定されたユニット化された状態にて組立が可能となるため、安価な締結手段が利用でき、かつ、組立性を向上することが可能となる、などといった従来にない顕著な効果を奏するものである。
また、ラック・ピニオン機構の歯面を前後方向とすることにより、2つのハンガープレート15,15bの設置方向を同一、かつ、最終設置姿勢のまま組み付け可能とするとともに、2つのハンガープレート15a,15bに吊車16a,16b、支持ローラー17a,17bやピニオン19、可動プーリー20が固定されたユニット化された状態にて組立が可能となるため、安価な締結手段が利用でき、かつ、組立性を向上することが可能となる、などといった従来にない顕著な効果を奏するものである。
(2A)この発明による実施の形態2によれば、左右片側一方向に開閉される低速ドア6および高速ドア5からなる2枚ドア片開き式のエレベータの乗りかごに配設されるかごドア開閉装置3において、乗りかご1の上方に設置され少なくとも下方ならびに前方の2方向に開放された筐体3aと、前記筐体3a後方下部に形成された低速側案内レール8aと、前記筐体3a後方上方に形成され、歯面が前後方向前向きに形成された固定ラック9と、前記低速側案内レール8a、あるいは、前記筐体3aに支持ピン10を介して固定された高速側案内レール8bと、上部に垂直延在部Vaを有し下部に低速ドア6を接続する水平延在部Haを有する断面形状が略L字型である低速側ハンガープレート15aと、前記低速側ハンガープレート15aの垂直延在部Vaにおける正面中央部に設置され、その下面が前記低速側案内レール8aへ転動自在に嵌合状態で係合され、かつ、支持される1対の低速側吊車16aと、前記低速側ハンガープレート15aの垂直延在部Vaにおいて前記低速側吊車16aの回転軸よりも下方に形成された略上下方向の長穴ahに設置され、前記低速側吊車16aとともに、前記低速側案内レール8aの上下を挟み込むように調整・固定される1対の低速側支持ローラー17aと、前記低速側ハンガープレート15aの垂直延在部Vaにおける上部に回転軸が略鉛直方向となるように回転自在に設置され、前記固定ラック9と噛合するピニオン19と、前記ピニオン19と同軸、かつ、回転拘束された可動プーリー20と、上部に垂直延在部Vbを有し下部に高速ドア5を接続する水平延在部Hbを有する断面形状が略L字型である高速側ハンガープレート15bと、前記高速側ハンガープレート15bの垂直延在部Vbにおける正面中央付近に設置され、その下面が前記上側案内レール8bへ転動自在に嵌合状態で係合され、かつ、支持される1対の高速側吊車16bと、前記高速側ハンガープレート15bの垂直延在部Vbにおいて前記高速側吊車16bの回転軸よりも下方に形成された略上下方向の長穴ahに設置され、前記高速側吊車16bとともに、前記高速側案内レール8bを挟み込むように調整・固定される1対の高速側支持ローラー17bと、前記高速側ハンガープレートの垂直延在部Vbにおける上部に設置され、前記固定ラック9と前記ピニオン19とによりラック・ピニオン機構を構成する、歯面が前後方向後ろ向きに形成された可動ラック21と、前記筐体3aの左右方向端部付近に設置され、低速ドア6および高速ドア5の開閉力を発生する駆動源11と、前記駆動源11の回転軸に回転されるプーリー12と、前記筐体3aの左右方向において前記駆動源11と反対側の端部付近に設置され、かつ、回転軸が回転拘束され、回転軸の左右方向位置を調整可能なプーリー13を含む張力調整機構22と、前記駆動源11により発生する開閉力を伝達する少なくとも1本の伝動索体14と、前記固定ラック9の歯面と同一方向である前記伝動索体14の前後方向前側と、前記可動プーリー20を連結する連結手段とから構成され、低速ドア6と高速ドア5の移動量を1:2とすることが可能なエレベータのかごドア開閉装置3を構成したので、最低1本の伝動索体14により可動プーリー20に伝達される回転力をピニオン19に直接伝達する構成のため、構造がコンパクト、かつ、従来必須部品であったボルト締結やカシメ締結などの伝動索体14とドア5,6の連結部材が不要となるとともに、これらを締結する作業が不要となる。さらに、低速側ハンガープレート15aの設置、伝動索体14の設置・調整、および、高速側ハンガープレート15bの設置がそれぞれ独立に実施でき組立が容易となり、安価な製品を提供できる。また、2つのハンガープレート15a,15bの上方へ前後方向にラック機構を設置することにより、固定ラック9とピニオン19の歯面が2つのハンガープレート15a,15bを筐体3aに組み付ける方向と一致するため、2つのハンガープレート15a,15bの設置方向が同一、かつ、最終組み付け姿勢のまま設置できるため、低速ドア6および高速ドア5のハンガープレート15a,15bは吊車16a,16bや支持ローラー17a,17b、そして、ピニオン19、可動プーリー20、あるいは可動ラック21が固定されたユニット化状態にて組立が可能となるため、安価な締結手段が利用でき、かつ、組立性のを向上することが可能となる。さらに、回転軸の方向を変換するマイタギヤなどの他の構成要素を追加すること無しに、径方向に大きく、高さが薄い電動機に適用可能となり、多品種ドアへの適用が容易となる。
(2B)この発明による実施の形態2によれば、前記(2A)項における構成において、前記伝動索体14が歯面の無い伝動索体であり、前記連結手段として、前記伝動索体14を前記可動プーリー20に1回転以上巻き付けを利用したエレベータのかごドア開閉装置3を構成したので、特に、伝動索体14が歯面の無いワイヤーロープやVベルトなどの場合に、すべりを抑制する容易な方法であり、伝動索体14の設置が容易で、組立時間が短縮可能であるとともに、安価なかごドア開閉機構が提供できる。
実施の形態3.
この発明による実施の形態3を図24から図26までについて説明する。図24は実施の形態3におけるかごドア開閉装置の全閉状態の正面図である。図25は実施の形態3におけるかごドア開閉装置の全開状態の正面図である。図26は図24におけるA−A矢視図、B−B矢視図、C−C矢視図である。
この実施の形態3において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1または実施の形態2における構成と同一の構成内容を具備し同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
この発明による実施の形態3を図24から図26までについて説明する。図24は実施の形態3におけるかごドア開閉装置の全閉状態の正面図である。図25は実施の形態3におけるかごドア開閉装置の全開状態の正面図である。図26は図24におけるA−A矢視図、B−B矢視図、C−C矢視図である。
この実施の形態3において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1または実施の形態2における構成と同一の構成内容を具備し同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
図24および図25は、この発明による実施の形態3におけるかごドア開閉装置3を示す建物の乗場側から見た正面図である。図24はドアが全閉状態を、図25はドアが全開状態をそれぞれ示している。図26(a)は図24のA−A矢視図を示し、図26(b)は図24のB−B矢視図を示し、図26(c)は図24のC−C矢視図を示すものである。簡単のため、建物の各階に設置される乗場側ドア開閉装置との係合装置、さらには、エレベータの安全を確保するためのドア開閉状態検出スイッチや制御盤などは図示していない。
実施の形態1では高速ドア5と低速ドア6の自重を支持する案内レール8a,8bを上下方向に段違いに設置していたが、この実施の形態3では実施の形態2と同様にほぼ同一高さに配置する。また、低速側ハンガープレート15aには構成要素は全く同じであるが、低速側吊車16aの下方にピニオン19および可動プーリー20を配置する。
一方、高速側ハンガープレート15bには可動ラック21は存在せず、代わりに伝動索体14のつかみ部25が設置され、伝動索体14の下側と連結されている。このつかみ部25での連結は、倍速機構として動滑車を利用する従来例と同様の公知技術であるカシメなどにより実現される。ここで、ハンガープレート15a,15bは上部に垂直延在部Va,Vbを有し、下部に水平延在部Ha,Hbを有しており、低速側および高速側とも、その断面形状が略L字型となっている。
筐体3aには歯面が下向きとなるように固定ラック9が形成されるとともに、その上方には低速側ハンガープレート15aに対する低速側案内レール8aが形成される。また、筐体3aの最上部付近には当接面asを有する当接部材26が形成されている。この当接部材26の当接面asには低速側支持ローラー17aが当接される。ここで、当接面asを有する当接部材26は筐体3aの左右幅よりも短い範囲で設置されているが、左右幅とほぼ同一の長さであっても何ら問題が無いことは言うまでもない。
一方、高速側ハンガープレート15bには可動ラック21は存在せず、代わりに伝動索体14のつかみ部25が設置され、伝動索体14の下側と連結されている。このつかみ部25での連結は、倍速機構として動滑車を利用する従来例と同様の公知技術であるカシメなどにより実現される。ここで、ハンガープレート15a,15bは上部に垂直延在部Va,Vbを有し、下部に水平延在部Ha,Hbを有しており、低速側および高速側とも、その断面形状が略L字型となっている。
筐体3aには歯面が下向きとなるように固定ラック9が形成されるとともに、その上方には低速側ハンガープレート15aに対する低速側案内レール8aが形成される。また、筐体3aの最上部付近には当接面asを有する当接部材26が形成されている。この当接部材26の当接面asには低速側支持ローラー17aが当接される。ここで、当接面asを有する当接部材26は筐体3aの左右幅よりも短い範囲で設置されているが、左右幅とほぼ同一の長さであっても何ら問題が無いことは言うまでもない。
このような構造をとることにより、伝動索体14のつかみ部25は必要となるものの、実施の形態1および実施の形態2で必須要素、かつ、大物部品である可動ラック21(図3および図8参照)が不要となり、安価なかごドア開閉装置3が実現できる。さらに、固定ラック9の歯面が下向きとなるため、歯面における異物混入などが抑制され、より耐環境性の強いかごドア開閉装置3が実現できる。
伝動索体14の駆動態様は実施の形態1と同様であるが、可動プーリー20への伝動索体14の巻き付け向きが異なる。図22を筐体3aの正面の前から見た場合に相当する。つまり、図中上下方向が鉛直方向となる。図中矢印にて示すように伝動索体14の下方側を可動プーリー20に1回転以上巻き付け、上方側は単に可動プーリー20に沿わせる。つまり、固定ラック9の歯面の向きと同じ側の伝動索体14を巻き付ける。
また、可動プーリー20と固定ラック9とピニオン19の動作も図23と同様となる。
以上のことより、図24および図25では伝動索体14の下側をつかみ部25にて把持しているものについて示しているが、可動プーリー20への伝動索体14の巻き付け向きを逆さにし、伝動索体14の上側をつかみ部25にて把持しても良い。
また、可動プーリー20と固定ラック9とピニオン19の動作も図23と同様となる。
以上のことより、図24および図25では伝動索体14の下側をつかみ部25にて把持しているものについて示しているが、可動プーリー20への伝動索体14の巻き付け向きを逆さにし、伝動索体14の上側をつかみ部25にて把持しても良い。
筐体3aへのハンガープレート15の組み付け、伝動索体14の設置手順はほぼ実施の形態1と同様である。唯一の相違点は、低速側ハンガープレート15aの設置態様である。この実施の形態3では、低速側吊車16aとピニオン19および可動プーリー20の上下位置が反転しているため、案内レール8aと固定ラック9を低速側吊車16aとピニオン19にて挟み込む構造となっている。
一方、固定ラック9はピニオン19の可動範囲に存在すれば良いため、ピニオン19が設置された低速側ハンガープレート15aがドア開閉時に移動しない全閉状態での高速側ハンガープレート15bの位置となる左側1/3の範囲には不要となる。これより、この左側1/3の範囲では低速側案内レール8aの上方には固定ラック9は存在しないため、低速側ハンガープレート15aを最終組み付け姿勢である水平姿勢のまま、案内レール8aに設置可能となり、高い組立性が維持できる。
ここで、固定ラック9が筐体3aの左右幅とほぼ同一であっても設置可能であるが、従来例と同様に低速側ハンガープレート15aを傾けて設置する必要が有り組立性が悪くなる。
一方、固定ラック9はピニオン19の可動範囲に存在すれば良いため、ピニオン19が設置された低速側ハンガープレート15aがドア開閉時に移動しない全閉状態での高速側ハンガープレート15bの位置となる左側1/3の範囲には不要となる。これより、この左側1/3の範囲では低速側案内レール8aの上方には固定ラック9は存在しないため、低速側ハンガープレート15aを最終組み付け姿勢である水平姿勢のまま、案内レール8aに設置可能となり、高い組立性が維持できる。
ここで、固定ラック9が筐体3aの左右幅とほぼ同一であっても設置可能であるが、従来例と同様に低速側ハンガープレート15aを傾けて設置する必要が有り組立性が悪くなる。
以上のように、筐体3aの同一方向(前方向)から2つのハンガープレート15a,15bを最終組み付け姿勢のまま組立可能であるとともに、高速ドア5、および、低速ドア6の組立と伝動索体14の設置が独立して実現可能であり、かつ、伝動索体14とドア5,6との締結部材が不要なため組立時間が短縮可能となる。
また、ハンガープレート15a,15bの断面形状として、略L字型の場合を説明してきたが、ハンガープレート15a,15bに設置する構成要素の邪魔にならない限り、どのような断面形状を有していても同様な効果が得られることは言うまでもないことである。
さらに、ここでは、低速側案内レール8aと固定ラック9を別部材で構成しているが、これらを一体部材で構成しても、同様な効果が得られることは言うまでもないことである。
さらに、ここでは、低速側案内レール8aと固定ラック9を別部材で構成しているが、これらを一体部材で構成しても、同様な効果が得られることは言うまでもないことである。
さらに、ここでは、案内レール8a,8bの下方に固定ラック9、ピニオン19、プーリー20を設置していたが、固定ラック9の歯面は下向きのままこれらを案内レール8a,8bよりも上方に設置し、2つのハンガープレート15a,15bにおける吊車16a,16bと支持ローラー17a,17bを同一高さとして同様な効果が得られることは言うまでもないことである。また、この場合、当接部材26に設けられていた当接面asの機能は低速側案内レール8aの下面がその機能を果たすことになり、低速側案内レール8aに機能統合できる。
すなわち、1対の低速側支持ローラー17aは、低速側吊車16aとともに、固定ラック9の下方に配置された低速側案内レール8aを上下に挟み込むように調整・固定されるものであり、低速側支持ローラー17aの周面は低速側案内レール8aの下面に形成されている当接面asに係合するものである。低速側支持ローラー17aは低速側ハンガープレート15aの垂直延在部Vaにおいて低速側吊車16aの回転軸よりも下方に形成された長穴ahに設置されている。
また、1対の高速側支持ローラー17bは、高速側吊車16bとともに、固定ラック9の下方に配置された高速側案内レール8bを上下に挟み込むように調整・固定されるものであり、高速側支持ローラー17bの周面は高速側案内レール8bの下面に形成されている当接面asに係合するものである。高速側支持ローラー17bは高速側ハンガープレート15bの垂直延在部Vbにおいて高速側吊車16bの回転軸よりも下方に形成された長穴ahに設置されている。
すなわち、1対の低速側支持ローラー17aは、低速側吊車16aとともに、固定ラック9の下方に配置された低速側案内レール8aを上下に挟み込むように調整・固定されるものであり、低速側支持ローラー17aの周面は低速側案内レール8aの下面に形成されている当接面asに係合するものである。低速側支持ローラー17aは低速側ハンガープレート15aの垂直延在部Vaにおいて低速側吊車16aの回転軸よりも下方に形成された長穴ahに設置されている。
また、1対の高速側支持ローラー17bは、高速側吊車16bとともに、固定ラック9の下方に配置された高速側案内レール8bを上下に挟み込むように調整・固定されるものであり、高速側支持ローラー17bの周面は高速側案内レール8bの下面に形成されている当接面asに係合するものである。高速側支持ローラー17bは高速側ハンガープレート15bの垂直延在部Vbにおいて高速側吊車16bの回転軸よりも下方に形成された長穴ahに設置されている。
以上のように、このような発明によると、1本の伝動索体14により可動プーリー20に伝達される回転力をピニオン19に直接伝達する構成のため、構造がコンパクトになるとともに、低速側ハンガープレート15aの設置、伝動索体14の設置・調整、および、高速側ハンガープレート15bの設置がそれぞれ独立に実施でき組立が容易となり、安価な製品を提供できる。
さらに、伝動索体14のつかみ部25が必要となるが、大物部品である可動ラック21が不要となり、安価なかごドア開閉装置3が実現できるとともに、固定ラック9の歯面が下向きとなるため、歯面における異物混入などが抑制され、より耐環境性の強いかごドア開閉装置3が実現できる。
また、固定ラック9の左右方向長さを抑制し低速側案内レール8a上方に空きスペースを確保することにより、2つのハンガープレート15a,15bの設置方向を同一、かつ、最終設置姿勢のまま組み付け可能とするとともに、2つのハンガープレート15a,15bに吊車16a,16bと支持ローラー17a,17bやピニオン19および可動プーリー20が固定されたユニット化された状態にて組立が可能となるため、安価な締結手段が利用でき、かつ、組立性を向上することが可能となる、などといった従来にない顕著な効果を奏するものである。
さらに、伝動索体14のつかみ部25が必要となるが、大物部品である可動ラック21が不要となり、安価なかごドア開閉装置3が実現できるとともに、固定ラック9の歯面が下向きとなるため、歯面における異物混入などが抑制され、より耐環境性の強いかごドア開閉装置3が実現できる。
また、固定ラック9の左右方向長さを抑制し低速側案内レール8a上方に空きスペースを確保することにより、2つのハンガープレート15a,15bの設置方向を同一、かつ、最終設置姿勢のまま組み付け可能とするとともに、2つのハンガープレート15a,15bに吊車16a,16bと支持ローラー17a,17bやピニオン19および可動プーリー20が固定されたユニット化された状態にて組立が可能となるため、安価な締結手段が利用でき、かつ、組立性を向上することが可能となる、などといった従来にない顕著な効果を奏するものである。
(3A)この発明による実施の形態3によれば、左右片側一方向に開閉される低速ドア6および高速ドア5を備えたエレベータの乗りかご1に配設されるかごドア開閉装置3において、前記乗りかご1の所定個所に設けられる固定ラック9と、前記固定ラック9に噛合して回転自在に設けられ回転に応じて前記低速ドア6を水平移動させるピニオン19と、前記ピニオン19と回転力を伝達可能として同軸に結合される可動プーリー20と、前記低速ドア6および前記高速ドア5の開閉動作を行うための駆動源11と、前記駆動源11によって付勢され前記可動プーリー20を回転駆動することにより前記ピニオン19を介して前記低速ドア6を開閉駆動する伝動索体14とを備え、前記高速ドア5を前記伝動索体14へ結合して水平移動することにより前記高速ドア5を開閉駆動することによって、前記低速ドア6と前記高速ドア5の開閉方向の移動量を1:2とすることが可能なエレベータのかごドア開閉装置3を構成したので、固定ラック9とと噛合するピニオン19に結合された可動プーリー20を伝動索体14により回転駆動し低速ドア6を開閉駆動するとともに、伝動索体14により高速ドア5を開閉駆動することによって、伝動索体14による開閉駆動力の伝達を簡潔かつ調整容易な構成で的確に行えるエレベータのかごドア開閉装置3を得ることができる。
(3B)この発明による実施の形態3によれば、左右片側一方向に開閉される低速ドア6および高速ドアからなる2枚ドア片開き式のエレベータの乗りかご1に配設されるかごドア開閉装置3において、乗りかご1の上方に設置され少なくとも下方ならびに前方の2方向に開放された筐体3aと、前記筐体3aの後方中央部に形成され、歯面が下向きに形成された固定ラック9と、前記固定ラック9の上方に形成された低速側案内レール8aと、前記低速側案内レール8a、あるいは、前記筐体3a、あるいは、前記固定ラック9に支持ピン10を介して前記低速側案内レール8aとほぼ同一高さに固定された高速側案内レール8bと、前記筐体3aの後方上部付近に、高速ドア5が全閉位置となる近傍以外の領域に形成された当接面26aを有する当接部材26と、上部に垂直延在部Vaを有し下部に低速ドア6を接続する水平延在部Haを有する断面形状が略L字型である低速側ハンガープレート15aと、前記低速側ハンガープレート15aの垂直延在部Vaにおける正面上部に設置され、その下面が前記低速側案内レール8aに嵌合状態で係合され、かつ、支持される1対の低速側吊車16aと、前記低速側ハンガープレートの垂直延在部Vaにおいて前記低速側吊車16aの回転軸よりも上方に形成された略上下方向の長穴ahに設置され、前記低速側吊車16aとともに、前記低速側案内レール8aの上面と前記当接部材26の当接面26aにおける下面との間を突っ張る位置に調整・固定される1対の低速側支持ローラー17aと、前記低速側ハンガープレート15aの垂直延在部Vaにおける正面下部に回転自在に設置され、前記固定ラックと噛合するピニオン19と、前記ピニオン19と同軸、かつ、回転拘束された可動プーリー20と、上部に垂直延在部Vbを有し下部に高速ドア5を接続する水平延在部Hbを有する断面形状が略L字型高速側ハンガープレート15bと、前記高速側ハンガープレート15bの垂直延在部Vbにおける正面上部に設置され、その下面が前記高速側案内レール8bへ転動自在に嵌合状態で係合され、かつ、支持される1対の高速側吊車17bと、前記高速側ハンガープレート15bの垂直延在部Vbにおいて前記高速側吊車17bの回転軸よりも下方に形成された略上下方向の長穴ahに設置され、前記高速側吊車17bとともに、前記高速側案内レール8bの上下を挟み込むように調整・固定される1対の高速側支持ローラー17bと、前記筐体3aの左右方向端部付近に設置され、低速ドア6および高速ドア5の開閉力を発生する駆動源11と、前記駆動源11の回転軸に回転されるプーリー12と、前記筐体3aの左右方向において前記駆動源11と反対側の端部付近に設置され、かつ、回転軸が回転拘束され、回転軸の左右方向位置を調整可能なプーリー13を含む張力調整機構22と、前記駆動源11により発生する開閉力を伝達する少なくとも1本の伝動索体14と、前記固定ラック9の歯面と同一方向である前記伝動索体14と、前記可動プーリー20を連結する連結手段と、前記伝動索体14の一部を把持し、高速ドア5に接続されるつかみ部25から構成され、低速ドア6と高速ドア5の移動量を1:2とすることが可能なエレベータのかごドア開閉装置3を構成したので、最低1本の伝動索体14により可動プーリー20に伝達される回転力をピニオン19に直接伝達する構成のため、構造がコンパクトになるとともに、低速側ハンガープレート15aの設置、伝動索体14の設置・調整、および、高速側ハンガープレート15bの設置がそれぞれ独立に実施でき組立が容易となり、安価な製品を提供できる。さらに、伝動索体14のつかみ部25が必要となるものの、大型部品である可動ラック21が不要となり、安価なかごドア開閉装置3が実現できるとともに、固定ラック9の歯面が下向きとなるため、歯面における異物混入などが抑制され、より耐環境性の強いかごドア開閉装置3が実現できる。また、案内レール8a,8bを下方の固定ラック9へ移動する可動性を確保、あるいは、当接面幅の抑制により低速側支持ローラー17a,17b設置空間上方に空きスペースを確保することにより、2つのハンガープレート15a,15bの設置方向を同一、かつ、最終設置姿勢のまま組み付け可能とするとともに、2つのハンガープレート15a,15bに吊車16a,16bや支持ローラー17a,17b、そして、ピニオン19、可動プーリー20が固定されたユニット化状態にて組立が可能となるため、安価な締結手段が利用でき、かつ、組立性を向上することが可能となる。
(3C)この発明による実施の形態3によれば、左右片側一方向に開閉される低速ドア6および高速ドア5からなる2枚ドア片開き式のエレベータの乗りかご1に配設されるかごドア開閉装置3において、乗りかご1の上方に設置され少なくとも下方ならびに前方の2方向に開放された筐体3aと、前記筐体3aの後方上部に形成され、歯面が下向きに形成された固定ラック9と、前記筐体3aの後方下部に形成された低速側案内レール8aと、前記低速側案内レール8aに支持ピン10を介して前記低速側案内レール8aとほぼ同一高さに固定された高速側案内レール8bと、上部に垂直延在部Vaを有し下部に低速ドア6を接続する水平延在部Haを有する断面形状が略L字型である低速側ハンガープレート15aと、前記低速側ハンガープレート15aの垂直延在部Vaにおける正面中央部に設置され、その下面を前記低速側案内レール8aへ転動自在に嵌合状態で係合され、かつ、支持される1対の低速側吊車16aと、前記低速側ハンガープレート15aの垂直延在部Vaにおいて前記低速側吊車16aの回転軸よりも下方に形成された略上下方向の長穴ahに設置され、前記低速側吊車16aとともに、前記低速側案内レール8aの上下を挟み込むように調整・固定される1対の低速側支持ローラー17aと、前記低速側ハンガープレート15aの垂直延在部Vaにおける正面上部に回転自在に設置され、前記固定ラック9と噛合するピニオン19と、前記ピニオン19と同軸、かつ、回転拘束された可動プーリー20と、上部に垂直延在部Vbを有し下部に高速ドア5を接続する水平延在部Hbを有する断面形状が略L字型高速側ハンガープレート15bと、前記高速側ハンガープレート15bの垂直延在部Vbにおける正面中央付近に設置され、その下面を前記高速側案内レール8bへ転動自在に嵌合状態で係合され、かつ、支持される1対の高速側吊車16bと、前記高速側ハンガープレート15bの垂直延在部Vbにおいて前記高速側吊車16bの回転軸よりも下方に形成された略上下方向の長穴ahに設置され、前記高速側吊車16bとともに、前記高速側案内レール8bの上下を挟み込むように調整・固定される1対の高速側支持ローラー17bと、前記筐体3bの左右方向端部付近に設置され、低速ドア6および高速ドア5の開閉力を発生する駆動源11と、前記駆動源11の回転軸に回転されるプーリー12と、前記筐体3aの左右方向において前記駆動源11と反対側の端部付近に設置され、かつ、回転軸が回転拘束され、回転軸の左右方向位置を調整可能なプーリー13を含む張力調整機構22と、前記駆動源11により発生する開閉力を伝達する少なくとも1本の伝動索体14と、前記固定ラック9の歯面と同一方向である前記伝動索体14の下側と、前記可動プーリー20を連結する連結手段と、前記伝動索体14の一部を把持し、前記高速ドア5に接続されるつかみ部25から構成され、低速ドア6と高速ドア5の移動量を1:2とすることが可能なエレベータのかごドア開閉装置3を構成したので、最低1本の伝動索体14により可動プーリー20に伝達される回転力をピニオン19に直接伝達する構成のため、構造がコンパクトになるとともに、低速側ハンガープレート15aの設置、伝動索体14の設置・調整、および、高速側ハンガープレート15bの設置がそれぞれ独立に実施でき組立が容易となり、安価な製品を提供できる。さらに、伝動索体14のつかみ部25が必要となるものの、大型部品である可動ラック21が不要となり、安価なかごドア開閉装置3が実現できるとともに、固定ラック9の歯面が下向きとなるため、歯面における異物混入などが抑制され、より耐環境性の強いかごドア開閉装置3が実現できる。また、固定ラック9の幅の抑制により低速側支持ローラー17aの設置空間上方に空きスペースを確保でき、2つのハンガープレート15a,15bの設置方向を同一、かつ、最終設置姿勢のまま組み付け可能とするとともに、2つのハンガープレート15a,15bに吊車16a,16bや支持ローラー17a,17b、そして、ピニオン19、可動プーリー20が固定されたユニット化状態にて組立が可能となるため、安価な締結手段が利用でき、かつ、組立性を向上することが可能となる。さらに、前記(3A)項の発明で必須構造であった当接部材26(図26参照)が不要となるとともに、低速側ハンガープレート15aと高速側ハンガープレート15bの下方部には、同一高さにて吊車16a,16bと支持ローラー17a,17bが設置される構造のため、これら2つのハンガープレート15a,15bを共通化することが容易に可能となり、安価なかごドア開閉装置3が実現できる。
(3D)この発明による実施の形態3によれば、前記(3A)項または前記(3B)項における構成において、前記伝動索体14が歯面の無い伝動索体であり、前記連結手段として、前記伝動索体14を前記可動プーリー20に1回転以上巻き付けを利用したエレベータのかごドア開閉装置3を構成したので、特に、伝動索体14が歯面の無いワイヤーロープやVベルトなどの場合に、すべりを抑制する容易な方法であり、伝動索体14の設置が容易で、組立時間が短縮可能であるとともに、安価なかごドア開閉機構3が提供できる。
実施の形態4.
この発明による実施の形態4を図27から図30までについて説明する。図27は実施の形態4における乗りかごの全閉状態の正面図である。図28は実施の形態4における乗りかごの全閉状態の正面図である。図29は図27におけるXXIX−XXIX矢視のかごドア開閉装置のみに関する説明図である。図30は実施の形態3における伝動索体の可動プーリーへの設置態様に関する説明図である。
この実施の形態4において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1から実施の形態3までのいずれかにおける構成と同一の構成内容を具備し同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
この発明による実施の形態4を図27から図30までについて説明する。図27は実施の形態4における乗りかごの全閉状態の正面図である。図28は実施の形態4における乗りかごの全閉状態の正面図である。図29は図27におけるXXIX−XXIX矢視のかごドア開閉装置のみに関する説明図である。図30は実施の形態3における伝動索体の可動プーリーへの設置態様に関する説明図である。
この実施の形態4において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1から実施の形態3までのいずれかにおける構成と同一の構成内容を具備し同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
図27および図28は、この発明の実施の形態4による乗りかごを示す建物の乗場側から見た正面図である。図24はドアが全閉状態を、図28はドアが全開状態をそれぞれ示している。図29は図27のXXIX−XXIX矢視図におけるかごドア開閉装置3の拡大図をそれぞれ示している。簡単のため、建物の各階に設置される乗場側ドア開閉装置3との係合装置、さらには、エレベータの安全を確保するためのドア開閉状態検出スイッチや制御盤などは図示していない。
この実施の形態4では、伝動索体14としてワイヤーロープやVベルトではなく歯付きベルトやチェーンなどからなる歯面の有る伝動索体14aを用い、可動プーリー20として歯付き可動プーリー20bを利用してピニオン19を回転駆動する点だけが実施の形態1とは異なる。
図30は歯付き可動プーリー20bの駆動態様の説明図である。押え板27にて歯付き可動プーリー20bの上方にアイドラ28を設置し、所定のかみ合い歯数を確保する。図中ではアイドラ28を2つ設置しているが、かみ合い歯数が確保可能であれば、1つでも良い。これにより、歯付き可動プーリー20b、つまりは、ピニオン19の回転が可能となる。
以上のように、このような発明によると、実施の形態1での効果を満足するとともに、伝動索体14としてワイヤーロープやVベルトではなく歯付きベルトやチェーンなどからなる伝動索体14aを利用するため伝達効率が向上し伝達ロスを削減可能となるとともに、すべりが0と考えられるため、駆動源11に回転角度を検出するセンサーを搭載することで、容易により高機能なかごドア開閉制御が可能となる、などといった従来にない顕著な効果を奏するものである。
ここで、伝動索体14として歯付きベルト14aを例に挙げたが、ワイヤーロープ表面に別のワイヤーロープを巻き付けることにより、歯面を形成するようなものであっても同様の効果が得られることは言うまでもないことである。
ここで、伝動索体14として歯付きベルト14aを例に挙げたが、ワイヤーロープ表面に別のワイヤーロープを巻き付けることにより、歯面を形成するようなものであっても同様の効果が得られることは言うまでもないことである。
さらに、ここでは、実施の形態1の伝動索体14を歯付きベルト14aに変更した場合について述べてきたが、実施の形態2および実施の形態3においても同様に、歯付きベルト14aやチェーンなどに変更しても良く、実施の形態2および実施の形態3と同様な効果が得られることは言うまでもないことである。
(4A)この発明による実施の形態4によれば、実施の形態1の前記(1)項および前記(1)項ならびに実施の形態2の前記(2)項および実施の形態3の前記(3A)項におけるいずれかの構成において、前記伝動索体14が歯面の有る伝動索体14aであり、前記連結手段として、アイドラ28を介して前記可動プーリー20に前記伝動索体14aを押し付け、かみ合い歯数を増加させた構成を具備するエレベータのかごドア開閉装置3を構成したので、伝動索体14として歯付きベルトやチェーンなどからなる歯面の有る伝動索体14aを利用するため伝達効率が向上し伝達ロスを削減可能となるとともに、すべりが0と考えられるため、駆動源11に回転角度を検出するセンサーを搭載することにより、高機能なかごドア開閉制御が容易に高い信頼性にて実現可能となる。
ここで、この実施の形態4では伝動索体14が歯付きベルト14aの場合に対してアイドラ28の利用態様を示したが、伝動索体14が実施の形態1から実施の形態3までにおけるワイヤーロープなどの場合であっても、複数個のアイドラ28を利用しすべりを抑制することにより、伝動索体14と可動プーリー20との連結手段は利用でき、同様な効果が得られることは言うまでもないことである。
また、断面が略L字型である筐体3aに、実施の形態1および実施の形態2ならびに実施の形態4では下側案内レール8aと固定ラック9を、実施の形態3では固定ラック9と当接面25を、それぞれ別部品として設置している。しかし、筐体3aに曲げ加工、ならびに、プレス加工することにより下側案内レール8a、および、固定ラック9の歯形、そして、当接面asを形成しても実施の形態1から3までと同様な効果が得られることは言うまでもない。そして、組立時間がさらに短縮できる。ここで、高速ドア5および低速ドア6の自重が大きく、筐体3aの材料では強度的に持たない場合には、より高強度の別部材の板材にてプレス加工した固定ラック9を、曲げ加工した筐体3aに固定することにより、対応することができる。
また、上記のこれまでの実施の形態では、伝動索体14をかける各種プーリー(12,13,20)の回転軸を平行としているが、可動プーリー20のみ他のプーリー12,13と回転軸を直交させても、伝動索体14の弾性にて実現でき、同様な効果が得られることは言うまでもないことである。
また、これまでの実施の形態では、ピニオン19と同軸かつ回転拘束された可動プーリー20に伝動索体14を直接連結しているが、ピニオン19と同軸にマイタギヤなどの回転軸方向変換ギヤなどを利用し、変換された回転軸に可動プーリー20を固定し同様な効果を得ることは可能であることは言うまでもない。しかし、この場合には、これらの回転軸方向変換ギヤが別途必要となりコスト増加を招くことになる。
また、上記の実施の形態1および3では、低速側ハンガープレート15aを挟んでピニオン19と可動プーリー20を並列的に配置していたが、低速側ハンガープレート15aを挟まずピニオン19側に可動プーリー20を設置しても、実施の形態1から実施の形態3までと同様な効果が得られることは言うまでもない。
この場合、実施の形態2と合わせて、ピニオン19と可動プーリー20の鍛造や鋳造による一体成形が可能となり、安価となるとともに、組立時間が短縮できる。
この場合、実施の形態2と合わせて、ピニオン19と可動プーリー20の鍛造や鋳造による一体成形が可能となり、安価となるとともに、組立時間が短縮できる。
さらに、ピニオン19と可動プーリー20を一体成形する際に、ピニオン19の一部に可動プーリー20の溝部20aを形成しても、実施の形態1から4までと同様な効果の効果を満足するとともに、さらに安価に一体成形が可能となる。
以上のように、この発明による実施の形態では、(1)構造がコンパクト、(2)伝動索体14の張力・位置調整が容易、(3)低速ドア6および高速ドア5などの組立性が良い、(4)伝動索体14との連結部材が不要、あるいは、可動ラック21が不要となる、などを満足可能なかごドア開閉装置3を提供することを目的としている。
この発明による実施の形態においては、ラック・ピニオン機構により倍速機構を実現するエレベータのかごドア開閉装置3において、低速側ドア6に回転自在に設置されたピニオン19と同軸かつ回転拘束された可動プーリー20を追加構成し、ドア開閉駆動力を伝達する伝動索体14を可動プーリー20と連結手段により連結させることによりドア開閉駆動力を伝達させる。
この発明による実施の形態によれば、1本の伝動索体14により可動プーリー20に伝達される回転力をピニオン19に直接伝達する構成のため、従来必須部品であったボルト締結やカシメ締結などの伝動索体14とドア5,6の連結部材が不要となるとともに、低速ドア6側のハンガープレート15aの設置、伝動索体14の設置・調整、高速ドア5側のハンガープレート15bの設置が、独立で実現可能となるため、組立が容易となり、安価な製品を提供できる。また、高速ドア5側のハンガープレート15bの上方に可動ラック21を設置することにより、高速ドア5側および低速ドア6側のハンガープレート15a,15bの設置方向を設置状態と同じ姿勢で、かつ、同一とできるため、組立性を向上することが可能となる、などといった従来にない顕著な効果を奏するものである。
1 乗りかご、2 かご枠、3 かごドア開閉装置、3a 筐体、4 敷居、5 高速ドア、6 低速ドア、7 開口部、8a,8b 案内レール、9 固定ラック、10 支持ピン、11 駆動源、12,13 プーリー、14,14a 伝動索体、15a,15b ハンガープレート、16a,16b 吊車、17a,17b 支持ローラー、18 ガイドシュー、19 ピニオン、20 可動プーリー、21 可動ラック、22 張力調整機構、23 調整用ボルト、24 固定用ボルト、25 つかみ部、26 当接部材、27 押え板、28 アイドラ。
Claims (8)
- 左右片側一方向に開閉される低速ドアおよび高速ドアを備えたエレベータの乗りかごに配設されるかごドア開閉装置において、
前記乗りかごの所定個所に設けられる固定ラックと、
前記固定ラックに噛合して回転自在に設けられ回転に応じて前記低速ドアを水平移動させるピニオンと、
前記ピニオンと噛合し前記ピニオンの回転に応じて前記高速ドアを水平移動させる可動ラックと、
前記ピニオンと回転力を伝達可能として同軸に結合される可動プーリーと、
前記低速ドアおよび前記高速ドアの開閉動作を行うための駆動源と、
前記駆動源によって付勢され前記可動プーリーを回転駆動することにより前記ピニオンを介して前記低速ドアおよび前記高速ドアを開閉駆動する伝動索体とを備え、
前記低速ドアと前記高速ドアの開閉方向の移動量を1:2とすることを特徴とするエレベータのかごドア開閉装置。 - 左右片側一方向に開閉される低速ドアおよび高速ドアからなる2枚ドア片開き式のエレベータの乗りかごに配設されるかごドア開閉装置において、
前記乗りかごの上方に設置され少なくとも下方ならびに前方の2方向に開放された筐体と、
前記筐体後方下部に形成された下側案内レールと、
前記筐体後方中央部に形成され、歯面が上向きに形成された固定ラックと、
前記筐体に支持ピンを介して固定された上側案内レールと、
上部に垂直延在部を有し下部に低速ドアを接続する水平延在部を有する低速側ハンガープレートと、
前記低速側ハンガープレートの垂直延在部における正面下部に設置され、その下面が前記下側案内レールへ転動自在に係合され、かつ、支持される1対の低速側吊車と、
前記低速側ハンガープレートの垂直延在部において前記低速側吊車の回転軸よりも上方に形成された略上下方向の長穴に設置され、前記低速側吊車とともに、前記下側案内レールと係合され、かつ前記固定ラック下面との間を突っ張るように調整・固定される1対の低速側支持ローラーと、
前記低速側ハンガープレートの垂直延在部における正面上部に回転自在に設置され、前記固定ラックと噛合するピニオンと、
前記ピニオンと同軸、かつ、回転拘束された可動プーリーと、
上部に垂直延在部を有し下部に高速ドアを接続する水平延在部を有する高速側ハンガープレートと、
前記高速側ハンガープレートの垂直延在部における正面上部に設置され、その下面が前記上側案内レールへ転動自在に係合され、支持される1対の高速側吊車と、
前記高速側ハンガープレートにおいて前記高速側吊車の回転軸よりも下方に形成された略上下方向の長穴に設置され、前記高速側吊車とともに、前記上側案内レールを挟み込むように調整・固定される1対の高速側支持ローラーと、
前記高速側ハンガープレートの垂直延在部における上方後部に設置され、前記固定ラックと前記ピニオンとによりラック・ピニオン機構を構成する、歯面が下向きに形成された可動ラックと、
前記筐体の左右方向端部付近に設置され、低速ドアおよび高速ドアの開閉力を発生する駆動源と、
前記駆動源の回転軸により回転されるプーリーと、
前記筐体の左右方向において前記駆動源と反対側の端部付近に設置され、かつ、回転軸が回転拘束され、回転軸の左右方向位置を調整可能なプーリーを含む張力調整機構と、
前記駆動源により発生する開閉力を伝達する少なくとも1本の伝動索体と、
前記固定ラックの歯面と同一方向である前記伝動索体の上側と、前記可動プーリーを連結する連結手段とから構成され、
低速ドアと高速ドアの移動量を1:2とすることを特徴とするエレベータのかごドア開閉装置。 - 左右片側一方向に開閉される低速ドアおよび高速ドアからなる2枚ドア片開き式のエレベータの乗りかごに配設されるかごドア開閉装置において、
乗りかごの上方に設置され少なくとも下方ならびに前方の2方向に開放された筐体と、 前記筐体後方下部に形成された低速側案内レールと、
前記筐体後方上方に形成され、歯面が前後方向前向きに形成された固定ラックと、
前記筐体に支持ピンを介して固定された高速側案内レールと、
上部に垂直延在部を有し下部に前記低速ドアを接続する水平延在部を有する低速側ハンガープレートと、
前記低速側ハンガープレートの垂直延在部における正面中央部に設置され、その下面が前記低速側案内レールへ転動自在に係合され、かつ、支持される1対の低速側吊車と、
前記低速側ハンガープレートの垂直延在部において前記低速側吊車の回転軸よりも下方に形成された略上下方向の長穴に設置され、前記低速側吊車とともに、前記低速側案内レールの上下を挟み込むように調整・固定される1対の低速側支持ローラーと、
前記低速側ハンガープレートの垂直延在部における上部に回転軸が略鉛直方向となるように回転自在に設置され、前記固定ラックと噛合するピニオンと、
前記ピニオンと同軸、かつ、回転拘束された可動プーリーと、
上部に垂直延在部を有し下部に高速ドアを接続する水平延在部を有する高速側ハンガープレートと、
前記高速側ハンガープレートの垂直延在部における正面中央付近に設置され、その下面が前記上側案内レールへ転動自在に係合され、かつ、支持される1対の高速側吊車と、
前記高速側ハンガープレートの垂直延在部において前記高速側吊車の回転軸よりも下方に形成された略上下方向の長穴に設置され、前記高速側吊車とともに、前記高速側案内レールを挟み込むように調整・固定される1対の高速側支持ローラーと、
前記高速側ハンガープレートの垂直延在部における上部に設置され、前記固定ラックと前記ピニオンとによりラック・ピニオン機構を構成する、歯面が前後方向後ろ向きに形成された可動ラックと、
前記筐体の左右方向端部付近に設置され、低速ドアおよび高速ドアの開閉力を発生する駆動源と、
前記駆動源の回転軸により回転されるプーリーと、
前記筐体の左右方向において前記駆動源と反対側の端部付近に設置され、かつ、回転軸が回転拘束され、回転軸の左右方向位置を調整可能なプーリーを含む張力調整機構と、
前記駆動源により発生する開閉力を伝達する少なくとも1本の伝動索体と、
前記固定ラックの歯面と同一方向である前記伝動索体の前後方向前側と、前記可動プーリーを連結する連結手段とから構成され、
低速ドアと高速ドアの移動量を1:2とすることを特徴とするエレベータのかごドア開閉装置。 - 左右片側一方向に開閉される低速ドアおよび高速ドアを備えたエレベータの乗りかごに配設されるかごドア開閉装置において、
前記乗りかごの所定個所に設けられる固定ラックと、
前記固定ラックに噛合して回転自在に設けられ回転に応じて前記低速ドアを水平移動させるピニオンと、
前記ピニオンと回転力を伝達可能として同軸に結合される可動プーリーと、
前記低速ドアおよび前記高速ドアの開閉動作を行うための駆動源と、
前記駆動源によって付勢され前記可動プーリーを回転駆動することにより前記ピニオンを介して前記低速ドアを開閉駆動する伝動索体とを備え、
前記高速ドアを前記伝動索体へ結合して水平移動することにより前記高速ドアを開閉駆動することによって、前記低速ドアと前記高速ドアの開閉方向の移動量を1:2とすることを特徴とするエレベータのかごドア開閉装置。 - 左右片側一方向に開閉される低速ドアおよび高速ドアからなる2枚ドア片開き式のエレベータの乗りかごに配設されるかごドア開閉装置において、
前記乗りかごの上方に設置され少なくとも下方ならびに前方の2方向に開放された筐体と、
前記筐体後方中央部に形成され、歯面が下向きに形成された固定ラックと、
前記固定ラックの上方に形成された低速側案内レールと、
前記筐体に支持ピンを介して前記低速側案内レールとほぼ同一高さに固定された高速側案内レールと、
前記筐体の後方上部付近に、前記高速ドアが全閉位置となる近傍以外の領域に形成された当接面を有する当接部材と、
上部に垂直延在部を有し下部に低速ドアを接続する水平延在部を有する低速側ハンガープレートと、
前記低速側ハンガープレートの垂直延在部における正面上部に設置され、その下面が前記低速側案内レールに係合され、かつ、支持される1対の低速側吊車と、
前記低速側ハンガープレートの垂直延在部において前記低速側吊車の回転軸よりも上方に形成された略上下方向の長穴に設置され、前記低速側吊車とともに、前記低速側案内レールの上面と前記当接面の下面との間を突っ張る位置に調整・固定される1対の低速側支持ローラーと、
前記低速側ハンガープレートの垂直延在部における正面下部に回転自在に設置され、前記固定ラックと噛合するピニオンと、
前記ピニオンと同軸、かつ、回転拘束された可動プーリーと、
上部に垂直延在部を有し下部に前記高速ドアを接続する水平延在部を有する高速側ハンガープレートと、
前記高速側ハンガープレートの垂直延在部における正面上部に設置され、その下面が前記高速側案内レールへ転動自在に係合され、かつ、支持される1対の高速側吊車と、
前記高速側ハンガープレートの垂直延在部において前記高速側吊車の回転軸よりも下方に形成された略上下方向の長穴に設置され、前記高速側吊車とともに、前記高速側案内レールの上下を挟み込むように調整・固定される1対の高速側支持ローラーと、
前記筐体の左右方向端部付近に設置され、低速ドアおよび高速ドアの開閉力を発生する駆動源と、
前記駆動源の回転軸により回転されるプーリーと、
前記筐体の左右方向において前記駆動源と反対側の端部付近に設置され、かつ、回転軸が回転拘束され、回転軸の左右方向位置を調整可能なプーリーを含む張力調整機構と、
前記駆動源により発生する開閉力を伝達する少なくとも1本の伝動索体と、
前記固定ラックの歯面と同一方向である前記伝動索体の下側と、前記可動プーリーを連結する連結手段と、
前記伝動索体の一部を把持し、前記高速ドアに接続されるつかみ部から構成され、
前記低速ドアと前記高速ドアの移動量を1:2とすることを特徴とするエレベータのかごドア開閉装置。 - 左右片側一方向に開閉される低速ドアおよび高速ドアからなる2枚ドア片開き式のエレベータの乗りかごに配設されるかごドア開閉装置において、
乗りかごの上方に設置され少なくとも下方ならびに前方の2方向に開放された筐体と、前記筐体後方上部に形成され、歯面が下向きに形成された固定ラックと、
前記筐体後方下部に形成された低速側案内レールと、
前記低速側案内レールに支持ピンを介して前記低速側案内レールとほぼ同一高さに固定された高速側案内レールと、
上部に垂直延在部を有し下部に低速ドアを接続する水平延在部を有する低速側ハンガープレートと、
前記低速側ハンガープレートの垂直延在部における正面中央部に設置され、その下面を前記低速側案内レールへ転動自在に係合され、かつ、支持される1対の低速側吊車と、
前記低速側ハンガープレートの垂直延在部において前記低速側吊車の回転軸よりも下方に形成された略上下方向の長穴に設置され、前記低速側吊車とともに、前記低速側案内レールの上下を挟み込むように調整・固定される1対の低速側支持ローラーと、
前記低速側ハンガープレートの垂直延在部における正面上部に回転自在に設置され、前記固定ラックと係合するピニオンと、
前記ピニオンと同軸、かつ、回転拘束された可動プーリーと、
上部に垂直延在部を有し下部に前記高速ドアを接続する水平延在部を有する高速側ハンガープレートと、
前記高速側ハンガープレートの垂直延在部における正面中央付近に設置され、その下面を前記高速側案内レールへ転動自在に係合され、かつ、支持される1対の高速側吊車と、 前記高速側ハンガープレートにおいて前記高速側吊車の回転軸よりも下方に形成された略上下方向の長穴に設置され、前記高速側吊車とともに、前記高速側案内レールの上下を挟み込むように調整・固定される1対の高速側支持ローラーと、
前記筐体の左右方向端部付近に設置され、低速ドアおよび高速ドアの開閉力を発生する駆動源と、
前記駆動源の回転軸により回転されるプーリーと、
前記筐体の左右方向において前記駆動源と反対側の端部付近に設置され、かつ、回転軸が回転拘束され、回転軸の左右方向位置を調整可能なプーリーを含む張力調整機構と、
前記駆動源により発生する開閉力を伝達する少なくとも1本の伝動索体と、
前記固定ラックの歯面と同一方向である前記伝動索体の下側と、前記可動プーリーを連結する連結手段と、
前記伝動索体の一部を把持し、前記高速ドアに接続されるつかみ部から構成され、
前記低速ドアと前記高速ドアの移動量を1:2とすることを特徴とするエレベータのかごドア開閉装置。 - 前記伝動索体が歯面の無い伝動索体であり、前記連結手段として、前記伝動索体を前記可動プーリーに1回転以上巻き付けたことを特徴とする請求項2および請求項3ならびに請求項5および請求項6のいずれかに記載のエレベータのかごドア開閉装置。
- 前記伝動索体が歯面の有る伝動索体であり、前記連結手段として、アイドラを介して前記可動プーリーに前記伝動索体を押し付けたことを特徴とする請求項2および請求項3ならびに請求項5および請求項6のいずれかに記載のエレベータのかごドア開閉装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2007000994A JP2008168957A (ja) | 2007-01-09 | 2007-01-09 | エレベータのかごドア開閉装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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DE112021007859T5 (de) | 2021-06-21 | 2024-04-11 | Mitsubishi Electric Corporation | Ein-Seiten-Öffnung-Typ-Türvorrichtung für Aufzüge |
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2007
- 2007-01-09 JP JP2007000994A patent/JP2008168957A/ja active Pending
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