JP2008167553A - 同期モータの制御方法および制御装置 - Google Patents

同期モータの制御方法および制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】起動時に速やかに効率のよい運転状態に到達することが可能な同期モータの制御方法および制御装置を提供すること。
【解決手段】他制運転により同期モータを始動し(ステップ101)、電流振幅を絞って電流ベクトルをd軸電流が0Aとなるように固定する(ステップ102)。この状態でU相電流値を検出するとともにロータの推定位置をモータ実状態値から算出し(ステップ103、104)、U相電流がゼロクロスした時点で、ロータ推定位置が、電流ベクトルを固定した際のU相電流ゼロクロス点に対応した理論的ロータ位置を含む所定範囲内にあるときに(ステップ105)、他制運転制御から自制運転制御へ制御切り替えを行なう(ステップ106)
【選択図】図2

Description

本発明は、同期モータの制御方法および制御装置に関し、特に、複数相のモータコイルを備えた同期モータを、ロータ位置センサを用いることなく運転制御するためのモータ制御方法およびモータ制御装置に関する。
従来技術として、下記特許文献1に開示された同期モータの駆動制御装置がある。このモータ駆動制御装置では、速度指令値に基づいて同期モータの駆動周波数と印加電圧との関係を一定に制御する第1の制御系(所謂他制運転制御系)と、速度指令値と同期モータの駆動電流検出値とに基づいて同期モータの駆動電圧の振幅と位相を制御する第2の制御系(所謂自制運転制御系)とを備えている。そして、速度指令値に応じて第1の制御系と第2の制御系とを切り替えるようになっている。
特開2004−48886号公報
しかしながら、上記従来技術のモータ駆動制御装置では、モータの起動時において第1の制御系から第2の制御系に切り替えが行なわれることになるが、切り替え時点におけるモータの実状態(ロータの実状態)を把握していない。
したがって、制御系切り替え時にモータが駆動する負荷のトルクに大きな変動があり、ロータの回転位置が大きく遅れたような場合等には、脱調や制御遅れが発生し、速やかに自制運転制御による効率のよい運転状態に到達できない場合があるという問題がある。
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、起動時に速やかに効率のよい運転状態に到達することが可能な同期モータの制御方法および制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明の制御方法では、
ロータの位置を検出するための位置センサを用いることなく、複数相からなるステータコイルに印加する電圧指令を出力して、負荷(11)を駆動するための同期モータ(12)を運転制御する同期モータの制御方法であって、
ロータの位置に係らず所定の電圧振幅・周波数指令によってステータコイルに電圧を印加する他制運転により同期モータの運転を開始する他制運転ステップ(101)と、
他制運転ステップ(101)の後、ロータの推定位置に基づく電圧振幅・電圧位相指令によってステータコイルに電圧を印加する自制運転により同期モータの運転を継続する自制運転ステップ(107)と、
他制運転時における同期モータ(12)の実測される状態量に対するロータの推定位置が、ステータコイルに流れる電流のベクトルを固定した際の同期モータ(12)の満たすべき状態式を満足する位置を含む所定範囲内にあるときに、他制運転から自制運転へ運転制御を切り替える運転切替ステップ(102〜106)とを備えることを特徴としている。
これによると、運転切替ステップ(102〜106)において、同期モータ(12)の実測される状態量に対するロータの推定位置が、ステータコイルに流れる電流のベクトルを固定した際の同期モータ(12)の満たすべき状態式を満足する位置を含む所定範囲内にあるときに、他制運転制御から自制運転制御へ制御切り替えを行なうことができる。すなわち、ロータの推定位置情報のみでなく同期モータ(12)の実測される状態量をも用いて制御切り替えを行なうことができる。
したがって、同期モータ(12)が駆動する負荷(11)トルクに大きな変動があるような場合であっても、ロータの推定位置が、同期モータ(12)の実測される状態量に基づいて制御切り替えに適切な範囲にあると判断したときに、他制運転制御から自制運転制御へ制御切り替えを行なうことができる。
このようにして、同期モータ(12)の起動時に、他制制御運転から自制制御運転にスムースに制御切り替えを行ない、速やかに効率のよい運転状態に到達することができる。
また、請求項2に記載の発明の制御方法では、運転切替ステップ(102〜106)では、同期モータ(12)の実測される状態量を、前記ステータコイルの少なくともいずれかの相に流れる相電流値もしくは相電流値の関連電流値とすることを特徴としている。
自制制御運転は、ステータコイルの少なくともいずれかの相に流れる相電流値もしくは相電流値の関連電流値に基づいて行なわれることが一般的である。したがって、同期モータ(12)の実測される状態量を、相電流値もしくは相電流値の関連電流値とすれば、同期モータ(12)の実測される状態量を検出する手段を新たに設ける必要がない。
また、請求項3に記載の発明の制御方法では、運転切替ステップ(102〜106)では、ステータコイルに流れる電流のベクトルを固定した際の同期モータ(12)の満たすべき状態式を、ステータコイルに流れる電流ベクトルをロータ磁極軸成分が0Aとなるように固定した際の状態式とすることを特徴としている。
電流ベクトルをロータ磁極軸成分が0Aであるとき、すなわち、電流ベクトルがロータ磁極軸に直交する成分のみからなるときには、負荷(11)の状態に係らず、電流ベクトルに基づいて同期モータ(12)の満たすべき状態式を一義的に決定することができる。したがって、同期モータ(12)の起動時に、他制制御運転から自制制御運転へのスムースな制御切り替えを確実に行なうことができ、速やかに効率のよい運転状態に到達することが容易である。
また、請求項4に記載の発明の制御方法のように、運転切替ステップ(102〜106)では、ステータコイルに流れる電流の振幅を減少させることにより、容易に電流ベクトルのロータ磁極軸成分を0Aとすることができる。
また、請求項5に記載の発明の制御方法では、運転切替ステップ(102〜106)では、ステータコイルの少なくともいずれかの相電流値がゼロクロスしたとき、ロータの推定位置が前記所定範囲内にある場合に、他制運転から自制運転へ運転制御を切り替えることを特徴としている。
相電流値の検知において、値が正負反転するゼロクロスは検知が比較的容易である。したがって、制御切り替えの判定を容易に行なうことができる。
また、請求項6に記載の発明の制御方法では、運転切替ステップ(102〜106)では、ステータコイルの複数相の相電流値のそれぞれがゼロクロスしたときのうち、最初にロータの推定位置が前記所定範囲内にある場合に、他制運転から自制運転へ運転制御を切り替えることを特徴としている。
これによると、他制制御運転から自制制御運転へのスムースな制御切り替えを速やかに行なうことができ、より速やかに効率のよい運転状態に到達することができる。
また、請求項7に記載の発明の制御方法では、運転切替ステップ(102〜106)では、前記所定範囲を、満たすべき状態式におけるステータコイルの相電流値のゼロクロスに対応したロータ位置よりもロータの回転方向側の範囲としたことを特徴としている。
ステータコイルに流れる電流ベクトルのロータ磁極軸成分を0Aとするように減少させた場合には、ロータは回転方向側から相電流値のゼロクロスに対応した位置に近づいてくる。したがって、ステータコイルに流れる電流のベクトルを固定した際の同期モータ(12)の満たすべき状態式を満足する位置を含む所定範囲を、相電流値のゼロクロスに対応した位置より回転方向側に設定することにより、他制制御運転から自制制御運転へのスムースな制御切り替えを速やかかつ確実に行なうことができる。
また、請求項8に記載の発明の制御方法では、同期モータ(12)が駆動する負荷(11)は、ヒートポンプサイクル中に循環する冷媒を圧縮するための圧縮機構(11)であることを特徴としている。
ヒートポンプサイクルの冷媒を圧縮する圧縮機構(11)は、サイクル中の冷媒の状態や吸入圧縮吐出サイクルに応じて負荷トルクが大きく変動し易い。したがって、本発明により、圧縮機構(11)を駆動する同期モータ(12)の起動時に、他制制御運転から自制制御運転にスムースに制御切り替えを行ない、速やかに効率のよい運転状態に到達することができる効果は極めて大きい。
また、請求項9に記載の発明の制御装置では、
ロータの位置を検出するための位置センサを用いることなく、複数相からなるステータコイルに印加する電圧指令を出力して、負荷(11)を駆動するための同期モータ(12)を運転制御する同期モータの制御装置であって、
ロータの位置に係らず所定の電圧振幅・周波数指令を出力してステータコイルに電圧を印加する他制運転制御により、同期モータ(12)を運転する他制運転制御手段(22)と、
ロータの推定位置に基づく電圧振幅・電圧位相指令を出力してステータコイルに電圧を印加する自制運転制御により、同期モータ(12)を運転する自制運転制御手段(23)と、
他制運転制御手段(22)による他制運転により同期モータ(12)の運転を開始した後に、同期モータ(12)の実測される状態量に対するロータの推定位置が、ステータコイルに流れる電流のベクトルを固定した際の同期モータ(12)の満たすべき状態式を満足する位置を含む所定範囲内にあるときに、同期モータ(12)の運転制御を、他制運転制御手段(22)による他制運転制御から自制運転制御手段(23)による自制運転制御へと切り替える運転制御切替手段(24、25)とを備えることを特徴としている。
これによると、請求項1に記載の発明の制御方法を行なうことができる。
また、請求項10に記載の発明の制御装置では、運転制御切替手段(24、25)は、同期モータ(12)の実測される状態量を、ステータコイルの少なくともいずれかの相に流れる相電流値もしくは前記相電流値の関連電流値とすることを特徴としている。
これによると、請求項2に記載の発明の制御方法を行なうことができる。
また、請求項11に記載の発明の制御装置では、運転制御切替手段(24、25)は、ステータコイルに流れる電流のベクトルを固定した際の同期モータ(12)の満たすべき状態式を、ステータコイルに流れる電流ベクトルのロータ磁極軸成分が0Aであるときの状態式とすることを特徴としている。
これによると、請求項3に記載の発明の制御方法を行なうことができる。
また、請求項12に記載の発明の制御装置では、運転制御切替手段(24、25)は、ステータコイルに流れる電流の振幅を減少させることにより、電流ベクトルのロータ磁極軸成分を0Aとすることを特徴としている。
これによると、請求項4に記載の発明の制御方法を行なうことができる。
また、請求項13に記載の発明の制御装置では、運転制御切替手段(24、25)は、ステータコイルの少なくともいずれかの相電流値がゼロクロスしたときに、ロータの推定位置が前記所定範囲内にある場合に、他制運転制御手段(22)による他制運転制御から自制運転制御手段(23)による自制運転制御へ運転制御を切り替えることを特徴としている。
これによると、請求項5に記載の発明の制御方法を行なうことができる。
また、請求項14に記載の発明の制御装置では、運転制御切替手段(24、25)は、ステータコイルの複数相の相電流値のそれぞれがゼロクロスしたときのうち、最初にロータの推定位置が前記所定範囲内にある場合に、他制運転制御手段(22)による他制運転制御から自制運転制御手段(23)による自制運転制御へ運転制御を切り替えることを特徴としている。
これによると、請求項6に記載の発明の制御方法を行なうことができる。
また、請求項15に記載の発明の制御装置では、運転制御切替手段(24、25)は、前記所定範囲を、満たすべき状態式におけるステータコイルの相電流値のゼロクロスに対応したロータ位置よりもロータの回転方向側の範囲としたことを特徴としている。
これによると、請求項7に記載の発明の制御方法を行なうことができる。
また、請求項16に記載の発明の制御装置では、同期モータ(12)が駆動する負荷(11)は、ヒートポンプサイクル中に循環する冷媒を圧縮するための圧縮機構(11)であることを特徴としている。
これによると、請求項8に記載の発明の制御方法を行なうことができる。
なお、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明を適用した一実施形態における同期モータの位置センサレス運転制御装置である電動圧縮機10の同期モータ12の制御装置20の概略構成を示すブロック図である。
電動圧縮機10は、例えば二酸化炭素等を冷媒とするヒートポンプ式給湯装置や車両用空調装置等のヒートポンプサイクル中に配設される圧縮機であり、内蔵する同期モータ12によって圧縮機構11が駆動されて、気相冷媒を圧縮して(例えば二酸化炭素冷媒であれば臨界圧力以上まで圧縮して)吐出する電動コンプレッサである。
図1に示すように、電動圧縮機10は、同期モータ12により負荷としての圧縮機構11を回転駆動させ、冷媒を圧縮して吐出するものであり、本実施形態の同期モータ12は、磁石を埋設したロータを回転駆動する4極3相コイルを有する同期モータである。
そして、直流電源生成部14から母線15を介して直流電圧がインバータ回路16に入力され、インバータ回路16は制御装置20からの指令信号に基づいて同期モータ12のステータコイルの各相(U、V、W相)に配線17を介して電圧を印加し、ロータが回転駆動されようになっている。
直流電源生成部14は、直流電源であってもよいし、外部電源からの交流電圧をAC/DCコンバータ回路等に入力して直流電圧に変換するものであってもよい。
また、インバータ回路16は、図1に示すように、スイッチング素子とダイオードとを逆並列接続した複数のアームからなる周知の構造をなすものである。
制御装置20は、制御入出力部21、他制制御部22、自制制御部23、制御切替条件算出部24、および制御切替部25を備えている。ここで、他制制御部22が本実施形態における他制運転制御手段に相当し、自制制御部23が自制運転制御手段に相当し、制御切替条件算出部24および制御切替部25が運転制御切替手段に相当する。
制御入出力部21は、インバータ給電構成部(本例ではインバータ回路16および配線17)と制御装置20の実質的なモータ制御部との間の信号の入出力を管理する接続部である。制御入出力部21を介して行なわれる情報信号の入出力としては、図1に示すように、配線17の1相もしくは複数相(本例では1相)における検出電流値情報の入力、インバータ回路16からの電圧情報の入力、インバータ回路16への電圧指令情報の出力等がある。
他制制御部22は、予め定めた電圧振幅・運転周波数指令を、制御入出力部21を介してインバータ回路16に出力し、ロータ位置に係らずステータコイルに電圧印加して同期モータ12を他制運転し、同期モータ12を始動する機能を備えている。さらに、他制制御部22は、後述する他制運転制御から自制制御部23による自制運転制御への制御移行時の電流振幅を絞る制御機能も有している。
一方、自制制御部23は、制御入出力部21を介して入力した同期モータ12の実状態量(実測される状態量、例えば電圧、電流、回転数)を用いてロータの位置推定を行ない、算出したロータの推定位置に基づいた電圧振幅・電圧位相指令を、制御入出力部21を介してインバータ回路16に出力し、ロータの推定位置を反映したベクトル制御によりステータコイルに電圧を印加して同期モータ12を自制運転する機能を備えている。
さらに、自制制御部23は、他制制御部22による他制制御が行なわれているときにもロータの位置推定の演算を行ない、ロータ推定位置情報を制御切替条件算出部24に出力するようになっている。
制御切替算出部24は、制御入出力部21を介して入力した同期モータ12の実状態量(本例では配線17に設けた電流検出手段が検出した相電流値)および自制制御部23から入力したロータの推定位置情報の検出を行ない(取得し)、これらの検出結果(取得結果)に基づき他制制御から自制制御への制御切替判定をし、判定結果情報を制御切替部25に出力して、制御切替部25の動作により他制制御部22による他制運転制御と自制制御部23による自制運転制御との制御切り替えを行なうようになっている。
次に、同期モータ12を起動する際に制御装置20が行なう制御動作について説明する。図2は、制御装置20のモータ起動制御時の概略制御動作を示すフローチャートである。また、図3および図4は、モータ制御における座標軸を定義する図である。図3は、ステータコイルの各相(U、V、W相)の位置とα、β軸からなる固定座標との関係を示すものであり、図4は、α、β軸を基準としたロータ磁極軸であるd軸とd軸に直交するq軸とからなる回転座標を示すものである。
図2に示すように、制御装置20は、まず、他制制御部22から予め定めた電圧振幅・運転周波数指令を出力し、他制運転を開始する(ステップ101)。ステップ101で他制運転を開始したら所定条件まで他制運転を継続する。ここで実行される制御が所謂電圧オープン制御(始動制御)である。
ステップ101を実行して他制運転を開始し所定条件に到達したら、制御切替判定の動作に移行する。
制御切り替え判定が可能な状態に移行させるために、まず、他制制御部22からの指令により電流振幅を減少させる(振幅を絞る)制御を行ない(ステップ102)、同期モータ12のステータコイルに流れる電流のベクトルをロータ磁極軸成分(d軸成分)であるd軸電流が0Aとなるまで電流振幅を減少させる。
ここで行なう制御切り替えにおいては、他制運転制御中に自制運転制御状態に近づけるように、電流振幅を絞る制御を行なっている。
他制運転制御中は、ステータコイルに回転磁界を作るために電圧ベクトルを生成し、生成した回転磁界にロータが追従して回転している。したがって、電流ベクトルの位相は制御対象の状態(ロータの追従状態)によって変化する。これに対し、自制運転制御では、ロータの推定位置に基づいてモータ制御が行われ、効率のよいポイントで運転できるように電流ベクトルの位相も制御される。
すなわち、他制運転制御から自制運転制御に制御切り替えをスムースに行なうには、切り替え時点における電流ベクトルの位相をほぼ一致させることが好ましい。
例えば、図5に示す電流ベクトルiの状態から電流振幅を絞ると、負荷トルクとの関係を満足する範囲で、図6に示すように、電流ベクトルiの位相を変化させて電流ベクトルiのd軸成分であるd軸電流idを減少させることができる。図6に示す状態からさらに電流振幅を絞ることでd軸電流idを0Aとし、電流ベクトルiがq軸成分であるq軸電流iqのみからなる状態にモータ制御状態をコントロールすることができる。
ステップ102を実行してd軸電流idを0Aとしたら、制御切替条件算出部24が配線17において実測された実状態量であるU相電流値iuを検出する(ステップ103)。さらに、自制制御部23で実状態量に基づいて演算された演算推定値であるロータの推定位置(ここでは電気角)θeを検出する(ステップ104)。
ステップ104を実行したら、制御切替条件算出部24は、ステップ103で検出した検出値であるU相電流値iuが正から負へゼロクロスし、ゼロクロス時点でのロータ推定位置θeが所定範囲(ここでは電気角θeが360度の整数倍(U相電流値iuの正から負へのゼロクロスに対応したロータ位置電気角)を中心値として±10度の範囲)内にあるか否かを判断する(ステップ105)。
図7は、d軸電流idを0AとしたときのU、V、W相の電流波形とロータの位置との理論的な関係を示した図である。すなわち、図7は、他制運転制御から自制運転制御へ制御切り替えする際の、実際に検出される電流(実測される電流値)とロータの位置との理想的な関係(最も好ましい位置関係)を示した図である。
図7よりU相電流値iuの正から負へのゼロクロスしたときに制御切り替えをスムースに行なうための理想的なロータ位置は、360度の整数倍となることが明らかであるので、ステップ105では、ロータ位置電気角360度の整数倍を含むとともにロータ位置電気角360度の整数倍を基準とした所定範囲(本例では±10度の範囲)を判断の基準としている。
ステップ105においてU相電流値iuが正から負へゼロクロスした時点でのロータ推定位置θeが所定範囲内にないと判断した場合には、ステップ103へリターンし、新たにU相電流値iuおよびロータの推定位置θeの検出を行なう。
ステップ105においてU相電流値iuが正から負へゼロクロスした時点でのロータ推定位置θeが所定範囲内にあると判断した場合には、制御切替条件算出部24は制御切替部25に制御切り替え条件が整ったことを示す信号を出力し、制御切替部25が他制制御部22による他制運転制御から自制制御部23による自制運転制御に制御切り替えを行なう(ステップ106)。
そして、その後は、ロータの推定位置に基づく電圧振幅・電圧位相指令によってステータコイルに電圧を印加する効率のよい自制運転制御が継続される(ステップ107)。ここで実行される制御が、所謂位置センサレス制御である。
ここで、ステップ101が本実施形態における他制運転ステップであり、ステップ107が本実施形態における自制運転ステップである。そして、ステップ102〜106が本実施形態における運転切替ステップである。
上述の構成および制御動作によれば、同期モータ12の実測される状態量であるU相電流値iuに対するロータの推定位置θeが、同期モータ12のステータコイルに流れる電流ベクトルiをd軸電流idが0Aとなるように固定した際の同期モータ12の満たすべき状態式(すなわち図7に示す関係)を満足する位置(すなわちU相電流値iuの正から負へのゼロクロスに対応したロータ位置電気角θeが360度の整数倍)を含む所定範囲内(±10度以内)にあるときに、他制運転制御から自制運転制御へ制御切り替えを行なうことができる。
したがって、ロータの推定位置θeだけでなく同期モータ12の実測される状態量の1つであるU相電流値iuも用いて制御切り替え判定を行なうことができ、同期モータ12が駆動する圧縮機構11に大きなトルク変動が発生するような場合であっても、ロータの推定位置θeが、同期モータ12のU相電流値iuに基づいて設定した制御切り替えに適切な範囲にあると判断したときに、他制運転制御から自制運転制御へ制御切り替えを行なうことができる。
このようにして、電動圧縮機10の同期モータ12の起動時に、他制制御運転から自制制御運転にスムースに制御切り替えを行ない、速やかに効率のよい運転状態に到達することができる。
また、制御切り替え判定に用いる同期モータ12の実測される状態量としてU相電流値iuを採用しているが、自制運転制御時にはステータコイルの少なくともいずれかの相(本例ではU相)に流れる相電流を検知する必要がある。したがって、制御切り替え判定のためにU相電流値iuを検出するセンサを専用に設ける必要がない。
また、制御切り替え判定時の同期モータ12の満たすべき状態式を、ステータコイルに流れる電流ベクトルiをd軸成分idが0Aとなるように固定した際の状態式である図7に示す関係としている。図7に示す相電流の位相とロータ位置との関係は、電流ベクトルiをd軸電流idが0Aとなるように固定しているので、圧縮機構11の負荷トルクに係らず一義的に決まるものである。したがって、制御切り替え時に大きな負荷変動があったとしても、他制運転から自制運転へのスムースな制御切り替えを確実に行なうことができる。
また、制御切り替え判定は、図7に示す相電流の位相とロータ位置との関係のうち、U相電流値iuのゼロクロスポイントの関係に基づいて行なっている。相電流値の検知において値が正負反転するゼロクロスポイントは検知が比較的容易であり比較的精度がよい。したがって、制御切り替えの判定を容易かつ精度よく行なうことができる。
また、制御切り替え判定を行なう際のロータ推定位置の判定範囲を、U相電流値iuの正から負へのゼロクロスに対応した360度の整数倍±10度とし、理想的なロータ位置よりもロータの回転方向側の範囲を含むように設定している。
ステータコイルに流れる電流の振幅を絞り、電流ベクトルiのd軸成分であるd軸電流idが0Aとなるように減少させていく場合には、ロータは回転方向側からU相電流値iuのゼロクロスに対応した位置である電気角360度の位置に近づいてくる。
したがって、制御切り替え判定を行なう際のロータ推定位置の判定範囲を、U相電流値iuのゼロクロスに対応した位置より回転方向側を含むように設定しているので、ロータの推定位置がU相電流値iuのゼロクロスに対応した位置に到達するまでに、他制制御運転から自制制御運転へ制御切り替えを速やかかつ確実に行なうことができる。
制御切り替え判定を行なう際のロータ推定位置の判定範囲を、U相電流値iuのゼロクロスに対応した位置から少なくとも回転方向側を含むように設定すれば、U相電流値iuのゼロクロスに対応した位置より反回転方向側を含まない(例えば、360度の整数倍に対し+10度、−0度)ものであってもよい。
また、電動圧縮機10の同期モータ12が駆動する負荷は、ヒートポンプサイクル中に循環する冷媒を圧縮するための圧縮機構11である。冷媒を圧縮する圧縮機構はサイクル中の冷媒の状態や吸入圧縮吐出サイクルに応じて負荷トルクが大きく変動し易い。したがって、本実施形態において圧縮機構11を駆動する同期モータ12の起動時に、他制制御運転から自制制御運転にスムースに制御切り替えを行ない、速やかに効率のよい運転状態に到達することができる効果は極めて大きい。
ここで、図8を用いて、本実施形態の同期モータ起動制御における運転制御切り替えの動作例を説明する。図8は、運転制御切り替えが行なわれたときのU相電流値iuとロータ推定位置θeとの関係を示すグラフである。なお、ロータ推定位置θeは0〜360度の範囲に収まるように演算処理しており、鋸形状の波形となっている。
図7に示したように、d軸電流idが0Aの場合には、U相電流iuが正から負へゼロクロスし、かつロータ推定位置θeが360度の整数倍となるときが、理想的な運転制御切り替えタイミングである。
図8に示すように、同期モータ12を他制運転制御により始動し、所定条件まで運転した後、電流振幅を徐々に絞っていくことでd軸電流idが0Aとなる条件へ制御していく。すなわち、制御切り替え判定可能な条件に移行させていく。これに伴ない、U相電流iuが正から負へゼロクロスする際のロータ推定位置電気角θeが回転方向側から360度の整数倍に相当する0度に近づいてくる。
そして、d軸電流idが0Aとなる条件が成立した後、3回目の正から負へのU相電流iuゼロクロスのときに、ロータ推定位置電気角θeが360度の整数倍±10度に相当する350〜360度および0〜10度の範囲内に入る。このとき、他制運転制御から自制運転制御へスムースに制御切り替えが行なわれ、以降、自制運転制御による効率のよい運転状態が継続される。
本実施形態では、ステップ105において、U相電流値iuが正から負へゼロクロスし、ゼロクロス時点でのロータ推定位置θeが360度の整数倍を中心値として±10度の範囲内にあるか否かを判断していたが、所定範囲は中心値から±10度に限定されるものではなく、モータの諸特性等に応じて適宜設定可能である。ただし、前述したように、360度の整数倍の位置を基準として少なくともロータ回転方向側を含むように設定することが好ましく、360度の整数倍の位置からロータ回転方向側のみで範囲を設定するものであってもよい。
(他の実施形態)
上記一実施形態では、U相電流iuが正から負へゼロクロスし、ロータ推定位置電気角θeが360度の整数倍±10度の範囲内に入ったときに、運転制御を他制運転制御から自制運転制御に切り替えていたが、運転制御を切り替える条件はこれに限定されるものではない。
図7から明らかなように、各相の電流値iu、iv、iwは120度位相がずれた波形である。これらの波形がゼロクロスするポイントはロータ位置0〜360度の区間に6箇所存在し、それぞれポイントで制御切り替えの条件を設定することができる。
具体的には、nを正の整数とした場合に、
U相電流であれば、0+360×n度(正から負へゼロクロス)と180+360×n度(負から正へゼロクロス)のポイントにおいて、
V相電流であれば、120+360×n度(正から負へゼロクロス)と300+360×n度(負から正へゼロクロス)のポイントにおいて、
W相電流であれば、240+360×n度(正から負へゼロクロス)と60+360×n度(負から正へゼロクロス)のポイントにおいて、制御切り替えの条件を設定することが可能である。
したがって、上記一実施形態のように、U相電流値iuを検出している場合には、正から負へのゼロクロスポイントだけでなく、負から正へのゼロクロスポイントにおいても制御切り替え判定を行なってもよい。
また、他の相の電流値を検知して、複数のゼロクロスポイントにおける制御切り替え判定を組み合わせるものであってもよい。複数の制御切り替え判定を組み合わせ、最も早く制御切り替えの条件が成立した時点で運転制御を切り替えれば、他制制御運転から自制制御運転へのスムースな制御切り替えを速やかに行なうことができ、より速やかに効率のよい運転状態に到達することができる。
すなわち、ステータコイルの複数相の相電流値のそれぞれがゼロクロスしたときのうち、最初にロータの推定位置がゼロクロスポイントに対応して設定した所定範囲内にある場合に、他制運転から自制運転へ運転制御を切り替えるものであれば、他制運転制御から自制運転制御へのスムースな制御切り替えを速やかに行なうことができ、より速やかに効率のよい運転状態に到達することができる。
相電流のゼロクロスポイントを制御切り替え判定のポイントとする場合には、上述した6箇所のポイントの全てを用いることにより、極めて速やかに効率のよい運転状態に到達することができる。始動後早期に制御切り替えを行ない他制運転制御状態を短縮できる効果は極めて大きい。
また、上記一実施形態では、実測される状態量はU相電流値iuであり、制御切り替え判定のポイントはU相電流のゼロクロスポイントに設定していたが、図7に示す他のポイントに設定するものであってもよい。例えば、各相電流値が最大値や最小値となるポイントに制御切り替え判定のポイントを設定してもかまわない。各相電流値が最大値や最小値となるポイントのみに制御切り替え判定のポイントを設定するものであってもよいし、上述のゼロクロスポイントと組み合わせて、制御切り替えの早期化を図るものであってもよい。
また、上記一実施形態では、同期モータ12の実測される状態量をステータコイルに流れる相電流値としていたが、これに限定されるものではない。例えば、実測される状態量は、相電流値と等価に扱える線間電流値等の相電流値の関連電流値であってもよいし、インバータ回路16から取得した電圧情報等であってもよい。
また、上記一実施形態では、制御切り替え判定時の同期モータ12の満たすべき状態式を、ステータコイルに流れる電流ベクトルiをd軸電流idが0Aとなるように固定した際の状態式としていた。この場合には、ロータ位置に対する各相の電流位相の関係が一義的に決定されるため、モータの種類や負荷の状態によらず制御切り替えを容易に行なうことができる。
また、電流ベクトルiをd軸電流idが0A以外となるように固定した場合であると、負荷の大きさ等の影響によりd軸電流idとq軸電流iqの合成電流の振幅が変化し、ロータ位置に対する各相の電流位相の関係が一義的に決まらないが、d軸電流idを比較的小さい値(例えば5A)とし、制御切り替え判定におけるロータ位置の変動をある程度許容すれば、制御切り替えを行なうことは可能である。
また、上記一実施形態では、同期モータ12が駆動する圧縮機構11のタイプについて説明を省略したが、ロータリ型、ピストン型、スクロール型等の各種の圧縮機構を採用することができる。ロータリ型の圧縮機構を採用した場合には、ロータリ型の圧縮機構は駆動時のトルク変動が比較的大きいので、本発明の制御切り替えを適用して特に有効である。
また、上記一実施形態では、同期モータ12は4極3相モータであったが、極数および相数はこれに限定されるものではない。本実施形態のように4極ロータを採用した場合には、電気角360度は機械角180度に相当する。また、8極ロータを採用した場合には、電気角360度は機械角90度に相当する。これらの関係を利用して機械角を用いて制御切り替えを行なうものであってもよい。
また、上記一実施形態では、同期モータ12は、二酸化炭素を冷媒とするヒートポンプサイクルの圧縮機構11を駆動するモータであったが、これに限定されるものではない。冷媒が二酸化炭素以外のヒートポンプサイクル(冷凍サイクル)の圧縮機モータであってもよいし、負荷は圧縮機構ではなくポンプ機構等であってもよい。位置センサを用いることなく同期モータを運転制御する場合に、本発明は広く適用して有効である。
一実施形態における電動圧縮機10の同期モータ12と制御装置20の概略構成を示すブロック図である。 制御装置20のモータ起動制御時の概略制御動作を示すフローチャートである。 ステータコイルの各相(U、V、W相)の位置とα、β軸からなる固定座標との関係を定義する図である。 α、β軸を基準としたロータ磁極軸であるd軸とd軸に直交するq軸とからなる回転座標を定義する図である。 電流振幅絞りを行なう前の電流ベクトルの状態例を示す図である。 電流振幅絞りを進めていったときの電流ベクトルの状態例を示す図である。 d軸電流idを0Aに固定したときのU、V、W相の電流波形とロータの位置との関係を示した図である。 同期モータ起動制御における運転制御切り替えの動作例を示す図である。
符号の説明
10 電動圧縮機
11 圧縮機構(負荷)
12 同期モータ
16 インバータ回路
20 制御装置
22 他制制御部(他制運転制御手段)
23 自制制御部(自制運転制御手段)
24 制御切替条件算出部(運転制御切替手段の一部)
25 制御切替部(運転制御切替手段の一部)

Claims (16)

  1. ロータの位置を検出するための位置センサを用いることなく、複数相からなるステータコイルに印加する電圧指令を出力して、負荷(11)を駆動するための同期モータ(12)を運転制御する同期モータの制御方法であって、
    前記ロータの位置に係らず所定の電圧振幅・周波数指令によって前記ステータコイルに電圧を印加する他制運転により前記同期モータの運転を開始する他制運転ステップ(101)と、
    前記他制運転ステップ(101)の後、前記ロータの推定位置に基づく電圧振幅・電圧位相指令によって前記ステータコイルに電圧を印加する自制運転により前記同期モータの運転を継続する自制運転ステップ(107)と、
    前記他制運転時における前記同期モータ(12)の実測される状態量に対する前記ロータの推定位置が、前記ステータコイルに流れる電流のベクトルを固定した際の前記同期モータ(12)の満たすべき状態式を満足する位置を含む所定範囲内にあるときに、前記他制運転から前記自制運転へ運転制御を切り替える運転切替ステップ(102〜106)とを備えることを特徴とする同期モータの制御方法。
  2. 前記運転切替ステップ(102〜106)では、前記実測される状態量を、前記ステータコイルの少なくともいずれかの相に流れる相電流値もしくは前記相電流値の関連電流値とすることを特徴とする請求項1に記載の同期モータの制御方法。
  3. 前記運転切替ステップ(102〜106)では、前記満たすべき状態式を、前記ステータコイルに流れる電流ベクトルのロータ磁極軸成分が0Aであるときの状態式とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の同期モータの制御方法。
  4. 前記運転切替ステップ(102〜106)では、前記ステータコイルに流れる電流の振幅を減少させることにより、前記電流ベクトルのロータ磁極軸成分を0Aとすることを特徴とする請求項3に記載の同期モータの制御方法。
  5. 前記運転切替ステップ(102〜106)では、前記ステータコイルの少なくともいずれかの相電流値がゼロクロスしたときに、前記ロータの推定位置が前記所定範囲内にある場合に、前記他制運転から前記自制運転へ運転制御を切り替えることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の同期モータの制御方法。
  6. 前記運転切替ステップ(102〜106)では、前記ステータコイルの複数相の相電流値のそれぞれがゼロクロスしたときのうち、最初に前記ロータの推定位置が前記所定範囲内にある場合に、前記他制運転から前記自制運転へ運転制御を切り替えることを特徴とする請求項5に記載の同期モータの制御方法。
  7. 前記運転切替ステップ(102〜106)では、前記所定範囲を、前記満たすべき状態式における前記ステータコイルの相電流値のゼロクロスに対応したロータ位置よりも前記ロータの回転方向側の範囲としたことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の同期モータの制御方法。
  8. 前記負荷(11)は、ヒートポンプサイクル中に循環する冷媒を圧縮するための圧縮機構(11)であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の同期モータの制御方法。
  9. ロータの位置を検出するための位置センサを用いることなく、複数相からなるステータコイルに印加する電圧指令を出力して、負荷(11)を駆動するための同期モータ(12)を運転制御する同期モータの制御装置であって、
    前記ロータの位置に係らず所定の電圧振幅・周波数指令を出力して前記ステータコイルに電圧を印加する他制運転制御により、前記同期モータ(12)を運転する他制運転制御手段(22)と、
    前記ロータの推定位置に基づく電圧振幅・電圧位相指令を出力して前記ステータコイルに電圧を印加する自制運転制御により、前記同期モータ(12)を運転する自制運転制御手段(23)と、
    前記他制運転制御手段(22)による他制運転により前記同期モータ(12)の運転を開始した後に、前記同期モータ(12)の実測される状態量に対する前記ロータの推定位置が、前記ステータコイルに流れる電流のベクトルを固定した際の前記同期モータ(12)の満たすべき状態式を満足する位置を含む所定範囲内にあるときに、前記同期モータ(12)の運転制御を、前記他制運転制御手段(22)による他制運転制御から前記自制運転制御手段(23)による自制運転制御へと切り替える運転制御切替手段(24、25)とを備えることを特徴とする同期モータの制御装置。
  10. 前記運転制御切替手段(24、25)は、前記実測される状態量を、前記ステータコイルの少なくともいずれかの相に流れる相電流値もしくは前記相電流値の関連電流値とすることを特徴とする請求項9に記載の同期モータの制御装置。
  11. 前記運転制御切替手段(24、25)は、前記満たすべき状態式を、前記ステータコイルに流れる電流ベクトルのロータ磁極軸成分が0Aであるときの状態式とすることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の同期モータの制御装置。
  12. 前記運転制御切替手段(24、25)は、前記ステータコイルに流れる電流の振幅を減少させることにより、前記電流ベクトルのロータ磁極軸成分を0Aとすることを特徴とする請求項11に記載の同期モータの制御装置。
  13. 前記運転制御切替手段(24、25)は、前記ステータコイルの少なくともいずれかの相電流値がゼロクロスしたときに、前記ロータの推定位置が前記所定範囲内にある場合に、前記他制運転制御手段(22)による他制運転制御から前記自制運転制御手段(23)による自制運転制御へ運転制御を切り替えることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の同期モータの制御装置。
  14. 前記運転制御切替手段(24、25)は、前記ステータコイルの複数相の相電流値のそれぞれがゼロクロスしたときのうち、最初に前記ロータの推定位置が前記所定範囲内にある場合に、前記他制運転制御手段(22)による他制運転制御から前記自制運転制御手段(23)による自制運転制御へ運転制御を切り替えることを特徴とする請求項13に記載の同期モータの制御装置。
  15. 前記運転制御切替手段(24、25)は、前記所定範囲を、前記満たすべき状態式における前記ステータコイルの相電流値のゼロクロスに対応したロータ位置よりも前記ロータの回転方向側の範囲としたことを特徴とする請求項13または請求項14に記載の同期モータの制御装置。
  16. 前記負荷(11)は、ヒートポンプサイクル中に循環する冷媒を圧縮するための圧縮機構(11)であることを特徴とする請求項9ないし請求項15のいずれかに記載の同期モータの制御装置。
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JP2015126598A (ja) * 2013-12-26 2015-07-06 パナソニックIpマネジメント株式会社 モータ制御装置及びモータ制御方法
JP2017022990A (ja) * 2016-08-31 2017-01-26 株式会社富士通ゼネラル 同期モータの制御装置

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